JP2019025678A - 不燃化粧板、不燃化粧板の製造方法 - Google Patents

不燃化粧板、不燃化粧板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】建築基準法に規定されている不燃性能を容易に達成することが可能な、不燃化粧板及びその製造方法を提供する。【解決手段】基材2の一方の面に、金属層6と、化粧層10と、がこの順に積層されている不燃化粧板1であって、金属層6には、金属層6を厚さ方向に貫通する複数の孔部30が形成され、孔部30は、線状に形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、不燃化粧板及びその製造方法に関する。
現行の建築基準法では、内装制限という規定で、天井や壁に使用する材料の不燃性能が定められている。また、多くの人が集まる特殊建築物や、大規模な建築物では、内装(壁や天井)に、不燃・準不燃・難燃等と規定されている防火建築材料を使わなければならない。
内装に使用する不燃化粧板においては、不燃性だけではなく、不燃化粧板の色柄、質感、耐傷性等、意匠性、機能性が要望される。このため、不燃化粧板の発熱量が増える傾向にあり、化粧板としての要望を達成した上での、不燃基準の達成が困難であるという問題がある。
この問題に対し、特許文献1に記載の技術がある。
特許文献1には、無機材料を主材料とする難燃性基板と、ピンホール状の通気孔が無数に形成された金属シートと、通気性のない不燃化粧板と、難燃性基板と金属シート及び金属シートと不燃化粧板を接着する接着層を含む不燃化粧板が開示されている。
また、特許文献1には、金属シートに形成した通気孔の一例として、直径が0.01mm以上0.5mm以下の範囲内であり、数が1,000〜1,000,000個/mと開示されている。これにより、特許文献1に記載の技術では、火災等で外側から強い熱を受けた際に、難燃性基板の内側から発生したガスが通気孔から放出されるため、金属シートの損傷を抑制することが可能となり、防火性能を改良する効果を奏することが可能となる。
特開2014−15009号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている技術では、通気孔の直径や数が適切に設定されていない場合、難燃性基板の内側から発生したガスの量や勢いによっては、建築基準法に規定されている不燃性能を達成することが困難であるという問題点がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、建築基準法に規定されている不燃性能を容易に達成することが可能な、不燃化粧板及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、基材の一方の面に、金属層と、化粧層と、がこの順に積層されている不燃化粧板である。金属層には、金属層を厚さ方向に貫通する複数の孔部が形成されており、孔部は、線状に形成されている。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様は、基材の一方の面に、金属層と、化粧層と、がこの順に積層されている不燃化粧板の製造方法であり、孔部形成工程と、平滑化工程と、を含む。孔部形成工程は、金属層に、金属層を厚さ方向に貫通する複数の孔部を、金属層を切削することで複数の孔部を線状に形成する工程である。平滑化工程は、孔部形成工程の後工程であり、孔部形成工程で金属層に形成された凹凸部分を押し潰すことで、金属層を平滑化する工程である。
本発明の一態様によれば、火災等により基材の内部からガスが発生した時に、孔部を起点として金属層が開くため、ガスの発生速度に対応するガスの放出量を確保することが可能となり、金属層の損傷を抑制することが可能となる。
このため、不燃化粧板が火災等で外側から強い熱を受けた際に、金属層の損傷を抑制することによって、不燃性効果を効率的に発揮することが可能となる。これにより、建築基準法に規定されている不燃性能を容易に達成することが可能な、不燃化粧板及び不燃化粧板の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の第一実施形態の不燃化粧板を表す断面図である。 金属層の平面図である。 孔部の拡大図である。 不燃化粧板の製造方法を表す図である。 不燃化粧板の製造方法を表す図である。 不燃化粧板の製造方法を表す図である。 不燃化粧板の製造方法を表す図である。 不燃化粧板の製造方法を表す図である。 本発明の変形例を表す図である。 図9中に符号Xで表す範囲の拡大図である。 本発明の変形例を表す図である。 本発明の変形例を表す図である。 本発明の変形例を表す図である。 本発明の第二実施形態の不燃化粧板が備える金属層の平面図である。 孔部の拡大図である。 不燃化粧板の製造方法を表す図である。
図面を参照して、本発明の第一実施形態を以下において説明する。以下の説明で参照する図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係や、各層の厚さの比率等は、現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚さや寸法は、以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
更に、以下に示す第一実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための不燃化粧板を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質や、それらの形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」になり、「右」が「左」になることは勿論である。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1から図3を用いて、不燃化粧板1の構成について説明する。
図1中に表す不燃化粧板1は、建築物(例えば、住居)の内装(壁、天井)に用いる板である。
不燃化粧板1は、基材2と、第一接着層4と、金属層6と、第二接着層8と、化粧層10と、補強層20を備えている。
また、不燃化粧板1は、図1中に表すように、基材2の一方の面に、第一接着層4、金属層6、第二接着層8、化粧層10がこの順に積層され、基材2の他方の面に補強層20が積層されて形成されている。なお、基材2の一方の面とは、図1中における基材2の上側の面である。また、基材2の他方の面とは、図1中における基材2の下側の面である。
(基材2の構成)
図1を参照して、基材2の詳細な構成を説明する。
基材2は、火山性ガラス質複層板を用いて形成されている。
火山性ガラス質複層板は、耐火性の高い無機質の複層板であり、例えば、JIS A5440に準拠した板材を用いることが可能である。JIS A5440に準拠した板材としては、例えば、大建工業株式会社製の「ダイライトFA」や、岩倉化学工業株式会社製の「オーマル」がある。
(第一接着層4の構成)
図1を参照して、第一接着層4の詳細な構成を説明する。
第一接着層4は、基材2と金属層6との間に配置されている。
また、第一接着層4は、基材2と金属層6とを接着するための層である。
また、第一接着層4は、例えば、水性エマルジョン系樹脂と架橋剤を含有する水性エマルジョン接着剤組成物を乾燥させて形成する。
第一実施形態では、一例として、第一接着層4を、水性エマルジョン接着剤を用いて形成した場合について説明する。
水性エマルジョン系樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル系等の酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂を用いることが可能である。また、架橋剤としては、例えば、分子内にイソシアネート基を有し化学反応により架橋構造を付与するものを用いることが可能である。
なお、水性エマルジョン接着剤組成物は、有機溶剤を用いないため、環境への負荷が低い。
水性エマルション接着剤組成物の塗布は、グラビアコート、バーコート、スプレーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式により行う。水性エマルション接着剤組成物の塗布量は、固形分換算で、10[g/m]以上60[g/m]以下の範囲内に設定することが好適であり、20[g/m]以上50[g/m]以下の範囲内に設定することがより好適である。
また、水性エマルジョン接着剤組成物には、増粘剤を配合してもよい。増粘剤としては、例えば、水溶性樹脂を用いることが可能である。特に、アクリル系増粘剤、セルロース誘導体、ポリエーテル系、ウレタン変性ポリエーテル系の増粘剤を用いることが好適である。
増粘剤の配合量は、塗布方式に応じて適した粘度が得られるように設定する。例えば、水性エマルジョン接着剤組成物の全質量に対して、0.001質量%以上5.0質量%以下の範囲内に設定する。これは、配合量を5.0質量%よりも多くすると、粘度が高くなり、低塗布量化が困難となることに起因する。
水性エマルジョン接着剤組成物に増粘剤を配合することにより、チキソトロピー性が得られるため、塗布適性の向上や、塗布量の低減が可能となる。塗布量を低減することにより、短時間の乾燥で、第一接着層4の残留水分率を、30質量%未満とすることと、水分量を10.0[g/m]未満とすることが可能となり、不燃化粧板1の生産速度を高速化することが可能となる。
また、従来では、良好な不燃性を付与するために、水性エマルジョン接着剤組成物に水酸化アルミニウムを配合していたが、塗布量を低減することにより、水酸化アルミニウムの配合量を低減することが可能となるため、コストダウンが可能となる。
(金属層6の構成)
図1を参照しつつ、図2及び図3を用いて、金属層6の詳細な構成を説明する。
金属層6は、不燃化粧板1に不燃性を付与するための層である。
不燃化粧板1に付与する不燃性は、ISO5660−1に準拠する。具体的には、建築基準法第2条第9号及び建築基準法施工令第108条の2に基づく防耐火試験方法と性能評価規格に従うコーンカロリーメーター試験機による発熱性試験において、以下に条件(A)〜条件(C)で表す条件を満足する不燃性である。
条件(A):加熱開始後20分間の総発熱量が8[MJ/m]以下である条件。
条件(B):加熱開始後20分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200[KW/m]を超えない条件。
条件(C):加熱開始後20分間、防火上で有害な亀裂及び穴が存在しない条件。
金属層6の材料としては、例えば、アルミニウム箔、銅箔、銀箔、鉄箔、ステンレス鋼箔を用いることが可能である。特に、加工性、耐腐食性を考慮すれば、アルミニウム箔が好ましい。
第一実施形態では、一例として、金属層6の材料を、アルミニウム箔とした場合について説明する。これにより、第一実施形態では、金属層6の構成を、加工が容易であるとともに、腐食を抑制することが可能な構成とする。
金属層6の厚さは、5[μm]以上50[μm]以下の範囲内が好適であり、7[μm]以上30[μm]以下の範囲内がより好適である。
第一実施形態では、一例として、金属層6の厚さを、0.01[mm]以上0.05[mm]以下の範囲内とした場合について説明する。
また、金属層6には、複数の孔部30が形成されている。
複数の孔部30は、線状に形成されており、金属層6を、金属層6の厚さ方向に貫通している。
第一実施形態では、孔部30を、長辺30Sa及び短辺30Sbを有する直線状に形成した場合について説明する。以降の説明と、図2及び図3中では、金属層6に形成されている孔部30を、符号「30S」と表す。
長辺30Saの長さLaは、金属層6に予め設定した第一方向に沿って、2[mm]以上20[mm]以下の範囲内である。
第一実施形態では、第一方向を、基材2の原反となる基材シート(図示せず)の搬送方向(流れ方向)に設定した場合について説明する。
また、第一実施形態では、長さLaを、10[mm]に設定した場合について説明する。
第一方向に沿って隣り合う二つの孔部30Sの間隔L1は、1[mm]以上30[mm]以下の範囲内である。
第一実施形態では、間隔L1を、20[mm]に設定した場合について説明する。
第一方向と直交する第二方向に沿って隣り合う二つの孔部30Sの間隔L2は、10[mm]以上30[mm]以下の範囲内である。
第一実施形態では、間隔L2を、15[mm]に設定した場合について説明する。
短辺30Sbの長さLbは、0.01[mm]以上0.05[mm]以下の範囲内である。
また、図2中に表すように、複数の孔部30Sは、平面視(不燃化粧板1の平面視、金属層6の平面視)で、六方格子(市松模様)に配置されている。
また、金属層6を第一接着層4の側から見た孔部30Sの開口面積は、金属層6を第二接着層8の側から見た孔部30Sの開口面積と同じである。すなわち、孔部30Sは、開口面積が変化しない形状に形成されている。
(第二接着層8の構成)
図1を参照して、第二接着層8の詳細な構成を説明する。
第二接着層8は、金属層6と化粧層10との間に配置されている。
また、第二接着層8は、金属層6と化粧層10とを接着するための層であり、水性エマルジョン接着剤、反応型ホットメルト接着剤及び粘着剤のうちいずれか一つを用いて形成する。
第一実施形態では、第二接着層8を、反応型ホットメルト接着剤を用いて形成した場合について説明する。
反応型ホットメルト接着剤としては、例えば、ウレタン樹脂を主成分とし、ホットメルトに反応系の特性を付与した反応性ホットメルト接着剤(例えば、DIC株式会社製「タイフォース」)を用いることが可能である。
(化粧層10の構成)
図1を参照して、化粧層10の詳細な構成を説明する。
化粧層10は、不燃化粧板1に意匠性を付与するための層である。
化粧層10の材料としては、特に限定されず、樹脂シート等を基材とするものを用いることが可能である。
樹脂シートを形成する樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂を用いることが可能である。また、樹脂シートを形成する樹脂としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂を用いることが可能である。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等を用いることが可能である。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー等を用いることが可能である。ポリウレタン系樹脂としては、例えば、アクリル変性ウレタン系樹脂、ポリエステル変性ウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体変性ウレタン系樹脂等を用いることが可能である。
なお、樹脂シートを形成する樹脂としては、上述した樹脂のうち二種以上を組合せて用いることも可能である。
また、化粧層10としては、上述した樹脂を用いて形成された着色樹脂シートと透明樹脂シートを、模様を挟んで得られるダブリングシートとして用いることも可能である。この場合、着色樹脂シートと透明樹脂シートに用いる樹脂は、同じ樹脂であってもよく、異なる樹脂であってもよい。また、着色樹脂シートと透明樹脂シートに用いる樹脂は、例えば、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
着色樹脂シートと透明樹脂シートに用いる樹脂が異なる場合、樹脂の組合せとしては、ポリエチレン−ポリエチレン、ポリエチレン−ポリプロピレン、ポリプロピレン−ポリプロピレンの組合せが好ましい。また、樹脂の組合せとしては、上述した組み合わせの他に、ポリブチレンテレフタレート−ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート−ポリエチレン、あるいはポリブチレンテレフタレート−ポリブチレンテレフタレートの組合せが好ましい。
ダブリングシートは、例えば、上述した樹脂を用いて形成された第一の樹脂シートの表面にコロナ放電処理等を施してプライマー層を設け、さらに、第一の樹脂シートにベタ層や絵柄層を印刷形成する。その後、上述した樹脂を用いて形成された第二の樹脂シートをラミネーション法により加圧接着して形成することが可能である。ラミネーション法としては、例えば、押出ラミネーション、ドライラミネーション、ウエットラミネーション、サーマルラミネーションを用いることが可能である。
第一実施形態では、一例として、化粧層10が、オレフィン系樹脂を含有している場合について説明する。
化粧層10の厚さは、0.06[mm]以上0.18[mm]以下の範囲内とする。
(補強層20の構成)
図1を参照して、補強層20の詳細な構成を説明する。
補強層20は、不燃化粧板1に不燃性及び強度を付与するための層である。
補強層20としては、例えば、両面薄葉紙張アルミニウム箔を用いることが可能である。
両面薄葉紙張アルミニウム箔は、二枚の薄葉紙22,24と、二枚の薄葉紙22,24の間に配置された金属箔26を備える積層体で形成されている。
二枚の薄葉紙22,24には、共に、シーラー剤が含浸されている。
金属箔26の材料としては、例えば、アルミニウム箔、銅箔、銀箔、鉄箔、ステンレス鋼箔を用いることが可能である。特に、金属箔26の材料としては、加工性や耐腐食性を考慮すれば、アルミニウム箔を用いることが好適である。
金属箔26の輻射率は、60%以上が好適であり、特に、不燃性の観点からは、70%以上が好適である。
(不燃化粧板1の製造方法)
図1から図3を参照しつつ、図4から図8を用いて、不燃化粧板1の製造方法を説明する。
不燃化粧板1の製造方法は、基材2の一方の面に、金属層6と、化粧層10と、がこの順に積層されている不燃化粧板1を形成する方法であり、孔部形成工程と、孔部形成工程の後工程である平滑化工程を含む。
孔部形成工程は、金属層6を切削することで、金属層6に複数の孔部30Sを形成する工程である。
孔部形成工程の具体例としては、例えば、図4中に表すように、金属層6の材料である金属箔シート6Sに、スリッター機50を用いて、孔部30Sの目標とする寸法の切れ込みSSを連続的に形成する方法を用いることが可能である。
スリッター機50は、円盤状切れ込み刃52と、バックアップローラ54を備えている。
円盤状切れ込み刃52は、孔部30Sの目標とする寸法の切れ込みSSを入れることが可能な複数の刃である。
バックアップローラ54は、円盤状切れ込み刃52との間に金属箔シート6Sを挟んで回転し、金属箔シート6Sを搬送するローラである。
なお、孔部形成工程では、図5中に表すように、金属箔シート6Sに対し、円盤状切れ込み刃52の先端を切れ込むことで、孔部30Sの目標とする寸法の切れ込みSSを入れる。このため、図6中に表すように、切れ込みSSは、金属箔シート6Sが切れた跡が、円盤状切れ込み刃52の先端が深く入り込んだ状態となる。
したがって、図6中に表すように、孔部形成工程では、金属層6(金属箔シート6S)に凹凸部分56が形成される。
平滑化工程は、孔部形成工程で金属層6に形成された凹凸部分56を押し潰すことで、金属層6を平滑化する工程である。
平滑化工程の具体例としては、例えば、図7中に表すように、金属箔シート6Sのうち、切れ込みSSを入れた部分を、金属箔シート6Sの両面から二つのローラ部材58で加圧する。これにより、図8中に表すように、凹凸部分56を押し潰して金属箔シート6Sを平滑にする方法を用いることが可能である。
(作用)
図1から図8を参照して、第一実施形態の作用を説明する。
第一実施形態の不燃化粧板1では、金属層6に、金属層6を厚さ方向に貫通する複数の孔部30Sが形成されており、孔部30Sは、線状に形成されている。
このため、不燃化粧板1が火災等で外側から強い熱を受けた際に、金属層6の不燃性効果を効率的に発揮することが可能となる。具体的には、火災等により基材2の内部からガスが発生した時に、孔部30Sを起点として金属層6が開くため、ガスの発生速度に対応するガスの放出量を確保することが可能となり、金属層6の損傷を抑制することが可能となる。
これに加え、第一方向に沿って隣り合う二つの孔部30Sの間隔L1が、1[mm]以上30[mm]以下の範囲内であり、第二方向に沿って隣り合う二つの孔部30Sの間隔L2が、10[mm]以上30[mm]以下の範囲内である。このため、隣り合う二つの孔部30Sにおいて、金属層6の面積を十分に確保することが可能となるため、基材2の露出を抑制することが可能となり、火災時に発生する幅射熱を防ぐ効果を、効率的に発揮することが可能となる。
以上説明したように、第一実施形態の不燃化粧板1であれば、不燃化粧板1が火災等で外側から強い熱を受けた際に、金属層6の不燃性効果を効率的に発揮することが可能となる。これにより、建築基準法に規定されている不燃性能を容易に達成することが可能となる。
なお、上述した第一実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第一実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(第一実施形態の効果)
第一実施形態の不燃化粧板1であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)基材2の一方の面に、金属層6と、化粧層10と、がこの順に積層されており、金属層6には、金属層6を厚さ方向に貫通する複数の孔部30Sが形成されている。これに加え、孔部30Sは、線状に形成されている。
このため、火災等により基材2の内部からガスが発生した時に、孔部30Sを起点として金属層6が開くため、ガスの発生速度に対応するガスの放出量を確保することが可能となる。これにより、不燃化粧板1が火災等で外側から強い熱を受けた際に、金属層6の不燃性効果を効率的に発揮することが可能となる。
その結果、建築基準法に規定されている不燃性能を容易に達成することが可能な不燃化粧板1を提供することが可能となる。
(2)孔部30Sが、長辺30Sa及び短辺30Sbを有する直線状に形成されている。これに加え、長辺30Saの長さLaが、第一方向に沿って2[mm]以上20[mm]以下の範囲内であり、間隔L1が1[mm]以上30[mm]以下の範囲内であり、間隔L2が10[mm]以上30[mm]以下の範囲内である。
その結果、隣り合う二つの孔部30Sにおいて、金属層6の面積を十分に確保することが可能となるため、基材2の露出を抑制することが可能となり、火災時に発生する幅射熱を防ぐ効果を、効率的に発揮することが可能となる。
(3)短辺30Sbの長さLbが、0.01[mm]以上0.05[mm]以下の範囲内である。
その結果、隣り合う二つの孔部30Sにおいて、金属層6の面積を十分に確保することが可能となるため、基材2の露出を抑制することが可能となり、火災時に発生する幅射熱を防ぐ効果を、効率的に発揮することが可能となる。
(4)金属層6の厚さが、0.01[mm]以上0.05[mm]以下の範囲内である。
その結果、金属層6の厚さを小さくすることが可能となり、不燃化粧板1の軽量化が可能となる。
(5)複数の孔部30Sが、平面視で六方格子に配置されている。
その結果、複数の孔部30Sを、金属層6へ均等に配置することが可能となり、金属層6の不燃性効果を、不燃化粧板1に対して平均的に発揮することが可能となる。
(6)化粧層10の厚さが、0.06[mm]以上0.18[mm]以下の範囲内である。
その結果、加熱開始後の最大発熱速度を低下させることが可能となる。
(7)基材2と金属層6との間に配置された第一接着層4が、水性エマルジョン接着剤を用いて形成されている。これに加え、金属層6と化粧層10との間に配置された第二接着層8が、水性エマルジョン接着剤、反応型ホットメルト接着剤及び粘着剤のうちいずれか一つを用いて形成されている。
その結果、第一接着層4を、有機溶剤を用いること無く形成するため、環境負荷を低減することが可能となるとともに、化粧層10側からの加熱に対し、不燃化粧板1の発熱量の増加を抑制することが可能となる。これに加え、孔部30Sから水分が抜けやすくなるため、化粧層10を貼り合わせた後の養生時間を短縮することが可能となり、不燃化粧板1の製造に要する時間を短縮することが可能となる。さらに、反応型ホットメルト接着剤及び粘着剤のうちいずれか一つを用いて形成した場合は、水性接着剤のような接着力の発揮に水分の乾燥時間が必要とされないため、化粧層10を貼り合わせた後の養生期間を短縮することが可能である。
(8)基材2が、火山性ガラス質複層板を用いて形成されている。
その結果、基材2に不燃性を付与することが容易となる。
(9)基材2の他方の面に積層された補強層20が、二枚の薄葉紙22,24と、二枚の薄葉紙22,24の間に配置された金属箔26を有する両面薄葉紙張アルミニウム箔で形成されている。
その結果、補強層20により、不燃化粧板1に不燃性と強度とを付与することが可能となるため、不燃化粧板1の不燃性を向上させることが可能となるとともに、不燃化粧板1の反りを抑制して寸法安定性を向上させることが可能となる。
(10)二枚の薄葉紙22,24には、共に、シーラー剤が含浸されている。
その結果、薄葉紙22,24に層間強度を強化する効果と、目止め効果を付与することが可能となる。
また、第一実施形態の不燃化粧板1の製造方法であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(11)基材2の一方の面に、金属層6と、化粧層10と、がこの順に積層されている不燃化粧板1の製造方法であって、孔部形成工程と、孔部形成工程の後工程である平滑化工程を含む。
孔部形成工程は、金属層6を切削することで、金属層6に複数の孔部30Sを形成する工程である。平滑化工程は、孔部形成工程で金属層6に形成された凹凸部分56を押し潰すことで、金属層6を平滑化する工程である。
その結果、孔部形成工程で形成された凹凸部分56を平滑化することで、不燃化粧板1の貼り上がり状態を向上させることが可能となる。これに加え、建築基準法に規定されている不燃性能を容易に達成することが可能な不燃化粧板1の製造方法を提供することが可能となる。
(変形例)
(1)第一実施形態では、複数の孔部30Sは、平面視で六方格子に配置したが、これに限定するものではなく、複数の孔部30Sを、平面視で正方格子(格子状)に配置してもよい。
この場合、第一実施形態と同様、第一の方向に沿った間隔L1と、第一の方向と直交する第二の方向に沿った間隔L2を、同じ長さとなるように配置してもよい。
すなわち、複数の孔部30Sは、ドット状に配置されていればよい。
(2)第一実施形態では、複数の孔部30Sを、平面視で六方格子に配置したが、これに限定するものではない。すなわち、複数の孔部30Sを、例えば、図9及び図10中に表すように、長辺を第一方向と平行に向けて直線状に配列した複数の孔部30Sにより形成したグループを、第二方向に沿って等間隔で配列した形状(ミシン目状)に配置してもよい。
図9及び図10中に表す例では、長辺30Saの長さLaを、第一方向に沿って2[mm]に設定し、間隔L1を1[mm]に設定し、間隔L2を10[mm]に設定する。
(3)第一実施形態では、金属層6をアルミニウム箔で形成したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、図11中に表すように、金属層6を、二枚の薄葉紙22,24と、二枚の薄葉紙22,24の間に配置された金属箔26と、を有する両面薄葉紙張アルミニウム箔で形成してもよい。
(4)第一実施形態では、金属層6と化粧層10との間に第二接着層8を配置したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、図11中に表すように、金属層6と化粧層10との間に、第二接着層8に加え、シーラー剤を含有するシーラー層40を配置した構成としてもよい。この場合、シーラー層40は、シーラー剤の含有量を、固形物換算で5[g/m]以下とする。
(5)第一実施形態では、基材2を、火山性ガラス質複層板を用いて形成したが、これに限定するものではなく、基材2を、火山性ガラス質複層板以外の不燃性・難燃性材料を用いて形成してもよい。
(6)第一実施形態では、孔部30を、開口面積が変化しない形状に形成したが、これに限定するものはない。すなわち、例えば、図12中に表すように、孔部30を、金属層6を第一接着層4の側から見た孔部30の開口面積と、金属層6を第二接着層8の側から見た孔部30の開口面積が異なる形状に形成してもよい。なお、図12中に表す例では、孔部30を、孔部30のうち第一接着層4の側における短辺の長さLb1が、孔部30のうち第二接着層8の側における短辺の長さLb2よりも大きい形状に形成している。
(7)第一実施形態では、不燃化粧板1の構成を、基材2の一方の面に、第一接着層4、金属層6、第二接着層8、化粧層10がこの順に積層されて形成されている構成としたが、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、図13中に表すように、不燃化粧板1の構成を、金属層6の一方の面(図13中では、第一接着層4側の面)に、薄葉紙22が配置されている構成としてもよい。
この場合、例えば、薄葉紙22は、ウレタン系樹脂エマルジョン接着剤(塗布量:固形分換算で23[g/m]以下)を用いて、金属層6に貼り付ける。
このような構成の不燃化粧板1であれば、金属層6の一方の面に薄葉紙22を配置することで、孔部30を形成する加工時において、シワや弛みの発生を抑制することが可能となる。これに加え、基材2に金属層6を積層する際に、薄葉紙22を配置した側の面を貼ることで、平滑な構成とすることが可能となる。
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1から図13を参照しつつ、図14及び図15を用いて、不燃化粧板1の構成について説明する。
なお、第二実施形態の不燃化粧板1は、金属層6を除き、上述した第一実施形態の不燃化粧板1と同様の構成である。
不燃化粧板1は、図1中に表すように、基材2の一方の面に、第一接着層4、金属層6、第二接着層8、化粧層10がこの順に積層され、基材2の他方の面に補強層20が積層されて形成されている。
(金属層6以外の構成)
基材2、第一接着層4、第二接着層8、化粧層10、補強層20の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
(金属層6の構成)
図1を参照しつつ、図14及び図15を用いて、金属層6の詳細な構成を説明する。
なお、第一実施形態と同様の構成については、説明を省略する場合がある。
金属層6には、複数の孔部30が形成されている。
第二実施形態では、孔部30を、長辺及び短辺を有し、且つ同じ形状である二本の直線30Ca,30Cbが直交する十字状に形成した場合について説明する。以降の説明と、図14及び図15中では、金属層6に形成されている孔部30を、符号「30C」と表す。
長辺の長さLcは、5[mm]以上20[mm]以下の範囲内である。
第一実施形態では、長さLcを、5[mm]に設定した場合について説明する。
短辺の長さLdは、0.01[mm]以上0.05[mm]以下の範囲内である。
予め設定した第一方向に沿って隣り合う二つの孔部30Cは、互いの直交する二本の直線30Ca,30Cbの中心間の間隔L3が、10[mm]以上30[mm]以下の範囲内である。
第二実施形態では、第一実施形態と同様、第一方向を、基材2の原反となる基材シート(図示せず)の搬送方向(流れ方向)に設定した場合について説明する。
第二実施形態では、間隔L3を、15[mm]に設定した場合について説明する。
第一方向と直交する第二方向に沿って隣り合う二つの孔部30Cは、互いの直交する二本の直線30Ca,30Cbの中心間の間隔L4が、10[mm]以上30[mm]以下の範囲内である。
第一実施形態では、間隔L4を、15[mm]に設定した場合について説明する。
また、図14中に表すように、複数の孔部30Cは、平面視(不燃化粧板1の平面視、金属層6の平面視)で、正方格子に配置されている。
(不燃化粧板1の製造方法)
図14及び図15を参照しつつ、図16を用いて、不燃化粧板1の製造方法を説明する。
不燃化粧板1の製造方法は、基材2の一方の面に、金属層6と、化粧層10と、がこの順に積層されている不燃化粧板1を形成する方法であり、孔部形成工程と、孔部形成工程の後工程である平滑化工程を含む。
孔部形成工程は、金属層6を切削することで、金属層6に複数の孔部30Sを形成する工程である。
孔部形成工程の具体例としては、例えば、図16中に表すように、金属層6の材料である金属箔シート6Sに、押し型60を押し付け、孔部30Cの目標とする寸法の切れ込みSSを同時に複数形成する方法を用いることが可能である。
押し型60は、複数の切り込み刃62を備えている。
切り込み刃62は、孔部30Cの目標とする寸法・形状の切れ込みCSを入れることが可能な、十字状に形成されている。
平滑化工程は、孔部形成工程で金属層6に形成された凹凸部分56を押し潰すことで、金属層6を平滑化する工程である。なお、平滑化工程は、上述した第一実施形態と同様である。
(作用)
第二実施形態の作用は、上述した第一実施形態と同様である。
なお、上述した第二実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第二実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(第二実施形態の効果)
第二実施形態の不燃化粧板1であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)孔部30Cが、長辺及び短辺を有し、且つ同じ形状である二本の直線30Ca,30Cbが直交する十字状に形成されている。これに加え、長辺の長さLcは、5[mm]以上20[mm]以下の範囲内であり、間隔L3及び間隔L4が、10[mm]以上30[mm]以下の範囲内である。
その結果、隣り合う二つの孔部30Cにおいて、金属層6の面積を十分に確保することが可能となるため、基材2の露出を抑制することが可能となり、火災時に発生する幅射熱を防ぐ効果を、効率的に発揮することが可能となる。
(2)複数の孔部30Cが、平面視で正方格子に配置されている。
その結果、火災等により基材2の内部から発生したガスの放出量を、金属層6の全体で平均化することが可能となり、不燃性効果を効率的に発揮することが可能となる。
第一実施形態及び第二実施形態を参照しつつ、以下に記載する実施例により、実施例1から実施例5の不燃化粧板1と、比較例1から比較例3の不燃化粧板について説明する。
(実施例1)
実施例1の不燃化粧板1は、以下の構成を有する(図1を参照)。
基材2は、厚さが3[mm]の火山性ガラス質複層板を用いて形成した。
第一接着層4は、ビニル共重合樹脂系エマルジョン(塗布量:固形分換算で40[g/m](ドライ))を用いて形成した。
金属層6は、厚さが0.03[mm]のアルミ箔を用いて形成した。これに加え、金属層6は、直線状の孔部30Sを平面視で六方格子に配置するとともに、間隔L1を20[mm]に設定し、間隔L2を15[mm]に設定した。
第二接着層8は、ビニル共重合樹脂系エマルジョン(塗布量:固形分換算で20[g/m](ドライ))を用いて形成した。
化粧層10は、厚さが0.13[mm]のオレフィン系樹脂フィルムを用いて、複数層に形成した。
補強層20は、両面薄葉紙張アルミニウム箔を用いて形成した。また、補強層20は、酢酸ビニル系樹脂接着剤を用いて、基材2の他方の面に貼り付けた。
(実施例2)
実施例2の不燃化粧板1は、金属層6の構成を除き、実施例1の不燃化粧板1と同様の構成である。
実施例2の不燃化粧板1が備える金属層6は、十字状の孔部30Cを平面視で正方格子に配置するとともに、間隔L3及び間隔L4の長さを15[mm]に設定した。
(実施例3)
実施例3の不燃化粧板1は、金属層6の構成を除き、実施例1の不燃化粧板1と同様の構成である。
実施例3の不燃化粧板1が備える金属層6は、直線状の孔部30Sを、ミシン目状に配置し、長辺30Saの長さLaを第一方向に沿って2[mm]に設定し、間隔L1を1[mm]に設定し、間隔L2を10[mm]に設定した(図9及び図10参照)。
(実施例4)
実施例4の不燃化粧板1は、第二接着層8の構成と、金属層6と第二接着層8との間にプライマー層を配置した点を除き、実施例1の不燃化粧板1と同様の構成である。
実施例4の不燃化粧板1が備える第二接着層8は、アクリル系粘着剤を用い、厚さを0.04[mm]として形成した。
実施例4の不燃化粧板1が備えるプライマー層は、ゴム系プライマー(塗布量:固形分換算で7[g/m](ドライ))を用いて形成した。
(実施例5)
実施例5の不燃化粧板1は、以下の構成を有する(図11を参照)。
基材2は、厚さが3[mm]の火山性ガラス質複層板を用いて形成した。
金属層6は、厚さが0.012[mm]の両面薄葉紙張アルミニウム箔を用いて形成した。これに加え、金属層6は、直線状の孔部30Sを平面視で六方格子に配置するとともに、間隔L1を20[mm]に設定し、間隔L2を15[mm]に設定した。
シーラー層40は、ウレタン系樹脂(塗布量:2.3[g/m])を用いて形成した。
第二接着層8は、ビニル共重合樹脂系エマルジョン(塗布量:固形分換算で20[g/m](ドライ))を用いて形成した。
化粧層10は、厚さが0.13[mm]のオレフィン系樹脂フィルムを用いて、複数層に形成した。
(比較例1)
比較例1の不燃化粧板は、金属層6と、第二接着層8の構成を除き、実施例1の不燃化粧板1と同様の構成である。
比較例1の不燃化粧板が備える金属層6には、孔部30を形成していない。
第二接着層8は、ウレタン系樹脂反応性ホットメルト(塗布量:40[g/m])を用いて形成した。
(比較例2)
比較例2の不燃化粧板は、金属層6の構成を除き、実施例1の不燃化粧板1と同様の構成である。
比較例2の不燃化粧板が備える金属層6は、直径が0.3[mm]の円形に形成した複数の孔部を平面視で正方格子に配置するとともに、隣接する孔部の間隔を2[mm]に設定した。
(比較例3)
比較例3の不燃化粧板は、金属層6の構成を除き、実施例4の不燃化粧板1と同様の構成である。
比較例3の不燃化粧板が備える金属層6には、孔部30を形成していない。
(性能評価)
実施例1から実施例5の不燃化粧板1と、比較例1から比較例3の不燃化粧板に対し、それぞれ、以下の方法に従って性能評価(総発熱量、最大発熱速度、200k超過継続時間、耐久性、不燃性評価)を行った。不燃性の評価結果は、表1中に表す。
Figure 2019025678
(不燃性)
不燃性は、不燃化粧板1に対する発熱性試験を行い、以下の基準に基づいて評価した。
発熱性試験としては、ISO5660−1に準拠し、建築基準法第2条第9号及び建築基準法施工令第108条の2に基づき、防耐火試験方法と性能評価規格に従うコーンカロリーメーター試験機(株式会社東洋精機製作所製)による発熱性試験を採用した。
そして、上述した条件(A)〜条件(C)を満足する場合に、総合評価を合格「○」とした。また、上述した条件(A)〜条件(C)のうち少なくとも一つを満足しない場合に、総合評価を合格「×」とした。
(性能評価)
表1中に表されるように、実施例1から実施例5の不燃化粧板1は、比較例1から比較例3の不燃化粧板よりも、不燃性が高いことが確認された。
本発明の不燃化粧板は、建築物の天井、壁材等の内外装用建材や、扉、家具等の用途に利用することが可能である。特に、不燃化粧板が有する不燃性を活用して、流し台、ガスコンロ、フード等のキッチン周りに用いる建材や、その他、建築基準法上で不燃性を要請される建築物の各所に好適に利用することが可能である。
1…不燃化粧板、2…基材、4…第一接着層、6…金属層、6S…金属箔シート、8…第二接着層、10…化粧層、20…補強層、22…薄葉紙、24…薄葉紙、26…金属箔、30…孔部、30S…直線状の孔部、30Sa…孔部30Sの長辺、30Sb…孔部30Sの短辺、30C…十字状の孔部、40…シーラー層、50…スリッター機、52…円盤状切れ込み刃、54…バックアップローラ、56…凹凸部分、58…ローラ部材、60…押し型、62…切り込み刃、La…長辺30Saの長さ、Lb…短辺30Sbの長さ、Lb1…孔部30のうち第一接着層4の側における短辺の長さ、Lb2…孔部30のうち第二接着層8の側における短辺の長さ、Lc…長辺の長さ、Ld…短辺の長さ、L1…第一方向に沿って隣り合う二つの孔部30Sの間隔、L2…第二方向に沿って隣り合う二つの孔部30Sの間隔、L3…第一方向に沿って隣り合う二つの孔部30Cの、互いの直交する二本の直線30Ca,30Cbの中心間の間隔、L4…第二方向に沿って隣り合う二つの孔部30Cの、互いの直交する二本の直線30Ca,30Cbの中心間の間隔、SS…孔部30Sの目標とする寸法の切れ込み、CS…孔部30Cの目標とする寸法の切れ込み

Claims (16)

  1. 基材の一方の面に、金属層と、化粧層と、がこの順に積層されている不燃化粧板であって、
    前記金属層には、前記金属層を厚さ方向に貫通する複数の孔部が形成され、
    前記孔部は、線状に形成されていることを特徴とする不燃化粧板。
  2. 前記孔部は、長辺及び短辺を有する直線状に形成され、
    前記長辺の長さは、前記金属層に予め設定した第一方向に沿って2mm以上20mm以下の範囲内であり、
    前記第一方向に沿って隣り合う二つの前記孔部の間隔は、1mm以上30mm以下の範囲内であり、
    前記第一方向と直交する第二方向に沿って隣り合う二つの前記孔部の間隔は、10mm以上30mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載した不燃化粧板。
  3. 前記孔部は、長辺及び短辺を有し、且つ同じ形状である二本の直線が直交する十字状に形成され、
    前記長辺の長さは、5mm以上20mm以下の範囲内であり、
    予め設定した第一方向に沿って隣り合う二つの前記孔部は、互いの前記直交する二本の直線の中心間の間隔が10mm以上30mm以下の範囲内であり、
    前記第一方向と直交する第二方向に沿って隣り合う二つの前記孔部は、互いの前記直交する二本の直線の中心間の間隔が10mm以上30mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載した不燃化粧板。
  4. 前記短辺の長さは、0.01mm以上0.05mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載した不燃化粧板。
  5. 前記金属層の厚さは、0.01mm以上0.05mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載した不燃化粧板。
  6. 前記金属層の一方の面に薄葉紙が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載した不燃化粧板。
  7. 前記複数の孔部は、平面視で六方格子に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載した不燃化粧板。
  8. 前記複数の孔部は、平面視で正方格子に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載した不燃化粧板。
  9. 前記化粧層は、合成樹脂を含有し、且つ単層または複層で形成され、
    前記化粧層の厚さは、0.06mm以上0.18mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載した不燃化粧板。
  10. 前記基材と前記金属層との間に配置された第一接着層と、
    前記金属層と前記化粧層との間に配置された第二接着層と、をさらに備え、
    前記第一接着層は、水性エマルジョン接着剤を用いて形成され、
    前記第二接着層は、水性エマルジョン接着剤、反応型ホットメルト接着剤及び粘着剤のうちいずれか一つを用いて形成されていることを特徴とする請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載した不燃化粧板。
  11. 前記基材は、火山性ガラス質複層板を用いて形成されていることを特徴とする請求項1から請求項10のうちいずれか1項に記載した不燃化粧板。
  12. 前記基材の他方の面に積層された補強層をさらに備え、
    前記補強層は、二枚の薄葉紙と、前記二枚の薄葉紙の間に配置された金属箔と、を有する両面薄葉紙張アルミニウム箔で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項11のうちいずれか1項に記載した不燃化粧板。
  13. 前記金属層は、二枚の薄葉紙と、前記二枚の薄葉紙の間に配置された金属箔と、を有する両面薄葉紙張アルミニウム箔で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項12のうちいずれか1項に記載した不燃化粧板。
  14. 前記薄葉紙には、シーラー剤が含浸されていることを特徴とする請求項12または請求項13に記載した不燃化粧板。
  15. 前記金属層と前記化粧層との間に配置され、且つシーラー剤を含有するシーラー層をさらに備え、
    前記シーラー層は、前記シーラー剤の含有量が固形物換算で5g/m以下であることを特徴とする請求項1から請求項14のうちいずれか1項に記載した不燃化粧板。
  16. 基材の一方の面に、金属層と、化粧層と、がこの順に積層されている不燃化粧板の製造方法であって、
    前記金属層に、前記金属層を厚さ方向に貫通する複数の孔部を形成する孔部形成工程と、前記孔部形成工程の後工程であり、且つ前記金属層を平滑化する平滑化工程と、を含み、
    前記孔部形成工程では、前記金属層を切削することで前記複数の孔部を線状に形成し、
    前記平滑化工程では、前記孔部形成工程で前記金属層に形成された凹凸部分を押し潰すことで、前記金属層を平滑化することを特徴とする不燃化粧板の製造方法。
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