JP2017100357A - 難燃性シート被覆金属板 - Google Patents
難燃性シート被覆金属板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017100357A JP2017100357A JP2015235244A JP2015235244A JP2017100357A JP 2017100357 A JP2017100357 A JP 2017100357A JP 2015235244 A JP2015235244 A JP 2015235244A JP 2015235244 A JP2015235244 A JP 2015235244A JP 2017100357 A JP2017100357 A JP 2017100357A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- flame retardant
- flame
- sheet
- mass
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Fireproofing Substances (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
Description
これらの課題は、有機化合物である樹脂材料の燃えやすさに起因しており、これらの部材を安全に使用するためには、樹脂材料を難燃化する必要がある。
上記課題を解決するために、難燃処方を施した樹脂シートと金属板からなる積層体が検討されてきた。特許文献1及び特許文献2には、金属水酸化物とポリオレフィン系樹脂からなる樹脂シートに金属板を積層して得られる難燃性積層体について開示されており、該積層体は優れた難燃性や成形性、耐衝撃性を有する旨の記載がある。
[1]金属板上に難燃性シートを積層してなる難燃性シート被覆金属板であって、該難燃性シートが、少なくともエチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)を50質量%以上含み、リン−窒素複合系難燃剤(B)を10質量%以下含む第1のポリオレフィン層、エチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)40〜80質量%、及び、リン−窒素複合系難燃剤(B)20〜60質量%を含む難燃層及びエチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)を50質量%以上含み、リン−窒素複合系難燃剤(B)を10質量%以下含む第2のポリオレフィン層をこの順番に有し、該難燃性シートに占める難燃層の厚み比(%)が50〜99%の範囲であることを特徴とする、難燃性シート被覆金属板。
[2]第1のポリオレフィン層、難燃層及び第2のポリオレフィン層において、エチレン−αオレフィン共重合体樹脂(C)を更に含み、(A)と(C)の合計を100質量%とした際の(C)の割合が1〜50質量%である、[1]に記載の難燃性シート被覆金属板。
[3]エチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)に含まれるエチレンの割合が1モル%〜50モル%の範囲である、[1]または[2]に記載の難燃性シート被覆金属板。
[4]リン−窒素複合系難燃剤(B)が、含窒素ピロリン酸塩を50質量%以上含有する、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の難燃性シート被覆金属板。
[5]第1のポリオレフィン層及び第2のポリオレフィン層の組成が同一である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の難燃性シート被覆金属板。
[6]JIS K7198A法の動的粘弾性測定で測定した前記難燃性シートの20℃における貯蔵弾性率が10MPa以上、2000MPa以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の難燃性シート被覆金属板。
<難燃性シート構成材料>
本発明の難燃性シートは、少なくとも第1のポリオレフィン層、難燃層及び第2のポリオレフィン層をこの順番に有し、それぞれ少なくともエチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)及びリン−窒素複合系難燃剤(B)を所定量含有する。また、さらにエチレン−αオレフィン共重合体樹脂(C)を更に含むことが、シートの柔軟性を向上させ、ひいては二次加工性を向上できる点で好ましい。
本発明に用いるエチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)は、エチレンとプロピレンの共重合体である。エチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)は、プロピレン樹脂の持つ耐熱性に加え、優れた柔軟性を有しており、樹脂/金属積層体として使用した際に十分な耐熱性と二次加工性を発現することができる。
前記エチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)は、エチレンとプロピレン以外の成分が共重合されていてもよく、具体的には、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−ブテン−1および4−メチル−ペンテン−1等のα−オレフィン、ブタジエンやイソプレン等のジエンが好適に使用できる。
本発明に用いるリン−窒素複合系難燃剤(B)は、リン系難燃剤の持つチャー形成及びラジカルトラップ型難燃機構と、窒素系難燃剤の持つ酸素希釈効果及び吸熱反応による輻射熱低減効果を併せ持ち、少ない添加量で優れた難燃性を発現することができる。
前記リン−窒素複合系難燃剤(B)は、構造中にリンと窒素を有していれば特に制限されないが、含窒素ピロリン酸塩であることが優れた難燃性を付与できる点で好ましい。
エチレン−αオレフィン共重合体樹脂(C)は、エチレンと炭素数3〜20のαオレフィンとの共重合体が好適に使用できる。ここで、エチレンと共重合するαオレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−ブテン−1および4−メチル−ペンテン−1等が挙げられるが、本発明においては、工業的な入手し易さや諸特性、経済性などの観点から、プロピレン、1−ブテン、1−へキセンおよび1−オクテンが好ましい。
難燃性シートは少なくとも第1のポリオレフィン層、難燃層及び第2のポリオレフィン層をこの順番に有する。各層について、以下に説明する。
[第1のポリオレフィン層]
本発明の第1のポリオレフィン層の組成は、エチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)を50質量%以上含み、リン−窒素複合系難燃剤(B)を10質量%以下含む。
第1のポリオレフィン層の組成全体を100質量%とした際に、エチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)は50質量%以上であり、好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。上記範囲内にあることにより、耐熱性と二次加工性に優れる点で好ましい。
また、第1のポリオレフィン層の組成中に前記エチレン−αオレフィン共重合体樹脂(C)を更に含み、第1のポリオレフィン層の組成中における(A)と(C)の合計を100質量%とした際の(C)の割合が1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは、5〜40質量%であり、特に好ましくは10〜30質量%である。上記範囲内にあることにより、耐熱性を維持したまま柔軟性を付与することができ、ひいては二次加工性を向上することができる点で好ましい。
本発明の難燃層の組成は、エチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)40〜80質量%、及び、リン−窒素複合系難燃剤(B)20〜60質量%を含む。
前記難燃層のJIS K7198A法の動的粘弾性測定で測定した20℃における貯蔵弾性率は、500MPa以上、2000MPa以下であることが好ましく、600MPa以上、1800MPa以下であることがより好ましく、700MPa以上、1500MPa以下であることが更に好ましい。難燃層の20℃における貯蔵弾性率がかかる範囲であれば、シートとして形状を保持しながら、十分な加工性を付与することができる。
本発明の第2のポリオレフィン層の組成は、エチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)を50質量%以上含み、リン−窒素複合系難燃剤(B)を10質量%以下含む。第2のポリオレフィン層の組成全体を100質量%とした際に、エチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)は50質量%以上であり、好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。上記範囲内にあることにより、耐熱性と二次加工性に優れる点で好ましい。
また、第2のポリオレフィン層の組成中に前記エチレン−αオレフィン共重合体樹脂(C)を更に含み、第2のポリオレフィン層の組成中における(A)と(C)の合計を100質量%とした際の(C)の割合が1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは、5〜40質量%であり、特に好ましくは10〜30質量%である。上記範囲内にあることにより、耐熱性を維持したまま柔軟性を付与することができ、ひいては二次加工性を向上することができる点で好ましい。
本発明の難燃性シートは、少なくとも前記第1のポリオレフィン層、前記難燃層及び前記第2のポリオレフィン層をこの順番に有し、該難燃性シートに占める難燃層の厚み比(%)が50〜99%の範囲である。
本発明の難燃性シートに占める難燃層の厚み比(%)は50〜99%の範囲であり、60%〜95%の範囲であることが好ましい。難燃性シートの厚み比がかかる範囲であれば、機械特性や二次加工性を維持したまま優れた難燃性を付与することができる。
難燃性シートの層構成については、前記第1のポリオレフィン層、前記難燃層及び前記第2のポリオレフィン層を含む限り特段の制限はないが、第1のポリオレフィン層と難燃層の間、又は難燃層と第2のポリオレフィン層の間に、酸化チタン等の白色顔料を含む遮光層や接着層を含んでいてもよい。
前記難燃性シートのJIS K7198A法の動的粘弾性測定で測定した20℃における貯蔵弾性率は、500MPa以上、2000MPa以下であることが好ましく、600MPa以上、1800MPa以下であることがより好ましく、700MPa以上、1500MPa以下であることが更に好ましい。難燃性シートの20℃における貯蔵弾性率がかかる範囲であれば、シートとして形状を保持しながら、十分な加工性を付与することができる。
なお、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常ロールの形で供給されるものをいう。(JIS K6900)
しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明において「シート」は「フィルム」を含むものとする。
本発明で用いる金属板としては、熱伝導性が高く、前記難燃性シートまたは後述する接着層との接着性に優れていれば特に制限はなく、具体例として鉄、銅、アルミニウム、クロム、ニッケル、モリブデン、マンガン、スズ、鉛、金、銀、白金またはこれらの合金が挙げられる。前記金属板の厚みについて特に制限はないが、加工性や重さの観点から、10μm以上1000μm以下であることが好ましい。
本発明において、金属板上に難燃性シートを積層する際に金属板と難燃性シートとの間に接着層を用いてもよい。接着層は、前記難燃性シートと前記金属板を強固に接着できるものであれば特に制限はなく、具体例としてシリカ系接着剤、セラミック、セメント、はんだ、水ガラス等の無機系接着剤、アスファルト、アラビアガム、アルブミン、漆、カゼイン接着剤、天然ゴム系接着剤、天然ゴムラテックス接着剤、デンプン系接着剤、膠、フィブリン接着剤、松やに等の天然系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、アクリル樹脂嫌気性接着剤、アクリル樹脂エマルジョン接着剤、アクリル樹脂系粘着テープ、αオレフィン系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、ウレタン樹脂溶剤系接着剤、ウレタン樹脂エマルジョン接着剤、エーテル系セルロ−ス、エチレン-酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤、エチレン-酢酸ビニル樹脂ホットメルト接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、エポキシ樹脂エマルジョン接着剤、塩化ビニル樹脂溶剤系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤、シアノアクリレート系接着剤、シリコーン系接着剤、水性高分子-イソシアネート系接着剤、スチレン-ブタジエンゴム溶液系接着剤、スチレン-ブタジエンゴム系ラテックス接着剤、ニトリルゴム系接着剤、ニトロセルロース接着剤、反応性ホットメルト接着剤、フェノール樹脂系接着剤、変成シリコーン系接着剤、ポリアミド樹脂ホットメルト接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリウレタン樹脂ホットメルト接着剤、ポリオレフィン樹脂ホットメルト接着剤、ポリ酢酸ビニル樹脂溶液系接着剤、ポリスチレン樹脂溶剤系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリビニルピロリドン樹脂系接着剤、ポリビニルブチラール樹脂系接着剤、ポリベンズイミダソール接着剤、ポリメタクリレート樹脂溶液系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、レゾルシノール系接着剤等の合成系接着剤が挙げられるが、ハンドリング性や接着性の観点から、合成系接着剤が好ましく、中でもαオレフィン系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤がより好ましい。
本発明の難燃性シート被覆金属板の層構成としては、難燃性シート/金属板等の2層構成、難燃性シート/金属板/難燃性シート、金属板/難燃性シート/金属板、難燃性シート/難燃性シート/金属板、難燃性シート/金属板/金属板等の3層構成、難燃性シート/金属板/難燃性シート/金属板、難燃性シート/金属板/金属板/難燃性シート、金属板/難燃性シート/難燃性シート/金属板等の4層構成、難燃性シート/金属板/難燃性シート/金属板/難燃性シート、金属板/難燃性シート/金属板/難燃性シート/金属板、難燃性シート/難燃性シート/金属板/難燃性シート/金属板、難燃性シート/金属板/難燃性シート/難燃性シート/金属板、難燃性シート/金属板/金属板/難燃性シート/金属板、難燃性シート/金属板/難燃性シート/金属板/金属板、難燃性シート/難燃性シート/難燃性シート/金属板/難燃性シート、金属板/難燃性シート/難燃性シート/難燃性シート/金属板、金属板/金属板/金属板/難燃性シート/難燃性シート、難燃性シート/金属板/金属板/金属板/難燃性シート、難燃性シート/難燃性シート/難燃性シート/金属板/金属板、金属板/金属板/金属板/難燃性シート/難燃性シート等の5層構成、あるいは、各層間に必要に応じて接着層を備えた多層構成が好ましく挙げられるが、本発明の難燃性シート被覆金属板は難燃性シートと金属板を少なくとも一層ずつ備えていればよく、これら例示されたものに限定されるものではない。ただし、難燃性や意匠性、二次加工性の観点から、最外層の少なくとも一層に前記難燃性シートを設けることが好ましい。
[難燃性シートの製造方法]
本発明の難燃性シートは、Tダイ押出し成形法、インフレーション成形法及びカレンダー成形法等の一般的なポリオレフィン系樹脂フィルムの成形方法により製造することができる。本発明の難燃性シートは多層構成であるので、前記の方法で製造した個々の層(フィルム)をラミネーターにより貼り合わせる方法やフィルム成形と同時に圧着ラミネートする方法により製造できるが、多層Tダイ押出し法によって成形と同時に積層フィルムを製造するのが工程数も減らすことができて特に好ましい。
本発明の難燃性シートを金属板上にラミネートすることで本発明の難燃性シート被覆金属板を得る。金属板にリバースコーター、キスコーター等の一般的に使用されるコーティング設備を使用し、積層一体化されたシートを貼り合わせ金属面に乾燥後の接着層膜厚が2〜4μm程度となるように接着剤を塗布する。次いで赤外線ヒーター及び熱風加熱炉により塗布面の乾燥及び加熱を行い、直ちにロールラミネータを用いて積層シートを被覆、冷却することにより難燃性シート被覆金属板を得る。
(1)難燃性
UL94のV試験によって難燃性の評価を行った。具体的には、図1に記載の通り、難燃性シート被覆金属板を切削して縦125mm、横13mmの試験片を作製し、クランプに垂直に取付け、20mm炎による10秒間接炎を2回行い、その燃焼挙動により下記基準に沿って燃焼性を評価した。表1に記載の燃焼性分類でV−0、V−1、V−2のいずれにも到達しなかったものを不合格とした。
前記樹脂シート(P)についてJIS K7198A法の動的粘弾性測定を行い、20℃と120℃における貯蔵弾性率を評価した。20℃における貯蔵弾性率が500MPa以上、2000MPa以下のものを合格(○)、この範囲から外れるものを不合格(×)とした。また、120℃における貯蔵弾性率が10MPa以上、2000MPa以下のものを合格(○)、この範囲から外れるか、または流動してしまったものを不合格(×)とした。
(3)曲げ加工性
20℃及び0℃の環境下で、樹脂/金属積層体をプレスして180°曲げ、割れの有無を観察した。割れが発生しなかったものを○、割れが発生したものを×とした。
(4)目ヤニ発生
前記難燃性シートをTダイ法にて製膜し、一時間後に口金のリップ部に付着している目ヤニの量を目視で評価した。目ヤニの付着が目視でほとんど確認できないものを○、確認できるものを×とした。
(a)−1:プライムポリプロ E−330GV(プライムポリマー、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン含有量:5モル%)
(a)−2:WELNEX RFG4VA(日本ポリプロ株式会社、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン含有量:7モル%)
(a)−3:WELNEX RFX4V(日本ポリプロ株式会社、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン含有量:29モル%)
[リン−窒素複合系難燃剤(B)]
(b)−1:アデカスタブ FP−2200(株式会社ADEKA、主成分:ポリリン酸メラミン)
[エチレン−αオレフィン共重合体樹脂(C)]
(c)−1:タフマー A4050S(三井化学株式会社、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン/1−ブテン=70/30モル%)
第一及び第二のポリオレフィン層の原料として(a)−1と(c)−1を80/20質量%の割合で混合した組成物を、難燃層の原料として(a)−1と(b)−1と(c)−1を45.5/35/19.5質量%の割合で混合した組成物をそれぞれ使用した。第一のポリオレフィン層と第二のポリオレフィン層は同一とした(以下、これらを単に「ポリオレフィン層」と記載することがある)。これらを、ポリオレフィン層についてはΦ32mm単軸押出機を使用して、難燃層についてはΦ40mm単軸押出機をそれぞれ使用して溶融温度250℃で別々に溶融させ、次いでポリオレフィン層については分配ブロックで半分に分割し、ポリオレフィン層/難燃層/ポリオレフィン層=10/160/10μm(シート総厚み:180μm、難燃層の厚み比=88.9%)となるように共押出Tダイ内で積層させて2種3層構造の積層シートとして押出し、30℃のキャストロールに密着急冷し、難燃性シートを得た。得られた難燃性シートについて貯蔵弾性率の評価を行った。また、シート作製一時間後に口金のリップ部に付着している目ヤニの発生具合を目視で評価した。結果を表2に示す。
各層の厚み比をポリオレフィン層/難燃層/ポリオレフィン層=20/140/20μm(シート総厚み:180μm、難燃層の厚み比=77.8%)とした以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例3)
難燃層の原料として(a)−1と(b)−1と(c)−1を42/40/18質量%の割合で混合した組成物を使用し、各層の厚み比をポリオレフィン層/難燃層/ポリオレフィン層=20/140/20μm(シート総厚み:180μm、難燃層の厚み比=77.8%)とした以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例4)
難燃層の原料として(a)−1と(b)−1と(c)−1を42/40/18質量%の割合で混合した組成物を使用し、各層の厚み比をポリオレフィン層/難燃層/ポリオレフィン層=30/120/30μm(シート総厚み:180μm、難燃層の厚み比=66.7%)とした以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表2に示す。
ポリオレフィン層の原料として(a)−1と(b)−1と(c)−1を76/5/19質量%の割合で混合した組成物を使用した以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例6)
ポリオレフィン層の原料として(a)−2のみを、難燃層の原料として(a)−2と(b)−1を65/35質量%の割合で混合した組成物をそれぞれ使用した以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例7)
ポリオレフィン層の原料として(a)−3のみを、難燃層の原料として(a)−3と(b)−1を65/35質量%の割合で混合した組成物をそれぞれ使用した以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表2に示す。
第一のポリオレフィン層の原料として(a)−1と(c)−1を80/20質量%の割合で混合した組成物を、難燃層の原料として(a)−1と(b)−1と(c)−1を45.5/35/19.5質量%の割合で混合した組成物を、第二のポリオレフィン層の原料として(a)−2をそれぞれ使用した。これらを、第一及び第二のポリオレフィン層についてはΦ32mm単軸押出機を使用して、難燃層についてはΦ40mm単軸押出機をそれぞれ使用して溶融温度250℃で別々に溶融させ、第一のポリオレフィン層/難燃層/第二のポリオレフィン層=10/160/10μm(シート総厚み:180μm、難燃層の厚み比=88.9%)となるように共押出Tダイ内で積層させて3種3層構造の積層シートとして押出し、30℃のキャストロールに密着急冷し、難燃性シートを得た。鋼板との貼り合わせ及び評価は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
ポリオレフィン層/難燃層/ポリオレフィン層=5.6/88.8/5.6μm(シート総厚み:100μm、難燃層の厚み比=88.9%)とした以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例10)
第一のポリオレフィン層の原料として(a)−1と(c)−1を80/20質量%の割合で混合した組成物を、難燃層の原料として(a)−1と(b)−1と(c)−1を45.5/35/19.5質量%の割合で混合した組成物を、第二のポリオレフィン層の原料として(a)−1と(c)−1を80/20質量%の割合で混合した組成物をそれぞれ使用した。これらを、第一及び第二のポリオレフィン層についてはΦ32mm単軸押出機を使用して、難燃層についてはΦ40mm単軸押出機をそれぞれ使用して溶融温度250℃で別々に溶融させ、第一のポリオレフィン層/難燃層/第二のポリオレフィン層=10/140/30μm(シート総厚み:180μm、難燃層の厚み比=77.8%)となるように共押出Tダイ内で積層させて3種3層構造の積層シートとして押出し、30℃のキャストロールに密着急冷し、難燃性シートを得た。鋼板との貼り合わせ及び評価は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
難燃層の原料として(a)−1と(b)−1と(c)−1を45.5/35/19.5質量%の割合で混合した組成物を、Φ40mm単軸押出機を使用して溶融温度250℃で溶融させ、シート厚みが180μmとなるように単層シートを押出し、30℃のキャストロールに密着急冷し、難燃性シートを得た。鋼板との貼り合わせ及び評価は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
第一のポリオレフィン層の原料として(a)−1と(c)−1を80/20質量%の割合で混合した組成物を、難燃層の原料として(a)−1と(b)−1と(c)−1を45.5/35/19.5質量%の割合で混合した組成物をそれぞれ使用した。これらを、第一のポリオレフィン層についてはΦ32mm単軸押出機を使用して、難燃層についてはΦ40mm単軸押出機をそれぞれ使用して溶融温度250℃で別々に溶融させ、第一のポリオレフィン層/難燃層=10/170(シート総厚み:180μm、難燃層の厚み比=99.4%)となるように共押出Tダイ内で積層させて2種2層構造の積層シートとして押出し、30℃のキャストロールに密着急冷し、難燃性シートを得た。鋼板との貼り合わせ及び評価は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
難燃層の原料として(a)−1と(b)−1と(c)−1を63/10/27質量%の割合で混合した組成物を使用した以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
ポリオレフィン層の原料として(a)−1と(c)−1を20/80質量%の割合で混合した組成物を、難燃層の原料として(a)−1と(b)−1と(c)−1を45.5/35/19.5質量%の割合で混合した組成物をそれぞれ使用した以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例5)
ポリオレフィン層の原料として(n)−1(日本ポリプロ社製、ノバテックPP FY6HA、ホモPP)を、難燃層の原料として(n)−1と(b)−1を65/35質量%の割合で混合した組成物をそれぞれ使用した以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表2に示す。
ポリオレフィン層の原料として(a)−1と(b)−1と(c)−1を64/20/16質量%の割合で混合した組成物を使用した以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例7)
ポリオレフィン層/難燃層/ポリオレフィン層=60/60/60μm(シート総厚み:180μm、難燃層の厚み比=33.3%)とした以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1〜4に記載の難燃性シートは、本発明にかかる構成とすることで、十分な難燃性、剛性、耐熱性、二次(曲げ)加工性、生産性を有することが分かる。
また、実施例5では、表層に難燃剤が含まれているものの、少量であるため目ヤニ発生は見られず、生産性に影響しないことが判る。
さらに、実施例6及び7では、エチレン含有比率が高く柔軟なエチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)を使用しているため、エチレン−αオレフィン共重合体樹脂(C)を含んでいなくても優れた曲げ加工性が得られる。
実施例8では、第一のポリオレフィン層と第二のポリオレフィン層とで用いているエチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)の種類が異なるものの、本発明の難燃性シートに必要な特性を満たし、問題なく実施が可能であることが判る。
実施例9では、シートの総厚みが100μmと他の実施例と比較して薄いが、本発明の難燃性シートに必要な特性を満たし、問題なく実施が可能であることが判る。
実施例10では、第一のポリオレフィン層と第二のポリオレフィン層とで厚みが異なるが、本発明の難燃性シートに必要な特性を満たし、問題なく実施が可能である。
Claims (6)
- 金属板上に難燃性シートを積層してなる難燃性シート被覆金属板であって、該難燃性シートが、少なくともエチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)を50質量%以上含み、リン−窒素複合系難燃剤(B)を10質量%以下含む第1のポリオレフィン層、エチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)40〜80質量%、及び、リン−窒素複合系難燃剤(B)20〜60質量%を含む難燃層及びエチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)を50質量%以上含み、リン−窒素複合系難燃剤(B)を10質量%以下含む第2のポリオレフィン層をこの順番に有し、該難燃性シートに占める難燃層の厚み比(%)が50〜99%の範囲であることを特徴とする、難燃性シート被覆金属板。
- 第1のポリオレフィン層、難燃層及び第2のポリオレフィン層において、エチレン−αオレフィン共重合体樹脂(C)を更に含み、(A)と(C)の合計を100質量%とした際の(C)の割合が1〜50質量%である、請求項1に記載の難燃性シート被覆金属板。
- エチレン−プロピレン共重合体樹脂(A)に含まれるエチレンの割合が1モル%〜50モル%の範囲である、請求項1または2に記載の難燃性シート被覆金属板。
- リン−窒素複合系難燃剤(B)が、含窒素ピロリン酸塩を50質量%以上含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の難燃性シート被覆金属板。
- 第1のポリオレフィン層及び第2のポリオレフィン層の組成が同一である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃性シート被覆金属板。
- JIS K7198A法の動的粘弾性測定で測定した前記難燃性シートの20℃における貯蔵弾性率が10MPa以上、2000MPa以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の難燃性シート被覆金属板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015235244A JP2017100357A (ja) | 2015-12-01 | 2015-12-01 | 難燃性シート被覆金属板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015235244A JP2017100357A (ja) | 2015-12-01 | 2015-12-01 | 難燃性シート被覆金属板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017100357A true JP2017100357A (ja) | 2017-06-08 |
Family
ID=59015820
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015235244A Pending JP2017100357A (ja) | 2015-12-01 | 2015-12-01 | 難燃性シート被覆金属板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017100357A (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0852839A (ja) * | 1994-08-16 | 1996-02-27 | Chisso Corp | オレフィン系重合体と金属板とからなる難燃性積層体 |
JPH0919990A (ja) * | 1995-07-05 | 1997-01-21 | Chisso Corp | 難燃性樹脂積層体 |
JP2002321324A (ja) * | 2001-04-26 | 2002-11-05 | Toyobo Co Ltd | 金属貼り合わせ用ポリプロピレンフィルム |
JP2004090370A (ja) * | 2002-08-30 | 2004-03-25 | Dainippon Printing Co Ltd | 透明レトルト処理用積層体 |
JP2004300279A (ja) * | 2003-03-31 | 2004-10-28 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 難燃性シート |
JP2012187896A (ja) * | 2011-03-14 | 2012-10-04 | Toppan Cosmo Inc | 化粧部材 |
-
2015
- 2015-12-01 JP JP2015235244A patent/JP2017100357A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0852839A (ja) * | 1994-08-16 | 1996-02-27 | Chisso Corp | オレフィン系重合体と金属板とからなる難燃性積層体 |
JPH0919990A (ja) * | 1995-07-05 | 1997-01-21 | Chisso Corp | 難燃性樹脂積層体 |
JP2002321324A (ja) * | 2001-04-26 | 2002-11-05 | Toyobo Co Ltd | 金属貼り合わせ用ポリプロピレンフィルム |
JP2004090370A (ja) * | 2002-08-30 | 2004-03-25 | Dainippon Printing Co Ltd | 透明レトルト処理用積層体 |
JP2004300279A (ja) * | 2003-03-31 | 2004-10-28 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 難燃性シート |
JP2012187896A (ja) * | 2011-03-14 | 2012-10-04 | Toppan Cosmo Inc | 化粧部材 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101013827B1 (ko) | 열팽창성 난연 폴리올레핀수지 조성물을 이용한 난연성 복합패널 | |
JP5887880B2 (ja) | 発泡積層体の製造方法及びその発泡積層体 | |
JP5635413B2 (ja) | 高難燃性パネル | |
JP6603468B2 (ja) | 化粧シートおよび化粧シートの製造方法 | |
KR101600252B1 (ko) | 적층시트 | |
JP2001524406A (ja) | 少なくとも1つの層が難燃性である少なくとも5つのフィルム層を有する多層フィルム | |
JP6577058B2 (ja) | 積層シートおよびこれを用いてなる太陽電池バックシート | |
TW200838961A (en) | Adhesive and multilayer body using the same | |
JP6563233B2 (ja) | 化粧シートおよび化粧シートの製造方法 | |
KR101816875B1 (ko) | 폴리프로필렌 친환경 바닥재 및 이의 시공방법 | |
JP2016155233A (ja) | 化粧シート | |
JP2007161882A (ja) | 表面保護フィルム | |
JP2016190466A (ja) | 化粧シート | |
JP5699703B2 (ja) | 化粧部材 | |
JP5712836B2 (ja) | 積層体及び建装材 | |
JP2017100357A (ja) | 難燃性シート被覆金属板 | |
JP2014069530A (ja) | 発泡積層体 | |
JP2013252645A (ja) | 二軸延伸多層ポリプロピレンフィルム | |
JP6878838B2 (ja) | 発泡用積層体及び発泡積層体 | |
JP4039569B2 (ja) | 二軸延伸多層ポリプロピレンフィルム | |
JP6326778B2 (ja) | 発泡積層体の製造方法及びその発泡積層体 | |
KR102093554B1 (ko) | 접착성 및 표면 인쇄특성이 우수한 핫멜트 수지를 포함하는 다층필름 | |
JP2022528675A (ja) | 押出可能なハロゲン非含有難燃性組成物 | |
JP2008238479A (ja) | 難燃材とその製造方法及び鉄道車両の床材 | |
JP2018001722A (ja) | 発泡用積層体及び発泡積層体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151202 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20170428 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181018 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190621 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190716 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20200204 |