以下に、本発明に係る画像形成装置の各実施例について図面を参照しつつ説明する。
本発明に係る画像形成装置の一実施例である画像形成装置100の構成を、図1から図4を用いて説明する。図1は、画像形成装置100を模式的に示す斜視図であり、図2は、画像形成装置100の全体構成を概略的に示す説明図である。図3は、現像装置5Yおよび作像部6Yの構成を模式的な断面で示す説明図である。図4は、トナー補給装置59におけるトナーの補給経路を示す説明図である。
実施例1の画像形成装置100は、図1および図2に示すように、カラープリンタであり、箱状の筐体110に収容されて構成されている。この画像形成装置100(筐体110)では、上方にトナー容器収容部31が設けられている。このトナー容器収容部31には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナー容器(粉体収納容器)32Y、32M、32C、32Kが着脱自在(交換自在)に設置されており、前面に設けられた本体カバー110a(図1参照)を開放することにより、筐体110(画像形成装置100)に露出可能とされている。トナー容器収容部31は、各色の現像装置内のトナー消費に応じて、設置された各トナー容器32Y、32M、32C、32Kから適宜トナーを補給する。この構成については、後に詳細に説明する。また、トナー容器収容部31では、各トナー容器32Y、32M、32C、32Kが寿命に達したとき(収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になる)、新品のものに交換されて装填される。この構成についても、後に詳細に説明する。なお、画像形成装置100では、トナー容器を始として、後述する作像部(6)等が各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応して4つずつ設けられているが、それらは基本的に同様な構成とされていることから、以下では、いずれか1色の構成のみについて説明し、他の構成については省略する。
画像形成装置100(筐体110)では、図2に示すように、トナー容器収容部31の下方に、中間転写ユニット15が配設されている。この中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9K、中間転写クリーニング部10、2次転写バックアップローラ12、クリーニングバックアップローラ13、テンションローラ14を有する。中間転写ユニット15では、中間転写ベルト8が、3つのローラ12〜14によって張架されて支持されるとともに、2次転写バックアップローラ12の回転駆動により矢印方向に無端移動される。その中間転写ベルト8に対向して、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。
この作像部は、イエローに対応した作像部6Yで説明すると、図3に示すように、感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電部4Yと、現像装置5Y(現像部)と、クリーニング部2Yと、除電部(図示せず)と、を有する。この作像部6Yでは、感光体ドラム1Y上において、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われて、イエロー画像が形成される。
感光体ドラム1Yは、図示を略す駆動モータにより、図3を正面視した時計方向に回転駆動される。その感光体ドラム1Yの表面は、帯電部4Yと対向する位置で、一様に帯電される(帯電工程)。その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光部7(図2参照)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達し、その位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Yとの対向位置に達し、その対向位置で静電潜像が現像(可視像化)されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程)。その後、感光体ドラム1Yの表面が、中間転写ベルト8および第1次転写バイアスローラ9Yとの対向位置に達すると、その位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程)。このとき、感光体ドラム1Y上(表面)には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング部2Yとの対向位置に達し、その位置で残存する未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に回収される(クリーニング工程)。最後に、感光体ドラム1Yの表面は、図示を略す除電部との対向位置に達し、その位置で残留電位が除去される。これにより、感光体ドラム1Y上(表面)で行われる一連の作像プロセスが終了する。
なお、この一連の作像プロセスは、図2に示すように、他の3つの作像部6M、6C、6Kでも同様に行われることとなる。この各作像部における作像プロセスのために、露光部7では、図示は略すが、画像情報に基づいて、光源からレーザ光Lを発し、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上に照射する。これにより、作像部6Mはマゼンタのトナー像を形成し、作像部6Cはシアンのトナー像を形成し、作像部6Kはブラックのトナー像を形成する。
ここで、中間転写ユニット15では、4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kが、対応する感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間で中間転写ベルト8を挟み込んで1次転写ニップを形成している。その各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kには、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加されている。このため、中間転写ベルト8が矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kおよび感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kによる1次転写ニップを順次通過することにより、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、互いに重なるように中間転写ベルト8上に1次転写される。これにより、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
その後、中間転写ベルト8の各色のトナー像が重ねて転写された箇所(カラー画像が形成された箇所)は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この対向位置では、2次転写バックアップローラ12が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。このため、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像(カラー画像)は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の被転写材P上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、被転写材Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト8の未転写トナーが残存する箇所は、中間転写クリーニング部10が設けられた位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーは、中間転写クリーニング部10により回収される。これにより、中間転写ベルト8上で行われる一連の転写プロセスが終了する。
ここで、2次転写ニップの位置に搬送される被転写材Pは、筐体110(画像形成装置100)の下部に設けられた給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送される。その給紙部26には、転写紙等の被転写材Pが複数枚重ねて収納されている。給紙部26では、給紙ローラ27が図2を正面視して反時計方向に回転駆動されることにより、収納されたうちの一番上の被転写材Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。そのレジストローラ対28は、回転駆動を停止することにより搬送された被転写材Pをローラニップの位置で一旦停止させる。その後、レジストローラ対28は、無端移動される中間転写ベルト8上のカラー画像が形成された箇所の通過にタイミングを合わせて回転駆動され、被転写材Pを2次転写ニップに向けて搬送する。このため、被転写材P上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された被転写材Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、定着部20において、その定着ローラおよび圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が被転写材P上に定着される。その後、被転写材Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外(筐体110の外方)へと排出される。この排紙ローラ対29により排出された被転写材Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる(積み重ねられる)。これにより、画像形成装置100における一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、作像部6Yにおける現像装置5Yの構成および動作について、図3を用いて説明する。現像装置5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Y、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Y、現像剤を収容する現像剤収容部53Y、54Y、それらの中に配設された2つの搬送スクリュ55Y、および現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Yを有する。現像ローラ51Yは、図示は略すが、内部に固設されたマグネットと、そのマグネットの周囲を回転するスリーブとを有する。現像剤収容部53Y、54Y内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Gが収容されている。すなわち、実施例1の画像形成装置100では、2成分現像剤Gを用いて画像を形成している。現像剤収容部54Yは、その上方に形成された開口を介してトナー搬送パイプ67Yに連通している。このトナー搬送パイプ67Yは、後述するトナー補給装置59(図4参照)の一部を構成しており、現像装置5Y内の現像剤Gにおけるトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように適宜トナーが供給される箇所である。換言すると、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナー容器32Yに収容されているトナーが、トナー補給装置59(図4参照)からトナー搬送パイプ67Yを介して現像剤収容部54Y内に補給される。なお、トナー補給装置59およびトナー容器32Yの構成および動作については、後に詳細に説明する。
この現像装置5Yは、次のように動作する。現像剤収容部54Y内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、キャリアとともに混合されかつ撹拌されながら、2つの現像剤収容部53Yおよび現像剤収容部54Yを図3の紙面垂直方向の一方および他方へと移動しつつ、互いを行き交うように循環する。そして、現像剤Gは、トナーがキャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着し、現像ローラ51Yの内方のマグネットにより形成された磁界により現像ローラ51Y上に担持される。この現像ローラ51Yでは、図示を略すスリーブが図3の矢印方向に回転されることにより、担持された現像剤Gがスリーブの回転に伴って移動して(搬送されて)、ドクターブレード52Yの位置に達する。その後、現像ローラ51Y上の現像剤Gは、この位置でドクターブレード52Yにより適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域)まで搬送される。その後、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像剤収容部53Yの上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
次に、トナー容器32Y内に収容されたトナーを現像装置5Yに導くトナー補給装置(粉体補給装置)59について、図4を用いて説明する。なお、図4では、理解容易とするために、トナー容器32Y、トナー搬送パイプ67Y、スクリューポンプ60、ノズル68、チューブ69、および現像装置5Yの配置方向が、実際の構成とは異なるものとされている。トナー補給装置59は、トナー容器収容部31を有し、各色の現像装置内のトナー消費に応じて、トナー容器収容部31に装填された各トナー容器32Y、32M、32C、32Kから適宜トナーを補給するものである。このトナー容器収容部31の構成は、後に詳述する。
トナー補給装置59では、トナー容器32Yがトナー容器収容部31で後述する装填準備位置Sp(図8参照)とされると、後述する保持部84(図8等参照)内において、トナー容器32Yの被保持部34Yにトナー容器収容部31に設けられたノズル68が接続される。このとき、トナー容器32Yの口栓部材34d(開閉部材)は、後述するように、被保持部34Yのトナー排出口B(図6等参照)を開放する。これにより、トナー容器32Yの容器本体33Y内に収容されたトナーが、トナー排出口Bを介して、ノズル68内に搬送可能となって、適切に装填(セット)された状態となる。
このノズル68は、後述する保持部84(図8等参照)内において、後述する収容室81の延在方向(収容室81に収容されたトナー容器32Yの移動方向(中心軸線CA方向))に延在され、かつその延在方向に直交する面に沿う方向で見て収容室81に収容されたトナー容器32Yの後述するホルダ主部34c1の貫通孔(図6等参照)に一致する位置関係(図10参照)とされている。そのノズル68の他端は、搬送管としてのチューブ69の一端に接続されている。チューブ69は、耐トナー性に優れたフレキシブルな材料からなり、他端がトナー補給装置59のスクリューポンプ60(モーノポンプ)に接続されている。
スクリューポンプ60は、吸引型一軸偏心スクリューポンプであり、ロータ61、ステータ62、吸引口63、ユニバーサルジョイント64およびモータ65を有する。そのロータ61、ステータ62、およびユニバーサルジョイント64は、図示は略すが、ケース内に収納されている。そのステータ62は、ゴム等の弾性材料からなる雌ねじ状部材であり、その内壁面にダブルピッチの螺旋溝が形成されている。ロータ61は、金属等の剛性材料からなる軸が螺旋状にねじれて形成された雄ねじ状部材であり、ステータ62内に回動自在に嵌挿されている。そのロータ61の一端は、ユニバーサルジョイント64を介して、モータ65に回転自在に連結されている。
このスクリューポンプ60は、モータ65によりステータ62内のロータ61を所定方向(実施例1ではトナー搬送方向上流側からみて反時計方向)に回転駆動させることで、チューブ69内の空気を送出してチューブ69内に負圧を発生させ、吸引口63に吸引力を発生させる。これにより、トナー容器32Y内のトナー(イエロー)が空気とともにチューブ69を介して吸引口63に吸引される。吸引口63まで吸引されたトナーは、ステータ62とロータ61との隙間に送入され、ロータ61の回転に沿ってステータ62の他端側(吸引口63とは反対側)に送出される。この送出されたトナーは、スクリューポンプ60の送出口66から排出されて、トナー搬送パイプ67Yを介して現像装置5Y内に補給される(図4中の破線で示す矢印参照)。
次に、トナー容器32Yについて、図5から図7を用いて説明する。図5は、トナー容器32Yを示す模式的な斜視図であり、図6は、トナー容器32Yの頭部側(被保持部34Yの周辺)を断面で示す説明図であり、図7は、トナー容器32Yの頭部側を分解して示す分解斜視図である。
このトナー容器32Yは、略円筒状(略中空の円柱状)を呈し、イエローのトナーを収容している。トナー容器32Yは、主として、容器本体33Yと、その頭部に設けられた被保持部34Y(ボトルキャップ)と、で構成されている。その容器本体33Yの頭部には、容器本体33Yと一体的に回転するギア33c1(ギア部材33c)と、開口部Aとが設けられている(図6参照)。開口部Aは、容器本体33Yの頭部(装着時に載置される側)に設けられ、容器本体33Y内に収容されたトナー(イエロー)を被保持部34Y内のスペース(空洞)に向けて排出する箇所となる。
容器本体33Yの後端部(底部)には、トナー容器32Yの交換(着脱)作業をおこなう際にユーザーが把持するための把持部33dが設けられている。また、容器本体33Yの内周面には、螺旋状の突起33b(図10等参照)が設けられている。この螺旋状の突起33bは、後述するように、容器本体33Yが所定方向(図10の矢印A2参照)に回転駆動された際、収容するトナーを開口部A側へと推し進める。
また、実施例1では、後述するように、装填時および使用時において、トナー容器32Yの容器本体33Yを、トナー搬送方向上流側からみて反時計方向に回転させている。また、容器本体33Yにおける突起33bの螺旋方向(巻き方向)を右方向に設定している。これにより、容器本体33Yの回転によって、トナー容器32Y内には右回りの渦気流が形成される(スクリューポンプ60(図4参照)内に形成される渦気流の回転方向と同方向)。
容器本体33Yの頭部に設けられた被保持部34Yは、キャップ34a、ホルダ34c(図6および図7参照)、開閉部材としての口栓部材34d(シャッタ)、パッキン34e(図6参照)、および電子部品としてのICチップ35(図6参照)を有する。
キャップ34aは、被保持部34Yの外形および被保持部34Yの内方空間(スペース)を形成するものである。このキャップ34aの後端(容器本体33Y側の端部)には爪34a1が設けられている。この爪34a1は、容器本体33Yの頭部に設けられた後述するギア部材33cに形成された係合部33c3(図6参照)に、適度なクリアランスを設けて係合している。このため、容器本体33Yは、キャップ34aすなわち被保持部34Yに対して相対的に回転可能に保持される。このキャップ34aにホルダ34cが取り付けられている。
そのホルダ34cは、図7に示すように、ホルダ主部34c1、ホルダカバー34c2、付勢部材としての圧縮スプリング34c3を有する。ホルダ主部34c1には、中心軸線CAに直交する方向に開口するトナー排出口Bと、そこに直交するように連通しつつノズル68の挿入が可能とされた貫通穴と、が設けられている。そのホルダ主部34c1の貫通穴には、後部側(容器本体33Y側)から口栓部材34dが挿設される。その口栓部材34dには、メクラ穴が形成されており、そのメクラ穴に圧縮スプリング34c3の一部が挿入される。ホルダ34cは、貫通穴に口栓部材34dおよび圧縮スプリング34c3が挿設されたホルダ主部34c1が、ホルダカバー34c2によってOリング34c4(図6参照)を介してキャップ34a(被保持部34Y)に取り付けられて構成されている。このため、ホルダ34cでは、ホルダ主部34c1の外周面からのトナー飛散を抑止することができる。このとき、圧縮スプリング34c3により付勢された口栓部材34dは、ホルダ主部34c1の貫通穴内で、中心軸線CAに沿う方向で移動可能とされている。この口栓部材34dは、中心軸線CA方向での移動により、ホルダ主部34c1に形成されたトナー排出口Bを開放したり閉鎖したりすることが可能とされている。そのホルダ主部34c1には、貫通穴におけるトナー排出口Bを横切る両端位置にパッキン34e(図6参照)が設けられている。この各パッキン34eは、Gシール等で構成されており、口栓部材34dの周辺からのトナーの漏出を抑止する。
トナー補給装置59では、トナー容器32Yがトナー容器収容部31で後述する装填位置Lp(図10参照)に接近されると、後述する保持部84内において、そこに固定的に配設されたノズル68の先端が、ホルダ主部34c1の貫通孔へと挿通される(図10参照)。すると、ホルダ主部34c1の貫通孔では、ノズル68により口栓部材34dが中心軸線CAに沿う方向で後側(容器本体33Y側)へと押圧されて移動し、トナー排出口Bが開放されていく。このノズル68には、トナー排出口B側にノズル補給口68a(図10参照)が設けられている。この後、ホルダ34cが保持部84に設けられた係合壁(図示せず)に突き当たる位置(突き当て基準位置)となると、ノズル68の押圧によりトナー排出口Bが完全に開放されるとともに、トナー排出口Bとノズル68のノズル補給口68aとが連通する(図10参照)。このため、トナー容器32Yがトナー容器収容部31で装填位置Lpとされると、保持部84内において、トナー容器32Yの被保持部34Y(そのトナー排出口B)に、トナー容器収容部31のノズル68(その開口(ノズル補給口68a))が接続されて、適切に装填(セット)される。このトナー容器32Yは、ホルダ34cに設けられた圧縮スプリング34c3により口栓部材34dが閉鎖方向に付勢されているため、トナー容器収容部31に設置されていない単体の状態でも、トナー排出口Bを口栓部材34dで確実に閉鎖することができるので、トナー飛散の発生を確実に抑止することができる。
また、トナー容器32Yでは、図6に示すように、容器本体33Yの頭部と被保持部34Yのキャップ34aとの間に、2つのパッキン36が並設されている。各パッキン36は、実施例1では、Gシールが用いられており、それぞれがリップ部の先端が容器本体33Yにおける開口部A側(図6を正面視して左側)に進むにつれてリップ部の内径が小さくなるように傾斜するように配設されている。
さらに、トナー容器32Yでは、容器本体33Yに対して別体に形成されたギア部材33cが、ネジ込みにより設置されている。そのギア部材33cは、全体に円環状を呈し、外周面にギア33c1が設けられ、その内周面の後端側(容器本体33Y側)にネジ溝33c2が設けられている。また、外周面のギア33c1よりも前方側に係合部33c3が設けられている。ギア部材33cは、内周面の全端側に撹拌部材33fが嵌合された状態で、ネジ溝33c2が容器本体33Yの開口部の外周面に形成されたネジ溝33Y1に螺合されて、容器本体33Yに固定されている。このギア部材33cは、図示は略すが、内周面に形成した凸部が、容器本体33Yに形成した凸部を乗り越えた後に当該凸部に係合することにより、容器本体33Yからの離脱が抑止されている。
このギア部材33cのギア33c1は、筐体110(画像形成装置100)の後述する保持部84(トナー容器収容部31)に設けられた駆動部の駆動ギア(図示せず)と噛合して、容器本体33Yを中心軸線CA(図5等参照)回りに回転駆動させる。このギア33c1は、被保持部34Yに形成された切欠部(図示せず)から露呈され、トナー容器32Yがトナー容器収容部31内で後述する装填位置Lp(図10参照)とされると、トナー容器収容部31の駆動ギア(図示せず)と噛合する。
ギア部材33cの内周面に嵌合された撹拌部材33fは、トナー容器32Yの開口部Aに位置する。撹拌部材33fは、被保持部34Y内のスペースから容器本体33Y内に向けて延設されるとともに、中心軸線CAに対して斜めに配設された棒状部材である。この撹拌部材33fは、容器本体33Yとともに回転することで、開口部Aからのトナー排出性を向上させる。なお、実施例1では、容器本体33Yとは別体のギア部材33cによりギア33c1が構成されているが、容器本体33Yと一体的に設けるものであってもよく、実施例1に限定されるものではない。
被保持部34Y(キャップ34a)の内方空間は、開口部Aを介して容器本体33Yに連通し、この開口部Aから排出されたトナー(イエロー)をトナー排出口Bから排出することが可能とされている(図6の矢印A0参照)。この被保持部34Y(キャップ34a)は、実施例1では、内方空間が略円柱状に形成され、その内方空間からトナー排出口Bに至るトナー排出経路(垂直経路)がすり鉢状に形成されている。これにより、容器本体33Yの回転によって容器本体33Y内に形成された渦気流が消失されることなく維持されて、トナー排出口Bに向けて効率よく受け渡されることになる。そのため、トナー排出口Bから排出されてチューブ69(図4参照)内を移動するトナーのトナー搬送性が向上する。
この被保持部34Yは、図示は略すが、後述する収容室81における装填準備位置Sp(図8参照)から装填位置Lp(図10参照)に至る間に設けられた回転止め係合部に摺動可能に係合する係合溝が設けられている。この回転止め係合部は、図示は略すが、収容室81(図8等参照)に設けられており、後述するように収容室81内での容器本体33Yの回転(自転)とともに被保持部34Yが回転することを防止しつつ、その被保持部34Yが中心軸線CA方向に移動することを可能とする。また、被保持部34Yの端面には、図示は略すが、保持部84に設けられた嵌合凸部との嵌合が可能な嵌合凹部が設けられている。この嵌合凸部と嵌合凹部とは、所定の色のトナー容器収容部(例えば、シアンのトナー容器収容部である。)に、異なる色のトナー容器(例えば、イエローのトナー容器である。)がセットされて、所望のカラー画像が形成できなくなる不具合を抑止するために設けられている。
そのキャップ34a(被保持部34Y)の先端面にICチップ35が設けられている。このICチップ35(電子部品)は、図10に示すように、トナー容器収容部31(保持部84)においてトナー容器32Yが装填位置とされると、トナー容器収容部31の通信回路37に対して所定距離離間して対向するように構成されており、通信回路37との間で非接触通信(無線通信)が可能とされている。ICチップ35には、トナー容器32Yやそこに収容されたトナーに係わる種々の情報が予め格納(記憶)されている。このため、ICチップ35は、通信回路37を介して画像形成装置100の制御部38へと予め格納された情報を出力したり、制御部38で取得した画像形成装置100の情報を受け取ったりする。この予め格納された情報とは、収容するトナー色、トナーの製造番号(製造ロット)、トナーの製造年月日等のトナーに係わる情報や、リサイクル回数、リサイクル年月日、リサイクルメーカ等のトナー容器32Yのリサイクルに係わる情報等である。画像形成装置100では、ICチップ35からの情報に基づき、例えば、トナー色がトナー容器収容部に設置されるべきトナー色と異なる場合にはトナー補給装置59の稼働を停止したり、製造番号やリサイクルメーカに応じて作像条件を変更したりする、最適な制御を実行する。このICチップ35は、保護キャップ39に覆われて保護されている。
次に、各トナー容器32Y、32M、32C、32Kが装填されるトナー容器収容部31について説明する。このトナー容器収容部31は、上述したように、トナー補給装置59において各トナー容器32Y、32M、32C、32Kが装填される箇所である収容室81を構成するものである。本発明に係る画像形成装置100では、収容室81における装填準備位置Sp(図8参照)に各トナー容器32Y、32M、32C、32Kが載置されると(載置状態)、装填駆動機構70により各トナー容器32Y、32M、32C、32K適切な装填状態となる装填位置Lp(図10参照)へと移動させる構成とされている。トナー容器収容部31では、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応して4つの収容室81および装填駆動機構70が設けられているが、それらは基本的に同様な構成とされていることから、以下では、イエローの構成のみについて説明し、他の構成については省略する。
トナー容器収容部31(その収容室81)は、筐体110の前面に設けられた本体カバー110aを開放する(図1参照)ことにより、一部が露出するものとされている。この収容室81のトナー容器32Yに対応する箇所の概略的な構成を図8から図10に示す。なお、この図8から図10では、理解容易のために、装填駆動機構70として後述する回転駆動部71およびコイルバネ72のみを記載している。
収容室81は、図8から図10に示すように、トナー容器32Yに対応する長尺な載置台82が、筐体110(図1参照)に設けられた周壁部83(図9、図10参照)に覆われて大略形成されている。収容室81では、一端(筐体110における奥側)にトナー容器32Yの被保持部34Y(キャップ34a)の装着箇所となる保持部84が設けられ、他端に収容室81への入口となる装着口85が設けられている。保持部84は、上述したように、トナー容器32Yの被保持部34Yとノズル68とを接続する箇所である(図10参照)。装着口85は、本体カバー110aが開放(図1参照)された際、トナー容器収容部31(その収容室81)において外方へと露見される箇所であり、トナー容器32Yの挿入口を形成している。
収容室81では、3つの保持突条86と装填駆動機構70とが設けられている。保持突条86は、収容室81においてトナー容器32Yの容器本体33Yを摺動可能に保持すべく内方へ向けて突出されており、収容室81における装着方向に延在されている。この各保持突条86は、実施例1では、2つが載置台82に設けられるとともに残りの1つが周壁部83(図9、図10参照)に設けられており、中心軸線CAに直交する断面で見て円形状の容器本体33Yを3点で支持することが可能とされている(図9参照)。このため、3つの保持突条86は、収容室81においてトナー容器32Yの容器本体33Yを摺動可能に保持する保持手段として機能する。
装填駆動機構70は、収容室81において摺動可能に保持されたトナー容器32Y(その容器本体33Y)を、その中心軸線CA回りに回転させつつ、中心軸線CA方向に沿って移動させるものである。この装填駆動機構70は、実施例1では、基本的に自転可能とされた円柱状の回転駆動部71が、付勢部材としてのコイルバネ72により、収容室81における3つの保持突条86の中央、すなわちそこに保持されたトナー容器32Y(その容器本体33Y)の中心軸線CAへ向けて、当該トナー容器32Y(その容器本体33Y)に押し当てられるように付勢されて構成されている。また、実施例1では、図11に示すように、回転駆動部71は、その自転軸線TAが収容室81に保持されたトナー容器32Y(その容器本体33Y)の中心軸線CAに対して傾斜を為して設けられている。
この回転駆動部71の周壁面71aは、容器本体33Yの外周面33aに対して適切な摩擦が発生する構成とされている。ここで、適切な摩擦とは、回転駆動部71が自転(回転駆動)された際、周壁面71aと外周面33aとの接触箇所を介して容器本体33Yを回転駆動させることを可能とすること、すなわち回転駆動部71の回転駆動力を容器本体33Yへの回転付勢力として伝達することができることを言う。また、適切な摩擦が発生する構成とは、例えば、互いの材質によるものであってもよく、細かな凹凸や溝を形成するものであってもよい。
この装填駆動機構70の具体的な構成の一例を図12に示す。装填駆動機構70は、実施例1では、図12に示すように、回転駆動部71およびコイルバネ72に加えて、駆動部保持ケース73と、入力ギア74と、伝達機構75と、出力ギア76と、モータ77と、を有する。駆動部保持ケース73は、回転駆動部71の両端から延出された回転軸71bの両端を回転自在に支持している。コイルバネ72は、駆動部保持ケース73と載置台82とを架け渡して設けられている。回転駆動部71の一方の回転軸71bに入力ギア74が固定されている。その入力ギア74は、伝達機構75に接続されている。
その伝達機構75は、モータ77(出力ギア76)からの回転駆動力を入力ギア74へと伝達するものである。伝達機構75は、揺動中心ギア75aと伝達ギア75bと連結枠75cと引張バネ75dとを有する。揺動中心ギア75aと伝達ギア75bとは、互いに噛合されつつ連結枠75cに一体的に保持されている。その連結枠75cは、揺動中心ギア75aの回転中心軸75eを回動自在に保持するとともに一端側で伝達ギア75bを回転自在に保持しており、回転中心軸75e回りに揺動可能とされている。その回転中心軸75eは、図示は略すが、収容室81を構成する周壁部83(図9等参照)に固定されている。その連結枠75cの他端には、引張バネ75dが固定されている。この引張バネ75dは、連結枠75cと載置台82とを架け渡して設けられている。伝達機構75では、揺動中心ギア75aが出力ギア76に噛合されており、揺動中心ギア75aに入力された回転駆動力を、伝達ギア75bを介して入力ギア74へと伝達する。
その揺動中心ギア75aに出力ギア76が噛合されている。この出力ギア76は、モータ77の出力軸77aに固定されている。そのモータ77は、載置台82に固定されており、画像形成装置100に設けられた制御部38(図10参照)の制御下で適宜駆動される。
次に、トナー容器収容部31でのトナー容器32Yの着脱動作(着脱操作)について説明する。トナー容器32Yをトナー容器収容部31に装着する場合、まず、画像形成装置本体100の前面に設けられた本体カバー110aを開放してトナー容器収容部31を前方に露出させる(図1参照)。
その後、トナー容器収容部31の装着口85に、被保持部34Y側からトナー容器32Yを挿入して、収容室81における装填準備位置Sp(図8参照)までトナー容器32Yを押し入れる。この装填準備位置Spとは、図8に示すように、収容室81において、トナー容器32Yの容器本体33Yの外周面33aにおける被保持部34Y側の端部(図5参照)と、装填駆動機構70の回転駆動部71の周壁面71a(図12参照)とが、中心軸線CAに直交する方向で見て対向する位置である。このため、装填準備位置Spとされると、回転駆動部71がコイルバネ72を介して載置台82(収容室81)に設けられていることから、回転駆動部71の周壁面71aが、容器本体33Yの外周面33aに押し当てられることとなる。すると、トナー容器収容部31(収容室81)では、装填駆動機構70において、モータ77の駆動制御により回転駆動部71が回転駆動される。この回転駆動部71の回転方向は、その周壁面71aにおける容器本体33Yの外周面33aへの接触位置で見て、容器本体33Yを収容室81内で保持部84側へと向かう方向を含むものとされている(図11の矢印A1参照)。なお、装填駆動機構70における回転駆動部71の回転駆動は、図示は略すが収容室81に設けられた位置センサからの信号により実行されるものであってもよく、筐体110に設けられた操作部での操作に基づいて実行されるものであってもよい。
これにより、収容室81に押し入れられたトナー容器32Yの容器本体33Yでは、外周面33aに回転駆動部71の周壁面71aが当接されていることから、図11に示すように、回転駆動部71から回転による付勢力Fが付与される。この回転付勢力Fは、容器本体33Yの外周面33aに対して、中心軸線CAに直交する方向に作用する付勢力(回転付勢力F1)と、中心軸線CA方向で保持部84側へと向かう方向に作用する付勢力(直進付勢力F2)と、を付与することとなる。このため、実施例1の装填駆動機構70では、駆動部保持ケース73が、中心軸線CAに対して自転軸線TAが傾斜を為すように回転駆動部71を自転可能に保持する駆動保持部として機能し、回転駆動部71の回転付勢力Fの一部を中心軸線CAに沿う直進付勢力F2に変換する付勢方向変換部として機能する。ここで、収容室81では、トナー容器32Yの被保持部34Yの回転が防止されるとともに、トナー容器32Yの中心軸線CA方向への移動が可能とされている。また、トナー容器32Yでは、被保持部34Yに対して容器本体33Yが回転自在とされている。このため、収容室81では、回転付勢力F1により容器本体33Yが自らの中心軸線CA回りに回転(自転)する(図10の矢印A2参照)とともに、直進付勢力F2によりトナー容器32Y(容器本体33Yおよび被保持部34Y)が中心軸線CA方向で保持部84側へと移動する。
その後、収容室81では、容器本体33Yが中心軸線CA回りに回転しつつトナー容器32Yが中心軸線CA方向へと移動することにより、トナー容器32Yの被保持部34Yが保持部84に到達する(図10参照)。すると、保持部84では、図10に示すように、ホルダ主部34c1(図7参照)の貫通孔にノズル68が挿通され、そのノズル68による口栓部材34dの押圧によりトナー排出口Bが開放され、ノズル68のノズル補給口68aがトナー容器32Yの被保持部34Yのトナー排出口Bに連通(接続)される。このノズル68と被保持部34Yとが接続された状態が、トナー容器32Yがトナー容器収容部31に適切に装填(セット)された状態であり、収容室81における装填位置Lpとなる。この装填位置Lpでは、図示は略すがトナー容器32Yのギア部材33cのギア33c1に、保持部84の内方に設けられた駆動ギア(図示せず)が噛合するとともに、電子部品としてのICチップ35が通信回路37に対して無線通信ができる位置で対向する。これにより、トナー容器32Yの装着動作が完了する。
このトナー容器収容部31では、トナー容器32Yを取出(離脱)する場合には、上述の装着時の手順と逆の手順で動作がおこなわれる。すなわち、装填駆動機構70において、モータ77の駆動制御により回転駆動部71が、装着時とは反対方向に回転駆動される。すると、収容室81では、容器本体33Yが自らの中心軸線CA回りに回転(自転)する(図10の矢印A2の逆転方向)とともに、トナー容器32Y(容器本体33Yおよび被保持部34Y)が中心軸線CA方向で装着口85側(後側)へと移動する。すると、保持部84では、被保持部34Yが中心軸線CA方向で後側へと移動されるので、ホルダ主部34c1の貫通孔に挿通されたノズル68による口栓部材34dの押圧位置が後退してトナー排出口Bが閉鎖されていき、ノズル68のノズル補給口68aとトナー容器32Yの被保持部34Yのトナー排出口Bとの連通(接続)が解除される。その後、トナー容器32Yは、容器本体33Yをその中心軸線CA回りに回転(自転)しつつ(図10の矢印A2の逆転方向)、中心軸線CA方向で装着口85側(後側)へと移動して、装填準備位置Sp(図8参照)に到達する。このため、ユーザーは、装填準備位置Spにあって容器本体33Yの一部(後部)が装着口85から突出されたトナー容器32Yを持ち上げることで、トナー容器32Yを取出(離脱)することができる。
このように、本発明に係る画像形成装置100では、装填準備位置Spに載置されたトナー容器(32Y、32M、32C、32K)を装填駆動機構70が装填位置Lpへと移動させることから、ユーザーは単に当該トナー容器を装填準備位置Spに載置するだけでトナー容器を適切に装填位置Lpに位置させることができるため、トナー容器を装填位置Lpへと押し込む作業をなくすことができるので、装填動作をより容易なものとすることができる。このことは、特に、搭載するトナー容器が大型である場合により効果的である。
また、画像形成装置100では、装填位置Lpのトナー容器(32Y、32M、32C、32K)を装填駆動機構70が装填準備位置Spへと移動させることから、ユーザーは単に当該トナー容器を装填準備位置Spから持ち上げるだけでトナー容器をトナー容器収容部31から取り出すことができるため、トナー容器を装填準備位置Spに引き出す作業をなくすことができるので、取出動作をより容易なものとすることができる。このことは、特に、搭載するトナー容器が大型である場合により効果的である。
さらに、画像形成装置100では、トナー容器(32Y、32M、32C、32K)を装填準備位置Spと装填位置Lpとの間で中心軸線CAに沿って移動させる際、容器本体(33Y、33M、33C、33K)をその中心軸線CA回りに回転(自転)させることから、当該トナー容器内でトナーが凝集している場合であっても当該トナーを解すことができる。このため、例えば、装填前にトナー容器を振る作業が適切に行われなかった場合であっても、当該作業を補うことができるので、装填動作をより容易でかつ適切なものとすることができる。このことは、特に、搭載するトナー容器が大型である場合により効果的である。
画像形成装置100では、容器本体(33Y、33M、33C、33K)の内周面に螺旋状の突起33bが設けられていることから、中心軸線CAに沿う保持部84側(前側)への移動に伴う当該容器本体の中心軸線CA回りに回転(自転(図10の矢印A2参照))により、容器本体内でトナーを被保持部(34Y、34M、34C、34K)の開口部A側(トナー排出口B側)へと移動させることができる。このため、装填位置Lpとされたトナー容器では、開口部A側(トナー排出口B側)の近傍にトナーが移動されているので、速やかにかつ適切にトナーの補給を開始することができる。
画像形成装置100では、容器本体(33Y、33M、33C、33K)の内周面に螺旋状の突起33bが設けられていることから、中心軸線CAに沿う装着口85側(後側)への移動に伴う当該容器本体の中心軸線CA回りに回転(自転(図10の矢印A2の逆転方向))により、容器本体内でトナーを被保持部(34Y、34M、34C、34K)の後端部(底部(把持部33d))側へと移動させることができる。このため、装填準備位置Spへ向けて移動されるトナー容器では、開口部A側(トナー排出口B側)の近傍のトナーを減らすもしくはなくすことができることから、口栓部材34dによりトナー排出口Bが閉鎖される際に当該トナー排出口Bの周辺にトナーが付着することを抑制するもしくは防止することができるので、トナー容器の取り扱いをより快適なものとすることができる。このことは、特に、搭載するトナー容器が大型である場合、当該トナー容器の持ち運びが容易ではなくトナー排出口Bの周辺に気を回すことが困難であることから、より効果的である。
画像形成装置100では、トナー容器(32Y、32M、32C、32K)が装填位置Lpへと移動されると、被保持部(34Y、34M、34C、34K)のトナー排出口Bと保持部84のノズル68(そのノズル補給口68a)とが接続されることから、ユーザーは単に当該トナー容器を装填準備位置Spに載置するだけでトナー容器を適切に装填することができるため、従来のようにトナー容器を適切な装填状態とするための操作を行う必要がなくなるので、装填動作をより容易なものとすることができる。このことは、特に、搭載するトナー容器が大型である場合により効果的である。また、従来のように、適切な装填状態となったことを認識させるための手応え(所謂セット感もしくはクリック感)を生じさせるための部材を設ける必要がなくなるので、より簡易でかつ小さな構成とすることができる。
画像形成装置100では、寿命となったトナー容器(32Y、32M、32C、32K)を装填準備位置Spから持ち上げて、その装填準備位置Spに新品のトナー容器(32Y、32M、32C、32K)を載置するだけでトナー容器を交換することができるので、トナー容器の交換作業をより簡易なものとすることができる。このことは、特に、搭載するトナー容器が大型である場合により効果的である。
画像形成装置100では、トナー容器収容部31において、収容室81でのトナー容器(32Y、32M、32C、32K)の移動方向を中心軸線CAとするとともに、その中心軸線CAの延在方向に対して自転軸線TAが傾斜を為すように回転駆動部71が設けられていることから、単一の回転駆動部71を回転駆動することにより、容器本体(33Y、33M、33C、33K)に対して、中心軸線CAに直交する方向に作用する回転付勢力F1と中心軸線CA方向に作用する直進付勢力F2との双方を付与することができるので、簡易でかつ小さな構成で容器本体をその中心軸線CA回りに回転(自転)させつつ、当該トナー容器を中心軸線CA方向に移動させることができる。
画像形成装置100では、トナー容器収容部31において、収容室81でのトナー容器(32Y、32M、32C、32K)の移動方向を中心軸線CAとするとともに、その中心軸線CAの延在方向に対して自転軸線TAが傾斜を為すように回転駆動部71が設けられていることから、回転駆動部71の回転駆動方向を逆転するだけで装填動作と取出動作とを切り換えることができる。
画像形成装置100では、回転駆動部71の周壁面71aと容器本体(33Y、33M、33C、33K)の外周面33aとの摩擦により回転駆動部71の回転による付勢力Fを当該容器本体により適切に伝達するものであることから、簡易でかつ小さな構成で容器本体をその中心軸線CA回りに回転(自転)させつつ、当該トナー容器を中心軸線CA方向に移動させることができる。
画像形成装置100では、装填駆動機構70において、コイルバネ72により回転駆動部71(その周壁面71a)が容器本体(33Y、33M、33C、33K)(その周壁面71a)へ向けて付勢されていることから、周壁面71aと外周面33aとを適切に当接させることができるとともに、容器本体を適切に動作させることができるので、簡易でかつ小さな構成で容器本体をその中心軸線CA回りに回転(自転)させつつ、当該トナー容器を中心軸線CA方向に移動させることができる。これは、回転駆動部71の回転による付勢力Fが容器本体の適切な動作に対して過剰となった場合、その付勢力Fの余剰分をコイルバネ72が圧縮することにより吸収できることによる。このことから、上記した実施例1では、トナー容器(32Y、32M、32C、32K)にギア部材33c(ギア33c1)が設けられるとともにトナー容器収容部31(保持部84)に駆動ギア(図示せず)が設けられていたが、ギア部材33cに変えて回転駆動部71の回転による付勢力Fを利用して装填されたトナー容器を回転させる構成(ギア部材33cを設けない構成)とすることができる。このような構成の場合、トナー容器およびトナー容器収容部31(画像形成装置100)の構成をより簡易なものとすることができる。
画像形成装置100では、トナー容器(32Y、32M、32C、32K)にギア部材33c(ギア33c1)が設けられるとともにトナー容器収容部31(保持部84)に駆動ギア(図示せず)が設けられていることから、当該トナー容器が装填位置Lpへと移動されると回転駆動部71(その周壁面71a)を容器本体(その外周面33a)から離間させる構成とすることで、容器本体(33Y、33M、33C、33K)をより円滑に回転させることができる。ここで、回転駆動部71(その周壁面71a)を容器本体(その外周面33a)から離間させるには、例えば、駆動部保持ケース73もしくはそれとコイルバネ72とを中心軸線CAに直交する方向で進退自在な構成(実施例3の嵌合切換部93(図21参照)を用いる等)とすればよい。
画像形成装置100では、トナー容器収容部31において、収容室81の下側すなわち載置台82の各保持突条86上に載置されたトナー容器(32Y、32M、32C、32K)の下方に回転駆動部71が設けられていることから、当該トナー容器の自重を利用して容器本体(33Y、33M、33C、33K)の外周面33aと回転駆動部71の周壁面71aとの適切な当接を補助することができるので、その容器本体の中心軸線CA回りの回転および中心軸線CA方向の移動をより円滑なものとしつつ回転駆動部71の回転による付勢力Fを容器本体により適切に伝達することができる。これは、例えば、回転駆動部71を収容室81の上側に設けた場合、回転駆動部71(その周壁面71a)を容器本体(その外周面33a)に適切に当接させるべく当該回転駆動部71を容器本体へと押し当てる押圧力は、収容室81におけるトナー容器32Yの容器本体を摺動可能に保持する構成(実施例1では3つの保持突条86)への摩擦を増加させるように作用することによる。
画像形成装置100では、収容室81において、トナー容器(32Y、32M、32C、32K)の容器本体(33Y、33M、33C、33K)の外周面33aにおける被保持部(34Y、34M、34C、34K)側の端部と、装填駆動機構70の回転駆動部71の周壁面71aとが、中心軸線CAに直交する方向で見て対向する位置を装填準備位置Spとすることができることから、トナー容器収容部31の装着口85から収容室81へのトナー容器をある程度以上挿入するだけでよく、挿入量の細かな調整が必要ないので、装填動作をより容易なものとすることができる。このことは、特に、搭載するトナー容器が大型である場合により効果的である。
画像形成装置100では、装填駆動機構70に伝達機構75が設けられていることから、回転駆動部71(その周壁面71a)を容器本体(33Y、33M、33C、33K)(その外周面33a)に適切に当接させつつ当該回転駆動部71を確実に回転駆動させることができる。これは、装填駆動機構70において、回転駆動部71(入力ギア74)がコイルバネ72を介して載置台82(収容室81)に設けられているのに対して、モータ77が載置台82(収容室81)に固定されていることから、回転駆動部71(入力ギア74)とモータ77(出力ギア76)との位置関係が変化する可能性があるが、この位置関係の変化を伝達機構75で吸収することができることによる。
したがって、本発明に係る画像形成装置100では、トナー容器の交換作業をより容易なものとすることができ、使い勝手(操作性)を向上させることができる。
なお、上記した実施例1では、トナー容器32Y、32M、32C、32Kの容器本体内にトナーのみを収容したが、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を現像装置に適宜に供給する画像形成装置に対してはトナー容器32Y、32M、32C、32Kの容器本体内に2成分現像剤を収容することもできる。その場合であっても、上述した実施例1と同様の効果を得ることができる。
また、上記した実施例1では、収容室81の下側すなわち載置台82の各保持突条86上に載置されたトナー容器(32Y、32M、32C、32K)の下方に回転駆動部71が設けられていたが、容器本体(33Y、33M、33C、33K)を中心軸線CA回りに回転させつつ当該トナー容器を中心軸線CA方向に移動させるべく回転駆動部71の回転による付勢力Fを当該容器本体に伝達することができるものであれば、図13に示すように収容室81の上側(トナー容器の上方)に回転駆動部71を設ける構成であってもよく、上記した実施例1に限定されるものではない。
さらに、上記した実施例1では、収容室81において3つの保持突条86によりトナー容器32Yの容器本体33Yを摺動可能に保持されていたが、図13に示すように2つが周壁部83に設けられるとともに残りの1つが載置台82に設けられていてもよく、図示は略すが湾曲面で保持する構成であってもよく、上記した実施例1に限定されるものではない。
上記した実施例1では、トナー補給装置59に、チューブ69の内部に対して空気を送出する吸引型のスクリューポンプ60を用いていたが、チューブ69の内部に対して空気を送入する吐出型スクリューポンプを用いてもよく、チューブ69に接続するポンプとしてダイヤフラム式エアーポンプを用いてもよく、上記した実施例1に限定されるものではない。
上記した実施例1では、回転駆動部71が駆動部保持ケース73およびコイルバネ72を介して載置台82に固定的に設けられていたが、後述する実施例2のように、自転軸線TAの向きを変更可能な構成としてもよい。この場合、例えば、装填駆動機構70全体を載置台82に対して回転姿勢を変更可能な構成(実施例2の姿勢変更部78(図14参照)を用いる等)とすればよい。
次に、本発明の実施例2に係る画像形成装置100Bについて説明する。この実施例2は、トナー容器収容部31Bの装填駆動機構70Bにおける構成およびその作用が実施例1とは異なる例である。この実施例2の画像形成装置100Bは、基本的な構成は上記した実施例1の画像形成装置100と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図14は、実施例2に係る画像形成装置100Bにおける装填駆動機構70Bの構成を説明するための説明図である。図15は、装填駆動機構70Bの回転駆動部71とトナー容器32Y(容器本体33Y)との位置関係を説明するための図11と同様の説明図である。
実施例2に係る画像形成装置100Bでは、装填駆動機構70Bにより、適切に装填したトナー容器(32Y、32M、32C、32K)に対して、装填位置Lpを維持したまますなわち装填位置Lpにおいて中心軸線CA方向へと移動させることなく当該トナー容器の容器本体(33Y、33M、33C、33K)を中心軸線CA回りに回転(自転)させることをより円滑に行うことを可能とするものである。これに伴って、実施例2では、図示は略すが、トナー容器(32Y、32M、32C、32K)にギア部材33c(ギア33c1)が設けられていない。トナー容器収容部31Bでは、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応して4つの収容室81および装填駆動機構70Bが設けられているが、それらは基本的に同様な構成とされていることから、以下では、イエローの構成のみについて説明し、他の構成については省略する。
その装填駆動機構70Bは、図14に示すように、回転駆動部71と、コイルバネ72と、駆動部保持ケース73Bと、入力ギア74と、出力ギア76Bと、モータ77Bと、姿勢変更部78と、を有する。
この駆動部保持ケース73Bは、回転駆動部71の両端から延出された回転軸71bの両端を回転自在に支持するとともに、その下方でモータ77Bを保持している。また、駆動部保持ケース73Bは、図示は略すがモータ77Bの出力軸の回転自在な挿通を許して外方へと延出させている。
コイルバネ72は、駆動部保持ケース73Bと姿勢変更部78(その回動部分78b)とを架け渡して設けられている。その姿勢変更部78は、載置台82に設けられており、その載置台82に固定された本体部分78aと、その本体部分78aに対して回転自在とされた回動部分78bと、を有する。この姿勢変更部78は、画像形成装置100Bに設けられた制御部38(図10参照)の制御下で適宜駆動、すなわち本体部分78a(載置台82)に対する回動部分78bの回転姿勢が適宜制御される。このため、駆動部保持ケース73Bすなわちそこに支持された回転駆動部71は、図示を略す制御部の制御下で、載置台82(収容室81)に対して載置台82に直交する軸線回りに回転する、すなわち当該方向での姿勢を変化させることが可能とされている。
回転駆動部71の一方の回転軸71bに入力ギア74が固定されている。その入力ギア74は、駆動部保持ケース73Bの外方において出力ギア76Bに噛合されている。その出力ギア76Bは、モータ77Bの出力軸(図示せず)に固定されている。そのモータ77Bは、図示は略すが画像形成装置100Bに設けられた制御部38(図10参照)の制御下で適宜駆動される。
この画像形成装置100Bでは、トナー容器収容部31Bの基本的な構成は、実施例1のトナー容器収容部31と同様であることから、そのトナー容器収容部31と同様にトナー容器32Yの着脱動作(着脱操作)を行うことができる。加えて、トナー容器収容部31Bでは、トナー容器32Yを装填位置Lpまで移動させて装填状態とした後、姿勢変更部78を駆動させて回転駆動部71の姿勢を切り換える(矢印A3参照)。詳細には、トナー容器収容部31Bでは、トナー容器32Yの着脱動作(着脱操作)を行う場面では、図15に二点鎖線で示すように、収容室81でのトナー容器32Yの移動方向である中心軸線CA方向に対して自転軸線TAが傾斜を為すように回転駆動部71の姿勢を設定している。トナー容器収容部31Bでは、トナー容器32Yを装填位置Lpまで移動させて装填状態とすると、姿勢変更部78の駆動により、回転駆動部71の姿勢を二点鎖線で示す状態から、自転軸線TAが中心軸線CA方向と一致する状態(実線で示す回転駆動部71参照)へと回転駆動部71の姿勢を変更する。これにより、トナー容器収容部31Bでは、装填位置Lpにおいて、トナー容器32Yを中心軸線CA方向へと移動させることなくその容器本体33Yをより円滑に中心軸線CA回りに回転(自転)させることができる。
実施例2の画像形成装置100Bでは、基本的に実施例1の画像形成装置100と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例2の画像形成装置100Bでは、装填位置Lp(装填状態)にあっては、回転駆動部71の回転による付勢力Fを容器本体(33Y、33M、33C、33K)に対して中心軸線CA方向への付勢力として作用させることがないので、駆動力の損失を低減することができるとともに、容器本体の中心軸線CA回りの回転(自転)をより円滑なものとすることができる。
また、実施例2の画像形成装置100Bでは、回転駆動部71の回転による付勢力Fを利用して、装填されたトナー容器(32Y、32M、32C、32K)を回転させる構成であることから、使用状態における回転(自転)駆動のためのギアおよび駆動ギアを設ける必要がないので、トナー容器およびトナー容器収容部31B(画像形成装置100B)の構成をより簡易なものとすることができる。
さらに、実施例2の画像形成装置100Bでは、姿勢変更部78により回転駆動部71の姿勢の変更が可能とされていることから、トナー容器(32Y、32M、32C、32K)を装填位置Lpまで移動させて装填状態とした際、自転軸線TAが中心軸線CA方向に対して僅かに傾斜する状態(図示せず)とすることにより、容器本体(33Y、33M、33C、33K)を中心軸線CA回りに回転(自転)させる際、トナー容器32Yが中心軸線CA方向で装着口85側へと移動することを防止することができる。このような構成とすると、収容室81において適切に装填した状態を維持すべく固定する機構(ロック機構)を不要とすることができる。
したがって、本発明に係る画像形成装置100Bでは、トナー容器の交換作業をより容易なものとすることができ、使い勝手(操作性)を向上させることができる。
次に、本発明の実施例3に係る画像形成装置100Cについて説明する。この実施例3は、基本的には装填駆動機構70Cにおける構成およびその作用が実施例1とは異なる例である。また、画像形成装置100Cでは、基本的な構成は上記した実施例1の画像形成装置100と同様であるが、外観構成と配置関係とトナー容器収容部31Cを開放する構成とが異なるものとされている。また、画像形成装置100Cでは、対応するトナー容器(32YC、32MC、32CC、32KC)の構成が実施例1とは異なるものとされ、それに合致するようにトナー補給装置59Cの構成が実施例1とは異なるものとされている。この実施例3の画像形成装置100Cは、基本的な構成は上記した実施例1の画像形成装置100と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図16は、実施例3に係る画像形成装置100Cにおける外観構成を説明するための説明図である。図17は、トナー容器32YCの構成を示す説明図である。図18は、トナー補給装置59Cの構成を分解して示す説明図である。図19は、トナー補給装置59Cの構成を説明するための説明図である。図20は、ケース84a内にトナー排出口Bからトナー(イエロー)が吐出された様子を示す説明図である。図21は、実施例3に係る画像形成装置100Cにおける装填駆動機構70Cの構成を説明するための説明図である。図22は、トナー容器収容部31Cにおける装填駆動機構70Cの回転駆動部71とトナー容器32YC(容器本体33YC)との位置関係を説明するための説明図である。図23は、トナー容器収容部31Cにトナー容器32YCを装填する様子を示す説明図であり、(a)は収容部カバー31aが閉鎖した様子を示し、(b)は収容部カバー31aを開放した様子を示し、(c)はトナー容器32YCを載置した様子を示し、(d)はトナー容器32YCを装填準備位置Spへ向けて押し入れる様子を示している。なお、図18および図22では、理解容易のために、装填駆動機構70Cとして後述する回転駆動部71、コイルバネ72、案内突起91および突起用バネ92のみを記載している。
実施例3に係る画像形成装置100Cでは、図16に示すように、トナー容器収容部31Cが画像形成装置本体の最上部に配設されている。そして、トナー容器収容部31Cの収容部カバー31aを開閉して、トナー容器(32YC、32MC、32CC、32KC)の着脱動作が行われる。すなわち、画像形成装置100Cでは、トナー容器収容部31Cの前方に設けられた収容部カバー31aを開放することにより、トナー容器収容部31Cの載置台82C(収容室81C)を露出させることが可能とされている(図22参照)。
次に、実施例3に係る画像形成装置100Cに装填されるトナー容器(32YC、32MC、32CC、32KC)の構成について図17を用いて説明する。以下では、イエローのトナー容器32YCを例にして説明する。
トナー容器32YCは、全体に円筒状を呈し、容器本体33YCと被保持部34YCとが一体的に形成されている。被保持部34YCは、先端側に径寸法が小さくされた口部34fを有し、その先端にトナー排出口Bが形成されるとともにフランジ34gが形成されている。フランジ34gは、口部34fを取り巻きつつ延出されて形成されている。トナー排出口Bは、栓部材41により封止可能とされている。この栓部材41の中央には、摘み部41aが形成されている。
また、容器本体33YCの外周面には、螺旋状の案内溝33gが形成されている。この案内溝33gは、容器本体33YCにおける外周壁部を凹ませるように形成されていることから、内周面側で見ると螺旋状の突起(突起33bに相当する)が設けられていることとなる。このトナー容器32YCは、容器本体33YCと被保持部34YC(その口部34f、フランジ34g、トナー排出口B)とを一斉にブロー成形にて製造することができる。
次に、トナー容器32YCの構成に対応されたトナー補給装置59Cについて説明する。このトナー補給装置59C(トナー容器収容部31C)では、図18から図20に示すように、保持部84Cにおいて、容器保持部材42が設けられている。この容器保持部材42は、トナー容器32YCの頭部を保持するものであり、一種のアジテータとして機能するリブ42aが一体形成されている。そのリブ42aには、トナー補給羽根42bが両面テープ等で貼り付けられている。このトナー補給羽根42bは、マイラーあるいはゴム等の弾性材料で形成された薄板状の部材である。なお、実施例3では、リブ42aおよびトナー補給羽根42bは、それぞれ4つずつ設けられている。この容器保持部材42は、図示は略すが内周面に設けられた駆動用リブが、トナー容器32YCの被保持部34YCの頭部に設けられた駆動伝達用突起部と係合することにより、トナー容器32YCと正転方向に一体的に回転可能とされている。
保持部84Cでは、円環状のシール材44aにコレットチャック43を内蔵する円筒ケース44が挿通されている。コレットチャック43は、先端側(トナー容器32YCが位置する側)が複数の脚部に分割されて構成されており、当該脚部で栓部材41の摘み部41aを摘むことが可能とされている(図20参照)。円筒ケース44は、コレットチャック43の脚部の開閉動作の案内のための筒部材であり、保持部84Cに設けられたケース84aとの間を封止するシール部材44bが取り付けられている。そのコレットチャック43は、ネジ43aにより軸部材43bに固着されている。そのコレットチャック43、円筒ケース44、軸部材43bは、コイルバネ43cによりトナー容器32YC側へ常に付勢されている。これらの構成部品は、ケース84a内に保持されている。
そのケース84aは、上述したように、保持部84Cの外観形状を形作るものであり、トナー補給装置59Cの載置台82Cと一体的に形成されている。そのケース84aには、軸受部84bに軸部45bが支承されたハンドル45が、回転可能に設けられている。このハンドル45は、栓部材41を開閉栓の操作のために設けられている。ハンドル45は、図示は略すが、画像形成装置100Cに設けられた制御部38(図10参照)の制御下で適宜駆動される駆動機構により回動される。この駆動機構は、例えば、ソレノイドを用いて構成することができる。
その軸部材43bには、穴43dが設けられている。その穴43dには、スライド軸43eが挿通されている。このスライド軸43eは、ハンドル45に設けられたカム部45aに係合され、ハンドル45が軸部45b回りに回動(矢印A4参照)されると、軸部材43bをトナー容器32YCから離れる方向にスライド移動させる。このため、ハンドル45の回動により、軸部材43bに固定されたコレットチャック43をトナー容器32YCから離れる方向にスライド移動させることができる(矢印A5方向(図19参照))。また、円筒ケース44は、栓部材41の摘み部41aを摘んだ状態のコレットチャック43(その脚部)に係合可能な突起部44c(図20参照)が設けられているので、ハンドル45の回動により、コレットチャック43と一体的にトナー容器32YCから離れる方向にスライド移動される。
ケース84aには、図18に示すように、載置台82Cに支持されたトナー容器32YCのトナー排出口Bに連通する開口84cが設けられている。その開口84cには、弾性部材46が両面テープ等で貼り付けられている。その弾性部材46は、マイラーあるいはゴム等の弾性材料から形成され、トナー補給羽根42bの移動方向に直交する方向(水平方向)に細長い角穴であるスリット穴46aが形成されている。
また、ケース84aには、スリット穴46aを覆うようにカバー47が設けられている。このカバー47は、下側に開口47aを有し、スリット穴46aから排出されたトナーを開口47aからトナー搬送パイプ67Y(図3参照)へと導く。
このトナー補給装置59Cでは、トナー容器32YCが装填位置Lpとされると、保持部84C内において、被保持部34YC(トナー容器32YCの頭部)が容器保持部材42に係合される(図19参照)。この状態において、ハンドル45が図示を略す駆動機構により矢印A4方向(下方向(図18参照))に回動されると、カム部45aに係合されたスライド軸43eを介して軸部材43bが矢印A5方向(図19参照)へと引っ張られる。これにより、コレットチャック43は、円筒ケース44内において矢印A5方向へと移動し、脚部が突起部44cに突き当たることにより、当該脚部が閉じ始めて栓部材41の摘み部41aを摘む(図20参照)。この状態において、コレットチャック43が矢印A5方向へと移動すると、摘み部41aを摘んだ状態の脚部が突起部44cに当接していることにより、コレットチャック43と円筒ケース44とが一体的に矢印A5方向へと移動し、トナー容器32YCの被保持部34YCのトナー排出口Bから栓部材41が取り外される(図20参照)。これにより、保持部84Cでは、トナー容器32YCのトナー排出口Bが、ケース84a(その内方空間)に接続される。この状態において、トナー容器32YCが回転されると、案内溝33gにより形成された螺旋状の突起33bの案内作用により、トナー排出口Bからトナー(イエロー)が吐出されて、ケース84a内に溜る。このとき、容器保持部材42がトナー容器32YCと正転方向に一体的に回転可能とされていることから、容器保持部材42のリブ42aに取り付けられたトナー補給羽根42bがケース84aの内壁面を摺動回転する。すると、トナー補給羽根42bは、ケース84a内に溜ったトナーを掻きあげるので、そのトナーの一部が弾性部材46のスリット穴46a(図18参照)から押し出される。この押し出されたトナーは、カバー47内で落下し、カバー47下側の開口47a(図18参照)を通って、上述したようにトナー搬送パイプ67Yから現像装置5(5Y)内にトナーが補給される(図3参照)。
また、ハンドル45が図示を略す駆動機構により矢印A4(図18参照)とは反対方向(上方向)に回動されると、カム部45aに係合されたスライド軸43eを介して軸部材43bが矢印A5(図19参照)とは反対方向へと押し込まれる。すると、コレットチャック43が押し込まれて、栓部材41をトナー容器32YCの被保持部34YCのトナー排出口Bに嵌合させるとともに、摘んでいた摘み部41aを離す。これにより、トナー容器32YCのトナー排出口Bに栓部材41を取り付け、トナー排出口Bが栓部材41で封止された状態にすることができる。
次に、実施例3に係る画像形成装置100Cのトナー補給装置59Cにおける装填駆動機構70Cについて説明する。この装填駆動機構70Cは、対応するトナー容器32YCに設けられた案内溝33g(図17等参照)を利用して、中心軸線CA方向への移動を可能とする(直進付勢力F2に変換する)ものである。その装填駆動機構70Cは、図21に示すように、回転駆動部71と、コイルバネ72と、駆動部保持ケース73Bと、入力ギア74と、出力ギア76Bと、モータ77Bと、案内突起91と、突起用バネ92と、嵌合切換部93と、を有する。
装填駆動機構70Cでは、回転駆動部71を回転可能に保持する構成において、コイルバネ72が直接載置台82Cに設けられている、すなわち駆動部保持ケース73Bと載置台82Cとを架け渡すように設けられていることを除くと、実施例2と同様である。このため、装填駆動機構70Cでは、姿勢変更部78(図14参照)が設けられていない。また、図22に示すように、回転駆動部71は、その自転軸線TAが収容室81Cに保持されたトナー容器32YC(その容器本体33YC)の中心軸線CAと平行とされて設けられている。
また、装填駆動機構70Cでは、回転駆動部71と中心軸線CA方向に並列されて案内突起91が設けられている。この案内突起91は、トナー容器32YCの容器本体33YCに設けられた案内溝33g(図17参照)に嵌合可能であるとともに、その嵌合状態において摺動可能とされている(図22参照)。案内突起91は、突起用バネ92を介して嵌合切換部93(その昇降部分93b)に取り付けられている。この嵌合切換部93は、載置台82Cに設けられており、その載置台82Cに固定された本体部分93aと、その本体部分93aからの進出およびそこへの後退が可能とされた昇降部分93b(矢印A6参照)と、を有する。この嵌合切換部93は、図示は略すが画像形成装置100Cに設けられた制御部38(図10参照)の制御下で適宜駆動、すなわち本体部分93a(載置台82C)に対する昇降部分93bの進退状態が適宜制御される。この嵌合切換部93における進退方向は、載置台82Cから収容室81Cに保持されたトナー容器32YC(その容器本体33YC)の中心軸線CAへと向かうものとされている。このため、案内突起91は、制御部38の制御下で、載置台82Cから離間されて中心軸線CAに近接したり、中心軸線CAから離間されて載置台82Cに近接したりする、すなわち当該方向での位置を変化させることが可能とされている。
次に、トナー容器収容部31Cでのトナー容器32YCの着脱動作(着脱操作)について、図22および図23を用いて説明する。トナー容器32YCをトナー容器収容部31Cに装着する場合、まず、トナー容器収容部31Cの前方に設けられた収容部カバー31a(図23(a)参照)を開放してトナー容器収容部31Cの載置台82C(収容室81C)を露出させる(図16および図23(b)参照)。
その後、露出した載置台82C上に、トナー容器32YC(被保持部34YC)を載置する(図23(b)の矢印A7参照)。このように、トナー容器収容部31Cでは、収容部カバー31aを開放することで、載置台82Cの一部が完全に露呈するために、載置台82C上へのトナー容器32YC(被保持部34YC)のセットが容易になる。
その後、トナー容器収容部31Cの装着口85Cに、被保持部34YC側からトナー容器32YCを挿入して、収容室81Cにおける装填準備位置Spまでトナー容器32YCを押し入れる(図23(c)の矢印A8参照)。すると、収容室81Cでは、回転駆動部71がコイルバネ72を介して載置台82C(収容室81C)に設けられていることから、回転駆動部71の周壁面71aが、容器本体33YCの外周面33aに押圧されることとなる。ここで、嵌合切換部93は、進出状態(案内突起91を中心軸線CA側に進出させた状態)とされている。このため、案内突起91は、突起用バネ92および嵌合切換部93を介して載置台82C(収容室81C)に設けられていることから、容器本体33YCに設けられた案内溝33gに嵌合する、もしくは容器本体33YCの外周面33aに押し当てられることとなる。ここで、案内突起91は、突起用バネ92を介して支持されていることから、案内溝33gに嵌合していない場合には、外周面33aに倣うように逃げることができる。また、この場合であっても、案内溝33gが螺旋状とされていることから、下記のように容器本体33YC(トナー容器32YC)が回転される(図22の矢印A9参照)ことにより、案内突起91を案内溝33gへと確実に嵌合させることができる(図22参照)。
その後、トナー容器収容部31Cでは、装填駆動機構70Cにおいて、モータ77B(図21参照)の駆動制御により回転駆動部71が回転駆動される。この回転駆動部71の回転方向は、容器本体33YCの外周面33aを中心軸線CA回りで見て、案内溝33gが被保持部34YC側へと変位する方向に容器本体33YCを回転させる方向とされている(矢印A9参照)。なお、装填駆動機構70Cにおける回転駆動部71の回転駆動は、図示は略すが、収容室81Cに設けられた位置センサからの信号により実行されるものであってもよく、筐体110Cに設けられた操作部での操作に基づいて実行されるものであってもよい。
これにより、収容室81Cに押し入れられたトナー容器32YCの容器本体33YCでは、外周面33aに回転駆動部71の周壁面71aが当接されていることから、図22に示すように、回転駆動部71から回転による付勢力(矢印A9参照)が付与される。この付勢力は、容器本体33YCの外周面33aに対して、中心軸線CAに直交する方向に作用する回転付勢力F1を付与する。すると、その外周面33aに設けられた案内溝33gには、載置台82C(収容室81C)に固定された案内突起91が嵌合していることから、その案内溝33gと案内突起91との案内作用により、容器本体33YCが中心軸線CA方向で保持部84C側へと移動する。すなわち、案内溝33gと案内突起91とは、回転駆動部71から回転による付勢力(矢印A9参照)の一部を、中心軸線CA方向で保持部84Cに向かう方向に作用する直進付勢力F2に変換することとなる。このため、実施例3の装填駆動機構70Cでは、案内溝33gが案内経路として機能し、案内突起91が追従係合部として機能し、その案内突起91が案内溝33gとの協働により回転駆動部71の回転付勢力Fの一部を中心軸線CAに沿う直進付勢力F2に変換する付勢方向変換部として機能する。これにより、収容室81Cでは、回転付勢力F1により容器本体33YCが自らの中心軸線CA回りに回転(自転)するとともに、直進付勢力F2によりトナー容器32YC(容器本体33YCおよび被保持部34YC)が中心軸線CA方向で保持部84C側へと移動する。
その後、収容室81Cでは、容器本体33YCが中心軸線CA回りに回転しつつトナー容器32YCが中心軸線CA方向へと移動することにより、トナー容器32YCの被保持部34YCが保持部84Cに到達し、被保持部34YC(トナー容器32YCの頭部)が容器保持部材42に係合される(図19参照)。この被保持部34YCが容器保持部材42に係合された状態が、トナー容器32YCがトナー容器収容部31Cに適切に装填(セット)された状態であり、収容室81Cにおける装填位置Lpとなる。すると、保持部84Cでは、上述したように、ハンドル45(図18参照)の回動により、コレットチャック43が栓部材41の摘み部41aを摘んで当該栓部材41をトナー容器32YCの被保持部34YCのトナー排出口Bから取り外す(図20参照)。このため、保持部84Cでは、トナー容器32YCのトナー排出口Bが、ケース84a(その内方空間)に接続され、トナー容器32YCに収容されたトナー(イエロー)の現像装置5Yへの補給が可能となる。これにより、トナー容器32YCの装着動作が完了する(図23(d)参照)。この装着動作が完了した後、図23(d)に示すように、収容部カバー31aが閉鎖される。このとき、図示は略すが、案内突起91は、嵌合切換部93により後退されて、案内溝33gから離間される。
このトナー容器収容部31Cでは、使用状態において、装填駆動機構70Cの回転駆動部71が適宜回転駆動されることにより、ケース84a内に溜ったトナーを上述したトナー搬送パイプ67Yから現像装置5Y内へと補給する。
このトナー容器収容部31Cでは、トナー容器32YCを取出(離脱)する場合には、上述の装着時の手順と逆の手順で動作がおこなわれる。すなわち、案内突起91が、嵌合切換部93により進出されて案内溝33gに嵌合される。その後、ハンドル45(図18参照)の回動により、栓部材41がトナー容器32YCの被保持部34YCのトナー排出口Bに嵌合される。その後、収容部カバー31aを開放してから、装填駆動機構70Cにおいて、モータ77Bの駆動制御により回転駆動部71が、装着時とは反対方向に回転駆動される。すると、収容室81Cでは、トナー容器32YC(容器本体33YC)が自らの中心軸線CA回りに回転(自転)するとともに、トナー容器32YCが中心軸線CA方向で装着口85側(後側)へと移動する。その後、トナー容器32YC(容器本体33YC)は、その中心軸線CA回りに回転(自転)されつつ、中心軸線CA方向で装着口85側(後側)へと移動されて、装填準備位置Spに到達する。このため、ユーザーは、装填準備位置Spにあって容器本体33YCの一部が装着口85から突出されたトナー容器32YCを持ち上げることで、トナー容器32YCを取出(離脱)することができる。
実施例3の画像形成装置100Cでは、基本的に実施例1の画像形成装置100と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例3の画像形成装置100Cでは、案内突起91を案内溝33gに嵌合させることで、回転駆動部71から回転による付勢力(矢印A9参照)の一部を、中心軸線CA方向で保持部84Cに向かう方向に作用する直進付勢力F2に変換することができるので、簡易でかつ小さな構成で容器本体をその中心軸線CA回りに回転(自転)させつつ、当該トナー容器を中心軸線CA方向に移動させることができる。
また、実施例3の画像形成装置100Cでは、装填位置Lp(装填状態)にあっては、回転駆動部71の回転による付勢力Fを容器本体(33YC、33MC、33CC、33KC)に対して中心軸線CA方向への付勢力として作用させることがないので、駆動力の損失を低減することができるとともに、容器本体の中心軸線CA回りの回転(自転)をより円滑なものとすることができる。
さらに、実施例3の画像形成装置100Cでは、回転駆動部71の回転による付勢力Fを利用して、装填されたトナー容器(32YC、32MC、32CC、32KC)を回転させる構成であることから、使用状態における回転(自転)駆動のためのギアおよび駆動ギアを設ける必要がないので、トナー容器およびトナー容器収容部31C(画像形成装置100C)の構成をより簡易なものとすることができる。
実施例3の画像形成装置100Cでは、案内突起91が、嵌合切換部93により案内溝33gへの嵌合状態とそれを解除した状態との切換が可能とされていることから、簡易な構成で回転駆動部71から回転による付勢力(矢印A9参照)の一部を中心軸線CA方向に作用する直進付勢力F2に変換することと、変換することなく回転付勢力F1のみを作用させることと、を切り換えることができる。
したがって、本発明に係る画像形成装置100Cでは、トナー容器の交換作業をより容易なものとすることができ、使い勝手(操作性)を向上させることができる。
次に、本発明の実施例4に係る画像形成装置100Dについて説明する。この実施例4は、装填駆動機構70Dにおける構成およびその作用が実施例3とは異なる例である。この実施例4の画像形成装置100Dは、基本的な構成は上記した実施例3の画像形成装置100Cと同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、対応するトナー容器32YDは、基本的な構成は上記した実施例3のトナー容器32YCと同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図24は、実施例4に係る画像形成装置100Dにおける装填駆動機構70Dの構成を説明するための説明図である。図25は、画像形成装置100Dに対応されたトナー容器32YDを説明するための説明図である。図26は、装填駆動機構70Dの回転駆動部71Dとトナー容器32YD(容器本体33YD)との位置関係を説明するための図22と同様の説明図である。なお、図26では、理解容易のために、装填駆動機構70Dとして後述する回転駆動部71Dおよびコイルバネ72のみを記載している。
実施例4に係る画像形成装置100Dの装填駆動機構70Dは、実施例3の装填駆動機構70Cと同様に、対応するトナー容器32YDに設けられた案内溝33gを利用して、中心軸線CA方向への移動を可能とする(直進付勢力F2に変換する)ものである。その装填駆動機構70Dは、図24に示すように、回転駆動部71Dと、コイルバネ72と、駆動部保持ケース73Bと、入力ギア74と、出力ギア76Bと、モータ77Bと、を有する。換言すると、装填駆動機構70Dは、実施例3の装填駆動機構70Cと比較して、案内突起91と突起用バネ92と嵌合切換部93(図21参照)とを無くすとともに、回転駆動部71Dの構成が異なるものとされている。
装填駆動機構70Dでは、回転駆動部71Dに案内突起91Dが設けられている。詳細には、回転駆動部71Dでは、その自転軸線TA方向で見た中間位置に、周壁面71aから自転軸線TAに対する径方向に突出して案内突起91Dが設けられている。この案内突起91Dは、周壁面71aを取り巻く環状を呈し、トナー容器32YDの案内溝33gに嵌合可能であるとともに、その嵌合状態において摺動可能とされている。
次に、実施例4で用いるトナー容器32YDについて説明する。このトナー容器32YDは、基本的には、実施例3で用いたトナー容器32YCと同様の構成とされている。このトナー容器32YDでは、図25に示すように、容器本体33YDにおける外周壁部を凹ませて形成された案内溝33gに停留溝33hが連続されている。その停留溝33hは、中心軸線CAに直交する面に沿って容器本体33YDの外周面33aを取り巻く環状の溝であり、案内溝33gの後端側(把持部33d側)の端部に連続されている。なお、この停留溝33hは、図示は略すが容器本体33YDの内周面側へと突出しないものとされ、内周面に突起を形成しないものとされている。
このトナー容器収容部31Dでは、図26に示すように収容室81Dにトナー容器32YDを挿入し、回転駆動部71Dの周壁面71aを容器本体33YDの外周面33aに当接させつつ、その回転駆動部71Dの案内突起91Dを案内溝33gに係合させて、装填準備位置Spとする。
その後、トナー容器収容部31Dでは、装填駆動機構70Dにおいて、モータ77Bの駆動制御により回転駆動部71Dが回転駆動される。これにより、収容室81Dに押し入れられたトナー容器32YDの容器本体33YDでは、外周面33aに回転駆動部71Dの周壁面71aが当接されていることから、回転駆動部71Dから回転による付勢力(矢印A10参照)が付与される。この付勢力は、容器本体33YDの外周面33aに対して、中心軸線CAに直交する方向に作用する回転付勢力F1を付与する。すると、その外周面33aに設けられた案内溝33gには、回転駆動部71Dに設けられた案内突起91Dが嵌合していることから、その案内溝33gと案内突起91Dとの案内作用により、容器本体33YDが中心軸線CA方向で保持部84C側へと移動する。すなわち、案内溝33gと案内突起91Dとは、回転駆動部71Dから回転による付勢力(矢印A10参照)の一部を、中心軸線CA方向で保持部84Cに向かう方向に作用する直進付勢力F2に変換する。このため、実施例4の装填駆動機構70Dでは、案内溝33gが案内経路として機能し、案内突起91Dが追従係合部として機能し、その案内突起91Dが案内溝33gとの協働により回転駆動部71Dの回転付勢力Fの一部を中心軸線CAに沿う直進付勢力F2に変換する付勢方向変換部として機能する。これにより、収容室81Dでは、回転付勢力F1により容器本体33YDが自らの中心軸線CA回りに回転(自転)するとともに、直進付勢力F2によりトナー容器32YD(容器本体33YDおよび被保持部34YD)が中心軸線CA方向で保持部84C側へと移動する。
その後、収容室81Dでは、トナー容器32YDが装填位置Lpに到達して、保持部84C内で被保持部34YD(トナー容器32YDの頭部)が容器保持部材42に係合され、トナー容器32YDがトナー容器収容部31Dに適切に装填(セット)された状態とされる。その後、栓部材41がトナー容器32YDの被保持部34YDのトナー排出口Bから取り外されて、トナー容器32YDに収容されたトナー(イエロー)の現像装置5Yへの補給が可能となり、トナー容器32YDの装着動作が完了する。このとき、回転駆動部71Dに設けられた案内突起91Dは、案内溝33gの停留溝33hに進入する。
トナー容器収容部31Dでは、使用状態において、装填駆動機構70Dの回転駆動部71Dを適宜回転駆動すると、停留溝33hと案内突起91Dとの案内作用により、中心軸線CA方向での位置を変化させることなく容器本体33YDを自らの中心軸線CA回りに回転(自転)させることができるので、ケース84a内に溜ったトナーを上述したトナー搬送パイプ67Yから現像装置5Y内へと補給することができる。このため、実施例4のトナー容器収容部31Dでは、停留溝33hが停留経路として機能する。
このトナー容器収容部31Dでは、トナー容器32YDを取出(離脱)する場合には、上述の装着時の手順と逆の手順で動作がおこなえばよい。この取出(離脱)を開始する際、トナー容器32YDに対して、中心軸線CA方向の装着口85側(後側)への押圧力を付与することで、回転駆動部71Dに設けられた案内突起91Dを案内溝33gへと確実に進入させることができる。この装着口85側(後側)への押圧力は、例えば、回動されるハンドル45(図18参照)を当接させるものであってもよく、他の押圧機構を設けるものであってもよい。
実施例4の画像形成装置100Dでは、基本的に実施例1の画像形成装置100と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例4の画像形成装置100Dでは、案内突起91Dを案内溝33gに嵌合させることで、回転駆動部71Dから回転による付勢力(矢印A10参照)の一部を、中心軸線CA方向で保持部84Cに向かう方向に作用する直進付勢力F2に変換することができるので、簡易でかつ小さな構成で容器本体をその中心軸線CA回りに回転(自転)させつつ、当該トナー容器を中心軸線CA方向に移動させることができる。
また、実施例4の画像形成装置100Dでは、装填位置Lp(装填状態)にあっては、停留溝33hと案内突起91Dとの案内作用により、回転駆動部71Dの回転による付勢力Fを容器本体(33YD、33MD、33DD、33KD)に対して中心軸線CA方向への付勢力として作用させることがないので、駆動力の損失を低減することができるとともに、容器本体の中心軸線CA回りの回転(自転)をより円滑なものとすることができる。
さらに、実施例4の画像形成装置100Dでは、回転駆動部71Dの回転による付勢力Fを利用して、装填されたトナー容器(32YD、32MD、32DD、32KD)を回転させる構成であることから、トナー容器およびトナー容器収容部31D(画像形成装置100D)の構成をより簡易なものとすることができる。
実施例4の画像形成装置100Dでは、案内溝33gに連続する停留溝33hを有するものとされており、トナー容器(32YD、32MD、32DD、32KD)が装填位置Lpをなると、その停留溝33hに装填駆動機構70Dの回転駆動部71Dが進入する構成とされていることから、簡易な構成で回転駆動部71Dからの回転による付勢力(矢印A10参照)の一部を中心軸線CA方向に作用する直進付勢力F2に変換することと、変換することなく回転付勢力F1のみを作用させることと、を切り換えることができる。
したがって、本発明に係る画像形成装置100Dでは、トナー容器の交換作業をより容易なものとすることができ、使い勝手(操作性)を向上させることができる。
なお、上記した実施例4では、装填駆動機構70Dにおいて、回転駆動部71Dに案内突起91Dを設ける構成とされていたが、回転駆動部71Dと一体的に設けられていればよく、実施例4の構成に限定されるものではない。例えば、図27に示すように、案内突起91D´を駆動部保持ケース73Dに設けるとともに、実施例3と同様の円柱状の回転駆動部71を設ける構成の装填駆動機構70D´とすることができる。この場合であっても、上記した装填駆動機構70Dと同様の効果を得ることができる。
次に、本発明の実施例5に係る画像形成装置100Eについて説明する。この実施例5は、装填駆動機構70Eの構成および対応されるトナー容器32YEの構成が実施例3とは異なる例である。この実施例5の画像形成装置100Eは、基本的な構成は上記した実施例3の画像形成装置100Cと同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図28は、実施例5に係る画像形成装置100Eにおける装填駆動機構70Eの構成を説明するための説明図である。図29は、画像形成装置100Eに対応されたトナー容器32YEを説明するための説明図である。図30は、装填駆動機構70Eの回転駆動部71とトナー容器32YE(容器本体33YE)との位置関係を説明するための図22および図26と同様の説明図である。なお、図30では、理解容易のために、装填駆動機構70Eとして後述する回転駆動部71、コイルバネ72、案内凹所94および凹所用バネ95のみを記載している。
実施例5に係る画像形成装置100Eの装填駆動機構70Eは、対応するトナー容器32YEに設けられた案内突条33i(図29参照)を利用して、中心軸線CA方向への移動を可能とする(直進付勢力F2に変換する)ものである。その装填駆動機構70Eは、図28に示すように、回転駆動部71と、コイルバネ72と、駆動部保持ケース73Bと、入力ギア74と、出力ギア76Bと、モータ77Bと、案内凹所94と、凹所用バネ95と、嵌合切換部93と、を有する。
装填駆動機構70Eでは、回転駆動部71を回転可能に保持する構成が、実施例3の装填駆動機構70Cと同様とされている。その装填駆動機構70Eでは、回転駆動部71と中心軸線CA方向で並列されて案内凹所94が設けられている。この案内凹所94は、トナー容器32YEの容器本体33YEに設けられた案内突条33i(図29参照)を嵌入合可能とするとともに、その嵌入状態において摺動可能とされている。案内凹所94は、凹所用バネ95を介して嵌合切換部93(その昇降部分93b)に取り付けられている。この嵌合切換部93は、載置台82Cに設けられており、その載置台82Cに固定された本体部分93aと、その本体部分93aからの進出およびそこへの後退が可能とされた昇降部分93b(矢印A11参照)と、を有する。この嵌合切換部93における進退方向は、載置台82Cから収容室81Cに保持されたトナー容器32YE(その容器本体33YE)の中心軸線CAへと向かうものとされている。このため、案内凹所94は、制御部38(図10参照)の制御下で、載置台82Cから離間されて中心軸線CAに近接したり、中心軸線CAから離間されて載置台82Cに近接したりする、すなわち当該方向での位置を変化させることが可能とされている。
装填駆動機構70Eに対応するトナー容器32YEは、図29に示すように、全体に円筒状を呈し、容器本体33YEと被保持部34YEとが一体的に形成されている。このトナー容器32YEは、基本的には実施例3のトナー容器32YCと同様の構成であるが、案内溝33g(図17参照)に変えて案内突条33iが設けられている。その案内突条33iは、容器本体33YEの外周面33aから螺旋状に突出されて形成されている。
次に、トナー容器収容部31Eでのトナー容器32YEの着脱動作(着脱操作)について説明する。トナー容器収容部31Eでは、図30に示すように、収容室81Cにトナー容器32YEを挿入し、回転駆動部71の周壁面71aを容器本体33YEの外周面33aに当接させつつ、案内突条33iを装填駆動機構70Eの案内凹所94に嵌入させて装填準備位置Spとする。
その後、トナー容器収容部31Eでは、装填駆動機構70Eにおいて、モータ77Bの駆動制御により回転駆動部71が回転駆動される。これにより、収容室81Cに押し入れられたトナー容器32YEの容器本体33YEでは、外周面33aに回転駆動部71の周壁面71aが当接されていることから、回転駆動部71から回転による付勢力(矢印A12参照)が付与される。この付勢力は、容器本体33YEの外周面33aに対して、中心軸線CAに直交する方向に作用する回転付勢力F1を付与する。すると、その外周面33aに設けられた案内突条33iは、載置台82C(収容室81C)に固定された案内凹所94に嵌入していることから、その案内突条33iと案内凹所94との案内作用により、容器本体33YEが中心軸線CA方向で保持部84C側へと移動する。すなわち、案内突条33iと案内凹所94とは、回転駆動部71から回転による付勢力(矢印A12参照)の一部を、中心軸線CA方向で保持部84Cに向かう方向に作用する直進付勢力F2に変換する。このため、実施例5の装填駆動機構70Eでは、案内突条33iが案内経路として機能し、案内凹所94が追従係合部として機能し、その案内凹所94が案内突条33iとの協働により回転駆動部71の回転付勢力Fの一部を中心軸線CAに沿う直進付勢力F2に変換する付勢方向変換部として機能する。これにより、収容室81Cでは、回転付勢力F1により容器本体33YEが自らの中心軸線CA回りに回転(自転)するとともに、直進付勢力F2によりトナー容器32YE(容器本体33YEおよび被保持部34YE)が中心軸線CA方向で保持部84C側へと移動する。
その後、収容室81Cでは、トナー容器32YEが装填位置Lpに到達して、保持部84C内で被保持部34YE(トナー容器32YEの頭部)が容器保持部材42に係合され、トナー容器32YEがトナー容器収容部31Eに適切に装填(セット)された状態とされる。その後、栓部材41がトナー容器32YEの被保持部34YEのトナー排出口Bから取り外されて、トナー容器32YEに収容されたトナー(イエロー)の現像装置5Yへの補給が可能となり、トナー容器32YEの装着動作が完了する。この装着動作が完了した後、案内凹所94は、嵌合切換部93により後退されて、案内突条33iから離間される。
トナー容器収容部31Eでは、使用状態において、装填駆動機構70Eの回転駆動部71を適宜回転駆動することにより、ケース84a内に溜ったトナーを上述したトナー搬送パイプ67Yから現像装置5Y内へと補給することができる。
このトナー容器収容部31Eでは、トナー容器32YEを取出(離脱)する場合には、上述の装着時の手順と逆の手順で動作がおこなわれる。この取出(離脱)を開始する際、先ず、案内凹所94が、嵌合切換部93により進出されて案内突条33iを嵌入させ、装填駆動機構70Eにおいて、モータ77Bの駆動制御により回転駆動部71が、装着時とは反対方向に回転駆動させる。これにより、ユーザーは、装填準備位置Spにあって容器本体33YEの一部が装着口85から突出されたトナー容器32YEを持ち上げることで、トナー容器32YEを取出(離脱)することができる。
実施例5の画像形成装置100Eでは、基本的に実施例1の画像形成装置100と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例5の画像形成装置100Eでは、案内凹所94に案内突条33iを嵌入させることで、回転駆動部71から回転による付勢力(矢印A12参照)の一部を、中心軸線CA方向で保持部84Cに向かう方向に作用する直進付勢力F2に変換することができるので、簡易でかつ小さな構成で容器本体をその中心軸線CA回りに回転(自転)させつつ、当該トナー容器を中心軸線CA方向に移動させることができる。
また、実施例5の画像形成装置100Eでは、装填位置Lp(装填状態)にあっては、回転駆動部71の回転による付勢力Fを容器本体(33YE、33ME、33EE、33KE)に対して中心軸線CA方向への付勢力として作用させることがないので、駆動力の損失を低減することができるとともに、容器本体の中心軸線CA回りの回転(自転)をより円滑なものとすることができる。
さらに、実施例5の画像形成装置100Eでは、回転駆動部71の回転による付勢力Fを利用して、装填されたトナー容器(32YE、32ME、32EE、32KE)を回転させる構成であることから、使用状態における回転(自転)駆動のためのギアおよび駆動ギアを設ける必要がないので、トナー容器およびトナー容器収容部31E(画像形成装置100E)の構成をより簡易なものとすることができる。
実施例5の画像形成装置100Eでは、案内凹所94が、嵌合切換部93により案内突条33iへの嵌入状態とそれを解除した状態との切換が可能とされていることから、簡易な構成で回転駆動部71から回転による付勢力(矢印A12参照)の一部を中心軸線CA方向に作用する直進付勢力F2に変換することと、変換することなく回転付勢力F1のみを作用させることと、を切り換えることができる。
したがって、本発明に係る画像形成装置100Eでは、トナー容器の交換作業をより容易なものとすることができ、使い勝手(操作性)を向上させることができる。
次に、本発明の実施例6に係る画像形成装置100Fについて説明する。この実施例6は、装填駆動機構70Fの構成が実施例3とは異なる例である。この実施例6の画像形成装置100Fは、基本的な構成は上記した実施例3の画像形成装置100Cと同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図31は、実施例6に係る画像形成装置100Fにおける装填駆動機構70Fの構成を説明するための説明図である。図32は、装填駆動機構70Fの回転駆動部71Fとトナー容器32YE(容器本体33YE)との位置関係を説明するための図22、図26および図30と同様の説明図である。なお、図32では、理解容易のために、装填駆動機構70Fとして後述する回転駆動部71Fおよびコイルバネ72のみを記載している。
実施例6に係る画像形成装置100Fのトナー容器収容部31Fの装填駆動機構70Fは、実施例5の装填駆動機構70Eと同様に、対応するトナー容器32YEに設けられた案内突条33i(図32参照)を利用して、中心軸線CA方向への移動を可能とする(直進付勢力F2に変換する)ものである。その装填駆動機構70Fは、図31に示すように、回転駆動部71Fと、コイルバネ72と、駆動部保持ケース73Bと、入力ギア74と、出力ギア76Bと、モータ77Bと、嵌合切換部93と、を有する。換言すると、装填駆動機構70Fは、実施例5の装填駆動機構70Eと比較して、案内凹所94と凹所用バネ95(図28参照)とを無くすとともに、回転駆動部71Fの構成が異なるものとされ、かつ駆動部保持ケース73Bがコイルバネ72を介して嵌合切換部93(その昇降部分93b)に取り付けられている。
装填駆動機構70Fでは、回転駆動部71Fに案内凹所94Fが設けられている。詳細には、回転駆動部71Fでは、その自転軸線TA方向で見た中間位置に、周壁面71aが自転軸線TAに対する径方向に凹まされて案内凹所94Fが設けられている。この案内凹所94Fは、周壁面71aを取り巻く環状を呈し、トナー容器32YEの案内突条33i(図32参照)に嵌入可能であるとともに、その嵌入状態において摺動可能とされている。その回転駆動部71Fを回転自在に保持する駆動部保持ケース73Bを保持する嵌合切換部93は、載置台82Cに設けられており、その載置台82Cに固定された本体部分93aと、その本体部分93aからの進出およびそこへの後退が可能とされた昇降部分93b(矢印A13参照)と、を有する。なお、トナー容器収容部31Fでは、図示は略すが、装填準備位置Spにあるトナー容器32YEを、中心軸線CA方向に移動させることなく、その中心軸線CA回りに回転(自転)させる回動機構が設けられている。この回動機構は、実施例1のようにトナー容器32(32YE)にギア33c1(図6参照)を設けるとともに保持部84Cに駆動部の駆動ギアを設けるものであってもよく、トナー容器32YEに直接回転付勢力を付与するものであってもよい。
実施例6のトナー容器収容部31Fでは、図32に示すように収容室81Cにトナー容器32YEを挿入し、回転駆動部71Fの周壁面71aを容器本体33YEの外周面33aに当接させつつ、その回転駆動部71Fの案内凹所94Fを案内突条33iに嵌入させて装填準備位置Spとする。
その後、トナー容器収容部31Fでは、装填駆動機構70Fにおいて、モータ77Bの駆動制御により回転駆動部71Fが回転駆動される。これにより、収容室81Cに押し入れられたトナー容器32YE(容器本体33YE)では、外周面33aに回転駆動部71Fの周壁面71aが当接されていることから、回転駆動部71Fから回転による付勢力(矢印A14参照)が付与される。この付勢力は、容器本体33YEの外周面33aに対して、中心軸線CAに直交する方向に作用する回転付勢力F1を付与する。すると、その外周面33aに設けられた案内突条33iは、回転駆動部71Fに設けられた案内凹所94Fに嵌入していることから、その案内突条33iと案内凹所94Fとの案内作用により、容器本体33YEが中心軸線CA方向で保持部84C側へと移動する。すなわち、案内突条33iと案内凹所94Fとは、回転駆動部71Fから回転による付勢力(矢印A14参照)の一部を、中心軸線CA方向で保持部84Cに向かう方向に作用する直進付勢力F2に変換する。このため、実施例6の装填駆動機構70Fでは、案内突条33iが案内経路として機能し、案内凹所94Fが追従係合部として機能し、その案内凹所94Fが案内突条33iとの協働により回転駆動部71Fの回転付勢力Fの一部を中心軸線CAに沿う直進付勢力F2に変換する付勢方向変換部として機能する。これにより、収容室81Cでは、回転付勢力F1により容器本体33YEが自らの中心軸線CA回りに回転(自転)するとともに、直進付勢力F2によりトナー容器32YE(容器本体33YEおよび被保持部34YE)が中心軸線CA方向で保持部84C側へと移動する。
その後、収容室81Cでは、トナー容器32YEが装填位置Lpに到達して、保持部84C内で被保持部34YE(トナー容器32YEの頭部)が容器保持部材42に係合され、トナー容器32YEがトナー容器収容部31Fに適切に装填(セット)された状態とされる。その後、栓部材41がトナー容器32YEの被保持部34YEのトナー排出口Bから取り外されて、トナー容器32YEに収容されたトナー(イエロー)の現像装置5Yへの補給が可能となり、トナー容器32YEの装着動作が完了する。この装着動作が完了した後、回転駆動部71Fは、嵌合切換部93により後退されて、容器本体33YEの外周面33aから離間され、併せてその案内突条33iから案内凹所94Fも離間される。
トナー容器収容部31Fでは、使用状態において、図示を略す回動機構でトナー容器32YEが適宜回転駆動されることにより、ケース84a内に溜ったトナーを上述したトナー搬送パイプ67Yから現像装置5Y内へと補給することができる。
このトナー容器収容部31Fでは、トナー容器32YEを取出(離脱)する場合には、上述の装着時の手順と逆の手順で動作がおこなえばよい。この取出(離脱)を開始する際、先ず、回転駆動部71Fが嵌合切換部93により進出されて、その周壁面71aを容器本体33YEの外周面33aに当接させるとともにその案内凹所94Fに案内突条33iを嵌入させ、装填駆動機構70Fにおいて、モータ77Bの駆動制御により回転駆動部71Fが、装着時とは反対方向に回転駆動される。これにより、ユーザーは、装填準備位置Spにあって容器本体33YEの一部が装着口85から突出されたトナー容器32YEを持ち上げることで、トナー容器32YEを取出(離脱)することができる。
実施例6の画像形成装置100Fでは、基本的に実施例1の画像形成装置100と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例6の画像形成装置100Fでは、案内凹所94Fに案内突条33iを嵌入させることで、回転駆動部71Fから回転による付勢力(矢印A14参照)の一部を、中心軸線CA方向で保持部84Cに向かう方向に作用する直進付勢力F2に変換することができるので、簡易でかつ小さな構成で容器本体をその中心軸線CA回りに回転(自転)させつつ、当該トナー容器を中心軸線CA方向に移動させることができる。
したがって、本発明に係る画像形成装置100Fでは、トナー容器の交換作業をより容易なものとすることができ、使い勝手(操作性)を向上させることができる。
なお、上記した実施例6では、装填駆動機構70Fにおいて、回転駆動部71Fに案内凹所94Fを設ける構成とされていたが、回転駆動部71Fと一体的に設けられていればよく、実施例6の構成に限定されるものではない。例えば、図33に示すように、案内凹所94F´を駆動部保持ケース73Fに設けるとともに、実施例3と同様の円柱状の回転駆動部71を設ける構成の装填駆動機構70F´とすることができる。この場合であっても、上記した装填駆動機構70Fと同様の効果を得ることができる。
なお、上記した各実施例では、本発明に係る画像形成装置について説明したが、現像剤を用いて可視像を形成する現像装置と、現像剤を収容する粉体収納容器から前記現像装置へと現像剤を補給する粉体補給装置と、該粉体補給装置および前記現像装置を収容する筐体と、を備える画像形成装置であって、前記粉体補給装置では、前記筐体の外方からの前記粉体収納容器の載置が可能とされた装填準備位置と、前記粉体収納容器から前記現像装置への現像剤の補給を可能とする装填位置と、が設定され、前記粉体補給装置は、前記粉体収納容器の中心軸線回りに前記粉体収納容器を回転させつつ該粉体収納容器を前記装填準備位置と前記装填位置との間で前記中心軸線方向に沿って移動させる装填駆動機構を有する画像形成装置であればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
また、上記した各実施例では、画像形成装置100は、図1および図2に示すように、カラープリンタとしての画像形成装置(100等)に適用した例を示していたが、単色の画像を形成する画像形成装置に適用してもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した各実施例では、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Gを用いる例を示していたが、トナーからなる1成分現像剤を用いるものであってもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
上記した実施例1および実施例2では、図1から図4に示す構成の画像形成装置(100、100B)に適用した例を示していたが、図16に示す構成の画像形成装置に適用するものであってもよく、上記した実施例1および実施例2に限定されるものではない。
上記した実施例1および実施例2では、キャップありのトナー容器(図5から図7等に示すトナー容器32Y)に対応する例を示していたが、キャップなしのトナー容器(栓付き(図17から図20等に示すトナー容器32YC))に対応するものであってもよく、上記した実施例1および実施例2に限定されるものではない。
上記した実施例3から実施例6では、図16に示す構成の画像形成装置(100C、100D、100E、100F)に適用した例を示していたが、図1から図4に示す構成の画像形成装置に適用するものであってもよく、上記した実施例3から実施例6に限定されるものではない。
上記した実施例3から実施例6では、キャップなしのトナー容器(栓付き(図17から図20等に示すトナー容器32YC))に対応する例を示していたが、キャップありのトナー容器(図5から図7等に示すトナー容器32Y)に対応するものであってもよく、上記した実施例3から実施例6に限定されるものではない。
上記した各実施例では、実施例4のみに停留経路(停留溝33h)が設けられていたが、実施例2から実施例5の構成を、停留経路を有するトナー容器に対応させるものであってもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
上記した各実施例では、中心軸線周りに回転(自転)される容器本体33Yの内周面に設けられた螺旋状の突起33bにより容器本体33Y内でトナーを移動させていたが、当該突起33bの代わりにもしくは突起33bと併せてアジテータを設けるものであってもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。このアジテータは、容器本体33Y内方でトナーの中心軸線CA方向に移動させるべく当該トナーを攪拌させるものであれば、中心軸線CA回りの回転方向で見て、載置台82(収容室81)に対して固定されているものであってもよく、容器本体33Yとともに回転するものであってもよく、容器本体33Yに対して回転するものであってもよい。
上記した各実施例では、作像部6Y、6M、6C、6Kが設けられていたが、その一部又は全部をプロセスカートリッジとしてもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
以上、本発明の画像形成装置を各実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については各実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。