JP2012185278A - 鏡支持機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鏡支持機構は、鏡の光軸方向に支持するアキシャル支持機構及び鏡の光軸に垂直な面内方向に支持するラテラル支持機構を備え、上記アキシャル支持機構と上記ラテラル支持機構とを組み合わせ、上記鏡全体としては空間的な剛体運動の6自由度が過不足無く拘束される条件になるように、上記鏡を支持する鏡支持機構において、上記ラテラル支持機構は、上記鏡の側面で上記鏡を面内方向に支持するラテラル拘束部材を有するとともに、上記鏡を上記ラテラル拘束部材を介して外枠構造体と接続され、上記ラテラル拘束部材は、略V字型をなす2本脚構造の一方の脚部材の両端部に弾性ヒンジを設け、他方の脚部材の片端部に弾性ヒンジを設ける。
【選択図】図2
Description
4結節点リンク機構は、結節点(ヒンジ)の回転剛性が、無視しうる程度に微小であれば、外力の作用に対して部材どうしの相互角度が自在に変化することができ、部材の長さだけでは形状が一意に定まらない、いわゆる形状不定の構造である。この形状不定は、構造各部の結節点の空間位置(この場合はラテラル面内における結節点の位置)が一意に定まるための拘束条件が、不足している状態であり、自由度が過剰にある状態、ということができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る鏡支持機構のラテラル拘束部材を鏡に設けた模式図である。図2は、この発明の実施の形態1に係る鏡支持機構のラテラル拘束部材の斜視図である。図3は、この発明の実施の形態1に係る鏡支持機構のラテラル拘束部材の側面である。
鏡支持機構は、鏡1を光軸方向(アキシャル方向)に支持する図示しないアキシャル支持機構及び光軸に対する法面に平行な面内方向(ラテラル方向)に支持するラテラル支持機構を備える。ラテラル支持機構は、図1に示すように、鏡1の側面の、側面円周上を概略3等分する位置(合計3箇所)に設けられる3個のラテラル拘束部材2を備える。
尚、ここで光軸方向の座標軸をZm、それに直交する鏡1の反射面内で直交する座標軸をXm軸、Ym軸とする。
結合点8において、ラテラル拘束部材2は、Zc軸周りに回転自由、Tc軸方向の並進自由度を固定、Rc軸方向の並進自由度を解放、Zc軸方向の並進自由度を固定する条件で外部構造体に結合されている。このとき、結合点8において、Zc軸周りの回転自由度以外の回転自由度は、外部構造体に対して拘束されていても解放されていてもかまわない。上記のような構成によって、鏡1は、ラテラル方向に支持されている。
また、図示しないアキシャル方向支持機構によって、鏡1は、Zm方向の並進自由度と、Xm軸周りおよびYm軸周りの回転自由度を拘束されているので、ラテラル拘束部材2による拘束条件とあわせて、全体で6自由度の剛体運動が拘束されていることと等価になる。
そのように変形することにより、アキシャル方向の変位差を逃がしたり、ラテラル拘束部材2と鏡1との熱膨張変位差が生じても、弾性ヒンジ101、102がZs軸周りに変形してラテラル拘束部材2の2本脚の相対角度が開いたり狭まったりすることでその変位差を逃がしたりすることができるので、そのような変位差が生じても、ラテラル拘束部材2から鏡1に余分な負荷が加わらないようにすることができる。
ラテラル面内での動作を考えるにあたっては、アキシャル方向の動きは独立であり除外して考えることができるので、ラテラル拘束部材2の軸線を含むラテラル平面内に自由度を限定して考えることができる。従って、図4、図5においては、ラテラル面内の動きに限定して二次元平面内の動作のみを考える。
判定条件は、「平面内のトラス構造において、結節点の個数がNs、結節点を結ぶ直線部材の本数がNm、拘束されている結節点の運動自由度の個数がNcのとき、式(1)を満足すればトラス構造は静定」である。そして、式(1)の左辺の値が0を超えると、自由度が過剰で、形状不定であり、逆に式(1)の左辺の値が0未満であれば、過拘束である。
図4における屈曲した脚部材4は、図6においては、結節点11B、11C、8、およびそれらの間を結ぶ直線部材によって構成される三角形トラスに置き換えられている。平面内における三角形トラスは、その形状が変わらないため、三角形トラスは、図4における屈曲した脚部材4と等価に置き換えされている。
また、図9は、同じく従来例のラテラル拘束部材を等価な平面トラス構造におきかえたものであるが、この図では、図6と同様にして、外部構造との接合点も結節点の一部として、等価な平面トラス機構に変換した機構図を示す。
また、図9では、結節点の個数Nsが5、部材数Nmが5、拘束されている自由度の個数Ncが、結節点11A、および11Cにおいて、各々、X方向、Y方向ともに拘束されているので、Nc=2×2=4であり、2Ns−Nm−Nc=2×5−5−4=1となっているので、やはり、静定トラスとはなっておらず、自由度が1個余っている。
現実の構造では、結節点が弾性ヒンジで構成されているので、回転に対する剛性を有しており、その回転剛性の効果によって、外力と釣り合ってトラス構造の形状が定まることになる。
図10は、この発明の実施の形態2に係る鏡支持機構のラテラル拘束部材22を示す斜視図である。図10において、図1と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。
鏡1の側面には、側面円周上を概略3等分する位置(合計3箇所)に、図10に示す構成のラテラル拘束部材22が設けられている。鏡1に対するラテラル拘束部材22の配置は、図1におけるラテラル拘束部材2と同じである。
脚部材3および脚部材14の根元側は、集積部6において一体化されている。脚部材3および脚部材14の両端部近傍(1部材あたり2箇所)には、各々、2軸の弾性ヒンジ101が形成されている。これら2軸の弾性ヒンジ101の構成は、実施の形態1におけるものと同等である。
結合点8における局所的な座標系を定義すると、鏡1の中心から、結合点8に向かう軸をRc軸、鏡軸方向に平行な軸をZc軸、鏡の側面の概略接線方向の軸(Rc軸およびZc軸に直交する軸)を、Tc軸とする。
図10において、中間部に分岐をもち、弾性ヒンジ101を介して連結部材15に結合されている脚部材3、14は、図11において、3角形トラスに等価変換されている。図11においては、機構としての動作を分かり易くするため、形状を変化しない三角形トラス部分(実構造では、結節点を3箇所以上有しつつ、形状の変化しない剛体部材と考えることができる部分)には、ハッチングを施してある。
図12、図13は、本発明の実施の形態3に係る鏡支持機構の複合ラテラル拘束部材の構成を示す斜視図および上面図である。図12、図13において、前出の図と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。
この発明の実施の形態3に係る複合ラテラル拘束部材30は、実施の形態1に係るラテラル拘束部材2の構成と同様の構成の2本脚構造(第1の2本脚構造31、および第2の2本脚構造32とする)を2組備え、近接させて配置し、鏡1の側面に接合パッド5A、5B、5C、5Dを接合する。また、2組の2本脚構造31、32の集積点に接合パッドが接合される第3の2本脚構造33を備える。
また、近接させた2組の2本脚構造31、32において、近接する2本の脚部材36、37は、中間部分において、軸線が同一のラテラル平面内にありながら立体的に交差できるよう、脚部材36、37は、中間部分が互いに厚さを一部薄くするか、または部分的に屈曲させるかしてあり、互いに相手部材の空隙を通るように構成されている。
しかも、上記のようなオフセットが存在していても、静定条件に影響はないので、弾性ヒンジ部の曲げモーメントが増大することはなく、弾性ヒンジ部に発生する曲げ応力を軽減することが容易にできる。
また、実施の形態3に係る複合ラテラル拘束部材は、脚部材36、37の一部を立体的に交差できる形状として、近接する脚部材36、37を交差させて配置しているので、交差させずに配置した場合に比べて、鏡1とラテラル支持機構の接合点の分布する範囲を狭めることができるとともに、接合点の間隔を等間隔にすることが容易にできる。このことによって、実施の形態3に係るラテラル拘束部材の大きさを小型化でき、かつ、接合点の間隔を均等に分散したり、所望の間隔に配置したりできるので、接合点が過度に近接して接合部の鏡の応力が過大になることを防止できる。
Claims (3)
- 鏡の光軸方向に支持するアキシャル支持機構及び上記鏡の光軸に垂直な面内方向に支持するラテラル支持機構を備え、上記アキシャル支持機構と上記ラテラル支持機構とを組み合わせ、上記鏡全体としては空間的な剛体運動の6自由度が過不足無く拘束される条件になるように、上記鏡を支持する鏡支持機構において、
上記ラテラル支持機構は、上記鏡の側面で上記鏡をラテラル方向に支持するラテラル拘束部材を有するとともに、上記鏡を上記ラテラル拘束部材を介して、固定境界を提供する外枠構造体と接続され、
上記ラテラル拘束部材は、略V字型をなす2本脚構造の一方の脚部材の両端部に弾性ヒンジを設け、他方の脚部材の片端部に弾性ヒンジを設けることを特徴とする鏡支持機構。 - 鏡の光軸方向に支持するアキシャル支持機構及び上記鏡の光軸に垂直な面内方向に支持するラテラル支持機構を備え、上記アキシャル支持機構と上記ラテラル支持機構とを組み合わせ、上記鏡全体としては空間的な剛体運動の6自由度が過不足無く拘束される条件になるように、上記鏡を支持する鏡支持機構において、
上記ラテラル支持機構は、上記鏡の側面で上記鏡をラテラル方向に支持するラテラル拘束部材を有するとともに、上記鏡を上記ラテラル拘束部材を介して、固定境界を提供する外枠構造体と接続され、
上記ラテラル拘束部材は、略V字型をなす2本脚構造の両方の脚部材の両端部にそれぞれ弾性ヒンジを設け、上記2本の脚部材間を連結するとともに、両端に弾性ヒンジを有する連結部材を設けたことを特徴とする鏡支持機構。 - 鏡の光軸方向に支持するアキシャル支持機構及び上記鏡の光軸に垂直な面内方向に支持するラテラル支持機構を備え、上記アキシャル支持機構と上記ラテラル支持機構とを組み合わせ、上記鏡全体としては空間的な剛体運動の6自由度が過不足無く拘束される条件になるように、上記鏡を支持する鏡支持機構において、
上記ラテラル支持機構は、上記鏡の側面で上記鏡をラテラル方向に支持する複合ラテラル拘束部材を有し、
上記複合ラテラル拘束部材は、略V字型をなす2本脚構造の2本のラテラル拘束部材と略V字型をなす2本脚構造部材を有し、
上記ラテラル拘束部材は、略V字型をなす2本脚構造の一方の脚部材の両端部に弾性ヒンジを設け、他方の脚部材の片端部に弾性ヒンジを設け、
2本の上記ラテラル拘束部材は、軸線が同一のラテラル平面内に位置し、
一方の上記ラテラル拘束部材の一方の上記脚部材と他方のラテラル拘束部材の一方の上記脚部材が交差し、
上記2本脚構造部材は、軸線が上記ラテラル拘束部材の軸線と同一のラテラル平面内に位置するとともに、2個の脚部材の一端同士で接続され、且つ他端で上記ラテラル拘束部材の脚部材に接合されることを特徴とする鏡支持機構。
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