JP2012181398A - 電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及びこれらの製造方法、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤 - Google Patents

電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及びこれらの製造方法、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤 Download PDF

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Abstract

【課題】小粒径であるにもかかわらず、粒子形状が球形に近いが、表面に微小な凹凸が存在するためBET比表面積が従来の芯材粒子よりも大きく、かつ帯電性に優れ、芯材の割れ・欠けによるキャリア飛散が発生しにくい長寿命の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及びこれらの製造方法、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真像剤を提供する。
【解決手段】1K・1000/4π・A/mの磁場をかけたときのVSM測定による磁化が50〜65Am/kg、BET比表面積が0.12〜0.30m/g、平均粒径が20〜35μmであり、周囲長/包絡長の個数分布が下記範囲を満たす電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及びこれらの製造方法、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤を採用する。
1.02以上1.04未満:75個数%〜90個数%
1.04以上1.06未満:20個数%以下
【選択図】なし

Description

本発明は、複写機、プリンター等に用いられる二成分系電子写真現像剤に使用される電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及びこれらの製造方法、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤に関する。
電子写真現像方法は、現像剤中のトナー粒子を感光体上に形成された静電潜像に付着させて現像する方法であり、この方法で使用される現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤及びトナー粒子のみを用いる一成分系現像剤に分けられる。
こうした現像剤のうち、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤を用いた現像方法としては、古くはカスケード法等が採用されていたが、現在では、マグネットロールを用いる磁気ブラシ法が主流である。
二成分系現像剤において、キャリア粒子は、現像剤が充填されている現像ボックス内において、トナー粒子と共に攪拌されることによって、トナー粒子に所望の電荷を付与し、さらにこのように電荷を帯びたトナー粒子を感光体の表面に搬送して感光体上にトナー像を形成するための担体物質である。マグネットを保持する現像ロール上に残ったキャリア粒子は、この現像ロールから再び現像ボックス内に戻り、新たなトナー粒子と混合・攪拌され、一定期間繰り返して使用される。
二成分系現像剤は、一成分系現像剤とは異なり、キャリア粒子はトナー粒子と混合・攪拌され、トナー粒子を帯電させ、さらに搬送する機能を有しており、現像剤を設計する際の制御性が良い。従って、二成分系現像剤は高画質が要求されるフルカラー現像装置及び画像維持の信頼性、耐久性が要求される高速印刷を行う装置等に適している。
このようにして用いられる二成分系現像剤においては、画像濃度、カブリ、白斑、階調性、解像力等の画像特性が、初期の段階から所定の値を示し、しかもこれらの特性が耐刷期間中に変動せず、安定に維持されることが必要である。これらの特性を安定に維持するためには、二成分系現像剤中に含有されるキャリア粒子の特性が安定していることが必要になる。
二成分系現像剤を形成するキャリア粒子として、従来は、表面を酸化被膜で覆った鉄粉あるいは表面を樹脂で被覆した鉄粉等の鉄粉キャリアが使用されていた。このような鉄粉キャリアは、磁化が高く、導電性も高いことから、ベタ部の再現性のよい画像が得られやすいという利点がある。
しかしながら、このような鉄粉キャリアは真比重が約7.8と重く、また磁化が高すぎることから、現像ボックス中におけるトナー粒子との攪拌・混合により、鉄粉キャリア表面へのトナー構成成分の融着、いわゆるトナースペントが発生しやすくなる。このようなトナースペントの発生により有効なキャリア表面積が減少し、トナー粒子との摩擦帯電能力が低下しやすくなる。
また、樹脂被覆鉄粉キャリアでは、耐久時のストレスにより表面の樹脂が剥離し、高導電性で絶縁破壊電圧が低い芯材(鉄粉)が露出することにより、電荷のリークが生ずることがある。このような電荷のリークにより、感光体上に形成された静電潜像が破壊され、ベタ部にハケスジ等が発生し、均一な画像が得られにくい。これらの理由から、酸化被膜鉄粉及び樹脂被覆鉄粉等の鉄粉キャリアは、現在では使用されなくなってきている。
近年は、鉄粉キャリアに代わって真比重約5.0程度と軽く、また磁化も低いフェライトをキャリアとして用いたり、さらに表面に樹脂を被覆した樹脂コートフェライトキャリアが多く使用されており、現像剤寿命は飛躍的に伸びてきた。
このようなフェライトキャリアの製造方法としては、フェライトキャリア原料を所定量混合した後、仮焼、粉砕し、造粒後に焼成を行うのが一般的であり、条件によっては仮焼を省略できる場合もある。
ところで、最近、環境規制が厳しくなり、Ni、Cu、Zn等の金属の使用は避けられるようになってきており、環境規制に適応した金属の使用が求められており、キャリア芯材として用いられるフェライト組成はCu−Znフェライト、Ni−Znフェライトからマンガンを用いたマンガンフェライト、Mn−Mg−Srフェライト等に移行している。
特許文献1(特開平8−22150号公報)には、マンガン−マグネシウムフェライトにおいて、その一部をSrOで置換したフェライトキャリアが記載されている。このフェライトキャリアによって、粒子間の磁化のバラツキを低減させることにより、トナーと共に現像剤として用いたときに画質及び耐久性に優れ、環境に優しく、長寿命で環境安定性に優れるとされている。しかし、この特許文献1に記載のフェライトキャリアでは、適度な凹凸を持った均一な表面性と高い帯電付与能力の両立ができない。焼成温度を高くすると、表面性が平滑の部分が多くなり、不均一となるため、樹脂を被覆後の抵抗、帯電の分布が広くなってしまうだけでなく、撹拌ストレスに対する強度も低下してしまう。焼成温度を低くすると、見かけ上、表面がシワ状で均一な表面性となるが、SrTiO等の高誘電率を含有しておらず、BET比表面積の値が大きくなるため帯電性が低く、環境差も大きいものとなってしまう。
特許文献2(特開2004−004648号公報)には、スピネル構造を有した体積平均粒径が20〜45μmのフェライトキャリアであって、磁化、表面均一度を規定した樹脂被覆キャリアが記載されている。この特許文献2に記載の芯材粒子は焼成温度が高く、表面は平滑であり、被覆樹脂がしみこみにくく、被覆した樹脂が剥離しやすいためキャリアの長寿命化を達成するのは困難である。
マンガンを用いたキャリア芯材に代わるものとして、マグネシウムを用いたキャリア芯材が提案されている。例えば、特許文献3(特開2010−39368号公報)には、マグネシウム、チタン及び鉄を一定割合で含有し、BET比表面積が特定範囲にあるキャリア芯材が記載されている。このキャリア芯材によって、高磁化でありながら中抵抗又は高抵抗といった所望の抵抗が得られ、かつ帯電特性に優れ、また適度な凹凸を有する表面性と揃った形状とを兼備するとされている。
この特許文献3に記載されているキャリア芯材は、マンガン及びチタンの含有量が少ないため、基本的にはマグネタイトの特性を示し、低磁場側の磁化が低くなることから、実機による画像形成においてはキャリア付着の発生が懸念される。
また、凹凸を有しているものの、凹部の深さがあまり大きくないためBET比表面積が小さく、小粒径化に伴い樹脂被覆量を増加させた際に、十分樹脂を芯材表面に保持できず、樹脂被覆量が局所的に異なり、長寿命化が出来ない可能性が残る。
近年、高画質化に伴うトナーの小粒径化によってキャリアの小粒径化が進んできており、従来問題視されていなかった粒子形状のバラツキについて検討を行い、樹脂の剥離と均一な樹脂被覆を行なったものとして特許文献4(特開2008−96977号公報)がある。
特許文献4には、少なくともマグネシウム元素を含有するフェライトよりなるコア粒子の表面に樹脂を被覆してなるキャリアが開示され、コア粒子の異形化率が5個数%以下で、その表面のグレイン径が2〜5μmであるとされている。この特許文献4では、このようなコア粒子を用いることにより、トナーに対して充分な帯電性を付与し、帯電不足によるトナー飛散に起因するカブリ等の画像汚染を起こすことのない安定した帯電性を有するとされている。
しかし、この特許文献4は、コアの異形化率のみで芯材粒子の形状を定義し、とりわけ形状が極めて悪い部分のみに注目しているのみであり、全体の粒子形状のバラツキを評価し、キャリア飛散等の代用評価を行なうためには不十分である。さらに、キャリアの環境依存性の改善は樹脂被覆のみによって行なわれる。そのため実際の使用においてキャリアの使用開始直後の環境依存性は良好でも、使用時間が長くなるにつれて被覆した樹脂が剥離し、コア粒子の表面が露出することで徐々に環境依存性が失われてしまうため、環境依存性の改良の面から不十分である。
これら従来の技術に鑑み、小粒径であるにもかかわらず、粒子形状と表面の凹凸が揃っており、適度の抵抗や磁化を有し、かつ帯電性に優れ、キャリア飛散が発生しにくい電子写真現像剤用フェライトキャリアが求められていた。
特開平8−22150号公報 特開2004−004648号公報 特開2010−39368号公報 特開2008−96977号公報
従って、本発明の目的は、小粒径であるにもかかわらず、粒子形状が球形に近いが、表面に微小な凹凸が存在するためBET比表面積が従来の芯材粒子よりも大きく、かつ帯電性に優れ、芯材の割れ・欠けによるキャリア飛散が発生しにくい長寿命の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及びこれらの製造方法、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真像剤を提供することにある。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討した結果、磁化、BET比表面積及び平均粒径が一定範囲にあり、かつ周囲長/包絡長の個数分布が特定範囲にあるフェライトキャリア芯材及びこの表面に樹脂を被覆したフェライトキャリアが上記目的を達成し、このようなフェライトキャリア芯材は粉砕混合工程及び/又は本造粒工程にSrTiOを含む物質を混合し、しかも本焼成を特定温度で行う製造方法によって製造できることを知見し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、1K・1000/4π・A/mの磁場をかけたときのVSM測定による磁化が50〜65Am/kg、BET比表面積が0.12〜0.30m/g、かつ平均粒径が20〜35μmであり、周囲長/包絡長の個数分布が下記範囲を満たす電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材を提供するものである。
1.02以上1.04未満:75個数%〜90個数%
1.04以上1.06未満:20個数%以下
本発明の上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、SrTiOを0.2〜3重量%含有することが望ましい。
本発明の上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、Mnを15〜22重量%、Mgを0.5〜3重量%、Feを45〜55重量%、Srを0.09〜3重量%、Tiを0.05〜0.8重量%含有することが望ましい。
本発明の上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は下記条件を満たしていることが好ましい。
Figure 2012181398
本発明の上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、表面酸化被膜が形成されていることが望ましい。
本発明の上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、pH4標準液によるCl溶出量が0.1〜150ppmであることが望ましい。
本発明の上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、1mmGapの100Vにおける抵抗が5×10〜1×10Ωであることが望ましい。
本発明は、上記フェライトキャリア芯材の表面が樹脂で被覆されている電子写真現像剤用フェライトキャリアを提供するものである。
また、本発明は、原料混合、仮焼、粉砕混合、本造粒、本焼成の各製造工程を含む電子写真用フェライトキャリア芯材の製造方法であって、
上記粉砕混合工程及び/又は上記本造粒工程にSrTiOを含む物質を混合し、上記本焼成を1090〜1210℃で行うことを特徴とする電子写真用フェライトキャリア芯材の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、上記製造方法により得られたフェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆することを特徴とする電子写真現像剤用フェライトキャリアの製造方法を提供するものである。
本発明は、上記フェライトキャリアとトナーからなる電子写真現像剤を提供するものである。
本発明に係る上記電子写真現像剤は、補給用現像剤としても用いられる。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、小粒径であるにもかかわらず、粒子形状が球形に近いが、表面に微小な凹凸が存在するためBET比表面積が従来の芯材粒子よりも大きく、かつ帯電性に優れ、芯材の割れ・欠けによるキャリア飛散が発生しにくい長寿命の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材である。そして、上記フェライトキャリア芯材に樹脂を被覆して得られるフェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤は、高い帯電量を有し、実機中おけるキャリア飛散が防止され、継続的に高画質の印刷物が得られる。また、本発明の製造方法によって、上記フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリアが安定的に生産性をもって得られる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
<本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリア>
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、本発明は、1K・1000/4π・A/mの磁場をかけたときのVSM測定による磁化が50〜65Am/kg、BET比表面積が0.12〜0.30m/g、かつ平均粒径が20〜35μmであり、周囲長/包絡長の個数分布が下記範囲を満たすものである。
1.02以上1.04未満:75個数%〜90個数%
1.04以上1.06未満:20個数%以下
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、1K・1000/4π・A/mの磁場をかけたときのVSM測定による磁化が50〜65Am/kgである。上記1K・1000/4π・A/mにおける磁化が50Am/g未満であると、飛散物磁化が悪化しキャリア付着による画像欠陥の原因となる。一方、本発明の上記組成範囲では、65Am/gを超えることはない。この磁気特性(磁化)は、下記によって測定される。
(磁気特性)
振動試料型磁気測定装置(型式:VSM−C7−10A(東英工業社製))を用いた。測定試料は、内径5mm、高さ2mmのセルに詰めて上記装置にセットした。測定は、印加磁場を加え、1KOeまで掃引した。次いで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製した。このカーブのデータより印加磁場が1KOeにおける磁化を読み取った。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材は、BET比表面積が0.12〜0.30m/g、好ましくは0.15〜0.28m/g、さらに好ましくは0.15〜0.25m/gである。
BET比表面積が上記範囲よりも小さい場合には、樹脂被覆を行なっても十分に樹脂のアンカー効果が得られないだけでなく、被覆されなかった樹脂によってキャリア芯材同士が凝集してしまうことがある。そのため実質的な被覆樹脂量が減少し、キャリアとしての寿命が短くなったり、凝集したキャリア粒子が現像器中で解されることでキャリア芯材表面が大きく露出し、低抵抗化することでキャリア飛散が発生する原因となる。BET比表面積が上記範囲よりも大きい場合は、被覆樹脂が芯材表面に留まらず染み込みすぎることでキャリアとして所望の抵抗と帯電量が得られないことがある。なお、BET比表面積測定を行う際、測定結果は測定サンプルである芯材粒子表面の水分の影響を強く受けるので、可能な限りサンプル表面に付着している水分を除去するような前処理を行うことが好ましい。具体的には減圧しながら120℃以上、より好ましくは150℃以上の芯材粒子が変質等を起こさない温度領域まで加熱し、水分を除去する。水分が芯材粒子の表面付近に残留した状態では、BET比表面積の値が上記前処理を行った場合の1.2〜2倍程度大きくなり、正しい値とならない。
このBET比表面積の測定は、比表面積測定装置(型式:Macsorb HM model−1208(マウンテック社製))を用いた。測定試料を比表面積測定装置専用の標準サンプルセルに約5〜7g入れ、精密天秤で正確に秤量し、測定ポートに試料をセットし、測定を開始した。測定は1点法で行い、測定終了時に試料の重量を入力すると、BET比表面積が自動的に算出される。なお、測定前に前処理として、測定試料をガラスシャーレに20g程度を取り分けた後、真空乾燥機で−0.1MPaまで脱気し、−0.1MPa以下に真空度が到達していることを確認した後、200℃で2時間加熱した。
環境:温度;10〜30℃、湿度;相対湿度で20〜80% 結露なし
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材は、レーザー回折式粒度分布測定装置の測定における平均粒径D50が20〜35μm、好ましくは22〜32μmである。
平均粒径が上記範囲よりも小さい場合は、芯材1粒子当たりの磁力が小さくなるため、粒子形状やBET比表面積が上記範囲内であってもキャリア飛散を防止することが出来ない。平均粒径が上記範囲よりも大きい場合は、現像剤を作成したときに高いトナー濃度が実現できず、高画質の印刷物が得られないか、高いトナー濃度にした場合に急速に現像剤の帯電量が下がるか、帯電量分布が広がり、トナー飛散の原因となる。
(体積平均粒径)
この平均粒径は、レーザー回折散乱法により測定した。装置として日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計(Model9320−X100)を用いた。屈折率は2.42とし、25±5℃、湿度55±15%の環境下で測定を行った。ここで言う平均粒径(メジアン径)とは、体積分布モード、ふるい下表示での累積50%粒子径である。
キャリアサンプルの分散は、分散液として0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用い、超音波工業社製ウルトラソニックホモジナイザー(UH−3C)にて1分間の超音波処理とした。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材は、周囲長/包絡長の個数分布において、1.02以上1.04未満の粒子が75個数%〜90個数%、1.04以上1.06未満の粒子が20個数%以下である。
周囲長は芯材粒子における投影像の凹凸を含んだ周囲の長さであり、包絡長は投影像の凹部を無視して芯材粒子の凸部を結ぶことによって得られる長さであり、包絡長は粒子の凹んだ部分が無視されるため周囲長と包絡長の比から芯材粒子ごとの凹凸の度合いが評価できる。従って、周囲長/包絡長が1に近いほど凹部がなく、凸部で構成された粒子であることを意味している。
周囲長/包絡長の個数分布において、1.02以上1.04未満が75個数%未満及び/又は1.04以上1.06未満が20個数%超では、主として表面の凹凸が大きすぎる粒子の存在割合が増加し、キャリア粒子で尖った部分は樹脂被覆を行なうことは可能ではあるものの、樹脂被覆後キャリアをトナーと混合・撹拌し、現像剤を実機の現像器に投入して使用した場合に、現像器での撹拌によって凹んだ部分よりも早く樹脂が剥離してしまうことで低抵抗となり、低抵抗のキャリア粒子と同様にキャリア飛散の原因となる。特に、芯材粒子表面の凸部の存在は、電界の向きにもよるが、芯材表面の曲率が異なり凸部となり、電場(電気力線)が当該凸部に集中することで他の部分と比べて局所的に抵抗が下がる。局所的な抵抗の低下が感光体近傍で発生した場合には白斑の原因となる。
周囲長/包絡長の個数分布において、1.02以上1.04未満が90個数%超の場合は、すなわち表面の凹凸が小さい場合であり、上記範囲を満たさない。この場合、芯材粒子の表面性は非常に滑らかであり、BET比表面積が小さくなることを意味している。樹脂被覆を行い、電子写真現像剤用キャリアとして使用した場合に芯材表面の樹脂のアンカー効果がないため被覆樹脂が剥がれ、低抵抗化することによって白斑の原因となる。
一方、フェライト芯材粒子において尖った部分が存在すると、上述のように芯材の凸部に対する電界の集中による低抵抗化以外にも上記の通り樹脂被覆が均一ではなく低抵抗化することでキャリア飛散がライフ初期でも発生する可能性が高い。このようにして、粒度分布の幅(例えばCV値で表される)が同程度でも従来実用化されているフェライト芯材粒子よりも小粒径になることで実質的な粒度分布の幅は狭くなるだけでなく、小粒径化に伴って従来では問題にならなかった芯材粒子に存在する凸部が相対的に大きくなり、その影響が極めて大きくなる。
一方、キャリア芯材の評価において、周囲長/包絡長の平均値を定義するだけでは表面形状のバラツキ度合いを表現できない。また、表面のグレインサイズや粒界の平均の大きさや大きさのばらつき粒子の平均粒径に対して定義するだけも不十分である。さらに、数十〜300個程度の限られたサンプリング数で上記のバラツキ度合いを表現しても信頼性が高いとはいえない。従って上記問題を解決するため周囲長及び包絡長の測定は下記により行われる。
(周囲長及び包絡長の測定)
セイシン企業社製粒度・形状分布測定器PITA−1を用いて芯材粒子3000個を観察し、装置付属のソフトウエアImageAnalysisを用いて周囲長及び包絡長を求めた。
なお、サンプル液は分散媒として粘度0.5Pa・sのキサンタンガム水溶液を調製し、その中にキサンタンガム水溶液30ccに芯材粒子0.1gを分散させたものを用いた。このように分散媒の粘度を適正にあわすことで芯材粒子が分散媒中で分散したままの状態を保つことが出来、測定をスムーズに行なうことが出来る。さらに測定条件は(対物)レンズの倍率は10倍、フィルタはND4×2、キャリア液1及びキャリア液2は粘度0.5Pa・sのキサンタンガム水溶液を使用し、その流量はいずれも10μl/sec、サンプル液流量0.08μl/secとした。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、SrTiOを含有し、その含有量は0.2〜3重量%であることが望ましい。SrTiOを含有することによって、Srフェライトの生成が抑制されると同時に芯材の帯電量が極めて高くなる。本焼成におけるSrフェライトの一定量以上の生成は、巨視的に見るとSrフェライトの生成による結晶粒の異常粒成長を引き起こし、結晶粒内部での応力を増加させ、結果として現像器中でのフェライト粒子の割れ・欠けにつながる。特に先行技術に記載の芯材ではSrとTiが独立して添加されているためTiがスピネル格子に取り込まれやすい。そのため焼結温度を下げる効果が大きく、BET比表面積が大きくならない。一方、SrはFeと化合しやすく、Tiと反応しないためSrTiOの生成量は限られる。SrTiOの含有量が0.2重量%未満では、SrTiOの添加効果が十分得られず、3重量%を超えると添加効果が頭打ちになるだけでなく、磁化が下がりキャリア飛散の原因となる。
本発明に係るフェライトキャリア芯材は、Mnを15〜22重量%、Mgを0.5〜3重量%、Feを45〜55重量%、Srを0.09〜3重量%、Tiを0.05〜0.8重量%含有することが望ましい。Mnの含有量は好ましくは15〜22重量%、より好ましくは17〜22重量%、最も好ましくは18〜21重量%、Mgの含有量は好ましくは0.5〜3重量%、より好ましくは0.5〜2.5重量%、最も好ましくは0.5〜2重量%である。Feの含有量は好ましくは45〜55重量%、より好ましくは47〜55重量%、最も好ましくは48〜55重量%である。さらにSrを0.12〜3重量%、Tiを0.07〜0.55重量%含有することが望ましい。残部はO(酸素)と随伴不純物であり、随伴不純物は原料に含まれるものや製造工程において混入するものであり、その合計量は0.5重量%以下である。
マンガンを含有することによって、低磁場側の磁化を高くすることができ、本焼成における炉出の際の再酸化を防止する効果が期待できる。添加するときのマンガンの形態は特に制限はないが、MnO、Mn、Mn、MnCOが工業用途で入手しやすいので好ましい。Mnの含有量が15重量%未満では、相対的にFeの含有量が増加する。その結果、マグネタイト成分が多く存在し、低磁場側の磁化が低くなるためキャリア付着を発生させてしまうだけでなく、抵抗も低いためカブリの発生や階調性の悪化等、画質が悪化する。22重量%を超えると、抵抗が高くなるためにエッジが効きすぎてしまい、白抜け等の画像欠陥が発生したり、トナー消費量が増加することがある。
マグネシウムを含有することによって、フェライトキャリアとフルカラー用のトナーで構成される帯電の立ち上がりが良い現像剤を得ることができる。また抵抗を高くすることができる。Mgの含有量が0.5重量%未満では、十分な添加効果が得られず、マンガンの含有量が相対的に少なく、かつFeの含有量が多い場合には抵抗が低くなり、カブリの発生や階調性の悪化等、画質が悪化する。マンガンの含有量が相対的に多く、Feの含有量が少ない場合には磁化が高くなりすぎるため、磁気ブラシの穂が硬くなり、はけ筋等の画像欠陥の発生原因となる。一方、Mgの含有量が3重量%を超えると、磁化が低下するためにキャリア飛散が発生するだけでなく、焼成温度が低い場合にはマグネシウムに起因する水酸基の影響で水分吸着量が大きくなり帯電量や抵抗といった電気的特性の環境依存性を悪化させる原因となる。
Feの含有量が45重量%未満では、マグネシウムの含有量が相対的に増えた場合は、低磁化成分が増加することを意味しており、所望の磁気特性が得られない。マンガンの含有量が相対的に増えた場合は、磁化が高くなりすぎるため、磁気ブラシの穂が硬くなり、はけ筋等の画像欠陥の発生原因となったり、抵抗が高くなるためにエッジが効きすぎてしまい、白抜け等の画像欠陥が発生したり、トナー消費量が増加しすぎることがある。Feの含有量が55重量%を超えると、Mg及び/又はMnの含有効果は得られず実質的にマグネタイトと同等のフェライトキャリア芯材になってしまう。
上記SrTiO以外にSr化合物を添加しても良く、芯材中にSrFeで表される物質を生成していても良く、Srフェライトであっても良いし、Srフェライトでなくても良いが、後述の通り、Srフェライトは一定量以上生成しないことが好ましい。Srフェライト以外のSrFeの形で表現されるSr−Fe酸化物の中には、例えばSrFeの様に高誘電率を持ったSrTiO及びBaTiOに代表されるペロブスカイト構造と類似の結晶構造を持っているものがあり、これらの結晶構造を持ったSr−Fe酸化物が存在することで芯材として高い帯電能力を発揮することが期待できる。
Srフェライトを一定量以上生成しない場合において、Srは抵抗や表面性の調整に寄与し、表面酸化の際に高磁化を保つ効果を有するだけでなく、含有することで芯材の帯電能力を高める効果も得られる。Srが0.2重量%未満の場合には、Srの含有効果が得られない。特に、写真等の高印字率での印刷を連続的に行なった場合、帯電低下が発生しトナー飛散やトナー消費量の増加といった不具合が出てくる可能性がある。Srの含有量が3重量%を超えると、芯材粒子の磁化が下がりキャリア飛散が発生するか、残留磁化や保磁力が高くなり、現像剤として用いたときにはけ筋等の画像欠陥が発生し、画質が低下する。Sr含有量の測定方法については、後述する。
Srフェライトは六方晶であり結晶構造はc軸方向に伸びている。一方、主として芯材を構成しているソフトフェライトは等方的なスピネル構造であり、立方晶である。さらに仮焼成及び/又は本焼成の焼成温度及び/又は酸素濃度によってSrフェライトとソフトフェライト生成量が変化してくる。本発明においては、主としてSr化合物はSrTiOとして添加され、一部がSrCOとして添加されるが一次焼成の温度が低く、かつ本焼成温度もSrフェライトが生成するにはやや低いため、後述の通りSrフェライトとして一定量以上生成しにくい。
立方晶であるスピネル構造の中においてはSrフェライトを構成する六方晶は格子定数が異なり成長できないためSrフェライトの前駆体(Sr−Fe酸化物)としてソフトフェライトの中に含有される。しかしながら局所的な酸素濃度の上昇及び/又は焼成時の炉から熱量の増加、さらには焼結を促進する不純物の存在によってSrフェライトとして局所的に成長(異常粒成長)し、芯材粒子(フェライト粒子)表面において凸部を形成することがある。酸素濃度や焼成温度の水準によって多少異なるものの、Sr−Fe酸化物のうちSrフェライト生成量が多いものほど芯材粒子表面に凸部が生成しやすい。なお、凸部がSrによって形成されたものかどうかは芯材粒子表面及び/又は芯材粒子断面のEDS/EDXによる元素分布の測定によってSrが異常粒成長したグレインの周囲に偏析しているかどうかで容易に判断できる。
本発明の上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は下記条件を満たしていることが好ましい。
Figure 2012181398
Srフェライトは、1000ppm以上の酸素濃度で本焼成を行うことで生成するため、Srフェライトが生成し、Srフェライトの重量/全Sr化合物の値は0になることはない。また、Srの添加量及び製造条件等にもよるが、Srフェライトが生成する焼成温度よりもやや低く、かつ50000ppm以下の酸素濃度で本焼成を行うため、Srフェライトの重量/全Sr化合物の合計重量は0.75を超えることはない。なお、Srフェライトを含む各Sr化合物の存在量(重量)は後述するX線回折測定(結晶構造の測定)により算出される。
Tiは、SrTiO含有物質及びMgTiO含有物質の形態で添加され、芯材中にも主としてSrTiO及びMgTiOの形態で存在するため、Ti含有量はSrTiOの下限含有量である0.2重量%に含まれるTi含有量0.05重量%が下限となる。同様にTi含有量の上限はSrTiOの上限含有量である3重量%に含まれるTi含有量0.8重量%が上限となる。
本発明の上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材のSrとTiのモル比(Sr/Ti)は0.5以上であることが好ましい。具体的には芯材粒子中にSrとTiは主としてSrTiOとして存在しており、芯材中に含有する過剰なTiのモル数はSrTiOのモル数を上回らないことが好ましい。過剰なTiがSrTiOのモル数よりも多くなる0.5より小さい場合には、Ti単独の添加効果として焼結しやすくなるため、BET比表面積が小さくなり、所望の芯材粒子とならない。なお、SrとTiのモル比は(Srの化学分析値/87.62(Srの原子量))/(Tiの化学分析値/47.88(Tiの原子量))によって算出される。
(結晶構造の測定:X線回折測定)
結晶構造は、下記によって測定される。
測定装置としてパナリティカル社製「X’PertPRO MPD」を用いた。X線源としてCo管球(CoKα線)を、光学系として集中光学系及び高速検出器「X‘Celarator」を用いて、測定は0.2°/secの連続スキャンで行った。測定結果は通常の粉末の結晶構造解析と同様に解析用ソフトウエア「X’Pert
HighScore」を用いてデータ処理し、結晶構造の同定し、得られた結晶構造を精密化することで重量換算の存在比率を算出した。存在比率の算出に際してマグネシウムフェライトとFeのピークの分離が難しいためスピネル相として取り扱い、それ以外の結晶構造はそれぞれの存在比率を算出した。なお、結晶構造の同定を行う際にOを必須元素としFe、Mn、Mg、Srは含有する可能性のある元素とした。また、X線源についてはCu管球でも問題なく測定できるが、Feを多く含んだサンプルの場合には測定対象となるピークと比較してバックグラウンドが大きくなるので、Co管球を用いる方が好ましい。また、光学系は平行法でも同様の結果が得られる可能性があるが、X線強度が低く測定に時間がかかるため集中光学系での測定が好ましい。さらに、連続スキャンの速度は特に制限はないが結晶構造の解析を行う際に十分なS/N比を得るためにスピネル構造のメインピークである(311)面のピーク強度が50000cps以上となるようにし、粒子の特定の優先方向への配向がないようにサンプルセルにキャリア芯材をセットし測定を行った。
(Fe、Mn、Mg、Ti及びSrの含有量)
上述したFe、Mn、Mg、Ti及びSrの含有量は、下記によって測定される。
フェライトキャリア芯材0.2gを秤量し、純水60mlに1Nの塩酸20ml及び1Nの硝酸20mlを加えたものを加熱し、フェライトキャリア芯材を完全溶解させた水溶液を準備し、ICP分析装置(島津製作所製ICPS−1000IV)を用いてFe、Mn、Mg、Ti及びSrの含有量を測定した。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材は、表面が酸化処理されていることが望ましい。この表面酸化処理によって形成される酸化処理被膜の厚さは、0.1nm〜5μmであることが好ましい。被膜の厚さが0.1nm未満であると、酸化被膜層の効果が小さく、被膜の厚さが5μmを超えると、明らかに磁化が低下したり、高抵抗になりすぎるため、現像能力が低下する等の不具合が発生し易くなる。また、必要に応じて、酸化処理の前に還元を行ってもよい。X線光電子分光(XPS)によってマンガンの2価から3価及び/又は4価への価数変化に伴うピーク及び/又は積分強度の変化から知ることが出来る。酸化処理皮膜の存在の有無は、表面酸化処理前後の抵抗の変化から間接的に知ることもできる。なお、酸化被膜は芯材表面に均一で形成されていても良いし、部分的に酸化被膜が形成されていても良い。
フェライトキャリア芯材(フェライト粒子)の結晶性はスピネル構造メインピークである(311)面の表面酸化処理前の半値幅をW11(Deg)、ピーク位置をP1(Deg)とし、表面酸化処理後の半値幅をW21(Deg)、ピーク位置をP2(Deg)とすると、本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材は、下記条件を満たすことが好ましい。
Figure 2012181398
W21/W11が1以下では表面酸化処理の効果がないことを意味している。一方、W21/W11が1.5よりも大きい場合には格子定数の分布が広がりすぎており、格子欠陥が多くなりすぎ酸化処理による高抵抗化よりも格子欠陥による低抵抗化の効果が大きくなるため、結果として酸化処理による高抵抗化が図れないだけでなく、結晶性の低下による磁化の低下も顕著になるため所望の特性の芯材粒子が得られない。
P2−P1については、−0.01<P2−P1≦0の場合は格子定数が変化せず、ピーク位置がシフトしていないため、酸化処理の効果がないと判断できる。P2−P1>0.2の場合、格子定数は格子欠陥が多くなるにつれて小さくなるものの、格子欠陥が多く存在しすぎていることを意味している。すなわち、格子欠陥が多くなりすぎ、酸化処理による高抵抗化よりも、フェライト成分の一部が別の化合物として生成し、残されたフェライト成分がγ―Feと類似の構造と取り、結果として格子欠陥による低抵抗化の効果が大きくなるため酸化処理による高抵抗化が図れない。なお、結晶性の評価は、上述した通りである。表面酸化処理による回折パターンのピークのシフトは格子定数が小さくなることに起因しているため、P2−P1≦−0.01の場合は、測定誤差を考慮しても表面酸化処理によるピークシフトではないと判断できる。
さらに、フェライトキャリア芯材(フェライト粒子)を加熱し表面酸化処理を行うことでフェライト粒子内部に発生している応力(結晶格子の歪)を緩和し、フェライト粒子強度の改善が期待できる。応力が大きいフェライト粒子を用いた電子写真現像剤用フェライトキャリアは、トナーと混合し現像剤として使用した場合に現像器での撹拌中にキャリアが割れる可能性があり、キャリア飛散やドラム傷等の原因となる。
フェライトキャリア芯材としてのフェライト粒子内部応力は、表面酸化処理前のスピネル構造の(311)面ピークの半値幅をW11と(622)面の半値幅をW12、表面酸化処理後のスピネル構造の(311)面ピークの半値幅をW21と(622)面の半値幅をW22、WS1=W12/W11、WS2=W22/W21としたときに、本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材は、下記条件を満たしていることが好ましい。
Figure 2012181398
上記範囲を満たすことで表面酸化処理によってフェライト粒子内部の応力が減少し、電子写真現像剤用フェライトキャリアとして使用した際に、磁化と抵抗のバランスが取れているだけでなく、フェライト粒子が割れにくく継続的に安定して良好な画像が得られる。一方、WS2≧WS1の場合は、表面酸化処理によってフェライト粒子の応力が減少した効果よりも表面酸化処理によって結晶性が劣っている影響が大きいことを意味しており、割れにくいフェライトキャリアが得られるものの、所望の抵抗と磁化を得ることが出来ない。
なお、フェライト粒子内部応力について、WS1、WS2のようにスピネル構造のメインピークである(311)面の半値幅を常に基準にすることで測定条件や測定装置の影響を受けにくくなり、直接スピネル構造の(622)面の半値幅であるW12及びW22を使った評価よりも汎用性が高く、精度の面からも優れている。また、(311)面の半値幅だけでは結晶性の良し悪しについてはある程度の判断は出来るものの、スピネル構造全体の歪に関する情報は得られない。そのため、スピネル構造全体の歪の情報を得るためにはメインピークと同系列である(622)面の情報を得た上で、(311)面を基準に応力の評価を行うことが好ましい。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、pH4標準液によるCl溶出量が0.1〜150ppmであることが望ましい。フェライトキャリア芯材(フェライト粒子)表面に塩化物、塩化物イオンが多く存在すると、キャリアや現像剤の使用環境中にある水分(水分子)を吸着し易いため、多量に存在すると、帯電量を始めとする電気特性の環境変動が大きくなる。塩化物、塩化物イオンをできる限り低減する必要がある。
しかし、キャリア芯材(フェライト粒子)原料の1つである酸化鉄としては鉄鋼生産時に発生する塩酸酸洗工程から副生する酸化鉄を使用することが一般的であり、不可避不純物として塩化物、塩化物イオンが含有される。塩化物、塩化物イオンは、フェライト製造工程の1つであるバッチ式電気炉やロータリー式電気炉を用いた焼成工程においては、1000〜1500℃の温度領域で処理される際にその大部分は除去されるが、原料内部への熱が浸透しにくく、その一部が残ってしまう。特に、帯電能力を高めるために、比較的比表面積の大きいフェライト粒子を製造する場合、焼成温度を低めに設定する必要があるため、塩化物、塩化物イオンが残留しやすい。
さらに、帯電能力を高めるためにBET比表面積を大きくすると、一般的な樹脂被覆フェライトキャリアに用いられるフェライト粒子に比べ、多く芯材粒子表面に塩化物及び/又は塩化物イオンが残存するため、キャリア特性に大きな影響を与える。
そこで、本発明では、上述したように、フェライトキャリア芯材のpH標準液によるCl溶出量を0.1〜150ppmとすることが望ましい。Cl溶出量は、望ましくは0.1〜100ppm、さらに望ましくは0.1〜80ppmである。この範囲で帯電量を始めとする電気特性の環境変動が少ない。また、上述した酸化被膜処理を施すことによって、BET比表面積が大きいにもかかわらず高帯電量化が可能で、かつ環境変動も小さいものとなる。
Cl溶出量が150ppmを超えると、上述したように、使用環境中にある水分(水分子)を吸着し易いため、帯電量を始めとする電気特性の環境変動が大きくなり好ましくない。後述する酸化被膜処理を施しても、高帯電化しにくい。さらにフェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆した場合にも、フェライトキャリア芯材に残存したCl成分と被覆樹脂とが相互作用し、帯電量の低下が発生しやすい。
Cl溶出量を0.1ppm未満にすることは工業上困難である。一般的にフェライトや電子写真現像剤用フェライトキャリアに用いられる原料として、特にClを多く含有するのは酸化鉄である。これは、酸化鉄としては工業的には鉄鋼生産時に発生する塩酸酸洗工程から副生する酸化鉄を使用するのが一般的であるためである。このような酸化鉄にもいくつかのグレードがあるが、Clとして数百ppm含有される。工業的に使用される酸化鉄で、最もClが少ないものでも、200ppm程度含有される。
Cl濃度の測定方法は種々ある。例えば特開2006−267345号公報に記載されているような、蛍光X線元素分析装置を用いる方法である。しかし、蛍光X線元素分析装置で測定されるCl濃度は、表面近傍に存在するClのみならず、直接、外環境の影響を受けない粒子内部に存在するClを測定するのに有効な方法である。本発明においては、特に表面近傍に存在するClが、大気中の水分と相互作用を起こすことが、帯電特性の環境変動に悪影響を及ぼすものであることを見出し、また、表面の塩化物が水分の影響を受けること、このような塩化物が脱離しやすいこと等によって帯電能力自体が低下することを見出したものであり、基本的には粒子内部に存在するClとは無関係のものである。従って、本発明においては、フェライト粒子表面に存在するCl濃度を特定し、制御することが非常に重要である。このような測定方法として、下記に挙げる溶出法が用いられる。
[Cl濃度:溶出法]
(1)試料を50.000g+0.0002g以内に正確に秤り、150mlガラス瓶に入れる。
(2)フタル酸塩(pH4.01)50mlをガラス瓶に添加する。
(3)イオン強度調整剤、1mlをガラス瓶に続けて添加し、蓋を閉める。
(4)ペイントシェ−カ−にて10分間撹拌する。
(5)150mlガラス瓶の底に磁石を当てキャリアが落ちないように注意しながらNo.5Bの濾紙を用いてPP製(50ml)の容器にろ過する。
(6)得られた上澄み液を、pHメーターにて電圧を測定する。
(7)同様に、検量線用に作成したCl濃度別の溶液(純水、1ppm、10ppm、100ppm及び1000ppm)を測定し、それらの値から、サンプルのCl溶出量を計算する。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、1mmGap印加電圧100Vにおける抵抗が5×10〜1×10Ωであることであることが望ましい。
1mmGap印加電圧100Vにおける抵抗が5×10Ωよりも小さい場合は抵抗が低すぎてキャリアとして使用した際に白斑が発生したりキャリア飛散する可能性がある。1×10Ωよりも高い場合はキャリアとして使用した際にエッジが効きすぎた画像になり、トナー消費量が増加することがある。
(電気抵抗)
この抵抗は、次の通り測定される。すなわち、電極間間隔1.0mmにて非磁性の平行平板電極(10mm×40mm)を対抗させ、その間に、試料200mgを秤量して充填する。磁石(表面磁束密度:1500Gauss、電極に接する磁石の面積:10mm×30mm)を平行平板電極に付けることにより電極間に試料を保持させ、100Vの印加電圧における抵抗を絶縁抵抗計(SM−8210、東亜ディケーケー(株)製)にて測定した。
このような本発明に係る電子写真現像剤用フェライト芯材(フェライト粒子)は小粒径であるにもかかわらず、粒子形状が球形に近いが、表面に微小な凹凸が存在するためBET比表面積が従来の芯材粒子よりも大きく、かつ帯電性に優れ、芯材粒子の割れ・欠けによるキャリア飛散が発生しにくく、かつ長寿命のものとなる。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリアは、上記キャリア芯材の表面が樹脂で被覆されている。樹脂被覆回数は1回のみでも良いし、2回以上の複数回樹脂被覆を行なっても良く、所望の特性に応じて被覆回数を決めることができる。また、被覆樹脂の組成、被覆量及び樹脂被覆に使用する装置は被覆回数が2回以上の複数回の場合は、変化させても良いし、変えなくても良い。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂被覆キャリアは、合計樹脂被膜量が、キャリア芯材に対して0.1〜10重量%が望ましい。合計被膜量が0.1重量%未満ではキャリア表面に均一な被膜層を形成することが難しく、また10重量%を超えるとキャリア同士の凝集が発生してしまい、歩留まり低下等の生産性の低下と共に、実機内での流動性あるいは帯電量等の現像剤特性変動の原因となる。
ここに用いられる被膜形成樹脂は、組み合わせるトナー、使用される環境等によって適宜選択できる。その種類は特に限定されないが、例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フッ素アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、シリコーン樹脂、あるいはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の各樹脂で変性した変性シリコーン樹脂等が挙げられる。本発明では、アクリル樹脂、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂が最も好ましく用いられる。
またキャリアの電気抵抗や帯電量、帯電速度をコントロールすることを目的に、被膜形成樹脂中に導電剤を含有することができる。導電剤はそれ自身の持つ電気抵抗が低いことから、含有量が多すぎると急激な電荷リークを引き起こしやすい。従って、含有量としては、被膜形成樹脂の固形分に対し0.25〜20.0重量%であり、好ましくは0.5〜15.0重量%、特に好ましくは1.0〜10.0重量%である。導電剤としては、導電性カーボン、金属的な性質を持ったカーボンナノチューブ、半導体的な性質を持ったカーボンナノチューブ、酸化チタンや酸化スズ等の酸化物、各種の有機系導電剤が挙げられる。
また、上記被膜形成樹脂中には、帯電制御剤を含有させることができる。帯電制御剤の例としては、トナー用に一般的に用いられる各種の帯電制御剤や、各種シランカップリング剤が挙げられる。これは被膜形成によって芯材露出面積を比較的小さくなるように制御した場合、帯電付与能力が低下することがあるが、各種の帯電制御剤やシランカップリング剤を添加することにより、コントロールできるためである。使用できる帯電制御剤やカップリング剤の種類は特に限定されないが、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等の帯電制御剤、アミノシランカップリング剤やフッ素系シランカップリング剤等が好ましい。
<本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材及びキャリアの製造方法>
次に、本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材及びキャリアの製造方法について説明する。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材の製造方法は、原料混合、仮焼、粉砕混合、本造粒、本焼成の各製造工程を含む製造方法であって、上記粉砕混合工程及び/又は上記本造粒工程にSrTiOを含む物質を混合し、上記本焼成を1090〜1210℃で行う。
原料混合工程に用いられる原料としては、Fe化合物、好ましくはこれに加えてマンガン及びマグネシウムの各化合物が挙げられる。
これらの原料混合、仮焼、粉砕混合、本造粒、本焼成の各製造工程は、特に制限はなく、従来公知の方法が採用することができ、乾式による方法を用いても湿式による方法を用いてもよい。例えば原料としてFeとMg(OH)及び/又はMgCOとMnO、Mn、Mn34、MnCOのうちから選ばれる1種類以上のマンガン化合物を混合し(原料混合工程)、大気下、仮焼成する(仮焼工程)。仮焼成後、得られた仮焼物をさらにボ−ルミル又は振動ミル等で粉砕した後、SrTiOを含む物質、SrO及び/又はSrCO、水、及び必要に応じ分散剤、バインダー等を添加し(粉砕混合工程)、粘度調整後、スプレードライヤーにて粒状化し、造粒を行う。仮焼後に粉砕する際は、水を加えて湿式ボールミルや湿式振動ミル等で粉砕しても良い。なお、バインダーとしてはポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンを使うことが好ましい。なお、SrTiOを含む物質、及びSrO及び/又はSrCOはいずれも粉砕混合時に代えて本造粒工程時に添加してもよい。
ここSrTiOを含む物質とは、例えばSrMg1−xTiOのようにSrの一部をマグネシウムで置換した物質、SrTiのように表されSrTiOの化学的量論比から組成がずれている物質、SrFe0.5Ti0.52.75のようにSrFeTiで表される物質、及び、その一部をマンガンに置換したSrFeMnb‘Tiで表される物質であり、X線回折によりSrTiOが検出できる程度に含有されていることが好ましい。
本発明の製造方法では、得られた造粒物を必要に応じて一次焼成後、本焼成を行う(本焼成工程)。ここで、一次焼成は、600〜800℃で行われる。また、本焼成は不活性雰囲気又は弱酸化性雰囲気、例えば酸素濃度が0.1体積%(1000ppm)〜5体積%(50000ppm)、より好ましくは0.1体積%(1000ppm)〜3.5体積%(35000ppm)、最も好ましくは0.1体積%(1000ppm)〜2.5体積%(25000ppm)の窒素と酸素の混合ガス雰囲気下、1090〜1210℃で行われる。
本焼成を行う際は、ロータリーキルンのように炉の内部を流動しながら熱間部を通過する形式の焼成炉は、焼成雰囲気の酸素濃度が低い場合に炉内に付着しやすくなり、流動性の良い焼成物が十分焼成されないうちに炉外に排出される。そのためBET比表面積が本発明で規定する範囲と同程度であっても芯材粒子の表面が十分焼結が進んでも粒子内部の焼結が進まず、電子写真用キャリア芯材粒子として十分な強度を持たないものになる可能性がある。そのためできる限り焼成前の原料をコウ鉢等に入れて静置した状態で熱間部を通過させるトンネルキルン、エレベータキルン等を使用することが望ましい。
上述の通り、Sr化合物とSrTiOを含有する物質を添加することによって、Tiを含有していても従来と比較して高いBET比表面積を維持した状態で、従来では不可能であった芯材粒子の表面の均一性が得られる。Tiを含有し、かつ従来の芯材よりもBET比表面積を高くするためにはTiがスピネル構造に拡散しないようにすればよく、予めTiがSrと化合した状態である、SrTiOと同じか類似の結晶構造を含有する物質を添加すればよい。また、芯材粒子の表面性を均一にするには芯材粒子に含まれる不純物の管理も重要であるが、Srを含有していてもSrフェライトの生成、言い換えればSrフェライトの異常粒成長の発生を抑制すれば容易に表面性を均一に出来るようになる。Srフェライト生成を制御する具体的な方法としては、芯材を構成するスピネル構造を有するソフトフェライトとSr−Fe化合物の熱履歴を異なるようにすればよく、仮焼成の段階ではSr化合物を添加せず、ソフトフェライトが本焼成で容易に生成するようにすることが好ましい。その上で、本造粒の段階でSr化合物を添加することで本焼成時にSrフェライトよりも先にソフトフェライトが生成し、結果としてSrフェライトの生成量が抑制される。
特に、Srフェライトは、本焼成において1210℃を超える温度領域、及び/又は、焼成雰囲気の酸素濃度が5体積%を超える比較的高い酸素濃度で生成されるため、ソフトフェライトの生成条件(本焼成条件)を上記条件とずらすことでSrフェライトは一部生成するものの、容易にSrフェライトの生成量を抑制することが可能となる。具体的には本焼成温度1090〜1210℃とし、好ましくは酸素濃度を0.1〜5体積%とする。このような本焼成条件を設定することで、所望の磁化・抵抗・芯材帯電量といった各種特性を持ちつつ、均一な表面性を持った芯材を得ることができるのである。
その後、焼成物を解砕、分級を行ってキャリア芯材(フェライト粒子)を得る。分級方法としては、既存の風力分級、メッシュ濾過法、沈降法等を用いて所望の粒径に粒度調整する。乾式回収を行う場合は、サイクロン等で回収することも可能である。粒度調整を行う際は前述の分級方法を2種類以上選んで実施しても良いし、1種類の分級方法で条件を変更して粗粉側粒子と微粉側粒子を除去しても良い。
その後、必要に応じて、表面を低温加熱することで酸化被膜処理を施し、電気抵抗調整を行うことができる。酸化被膜処理は、酸素含有雰囲気下、一般的なロータリー式電気炉、バッチ式電気炉等を用い、650℃以下、好ましくは450〜650℃で熱処理を行う。450℃よりも低い場合は芯材粒子表面の酸化が十分に進まないため、所望の抵抗特性が得られない可能性がある。650℃よりも高い場合はマンガンの酸化が進みすぎ、スピネル構造の結晶性が悪くなることに起因した芯材の低抵抗が進むため好ましくない。酸化被膜を均一に芯材粒子に形成させるためにはロータリー式電気炉を用いることが好ましい。
撹拌ストレス等の機械的な衝撃によるフェライトキャリア芯材(フェライト粒子)表面の酸化では、瞬間的に高温になることがあっても結晶構造の再構成を行なうのに十分な熱量とならないため、応力(結晶格子の歪)が緩和できず、フェライト粒子強度の改善は期待できない。
小粒径のフェライト粒子は大粒径のフェライト粒子と比較してフェライト粒子がお互いに接触することが多いため、低電界側の抵抗は大粒径のフェライト粒子と比較して低くなりやすい。また、BET比表面積が大きくなることで電流が流れやすくなるため低抵抗になりやすく、特に電場の影響がフェライト内部に及びにくい低電界側で顕著に現れる。
本発明の電子写真現像剤用フェライトキャリアは、上記フェライトキャリア芯材の表面に、上記した樹脂を被覆し、樹脂被膜を形成する。被覆する方法としては、公知の方法、例えば刷毛塗り法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリドライ方式、万能攪拌機による液浸乾燥法等により被覆することができる。被覆率を向上させるためには、流動床による方法が好ましい。
樹脂をフェライトキャリア芯材に被覆後、焼き付けする場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。UV硬化樹脂を用いる場合は、UV加熱器を用いる。焼き付けの温度は使用する樹脂により異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度は必要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充分硬化が進む温度まで上げる必要がある。
<本発明に係る電子写真用現像剤>
次に、本発明に係る電子写真用現像剤について説明する。
本発明に係る電子写真現像剤は、上述した電子写真現像剤用フェライトキャリアとトナーとからなるものである。
本発明の電子写真現像剤を構成するトナー粒子には、粉砕法によって製造される粉砕トナー粒子と、重合法により製造される重合トナー粒子とがある。本発明ではいずれの方法により得られたトナー粒子も使用することができる。
粉砕トナー粒子は、例えば、結着樹脂、荷電制御剤、着色剤をヘンシェルミキサー等の混合機で充分に混合し、次いで、二軸押出機等で溶融混練し、冷却後、粉砕、分級し、外添剤を添加後、ミキサー等で混合することにより得ることができる。
粉砕トナー粒子を構成する結着樹脂としては特に限定されるものではないが、ポリスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、更にはロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂等を挙げることができる。これらは単独又は混合して用いられる。
荷電制御剤としては、任意のものを用いることができる。例えば正荷電性トナー用としては、ニグロシン系染料及び4級アンモニウム塩等を挙げることができ、また、負荷電性トナー用としては、含金属モノアゾ染料等を挙げることができる。
着色剤(色材)としては、従来より知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシアニングリーン等を使用することができる。その他、トナーの流動性、耐凝集性向上のためのシリカ粉体、チタニア等のような外添剤をトナー粒子に応じて加えることができる。
重合トナー粒子は、懸濁重合法、乳化重合法、乳化凝集法、エステル伸長重合法、相転乳化法といった公知の方法で製造されるトナー粒子である。このような重合法トナー粒子は、例えば、界面活性剤を用いて着色剤を水中に分散させた着色分散液と、重合性単量体、界面活性剤及び重合開始剤を水性媒体中で混合攪拌し、重合性単量体を水性媒体中に乳化分散させて、攪拌、混合しながら重合させた後、塩析剤を加えて重合体粒子を塩析させる。塩析によって得られた粒子を、濾過、洗浄、乾燥させることにより、重合トナー粒子を得ることができる。その後、必要により乾燥されたトナー粒子に機能付与のため外添剤を添加することもできる。
更に、この重合トナー粒子を製造するに際しては、重合性単量体、界面活性剤、重合開始剤、着色剤以外に、定着性改良剤、帯電制御剤を配合することができ、これらにより得られた重合トナー粒子の諸特性を制御、改善することができる。また、水性媒体への重合性単量体の分散性を改善するとともに、得られる重合体の分子量を調整するために連鎖移動剤を用いることができる。
上記重合トナー粒子の製造に使用される重合性単量体に特に限定はないが、例えば、スチレン及びその誘導体、エチレン、プロピレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエステル及びメタクリル酸ジエチルアミノエステル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類等を挙げることができる。
上記重合トナー粒子の調製の際に使用される着色剤(色材)としては、従来から知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー及びフタロシアニングリーン等を使用することができる。また、これらの着色剤はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等を用いてその表面が改質されていてもよい。
上記重合トナー粒子の製造に使用される界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン性界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を使用することができる。
ここで、アニオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン、脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等を挙げることができる。更に、カチオン系界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。また、両イオン性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩、アルキルアミノ酸等を挙げることができる。
上記のような界面活性剤は、重合性単量体に対して、通常は0.01〜10重量%の範囲内の量で使用することができる。このような界面活性剤は、単量体の分散安定性に影響を与えるとともに、得られた重合トナー粒子の環境依存性にも影響を及ぼす。上記範囲内の量で使用することは単量体の分散安定性の確保と重合トナー粒子の環境依存性を低減する観点から好ましい。
重合トナー粒子の製造には、通常は重合開始剤を使用する。重合開始剤には、水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤とがあり、本発明ではいずれをも使用することができる。本発明で使用することができる水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、水溶性パーオキサイド化合物を挙げることができ、また、油溶性重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、油溶性パーオキサイド化合物を挙げることができる。
また、本発明において連鎖移動剤を使用する場合には、この連鎖移動剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四臭化炭素等を挙げることができる。
更に、本発明で使用する重合トナー粒子が、定着性改善剤を含む場合、この定着性改良剤としては、カルナバワックス等の天然ワックス、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックス等を使用することができる。
また、本発明で使用する重合トナー粒子が、帯電制御剤を含有する場合、使用する帯電制御剤に特に制限はなく、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等を使用することができる。
また、重合トナー粒子の流動性向上等のために使用される外添剤としては、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子等を挙げることができ、これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
更に、水性媒体から重合粒子を分離するために使用される塩析剤としては、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム等の金属塩を挙げることができる。
上記のようにして製造されたトナー粒子の体積平均粒径は、2〜15μm、好ましくは3〜10μmの範囲内にあり、重合トナー粒子の方が粉砕トナー粒子よりも、粒子の均一性が高い。トナー粒子が2μmよりも小さくなると、帯電能力が低下しかぶりやトナー飛散を引き起こしやすく、15μmを超えると、画質が劣化する原因となる。
上記のように製造されたキャリアとトナーとを混合し、電子写真現像剤を得ることができる。キャリアとトナーの混合比、即ちトナー濃度は、3〜15重量%に設定することが好ましい。3重量%未満であると所望の画像濃度が得にくく、15重量%を超えると、トナー飛散やかぶりが発生しやすくなる。
本発明に係る電子写真現像剤は、補給用現像剤として用いることもできる。この際の現像剤中のトナーの重量比、即ちトナー濃度は75〜99.9重量%に設定することが好ましい。
上記のように調製された本発明に係る電子写真現像剤は、有機光導電体層を有する潜像保持体に形成されている静電潜像を、バイアス電界を付与しながら、トナー及びキャリアを有する二成分現像剤の磁気ブラシによって反転現像する現像方式を用いたデジタル方式のコピー機、プリンター、FAX、印刷機等に使用することができる。また、磁気ブラシから静電潜像側に現像バイアスを印加する際に、DCバイアスにACバイアスを重畳する方法である交番電界を用いるフルカラー機等にも適用可能である。
以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
Feを50.5モル、MnOを37.5モル、及びMgCOを12.5モルとなるように秤量し、ローラーコンパクターでペレット化した。得られたペレットを大気雰囲気の条件下、1050℃にてロータリー式の焼成炉で仮焼成をおこなった。
これを乾式ビーズミルにて粗粉砕した後、水と粗粉砕した仮焼済みの原料を100モルに対してSrCOを0.25モル及び粗粉砕した仮焼済みの原料に対してSrTiOを1.0重量%添加し、湿式ビーズミルで6時間粉砕し、バインダー成分としてPVAをスラリー固形分に対して3.2重量%となるように添加し、ポリカルボン酸系分散剤をスラリーの粘度が2〜3ポイズになるように添加したものを粉砕スラリーとした。この際のスラリーの固形分は55重量%、スラリー粒径のD50は1.66μmであった。
このようにして得られた粉砕スラリーをスプレードライヤーにて造粒、乾燥し、大気雰囲気の条件下、ロータリーを用いて大気中、700℃で一次焼成を行った。次いで、電気炉を用いて、酸素濃度0.25体積%の条件下、1165℃で4時間保持し、本焼成を行なった。その後、解砕し、さらに表2に示す分級状で分級してフェライト粒子からなるキャリア芯材を得た。
さらに得られたフェライト粒子からなるキャリア芯材を大気雰囲気の条件下、表面酸化処理温度550℃、ロータリー式の電気炉で表面酸化処理を行い表面酸化処理済みのキャリア芯材(フェライト粒子)を得た。
本焼成温度を1140℃とした以外は、実施例1と同様にしてキャリア芯材(フェライト粒子)を得た。
本焼成温度を1185℃とした以外は、実施例1と同様にしてキャリア芯材(フェライト粒子)を得た。
分級条件(微粉除去の回転数及び粗粉除去の回転数)を表2に示す通りとした以外は、実施例1と同様にしてキャリア芯材(フェライト粒子)を得た。
分級条件(微粉除去の回転数及び粗粉除去の回転数)を表2に示す通りとした以外は、実施例1と同様にしてキャリア芯材(フェライト粒子)を得た。
SrTiOの添加量を0.5重量%とした以外は、実施例1と同様にしてキャリア芯材(フェライト粒子)を得た。
SrTiOの添加量を2.0重量%とした以外は、実施例1と同様にしてキャリア芯材(フェライト粒子)を得た。
Feを60.5モル、MnOを25.0モル、MgCOを14.5モル及びSrCOを0.25モルとなるように秤量した以外は、実施例1と同様にしてキャリア芯材(フェライト粒子)を得た。
Feを50.5モル、MnOを45.0モル、MgCOを5.0モル及びSrCOを0.25モルとなるように秤量した以外は、実施例1と同様にしてキャリア芯材(フェライト粒子)を得た。
Feを50.5モル、MnOを37.5ル及びMgCOを12.5モルとなるように秤量した以外は、実施例1と同様にしてキャリア芯材(フェライト粒子)を得た。
SrTiO1.0重量%に加え、MgTiOを1.0重量%加えた以外は、実施例1と同様にしてキャリア芯材(フェライト粒子)を得た。
比較例
[比較例1]
本焼成温度を1080℃とした以外は、実施例1と同様にしてキャリア芯材(フェライト粒子)を得た。
[比較例2]
本焼成温度を1220℃とした以外は、実施例1と同様にしてキャリア芯材(フェライト粒子)を得た。
[比較例3]
SrTiOを添加しない以外は、実施例1と同様にしてキャリア芯材(フェライト粒子)を得た。
[比較例4]
Feを62.5モル、MnOを21.0モル、MgCOを17.0モル及びSrCOを0.25モルとなるように秤量した以外は、実施例1と同様にしてキャリア芯材(フェライト粒子)を得た。
[比較例5]
Feを50.5モル、MnOを48.0モル、MgCOを2.0モル及びSrCOを0.25モルとなるように秤量した以外は、実施例1と同様にしてキャリア芯材(フェライト粒子)を得た。
[比較例6]
Feを50.5モル、MnOを37.5モル、MgCOを12.5モル、SrCOを0.85モル及びTiOを1.35モルとなるように秤量し、かつSrTiOを添加しない以外は、実施例1と同様にしてキャリア芯材(フェライト粒子)を得た。
実施例1〜11及び比較例1〜6の配合割合(原料仕込みモル数)、仮焼成条件(温度及び雰囲気)、粉砕スラリー・本造粒条件(スラリー粒径、SrTiO量、MgTiO量、スラリー固形分)を表1に示し、一次焼成条件(温度及び雰囲気)、本焼成条件(温度及び雰囲気)及び分級条件(微粉除去、粗粉除去)を表2に示す。また、実施例1〜11及び比較例1〜6により得られたキャリア芯材の酸化処理前の粉体特性(平均粒径、BET比表面積)、周囲長/包絡長の個数分析、化学分析及びSr/Ti(モル比)を表3に示すと共に、pH4標準液の溶出(Cl及びSr)、磁気特性、X線回折、SrFerrite/Sr化合物(重量%)及びX線回折測定結果を表4に示す。
さらに、実施例1〜11及び比較例1〜6の表面酸化処理条件(温度及び酸化処理雰囲気)、表面酸化処理後の磁気特性、X線回折測定結果及び表面酸化処理前後の帯電量(N/N及びH/H)を表5に示す。ここにおいて、表5に示す帯電量の測定方法は及び各環境下の測定条件は下記の通りである。また、その他の各測定方法は上述の通りである。なお、平均粒径、BET比表面積及びCl溶出量は表酸化処理前後でほとんど変化しないので表面酸化処理前の値のみ記載した。
(帯電量)
試料(キャリア又はキャリア芯材)と、フルカラープリンターに使用されている市販の負極性トナーで平均粒径が約6μmのものを、トナー濃度を6.5重量%(トナー重量=3.25g、キャリア重量=46.75g)に秤量した。秤量したキャリア及びトナーを、12時間以上暴露した。その後、キャリアとトナーを50ccのガラス瓶に入れ、100rpmの回転数にて、30分間撹拌を行った。
帯電量測定装置として、直径31mm、長さ76mmの円筒形のアルミ素管(以下、スリーブ)の内側に、N極とS極を交互に合計8極の磁石(磁束密度0.1T)を配置したマグネットロールと、該スリーブと5.0mmのGapをもった円筒状の電極を、該スリーブの外周に配置した。
このスリーブ上に、現像剤0.5gを均一に付着させた後、外側のアルミ素管は固定したまま、内側のマグネットロールを100rpmで回転させながら、外側の電極とスリーブ間に、直流電圧2000Vを60秒間印加し、トナーを外側の電極に移行させた。このとき、円筒状の電極にはエレクトロメーター(KEITHLEY社製 絶縁抵抗計model6517A)をつなぎ、移行したトナーの電荷量を測定した。
60秒経過後、印加していた電圧を切り、マグネットロールの回転を止めた後、外側の電極を取り外し、電極に移行したトナーの重量を測定した。
測定された電荷量と移行したトナー重量から、帯電量を計算した。
各環境下とは、常温常湿(N/N)環境及び高温高湿(H/H)環境であり、その温度及び湿度条件は下記の通りである。
(温度及び湿度条件)
常温常湿(N/N)環境=温度20〜25℃、相対湿度50〜60%
高温高湿(H/H)環境=温度30〜35℃、相対湿度80〜85%
Figure 2012181398
Figure 2012181398
Figure 2012181398
Figure 2012181398
Figure 2012181398
実施例1〜11の芯材粒子(フェライトキャリア芯材)はいずれもSrTiOを含有しており、芯材粒子の表面性が揃っており、かつBET比表面積が大きく、芯材粒子の帯電付与能力が高いだけでなく環境依存性に優れたものとなった。また、表面酸化処理を行い、芯材粒子の内部応力を緩和することで、キャリアとして使用する際に割れ・欠けの少ない芯材粒子となり、電子写真現像剤用フェライトキャリアとして好適なものとなった。
一方、比較例1はSrTiOを含有しているものの、焼成温度が低く、BET比表面積が大きくなりすぎ、被覆樹脂がしみこみやすいため樹脂を十分芯材粒子に被覆することが出来ない芯材粒子となり、芯材表面が露出し低抵抗となり、電子写真用キャリアとして使用した際に帯電量低下が懸念されるものとなった。比較例2はSrTiOを含有しているものの、焼成温度が高く、BET比表面積が小さくなりすぎ、樹脂を十分に被覆することが出来ない芯材粒子となっただけでなく、芯材粒子の表面性が揃わず、芯材粒子の凸部が樹脂被覆されず、電子写真現像剤用フェライトキャリアとして使用した際に凸部の電界の集中によって白斑の発生が懸念されるものとなった。
比較例3はSrTiOを含有しなかったため、周囲長/包絡長の個数分布が凹凸の大きい側にずれ、表面性の凹凸の均一性が劣る結果となり、樹脂被覆を行い電子写真現像剤用フェライトキャリアとして使用した際に凸部の樹脂被覆が剥がれやすく低抵抗化による白斑が懸念されるものとなった。比較例4はマンガンの含有量が少ないため、磁化が低く、樹脂被覆を行い電子写真現像剤用フェライトキャリアとして使用した際にキャリア飛散が懸念されるものとなった。
比較例5はマグネシウムの含有量が少ないため、磁化が高く、樹脂被覆を行い電子写真現像剤用フェライトキャリアとして使用した際に磁気ブラシの穂が硬くなりすぎハケ筋の発生が懸念されるものとなった。比較例6はSrとTiを芯材製造時に別々に添加したため、Tiが芯材内部に広く拡散し、SrTiOを生成したものの焼結温度を下げる効果が大きく、BET比表面積が小さくなりすぎ樹脂を十分に被覆することが出来ない芯材粒子となっただけでなく、芯材粒子の凸部が大きくなり、結果として表面性が揃わないものとなり、電子写真現像剤用フェライトキャリアとして使用した際に凸部の電界の集中によって白斑の発生と低抵抗化によるキャリアの帯電量低下が懸念されるものとなった。
実施例1の表面酸化処理を行ったキャリア芯材粒子に対してアクリル変性シリコーン樹脂(信越シリコーン社製、KR−9706)を被覆樹脂として万能混合撹拌機により塗布した。このとき樹脂溶液はキャリア芯材に対する樹脂の固形分で2.5重量%となるように樹脂を秤量し、樹脂の固形分が20重量%となるようにトルエンとMEKを重量比で3:1に混合した溶剤を添加したものを樹脂溶液として使用した。樹脂を塗布した後、完全に揮発分をなくすために200℃設定の熱交換型攪拌加熱装置で3時間撹拌しながら乾燥させた。その後、凝集粒子を解砕して樹脂被覆キャリアを得た。
実施例1の表面酸化処理を行ったキャリア芯材粒子に対してシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング社製、SR−2441)、アルミニウム系触媒(東レダウコーニング社製、CAT−AC)を被覆樹脂として万能混合撹拌機により塗布した。このとき樹脂溶液はキャリア芯材に対する樹脂の固形分で2.5重量%となるように樹脂を秤量し、樹脂の固形分に対してアルミニウム系触媒を2重量%添加した。さらに樹脂の固形分が20重量%となるようにトルエンを添加したものを樹脂溶液として使用した。樹脂を塗布した後、完全に揮発分をなくすために250℃設定の熱風乾燥機で3時間乾燥させた。その後、凝集粒子を解砕して樹脂被覆キャリアを得た。
実施例1の表面酸化処理を行ったキャリア芯材粒子に対してアクリル樹脂(三菱レイヨン社製、ダイヤナールLR−269)を被覆樹脂として万能混合撹拌機により塗布した。このとき樹脂溶液はキャリア芯材に対する樹脂の固形分で1.5重量%となるように樹脂を秤量し、樹脂の固形分が10重量%となるようにトルエンを添加したものを使用した。なお、樹脂は粉末であるため樹脂溶液は50℃となるように湯煎し樹脂粉末が完全に溶解させた。樹脂を塗布した後、完全に揮発分をなくすために145℃設定の熱交換型攪拌加熱装置で3時間撹拌しながら乾燥させて樹脂被覆キャリアを得た。
実施例12〜14について、樹脂被覆後の帯電量測定結果を表7に示す。帯電量の測定方法は上述の通りである。
Figure 2012181398
表6の結果から明らかなように、本発明に係るフェライトキャリア芯材に各種樹脂被覆した実施例12〜14はいずれも十分なN/N環境下及びH/H環境下で十分な帯電特性を持った電子写真現像剤用フェライトキャリアとなった。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、適小粒径であるにもかかわらず、粒子形状が球形に近いが、表面に微小な凹凸が存在するためBET比表面積がTiを含有している従来の芯材粒子よりも大きく、かつ帯電性に優れ、芯材の割れ・欠けによるキャリア飛散が発生しにくく、長寿命である。そして、上記フェライトキャリア芯材に樹脂を被覆して得られるフェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤は、高い帯電量を有し、実機中おけるキャリア飛散が防止され、継続的に高画質の印刷物が得られる。また、本発明の製造方法によって、上記フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリアが安定的に生産性をもって得られる。
従って、本発明は、特に高画質の要求されるフルカラー機並びに画像維持の信頼性及び耐久性の要求される高速機の分野に広く使用可能である。

Claims (12)

  1. 1K・1000/4π・A/mの磁場をかけたときのVSM測定による磁化が50〜65Am/kg、BET比表面積が0.12〜0.30m/g、かつ平均粒径が20〜35μmであり、周囲長/包絡長の個数分布が下記範囲を満たすことを特徴とする電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材。
    1.02以上1.04未満:75個数%〜90個数%
    1.04以上1.06未満:20個数%以下
  2. SrTiOを0.2〜3重量%含有する請求項1に記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材。
  3. Mnを15〜22重量%、Mgを0.5〜3重量%、Feを45〜55重量%、Srを0.09〜3重量%、Tiを0.05〜0.8重量%含有する請求項1又は2に記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材。
  4. Srフェライトの重量/全Sr化合物の重量が下記式を満たす請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材。
    Figure 2012181398
  5. 表面酸化被膜が形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材。
  6. pH4標準液によるCl溶出量が0.1〜150ppmである請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材。
  7. 1mmGapの100Vにおける抵抗が5×10〜1×10Ωである請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のフェライトキャリア芯材の表面が樹脂で被覆されている電子写真現像剤用フェライトキャリア。
  9. 原料混合、仮焼、粉砕混合、本造粒、本焼成の各製造工程を含む電子写真用フェライトキャリア芯材の製造方法であって、
    上記粉砕混合工程及び/又は上記本造粒工程にSrTiOを含む物質を混合し、上記本焼成を1090〜1210℃で行うことを特徴とする電子写真用フェライトキャリア芯材の製造方法。
  10. 請求項9に記載の製造方法によって得られたフェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆することを特徴とする電子写真現像剤用フェライトキャリアの製造方法。
  11. 請求項8に記載のフェライトキャリアとトナーからなる電子写真現像剤。
  12. 補給用現像剤として用いられる請求項11に記載の電子写真現像剤。
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