JP2020154236A - フェライト粒子、電子写真現像剤用キャリア芯材、電子写真現像剤用キャリア及び電子写真現像剤 - Google Patents

フェライト粒子、電子写真現像剤用キャリア芯材、電子写真現像剤用キャリア及び電子写真現像剤 Download PDF

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Abstract

【課題】帯電付与能力等のキャリア特性に著しく優れ、感光体背景カブリ等の画像欠陥を効果的に抑制できるフェライト粒子、電子写真現像剤用キャリア芯材、電子写真現像材料キャリア及び電子写真現像剤の提供を課題とすること。【解決手段】pH4の標準液によるストロンチウム(Sr)溶出量A(ppm)と、ストロンチウム(Sr)含有量B(ppm)とが、0.02≦A/B≦0.20及び1000≦B≦25000の関係を満足し、硫黄成分の含有量が硫酸イオン換算で0.1〜200ppmであり、塩素イオン濃度が0.1〜30ppmである、フェライト粒子。【選択図】図1

Description

本発明は、フェライト粒子、電子写真現像剤用キャリア芯材、電子写真現像剤用キャリア及び電子写真現像剤に関する。
電子写真現像方法は、現像剤中のトナー粒子を感光体上に形成された静電潜像に付着させて現像する方法であり、この方法で使用される現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤と、トナー粒子のみを用いる一成分系現像剤とに分けられる。このうち、二成分系現像剤は、一成分系現像剤に比べて、現像剤を設計する際の制御性がよい。したがって、二成分系現像剤は、高画質が要求されるフルカラー現像装置や、画像維持の信頼性及び耐久性が要求される高速印刷現像装置での使用に適している。
二成分系現像剤を用いた現像方法として、古くはカスケード法等の手法が採用されていたが、現在では、マグネットロールを用いる磁気ブラシ法が主流である。磁気ブラシ法において、キャリア粒子は、現像剤が充填されている現像ボックス内で、トナー粒子と共に撹拌されることによって、トナー粒子に所望の電荷を付与するとともに、現像ロール(マグネットロール)により電荷を帯びたトナー粒子を感光体の表面に搬送して感光体上にトナー像を形成するための担体物質として働く。マグネットを保持する現像ロール上に残ったキャリア粒子は、現像ロールから再び現像ボックス内に戻り、新たなトナー粒子と混合及び撹拌され、一定期間繰り返して使用される。
二成分系現像剤を構成するキャリア粒子として、従来は、磁性を有する鉄粉キャリアが用いられてきた。しかしながら、高画質化、高耐久化、高信頼性といった市場の要求に応えるため、現在は、より軽量で高抵抗なフェライトキャリアが主流となっている。フェライトキャリアには、フェライト粒子からなるフェライトキャリアの他に、フェライト粒子をキャリア芯材とし、その表面に樹脂被覆層を設けた樹脂被覆フェライトキャリア、多孔質フェライト粒子をキャリア芯材とし、その細孔に樹脂を充填させた樹脂充填フェライトキャリア、あるいはフェライト粉(磁性粉)を樹脂に分散させた磁性粉分散型キャリアなどの各種キャリアが知られている。
最近、オフィスのネットワーク化が進み、単機能の複写機から複合機への時代に進化している。また、サービス体制も、契約した保守作業員が定期的にメンテナンスを行って現像剤等を交換するようなシステムから、メンテナンスフリーシステムの時代へシフトしてきており、市場からは、現像剤の更なる長寿命化に対する要求が一層高まっている。そのため、二成分系現像剤においては、画像品質を示す多くの画像特性(画像濃度、解像度、階調性等)が、初期の段階から所定の値を示し、しかも、耐用期間中に、また外部環境が変化しても、安定に維持されることが重要である。そして、これらの特性を安定的に維持するためにはキャリア芯材の特性が安定していることが重要である。
このような要求に着目し、キャリア芯材を構成するフェライト粒子にストロンチウム(Sr)を加えて特性改良を図ることが提案されている。例えば、特許文献1(特開2011−180296号公報)には、所定の組成式で表され、MnO及び/又はMgOの一部がSrOで置換されているフェライト芯材であって、該フェライト芯材の溶出法により測定されるCl濃度が0.1〜100ppmである電子写真現像剤用キャリア芯材が開示され、該キャリア芯材によれば、所望の高い帯電量を得ることができ、かつ環境変動による帯電量の変化が小さい効果がある旨が記載されている(特許文献1の請求項1及び[0034])。
特許文献2(特開2010−181524号公報)には、Mgを0.8〜5質量%、Tiを0.1〜1.5質量、Feを60〜70質量%及びSrを0.2〜2.5質量%含有し、SrのpH4標準液による溶出が80〜1000ppmである電子写真現像剤用キャリア芯材が開示され、該キャリア芯材によれば、Mnを必要以上に用いることなしに、高磁化でありながら中抵抗又は高抵抗といった所望の抵抗が得られ、かつ帯電特性に優れる効果がある旨が記載されている(特許文献2の請求項1及び[0042])。
特許文献3(特開2018−173445号公報)には、所定の組成式MFe3−Xで表され、M及び/又はFeの一部がSrで置換されたフェライト粒子からなるキャリア芯材であって、Srの含有量が2500ppm以上12000ppm以下で、純水による温度25℃におけるSr溶出量が50ppm以下で、見掛け密度が1.85g/cm以上2.25g/cm以下で、磁化σ1kが所定範囲であるキャリア芯材が開示され、該キャリア芯材は、高磁化及び高帯電性を有し、しかも帯電量の環境安定性に優れる旨が記載されている(特許文献3の請求項1及び[0015])。
特開2011−180296号公報 特開2010−181524号公報 特開2018−173445号公報
このように、キャリア芯材にストロンチウム(Sr)を加えることで、キャリアの帯電量付与能力の改善が図られている。しかしながら、さらなる高画質化、高耐久化及び高速印刷化の流れに応じて、キャリア芯材のより一層の改良が望まれる。
本発明者は、今般、ストロンチウム溶出量とストロンチウム含有量とが所定の関係を満足し、且つ硫黄成分含有量と塩素イオン濃度が所定の範囲内にあるフェライト粒子は、帯電付与能力等のキャリア特性に著しく優れ、その結果、キャリアや現像剤としたときに、感光体背景カブリ等の画像欠陥を効果的に抑制できるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明は、帯電付与能力等のキャリア特性に著しく優れ、感光体背景カブリ等の画像欠陥を効果的に抑制できるフェライト粒子、電子写真現像剤用キャリア芯材、電子写真現像材料キャリア及び電子写真現像剤の提供を課題とする。
本発明は、下記(1)〜(7)の態様を包含する。なお、本明細書において、「〜」なる表現は、その両端の数値を含む。すなわち、「X〜Y」は、「X以上Y以下」と同義である。
(1)pH4の標準液によるストロンチウム(Sr)溶出量A(ppm)と、ストロンチウム(Sr)含有量B(ppm)とが、0.02≦A/B≦0.20及び1000≦B≦25000の関係を満足し、
硫黄成分の含有量が硫酸イオン換算で0.1〜200ppmであり、塩素イオン濃度が0.1〜30ppmである、フェライト粒子。
(2)前記フェライト粒子が、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)からなる群から選ばれる1種以上の元素を含む、上記(1)のフェライト粒子。
(3)前記フェライト粒子は、その最表面におけるストロンチウム(Sr)量の、最表面から深さ1μmにおけるストロンチウム(Sr)量に対する比が2以上である、上記(1)又は(2)のフェライト粒子。
(4)前記フェライト粒子の見掛け密度が1.70〜2.50g/cmである、上記(1)〜(3)のいずれかのフェライト粒子。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかのフェライト粒子からなる電子写真現像剤用キャリア芯材。
(6)上記(5)のキャリア芯材と、前記キャリア芯材の表面に設けられた樹脂被覆層と、を備えた、電子写真現像剤用キャリア。
(7)上記(6)のキャリアと、トナーとを含む、電子写真現像剤。
本発明によれば、帯電付与能力等のキャリア特性に著しく優れ、感光体背景カブリ等の画像欠陥を効果的に抑制できるフェライト粒子、電子写真現像剤用キャリア芯材、電子写真現像材料キャリア及び電子写真現像剤が提供される。
現像剤の撹拌時間とトナー帯電量の関係を示す。
フェライト粒子
本発明のフェライト粒子は、pH4の標準液によるストロンチウム(Sr)溶出量A(ppm)と、ストロンチウム(Sr)含有量B(ppm)とが、0.02≦A/B≦0.20及び1000≦B≦25000の関係を満足する。また、このフェライト粒子は、硫黄成分含有量が硫酸イオン換算で0.1〜200ppmであり、塩素イオン濃度が0.1〜30ppmである。
本発明のフェライト粒子は、ストロンチウム(Sr)を1000〜25000ppm(0.1〜2.5質量%)含有する。これにより、磁化が高くなるとともに磁化バラツキが小さくなり、その結果、キャリアとしたときにキャリア飛散が抑制される。また、これにより、帯電付与能力が向上する。これに対して、ストロンチウム(Sr)を含有しないフェライト粒子は、磁化バラツキが大きく低磁化粒子を含んでいる。このような低磁化粒子は現像機内でマグネットロールから脱離して、キャリア飛散の原因となる。
その詳細なメカニズムは不明であるが、ストロンチウム(Sr)を含有させることで、フェライト粒子製造時のフェライト化反応が均一に進行し、その結果、フェライト化反応が不十分な低磁化粒子の発生が抑制されるのではないかと推測している。すなわち、ストロンチウム(Sr)は、フェライト粒子製造時の仮焼成工程や本焼成工程で、酸化鉄(Fe)と反応して、六方晶マグネトプラムバイト型フェライト(SrFe1219)や立方晶ペロブスカイト型フェライト(Sr−Fe化合物)を形成する。そして、その反応初期段階で低融点化合物が形成され、これがフェライト化の均一反応を促進させるのではないかと考えている。また、立方晶ペロブスカイト型フェライト(Sr−Fe化合物)は、誘電材料であるチタン酸ストロンチウム(SrTiO)と同様の結晶構造を有している。そのため、この立方晶ペロブスカイト型フェライト(Sr−Fe化合物)が形成されることで、帯電付与能力が向上すると推察している。
ストロンチウム(Sr)含有量が1000ppm(0.1質量%)未満では、上述の効果を十分に発揮させることができない。ストロンチウム(Sr)含有量は、2000ppm(0.2質量%)以上が好ましく、3000ppm(0.3質量%)以上がより好ましい。一方で、ストロンチウム(Sr)含有量が25000ppm(2.5質量%)を超えると、フェライト粒子をキャリアとしたときに現像機内でのトナーとの混合性が悪化する問題が生じる。これは、残留磁化及び保磁力の高い六方晶マグネトプロムバイト型フェライト(SrFe1219)の含有量が過多となり、フェライト粒子の流動性が悪くなるからである。ストロンチウム(Sr)含有量は、20000ppm(2.0質量%)以下が好ましく、15000ppm(1.5質量%)以下がより好ましい。
本発明のフェライト粒子は、pH4の標準液によるストロンチウム(Sr)溶出量A(ppm)とストロンチウム(Sr)含有量B(ppm)との比(A/B)が、0.02〜0.20(0.02≦A/B≦0.20)を満足する。これにより、キャリアとしたときの帯電付与能力が向上する。
フェライト粒子製造時に、ストロンチウム(Sr)のうち一部は、六方晶マグネトプラムバイト型フェライトや立方晶ペロブスカイト型フェライトを形成せず、遊離ストロンチウム(Sr)としてフェライト粒子表面に残存する。この遊離ストロンチウム(Sr)は、酸化鉄(Fe)原料に含まる不純物等と反応して、ストロンチウム塩として存在していると考えられる。このようなストロンチウム塩は、キャリアの帯電付与能力に悪影響を及ぼす。
遊離ストロンチウム(Sr)は、pH4の標準液に容易に溶解する。一方で、六方晶マグネトプラムバイト型フェライトや立方晶ペロブスカイト型フェライトに含まれるストロンチウム(Sr)は、pH4の標準液には溶解し難い。したがって、pH4の標準液によるストロンチウム(Sr)溶出量を指標とすることで、フェライト粒子表面に存在する遊離ストロンチウム(Sr)の量を見積もることが可能である。
ストロンチウム(Sr)溶出量比A/Bが0.20超であると、フェライト粒子をキャリアとしたときの帯電付与能力の環境変動及びトナー帯電量分布が大きくなり好ましくない。これは、フェライト粒子表面に遊離ストロンチウムが過度に多く存在するからである。帯電付与能力の環境変動が大きいと、例えば、高温高湿環境下での感光体背景カブリ等の画像欠陥の問題が生じる。また、トナー帯電量分布が大きいと、所望の極性と反対の極性(逆極性)を有するトナー(逆帯電トナー)が多くなる。逆帯電トナーは、用紙に転写されず現像機内で回収されて廃トナーとして排出される。そのため、逆帯電トナーが多いとトナーの利用効率が悪くなる。また、逆帯電トナーは、帯電ロール等の現像機内部材に付着して部材汚染をもたらすとともに、現像機内で飛散したトナーがフィルターの寿命を短くする問題がある。さらに、現像機内に蓄積した逆帯電トナーは、用紙上に落下して画像汚れを引き起こす恐れがある。したがって、逆帯電トナーが少ないこと、すなわちトナー帯電量分布が狭いことが望ましい。
これに加えて、溶出量比A/Bが0.20超であると、フェライト粒子をキャリアとしたときの帯電付与能力の立ち上がりが遅くなるという問題がある。これは、フェライト粒子表面に遊離ストロンチウムが過度に多く存在すると、イオン導電性によって電荷がリークするためである。帯電付与能力の立ち上がりが遅いと、トナー補給後に帯電量が速やかに立ち上がらなくなり、トナー飛散や感光体背景カブリ等の画像欠陥が発生する。溶出量比A/Bは、0.15以下が好ましく、0.10以下がより好ましい。
一方で、溶出量比A/Bが0.02未満であると、フェライト粒子をキャリアとしたときの帯電付与能力の絶対値が小さくなり過ぎるため好ましくない。これは、遊離ストロンチウムを過度に除去しようとすると、帯電付与能力向上の効果のある六方晶マグネトプラムバイト型フェライトや立方晶ペロブスカイト型フェライトまでもが分解されてしまうからである。そのため、トナーに十分な帯電量を付与することができず、感光体背景カブリ等の画像欠陥の原因となる。溶出量比A/Bは、0.03以上が好ましく、0.04以上がより好ましい。
本発明のフェライト粒子は、硫黄成分含有量が硫酸イオン(SO 2−)換算で0.1〜200ppmである。硫黄成分の含有量が過度に多いと、帯電付与能力の立ち上がりが遅くなる。これは、イオン導電性によって電荷がリークするためである。硫黄成分の含有量は、150ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ましい。一方で、硫黄成分含有量が0.1ppm未満のフェライト粒子を製造するためには、極端に品位の高い原料を用いる、もしくは品位を高めるための過度な工程を経なければならず、生産性に劣るという問題もある。硫黄成分含有量は、0.5ppm以上が好ましく、1.0ppm以上がより好ましい。
なお、硫黄成分含有量は、硫酸イオン換算で求められるものであるが、これは、フェライト粒子中の硫黄成分が硫酸イオンの形態で含まれるものに限定されることを意味する訳ではなく、硫黄単体、硫化金属、硫酸イオン、或いはその他の硫化物等の形態で含まれていてもよい。また、硫黄成分の含有量は、例えば、燃焼イオンクロマトグラフィー法により測定することが可能である。燃焼イオンクロマトグラフィー法は、試料を酸素含有ガス気流中で燃焼させて、発生したガスを吸収液に吸収させ、その後、吸収液に吸収した陰イオンを、イオンクロマトグラフィー法により定量分析する手法であり、従来困難であった陰イオンのppmオーダーでの分析を容易に行なうことが可能となる。
本発明のフェライト粒子は、塩素(Cl)イオン濃度が0.1〜30ppmである。塩素イオン濃度が過度に高いと、水分を吸着して、帯電付与能力を始めとする電気特性の環境変動が大きくなる。塩素イオン濃度は、25ppm以下が好ましく、20ppm以下がより好ましい。一方で、塩素イオンを0.1ppm未満とするためには、極端に品位の高い原料を用いる、もしくは品位を高めるための過度な工程を経なければならず、生産性に劣るという問題がある。塩素イオン濃度は、0.5ppm以上が好ましく、1.0ppm以上がより好ましい。なお、塩素イオン濃度は、例えば、燃焼イオンクロマトグラフィー法により測定することが可能である。
フェライト粒子の組成は、ストロンチウム(Sr)を含有し、キャリア芯材として機能するものであれば、特に限定されず、従来公知のフェライト組成とすることが可能である。しかしながら、フェライト粒子は、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)からなる群から選ばれる1種以上の元素を含むのが好ましい。一方で、近年の廃棄物規制をはじめとする環境負荷低減の流れを考慮すると、銅(Cu)、亜鉛(Zn)及びニッケル(Ni)等の重金属を、不可避不純物の範囲を超えて含まないことが望ましい。
フェライト粒子が、式:(MnO)(MgO)(Feで表され、MnO及びMgOの一部がSrOで置換されている組成を有するのが特に好ましい。ここで、x=35〜45モル%、y=5〜15モル%、z=40〜60モル%、x+y+z=100モル%である。xを35モル%以上及びyを15モル%以下とすることで、フェライトの磁化が高まり、キャリア飛散が抑制される。一方で、xを45モル%以下及びyを5モル%以上とすることで、帯電付与能力が高くなる。
本発明のフェライト粒子は、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)及び酸素(O)以外の添加成分の含有を排除するものではない。しかしながら、本発明のフェライト粒子は、添加成分を含まなくても帯電付与能力に著しく優れる。添加成分として、ケイ素(Si)、チタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)が挙げられる。このうち、チタン(Ti)の添加には、フェライト粒子の焼成温度を下げる効果がある。また、ケイ素(Si)又はジルコニウム(Zr)を添加すると、フェライト粒子表面にケイ素成分やジルコニウム成分が偏在し、フェライト粒子の電気特性の環境変動を抑制する効果がある。しかしながら、本発明のフェライト粒子は、このような添加成分を加えなくとも、いかなる環境においても帯電付与能力に優れる効果がある。ケイ素(Si)、チタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)のそれぞれの含有量は、1000ppm(0.1質量%)未満であってよく、500ppm(0.05質量%)未満であってよく、100ppm(0.01質量%)未満であってもよい。
本発明のフェライト粒子は、その表面に六方晶マグネトプラムバイト型フェライト及び/又は立方晶ペロブスカイト型フェライトが局在し、また、微細なストロンチウム(Sr)成分が偏在する。このストロンチウム(Sr)成分は遊離ストロンチウム(Sr)などである。したがって、フェライト粒子は、その表面におけるストロンチウム(Sr)量が、内部に比べて多い。フェライト粒子の最表面におけるストロンチウム(Sr)量の、最表面から深さ1μmにおけるストロンチウム(Sr)量に対する比は、2以上であるのが好ましく、4以上であるのがより好ましく、6以上であるのがさらに好ましい。
フェライト粒子の体積平均粒径(D50)は、20μm以上が好ましく、25μm以上がより好ましく、30μm以上がさらに好ましい。これにより、キャリア飛散がより抑制される。一方で、体積平均粒径は、50μm以下が好ましく、45μm以下がより好ましく、40μm以下がさらに好ましい。これにより、画質がより向上する。
フェライト粒子の見掛け密度(AD)は、1.70〜2.50g/cmが好ましい。1.70g/cm以上とすることで、フェライト粒子の流動性が向上する。見掛け密度は、1.85g/cm以上がより好ましく、2.00g/cm以上がさらに好ましい。一方で、2.50g/cm以下とすることで、現像機内での撹拌ストレスによる帯電特性劣化がより抑制される。見掛け密度は、2.40g/cm以下がより好ましく、2.30g/cm以下がさらに好ましい。
フェライト粒子は、常温常湿(N/N)環境下の電気抵抗(RN/N、単位:Ω)の対数値(LogRN/N)が、9.0以上であるのが好ましく、9.3以上であるのがより好ましい。これにより、電荷リークによる白斑発生やキャリア飛散を抑制することが可能となる。ここで、常温常湿環境とは室温20〜25℃、相対湿度50〜60%の環境のことである。
また、フェライト粒子は、電気抵抗環境変動比(C/D)が、1.30以下であるのが好ましく、1.25以下であるのがより好ましく、1.20以下であるのがさらに好ましい。これにより、フェライト粒子をキャリアとしたときに、帯電付与能力の環境変動がさらに抑制される。ここで、電気抵抗環境変動比(C/D)は、高温高湿(H/H)環境下の電気抵抗(RH/H、単位:Ω)の対数値(LogRH/H)と、低温低湿(L/L)環境下の電気抵抗(RL/L、単位:Ω)の対数値(LogRL/L)の比((LogRL/L)/(LogRH/H))のことである。また、高温高湿環境とは温度30〜35℃、相対湿度80〜85%の環境のことであり、低温低湿環境とは温度10〜15℃、相対湿度10〜15%の環境のことである。
本発明のフェライト粒子は、帯電付与能力等のキャリア特性に著しく優れる。特に、このフェライト粒子は、磁化が高いとともに磁化バラツキが小さく、その結果、キャリアとしたときにキャリア飛散が抑制される。また、本発明のフェライト粒子は、帯電付与能力の環境変動が小さく且つ帯電付与能力の立ち上がりに優れている。さらに、本発明のフェライト粒子によれば、部材汚染や画像汚れを引き起こす逆帯電トナーの発生が抑制される。そのため、このフェライト粒子をキャリア芯材やキャリアとして用いることで、いかなる環境でも、安定して、キャリア飛散、トナー飛散及び感光体背景カブリ等の画像欠陥が抑制される。
電子写真現像剤用キャリア芯材
本発明の電子写真現像剤用キャリア芯材は、上記フェライト粒子からなる。このようなキャリア芯材は、ストロンチウム溶出量とストロンチウム含有量とが所定の関係を満足し、且つ硫黄成分含有量と塩素イオン濃度が所定の範囲内にある。そのため、いかなる環境でも、安定して、キャリア飛散、トナー飛散及び感光体背景カブリ等の画像欠陥が抑制される。
電子写真現像材料キャリア
本発明の電子写真現像剤用キャリアは、上記キャリア芯材と、このキャリア芯材の表面に設けられた樹脂被覆層と、を備える。樹脂被覆キャリアは、キャリア特性を精度よく制御できるとともに、トナースペントを防止できる利点がある。キャリア特性はキャリア表面に存在する材料や性状に影響されることがある。したがって、適当な樹脂を表面被覆することによって、所望とするキャリア特性を、精度良く付与することができる。また、樹脂被覆層により、キャリア芯材を構成するフェライト粒子が直接トナーと接触する機会が減る。そのため、キャリアにトナーが融着する現象、所謂トナースペントを防止できる。
被覆樹脂の種類は、特に制限されない。例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フッ素アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、シリコーン樹脂、あるいはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の各樹脂で変性したシリコーン樹脂等が挙げられる。使用中の機械的ストレスによる樹脂の脱離を考慮すると、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。具体的な熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂及びそれらを含有する樹脂等が挙げられる。樹脂の被覆量は、キャリア芯材(樹脂被覆前)100質量部に対して、0.5〜10.0質量部が好ましい。
また、被覆樹脂中には、帯電制御剤を含有させることができる。帯電制御剤の例として、トナー用に一般的に用いられる各種の帯電制御剤や、各種シランカップリング剤が挙げられる。使用できる帯電制御剤やカップリング剤の種類は特に限定されないが、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等の帯電制御剤、アミノシランカップリング剤やフッ素系シランカップリング剤等が好ましい。
さらに、キャリア特性をコントロールすることを目的に、上記の帯電制御剤以外に、被覆樹脂中に導電剤を添加することができる。添加量としては、被覆樹脂の固形分に対し0.25〜20.0質量%が好ましく、0.5〜15.0質量%がより好ましく、1.0〜10.0質量%がさらに好ましい。導電剤としては、カーボンブラック等の導電性カーボン、酸化スズや酸化チタン等の酸化物及び各種有機系導電剤が挙げられる。
現像剤
本発明の現像剤は、上記電子写真現像剤用キャリアとトナーを含む。現像剤を構成するトナーには、粉砕法によって製造される粉砕トナー粒子と、重合法により製造される重合トナー粒子とがある。いずれのトナー粒子を使用してもよい。トナー粒子の平均粒径は、2〜15μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。平均粒径を2μm以上とすることで、帯電能力が向上しカブリやトナー飛散がより抑制される。また、15μm以下とすることで、画質がさらに向上する。キャリアとトナーの混合比、すなわちトナー濃度は、3〜15質量%に設定することが好ましい。トナー濃度を3質量%以上とすることで、所望の画像濃度が得やすくなり、15質量%以下とすることで、トナー飛散やかぶりがより抑制される。一方で、現像剤を補給用現像剤として用いる場合には、キャリアとトナーの混合比を、キャリア1質量部に対してトナー2〜50質量部とすることができる。
本発明の現像剤は、有機光導電体層を有する潜像保持体に形成されている静電潜像を、バイアス電界を付与しながら、トナー及びキャリアを有する二成分現像剤の磁気ブラシによって反転現像する現像方式を用いたデジタル方式のコピー機、プリンター、FAX、印刷機等に使用することができる。また、磁気ブラシから静電潜像側に現像バイアスを印加する際に、DCバイアスにACバイアスを重畳する方法である交番電界を用いるフルカラー機等にも適用可能である。
フェライト粒子(キャリア芯材)の製造
本発明のフェライト粒子(キャリア芯材)の製造方法は、少なくとも、以下の工程;フェライト粒子の原料を混合及び粉砕して原料混合物とする工程、原料混合物を仮焼成して仮焼成物とする工程、仮焼成物を粉砕及び造粒して造粒物とする工程、造粒物を本焼成して焼成物とする工程、及び焼成物を洗浄する工程を含むことが好ましい。以下において、各工程の詳細について説明する。
<原料の混合粉砕>
原料の混合粉砕工程では、フェライト粒子の原料を混合及び粉砕して、原料混合物とする。原料は、所望のフェライト組成が得られる限り限定されず、酸化物、炭酸塩、水酸化物及び/又は塩化物などを用いることができる。このような原料として、例えば、酸化鉄(Fe、Fe)、酸化マンガン(MnO、Mn、Mn)、炭酸マンガン(MnCO)、酸化マグネシウム(MgO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、炭酸マグネシウム(MgCO)及び炭酸ストロンチウム(SrCO)などが挙げられる。
次に、原料を秤量し、混合及び粉砕する。混合及び粉砕方法は、特に限定されず、公知の手法でよい。例えば、振動ミル、ボールミル又はビーズミルなどの粉砕機を用い、乾式及び湿式のいずれか一方又は両方で行う。混合及び粉砕時間は0.5時間以上が好ましく、1〜20時間がより好ましい。
<仮焼成>
仮焼成工程では、得られた原料混合物を仮焼成して、仮焼成物とする。仮焼成の条件は、特に限定されず、公知の条件とすればよい。例えば、大気雰囲気下700〜1300℃の温度で0.5〜10時間行う。また、必要に応じて、仮焼成前に原料混合物を造粒してもよい。造粒方法は、例えば、ローラーコンパクター等の加圧成型機を用いてペレット化する手法、あるいは原料混合物に水を加えてスラリー化し、スプレードライヤーを用いて粒状化する手法が挙げられる。
<粉砕及び造粒>
粉砕及び造粒工程では、仮焼成物を粉砕及び造粒して造粒物とする。粉砕方法は、特に限定されず、公知の手法でよい。例えば、振動ミル、ボールミル又はビーズミルなどの粉砕機を用い、乾式及び湿式のいずれか一方又は両方で行う。造粒方法も、特に限定されず、公知の手法でよい。例えば、粉砕後の仮焼成物に、水及び必要に応じて分散剤やポリビニルアルコール(PVA)等のバインダーを加えて粘度を調整し、その後、スプレードライヤー等の造粒機を用いて行う。また、造粒時にバインダー等の有機物を加えた場合には、造粒後に熱処理して有機物を除去してもよい。熱処理温度は、有機物の種類に応じて決めればよいが、例えば500〜1000℃である。
<本焼成>
本焼成工程では、造粒物を焼成して焼成物とする。焼成の条件は、特に限定されず、公知の条件でよい。例えば、酸素濃度0.0〜5.0容量%の雰囲気下で、800〜1500℃の温度で1〜24時間保持する条件で行う。焼成には、ロータリー式電気炉、バッチ式電気炉及びトンネル式電気炉などの公知の炉を用いる。また、焼成の際に、窒素等の不活性ガスや水素や一酸化炭素などの還元性ガスを導入して、炉中の酸素濃度を制御してもよい。さらに、必要に応じて、得られた焼成物を解砕し、その後、分級して粗粒子や微粒子を取り除いてもよい。解砕は、ハンマークラッシャーなどの公知の解砕機を用いればよい。また、分級も公知の手法で行えばよい。
<洗浄処理>
洗浄処理として、焼成物に湿式で洗浄処理を施すことが挙げられる。湿式による洗浄処理は、例えば、焼成物にイオン交換水等の水を加えてスラリーとし、脱水及び加水を繰り返すことで行う。スラリーの脱水は、例えば、ロータリーフィルターを用いて行う。ロータリーフィルターは、ろ過室と、ろ過室内で交互に配列するろ過板と撹拌板から構成されている。ろ過室の供給口から加圧供給された原料スラリーは、ろ過室内を移動する間に、ろ過板により脱水濃縮され、排出口から濃縮液又はペースト状のケーキとして排出される。ロータリーフィルターの運転中、撹拌板は常時回転している。そのため、脱水されたケーキがろ過板上に厚く堆積されることが抑制され、その結果、スラリーの脱水及び濃縮が効率的に行われる。得られたケーキに水を加えて再度スラリー化した後に脱水する一連の操作を繰り返すと、焼成物が洗浄される。
スラリー脱水の際、脱水により得られたろ液の電導度を洗浄度の指標とすることができる。すなわち、洗浄が進むにつれ、焼成物(フェライト粒子)の遊離ストロンチウム、硫黄成分及び塩素イオンの含有量が減少する。また、それに応じて、ろ液中の遊離ストロンチウム、硫黄成分及び塩素イオンの含有量も減少し、ろ液の電導度が小さくなっていく。したがって、ろ液の電導度が所定の値になった時点で洗浄処理を終了すると、遊離ストロンチウム、硫黄成分及び塩素イオンが低減されたフェライト粒子が得られる。しかしながら、洗浄処理を過度に行うと、遊離ストロンチウムが過度に少なくなり好ましくない。洗浄処理終了時のろ液の最適電導度は、供給スラリー濃度やロータリーフィルターの種類によって異なり、一概に限定されるものではない。しかしながら、スラリー濃度25質量%とし、ロータリーフィルター(株式会社広島メタル&マシナリー、RF−02)を用いた洗浄を行った場合には、ろ液電導度が20〜200μS/cmとなったときに、洗浄処理を終了するのがよい。洗浄処理後に、スラリーに脱水処理を施し、得られた濃縮液又はケーキを乾燥して、フェライト粒子を得る。乾燥処理は、公知の手法で行えばよく、例えば100℃で行う。
このように、本発明の製造方法では、本焼成工程を経た焼成物の洗浄処理を行い、これにより、フェライト粒子中の遊離ストロンチウム、硫黄成分及び塩素イオン量の低減を図っている。これに対して、仮焼成後の粉砕工程の段階で、仮焼成物の洗浄を行うことも考えられる。しかしながら、硫黄成分には焼結性を阻害する働きがある。そのため、仮焼成物の段階で硫黄成分を除去し過ぎてしまうと、本焼成時にフェライト粒子の焼結が均一に進まなくなる。そのため、フェライト粒子の帯電付与能力にバラツキが生じ、逆帯電トナーの発生を促す恐れがある。また、仮焼成物の洗浄を行うと、ストロンチウム(Sr)成分が過度に流出し、必要とされるストロンチウム(Sr)が残らないという問題がある。さらに、仮焼成工程や本焼成工程で、炉内雰囲気ガスの流量を調整して、フェライト粒子から塩素を揮散させて除去することも考えられる。しかしながら、このような手法では、硫黄成分や遊離ストロンチウムといった蒸気圧の低い成分を効率的に除去することができない。このため、本発明の製造方法では、本焼成工程の段階で洗浄処理を行うのが望ましく、これにより、フェライト粒子中の遊離ストロンチウム、硫黄成分及び塩素イオン量を精度よく制御することが可能となる。
<酸化被膜形成>
必要に応じて、洗浄処理を施した焼成物(フェライト粒子)を低温加熱して、表面に酸化被膜を形成してもよい。酸化被膜を形成することで、フェライト粒子の電気抵抗を調整することができる。酸化被膜の形成方法は、特に限定されず、公知の手法でよい。例えば、ロータリー式電気炉やバッチ式電気炉などの炉を用い、300〜700℃の温度で焼成物を熱処理する。酸化被膜の厚さは、熱処理温度や保持時間を制御することで調整できる。
このようにして、本発明のフェライト粒子(キャリア芯材)が作製される。このフェライト粒子は、仮焼成工程及び本焼成工程で、ストロンチウム(Sr)成分が鉄(Fe)成分と反応して、六方晶マグネトプラムバイト型フェライトや立方晶ペロブスカイト型フェライトを形成する。この六方晶マグネトプラムバイト型フェライトや立方晶ペロブスカイト型フェライトは、本焼成工程でフェライト粒子表面に移動する。また、ストロンチウム成分のうち、六方晶マグネトプラムバイト型フェライトや立方晶ペロブスカイト型フェライトを形成せず且つ本焼成後の洗浄処理でも除去し切れなかったものは、フェライト粒子表面に偏在する。したがって、本発明のフェライト粒子(キャリア芯材)は、その表面に六方晶マグネトプラムバイト型フェライト及び/又は立方晶ペロブスカイト型フェライトが局在し、さらに微細なストロンチウム(Sr)成分が偏在する。
本発明を、以下の例によってさらに具体的に説明する。
例1
(1)フェライト粒子(キャリア芯材)の作製
<原料の混合粉砕>
焼成後の組成比が、MnO:39.6mol%、MgO:9.6mol%、Fe:50.0mol%及びSrO:0.8mol%となるように、原料を秤量した。その際、原料として、酸化鉄(Fe):34.2kg、四酸化三マンガン(Mn):12.9kg、水酸化マグネシウム(Mg(OH)):2.4kg及び炭酸ストロンチウム(SrCO):0.5kgを用いた。秤量した原料を、乾式メディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)を用いて5時間混合及び粉砕して、原料混合物とした。
<仮焼成>
得られた原料混合物を仮焼成した。まず、原料混合物を、ローラーコンパクターを用いて約1mm角のペレットにした。得られたペレットから、目開き3mmの振動篩を用いて粗粒子を除去し、さらに、目開き0.5mmの振動篩を用いて微粒子を除去した。粗粒子及び微粒子を除去したペレットを、連続式電気炉を用いて1050℃で3時間加熱して仮焼成物とした。
<粉砕及び造粒>
得られた仮焼成物を、乾式メディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)を用いて、平均粒径が約5μmとなるまで6時間粉砕した後、水を加え、さらに湿式メディアミル(横型ビーズミル、1mm径のジルコニアビーズ)を用いて4時間粉砕してスラリーを得た。得られたスラリーに、バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA、10質量%溶液)を仮焼成物に対して0.4質量%添加し、さらにポリカルボン酸径分散剤を添加して、スラリー粘度を2ポイズに調整した。
次に、粘度調整後のスラリーを、スプレードライヤーを用いて造粒及び乾燥した。その際、本焼成後の焼成物の平均粒度が35μmとなるように条件を設定した。得られた造粒物の粒度をジャイロシフターを用いて調整した後、粒度調整した造粒物を、ロータリー式電気炉を用いて大気雰囲気下750℃で2時間加熱して、分散剤やバインダー等の有機成分を除去した。
<本焼成>
有機成分を除去した造粒物を、トンネル式電気炉を用いて焼成し、焼成物とした。焼成は、造粒物を焼成温度1140℃、酸素濃度0.0容量%にて、5時間保持することにより行った。昇温速度は150℃/時、降温速度は110℃/時とした。また、窒素ガスを電気炉の出口側から導入し、電気炉の内部圧力を0〜10Pa(正圧)にした。得られた焼成物をハンマークラッシャーで解砕した後、ジャイロシフターを用いて粗粒子を除去し、さらに、精密空気分級機(日清エンジニアリング株式会社、ターボクラシファイア)を用いて微粒子を分級除去する粒度調整を行った。磁力選鉱により、粒度調整後の焼成物から低磁力品を分級除去して、フェライト粒子を得た。
<洗浄処理>
得られた粒子に対して洗浄処理を行った。その際、ロータリーフィルター(株式会社広島メタル&マシナリー、RF−02)にポリプロピレン製二重織布(KE−078)からなるろ材をセットした洗浄装置を用いた。まず、フェライト粒子25質量%とイオン交換水75質量%からなるスラリーを洗浄装置に導入し、液温25℃、ろ過圧力0.4MPaの条件で循環洗浄を行った。そして、ろ液の電導度が100μS/cmとなった時点で洗浄を終了した。循環洗浄中は、スラリー濃度が一定を保つように、イオン交換水を給水した。また、ろ過速度が低下したときは、逆洗浄を適宜実施した。洗浄処理後に、得られたスラリーを脱水し、100℃で乾燥させて、洗浄処理したフェライト粒子(キャリア芯材)を得た。
例2
洗浄処理の際、ろ液の電導度が50μS/cmとなった時点で洗浄を終了した以外は、例1と同様にして、フェライト粒子(キャリア芯材)の作製を行った。
例3
洗浄処理の際、液温を50℃とし、ろ液の電導度が30μS/cmとなった時点で洗浄を終了した以外は、例1と同様にして、フェライト粒子(キャリア芯材)の作製を行った。
例4
洗浄処理の際、循環スラリーのタンクに超音波ホモジナイザーを設置及び運転させ、ろ液の電導度が30μS/cmとなった時点で洗浄を終了した以外は、例1と同様にして、フェライト粒子(キャリア芯材)の作製を行った。
例5(比較)
洗浄処理を行わなかった以外は、例1と同様にして、フェライト粒子(キャリア芯材)の作製を行った。
例6(比較)
洗浄処理の際、ろ液の電導度が300μS/cmとなった時点で洗浄を終了した以外は、例1と同様にして、フェライト粒子(キャリア芯材)の作製を行った。
例7(比較)
洗浄処理の際、ろ液の電導度が5μS/cmとなった時点で洗浄を終了した以外は、例1と同様にして、フェライト粒子(キャリア芯材)の作製を行った。
例8(比較)
仮焼成物粉砕時の条件を変え、本焼成後のフェライト粒子の洗浄処理を行わなかった以外は、例1と同様にして、フェライト粒子(キャリア芯材)の作製を行った。ここで、仮焼成物の粉砕は次のようにして行った。すなわち、乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)を用いて、6時間、平均粒径が約5μmになるまで粉砕した後、水を加え、さらに湿式のメディアミル(横型ビーズミル、1mm径のジルコニアビーズ)を用いて2時間粉砕した。得られたスラリーをフィルタープレス機にて圧搾脱水した後、ケーキに水を加え、再び湿式のメディアミル(横型ビーズミル、1mm径のジルコニアビーズ)を用いて2時間粉砕した。得られたスラリーを再びフィルタープレス機にて圧搾脱水した後、ケーキに水を加え、再び湿式のメディアミル(横型ビーズミル、1mm径のジルコニアビーズ)を用いて2時間粉砕した。
例9
(2)キャリアの作製
例1で得られたキャリア芯材(フェライト粒子)の表面に樹脂被覆層を設けて、キャリアを作製した。樹脂被覆層の形成は次のようにして行った。まず、アクリル樹脂(BR−52、三菱レイヨン社製)をトルエンに溶解させ、樹脂濃度10%のアクリル樹脂溶液を作製した。フェライト粒子100質量部と、アクリル樹脂溶液2.5質量部(樹脂濃度10%のため固形分としては0.25質量部)を、万能混合撹拌機にて混合撹拌し、トルエンを揮発させながら樹脂をフェライト粒子表面に被覆した。トルエンが充分揮発したことを確認した後、装置内から取り出して容器に入れ、熱風加熱式のオーブンにて150℃で2時間加熱処理を行った。その後、室温まで冷却し、樹脂が被覆されたフェライト粒子を取り出し、200メッシュの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。その後、再度200メッシュの目開きの振動篩にて粗大粒子を取り除き樹脂が被覆されたフェライトキャリアを得た。
(3)評価
例1〜例7で得られたフェライト粒子(キャリア芯材)について、各種特性の評価を以下のとおり行った。
<体積平均粒子径>
フェライト粒子の体積平均粒子径(D50)を、次のようにして測定した。まず、キャリア芯材10gを、分散媒たる水80mlとともに、100mlのビーカーに入れ、分散剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムを2〜3滴添加した。次いで、超音波ホモジナイザー(株式会社エスエムティー、UH−150型)を用い、出力レベルを4に設定して、20秒間の分散を行った。その後、ビーカー表面にできた泡を取り除き、試料をマイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社、Model9320−X100)に投入して測定を行った。得られた分析結果から、体積平均粒子径(D50)を求めた。
<見掛け密度>
フェライト粒子の見掛け密度(AD)を、JIS−Z2504(金属粉の見掛け密度試験法)に従って測定した。
<イオン含有量>
フェライト粒子中の陰イオン成分の定量分析を、燃焼イオンクロマトグラフィー法にて行った。分析条件は次のとおりとした。
‐ 燃焼装置:株式会社三菱化学アナリテック製AQF−2100H
‐ 試料量:50mg
‐ 燃焼温度:1100℃
‐ 燃焼時間:10分
‐ Ar流量:400ml/分
‐ O流量:200ml/分
‐ 加湿Air流量:100ml/分
‐ 吸収液:過酸化水素を1%含む溶離液
‐ 分析装置:東ソー株式会社製IC−2010
‐ カラム:TSKgel SuperIC−Anion HS(4.6mmI.D.×
1cm+4.6mmI.D.×10cm)
‐ 溶離液:NaHCO(3.8mmol/L)+NaCO(3.0mmol/L)
‐ 流速:1.5mL/分
‐ カラム温度:40℃
‐ 注入量:30μL
‐ 測定モード:サプレッサ方式
‐ 検出器:CM検出器
‐ 標準試料:関東化学社製陰イオン混合標準液
<Sr含有量>
フェライト粒子のストロンチウム(Sr)含有量の測定を次のようにして行った。まず、フェライト粒子0.2gを秤量し、純水60mlに1Nの塩酸20ml及び1Nの硝酸20mlを加えたものを加熱し、フェライト粒子を完全溶解させた水溶液を準備した。次に、ICP分析装置(島津製作所製ICPS−1000IV)を用いて、準備した水溶液のSr含有量を測定した。
<Sr溶出量>
フェライト粒子のストロンチウム(Sr)溶出量の測定を次のようにして行った。まず、フェライト粒子50gとpHメーター校正用pH4標準液50mlを100mlガラスビンに入れ、ペイントシェーカーで10分間攪拌した。攪拌終了後に上澄み液を2mlサンプリングし、純水を加えて100mlに希釈した。希釈した溶液をICPにて測定し、得られた測定値を50倍してSr溶出量の値とした。なお、pH4標準液はJIS Z 8802のpH測定方法に指定されているものを使用した。
<電気抵抗>
フェライト粒子の常温常湿(N/N)環境下、高温高湿(H/H)環境下及び低温低湿(L/L)環境下での電気抵抗特性を求めた。なお、常温常湿環境とは室温20〜25℃、相対湿度50〜60%の環境のことであり、高温高湿環境とは温度30〜35℃、相対湿度80〜85%の環境のことであり、低温低湿環境とは温度10〜15℃、相対湿度10〜15%の環境のことである。
まず、フェライト粒子の常温常湿環境下の電気抵抗(RN/N)を次のようにして測定した。すなわち、電極間間隔6.5mmにて非磁性の平行平板電極(10mm×40mm)を対向させ、その間に試料200mgを秤量して充填した。次に、磁石(表面磁束密度:1500Gauss、電極に接する磁石の面積:10mm×30mm)を平行平板電極に付けることにより電極間に試料を保持させ、500Vの電圧を印加し、絶縁抵抗計(東亜ディケーケー(株)製SM−8210)にて電気抵抗RN/N(単位:Ω)を測定し、その対数値(LogRN/N)を求めた。なお、この測定は、常温常湿環境となるように制御された恒温恒湿室内に、試料を12時間以上暴露した後に行った。
フェライト粒子の高温高湿環境下の電気抵抗(RH/H)は次のようにして測定した。すなわち、高温高湿環境となるように制御された室内に試料を12時間以上暴露した以外は、常温常湿環境下での電気抵抗と同様の手法で、電気抵抗RH/H(単位:Ω)を測定し、その対数値(LogRH/H)を求めた。
フェライト粒子の低温低湿環境下の電気抵抗(RL/L)は次のようにして測定した。すなわち、低温低湿環境となるように制御された室内に試料を12時間以上暴露した以外は、常温常湿下での電気抵抗と同様の手法で、電気抵抗RL/L(単位:Ω)を測定し、その対数値(LogRL/L)を求めた。
そして、上記LogRH/H及びLogRL/Lを用いて、フェライト粒子の電気抵抗環境変動比(C/D)を、式:C/D=(LogRL/L)/(LogRH/H)から求めた。
<帯電量>
フェライト粒子(キャリア芯材)の常温常湿(N/N)環境下、高温高湿(H/H)環境下及び低温低湿(L/L)環境下での帯電量の測定を行った。帯電量測定装置として、円筒形のアルミ素管(スリーブ)と、スリーブの内側に配置されたマグネットロールと、スリーブの外側を取り囲むように配置された円筒状の電極とからなる装置を用いた。スリーブは直径31mm、長さ76mmであった。マグネットロールは、合計8極の磁石(磁束密度0.1T)が、そのN極とS極が交互となるように配置した構造を有していた。円筒形のスリーブと円筒状の電極は、その間のギャップが5.0mmであった。
常温常湿(N/N)環境下での帯電量測定を、次のようにして行った。まず、フェライト粒子(キャリア芯材)と、フルカラープリンターに使用されている市販の負極性トナー(シアントナー、富士ゼロックス株式会社製DocuPrintC3530用)とを、トナー濃度が7.3質量%、総質量が50gとなるように秤量した。秤量したフェライト粒子とトナーを、温度20〜25℃及び相対湿度50〜60%の常温常湿環境下に12時間以上暴露した。その後、フェライト粒子とトナーを50mlのガラス瓶に入れ、120rpmの回転数にて、5分間又は30分間撹拌を行なって現像剤とした。
帯電量測定装置のスリーブ上に、現像剤0.5gを均一に付着させた。次に、スリーブを固定したまま、内側のマグネットロールを100rpmの回転数で回転させ、その状態で、外側の電極とスリーブの間に、直流電圧2000Vを60秒間印加した。電圧印加により、現像剤中のトナーは外側の電極に移行した。このとき、円筒状の電極にエレクトロメーター(KEITHLEY社、絶縁抵抗計、model6517A)をつなぎ、移行したトナーの電荷量を測定した。60秒経過後に印加電圧を切った。マグネットロールの回転を止め、外側の電極を取り外し、電極に移行したトナーを回収して、その質量を測定した。測定されたトナーの電荷量と質量から、帯電量(QN/N、単位:μC/g)を計算した。
高温恒湿(H/H)環境下での帯電量を、次のようにして測定した。すなわち、フェライト粒子(キャリア芯材)とトナーを、温度30〜35℃及び相対湿度80〜85%の高温高湿環境下に12時間以上暴露した後、常温常湿環境下と同じ方法で帯電量(QH/H、単位:μC/g)を求めた。
低温低湿(L/L)環境下での帯電量を、次のようにして測定した。すなわち、フェライト粒子(キャリア芯材)とトナーを、温度10〜15℃及び相対湿度10〜15%の低温低湿環境下に12時間以上暴露した後、常温常湿環境下と同じ方法で帯電量(QL/L、単位:μC/g)を求めた。
<帯電量分布>
常温常湿(N/N)環境下でのトナー帯電量分布の測定を、次のようにして行った。まず、フェライト粒子(キャリア芯材)と、フルカラープリンターに使用されている市販の負極性トナー(シアントナー、富士ゼロックス株式会社製DocuPrintC3530用)とを、トナー濃度が7.3質量%、総質量が50gとなるように秤量した。秤量したキャリア芯材とトナーを、温度20〜25℃及び相対湿度50〜60%の常温常湿環境下に12時間以上暴露した。その後、キャリア芯材とトナーを50mlのガラス瓶に入れ、120rpmの回転数にて、5分間撹拌を行なって現像剤とした。
次に、得られた現像剤について、帯電量・粒子径分布測定装置(ホソカワミクロン株式会社、E−SPART Analyzer EST−G)を用いて帯電量分布を測定した。測定は、現像剤を電磁石に保持させ、適正圧力の窒素ガスを吹き付けることにより、トナーのみを現像剤から分離し、測定装置の測定部に導入した。3000個のトナーに対して解析を行い、逆帯電トナー(逆極性トナー)の比率(個数%)を求めた。
<Sr量分布>
フェライト粒子(キャリア芯材)について、ストロンチウム(Sr)量分布の分析を、X線電子分光法(XPS)を用いて行った。分析は次の条件で行った。
‐ 測定装置:アルバック・ファイ株式会社製 Versa Probe II
‐ X線源:AlKα線 1486.7eV
‐ 測定強度:50W
‐ 測定領域:200μmφ
‐ 測定条件:半定量用ナロー測定
‐ パスエネルギー:26eV
‐ エネルギーステップ:0.1eV
‐ 光電子脱出角度:45°
‐ エッチング源:Arイオン
‐ エッチング速度:8nm/分(SiO換算)
‐ データ解析:アルバック・ファイ株式会社製 MultiPak9.0
‐ 定量分析:CおよびOを除く構成元素についての半定量(atom%)
(4)結果
例1〜例7のフェライト粒子(キャリア芯材)について、得られた評価結果を表1に示す。また、例2及び例5について、現像剤の撹拌時間とトナー帯電量の関係を図1に示す
表1に示されるように、例5及び例6は、硫黄成分含有量、塩素イオン濃度及びストロンチウム溶出量比A/Bが高すぎ、本発明の範囲を超えていた。そのため、フェライト粒子の電気抵抗環境変動比(C/D)及び帯電量の環境変動(F/H)が大きく、環境安定性に劣っていた。また、例5及び例6は、帯電量の立ち上がり(E/G)が小さく(遅く)、逆帯電トナーを多く含んでいた。一方で、例7は、溶出量比A/Bが低すぎ、本発明の範囲を下回っていた、そのため、環境安定性には優れるものの、電気抵抗が低すぎ帯電付与能力に劣っていた。
また、例8のフェライト粒子は、陰イオン量がCl:25.7ppm、SO:183ppmであり、Sr溶出量:61ppm、Sr含有量500ppmであった。これから分かるように、Sr含有量が所望のフェライト組成から外れていた。
これに対して、例1〜例4は、ストロンチウム溶出量比A/B、ストロンチウム含有量B、硫黄成分含有量及び塩素イオン濃度の全てが本発明の範囲内であった。そのため、帯電付与能力の環境変動が小さく環境安定性に優れていた。また、帯電付与能力の立ち上がりに優れ、部材汚染や画像汚れを引き起こす逆帯電トナーの発生が効果的に抑制されていた。
この例1〜例4は、フェライト粒子の最表面におけるストロンチウム(Sr)量の、最表面から深さ1μmにおけるストロンチウム(Sr)量に対する比が、7以上と高かった。このことから、このフェライト粒子は、その表面にストロンチウム(Sr)が偏在していることが分かった。
また、例9のキャリアを市販のフルカラープリンターに使用して印刷を行った結果、画像特性は良好であった。
Figure 2020154236

Claims (7)

  1. pH4の標準液によるストロンチウム(Sr)溶出量A(ppm)と、ストロンチウム(Sr)含有量B(ppm)とが、0.02≦A/B≦0.20及び1000≦B≦25000の関係を満足し、
    硫黄成分の含有量が硫酸イオン換算で0.1〜200ppmであり、塩素イオン濃度が0.1〜30ppmである、フェライト粒子。
  2. 前記フェライト粒子が、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)からなる群から選ばれる1種以上の元素を含む、請求項1に記載のフェライト粒子。
  3. 前記フェライト粒子は、その最表面におけるストロンチウム(Sr)量の、最表面から深さ1μmにおけるストロンチウム(Sr)量に対する比が2以上である、請求項1又は2に記載のフェライト粒子。
  4. 前記フェライト粒子の見掛け密度(AD)が1.70〜2.50g/cmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフェライト粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のフェライト粒子からなる電子写真現像剤用キャリア芯材。
  6. 請求項5に記載のキャリア芯材と、前記キャリア芯材の表面に設けられた樹脂被覆層と、を備えた、電子写真現像剤用キャリア。
  7. 請求項6に記載のキャリアと、トナーとを含む、電子写真現像剤。
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