JP2012177335A - 圧縮機の固定構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】密閉容器61を有する圧縮機11を室外機2の底板に固定する圧縮機11の固定構造において、密閉容器61に設けられた脚片部62と補強板72が設けられた底板との間に介装されるマウントゴム63を備え、このマウントゴム63は、脚片部62と補強板72とを締結するボルト65が貫通する貫通孔63Aを備え、この貫通孔63Aには、ボルト65を囲うようにマウントゴム63よりも硬いカラー部材70を配置し、このカラー部材70を補強板72に溶接するとともに当該カラー部材70にボルト65と螺合する雌ねじ部76を設けた。
【選択図】図3
Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、圧縮機の起動時に締結具に生じる応力の緩和を図った圧縮機の固定構造を提供することを目的とする。
図1において、符号2は空気調和装置の室外機を示す。この室外機2は、底板10の上に、能力一定型(定速)の圧縮機11と、四方弁15とを備えるとともに、更には図示を省略したアキュムレータ、オイルセパレータ、室外熱交換器、室外膨張弁、レシーバタンク等を備え、これら各機器を配管接続することにより概略構成されている。この室外機2は、不図示のガス管及び液管により室内機に接続されている。
圧縮機11は、密閉形のスクロールコンプレッサであり、密閉容器61と、この密閉容器61内に収容され、電源周波数に依存する略一定の回転数で駆動される電動要素(不図示)と、この電動要素により駆動されて冷媒を圧縮する回転圧縮要素(不図示)とを備える。この密閉容器61は、高さ方向に長い円筒形容器であり、密閉容器61の下部には、放射状に延出する複数の脚片部62が設けられている。
また、密閉容器61の上部には、上記回転圧縮要素により圧縮された冷媒を吐出する冷媒吐出管32が接続され、密閉容器61の下部には当該密閉容器61内に冷媒を導く冷媒吸込管(不図示)及び密閉容器61内のオイル量を調整するオイル管37が接続されている。
このマウントゴム63は、圧縮機11が運転中に生じた振動を吸収し、底板10及び補強板72に伝達されることを抑える機能を有する。
しかし、定速の圧縮機11が起動する場合には、密閉容器61内で回転圧縮要素が急に回転を開始することにより、この急激な回転に追従するために密閉容器61に大きなトルクが発生する。起動時に発生する大きなトルクは、脚片部62を介してマウントゴム63を大きく変形させることにより、脚片部62と補強板72とを締結するボルト65に多大な応力がかかるといった問題がある。マウントゴム63の硬度を高めると、ボルト65にかかる応力を軽減することも可能であるが、圧縮機11が運転中に生じる振動を抑える機能が低下して底板10及び補強板72が振動することとなる。このため、本構成では、マウントゴム63の硬度を高めることなくボルト65への応力集中を緩和する固定構造に特徴を有する。
本構成の圧縮機の固定構造では、マウントゴム63の内側にボルト65を囲むようにカラー部材70を配置するとともに、このカラー部材70を補強板72に固着することにより、圧縮機11の起動時に密閉容器61に作用する回転トルクに伴う当該マウントゴム63の変形を抑制するとともに、上記ボルト65への応力集中を緩和している。
マウントゴム63の上面63Cには、貫通孔63Aの周囲に当該上面63Cから上方に突出する首部63Bが形成される。この首部63Bは、図3に示すように、マウントゴム63の上面63Cに脚片部62を載せて配置した際に、脚片部62の上面部62Aに形成された開口62Cを貫通して脚片部62の上方に突出する。これにより、貫通孔63Aに配置されるボルト65及びカラー部材70と、脚片部62の開口62Cの縁部との間にはマウントゴム63の首部63Bが延在するため、圧縮機11の動作により脚片部62が揺動した場合であっても脚片部62とボルト65(カラー部材70)との接触が防止され、このボルト65に過剰なせん断力が作用することが防止される。
また、脚片部62の開口62Cから突出した部分の首部63Bには、この首部63Bの周囲にOリング71が配置されている。このOリング71は、上記した平ワッシャ64と脚片部62の上面部62Aとの間に設けられ、輸送時等に脚片部62に上向きの力がかかっても、金属製の脚片部62と平ワッシャ64とが直接接触することを防止するものである。このOリング71を配置することにより、脚片部62に大きな衝撃荷重が付されることを防止することができ、脚片部62或いはボルト65にかかる応力を緩和することができる。
また、第2カラー部材74は、第1カラー部材73を支持する支持部(基端部)75と、当該第1カラー部材73の孔部73A内を貫通したボルト65のねじ部65Aに螺合される雌ねじ部76とを一体に備え、この雌ねじ部76は、補強板72に形成された開口72Aを通じて補強板72の下面側に延在して補強板72に溶接されている。
本構成では、雌ねじ部76の内周面76Aの内径は、第1カラー部材73の孔部73Aの内径と略同一に形成されていたため、この孔部73Aに挿し込まれたボルト65を容易に雌ねじ部76に螺合させることができる。
雌ねじ部76の外径は、補強板72に形成された開口72Aに嵌る大きさに形成され、この雌ねじ部76の外周面76Dと支持部75の外周面75Bとの間には、階段状に拡径して補強板72の上面に当接する当接面75Cが形成される。本実施形態では、第2カラー部材74の雌ねじ部76を補強板72の開口72Aに上方から嵌め込むことにより、第2カラー部材74は、当接面75Cが補強板72に当接し、雌ねじ部76が補強板72の下面側に位置した状態で保持される。このため、この状態で雌ねじ部76の外周面76Dと補強板72とを溶接することにより、第2カラー部材74が補強板72に固着される。
この場合、底板10には、図3に示すように、第2カラー部材74の雌ねじ部76の外径よりも十分に大きな開口10Aが形成されており、第2カラー部材74が溶接された補強板72を底板10の上方から当該底板10に容易に取り付けられるようになっている。
さらに、本構成では、カラー部材70は、第1カラー部材73を第2カラー部材74に挿し込み自在に分割して構成されているため、第2カラー部材74を補強板72に溶接した場合に、この補強板72の凹凸を抑えることができ、当該補強板72の取り扱いが容易になる。これに加え、第1カラー部材73として既存のパイプを使用することができるため、第2カラー部材74を簡単な形状とすることができ、当該第2カラー部材74を安価かつ簡単に製作することができる。
まず、第2カラー部材74の雌ねじ部76を補強板72の開口72Aに上方から挿し込み、この開口72Aを貫通して補強板72の下面側に位置する雌ねじ部76と補強板72とを溶接により固着しておく。
図5に示すように、第2カラー部材74の支持部75に対してマウントゴム63を配置する。この場合、第2カラー部材74は予め補強板72に溶接されることにより、支持部75が突出しているため、この支持部75に容易にマウントゴム63を配置することができ、当該マウントゴム63の位置合わせを容易に行うことができる。
次に、マウントゴム63の上に、圧縮機11の脚片部62を載置し、この脚片部62の開口62Cにマウントゴム63の首部63Bを配置するとともに、この首部63Bの周囲にOリング71を配置し、脚片部62の上方から平ワッシャ64付きのボルト65を第1カラー部材73の孔部73Aに挿入する。この場合、第1カラー部材73の孔部73Aと第2カラー部材74の雌ねじ部76とは同心上に配置されることにより、上記ボルト65を簡単に雌ねじ部76に螺合することができ、圧縮機11の固定作業を容易に行うことができる。さらに、ボルト65の締め込み量は、補強板72上に配置される第1カラー部材73及び第2カラー部材74の高さによって規制されるため、熟練者でなくとも圧縮機11を床板上に固定することができる。
さらに、カラー部材70に雌ねじ部76を設けたため、このカラー部材70に挿し込まれたボルト65を簡単に雌ねじ部76に止めることができ、圧縮機11の固定作業を簡単に行うことができる。
この別の実施形態では、第2カラー部材の形状が上記した実施形態のものと異なる。図6は、この第2カラー部材を用いた圧縮機の固定構造を示す側断面図であり、上記した実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
カラー部材170は、図6に示すように、上記した第1カラー部材73と、この第1カラー部材73と支持する第2カラー部材174とを備える。この第2カラー部材174は、第1カラー部材73の下端部73Bが挿入されて当該第1カラー部材73を支持する支持部175と、この支持部175と同心上に形成され、第1カラー部材73に挿入されたボルト65と螺合する雌ねじ部176と、これら支持部175と雌ねじ部176との間に円板状に形成される鍔部177とを備える。この鍔部177は、補強板72の下面側に位置し、当該補強板72に溶接するための部材である。この実施形態では、溶接するための鍔部177を備えるため、補強板72と第2カラー部材174とを強固に連結できる。また、この実施形態では、支持部175を補強板72の下面側まで設けることができるため、第1カラー部材73と第2カラー部材174との連結強度を高めることができる。
10 底板
11 圧縮機
61 密閉容器
62 脚片部
63 マウントゴム(防振部材)
63A 貫通孔
65 ボルト(締結具)
70、170 カラー部材
72 補強板(底板)
72A 開口
73 第1カラー部材(先端部)
74、174 第2カラー部材
75、175 支持部(基端部)
76、176 雌ねじ部
Claims (6)
- 密閉容器内に電動要素と、この電動要素により駆動され冷媒を圧縮する回転圧縮要素とを収容した圧縮機を室外機の底板に固定する圧縮機の固定構造において、
前記密閉容器に設けられた脚片部と前記底板との間に介装される防振部材を備え、この防振部材は、前記脚片部と前記底板とを締結する締結具が貫通する貫通孔を備え、この貫通孔には、前記締結具を囲うように前記防振部材よりも硬いカラー部材が配置され、このカラー部材を前記底板に固着するとともに当該カラー部材に前記締結具と螺合する雌ねじ部を設けたことを特徴とする圧縮機の固定構造。 - 前記カラー部材は、前記締結具のねじ部が遊嵌される第1カラー部材と、この第1カラー部材の下端部が挿し込まれて当該第1カラー部材を支持する支持部及び前記雌ねじ部を同心上に有する第2カラー部材とを備え、この第2カラー部材を前記底板に固着したことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機の固定構造。
- 前記第2カラー部材は、前記支持部と前記雌ねじ部とを一体に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の圧縮機の固定構造。
- 前記カラー部材は、前記底板側の基端部が先端部よりも太く形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧縮機の固定構造。
- 前記カラー部材は、前記底板上に載置した際に、この底板の載置面から当該カラー部材の先端部の上面までの高さが前記防振部材の前記貫通孔と略同じ高さに形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の圧縮機の固定構造。
- 前記圧縮機は、前記電動要素が電源周波数に依存した回転数で回転する定速圧縮機であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の圧縮機の固定構造。
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