JP2012174565A - 酸化物超電導体形成用の原料溶液 - Google Patents

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Abstract

【課題】FF−MOD法においても容易にピンの材料を添加することができ、金属錯体を熱分解する処理やピン化合物を生成させるための熱処理を必要とせず、ピンの粒子サイズを好適に制御することができる原料溶液を提供する。
【解決手段】塗布熱分解法を用いて基板上に磁束ピン止め点が導入されたRE123系の酸化物超電導体を形成するための酸化物超電導体形成用の原料溶液であって、酸化物超電導体を形成するための有機金属化合物を溶解した溶液に、ピン止め点を形成するためのナノ粒子を所定量分散させている酸化物超電導体形成用の原料溶液。ナノ粒子の粒径は、5〜100nmである。有機金属化合物は、フッ素を含まない有機金属化合物である。
【選択図】図1

Description

本発明は、塗布熱分解法を用いて基板上に酸化物超電導体からなる層を形成する際に使用される酸化物超電導体形成用の原料溶液に関する。
液体窒素の温度で超電導性を有する高温超電導体の発見以来、ケーブル、限流器、マグネットなどの電力機器への応用を目指した高温超電導線材の開発が活発に行われている。中でも、基板上に酸化物超電導体からなる薄膜層(酸化物超電導層)を形成させた酸化物超電導薄膜線材が注目されている。
このような酸化物超電導線材の製造方法の1つに、塗布熱分解法(Metal Organic Deposition、略称:MOD法)がある(特許文献1)。
この方法は、RE(希土類元素)、Ba(バリウム)、Cu(銅)の各有機金属化合物を溶媒に溶解して製造された原料溶液(MOD溶液)を基板に塗布して塗布膜を形成した後、例えば、500℃付近で仮焼熱処理して、有機金属化合物を熱分解させ、熱分解した有機成分を除去することにより酸化物超電導薄膜の前駆体である仮焼膜を作製し、作製した仮焼膜をさらに高温(例えば750〜800℃付近)で本焼熱処理することにより結晶化を行って、REBaCu7−Xで表されるRE123系の超電導薄層を形成させて酸化物超電導線材を製造するものであり、主に真空中で製造される気相法(蒸着法、スパッタ法、パルスレーザ蒸着法等)に比較して製造設備が簡単で済み、また大面積や複雑な形状への対応が容易である等の特徴を有しているため、広く用いられている。
しかし、近年、臨界電流密度Jcや臨界電流Icがより向上した酸化物超電導薄膜線材が強く求められており、その対策として、磁場下においてRE123系酸化物超電導体に侵入するナノサイズの量子化磁束の運動を妨げることを目的として、人工的にナノサイズの磁束ピン止め点(以下、「ピン」という)を導入することが行われている。
上記したMOD法においても、原料溶液に、ピンの原料となる元素、例えば、Zrの金属錯体(塩)を添加することにより、ピンが導入された酸化物超電導層を形成させることが行われている(例えば、非特許文献1)。
特開2007−165153号公報
「ナノ粒子導入TFA−MODY1−xSmxBa2Cu3Oy(1−x、x、2、3、yは下付き)線材のJc−B−θ特性」、三浦 正志他、TEION KOGAKU(J.Cryo.Soc.Jpn.)Vol.44 No.5(2009)210−216
しかしながら、上記の方法を用いた場合、ピンを形成させるためには、添加された金属錯体を熱分解する処理、さらには、ピン化合物を生成させるための熱処理を必要とする。また、生成されたピン化合物が磁束ピンとして充分に機能するためには、生成されたピン化合物を凝集させて、一定以上の大きさにする必要があるが、このようにピンの粒子サイズを好適に制御することは容易ではない。
また、上記の方法は、原料溶液にフッ素を含む有機金属化合物を用いるTFA−MOD法に適用する場合には問題ないが、フッ素を含まない有機金属化合物を用いるFF−MOD法の場合には、ピン化合物の材料を金属錯体の形で適切に原料溶液に添加して、ピンの形成を適切に制御することが難しく、また酸化物超電導体を結晶成長させる過程で配向成長(エピタキシャル成長)し難いため、上記の方法を適用することには問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑み、金属錯体を熱分解する処理やピン化合物を生成させるための熱処理を必要とせず、ピンの粒子サイズを好適に制御することができるMOD法の原料溶液を提供することを課題とする。
本発明者は、種々の実験、検討を行った結果、ナノ粒子を添加した原料溶液を用いることにより、上記課題が解決できることを見出した。
即ち、MOD溶液にナノ粒子を添加した原料溶液を用いて、MOD法により酸化物超電導層を形成させた場合、ナノ粒子が磁束ピンとして充分機能する。
そして、添加したナノ粒子がピンとして導入されるため、従来のような、金属錯体を熱分解する処理やピン化合物を生成させるための熱処理を別途必要としない。また、導入されたピンの粒子サイズは、添加されたナノ粒子のサイズに従うため、ピンの粒子サイズを容易に、精度良く好適に制御することができる。
本発明は、以上の知見に基づくものであり、請求項1に記載の発明は、
塗布熱分解法を用いて基板上に磁束ピン止め点が導入されたRE123系の酸化物超電導体を形成するための酸化物超電導体形成用の原料溶液であって、
前記酸化物超電導体を形成するための有機金属化合物を溶解した溶液に、前記ピン止め点を形成するためのナノ粒子を所定量分散させていることを特徴とする酸化物超電導体形成用の原料溶液である。
本請求項の酸化物超電導体形成用の原料溶液を用いることにより、上記したように、磁束ピンとして充分に機能するナノ粒子が適切に制御されて導入された酸化物超電導層を得ることができ、JcやIcがより向上した酸化物超電導薄膜線材を提供することができる。
「ピン止め点を形成するためのナノ粒子」としては、それ自身が磁束ピンとして機能するナノ粒子だけでなく、本焼熱処理時に原料溶液に含まれる有機金属化合物と反応して磁束ピンとして機能するピン化合物を生成するナノ粒子であってもよい。
前者のナノ粒子としては、例えば、Ag(銀)、Au(金)、Pt(白金)、BaCeO(セリウム酸バリウム)、BaTiO(チタン酸バリウム)、BaZrO(ジルコン酸バリウム)、SrTiO(チタン酸ストロンチウム)などのナノ粒子を挙げることができ、酸化物超電導薄膜の超電導特性に悪影響を与えない材料である限り、限定されない。
これらのナノ粒子は原料溶液と反応しないナノ粒子である。このため、別途熱処理を行うことなく、ピンを導入することができる。また、導入されたピンの粒子サイズは、添加されたナノ粒子のサイズに従うため、ピンの粒子サイズを容易に、精度良く好適に制御することができる。さらに、酸化物超電導体の形成時に組成のズレが生じることがないため、所望する高いJcやIcの酸化物超電導薄層を得ることができる。前記した各材料の内でも、例えば、Ptのように、融点が高い材料は、酸化物超電導体を形成する仮焼熱処理および本焼熱処理において、移動して凝集したり変形したりすることが抑制されるため、より好ましい。
また、後者のナノ粒子としては、例えば、CeO(酸化セリウム)、ZrO(二酸化ジルコニウム)、SiC(炭化ケイ素)、TiN(窒化チタン)などのナノ粒子を挙げることができ、これらのナノ粒子は、原料溶液に含まれる有機金属化合物と反応して、それぞれ、BaCeO(セリウム酸バリウム)、BaZrO(ジルコン酸バリウム)、YSi、BaTiO(チタン酸バリウム)などのナノ粒子を生成して、磁束ピンとして機能する。
これらのナノ粒子は、原料溶液に含まれる有機金属化合物と反応させることにより、ピンを生成しているため、上記の原料溶液と反応しないナノ粒子の場合と異なり、酸化物超電導体の形成時に組成のズレが生じる恐れがあり、それを見込んで、予め、原料溶液の調製を行うことが好ましい。
請求項2に記載の発明は、
前記ナノ粒子の粒径が、5〜100nmであることを特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導体形成用の原料溶液である。
ナノ粒子の粒径が小さすぎると、磁束ピンとしての機能を充分に発揮させることができない。一方、粒径が大きすぎると、酸化物超電導薄膜の超電導特性に悪影響を与える恐れがある。
5〜100nmの粒径は、コヒーレンス長に対応したサイズであり、これらの問題が発生する恐れがない。
請求項3に記載の発明は、
前記ナノ粒子の原料溶液に対する添加量が、原料溶液中のRE(希土類元素)に対して、0.01〜10モル%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の酸化物超電導体形成用の原料溶液である。
ナノ粒子の添加量が少なすぎると、充分な量のピンを形成することができず、磁束ピンとしての機能を充分に発揮させることができない。一方、添加量が多すぎると、形成されるピンが多くなりすぎ、酸化物超電導薄膜の超電導特性に悪影響を与える恐れがある。
原料溶液中のREに対する添加量が、0.01〜10モル%であると、これらの問題が発生する恐れがない。
請求項4に記載の発明は、
分散剤が添加されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の酸化物超電導体形成用の原料溶液である。
添加されたナノ粒子は、原料溶液中で凝集する恐れがあるため、分散剤を添加して凝集の発生を抑制することにより、ナノ粒子がより均一に分散された原料溶液を調製することができる。
具体的な分散剤としては、例えば、アクリル酸重合体、オレフィン−マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミンなどを挙げることができ、ナノ粒子の種類や量に対応して分散剤の材料や添加量が適宜決定される。市販されているナノ粒子分散溶液やナノコロイド溶液を用いる場合は、含まれる分散剤の種類が公開されていない場合もあるが、問題ない。なお、これらの分散剤には、C、H、O、N以外の元素は含まれていないことが好ましい。
請求項5に記載の発明は、
前記有機金属化合物が、フッ素を含まない有機金属化合物であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の酸化物超電導体形成用の原料溶液である。
上記した酸化物超電導体形成用の原料溶液をFF−MOD法に適用した場合、本発明の効果を顕著に発揮することができる。即ち、従来の金属錯体を添加した原料溶液を用いる場合と異なり、原料溶液に適切に添加してピンの形成を適切に制御することが容易であり、また、結晶成長に際して充分に配向成長させることができる。
そして、フッ素を含まない有機金属化合物からなる原料溶液を用いるFF−MOD法は、酸化物超電層の形成に際して、TFA−MOD法を用いた場合と異なり、フッ化水素ガスのような危険なガスを発生せず、そのための処理設備も不要である。
本発明によれば、ピンの粒子サイズを好適に制御することができる原料溶液を提供することができ、このような原料溶液を用いることにより、磁束ピンとして充分に機能するナノ粒子が適切に制御されて導入された酸化物超電導層を得ることができ、JcやIcがより向上した酸化物超電導薄膜線材を提供することができる。
実施例1において作成された酸化物超電導線材の模式的な断面図である。 比較例1において作成された酸化物超電導線材の模式的な断面図である。
以下、本発明を実施の形態に基づき図面を用いて本発明を説明する。
1.原料溶液の作製
始めに、本発明の原料溶液の一般的な作製方法について説明する。なお、以下では、REとしてYを用いている。
(1)MOD溶液の作製
Y、Ba、Cuの有機金属化合物から出発してY:Ba:Cu=1:2:3の比率(モル比)で合成し、アルコールを溶媒としたMOD溶液を作製する。なお、MOD溶液のY3+,Ba2+、Cu2+を合わせた総カチオン濃度は1mol/Lとする。
なお、前記有機金属化合物としては、TFA−MOD法の場合には、トリフルオロアセテートなどのフッ素を含む有機金属化合物を、また、FF−MOD法の場合には、アセチルアセトナートなどのフッ素を含まない有機金属化合物を用いる。
(2)ナノ粒子分散液の作製
前記したMOD溶液の作製とは別に、所定量のナノ粒子をアルコールに分散させ、ナノ粒子分散液を作製する。なお、この際、ナノ粒子の凝集を防止するために、分散剤を添加しておく。
(3)原料溶液の作製
上記で作製されたMOD溶液およびナノ粒子分散液を用いて、Yに対するナノ粒子の添加量が所定のモル%となるように混合し、原料溶液を作製する。
2.Y123酸化物超電導層の形成
次に、上記で作製された原料溶液を用いたY123酸化物超電導層の形成について説明する。
(1)基板の準備
始めに、酸化物超電導層を形成させる基板を準備する。基板としては、Ni−W合金基材、SUS等をベース金属としたクラッドタイプの金属基材、IBAD基材などの上に、CeO/YSZ/CeOの順に形成された3層構造の中間層が形成されている配向金属基板が好ましく用いられる。
(2)原料溶液の塗布
前記基板上に、前記原料溶液を所定量塗布後、乾燥して所定厚みの塗膜を形成する。
(3)仮焼膜の作製
前記塗膜を、所定の仮焼熱処理条件で熱処理して、仮焼膜を作製する。
(4)本焼膜(酸化物超電導層)の作製
前記仮焼膜を、所定の本焼熱処理条件で熱処理して、酸化物超電導層を作製する。このとき、酸化物超電導層の形成と共に、ナノ粒子からなるピンが酸化物超電導層内に形成される。
形成されたピンは、酸化物超電導層において、磁束ピンとして充分機能するため、JcやIcが向上した酸化物超電導薄膜線材が得られる。
本実施例においては、ナノ粒子としてPtナノ粒子を用いて原料溶液を作製し、さらに、この原料溶液を用いてY123系酸化物超電導層を形成した。
(実施例1)
1.原料溶液の作製
(1)MOD溶液の作製
Y、Ba、Cuの各アセチルアセトナート錯体を、Y:Ba:Cuのモル比が1:2:3となるように調製してアルコールに溶解させ、有機金属化合物のアルコール溶液を作製した。
(2)Ptナノ粒子分散液
白金ナノコロイド溶液(粒径:10nm、Pt濃度:1wt.%、溶媒:エタノール、分散剤にはC、H、O、N以外の元素は含まない)を使用した。
(3)原料溶液の作製
作製された有機金属化合物のアルコール溶液と、Ptナノ粒子分散液とを、PtのYに対する比率(Pt/Y)が0.06モル%となるように、混合することにより原料溶液を作製した。
2.酸化物超電導層の形成
(1)塗膜形成工程および仮焼熱処理工程
SUS上にCu層、Ni層を形成させたクラッド基板の上にY、YSZ、CeOの3層からなる中間層を設けた基板の上に、作製した原料溶液を塗布し、所定の厚みの塗膜を形成した。その後、大気雰囲気下で500℃まで昇温して2時間保持後、冷却し、厚さ300nmの第1層目の仮焼膜を形成した。次に、第1層目と同じ条件で第2層目、第3層目を形成し、3層タイプの仮焼膜を作製した。
(2)本焼熱処理工程
得られた仮焼膜を、酸素濃度100ppmのアルゴン/酸素混合ガス雰囲気下、800℃まで昇温後、そのまま90分間保持し、500℃まで約3時間で降温した時点で雰囲気を酸素100%に切り替えて、さらに5時間かけて室温まで冷却し、厚さ0.75μmのY123酸化物超電導層が形成された実施例1の酸化物超電導線材を作製した。
(比較例)
原料溶液として、Ptナノ粒子の分散液を添加していないMOD溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例の酸化物超電導線材を作製した。
3.酸化物超電導線材の評価
実施例1、比較例1で得られた酸化物超電導線材について、以下の評価を行った。
(1)断面構造
S−TEMの方法を用いて、実施例1、比較例の酸化物超電導線材に形成された酸化物超電導層の断面を観察した。
観察結果を、図1および図2に模式的に示す。なお、図1は実施例1、図2は比較例において作成された酸化物超電導線材の模式的な断面図である。図1、図2において、1は基板であり、2は形成されたY123酸化物超電導層であり、3はPtナノ粒子である。
図1に示すように、実施例1においてはY123酸化物超電導層2中にPtナノ粒子3が均一に分散していることが確認された。一方、図2に示すように、比較例においてはY123酸化物超電導層2中にナノ粒子の形成は観察されなかった。
(2)Icの測定
実施例1および比較例の超電導特性(Jc、Ic)を、77K、自己磁場下において測定した。測定結果を、表1に示す。
Figure 2012174565
表1より、ナノ粒子が添加された原料溶液を用いることにより(実施例1)、酸化物超電導層内にピンが形成され、このピンが磁束ピンとして充分に機能するため、Jc,Icが向上していることが分かる。
(実施例2〜4)
Ptナノ粒子として、表2に示す粒径のPtナノ粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4の酸化物超電導線材を得た。
実施例2〜4で得られた酸化物超電導線材について、実施例1と同様に、超電導特性(Jc、Ic)を測定した。実施例1の結果と併せて、測定結果を、表2に示す。
3.評価結果
実施例2〜4の評価結果を実施例1の評価結果と併せてまとめて表2に示す。
Figure 2012174565
表2より、実施例3、実施例1において実施例2、実施例4よりも高いIcが得られていることが分かる。このような結果が得られたのは、実施例3、実施例1においてはPtナノ粒子の粒径が5〜100nmであるため、磁束ピン止め点の機能が、より高められているためである。
(実施例6〜9)
1.原料溶液の作製
原料溶液に含まれるにYに対するPtの比(Pt/Y)を、表3に示すモル%としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5〜8の酸化物超電導線材を得た。
実施例5〜8で得られた酸化物超電導線材について、実施例1と同様に、超電導特性(Jc、Ic)を測定した。実施例1の結果と合わせて、測定結果を、表3に示す。
Figure 2012174565
表3より、実施例6、実施例1、実施例7において実施例5、実施例8よりも高いIcが得られていることが分かる。このような結果が得られたのは、実施例6、実施例1、実施例7においてはPtとYのモルが0.01〜10であるため、磁束ピン止め点の機能が、より一層高められているためである。
以上、ナノ粒子としてPtナノ粒子を用いた例について説明したが、Ag、Au、BaCeO、CeO、SrTiO、ZrO等のナノ粒子もPtナノ粒子と同様の磁束ピン止め機能を有していることが確認された。以上のように、本発明によればより高いIcを有する酸化物超電導層を形成することができる。
以上、本発明を実施の形態に基づき説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
1 基板
2 Y123酸化物超電導層
3 Ptナノ粒子

Claims (5)

  1. 塗布熱分解法を用いて基板上に磁束ピン止め点が導入されたRE123系の酸化物超電導体を形成するための酸化物超電導体形成用の原料溶液であって、
    前記酸化物超電導体を形成するための有機金属化合物を溶解した溶液に、前記ピン止め点を形成するためのナノ粒子を所定量分散させていることを特徴とする酸化物超電導体形成用の原料溶液。
  2. 前記ナノ粒子の粒径が、5〜100nmであることを特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導体形成用の原料溶液。
  3. 前記ナノ粒子の原料溶液に対する添加量が、原料溶液中のRE(希土類元素)に対して、0.01〜10モル%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の酸化物超電導体形成用の原料溶液。
  4. 分散剤が添加されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の酸化物超電導体形成用の原料溶液。
  5. 前記有機金属化合物が、フッ素を含まない有機金属化合物であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の酸化物超電導体形成用の原料溶液。
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