JPH0664921A - 酸化物超電導体の製造方法 - Google Patents

酸化物超電導体の製造方法

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JPH0664921A
JPH0664921A JP4217836A JP21783692A JPH0664921A JP H0664921 A JPH0664921 A JP H0664921A JP 4217836 A JP4217836 A JP 4217836A JP 21783692 A JP21783692 A JP 21783692A JP H0664921 A JPH0664921 A JP H0664921A
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JP
Japan
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pinning
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superconductor
pellets
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JP4217836A
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English (en)
Inventor
Yuichi Ishikawa
雄一 石川
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Dowa Holdings Co Ltd
Original Assignee
Dowa Mining Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微細なピンニングセンタを超電導体中に均一
に分散させた酸化物超電導体を製造する。 【構成】 所定の形状に形成した酸化物超電導体の母材
料に、磁束ピン止物質を接触させながら該母材料を超電
導体にする熱処理を施し、この母材料を超電導体にする
熱処理過程において該母材料に前記磁束ピン止物質を熱
拡散させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁束ピン止(ピンニン
グ)力の優れた酸化物超電導体の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】超電導と常電導(磁場)とが共存する混
合状態を維持できる第二種超電導体の1つである酸化物
超電導体においては、超電導体中に電流が流れると超電
導体中の磁束にローレンツの力が働くが、これによって
磁束が移動してしまうと、電流の方向に電界が生じて抵
抗を生ずることになる。このため、この磁束を動かない
ようにすることが臨界電流密度等を向上させるために極
めて重要な事項となる。この磁束を動かないようにする
ことを磁束ピン止という。この磁束ピン止を行うものを
ピン止め中心(ピンニングセンタ)といい、このピンニ
ングセンタとして、双晶面、点欠陥、析出物もしくは空
隙やクラック等が考えられている(応用物理第58巻第
5号pp762-765 参照)。酸化物超電導体の場合、数十オ
ングストロームオーダーの大きさの微細なピンニングセ
ンタが超電導体中に均一に分散していることが必要であ
る。
【0003】このピンニングセンタを超電導体中に形成
する方法として、従来行われていた方法は、酸化物超電
導体を構成する原料物質を所定の割合で混合してなる母
材料中に予めピンニングセンタの核となる磁束ピン止物
質を均一に混入しておき、これを所定の形状に形成した
後、熱処理して結晶粒の成長及び結晶粒の焼結を行って
超電導体にするものであった。すなわち、この方法は、
熱処理を施す前の段階の母材料中に磁束ピン止物質とな
るべき物質を均一に分散させておき、その後に熱処理を
施して超電導体結晶粒中に不純物たる磁束ピン止物質を
拡散させるものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の従来の
方法では、数十オングストロームオーダーの大きさの微
細なピンニングセンタを超電導体中に均一に分散させる
ことが必ずしも容易にできなかった。これがため、超電
導特性の向上に一定の限界が生じていた。
【0005】本発明者の究明によれば、上述の従来の方
法では、超電導体結晶となる超電導体母材料と磁束ピン
止物質とが均一に混合されてあるので、熱処理によって
超電導体母材物質が所定の大きさの超電導体結晶に成長
しようとする際に、超電導体母材物質の間にある磁束ピ
ン止物質が邪魔になって結晶粒が大きく成長することを
阻害し、しかも、この磁束ピン止物質が核になって多数
の微細な結晶を形成してしまいがちであることがわかっ
た。また、場合によっては熱処理中に超電導体母材物質
と磁束ピン止物質とが反応して超電導体でない大きな反
応生成物が生じてしまったり、あるいは、熱処理中に磁
束ピン止物質だけが凝集してしまい、超電導体中に適切
なピンニングセンタを構成する程度に微細に分散されな
いことも少なくないことがわかった。
【0006】本発明は、上述の背景のもとでなされたも
のであり、比較的簡単な方法により、微細なピンニング
センタを超電導体中に均一に分散させた酸化物超電導体
を製造することができる酸化物超電導体の製造方法を提
供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明は、酸化物超電導体を構成する原料物質を
所定の割合で混合してなる母材料を所定の形状に形成
し、次に、酸化物超電導体中にあって磁束の移動を止め
る磁束ピン止物質となるべき物質を前記所定の形状に形
成された母材料に接触させながら該母材料を超電導体に
する熱処理を施し、この母材料を超電導体にする熱処理
過程において該母材料に前記磁束ピン止物質を熱拡散さ
せることにより、微細な磁束ピン止物質が均一に分散さ
れた酸化物超電導体を得ることを特徴とした構成とした
ものである。
【0008】
【作用】上述の構成によって製造した酸化物超電導体
は、超電導体中にピンニングセンタが均一に分散された
ものであり、超電導特性にすぐれるものであった。
【0009】これは、所定の形状に形成した母材料に磁
束ピン止物質を接触させて熱拡散させるようにしたこと
から、磁束ピン止物質は原子レベルで母材料中に侵入す
ることになる。このため、従来の方法のように、磁束ピ
ン止物質が超電導体の結晶粒の成長を阻害したり、ある
いは、微細結晶の核となることがないとともに、母材料
と反応して超電導体でない大きな反応生成物を形成した
りすることもなく、結晶粒中に侵入型原子や置換型原子
による格子欠陥からなる微細なピンニングセンタを均一
に分散した状態で形成することになるからであると考え
られる。
【0010】
【実施例】実施例1 この実施例は、ペロブスカイト構造の酸化物超電導体Y
1 Ba2 Cu3 y (ただし、6.5≦y≦7.0;Y
系123相超電導体)のペレットを製造した場合の例で
ある。
【0011】まず、粒径1μm以下のY2 3 、BaC
uO2 、CuOの各粉末を、Y:Ba:Cuの組成が1.
4 :2.2 :3.2 となるように秤量し、ポットミルにてよ
く混合した。
【0012】次に、これらの混合粉を一軸金型成形装置
で圧力1t/cm3 で成形して直径40mmφ、厚さ1
0mmのペレット状に形成した。
【0013】次に、このペレットの表面に、粒径1μm
以下、好ましくは0.5μm程度の微粒子状のPt粉
(磁束ピン止物質)を軽く押し付けるようにして薄く均
一に付着塗布した。
【0014】次に、このペレットを、電気炉を用い、大
気雰囲気中で、1100°Cで30分間焼成後、300
°C/時間の降温速度で1000°Cまで下げ、しかる
後、この焼成体を0.5 〜2 °C/時間の降温速度で90
0°Cまで徐冷し、次いで、10°C/hで室温まで徐
冷した後、酸素アニールを施した。
【0015】これにより、Y1 Ba2 Cu3 6.8 の超
電導体ペレットが得られた。この超電導体は臨界温度が
90Kであり、臨界電流密度が2×104 A/cm2
あった。
【0016】なお、磁束ピン止物質として、上述の実施
例におけるPt粉を他の物質に変え、その外の条件は上
記実施例と同じにして製造した上記酸化物超電導体の臨
界電流値は以下の通りであった。
【0017】 磁束ピン止物質の種類 臨界電流密度(×104 A/cm2 ) TiO2 ペレット 2.5 BI2 3 ペレット 2.5 Sb2 3 ペレット 2.6 SnO粉 2.5 なし 1.8 上記結果から、本実施例の方法によって磁束ピン止物質
を拡散させた場合と、拡散させない場合(「なし」の場
合)とで顕著な特性差が認められる。この特性差は磁束
ピン止の作用の有無によるものと推定され、したがっ
て、本実施例の方法によって製造した超電導体は、微細
なピンニングセンタが均一に分散されて形成されている
ものと考えられる。
【0018】実施例2 この実施例は、ペロブスカイト構造の酸化物超電導体B
i系2223相対のペレットを製造した場合の例であ
る。
【0019】まず、粒径1μmのBi2 3 、PbO、
SrO、CaO、CuOの各粉末を、Bi:pb:S
r:Ca:Cuの組成が1.9 :0.2 :2 :2 :3 となる
ように秤量し、ポットミルにてよく混合した。
【0020】次に、上記混合粉を850°Cで50時間
焼成後、粉砕して粒径3μm以下の合成粉(超電導体の
母材料)を得た。
【0021】次にこの合成粉を一軸金型成形装置で圧力
1t/cm3 で成形して直径40mmφ、厚さ10mm
のペレット状に形成した。
【0022】次に、このペレットの表面に、粒径1μm
以下、好ましくは0.5μm程度の微粒子状のSb2
3 粉(磁束ピン止物質)を軽く押し付けるようにして薄
く均一に付着塗布させた。
【0023】次いで、このペレットを、電気炉を用い、
空気中において、850°Cで80時間焼成した。
【0024】これにより、Bi系2223相の超電導体
ペレットが得られた。この超電導体は臨界温度が105
Kであり、臨界電流密度が1.5×103 A/cm2
あった。
【0025】また、このペレットの一部を切り取って振
動試料型磁力計で評価した結果、最大磁化は150ガウ
スであった。なお、磁束ピン止物質を接触させないで同
じものを製造した場合は最大磁化が100ガウスであっ
た。すなわち、上記結果から、本実施例の方法によって
磁束ピン止物質を拡散させた場合と、拡散させない場合
とで顕著な特性差が認められる。この特性差は磁束ピン
止の作用の有無によるものと推定され、したがって、本
実施例の方法によって製造した超電導体は、微細なピン
ニングセンタが均一に分散されて形成されているものと
考えられる。
【0026】なお、以上の各実施例では、磁束ピン止物
質として粉状、あるいは、ペレット状のものを用いて、
これを所定の形状に成形された超電導体の母材料の表面
に押圧塗布もしくは押し付けて接触させる例を掲げた
が、これは、例えば、所定の形状に成形された超電導体
の母材料の表面に、蒸着法やスパッタ法等の薄膜形成技
術によって磁束ピン止物質の薄膜を形成させることによ
り接触させてもよいし、あるいは、ガス状の磁束ピン止
物質を接触させてもよい。
【0027】また、上述の各実施例では、Y1 Ba2
3 7 のペレットと、Bi系2223相のペレットを
製造する場合に適用した例を掲げたが、本発明は、ペロ
ブスカイト構造を有する他の酸化物超電導体、例えば、
遷移金属(Cu、Ni、Co、Ti、V、Bi等)に酸
素分子が4〜6配位した構造を有する酸化物超電導体そ
の他の酸化物超電導体にも適用でき、また、ペレット以
外にもバルク、厚膜、薄膜、ロッドあるいは線材その他
任意の形状ものにも適用できることは勿論である。
【0028】また、上述の各実施例では、磁束ピン止物
質として、Pt、TiO2 、Bi23 、Sb2 3
SnOを掲げた、この外にも、例えば、Ag2 WO4
SmF3 ,PtCl2 ,FeSO4 等を用いてもよい。
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、所定の
形状に形成した酸化物超電導体の母材料に、磁束ピン止
物質を接触させながら該母材料を超電導体にする熱処理
を施し、この母材料を超電導体にする熱処理過程におい
て該母材料に前記磁束ピン止物質を熱拡散させることに
より、微細なピンニングセンタが均一に分散されて形成
された酸化物超電導体を得ることを可能にしたものであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物超電導体を構成する原料物質を所
    定の割合で混合してなる母材料を所定の形状に形成し、
    次に、酸化物超電導体中にあって磁束の移動を止める磁
    束ピン止物質となるべき物質を前記所定の形状に形成さ
    れた母材料に接触させながら該母材料を超電導体にする
    熱処理を施し、この母材料を超電導体にする熱処理過程
    において該母材料に前記磁束ピン止物質を熱拡散させる
    ことにより、微細なピンニングセンタが均一に分散され
    て形成された酸化物超電導体を得ることを特徴とした酸
    化物超電導体の製造方法。
JP4217836A 1992-08-17 1992-08-17 酸化物超電導体の製造方法 Pending JPH0664921A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012174565A (ja) * 2011-02-23 2012-09-10 Sumitomo Electric Ind Ltd 酸化物超電導体形成用の原料溶液

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012174565A (ja) * 2011-02-23 2012-09-10 Sumitomo Electric Ind Ltd 酸化物超電導体形成用の原料溶液

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