JP2013218799A - 酸化物超電導線材とその製造方法 - Google Patents

酸化物超電導線材とその製造方法 Download PDF

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元気 本田
Takeshi Nakanishi
毅 中西
Yasutaro Oki
康太郎 大木
Takahiro Honda
貴裕 本田
Tatsuoki Nagaishi
竜起 永石
Iwao Yamaguchi
巌 山口
Takaaki Manabe
高明 真部
Toshiya Kumagai
俊弥 熊谷
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    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Abstract

【課題】厚膜の酸化物超電導層を生産性高く形成させながらも、Icの伸びが抑制されることなく、充分な超電導特性を発揮させることができる酸化物超電導線材の製造方法を提供する。
【解決手段】配向金属基板1上に形成された酸化物超電導層の上に、塗布熱分解法を用いて、さらに、酸化物超電導層を形成させて酸化物超電導線材を製造する酸化物超電導線材の製造方法であって、配向金属基板上に形成された酸化物超電導層の表面に、有機金属化合物の塗膜を形成した後、仮焼熱処理を施して、厚み50〜200nmの仮焼膜3aを形成する第1層目の仮焼膜形成工程と、第1層目の仮焼膜の表面に、第1層目の仮焼膜よりも厚膜の仮焼膜3bを1層以上積層する仮焼膜積層工程と、第1層目の仮焼膜および積層された厚膜の仮焼膜3を結晶化させて、本焼膜4aを形成する本焼熱処理工程とを有する酸化物超電導線材の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸化物超電導線材とその製造方法に関し、詳しくは、超電導特性に優れると共に生産性が良好な酸化物超電導線材とその製造方法に関する。
液体窒素の温度で超電導性を有する高温超電導体の発見以来、ケーブル、限流器、マグネットなどの電力機器への応用を目指した高温超電導線材の開発が活発に行われている。中でも、基板上に酸化物超電導層を形成させた酸化物超電導薄膜線材が注目されている。
このような酸化物超電導線材の製造方法の1つに、塗布熱分解法(Metal Organic Deposition、略称:MOD法)と言われる方法がある(特許文献1)。MOD法は、RE(希土類元素)、Ba(バリウム)およびCu(銅)の各有機金属化合物を溶媒に溶解して製造された原料溶液(MOD溶液)を配向金属基板に塗布して塗膜を形成した後、例えば、500℃付近で仮焼熱処理して、有機金属化合物を熱分解させて酸化物超電導体の前駆体である仮焼膜を作製し、作製した仮焼膜をさらに高温(例えば750〜800℃付近)で本焼熱処理することにより結晶化を行って、REBaCu7−Xで表されるRE123超電導層を形成させて酸化物超電導線材を製造する方法であり、製造設備が簡単で済み、また大面積や複雑な形状への対応が容易である等の特徴を有しているため、広く用いられている。
特開2007−165153号公報
このようなMOD法において、近年、より高い臨界電流値Icを有する酸化物超電導線材を得るために、配向金属基板上に形成された本焼膜(下地本焼膜)の上に、さらに本焼膜を形成して積層することにより酸化物超電導層の厚膜化を図ることが行われている。
具体的には、図2に示すように、配向金属基板1上に形成された下地本焼膜2の表面に、MOD溶液の塗布(塗膜形成)とそれに続く仮焼(仮焼熱処理)を繰り返して行って、複数の仮焼膜3cを積層した後、本焼熱処理を施すことにより、下地本焼膜2上に本焼膜4cが積層されて、厚膜の酸化物超電導層が形成される。そして、これを繰り返すことにより、より厚膜の酸化物超電導層を形成することができる。
しかし、上記の方法においては、塗膜形成工程や仮焼熱処理工程を繰り返し行う必要があるため、工程数が多くなり、生産性の向上を図りにくい。
そこで、複数の仮焼膜を積層することに替えて、図3に示すように、一気に厚膜の仮焼膜を形成した後、本焼熱処理を施すことにより、下地本焼膜2上に本焼膜4bを積層することが検討された。これにより、工程数の低減を図ることができ、生産性の向上を図ることができる。
しかしながら、この方法を用いた場合、下地本焼膜2上に形成された本焼膜4bでは、本焼膜4bの厚みが200nmを超える場合には充分な結晶配向が得られず、酸化物超電導層を厚膜化したにも拘わらず、Icが充分に伸びず、充分な超電導特性を発揮させることができないという問題があった。
そこで、本発明は、厚膜の酸化物超電導層を生産性高く形成させながらも、Icの伸びが抑制されることなく、充分な超電導特性を発揮させることができる酸化物超電導線材の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題の解決について検討を行う中で、一気に厚膜の仮焼膜を形成して本焼熱処理を施した場合に結晶配向が低下したのは、下地本焼膜の表面に大きな凹凸が形成されていること、および、厚膜の仮焼膜には多くの大きな空隙が形成されていることが原因であると推測した。
即ち、大きな凹凸が形成された下地本焼膜の表面に、多くの大きな空隙を有した仮焼膜が形成されているために、酸化物超電導体のエピタキシャル成長が阻害されて、結晶配向を低下させていると推測した。
この推測の下、本発明者は、一気に厚膜の仮焼膜を形成することに替えて、まず、1層目の仮焼膜として薄膜の仮焼膜を形成し、その上に厚膜の仮焼膜を積層すれば、1層目の薄膜の仮焼膜により空隙の発生が抑制されると共に、2層目以降については厚膜の仮焼膜を積層するため、生産性の向上を図ることができると考え、種々の実験と検討を行った。その結果、1層目の仮焼膜の厚みを50〜200nmとした場合、その上に厚膜の仮焼膜を積層しても、本焼熱処理時において酸化物超電導体のエピタキシャル成長が阻害されず、高く結晶配向した本焼膜を形成することができ、高いIcを有する酸化物超電導線材が得られることを確認した。
本発明は、上記の知見に基づくものであり、請求項1に記載の発明は、
配向金属基板上に形成された酸化物超電導層の上に、塗布熱分解法を用いて、さらに、酸化物超電導層を形成させて酸化物超電導線材を製造する酸化物超電導線材の製造方法であって、
前記配向金属基板上に形成された酸化物超電導層の表面に、有機金属化合物の塗膜を形成した後、仮焼熱処理を施して、厚み50〜200nmの仮焼膜を形成する第1層目の仮焼膜形成工程と、
第1層目の仮焼膜の表面に、前記第1層目の仮焼膜よりも厚膜の仮焼膜を1層以上積層する仮焼膜積層工程と、
第1層目の仮焼膜および積層された厚膜の仮焼膜を結晶化させて、本焼膜を形成する本焼熱処理工程と
を有することを特徴とする酸化物超電導線材の製造方法である。
本請求項の発明においては、前記したように、2層目以降の仮焼膜の厚みを厚くしても、酸化物超電導体のエピタキシャル成長が阻害されず、酸化物超電導層のIcの伸びが抑制されない。このように、本請求項の発明により、厚膜の酸化物超電導層を生産性高く形成させながらも、Icの伸びが抑制されることなく、充分な超電導特性を発揮させることができる酸化物超電導線材の製造方法を提供することができる。
そして、必要に応じて、下地本焼膜の上に形成された本焼膜の上に、さらに、上記と同様の方法を用いて、薄膜の仮焼膜と厚膜の仮焼膜を本焼熱処理することを繰り返すことにより、より厚膜の本焼膜を得ることができる。
なお、良好に結晶配向された本焼膜を形成するためには、下地本焼膜の表面に形成される本焼膜の1層当たりの厚みは2μm(2000nm)以下とすることが好ましい。
本発明者は、さらに、第1層目の仮焼膜に積層される仮焼膜の好ましい厚みについて実験、検討を行い、第1層目の仮焼膜より厚く、200〜1000nmであると、酸化物超電導線材の製造工程数の低減を図りながら、得られた酸化物超電導線材の超電導特性を充分に発揮させることができることを確認した。
請求項2に記載の発明は、上記の知見に基づくものであり、
前記第1層目の仮焼膜の表面に積層される仮焼膜の厚みが、200〜1000nmであることを特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導線材の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、
前記有機金属化合物が、フッ素を含まない有機金属化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の酸化物超電導線材の製造方法である。
MOD法としては、原料溶液にフッ素を含む有機金属化合物を用いるTFA−MOD法(Metal Organic Deposition using TriFluoroAcetates)とフッ素を含まない有機金属化合物を用いるフッ素フリーMOD法(FF−MOD法)とがある。
TFA−MOD法の場合、原料溶液の酸性度が高いため、本焼膜の上に塗布した原料溶液が本焼膜の表面を溶かしてしまい、その後の本焼熱処理工程において、酸化物超電導体が充分にエピタキシャル成長せず、結晶配向が低下する恐れがある。
これに対して、FF−MOD法は、原料溶液の酸性度が中性に近いため、下地となる本焼膜を溶かすことがなく、その結果、本焼時に下地の配向性を引き継いで、酸化物超電導体が充分にエピタキシャル成長して、結晶配向が低下しない。
請求項4に記載の発明は、
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の酸化物超電導線材の製造方法を用いて製造されていることを特徴とする酸化物超電導線材である。
上記した酸化物超電導線材の製造方法を適用することにより、厚膜化してもIcの伸びが抑制されることがない優れた超電導特性の酸化物超電導線材を提供することができる。
本発明によれば、厚膜の酸化物超電導層を生産性高く形成させながらも、Icの伸びが抑制されることなく、充分な超電導特性を発揮させることができる酸化物超電導線材の製造方法を提供することができる。
本発明の酸化物超電導層の形成方法の一例の概要を説明する図である。 従来の酸化物超電導層の形成方法の一例の概要を説明する図である。 従来の酸化物超電導層の形成方法の他の例の概要を説明する図である。
以下、本発明を実施の形態に基づき図面を用いて説明する。
(酸化物超電導線材の製造方法)
はじめに、酸化物超電導線材の製造方法の概要を説明する。図1は、本実施の形態における酸化物超電導層の形成方法の概要を説明する図であり、図1において、1は配向金属基板、2は配向金属基板1上に形成された酸化物超電導層(下地本焼膜)、3は仮焼膜であり、仮焼膜3は薄膜の第1層目の仮焼膜3a、厚膜の第2層目の仮焼膜3bから構成されている。そして、4aは仮焼膜3を本焼熱処理することにより形成された本焼膜である。
1.配向金属基板の準備工程
最初に配向金属基板1を準備する。配向金属基板1としては、c軸に2軸配向した配向金属基板が好ましく、具体的には、IBAD基材、Ni−W合金基材、SUS等をベース金属としたクラッドタイプの金属基板材等を用いることができる。
配向金属基板1上には、中間層(図示せず)が設けられていることが好ましく、中間層としては、一般的には、CeO、YSZ、Yの他、安定化ジルコニア、BaZrO(バリウムジルコネート)、LaAlO(アルミン酸ランタン)、GdZr、SmGdO、RE(RE;Y、ランタノイド)等を用いることができ、格子整合性やJcが高く出るなどの観点から、CeOが最上層に使用される(厚さとしては、通常、100nm以下)。
2.酸化物超電導層の形成
(1)下地本焼膜の形成
初めに、以下の工程に従い、配向金属基板1上に下地本焼膜2を形成する。
イ.塗膜形成工程
まず、配向金属基板1上に、RE、Ba、Cuのアセチルアセトナート等の有機金属化合物を所定のモル比で溶解させたMOD溶液を、所定量塗布した後、乾燥して所定厚みの塗膜を形成する。なお、REとしてはイットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、ホルミウム(Ho)などが好ましい。
ロ.仮焼熱処理工程
次に、塗膜を仮焼して、有機金属化合物を分解させ、有機成分を除去して仮焼膜を形成する。具体的には、例えば、大気雰囲気下で500℃まで加熱し、そのまま120分間程度保持する。
ハ.本焼熱処理工程
次に、仮焼膜を本焼し、エピタキシャルに結晶を成長させて、c軸配向した酸化物超電導層が形成された下地本焼膜2を形成する。具体的には、例えば、酸素濃度が100ppmのアルゴン/酸素混合ガス雰囲気下、800℃まで加熱し、そのまま90分間程度保持する。なお、下地本焼膜2の厚みとしては、100〜1000nm程度が好ましい。
(2)本焼膜の積層
次に、配向金属基板上に形成した下地本焼膜2上に本焼膜4aを積層する。
イ.第1層目の仮焼膜3aの形成
はじめに、上記と同様の塗膜形成工程と仮焼熱処理工程とにより、薄膜の第1層目の仮焼膜3aとして、厚み50〜200nmの仮焼膜を形成する。このような厚みに制御することにより、前記したように、空隙の発生が抑制される。
ロ.第2層目の仮焼膜3bの形成
次に、第1層目の仮焼膜3a上に、厚膜の第2層目の仮焼膜3bとして、第1層目の仮焼膜より厚い、200〜1000nm厚みの仮焼膜を形成する。このような厚みに制御することにより、酸化物超電導線材の製造工程数の低減を図ることができ、生産性の向上を図ることができる。
ハ.本焼熱処理工程
第1層目の仮焼膜3a、第2層目の仮焼膜3bが積層された仮焼膜3を、上記と同様の本焼熱処理工程により本焼して、下地本焼膜2上に本焼膜4aを形成する。
このとき、前記したように、第1層目の仮焼膜3aでは空隙の発生が抑制されているため、仮焼膜3において酸化物超電導体が充分にエピタキシャル成長して、結晶配向が良好な酸化物超電導層を形成することができる。
この結果、結晶配向が良好で厚膜の酸化物超電導層が形成され、超電導特性に優れた酸化物超電導線材を提供することができる。
なお、上記においては、厚膜の仮焼膜3bとして、1層の仮焼膜しか形成させていないが、必要に応じて、2層以上の厚膜の仮焼膜を積層してもよい。
次に、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。
1.配向金属基板の準備
最初に、幅30mm、厚み0.1μmのクラッド基板上に、RFスパッタ法を用いて、Y(厚み200nm)、YSZ(厚み200nm)、CeO(厚み50nm)の3層からなる総厚450nmの中間層を形成させ、配向金属基板とした。
2.MOD溶液の作製
並行して、Y、Ba、Cuの各アセチルアセトナート錯体を、Y:Ba:Cuのモル比が1:2:3となるように調製して溶媒(アルコール)に溶解させてMOD溶液を作製した。なお、MOD溶液のY3+、Ba2+、Cu2+を合わせた総カチオン濃度は1mol/Lとした。
3.下地本焼膜(第1本焼膜)の形成
次に、作製したMOD溶液を配向金属基板表面に塗布した後、乾燥し、塗膜を形成した。
次に、大気雰囲気下で500℃まで昇温して、120分間保持後、冷却し、厚み250nmの仮焼膜を形成した。
次に、アルゴン/酸素混合ガス雰囲気下、800℃まで昇温し、そのまま90分間保持した。その後、520℃まで約3時間で降温しつつ、酸素濃度を100%に切り替え、この酸素濃度を保ちつつ、さらに5時間かけて室温まで冷却し、厚み200nmの下地本焼膜(第1本焼膜)を形成した。
4.第2本焼膜の積層
(1)第1層目の仮焼膜の形成
次に、下地本焼膜上に、上記と同様に、MOD溶液の塗布、乾燥、および仮焼熱処理を行い、表1に示す各厚みで第1層目の仮焼膜を形成した。
(2)第2層目の仮焼膜の形成
次に、第1層目の仮焼膜の上に、上記と同様に、MOD溶液の塗布、乾燥、および仮焼熱処理を行い、表1に示す各厚みで第2層目の仮焼膜を形成した。
(3)本焼熱処理
次に、積層された第1層目の仮焼膜および第2層目の仮焼膜を、上記と同様に本焼熱処理を行い、下地本焼膜上に第2本焼膜を積層し、表1に示す総厚の酸化物超電導層(下地本焼膜の厚みを含む)を作製した。
5.結晶配向の確認
作製された各酸化物超電導層の結晶配向性を調べるため、XRDにてYBCu7−x(Y123)の(005)ピーク強度を求めた。結果を表1に併せて示す。
6.超電導特性(Jc、Ic)の測定
また、各酸化物超電導層が設けられた酸化物超電導線材について、直流4端子法を用いてJcおよびIcを測定した(77K)。結果を表1に併せて示す。
Figure 2013218799
表1に示すように、第1層目の仮焼膜として厚み50〜200nmの仮焼膜を設けた場合(実施例1−1〜実施例3−3)には、第2層目に第1層目よりも厚膜の仮焼膜を設けても、良好な結晶配向の本焼膜が形成されている。これに対して、第1層目の仮焼膜の厚みが50nm未満の仮焼膜(比較例1)や200nmを超える仮焼膜(比較例2)の場合には、良好な結晶配向の本焼膜を形成させることができていない。
そして、実施例1−1〜1−4に示すように、第1層目の仮焼膜が同じ膜厚(50nm)であっても、第2層目の仮焼膜の膜厚が200〜1000nmの場合(実施例1−1〜1−3)には、膜厚が増加しても、Jcの低下が見られず、酸化物超電導層の厚みに応じて大きなIcが発揮されることが分かる。
この傾向は、実施例2および実施例3においても同様であることが表1より分かる。
以上、本発明を実施の形態に基づき説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
1 配向金属基板
2 下地本焼膜
3、3c 仮焼膜
3a 第1層目の仮焼膜
3b 第2層目の仮焼膜
4a、4b、4c 本焼膜

Claims (4)

  1. 配向金属基板上に形成された酸化物超電導層の上に、塗布熱分解法を用いて、さらに、酸化物超電導層を形成させて酸化物超電導線材を製造する酸化物超電導線材の製造方法であって、
    前記配向金属基板上に形成された酸化物超電導層の表面に、有機金属化合物の塗膜を形成した後、仮焼熱処理を施して、厚み50〜200nmの仮焼膜を形成する第1層目の仮焼膜形成工程と、
    第1層目の仮焼膜の表面に、前記第1層目の仮焼膜よりも厚膜の仮焼膜を1層以上積層する仮焼膜積層工程と、
    第1層目の仮焼膜および積層された厚膜の仮焼膜を結晶化させて、本焼膜を形成する本焼熱処理工程と
    を有することを特徴とする酸化物超電導線材の製造方法。
  2. 前記第1層目の仮焼膜の表面に積層される仮焼膜の厚みが、200〜1000nmであることを特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導線材の製造方法。
  3. 前記有機金属化合物が、フッ素を含まない有機金属化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の酸化物超電導線材の製造方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の酸化物超電導線材の製造方法を用いて製造されていることを特徴とする酸化物超電導線材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015151075A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 タカタ株式会社 エアバッグ装置

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