JP2012129085A - 酸化物超電導薄膜線材とその製造方法 - Google Patents

酸化物超電導薄膜線材とその製造方法 Download PDF

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慶 花房
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巖 山口
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Abstract

【課題】厚膜の酸化物超電導薄膜を形成させて、充分に高いJcやIcを示す超電導特性に優れた酸化物超電導薄膜線材を提供する。
【解決手段】配向金属基材上に中間層が形成された配向金属基板の上に、金属有機化合物を原料として、塗布熱分解法により酸化物超電導薄膜を形成して、酸化物超電導薄膜線材を製造する酸化物超電導薄膜線材の製造方法であって、配向金属基板の中間層の上に、YBCO超電導薄膜を成膜するYBCO超電導薄膜成膜工程と、YBCO超電導薄膜の上に、HoBCO超電導薄膜を成膜するHoBCO超電導薄膜成膜工程とを有している酸化物超電導薄膜線材の製造方法。配向金属基材上に中間層が形成された配向金属基板の上に、膜厚0.3μm以下のYBCO超電導薄膜が形成され、さらに、YBCO超電導薄膜の上に、HoBCO超電導薄膜が形成されている酸化物超電導薄膜線材。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸化物超電導薄膜線材とその製造方法に関し、特に、塗布熱分解法を用いて、配向金属基板上に酸化物超電導薄膜を形成させた酸化物超電導薄膜線材とその製造方法に関する。
液体窒素の温度で超電導性を有する高温超電導体の発見以来、ケーブル、限流器、マグネットなどの電力機器への応用を目指した高温超電導線材の開発が活発に行われている。中でも、酸化物超電導体を薄膜化した酸化物超電導薄膜線材が注目されている。
酸化物超電導薄膜線材の製造方法の1つに、塗布熱分解法(Metal Organic Deposition、略称:MOD法)がある(特許文献1)。
この方法は、Y(イットリウム)などのRE(希土類元素)、Ba(バリウム)、Cu(銅)の各金属有機化合物を溶媒に溶解して製造された原料溶液を配向金属基板に塗布して塗布膜を形成した後、例えば500℃付近で仮焼熱処理して金属有機化合物の有機成分を熱分解、除去して酸化物超電導薄膜の前駆体である仮焼膜を作製後、作製した仮焼膜をさらに高温(例えば750〜800℃付近)で本焼熱処理することにより結晶化を行って、REBaCu7−Xで表される酸化物超電導体(REBCO)からなる酸化物超電導薄膜を形成させて、酸化物超電導線材を製造するものであり、主に真空中で製造される気相法(蒸着法、スパッタ法、パルスレーザ蒸着法等)に比較して製造設備が簡単で済み、また大面積や複雑な形状への対応が容易である等の特徴を有しているため、広く用いられている。
このようなMOD法を用いて臨界電流密度Jcや臨界電流値Icが高い酸化物超電導薄膜線材を得るために、通常は、配向金属基材上に中間層を形成させた配向金属基板の表面で、原料溶液の塗布と仮焼を繰り返し行って仮焼膜を積層、厚膜化した後、本焼熱処理を施して、厚膜の酸化物超電導薄膜を作製することが行われている。
特開2007−165153号公報
しかしながら、このように厚膜の酸化物超電導薄膜を作製しているにも拘わらず、充分に臨界電流密度Jcや臨界電流値Icを高くすることができず、優れた超電導特性を有する酸化物超電導薄膜線材が得られないことがあった。
具体的には、YBCO超電導薄膜線材では、YBCO超電導薄膜の膜厚が0.3μm以下の場合には、2MA/cm以上の高いJcを得ることができるが、膜厚が約0.3μmを超えた場合には、Jcが落ちてしまいIcが伸びないという問題があった。
このため、厚膜の酸化物超電導薄膜を形成させて、充分に高いJcやIcを示す超電導特性に優れた酸化物超電導薄膜線材を提供することができる技術が望まれていた。
本発明者は、上記した従来のYBCO超電導薄膜線材において、膜厚0.3μmを境にJcが低下する原因につき検討を行い、以下の知見を得た。
即ち、従来のYBCO超電導薄膜線材は図2に示すような構成をしており、通常、以下の手順に従って作製される。最初に、配向金属基材1の上に、シード層として機能するY(酸化イットリウム)層、拡散防止層として機能するYSZ(イットリア安定化ジルコニア)層、格子整合層として機能するCeO(酸化セリウム)層が、スパッタ法などを用いて、順次形成されて、3層構造の中間層2を有する配向金属基板が作製される。
その後、中間層2の最上層(キャップ層)であるCeO層の上で、YBCO原料溶液の塗布、仮焼を繰り返し、さらに本焼を行うことにより、YBCO超電導薄膜3が形成され、YBCO超電導薄膜線材が製造される。
本発明者は、このYBCO超電導薄膜におけるJcの低下について、Jcに大きな関係を持つピン止め点4として機能する欠陥が、図2に示すように、中間層とYBCO超電導層との界面にしか形成されず、このため、厚膜化するに従って、ピン止めの効果が低下し、Jcの低下を招いていると推測した。
そこで、本発明者は、このようなYBCO超電導薄膜に替えて、超電導層全体に亘ってピン止め点が形成されて、Jcの低下を抑制することができる酸化物超電導薄膜について検討を行い、その結果、希土類元素をY(イットリウム)よりBa(バリウム)との置換が起きやすく固溶体を生成しやすい元素に変更した場合、この固溶体が生成された箇所がピン止め点として働くと考えた。
しかし、希土類元素のイオン半径がBaのイオン半径に近くなりすぎると、固溶体生成量が多くなりすぎ、却って超電導特性の悪化を招く恐れがある。そこで、Yとイオン半径が近く、かつYよりも固溶体を生成しやすいHo(ホルミウム)を使用したHoBCOを超電導薄膜材料として選択すれば、微量のHoがBaサイトと置換し、適度に固溶体が生成されてピン止め点として働くため、Jcの低下を招くことなく厚膜化ができると考えた。
(参考文献1:T.Nakashima et al., Proceedings of International Cryogenic Material Conference ‘06, p.109(2007).
参考文献2:T.Nakashima et al.,Phisica C 468(2008) 1404−1407.)
しかし、実際に、CeO層上にHoBCO超電導薄膜を形成したところ、このHoBCO超電導薄膜線材であっても、Jcの低下を抑制することができず、高いIcの酸化物超電導薄膜線材を得ることができなかった。その原因につき、本発明者は、以下のように考えた。
即ち、図3に示すように、HoBCO超電導薄膜5内には適度に固溶体のピン止め点6が生成されるものの、HoBCO超電導薄膜5は中間層のCeOと反応性が高いため、中間層とHoBCO超電導層との界面付近でBaCeOを生成し、超電導電流が流れないデッドレイヤー7を形成する。そして、BaCeOの生成に伴いHoBCO中のBaが消費されるため、HoBCO超電導薄膜に組成ずれが生じて、超電導特性に劣る異相が生成されやすい。
そこで、本発明者は、前記デッドレイヤーの形成を抑制することができれば、HoBCO超電導薄膜内に形成されるピン止め点を効率よく機能させることができ、HoBCO超電導薄膜の厚膜化により、高いJcやIcを示す超電導特性に優れた酸化物超電導薄膜線材を製造することができると考え、さらに検討を行った。
その結果、HoBCO超電導薄膜だけで酸化物超電導薄膜を形成するのではなく、中間層(CeO層)とHoBCO超電導薄膜との間に、YBCO超電導薄膜を第1層の酸化物超電導薄膜として形成することにより、デッドレイヤーの形成を抑制することができることが分かった。
請求項1に記載の発明は、以上の知見に基づく発明であり、
配向金属基材上に中間層が形成された配向金属基板の上に、金属有機化合物を原料として、塗布熱分解法により酸化物超電導薄膜を形成して、酸化物超電導薄膜線材を製造する酸化物超電導薄膜線材の製造方法であって、
前記配向金属基板の中間層の上に、YBCO超電導薄膜を成膜するYBCO超電導薄膜成膜工程と、
前記YBCO超電導薄膜の上に、HoBCO超電導薄膜を成膜するHoBCO超電導薄膜成膜工程と
を有していることを特徴とする酸化物超電導薄膜線材の製造方法である。
塗布熱分解法としては、フッ素を含む金属有機化合物を用いるTFA−MOD法、フッ素を含まない金属有機化合物を用いるフッ素フリーMOD法の何れの方法も用いることができる。
酸化物超電導薄膜の厚膜化に際しては、
(1)先ず、第1層となるYBCO超電導薄膜の仮焼膜を作製し、次いで、この仮焼膜の上に、第2層となるHoBCO超電導薄膜の仮焼膜を所定数積層し、その後、一括して本焼熱処理を行う方式
(2)先ず、第1層となるYBCO超電導薄膜の本焼膜を作製し、次いで、この本焼膜の上に、第2層となるHoBCO超電導薄膜の本焼膜を所定数積層する方式
の何れの方式を採用しても良い。
配向金属基材としては、c軸に2軸配向した配向金属基材が好ましく、具体的には、IBAD基材、Ni−W合金基材、SUS等をベース金属としたクラッドタイプの金属基材等を用いることができる。
配向金属基材上に形成する中間層としては、一般的には、前記したCeO、YSZ、Yの他、安定化ジルコニア、BaZrO(バリウムジルコネート)、LaAlO(アルミン酸ランタン)、GdZr、SmGdO、RE(RE;Y、ランタノイド)等を用いることができ、格子整合性やJcが高く出るなどの観点から、CeOが最上層に使用される(厚さとしては、通常、100nm以下)。
請求項2に記載の発明は、
前記YBCO超電導薄膜の膜厚が0.3μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導薄膜線材の製造方法である。
前記した通り、YBCO超電導薄膜の膜厚が0.3μm以下の場合、Jcの低下が発生せず、高いJcを維持することができるため、高いJc、Icの酸化物超電導薄膜線材を作製することができる。
請求項3に記載の発明は、
配向金属基材上に中間層が形成された配向金属基板の上に、膜厚0.3μm以下のYBCO超電導薄膜が形成され、さらに、前記YBCO超電導薄膜の上に、HoBCO超電導薄膜が形成されていることを特徴とする酸化物超電導薄膜線材である。
配向金属基材上に中間層が形成された配向金属基板の上に、膜厚0.3μm以下のYBCO超電導薄膜、およびHoBCO超電導薄膜が形成された酸化物超電導薄膜線材は、前記したように、中間層(CeO層)と酸化物超電導薄膜との界面にデッドレイヤーが形成されないため、HoBCO超電導薄膜内に形成されるピン止め点を効率よく機能させることができ、高いJcやIcを示す超電導特性に優れた酸化物超電導薄膜線材を提供することができる。
本発明によれば、厚膜の酸化物超電導薄膜を形成させて、充分に高いJcやIcを示す超電導特性に優れた酸化物超電導薄膜線材を提供することができる。
本発明の実施例の酸化物超電導薄膜線材を模式的に示す断面図である。 従来の製造方法によるYBCO超電導薄膜線材を模式的に示す断面図である。 従来の製造方法によるHoBCO超電導薄膜線材を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
1.酸化物超電導線材の構成
最初に、本実施例における酸化物超電導線材の構成につき、図1に基づき説明する。図1は、本実施例の酸化物超電導線材を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本実施例における酸化物超電導線材は、配向金属基材1の上に、順に、中間層2、第1の超電導層であるYBCO超電導層3、第2の超電導層であるHoBCO超電導層5が形成されて構成されている。なお、4は中間層2とYBCO超電導層3との界面に形成されているピン止め点、6はHoBCO超電導層5内に形成されているピン止め点である。
2.酸化物超電導線材の製造
次に、本実施例を酸化物超電導線材の製造工程に従って説明する。
(1)配向金属基板の作製
配向Ni合金基材1上に、順に、厚さ50nmのY層、厚さ400nmのYSZ単結晶層、厚さ100nmのCeO層をスパッタ法を用いて形成させ、3層構造の中間層2を形成させ、配向金属基板を作製した。
(2)原料溶液の作製
原料溶液として、YBCO超電導層(第1の超電導層)を作製するための以下のYBCO原料溶液、およびHoBCO超電導層(第2の超電導層)を作製するための以下のHoBCO原料溶液を作製した。
(a)YBCO原料溶液
Y、Ba、Cuの各アセチルアセトナート塩から出発してY:Ba:Cu=1:2:3の比率(モル比)で合成し、アルコールを溶媒としたYBCO原料溶液を作製した。なお、YBCO原料溶液のY3+、Ba2+、Cu2+を合わせた総カチオン濃度を1mol/Lとした。
(b)HoBCO原料溶液
Ho、Ba、Cuの各アセチルアセトナート塩から出発してHo:Ba:Cu=1:2:3の比率(モル比)で合成し、アルコールを溶媒としたHoBCO原料溶液を作製した。なお、HoBCO原料溶液のHo3+、Ba2+、Cu2+を合わせた総カチオン濃度を1mol/Lとした。
(3)YBCO仮焼膜の作製
配向金属基板の中間層2上に、YBCO原料溶液をスピンコート法を用いて塗布し、その後乾燥することにより、YBCO塗布膜を作製した。
YBCO塗布膜が作製された配向金属基板に対して、大気圧の空気雰囲気下で、500℃、120分間の仮焼熱処理を行い、YBCO仮焼膜を作製した。
上記YBCO塗布膜の作製と仮焼熱処理を2回繰り返し、所定の厚さのYBCO仮焼膜を作製した。
(4)HoBCO仮焼膜の作製
次に、YBCO仮焼膜の上に、HoBCO原料溶液をスピンコート法を用いて塗布し、その後乾燥することにより、HoBCO塗布膜を作製した。
その後、大気圧の空気雰囲気下で、500℃、120分間の仮焼熱処理を行い、HoBCO仮焼膜を作製した。
上記HoBCO塗布膜の作製と仮焼熱処理を2〜6回繰り返し、所定の厚さのHoBCO仮焼膜を作製した。
(5)本焼熱処理
次に、アルゴン・酸素混合ガス(酸素濃度100ppm)雰囲気下で、800℃、90分間の本焼熱処理を行い、表1の実施例1〜3に示す厚さのYBCO超電導層(第1の超電導層)3およびHoBCO超電導層(第2の超電導層)5を有する酸化物超電導線材を作製した。
(比較例1)
表1のようにYBCO超電導層の膜厚を、表1のように0.4μmにし、それ以外は実施例と同様にして酸化物超電導線材を作製した。
(比較例2)
配向金属基板の中間層上に、YBCO原料溶液をスピンコート法を用いて塗布し、その後乾燥することにより、YBCO塗布膜を作製した。
YBCO塗布膜が作製された配向金属基板に対して、大気圧の空気雰囲気下で、500℃、120分間の仮焼熱処理を行い、YBCO仮焼膜を作製した。
YBCO塗布膜の作製と仮焼熱処理を4回繰り返してYBCO仮焼膜を作製した。
次に、アルゴン・酸素混合ガス(酸素濃度100ppm)雰囲気下で、800℃、90分間の本焼熱処理を行い、超電導層として、表1のように厚さ0.6μmのYBCO超電導薄膜の一層のみが形成された酸化物超電導線材を作製した。
(比較例3)
配向金属基板の中間層上に、HoBCO原料溶液をスピンコート法を用いて塗布し、その後乾燥することにより、HoBCO塗布膜を作製した。
HoBCO塗布膜が作製された配向金属基板に対して、大気圧の空気雰囲気下で、500℃、120分間の仮焼熱処理を行い、HoBCO仮焼膜を作製した。
HoBCO塗布膜の作製と仮焼熱処理を4回繰り返してHoBCO仮焼膜を作製した。
次に、アルゴン・酸素混合ガス(酸素濃度100ppm)雰囲気下で、800℃、90分間の本焼熱処理を行い、超電導層として、表1のように厚さ0.6μmのHoBCO超電導薄膜の一層のみが形成された酸化物超電導線材を作製した。
3.酸化物超電導薄膜線材の評価
(1)超電導特性
実施例1〜3および比較例1〜3で得られた酸化物超電導薄膜線材を用いて、77K、自己磁場下において、JcおよびIcを測定した。表1に測定結果を示す。
Figure 2012129085
(2)考察
(a)実施例1〜3について
表1に示すように、いずれの実施例も、高Jcおよび高Icを示している。また、実施例のうち、HoBCO層の膜厚が厚い線材ほど、高Jcを維持したままIcが向上している。これは、YBCO層の膜厚が厚過ぎず、中間層とYBCO層との界面に形成されている欠陥がピン止め点としての役割を果たし、また、HoBCO層内には万遍なく形成されている固溶体が、ピン止め点としての役割を適切に果たしているためである。
(b)比較例1〜3について
表1に示すように、いずれも、JcおよびIcが実施例1〜3と比べて小さくなっている。これは、比較例1では、実施例と比べてYBCO超電導層の膜厚が厚過ぎるため、ピン止め点としての効果が低下したためである。また、比較例2では、YBCO超電導層が厚く、HoBCO層がないため、ピン止め点が不足しているためである。また、比較例3では、HoBCO層は実施例2のHoBCO層と同厚であるが、中間層とHoBCO層との界面にデッドレイヤーが形成されたため、JcおよびIcが実施例1〜3と比べて小さくなっている。
以上より、本実施例によれば、MOD法により、厚膜化してもJcが低下せず、高いIcを有する酸化物超電導薄膜を作製できることが分かる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、前記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、前記の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
1 配向金属基材
2 中間層
3 YBCO超電導層
4 中間層とYBCO超電導層との界面のピン止め点
5 HoBCO超電導層
6 HoBCO超電導層内のピン止め点
7 デッドレイヤー

Claims (3)

  1. 配向金属基材上に中間層が形成された配向金属基板の上に、金属有機化合物を原料として、塗布熱分解法により酸化物超電導薄膜を形成して、酸化物超電導薄膜線材を製造する酸化物超電導薄膜線材の製造方法であって、
    前記配向金属基板の中間層の上に、YBCO超電導薄膜を成膜するYBCO超電導薄膜成膜工程と、
    前記YBCO超電導薄膜の上に、HoBCO超電導薄膜を成膜するHoBCO超電導薄膜成膜工程と
    を有していることを特徴とする酸化物超電導薄膜線材の製造方法。
  2. 前記YBCO超電導薄膜の膜厚が0.3μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導薄膜線材の製造方法。
  3. 配向金属基材上に中間層が形成された配向金属基板の上に、膜厚0.3μm以下のYBCO超電導薄膜が形成され、さらに、前記YBCO超電導薄膜の上に、HoBCO超電導薄膜が形成されていることを特徴とする酸化物超電導薄膜線材。
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