JP2012172563A - 鞍乗り型車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素センサに対するアース線の配線を容易にする。
【解決手段】エンジン30の排気ポートに排気管33を接続し、この接続部近傍にO2センサ50を取付ける。O2センサ50はバッテリ66の+端子と接続する。排気管33は車体後方へ延び、ピボットプレート15の下方に設けられた車体取付ステー46にてピボットプレート15へ支持される。車体取付ステー46の一部にはアース接続部47が一体に設けられ、ここでセンサ側アース線60の端子61が接続される。端子61はピボットプレート15の内側を上方へ延びてピボットの上方でボルト止めされてピボットプレート15へ電気的に接続される。ピボットプレート15は車体フレーム10の一部をなし、車体フレーム10に支持されたエンジン30と電気的に接続される。エンジンはエンジン側アース線67でバッテリ66のマイナス端子へ接続されている。これにより、排気管33がアース線の一部としなる。
【選択図】図9

Description

この発明は、自動2輪車等の鞍乗り型車両、特にその排気系に設けられる酸素センサの有利なアース構造に関する。
自動2輪車への排気ガスセンサ取付構造に関する従来例として、シリンダヘッドの排気ポートに酸素センサを取付けたものがある(特許文献1参照)。
ところで、電装部品のアースをとる際、予め他の電装品のためのアース線としてエンジン側アース線がエンジンからバッテリに接続されているため、電装部品専用のアース線が無くても、エンジンに導通されていれば、エンジンから一括してアースをとることができる。
したがって、従来例のような構成であれば、酸素センサにアース線が無くても酸素センサのアースをとることができるので、専用のアース線を省略でき、酸素センサのコスト低減、及びアース回路の簡易化が可能になる。
特開2010−7645号公報
従来例のような排気ポートに酸素センサを設ける構成では、多気筒エンジンの場合、気筒数だけ酸素センサが必要となり、酸素センサの使用個数を削減することが求められる。このためには、排気系の集合部に酸素センサを取付ければよいが、さらにアース線のない酸素センサだけを設けたい場合にはアースを従来例とは別の手法でとる必要がある。
すなわち、排気管はエンジンのシリンダヘッドへ、ガスケットを介してスタッドボルトとナットで締結されている。このため、排気管→エンジン→エンジン側アース線→バッテリのアース回路を採用して酸素センサ専用のアース線を省略しようとすれば、ガスケット及びスタッドボルトに対して特殊な表面処理を施して信頼性のある導電性を確保する等の導通保証が必要となる。しかし、一般には排気管とエンジン間における導通保証はされていないため、排気管→エンジンのアース回路を採用しづらい。また、このような配慮は、多気筒エンジンの場合に限らず、単気筒エンジンでも酸素センサを排気管へ取付けた場合には同様となる。
そこで、本願発明は、排気系部品に酸素センサを取付け、かつ酸素センサとバッテリを直接接続する専用のアース線を省略することができるとともに、確実かつ容易でコストも安いアース回路を形成できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため請求項1に記載した発明は、車体フレームと、この車体フレームへ導通可能に支持されるエンジンと、このエンジンに接続されかつエンジン後方にて前記車体フレームへ支持される排気管と、排気中の酸素量を計測する酸素センサと、この酸素センサに電力を供給するバッテリとを備え、このバッテリのプラス極と前記酸素センサとを電力線で接続し、前記エンジンと前記バッテリのマイナス極の間をエンジン側アース線で接続した鞍乗り型車両において、
前記排気管に前記酸素センサを取付けるとともに、
この排気管の前記車体フレームとの支持部近傍にアース接続部を設け、このアース接続部と前記車体フレームとの間を前記エンジン側アース線とは別のセンサ側アース線で接続したことを特徴とする。
請求項2に記載した発明は上記請求項1において、前記排気管は前記車体フレームに取付けられるための車体取付ステーを有し、
この車体取付ステーにアース接続部を設け、
このアース接続部へ前記センサ側アース線の一端を接続し、他端を前記車体フレームへ接続したことを特徴とする。
請求項3に記載した発明は上記請求項2において、前記鞍乗り型車両は、後輪を揺動自在に枢支するスイングアームと、このスイングアームを枢支するとともに前記車体フレームの一部をなすピボットプレートとを備え、
このピボットプレートの下方に前記車体取付ステーを配置し、
前記センサ側アース線の前記他端を前記ピボットプレートの車幅方向内側に接続したことを特徴とする。
請求項4に記載した発明は上記請求項2又は3において、前記車体取付ステーを前記車体フレームへ取付けることによる前記排気管と前記車体フレームとの組立前に、前記センサ側アース線の前記他端を予め前記車体フレームへ取付け、前記一端を垂らしておくことを特徴とする。
請求項5に記載した発明は上記請求項1〜4のいずれかにおいて、前記酸素センサは排気管との接続部に介在するワッシャを備え、
このワッシャには、排気管取付部から外方へラッパ状に突出する放熱部が一体に形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載した発明は、予めバッテリのプラス極と酸素センサを電力線で接続し、バッテリのマイナス極とエンジンとをエンジン側アース線で接続した構成において、酸素センサを排気管へ取付けるとともに、酸素センサとバッテリ間を直接結ぶアース線を省略するとき、排気管及び車体フレームをアース回路の一部とすることができるため、排気管とエンジンとの間に導通保証のない場合であっても、排気管→エンジンのアース回路とせず、排気管→アース接続部→センサ側アース線→車体フレーム→エンジン→エンジン側アース線→バッテリのマイナス極、からなるアース回路にすることができる。
このため、排気管とエンジンとの間に導通保証のない場合であって、酸素センサを排気管へ取付け、かつ酸素センサとバッテリ間を直接接続するアース線を省略した場合でも、確実かつ容易でコストの安いアース回路を形成できる。
また、排気管と車体フレームの間を接続するセンサ側アース線の長さは、酸素センサとバッテリ間を直接接続するアース線を設けた場合よりも短くすることが可能となる。
請求項2に記載した発明は、排気管に車体フレームへ取付けるための車体取付ステーを設けるとともに、この車体取付ステーにアース接続部を設けたので、排気管の車体取付時に、アース接続部へセンサ側アース線の一端を接続し、他端を車体フレームへ接続することにより、排気管の車体組付作業に併せてセンサ側アース線の結線も行うことが可能となる。
請求項3に記載した発明は、車体フレームの一部をなすピボットプレートの下方に車体取付ステーを配置したので、センサ側アース線の一端を車体取付ステーのアース接続部に接続するとともに、他端側をピボットプレートの車幅方向内側に接続することで、センサ側アース線をピボットプレート内側となる低く目立ちにくい位置に設けることができる。
請求項4に記載した発明は、車体取付ステーを車体フレームへ取付けることによる排気管と前記車体フレームとの組立前に、センサ側アース線の前記他端を予め前記車体フレームへ取付け、前記一端を垂らしておくので、排気管を車体取付ステーで車体フレームへ取付けるときに、その近傍に垂れているセンサ側アース線の一端をアース接続部へ接続すればよいため、組付け性を向上することができる。
請求項5に記載した発明は、酸素センサと排気管との取付部に介在するワッシャに排気管取付部から外方へラッパ状に突出する放熱部を一体に設けたので、ワッシャを利用して酸素センサの放熱性を高めることが可能となる。
自動2輪車の車体フレーム部分を中心とする車両要部の左側面図 車体右側のピボットプレート及びエンジン部分を示す側面図 エンジン前部について排気管の接続部を中心に示す図 排気管及びマフラーからなる排気系部品の側面図 上記排気系部品の平面図 図4の6−6線断面図 車体右側のピボットプレートを車体内側から示す図 図7の8−8線断面図 酸素センサの配線図
以下、図面に基づいて一実施形態を説明する。図1は、鞍乗り型車両の一例である自動2輪車の車体フレーム部分を中心とする車両要部の左側面を示す。この図において、車体フレーム10は前端のヘッドパイプ11と、このヘッドパイプ11から左右へ枝分かれして後方へ延びるメインフレーム12と、メインフレーム12の前部でヘッドパイプ11の後方かつメインフレーム12の前部近傍から斜め下がり後方へ延びる左右一対のダウンフレーム13と、メインフレーム12の後方にて斜め上がりでさらに後方へ延出する左右一対のシートレール14と、メインフレーム12の後端部とシートレール14の前端部とを連結するとともに斜め下がり前方へ延びる左右一対のピボットプレート15とを備える。
ヘッドパイプ11には前輪の下端を支持するフロントフォーク(いずれも図示省略)が回動自在に支持される。
メインフレーム12上にはエアクリーナ20、中央収納ボックス21が支持され、中央収納ボックス21は上部開口を中央リッド22で開閉される。
シートレール14上には燃料タンク23が支持される。燃料タンク23の上にはシート24が支持される。シート24の後部は開閉自在のピリオンシート25をなし、これを前開きすることにより、燃料タンク23の後部に設けられた給油キャップを外して給油できる。
シート24の下方には、ピボットプレート15と重なる部分の下部にライダー(運転者)用のステップ26が設けられたステップホルダ27が配置され、ステップホルダ27の後端部にはピリオンステップ28が設けられている。
ステップホルダ27は前部がピボットプレート15に対してその外側面を覆うようにして取付けられ、左右一対で設けられる。
メインフレーム12の下方にはエンジン30が配置され、上部をメインフレーム12により、前部をダウンフレーム13により、後部をピボットプレート15によりそれぞれ支持されている。車体フレーム10はエンジン30をフレーム構造の一部として利用することによりダイヤモンド構造をなしている。エンジン30は車体フレーム10へボルトの締結で支持されているため、エンジン30と車体フレーム10はアース回路をなすことができるように電気的に導通接続されている。
エンジン30はクランクケース31とシリンダ32を備える。シリンダ32はさらにシリンダブロック32a・シリンダヘッド32b・ヘッドカバー32cを備える。シリンダヘッド32bには混合気燃料がエアクリーナ20及び燃料タンク23から供給され、排気は排気管33を通して排出される。排気管33はシリンダヘッド32bの前方へ出てから後方へ延出してマフラー34に接続している。
ピボットプレート15には、スイングアーム35の前端がピボット16により揺動自在に支持される。スイングアーム35の後端には後輪36が支持され、チェーン(図示省略)を介してエンジン30により駆動される。37は緩衝器であり、上端は車体フレームに支持され、下端部はスイングアーム35とピボットプレート15間に設けられたリンク機構へ取付けられている。
図2は車体右側のピボットプレート15及びエンジン30部分を示す側面図、図3はエンジン30前部を排気管33の接続部を中心に示す図。図4は排気管33及びマフラー34からなる排気系部品の側面図、図5はその平面図、図6は図4の6−6線断面図、図7はこの車体右側のピボットプレート15を車体内側(車体中心側)から示す図、図8は図7の8−8線断面図である。
図2において、シリンダヘッド32bの排気ポート40には、排気管33の前端部が接続されている。排気管33はシリンダヘッド32bから下方へ出て、クランクケース31の前方を通り、その下部左側へ回り込むように湾曲して後方へ延び、さらにクランクケース31の後方から車体右側へ出て、ピボットプレート15の下方を通り、ピボットプレート15の後方かつ後輪36の前方にてマフラー34へ接続している。排気管33のピボットプレート15近傍には車体取付ステー46が設けられ、ピボットプレート15の下端に設けられた排気管支持突起17へ防振支持されている。マフラー34は後輪36の側面に後方斜め上がりに支持されている。
図3において、シリンダヘッド32bの排気ポート40には、排気管33の前端部に設けられたジョイント部41が取付けられ、このジョイント部41の内側側面に酸素センサであるO2(オーツー)センサ50が取付けられている。
O2センサ50は電装部品であり、後述するバッテリからハーネスで電力を供給されるとともに、排気管33及び車体フレーム10等をアースに利用している。
排気管33のジョイント部41は下流側の触媒筒42に接続する。触媒筒42は斜め下がり後方かつ外側方へ拡がるように配置され、シリンダ32の下方かつクランクケース31の前方に配設される。また、触媒筒42の前端部(上流側端部)はO2センサ50の近傍に位置している。
図4・5に示すように、排気管33は上流側から順に、ジョイント部41,触媒筒42及び後部パイプ43で構成される。ジョイント部41は排気ポート40へ嵌合されるマウスカラー41a、排気ポート40へ供給するためのジョイントフランジ41b及び触媒筒42へ接続するマウスパイプ41cを備える。
マウスパイプ41cの車体内側側面にセンサ取付ナット44が設けられ、ここにO2センサ50が着脱自在に取付けられる(図3参照)。
触媒筒42はジョイント部41及び後部パイプ43より太径をなし、板材をプレス成形した半円断面をなす半割体を向かい合わせにして筒状にしたものであり、その内部に公知の触媒45が保持されている。
触媒筒42の前部は細径の首部42aをなし、ここにマウスパイプ41cの下端部が上方から接続し、マウスパイプ41cと首部42aは側面視で略L字状に屈曲している。
触媒45で浄化された排気は後部パイプ43を流れてマフラー34へ送られる。後部パイプ43の後端部43dはマフラー34の前端部へ接続する。
後部パイプ43は、図5に明らかなように、車体中心線CLに対して左右に屈曲しており、車体左側に配置される前部43aと、中間部で車体左側から右側へ向かって斜めに横断するクロス部43bと、その後部で車体右側へ配置される後部43cを備え、後部43cの後端部43dがマフラー34の前端部へ接続される。
後部43cのクロス部43bから屈曲した屈曲部近傍部分上面には、排気管33を車体フレームへ支持させるための取付部をなす車体取付ステー46が溶接されている。車体取付ステー46は側面視で上方へ凸の略半円弧状ををなし、内側にはカラー46aが設けられ、ここでラバーマウント46bを介して右側ピボットプレート15の下端部に設けられた排気管支持突起17(図2参照)に防振支持される。
図4及び5中における各拡大部に示すように、車体取付ステー46の上部には切り起こし状に形成されて上方へ突出するアース接続部47が一体に設けられている。アース接続部47にはボルト通し穴が設けられ、このボルト通し穴と同軸にナット48が溶接されている。
アース接続部47及びナット48は、車体取付ステー46,排気管33を介してO2センサ50のアース部へ電気的に接続し、アース回路の一部をなしている。
図5の拡大部に示すように、アース接続部47にセンサ側アース線60(図7参照)の端子61が重ねられ、ナット48へ車体外側方(右側)からボルト49を締め付けることにより固定される。これにより排気管33はアース接続部47を介してセンサ側アース線60と電気的に接続する。
図6に示すように、ジョイント部41は中空パイプ状であり、センサ取付ナット44はマウスパイプ41cの側面に設けられた貫通孔へ一端側を嵌合して溶接され、O2センサ50を取付けると、O2センサ50の先端が内部空間である排気通路41e内へ差し込まれて、排気通路41e中の酸素(O2)量を計測するようになっている。
マウスカラー41aはシリンダヘッド32bの側面で排気ポート40の開口縁部に突出形成された排気管取付部40aに嵌合され、ジョイントフランジ41bに設けられている通し穴41dに、排気管取付部40aから突出するスタッドボルト40bを通してナット40cを締結することにより、ジョイント部41が排気管取付部40aへ取付けられる。このとき、排気管取付部40aに設けられているマウスカラー41aを嵌合する嵌合凹部40dの底部とマウスカラー41aの先端間にガスケット40eが介装される。
なお、図6において、ガスケット40eは見えやすいように若干小さくして表示してあり、嵌合凹部40dの底部とマウスカラー41aの先端とそれぞれ離れているが実際は密着されて排気をシールする状態になっている。また、スタッドボルト40b及びガスケット40eを介して接続するシリンダヘッド32bと排気管33間についての導通保証はされていない。
図7に示すように、ピボットプレート15の外側方には、ステップホルダ27が重ねられ、ボルト76及びステップ26でピボットプレート15の外側へ取付けられている。
ステップホルダ27は基部73と延出部74を備え、基部73は一部がピボットプレート15に重なるとともに、上部73aは上方へ突出する突部をなし、前縁部73bはクランクケース31の側面を覆うケースカバー31aの後縁部に沿っている。
延出部74は基部73から後方へ略三角形状をなすように延出し、先端の鋭角部にピリオンステップ28が取付けられている(図2参照)。
ケースカバー31aの上縁部は上方側が後方へ張り出す湾曲形状をなし、前縁部73bの上部はこの湾曲形状に沿うよう後方へ凹むように湾曲している。前縁部73bの下方に車体取付ステー46が位置している。
前縁部73bの下端73cはピボットプレート15の下端部よりも高い位置で前方へ張り出しており、センサ側アース線60の端子61は後方をピボットプレート15の下端に囲まれ、上方を前縁部73bの下端73cに囲まれた部分にてピボットプレート15及びステップホルダ27からクランクケース31の外側面上へ出て、ここでアース接続部47へ取付けられる。
センサ側アース線60の端子61を除く大部分は、ピボットプレート15及びステップホルダ27の内側へ隠れている。
ピボットプレート15は上下方向へ細長く設けられ、その前縁部15aは中間部のピボットが設けられるピボットボス15bの近傍部が最も前方へ湾曲して突出し、その上下が後方へ湾曲する湾曲部15c,15dをなす。後縁部15eはほぼ直線状をなしている。下端部15fはステップホルダ27の下端部よりもさらに長く下方へ突出している。
センサ側アース線60はクランクケース21後方の空間に、ピボットプレート15の前縁に沿って上下方向に配線され、湾曲部15dに対しては中間部が若干前方へ離れ、上下でピボットボス15bの近傍部及び下端部15fの各内側に重なっている。センサ側アース線60の下端である端子61側はピボットプレート15の下端部15f近傍まで垂らして自由な状態にしておく。
ピボットボス15bより上方部分は、ピボットボス15bの上方を後方へ回り込み、センサ側アース線60の上端側のターミナル板62は、ステップホルダ27の基部73の後縁部と延出部74の上縁部の接続部分近傍にてジョイントステー63へ取付けられている。
このようにすると、センサ側アース線60をピボットプレート15の内側となる低く目立ちにくい位置に設けることができる。しかも、ピボットプレート15にステップホルダ27を重ねることにより、センサ側アース線60の一部がピボットプレート15の前縁から前方へ出た部分をステップホルダ27で隠すことができるので、センサ側アース線60の殆どを見えないようにして外観性を向上させることができる。
ジョイントステー63は図示省略のブレーキジョイントを支持するための導電性金属部材であり、大略コ字状をなし、前端部63aは基部73の内側へ突出し、中間部63bには、ターミナル板62がボルト64にて取付けられ、ボルト64を介してピボットプレート15と電気的に接続している。後端部63cは中間部63bから屈曲して斜め下前方へ延出している。
ターミナル板62にはセンサ側アース線60の上端の他に、別のハーネス65が上方から取付けられている。ハーネス65はO2センサ50とは別の他の電装部品のアース線である。
ピボットプレート15は車体フレーム10の一部であって、ピボットプレート15とそれ以外の車体フレーム10、例えばメインフレーム12とは電気的に接続している。また、車体フレーム10はエンジン30とボルト締結部における座面の接触によって電気的に接続し、さらにエンジン30には予めエンジン側アース線67(図9参照)でバッテリのマイナス極が接続されている。
したがって、O2センサ50のアース部は、排気管33→車体取付ステー46→アース接続部47→センサ側アース線60→ピボットプレート15→車体フレーム10→エンジン30→エンジン側アース線67を介してバッテリのマイナス極と電気的に接続する。
このようにすると、センサ側アース線60を極力短くすることができる。なお、本実施形態ではセンサ側アース線60をジョイントステー63の中間部63bとアース接続部47間に上下方向へある程度長く配線してあるが、これは複数のアース線(60・65)をジョイントステー63の中間部63bへ集中させて接続させることでメンテナンス等を容易にするアース配線の定石手法にしたがうためであり、かかる定法を満足した状態では可及的に短くなっている。
また、この場合でも、センサ側アース線60の長さは、O2センサ50とバッテリ66間を直接接続する専用のアース線を設けた場合よりも短くすることが可能となる。
さらに、上記定石手法に拘らず、最短配線を実現したい場合にはアース接続部47から直近のピボットプレート下端部15fへ接続させることもできる。
センサ側アース線60は車体組立時に上端をターミナル板62へ取付けた状態で、下端を下端部15f近傍まで垂らした状態にしておく。
このようにすると、車体組立時において、エンジンを車体フレーム10へ支持させたとき、排気管33の車体取付ステー46が下端部15fの下方に来るため、車体取付ステー46を排気管支持突起17へ取付けてから、続いて端子61をアース接続部47へ取付けることができるので、一連の連続作業で排気管33の組付とセンサ側アース線60の接続ができるから、組立性が向上する。
図8は図7の8−8線断面であり、ボルト64はピボットプレート15に設けられたナット部15gへターミナル板62及びジョイントステー63の中間部63bと共締めされている。
後端部63cの先端は外方へ屈曲されてナット部15hの内側端部内へ差し込まれており、これによりジョイントステー63が回り止めされている。
ナット部15hはピボットプレート15を内外に貫通して溶接され、ここにピボットプレート15の外側面へ重ねられたステップホルダ27がボルト76で外側から締結されている。なお、図7には上下にナット部15hが設けられているが、上法のナット部15hにボルト76が締結され、下方のナット部15hにはステップ26のネジ部が締結される。
図9はO2センサ50の配線図であり、O2センサ50の本体51におけるプラス端子(図示省略)部分には、O2センサ50へ電力供給をする電力線であるハーネス52の一端が接続され、ハーネス52の他端側はバッテリ66の+極へ接続される。バッテリ66とO2センサ50を直接接続する電線はこのハーネス52のみであり、バッテリ66のマイナス極とO2センサ50のアース部とを直接接続する専用のアース線は省略されている。
一方、本体51のアース部分は排気管33へ接続され、排気管33は車体取付ステー46を介してセンサ側アース線60に接続され、センサ側アース線60はボルト64にてピボットプレート15並びに一体の車体フレーム10へ取付けられ、さらに車体フレーム10はエンジン30とボルトで締結されており、このボルト締結部における座面の接触により車体フレーム10がエンジン30へ電気的に接続され、エンジン30はエンジン側アース線67を介してバッテリ66のマイナス極へ接続される。
なお、エンジン30にエンジン側アース線67を接続する場所は種々可能であり、例えば、ヘッドカバー32cの適所とすることができる。エンジン側アース線67はエンジン30へ電気的に接続され、エンジンをアースに利用する各種電装部品の共通アース線となっている。
バッテリ66は車体の適宜場所に支持され、例えば、エンジンの上方にて中央収納ボックス21(図1参照)の底部等に支持される。
このようにすると、本体51→排気管33→車体取付ステー46→アース接続部47→端子61→センサ側アース線60→ターミナル板62→ジョイントプレート63→ピボットプレート15→車体フレーム10→エンジン30→エンジン側アース線67→バッテリ66のマイナス極、というアース回路が形成される。このため、排気管33及びピボットプレート15を含む車体フレーム10並びにエンジン30をアース回路の一部として利用することになり、センサ側アース線60を極力短くした構成が可能になる。
しかも、排気管33→エンジン30→バッテリ66というアース回路を採用しないため、スタッドボルト40bやガスケット40eの介装による導電性の保証や、所定の導電性を確保するためスタッドボルト40bに特殊な表面処理をする必要がないので、信頼性の高いアース回路の形成が可能になった。
また、O2センサ50を排気管33へ取付け、かつO2センサ50とバッテリ66間を直接接続するアース線を省略した場合でも、確実かつ容易でしかもコストの安いアース回路を形成できる。
そのうえ、エンジン30とバッテリ66間は他の電装品の共通アース回路となるエンジン側アース線67による既存のアース回路となっているから、この既存アース回路を共通に利用でき、新たに設ける必要がない。
本体51の周囲には放熱カラー53が取付けられ、排気管33の高熱を速やかに大気中へ放熱することにより、本体51の高温化を防いでいる。
放熱カラー53は上方がラッパ状に外側へ開いたフランジ部54を有する有底筒状部材であり、その底部はワッシャ55をなし、ここに設けた穴(図示省略)に本体51の下部から下方へ突出する細径のネジ部56を通し、本体51に設けられたナット部57をワッシャ55に重ねた状態で、本体51先端側のネジ部56をセンサ取付ナット44へねじ込んで先端のセンサ部58をマウスパイプ41c内へ突出させることにより、ワッシャ55がナット部57とセンサ取付ナット44の間に挟持されて固定される。
このようにすると、本来、ナット部57の締結用であるワッシャ55と一体に放熱カラー53を設けることができ、しかもO2センサ50の本体51を取付けるとき、放熱カラー53を同時に固定できる。
なお、本願発明は多気筒エンジンにも適用できる。この場合には、排気管の集合部へ酸素センサを設けるようにする。このようにしても、上記の排気管や車体フレーム及びエンジンを利用した有利なアース回路を形成できるとともに、
酸素センサは1個だけ設ければ足りるので、各気筒の排気ポートへ個別に設ける必要がなく、酸素センサの使用個数を節約できる。
また、自動2輪車以外の鞍乗り型車両にも適用できる。
10:車体フレーム、15:ピボットプレート、30:エンジン、33:排気管、40a:排気管取付部、40b:スタッドボルト、40c:ナット、40e:ガスケット、41:ジョイント部、41b:ジョイントフランジ、44:センサ取付ナット、46:車体取付ステー、47:アース接続部、50:O2センサ(酸素センサ)、53:放熱カラー、55:ワッシャ、60:センサ側アース線、62:ターミナル板、63:ジョイントステー、64:ボルト、66:バッテリ、67:エンジン側アース線

Claims (5)

  1. 車体フレームと(10)と、この車体フレーム(10)へ導通可能に支持されるエンジン(30)と、このエンジン(30)に接続されかつエンジン後方にて前記車体フレーム(10)へ支持される排気管(33)と、排気中の酸素量を計測する酸素センサ(50)と、この酸素センサ(50)に電力を供給するバッテリ(66)とを備え、このバッテリ(66)のプラス極と前記酸素センサ(50)とを電力線(52)で接続し、前記エンジン(30)と前記バッテリ(66)のマイナス極の間をエンジン側アース線(67)で接続した鞍乗り型車両において、
    前記排気管(33)に前記酸素センサ(50)を取付けるとともに、
    この排気管(33)の前記車体フレーム(10)との支持部近傍にアース接続部(47)を設け、このアース接続部(47)と前記車体フレーム(10)との間を前記エンジン側アース線(67)とは別のセンサ側アース線(60)で接続したことを特徴とする鞍乗り型車両。
  2. 前記排気管(33)は前記車体フレーム(10)に取付けられるための車体取付ステー(46)を有し、
    この車体取付ステー(46)に前記アース接続部(47)を設け、
    このアース接続部(47)へ前記センサ側アース線(60)の一端を接続し、他端を前記車体フレーム(10)へ接続したことを特徴とする請求項1に記載した鞍乗り型車両。
  3. 前記鞍乗り型車両は、後輪(36)を揺動自在に枢支するスイングアーム(35)と、このスイングアーム(35)を枢支するとともに前記車体フレーム(10)の一部をなすピボットプレート(15)とを備え、
    このピボットプレート(15)の下方に前記車体取付ステー(46)を配置し、
    前記センサ側アース線(60)の前記他端を前記ピボットプレート(15)の車幅方向内側に接続したことを特徴とする請求項2に記載した鞍乗り型車両。
  4. 前記車体取付ステー(46)を前記車体フレーム(10)へ取付けることによる前記排気管(33)と前記車体フレーム(10)との組立前に、前記センサ側アース線(60)の前記他端を予め前記車体フレーム(10)へ取付け、前記一端を垂らしておくことを特徴とする請求項2又は3に記載した鞍乗り型車両。
  5. 前記酸素センサ(50)は排気管との接続部に介在するワッシャ(55)を備え、
    このワッシャ(55)には、排気管取付部から外方へラッパ状に突出する放熱部(53)が一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載した鞍乗り型車両。
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