JP4850119B2 - 車両の排気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動二輪車のような車両に搭載されてエンジンからの排気ガスを排出する排気装置に関するものである。
従来の排気装置は、マフラに触媒が内蔵され、エンジンから排出された排気ガスは、マフラに設けた触媒コンバータを用いて浄化されたのち排出されている。近年の環境に対する意識の高まりから、エンジンスタート時における排ガスの浄化を促進すべく、触媒をエンジンの排気ポートに近づけてコールドスタート直後に迅速に触媒が活性化するように、触媒コンバータを排気通路の中間部に設け、その上流側近傍に排気ガスセンサを配置したものがある(特許文献1参照)
特許第3026684号公報
しかしながら、上記の排気装置では、触媒コンバータの上流側で複数の排気通路を1本に集合しているから、複数の排気通路部分が短くなるので、エンジンの中速領域における出力向上が十分でない。そこで、触媒コンバータの上流側の排気通路を仕切り板により二つに区画することで、中速域の出力向上を図った排気装置が提案されている(特許文献2)。ところが、排気通路を仕切り板で区画すると、区画されたそれぞれの通路に排気ガスセンサを設ける必要があり、部品点数、重量およびコストの増大を招く。
特開2006−077727号公報
本発明は、前記従来の課題に鑑みてなされたもので、複数の排気管の間に仕切り板を設けることにより、複数に区画された排気通路を十分な長さにして中速域の出力向上を図りながらも、排気ガスセンサを1つにして、部品点数、重量およびコストの増大を抑制できる車両の排気装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明にかかる車両の排気装置は、車両に搭載された複数気筒のエンジンから排気ガスを排出する排気装置であって、前記エンジンの複数の気筒に接続されて排気通路の一部を形成する複数の排気管と、前記複数の排気管を集合した集合排気管と、前記集合排気管に内蔵された触媒コンバータとを備え、互いに隣接する前記複数の排気通路の間を仕切る仕切り板に連通孔が形成され、前記連通孔に近接して前記排気ガスの成分を検出する排気ガスセンサが配置され、前記排気ガスセンサが前記触媒コンバータの上流側近傍に位置し、その先端部が前記連通孔に向かって傾斜して配置されている
この構成によれば、仕切り板によって分けられた複数の排気通路を有しているので、この仕切り板の長さを適切に設定することにより中速領域でのエンジン出力を向上させることができる。しかも、各排気通路が連通孔により連通しているので、1つの排気ガスセンサで排気通路全体の測定を行うことができ、排気ガスセンサの数を減らすことで部品点数、重量およびコストを低減することができる。さらに、触媒コンバータに導入される直前の排気ガスの成分を検出できるので、この検出結果に基づいて、エンジンの吸気系の空燃比および排気ポートに吹き込む2次空気量等の制御を効果的に行って、触媒コンバータの浄化作用を高く維持できる。また、集合排気管の横断面形状はエンジン出力向上の面から円形状が好ましいが、この集合排気管に排気ガスセンサを取り付ける場合、排気ガスセンサの取付部にはセンサボス部を設ける必要があるために、取付部がフラットになり、その結果、集合排気管の横断面形状は一部分がフラットな非円形状になる。したがって、排気ガスセンサを1つとすることで、集合排気管の横断面形状をフラットな部分が少ない、円形に近い形状とすることができ、これにより、センサボス部の製作および取付工数を減らすことができるうえに、低速領域でのエンジン出力の低下を防ぎ、滑らかな加速を可能にする。
本発明において、好ましくは、前記仕切り板によって、前記集合排気管における触媒コンバータの上流側の排気通路が上下に仕切られた触媒導入通路とされており、上側の触媒導入通路に臨むように前記排気センサが集合排気管に取り付けられている。この構成によれば、下側の触媒導入通路に排気ガスセンサを取り付ける必要がないので、走行中に排気ガスセンサやそのカバーが障害物に接触するのを回避しつつ、バンク角を大きくことができる。また、集合排気管の下部は泥水等の影響により冷えやすく、冷却されることにより発生する排気ガスの凝縮液が排気ガスセンサに浸入し、センサに悪影響を与えることがあるが、下側の排気ガスセンサを不要とすることで、これを回避することができる。
また、本発明の排気装置として、例えば、4気筒の前記エンジンに接続された4本の排気管を有し、前記集合排気管には単一の触媒コンバータが内蔵されており、集合排気管における前記触媒コンバータの上流側に、前記仕切り板によって、前記4本の排気管を2本ずつ集合した前記触媒導入通路が形成された構成とすることができる。この構成によれば、4気筒エンジンの排気ガスを一つの触媒コンバータにより浄化できるので、部品点数の減少とコストダウンが達成される。
本発明の車両の排気装置によれば、仕切り板によって区画された排気通路が連通孔により連通しているので、複数に区画された排気通路を長くして中速域の出力向上を図りながらも、1つの排気ガスセンサで排気通路全体の排気ガス成分を検出することができ、部品点数、重量およびコストを低減することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る排気装置を備えた自動二輪車を示す側面図である。この自動二輪車は、車体フレームFRの前半部を構成するメインフレーム1の前端部にフロントフォーク2が操向自在に支持され、このフロントフォーク2の下端部に前輪4が支持されている。また、フロントフォーク2の上端部を支持するアッパブラケット8にはハンドル9が取り付けられている。メインフレーム1の後端下部には、スイングアームブラケット(ピボットブラケット)10が形成され、このスイングアームブラケット10に、スイングアーム11の前端部がピポット軸12を介して上下揺動自在に支持されている。このスイングアーム11の後端部に後輪13が支持されている。メインフレーム1の後部に連結されたシートレール14が車体フレームFRの後半部を構成している。メインフレーム1の中央下部にはエンジンEが支持され、このエンジンEからチェーンまたはベルトのような動力伝達部材18を介して後輪13を駆動するようになっている。
前記シートレール14にはライダー用シート19と同乗者用シート20が支持されている。前記メインフレーム1の上部、つまり車体上部で、前記ハンドル9とライダー用シート19との間には燃料タンク21が取り付けられている。また、車体前部には、前記ハンドル9およびフロントフォーク2上部の前方部分や図示しないヘッドランプ、計器類等を覆う樹脂製のカウリング22が装着されている。
前記エンジンEは、この例では並列4気筒4サイクルエンジンであり、クランクケース24、シリンダ27、その上部のシリンダヘッド28、その上部のシリンダヘッドカバー29およびクランクケース24の下部のオイルパン(図示せず)を有するエンジン本体23と、変速機31とを備えている。排気装置36は、シリンダヘッド28の4つの排気ポート28aに各々の前端部が接続されて排気ガスGをエンジンEの前方から下方に導く4本の排気管32と、各2本の排気管32の後端を集合する中間排気管34と、この中間排気管34の下流端部に連結された単一の集合排気管38とを備えている。さらに、集合排気管38の下流端部は、接続管39を介して左右一対のマフラー33に連結されている。排気管体であるこれら排気管32、中間排気管34、集合排気管38および接続管39と、マフラー33とが、排気通路37を形成している。
排気装置36の上流部36a、つまり各排気管32の前端部がエンジンEのシリンダヘッド28に支持(接続)され、下流部36bであるマフラー33が、シートレール14に取り付けられたリヤステップブラケット30にボルトのような締結部材16を介して支持され、接続管39の前端近傍箇所(後述する中間部36c)に取り付けられた取付ブラケット53が、メインフレーム1(スイングアームブラケット10)の下部に設けた支持ブラケット54にボルトのような締結部材15を介して支持されている。
図2は、図1の排気装置を示す拡大平面図である。並列4気筒エンジンEにおいて、各気筒ごとに1本ずつ設けられた合計4本の排気管32が、2本ずつ集合されて、4本から2本へ、2本から1本へと段階的に集合される。すなわち、4本の排気管32は、各2本の排気管32の下流端部に1つずつ連結された上下2つの中間排気管34によって2本に集合され、さらに、前記2つの中間排気管34の下流端部に連結された単一の集合排気管38によって1本に集合されている。各中間排気管34は、その上流端が2本の排気管32に接続され、図5に示すように、内部が上下方向に延びる隔壁52により2つの通路に区切られ、下流端が集合排気管38に接続されている。すなわち、集合排気管38の入口には4本の排気管32に対応した4つの通路が接続されている。
図2において、集合排気管38の触媒コンバータ43よりも下流部で実質的に1本の排気管に集合され、前記下流部には2つの分岐排気管部38c、38dが一体形成されており、各分岐排気管部38c、38dが接続管39に接続されている。2つの中間排気管34、集合排気管38およびこれらの近傍箇所が、排気装置36の中間部36c、つまり、排気通路37の中間部を構成している。集合排気管38内には、排気浄化用の単一の触媒コンバータ43が収納されている。
触媒コンバータ43を排気装置36の中間部36cに配置した理由はつぎのとおりである。すなわち、触媒コンバータが図1の排気装置36の下流側に設けられていると、排気ガスGが通過中に温度が若干低下した状態で触媒コンバータに導入されることになるので、エンジンEがコールドスタートした直後には、排気装置36の大部分が低温であるために、これを通る排気ガスの温度低下が大きくなる結果、触媒が活性化して酸化反応するまでに時間を要し、十分な浄化機能を発揮しない場合がある。そこで、排気ガス規制値に伴い、触媒コンバータ43を排気装置36の上流側に移動させて中間部36cに装着しており、これによって、エンジンEのコールドスタート直後に直ちに触媒を活性化して酸化反応を起こさせるようにしている。
触媒コンバータ43は、図2のIII −III 線断面拡大図である図3に示すように、多数の目を周方向と径方向にならべて形成したハニカム構造であり、セラミック製の環状の平板43aと環状の波板43bとを同心状に交互に重ねて多数の目を形成した、横断面円形のハニカム構造体である。平板43aおよび波板43bには白金およびロジウムなどの触媒を焼成して担持させている。この触媒コンバータ43は、円柱状のハニカム構造体の軸方向、つまり目の方向を排気ガスの流動方向に合致させて配置されている。集合排気管38内には、触媒コンバータ43の上流側に、図2のIV −IV 線断面拡大図である図4(a)に示すように、ほぼ水平に延びる仕切り板51が配置されており、この仕切り板51によって、排気通路37が2つの互いに平行な通路部分に区画されて、上下2つの触媒導入通路38a,38bが形成されている。こうして、触媒コンバータ43とこれの上流側の仕切り板51とにより、排気通路37が二つに区画された区域を、図2の中間排気管34の出口から触媒コンバータ43の出口まで長く設定することができ、これによって、エンジンの中速領域における出力が向上する。
集合排気管38は、いわゆる「もなか構造」を採用している。すなわち、図4(a)に示すように、断面半円形状の両側部に耳部40a,40bが折り曲げにより形成された一対の半円形プレート40A,40Bを備え、各々の耳部40a,40b同士を重ね合わせて、溶接により結合され、集合排気管38が形成されている。両プレート40A,40Bにより形成されている内方空間で仕切り板51の後方に触媒コンバータ43が配置されている。
図2に示すように、集合排気管38における触媒コンバータ43の収納箇所に対し上流側近傍箇所には、センサボス部41が設けられ、このセンサボス部41の近傍に振動抑制用のおもり42が設けられている。図3に示すように、センサボス部41は、集合排気管38の上半部40Bに位置し、図4(a)に2点鎖線で示す排気ガスセンサ44がねじ込みにより取り付けられるねじ孔41aを有している。排気ガスセンサ44は、その先端部47が斜め下方の連通孔51aを向いて上側の触媒導入通路38a内に臨むように傾斜して配置されている。この排気ガスセンサ44は、図2の触媒コンバータ43での排気ガスGの再燃焼を円滑に行うことを目的として、排気通路37における触媒コンバータ43の上流側近傍箇所の排気ガスGの成分、この例では酸素量を検出するものであり、図4(a)の仕切り板51に設けられた連通孔51aを介して混じり合った二つの触媒導入通路38a,38b内の排気ガスGの酸素量を検出する。この排気ガスセンサ44の検出信号は電気コード45(リード線)を介してエンジンコントローラ(図示せず)に送られ、エンジンコントローラは、検出信号に基づき吸気系の空燃比および排気ポートに吹き込む2次空気量を制御して、触媒コンバータ43での触媒反応を円滑に行わせる。空燃比の制御は、例えば燃料噴射量の調節によりなされる。
センサボス部41およびおもり42は、集合排気管38に溶接Wにより取り付けられている。センサボス部41のねじ孔41aには、2点鎖線で示した排気ガスセンサ44が取り付けられる。集合排気管38における仕切り板51が配置された部分の横断面形状は、センサボス部41を除いて内径Dの円形状である。
仕切り板51の連通孔51aは、上側の触媒導入通路38aと下側の触媒導入通路38bとを連通させるもので、連通孔51aにより上側の触媒導入通路38a内の排気ガスGと下側の触媒導入通路38b内の排気ガスGが混合され、各触媒導入通路38a,38bにおける連通孔51aの下流側では4本の排気管32(図2)からの排気ガスGが混合した状態となっている。ここで、一般に、エンジンEの各気筒におけるサイクルの位相は互いにずれているから、これに起因する排気脈動の位相差により、連通孔51aを通った排気ガスGの混合が促進される。これにより、排気ガスセンサ44を連通孔51aの近傍またはその下流に1つ設けるだけで、排気通路全体の排気ガスGの成分を検出することができる。
図5に示すように、連通孔51aは、触媒コンバータ43から上流側へ若干離れた位置にあり、触媒コンバータ43の前端面43cの中心点C1からの距離L1が、好ましくは、集合排気管38の前記内径Dに対して、0.3〜0.6D、より好ましくは、0.4〜0.5Dの範囲にある。連通孔51aを触媒コンバータ43の前端面43cから若干離したのは、触媒コンバータ43の直前であると、排気ガスGが連通孔51aを通って十分に混合される前に触媒コンバータ43に導入されて、検出結果が排気ガスGの混合状態を正確に示さない場合があり、これを避けるためである。排気ガスセンサ44は、その筒形のガス導入部46の側面48および先端部47の孔(図示せず)から排気ガスGを導入して酸素量を検出するもので、排気ガスセンサ44の先端部47が上側の触媒導入通路38aにおける連通孔51aの近傍、あるいは連通孔51aと触媒コンバータ43の間に位置するように設けられる。図5の場合は、先端部47が連通孔51aの中心を向くように、ガス導入部46の軸心を集合排気管38の径方向に合致させており、先端部47と仕切り板51の上面における連通孔51aの中心点C2との距離L2が、集合排気管38の内径Dに対し、0.15〜0.40D,好ましくは、0.20〜0.35Dに設定されている。先端部47を連通孔51aに近づけ過ぎても遠ざけ過ぎても、先端部47が排気ガスGの混合が不十分な領域に入るから、排気ガスGの成分を検出精度が低下することになるので、好ましくない。
図6は、連通孔51aの直径dが0.07Dの場合と0.14Dの場合の、エンジン回転数に対するトルクの大きさを示したエンジン性能の実験データであり、図7は、連通孔51aの直径dが0.14Dの場合と0.18Dの場合の同実験データである。図6によれば、連通孔51aの直径dが0.07Dの場合は、直径0.14Dの場合と比較して、中高速域でトルクの落ち込みが目立つ。特に中速域の前半部分(5000〜6000rpm程度)の回転数領域において大きく落ち込んでいる。図7によれば、連通孔51aの直径dが0.14Dの場合は、0.18Dの場合と比較して、中速域(5000〜8000rpm程度)で全般にわたってトルクの落ち込みが見られる。
仕切り板51の連通孔51aがない場合、連通孔51aの直径dが0.14Dの場合、および連通孔51aの直径dが0.18Dの場合のそれぞれについて排気ガス濃度を実測したところ、次の結果が得られた。連通孔51aの大きさが直径0.14Dのものと連通孔51aがないものとを比較すると、NOx濃度は約21%高くなるが、CO濃度が約8%、THC(全HC)濃度が約6%改善された。連通孔51aの直径dが0.18Dのものと連通孔51aがないものと比較すると、NOx濃度が約5%、CO濃度が約16%、THC濃度が約11%改善された。また、連通孔51aの直径dが0.18Dのものは、連通孔51aの直径が0.14Dのものと比較して、CO濃度は約3%高くなったが、THC濃度が約10%、NOx濃度が約26%改善された。このことから、排気ガスGの混合が進んで、正確な酸素量が検出された結果、空燃比および2次空気量の適切な制御により、触媒コンバータ43の浄化能力が向上したことがわかる。
以上のエンジン性能および排気ガス濃度の実測値を考慮すると、エンジン性能の低下を抑制しながら、排気ガス浄化を達成できる連通孔51aの好ましい直径dは、0.10〜0.25Dであり、より好ましくは、0.15〜0.20Dである。
上記構成において、図1の4気筒のエンジンEに接続された4本の排気管32を、図4(a)の集合排気管38の内部で仕切り板51によって2つの触媒導入通路38a,38bに区画しているので、区画された排気通路37が触媒コンバータ43まで延びる結果、中速領域でのエンジン出力が向上する。しかも、触媒導入通路38a,38bが仕切り板51の連通孔51aにより連通しているので、1つの排気ガスセンサ44で排気通路全体の排気ガス成分を検出することができ、排気ガスセンサ44の数を減らして部品点数、重量およびコストを低減することができる。また、排気ガスセンサ44には泥水からの保護用のカバー49やリード線45等を取り付ける必要があるから、排気ガスセンサ44を減らすことで、リード線45の数が減り、カバー49を小形化することができるので、さらに部品点数、重量およびコストを減らすことができる。
集合排気管38は、一対の半円形のプレート40A,40Bを結合して形成されているが、排気センサガス44の取付部にはセンサボス部41を接合する必要がある。排気ガスセンサ44を1つとすることで、センサボス部41の接合は1箇所で済み、プレート40A,40Bの加工および組立ての工程が少なくなる。また、排気ガスセンサ44が1つとなることで、図4(a)に示すように、集合排気管38の横断面形状を3/4周以上にわたって円形とすることができる。センサボス部41の内端面41bはフラットな形状となるが、集合排気管の横断面形状が非円形であると、円形のものと比べて、特に低速領域でのエンジン出力が低下することが知られている。図4(b)に示すように、排気ガスセンサ44Aを2つ設けた従来の集合排気管38Aでは、フラットなセンサボス部41Aが大きくなる結果、横断面が円形状となるのは1/2周程度であったが、本発明では、図4(a)に示すように、排気ガスセンサ44を1つとしたことにより、3/4以上が円形状となり、エンジンの出力性能を向上させることができる。
さらに、下側の触媒導入通路38bの排気ガスセンサを不要としたことにより、排気ガスセンサ44およびカバー49などが走行中に障害物に接触するのを回避しつつ、バンク角を大きくすることができる。また、集合排気管38の下部は泥水等の影響により冷えやすく、冷却により発生した排ガスの凝縮液が下側の排気ガスセンサに浸入し、センサに悪影響を与えることがあるが、下側の排気ガスセンサが不要となったことで、これを回避することができる。
集合排気管38における触媒コンバータ43の下流部は二つの分岐排気管部38c、38dとなっているが、38c、38dを省いて単一の排気通路としてもよく、その場合は、集合排気管38が1本の接続管39を介して、単一のマフラに接続される。また、必要に応じて、集合排気管38内における触媒コンバータ43の下流側近傍にも通路を上下に仕切る仕切り板を追加してもよい。前記実施形態において、図2の中間排気管34を省くこともできる。
また、図4(a)に示す仕切り板51を2つ以上設けて触媒導入通路38a,38bを3つ以上とすることもでき、その場合、いずれか1つの仕切り板51の連通管51aに排気ガスセンサ44を近接させる。
さらに、図8に示すように、鉛直方向の仕切り板51により集合排気管38を左右に区切って、一対の触媒導入通路38a,38bとすることもできる。その場合、センサボス部41は、一方の触媒導入通路38aまたは38bの上半部40Bに配置し、排気ガスセンサ44のガス導入部46の先端部47を連通孔51aに向かって斜め下方に傾斜させるのが、車両のバンク角を大きくできる点で望ましい。
本発明は、触媒コンバータ43を有しない排気装置にも適用することができ、その場合、排気ガスセンサ44(図3)は、排気ガスGの成分を検出して空燃比を調節することにより、排気ガスGの浄化を図る。また、排気ガスセンサ44は、排気ガス中の酸素量や空燃比を検出するものであれば、どのようなセンサも含む。さらに、本発明は、自動二輪車に限らず、エンジンを備える他の車両の排気装置にも適用できる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成を追加、削除、変更でき、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
本発明の第1実施形態に係る排気装置を備えた自動二輪車を示す側面図である。 同上の排気装置を示す拡大平面図である。 図2のIII −III 線断面拡大図である。 (a)は図2のIV −IV 線断面拡大図であり、(b)はその従来品である。 同上の排気装置における集合排気管の拡大斜視図である。 連通孔の直径が0.07Dの排気装置と0.14Dの排気装置の、エンジン回転数に対するトルクの大きさを示したエンジン性能の実験データである。 連通孔の直径が0.14Dの排気装置と0.18Dの排気装置の、エンジン回転数に対するトルクの大きさを示したエンジン性能の実験データである。 本発明の第2実施形態に係る排気装置の断面拡大図である。
符号の説明
32 排気管
36 排気装置
37 排気通路
38 集合排気管
38a,38b 触媒導入通路
43 触媒コンバータ
44 排気ガスセンサ
51 仕切り板
51a 連通孔
E エンジン
G 排気ガス

Claims (3)

  1. 車両に搭載された複数気筒のエンジンから排気ガスを排出する排気装置であって、
    前記エンジンの複数の気筒に接続されて排気通路の一部を形成する複数の排気管と、前記複数の排気管を集合した集合排気管と、前記集合排気管に内蔵された触媒コンバータとを備え、
    互いに隣接する前記複数の排気通路の間を仕切る仕切り板に連通孔が形成され、
    前記連通孔に近接して前記排気ガスの成分を検出する排気ガスセンサが配置され、
    前記排気ガスセンサが前記触媒コンバータの上流側近傍に位置し、その先端部が前記連通孔に向かって傾斜して配置されている車両の排気装置。
  2. 請求項1において、前記エンジンは4気筒であって、さらに、各気筒に接続された4つの前記排気管に対応する4つの通路が前記集合排気管に接続され、
    前記集合排気管内では、前記仕切り板および前記触媒コンバータにより、排気通路が2つに区画されている車両の排気装置。
  3. 請求項1または2において、前記集合排気管は横断面円形であり、その内径をDとすると、前記連通孔の直径dが、0.10D〜0.25Dである車両の排気装置。
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