JP2012165767A - 杖 - Google Patents

Download PDF

Info

Publication number
JP2012165767A
JP2012165767A JP2011026414A JP2011026414A JP2012165767A JP 2012165767 A JP2012165767 A JP 2012165767A JP 2011026414 A JP2011026414 A JP 2011026414A JP 2011026414 A JP2011026414 A JP 2011026414A JP 2012165767 A JP2012165767 A JP 2012165767A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin layer
reinforced resin
fiber reinforced
shaft portion
cane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011026414A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6037599B2 (ja
Inventor
Tsutomu Yamamoto
勉 山本
Kazuhiko Kosuge
一彦 小菅
Akito Miyazaki
明人 宮崎
Yukiteru Doi
幸輝 土井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
A TECH CO Ltd
Kosuge
KOSUGE KK
NAT INST OF SPECIAL NEEDS EDUCATION
NATIONAL INSTITUTE OF SPECIAL NEEDS EDUCATION
TECH CO Ltd A
Original Assignee
A TECH CO Ltd
Kosuge
KOSUGE KK
NAT INST OF SPECIAL NEEDS EDUCATION
NATIONAL INSTITUTE OF SPECIAL NEEDS EDUCATION
TECH CO Ltd A
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2011026414A priority Critical patent/JP6037599B2/ja
Application filed by A TECH CO Ltd, Kosuge, KOSUGE KK, NAT INST OF SPECIAL NEEDS EDUCATION, NATIONAL INSTITUTE OF SPECIAL NEEDS EDUCATION, TECH CO Ltd A filed Critical A TECH CO Ltd
Priority to CN2011800672639A priority patent/CN103384482A/zh
Priority to KR1020137023312A priority patent/KR20140047583A/ko
Priority to US13/984,001 priority patent/US20140041702A1/en
Priority to CA2825701A priority patent/CA2825701A1/en
Priority to PCT/JP2011/074183 priority patent/WO2012108081A1/ja
Priority to TW100139085A priority patent/TW201233357A/zh
Publication of JP2012165767A publication Critical patent/JP2012165767A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6037599B2 publication Critical patent/JP6037599B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Rehabilitation Tools (AREA)

Abstract

【課題】耐衝撃性に優れた十分な強度を有し、安全性、耐久性、および補修性に優れるうえ、軽量であり、しかも高い剛性を備えるようにする。
【解決手段】シャフト部(4)とグリップ部とを有する杖である。シャフト部(4)は高強度有機繊維強化樹脂層(31)と炭素繊維強化樹脂層(32)とを備える。炭素繊維強化樹脂層(32)の外周面と内周面に高強度有機繊維強化樹脂層(31)が一体的に積層してある。最も内側の高強度有機繊維強化樹脂層(31a)のさらに内側にガラス繊維強化樹脂層(33a)を備える。最も外側の高強度有機繊維強化樹脂層(31b)のさらに外側にガラス繊維強化樹脂層(33b)を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、視覚障害者用白杖などの杖に関し、さらに詳しくは、シャフト部の軸と直交方向からの力に対して耐衝撃性に優れた十分な強度を有し、安全性、耐久性、および補修性に優れるうえ、軽量であり、しかも高い剛性を備える杖に関する。
従来、杖は、ステッキやポールとも称され、視覚障害者や、高齢者等の足の不自由な人のみならず、健常者においてもトレッキングや軽登山等において使用されている。このような杖は、通常、棒状のシャフト部と、シャフト部の上端に形成され使用者にて把持されるグリップ部と、シャフト部の下端に付設された石突きとを備えている。これら従来の杖は、構造的に多少の違いはあるものの、何れにしろそれらの殆どが、木製やアルミニウム合金等の材質から成っている。
しかしながら、例えば視覚障害者が使用する、いわゆる白杖にあっては、長時間に亘って、先端を地面から僅かに持ち上げた状態で使用されることが多く、軽量化が望まれるのに対し、従来の木製の杖にあっては重量が重く、使用者の負担が大きい問題がある。さらにこの木製の杖は強度的にも問題があるうえ、環境の変化によって膨潤と乾燥が繰り返されて、シャフト部に反りが生じたり、表面の塗料が剥がれたりする問題がある。また前記アルミニウム合金製の杖においては、木製の杖に比して軽量化されてはいるものの、長時間の使用には依然として重く、しかも衝撃によって凹みや曲がりが生じ易い問題がある。
一方、最近では、シャフト部を炭素繊維強化樹脂材料にて構成された杖が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このようなシャフト部を有する杖においては、前記従来の木製やアルミニウム合金製の杖に比べて軽量化されており、反りや腐食の問題が解消されている。
しかしながら、前記特許文献1に記載の杖においても、従来の木製やアルミニウム合金製等の杖よりも軽量化されたとはいえ、特に視覚障害者等にとっては未だ長時間の使用に耐えうるほど軽量とはいえず、更なる軽量化が望まれている。
また、上記したシャフト部を炭素繊維強化樹脂材料にて構成された杖は、炭素繊維が高引張強度・高弾性率であるので、例えばゴルフシャフトに適用されているように、曲げ弾性率が高いものとなる。しかしながら、炭素繊維は伸びが小さく、無機繊維であるが故のしなやかさが無いことから、シャフト部に対する横方向からの衝撃(曲げ衝撃)に対して折損し易いという欠点がある。そのため、ゴルフシャフトのように打撃としての機械的強度は十分であると考えられるが、これを用いた杖にあっては、歩行路面や障害物の状況を探るため頻繁にこれらを叩く作業が入るので、その叩いた時の衝撃力が石突きを通してシャフト部に伝搬し、上記の炭素繊維に微小クラック(亀裂)を発生させると推測される。従って、この杖に、人や自転車、その他障害物との接触等による外力が加わったとき、上記の亀裂が発生している部分で容易に破断するという問題がある。そのため、シャフト部の軸と直交する、横方向からの力が加わった場合にも、十分な強度(曲げ剛性)を有する杖の開発が望まれている。
さらに、上記したシャフト部を炭素繊維強化樹脂材料にて構成された杖は、衝撃等を受けて破断するとその断面で激しく損傷し、その破断面から硬い繊維の端部がトゲのように突出する場合がある。その破断位置や損傷程度は、例えば視覚障害者にあっては手探りで確認しなければならないので、その破断面から露出している繊維が使用者の手に刺さる虞がある。このため上記の杖は、衝撃等を受けても容易に破断しないように肉厚を厚くするなどの対策が必要となるが、これでは杖の重量が大きくなる問題がある。また、破断個所が激しく損傷することから、現場での簡易補修が困難であるという補修性の問題もあり、現場において簡易補修可能な杖の開発が望まれていた。
上記の問題点を解消するため、例えばパラ系アラミド繊維とエポキシ樹脂などからなる高強度有機繊維強化樹脂を用いて上記のシャフト部を形成することが考えられる。しかしながら、上記のシャフト部を高強度有機繊維強化樹脂で形成した場合には、耐衝撃性に優れるものの、炭素繊維強化樹脂を用いた場合に比べて剛性が低下することから、例えば杖先での振動等が使用者の手元へ鋭敏に伝わり難い場合がある。これを解消するため高強度有機繊維強化樹脂層を厚く形成して剛性を高めようとすると、シャフト部が太くなり、使用樹脂量が増えて杖の重量が過剰に大きくなる問題がある。
特開2005−218473号公報
本発明の技術的課題は上記の問題点を解消し、シャフト部の軸と直交方向からの力に対して耐衝撃性に優れた十分な強度を有し、安全性、耐久性、および補修性に優れるうえ、軽量であり、しかも高い剛性を備える杖を提供することにある。
本発明は上記の課題を解決するために、例えば本発明の実施の形態を示す図1から図14に基づいて説明すると、次のように構成したものである。
すなわち、本発明は杖に関し、シャフト部(4)とこのシャフト部(4)の上端にグリップ部(1)とを有する杖であって、上記のシャフト部(4)は高強度有機繊維強化樹脂層(31)と炭素繊維強化樹脂層(32)とを備えており、上記の炭素繊維強化樹脂層(32)は、少なくともその外周面に上記の高強度有機繊維強化樹脂層(31)が一体的に積層してあることを特徴とする。
また本発明2は筒体であって、筒状の高強度有機繊維強化樹脂層(31)と炭素繊維強化樹脂層(32)とを備えており、上記の炭素繊維強化樹脂層(32)は、少なくともその外周面に上記の高強度有機繊維強化樹脂層(31)が一体的に積層してあることを特徴とする。
上記の高強度有機繊維強化樹脂層を構成する有機繊維は、軽量で且つ高い引張強度を備えており、しかも炭素繊維等の無機繊維に比べて伸度があるので、例えば杖の先端で地面等を叩いても、その衝撃で有機繊維に微小クラックを発生させる虞がない。しかも上記のシャフト部や筒体が軸直交方向から衝撃(曲げ衝撃)を受けても、高強度有機繊維強化樹脂層は破断することなく座屈状に変形し、この衝撃が緩衝される。
上記のシャフト部や筒体が備える炭素繊維強化樹脂層は、炭素繊維が有機繊維に比べて弾性率が高いことから高い剛性を備えており、上記の高強度有機繊維強化樹脂層を過剰に厚く形成する必要がない。
上記の炭素繊維は、曲げ衝撃に対して折損し易いものの、上記の炭素繊維強化樹脂層はその外周面に高強度有機繊維強化樹脂層が一体的に積層してあるので、シャフト部や筒体が軸直交方向から衝撃をうけて炭素繊維が仮に折損しても、炭素繊維強化樹脂層が高強度有機繊維強化樹脂層で保護され、シャフト部や筒体は座屈変形するだけで、激しく破断することが防止され、しかも折損した炭素繊維がトゲ状に突出することが防止される。そしてこのシャフト部等が座屈変形した杖は、例えば市販の補修キット等を用いることで容易に補修される。
上記の炭素繊維強化樹脂層は、少なくとも外周面に高強度有機繊維強化樹脂層が一体的に積層してあればよいが、その外周面と内周面とにそれぞれ上記の高強度有機繊維強化樹脂層が一体的に積層してあると、この炭素繊維強化樹脂層が内外の高強度有機繊維強化樹脂層で挟持された状態となり、これらの高強度有機繊維強化樹脂層で一層良好に保護されてシャフト部や筒体の破断が防止され、好ましい。
上記の高強度有機繊維としては、引張強度など機械的強度などが高い有機繊維であればよく、特定の材質のものに限定されない。例えば、超高分子量ポリエチレン繊維、全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ヘテロ環高性能繊維、ポリアセタール繊維等が挙げられ、これらの繊維は単独で、または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。この高強度有機繊維として、具体的には例えばパラ系アラミド繊維が好ましく用いられ、中でもポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維が特に好ましい。
上記のシャフト部や筒体は、上記の炭素繊維強化樹脂層と高強度有機繊維強化樹脂層とを、1層ずつまたはいずれか一方または両方を複数層備えておればよく、これらの層のみで構成することも可能である。しかし上記のシャフト部が、最も内側の高強度有機繊維強化樹脂層のさらに内側に筒状のガラス繊維強化樹脂層を備えると、内面の耐摩耗性を良好にできるうえ、このシャフト部や筒体を所定長さ等に切断する際、切断端部の内面で有機繊維がほぐれることを防止でき、この切断端部の形状を良好にできて好ましい。
また上記のシャフト部が、最も外側の高強度有機繊維強化樹脂層のさらに外側に筒状のガラス繊維強化樹脂層を備えた場合も、外面の耐摩耗性を良好にできるうえ、このシャフト部や筒体を所定長さ等に切断する際、切断端部の外面で有機繊維がほぐれることを防止でき、この切断端部の形状を良好にできて好ましい。
上記のシャフト部は、例えば視覚障害者が使用する際など、外部から杖の位置や機能を明示するため、あるいは装飾用などのために、最も外側の高強度有機繊維強化樹脂層のさらに外側に、表示層を備えると好ましい。この表示層としては、任意の色彩や模様の塗膜などであってもよいが、反射テープや赤色表示テープなどを用いると所定の色彩等に容易に設定できるうえ、補修等が容易であり、好ましい。
上記の表示層は、シャフト部の外表面に露出していてもよいが、この表示層の外側に筒状のガラス繊維強化樹脂層や、耐摩耗性透明樹脂層を備えると、これらのガラス繊維強化樹脂層や耐摩耗性透明樹脂層で表示層が保護され、耐摩耗性や耐水性が向上し、色の変化やシャフト部からの脱落も防止できて好ましい。
上記のシャフト部は、特定の断面形状のものに限定されず、異形断面状であってもよいが、真円断面状であるとより好ましい。異形断面状としては、例えば、楕円状、中空状、X断面状、Y断面状、T断面状、L断面状、星型断面状、葉形断面状(例えば三つ葉形状、四葉形状、五葉形状等)、その他の多角断面状(例えば三角状、四角状、五角状、六角状等)等であってもよい。
上記のシャフト部は、本発明の効果を妨げない限り、中実であってもよいが、杖の軽量化の点から、中空に形成され、中空部とその周囲の外殻部とからなるものが好ましい。このシャフト部の軸直交断面において、上記の中空部と前記外殻部との断面積比率は、本発明の効果を妨げない限り特定の値に限定されないが、軸直交方向からの力に対して十分な強度を有し、かつ長時間の使用にも耐えられるほど軽量である点から、その断面積比率は85:15〜56:44が好ましく、さらにより優れた安全性および補修性も有する点から80:20〜60:40であるとより好ましく、75:25〜62:38であると特に好ましい。シャフト部全体に対する中空部の断面積比率が56%未満であると、杖を十分に軽量化できないうえ、シャフト部が硬くなり過ぎて長時間使用すれば疲れやすくなり、好ましくない。一方、シャフト部全体に対する中空部の断面積比率が85%を超えると、杖が軽量になり過ぎ、かつ、軸直交方向からの力に対する強度が十分でなくなるため、好ましくない。
上記の杖は、1本の筒体等から形成されたシャフト部を備える、折り畳むことができない、いわゆる直式の杖であってもよく、この場合は接続部などを省略でき、シャフト部を軽量にできて好ましい。しかし本発明の杖は、上記のシャフト部を複数のシャフト部分から構成した、いわゆる折り畳み式の杖であってもよく、この場合は、不使用時に杖を折り畳んでコンパクトにでき、容易に携帯できるので好ましい。
即ち上記のシャフト部を、互いに連結・分離可能な複数のシャフト部分から構成し、互いに隣接するシャフト部分の、一方のシャフト部分の第1連結端部に、これに対向する他方のシャフト部の第2連結端部内へ挿抜可能な小径部を設けることで、上記の折り畳み式杖にすることができる。このときのシャフト部分の数、即ち折り畳み段数は、特定の値に限定されず、杖の長さと携帯時の寸法とから、例えば5段〜7段など、任意の段数に適宜設定される。なお、上記の小径部は、シャフト部分とは別々に製造されて、接着剤により接着されていてもよく、シャフト部分の連結端部に一体に形成したものであってもよい。前記の接着剤は、公知の物を使用することができ、特に限定されない。
上記の折り畳み式杖が、上記の互いに連結された第1連結端部と第2連結端部とを覆う筒状のジョイントカバーを備え、このジョイントカバーを、一端を上記の第1連結端部と第2連結端部とのいずれか一方に外嵌固定するとともに、他端の内部へ他方の連結端部を挿抜可能に構成すると、シャフト部分同士を連結した際にこのジョイントカバーでそのシャフト部分の端部を締め付けるように保持でき、ガタツキの発生を抑えることができて好ましい。
本発明は上記のように構成され作用することから、次の効果を奏する。
(1)炭素繊維強化樹脂層が高い剛性を備えているので、軸方向に力を受けた場合にシャフト部が湾曲したり折れ曲がったりせず、使用者が安心して杖に体重をかけることができる。
(2)振動減衰特性に優れた高強度有機繊維強化樹脂層を備えているので、杖先端の振動等を使用者の手元へ適確に伝えることができる。
(3)軽量の高強度有機繊維強化樹脂層と高い剛性の炭素繊維強化樹脂層とを組み合わせてあるので、シャフト部や筒体は高い強度を備えているうえ、高強度有機繊維強化樹脂層を過剰に厚くする必要がなく、軽量に維持することができる。
(4)高強度有機繊維強化樹脂層を備えているので、杖の先端で地面や障害物等を叩いても、その衝撃で高強度有機繊維に微小クラックを発生させる虞がなく、耐久性に優れる。
(5)軸直交方向から大きな曲げ衝撃を受けても高強度有機繊維強化樹脂層が座屈変形することでその衝撃を緩衝でき、耐衝撃性等の機械的強度において優れた性能を発揮して、シャフト部の破断を良好に防止できる。
(6)軸直交方向から大きな曲げ衝撃を受けて炭素繊維が折損しても、炭素繊維強化樹脂層は外周面に一体化した高強度有機繊維強化樹脂層で保護され、激しく破断することが防止される。また、上記の曲げ衝撃を受けた部位で、折損した炭素繊維がトゲ状に突出することが防止される。この結果、例えば視覚障害者等は、この衝撃をうけて損傷した部位を手探り等で安全に確認することができる。
(7)シャフト部や筒体は、軸直交方向から大きな曲げ衝撃を受けても容易に破断することがないので、例えばその衝撃を受けた現場において、例えば市販の補修キット等を用いて簡単に補修でき、これによりその杖等を継続して使用することができる。
本発明の第1実施形態を示し、図1(a)は直式杖の外観図、図1(b)は図1(a)のA−A線矢視端面図である。直式杖の外観図である。 第1実施形態の、シャフト部の積層構造を示す一部破断図である。 第1実施形態の杖の、グリップ部の一部破断図である。 第1実施形態の杖の、石突き近傍の部分図である。 本発明の第2実施形態を示す、シャフト部の積層構造を示す一部破断図である。 本発明の第3実施形態を示し、図6(a)は折り畳み式杖の外観図であり、図6(b)は図6(a)のB部の拡大断面図である。 第3実施形態の、折り畳んだ状態の杖の外観図である。 第3実施形態の杖の、連結前のジョイントカバー近傍の断面図である。 第3実施形態の杖の、連結状態でのジョイントカバー近傍の断面図である。 本発明の変形例を示す、グリップ部の外観図である。 補修性測定に用いた緊急用補修キットを示す写真である。 補修性測定時の筒体の状態を示す写真である。 本発明のシャフト部の各特性値を、比較例と対比して測定した結果を示す対比表である。 シャフト部の外表面の耐摩耗性を測定する、測定装置の概略図である。
以下、図面に基づいて本発明を具体的に説明する。
図1(a)に示すように、この第1実施形態の杖(7)は、シャフト部(4)と、このシャフト部(4)の上端に設けたグリップ部(1)と、シャフト部(4)の下端に固設した石突き(6)とを有している。
図1(b)に示すように、上記のシャフト部(4)は中空で軸直交断面が真円の筒状に形成してある。このシャフト部(4)は、図2に示すように、筒状の高強度有機繊維強化樹脂層(31)と炭素繊維強化樹脂層(32)とガラス繊維強化樹脂層(33)とを備えている。
即ち、上記の炭素繊維強化樹脂層(32)は、その内周面に第1高強度有機繊維強化樹脂層(31a)が一体的に積層してあり、その第1高強度有機繊維強化樹脂層(31a)のさらに内周面に筒状の第1ガラス繊維強化樹脂層(33a)が一体的に積層してある。また、上記の炭素繊維強化樹脂層(32)の外周面には第2高強度有機繊維強化樹脂層(31b)が一体的に積層してあり、その第2高強度有機繊維強化樹脂層(31b)の外周面に筒状の第2ガラス繊維強化樹脂層(33b)が一体的に積層してある。
図1と図2に示すように、上記の第2高強度有機繊維強化樹脂層(31b)の外側には上記の第2ガラス繊維強化樹脂層(33b)を積層し、その外周面に、表示層(34)として白色の反射テープ(15)や赤色表示テープ(16)が貼着してある。そしてこの表示層(34)の外側を耐摩耗性透明樹脂層(35)で覆ってある。この耐摩耗性透明樹脂層(35)は、上記の表示層(34)を効果的に保護できる、耐摩耗性や耐水性等に優れたものであればよく、特定の材質のものに限定されない。具体的には、例えばハイミラン(商品名、三井・デュポン ポリケミカル株式会社製)などのアイオノマー樹脂製フィルム等が、単層または複数層積層して用いられる。
上記のシャフト部(4)の軸直交断面における、中空部(17)とその周囲の外殻部(18)との断面積比率は特定の比率に限定されないが、軸方向と直交方向からの力に対して十分な強度と剛性を有し、且つ長時間の使用に耐えられるほど軽量である点から、通常、85:15〜56:44の範囲で、より好ましくは80:20〜60:40の範囲内で、さらに好ましくは75:25〜62:38の範囲内で、適宜設定される。
上記のシャフト部(4)は、例えば杖(7)の使用者に自転車がぶつかった場合など、軸直交方向に衝撃を受けた場合にも、容易に破断せぬように、その軸直交方向の力に対する耐衝撃性は10J以上の衝撃吸収エネルギーのものが好ましく、安全性および補修性により優れる点から15J以上のものがより好ましい。なおこの耐衝撃性は、インストロン社の落錘型衝撃試験機(製品名:落錘型衝撃試験機 Dynatup(登録商標) 9200シリーズ)等を用いて、JIS K 7055に記載の三点曲げ落錘試験法に準じて測定できる。
上記のシャフト部(4)は、一端から他端へ向かって外径が変化するテーパー形状の筒体であってもよいが、一端から他端まで外径が変化しない筒体であると、任意の長さに成形したのち、これを所定の寸法に切断することで上記のシャフト部(4)を簡単に製造することができ、好ましい。
上記のシャフト部(4)を構成する高強度有機繊維強化樹脂層(31)は、公知の方法によって製造できる。即ち、例えばパラ系アラミド繊維などの高強度有機繊維に、エポキシ樹脂などの樹脂を含浸させて所定の円筒状に成形し、これを例えば、室温〜130℃程度で加熱して樹脂を硬化させた後、所定の長さに切断することで製造される。上記の炭素繊維強化樹脂層(32)やガラス繊維強化樹脂層(33)も同様に製造される。
なお、上記の高強度有機繊維強化樹脂層(31)を構成する有機繊維は特定のものに限定されず、例えば超高分子量ポリエチレン繊維、全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ヘテロ環高性能繊維、ポリアセタール繊維など、任意のものを単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また上記の炭素繊維強化樹脂層(32)を構成する炭素繊維としては、例えばポリアクリロニトリル系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。また上記のガラス繊維強化樹脂層(33)を構成するガラス繊維としては、例えば含アルカリガラス繊維、無アルカリガラス繊維、低誘電ガラス繊維等が挙げられる。但し本発明に用いる有機繊維や炭素繊維、ガラス繊維は、これらのものに限定されない。
なお、上記の超高分子量ポリエチレン繊維とは、超高分子量ポリエチレンからなる繊維をいう。ここで、超高分子量ポリエチレンとは、分子量が20万程度以上、好ましくは60万程度以上であり、ホモポリマーの他、炭素原子数3〜10程度の低級α−オレフィン類、例えばプロピレン、ブテン、ペンテン、へキセン等との共重合体も含むものが好適である。エチレンとα−オレフィンとの共重合体の場合、後者の割合は炭素数1000個当たり平均0.1〜20個程度、好ましくは平均0.5〜10個程度であるような共重合体が好ましい。超高分子量ポリエチレン繊維の製造方法は、例えば特開昭55−5228号公報、特開昭55−107506号公報等に開示されており、これら自体公知の方法を用いてもよい。また、超高分子量ポリエチレン繊維として、ダイニーマ(商品名、東洋紡績株式会社製)、スペクトラ(商品名、ハネウエル社製)、ハイゼックスミリオン(商品名、三井化学株式会社製)等の市販品を用いてもよい。
上記の全芳香族ポリアミド繊維としては、特に限定されないが、例えば、アラミド繊維等が挙げられる。アラミド繊維としては、パラ系アラミド繊維が好ましい。前記パラ系アラミド繊維としては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(東レ・デュポン株式会社製、商品名:ケブラー29、49、149等)又はコポリパラフェニレン−3,4’−ジフェニルエーテルテレフタルアミド繊維(帝人株式会社製、商品名:テクノーラ)等が挙げられ、中でも、上記のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維が特に好ましい。かかる全芳香族ポリアミド繊維は、公知又はそれに準ずる方法で製造でき、また、上記のような市販品を用いてもよい。
上記の全芳香族ポリエステル繊維としては、特に限定されないが、例えば、パラヒドロキシ安息香酸の自己縮合ポリエステル、テレフタル酸とハイドロキノンからなるポリエステル、又はパラヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸からなるポリエステルからなる繊維等が挙げられる。全芳香族ポリエステル繊維は、公知又はそれに準ずる方法で製造でき、また、例えばベクトラン(商品名、株式会社クラレ製)等の市販品を用いることもできる。
前記ヘテロ環高性能繊維としては、特に限定されないが、例えば、ポリパラフェニレンベンゾビスチアゾール(PBZT)繊維、又はポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維等が挙げられる。ヘテロ環高性能繊維は、公知又はそれに準ずる方法で製造でき、また、例えばザイロン(商品名、東洋紡績株式会社製)等のPBO繊維等を用いることもできる。
前記ポリアセタール繊維は、特に限定されないが、公知又はそれに準ずる方法で製造でき、また、例えばテナック(商品名、旭化成株式会社製)、デルリン(商品名、デュポン社製)等の市販品を用いることもできる。
また高強度有機繊維や炭素繊維、ガラス繊維に含浸される樹脂としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、エポキシ樹脂のほか、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。又、熱可塑性樹脂も挙げられる。これらの樹脂は単独で、または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。
前記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールFもしくはビスフェノールSのジグリシジルエーテル化合物またはその高分子量同族体、フェノールノボラック型ポリグリシジルエーテルまたはクレゾールノボラック型ポリグリシジルエーテル類等が挙げられる。さらにこれらのハロゲン化誘導体も使用できる。さらに合成過程で、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のフェノール類をこれらのグリシジルエーテルと反応させて得られた芳香族系エポキシ樹脂等を使用してもよく、また脂肪族系エポキシ樹脂を使用してもよい。エポキシ樹脂は本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、公知の製造方法により得ることができ、市販品を用いてもよい。
前記不飽和ポリエステル樹脂としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、公知の方法により製造されるものを用いることができ、市販品を用いてもよい。例えば、多価アルコールからなるアルコール成分と、α、β−不飽和多価カルボン酸類と、飽和多価カルボン酸類および芳香族多価カルボン酸類からなる酸成分とを用いて公知の製造方法により得ることができる。ビニルエステル樹脂も本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、公知の方法により製造されるものを用いることができ、市販品を用いてもよい。
前記熱可塑性樹脂としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、スチレン系熱可塑性樹脂、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリ塩化ビニル系熱可塑性樹脂、ポリウレタン系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂、ポリイミド系熱可塑性樹脂等、どの熱可塑性樹脂を用いてもよいが、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂が好ましい。前記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)等のポリオレフィン系熱可塑性樹脂等が挙げられる。また、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)、スチレン・ブタジエン共重合系合成ゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)等の合成樹脂も使用できる。
上記の各層における繊維と樹脂の含有比率は、本発明の効果を妨げない限り特定の値に限定されず、有機繊維や樹脂の種類、成形寸法によっても異なるが、軽量で、且つ充分な曲げ剛性など所望の強度を確保でき、かつ長時間の使用にも耐えられるほど軽量で、破断し難く安全性や補修性に優れる観点から、重量比で80:20〜60:40の範囲内に設定され、より好ましくは75:25〜65:35の範囲内に設定され、さらに好ましくは70:30〜67:33の範囲内に設定される。樹脂含浸量が高すぎると適切な強度を容易に維持することができず、また、樹脂含浸量が低すぎると成形品として形態をなさず、成したとしても、適切な強度が得られないからである。ここで、上記の「適切な強度」とは、本発明の効果を合わせ持つための強度を意味する。
また上記のシャフト部(4)は、使用する高強度有機繊維や樹脂の種類、含有比率等によっても異なるが、比重が1.30〜1.45程度であると好ましく、1.32〜1.37であるとより好ましく、1.33〜1.36であると特に好ましい。
上記の杖(7)の重量と強度は、杖(7)の太さや上記の外殻部(18)の肉厚、各繊維強化樹脂層(31・32・33)の繊維と樹脂との使用比率や肉厚のほか、樹脂の種類等によっても異なる。しかし、高強度有機繊維は炭素繊維に比べて比重が小さいので、炭素繊維強化樹脂層(32)を少なくし、高強度有機繊維樹脂層(31)を多くすることで、軽量で強度の高い杖(7)が得られる。この場合、シャフト部(4)の比重は、特定の値に限定されないが、1.30〜1.45であると好ましく、シャフト部(4)の軸直交方向の力に対しても十分な曲げ剛性を有し、かつ長時間の使用にも耐えられるほど軽量である点から1.32〜1.37であるとより好ましく、1.33〜1.36であると特に好ましい。
上記のグリップ部(1)はI字形に形成してあり、必要に応じて、任意の部位に繋ぎ手材(2)やストラップ(3)等を付設してある。ただし本発明では後述のように、このグリップ部(1)をT字形など他の形状に形成したものであってもよい。このグリップ部(1)の長さや太さは、使用者が確りと把持できる寸法に、適宜設定される。
図3に示すように、上記のグリップ部(1)は、シャフト部(4)の上端から上方へ延設した中空構造からなるグリップ本体(19)を備える。このグリップ本体(19)は、例えばブロー成型や真空成型などにより、上記のシャフト部(4)の一端を所定形状に膨らませることで成形してもよい。このように成形した場合には、このグリップ本体(19)の軸直交断面は上記のシャフト部(4)の軸直交断面よりも大形に形成されるので、使用者が確りと把持し易いうえ、中空構造であるのでグリップ部(1)を容易に軽量化でき、また、上記のシャフト部(4)と同一の繊維強化樹脂材料を用いて形成されるので、強度の高いグリップ部(1)を安価に製作することができる。
ただし本発明では、別体のグリップ部(1)をシャフト部(4)の上端に接着剤等で固定してもよい。また、このグリップ部(1)は任意の芯材を用いて、その外側を樹脂で被覆してもよく、この場合に中空構造の芯材を用いてもよい。これらのグリップ部(1)は、市販品を使用することもできるが、公知の方法を用いて製造することができ、製造方法は特に限定されず、長さや直径などの寸法は必要に応じて適宜設定される。
またこのグリップ部(1)に用いる樹脂材料としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂や、ポリアミド樹脂(例えば6ナイロン、66ナイロン、MCナイロン等のナイロン樹脂等)、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリオレフィン樹脂(例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等)、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が挙げられ、さらに繊維で補強した樹脂を用いてもよい。また上記の芯材に用いる材料としては、シリコーン、ナイロン等が挙げられる。特に上記のグリップ部(1)を、例えば炭素繊維強化樹脂や、高強度有機繊維強化樹脂を用いて形成すると、軽量でありながら高い強度を備えることができ、しかも安価に実施できて好ましい。
上記のグリップ本体(19)の外表面は、そのまま外部に露出してもよいが、例えば凹凸模様など滑り止め形状に形成したり、図3に示すように滑止め部材(20)が付設してあると、使用者がこのグリップ部(1)を容易に保持できて好ましい。上記の滑止め部材(20)は、例えばウレタン等の合成樹脂やゴム材料等を被着したものであってもよく、或いはこれらの材料をテープ状に形成して上記の把持部の周囲に捲着したものであってもよい。特にテープ状の滑止め部材(20)を捲着してあると、この滑止め部材(20)が摩耗等で損傷した場合などに、容易に新しい滑止め部材(20)と交換できて好ましい。
図1と図4に示すように、上記のシャフト部(4)の下端には、前記の石突き(6)が装着してある。この石突き(6)は、例えば高強度有機繊維強化樹脂など耐摩耗性と耐衝撃強度に優れた材料を用いて円柱形に形成してある。なお、本発明で用いる石突き(6)は、本発明の効果を妨げない限り特定の形状に限定されないが、路面の溝および階段の滑り止めへの引っかかりがない点から円柱形または円錐台形が好ましく、円柱形が特に好ましい。
上記の石突き(6)の太さと長さは、本発明の効果を妨げない範囲で適宜設定することができ、例えば外径は、上記のシャフト部(4)の外径よりも大形に形成して、路面に配置された溝蓋の格子などへ容易に嵌り込まない大きさに設定してある。また、この石突き(6)の外表面は滑らかな曲面に形成してあり、路面や階段等の段差部や障害物等へ引っ掛かりにくいようにしてある。
上記の石突き(6)の上端には装着穴(25)が凹設してあり、この装着穴(25)に上記のシャフト部(4)の下端を内嵌して、接着剤等で固定してある。ただし本発明では、この石突き(6)の上部に棒状等の装着部を突設し、この装着部を上記のシャフト部(4)の下端内へ挿入することで固定してもよい。
上記の第1実施形態では、表示部を耐摩耗性透明樹脂層で覆う場合について説明した。しかし本発明では、例えば図5に示す第2実施形態のように、上記の表示層(34)の外側に筒状のガラス繊維強化樹脂層(33b)を積層したものであってもよい。
即ちこの第2実施形態では、第2高強度有機繊維強化樹脂層(31b)の外側に表示層(34)が形成してあり、その外側に第2ガラス繊維強化樹脂層(33b)が一体的に積層してある。この第2ガラス繊維強化樹脂層(33b)は透明であるので、上記の表示層(34)は外方から良好に目視され、またこの第2ガラス繊維強化樹脂層(33b)は耐摩耗性や耐水性に優れるので、上記の表示層(34)が摩耗したり水に濡れて剥がれたりすることが防止される。しかも上記の第1実施形態と異なり、耐摩耗性透明樹脂層を必要としないので、その分安価に実施できる。その他の構成は上記の第1実施形態と同様であり、同様に作用するので説明を省略する。
上記の第1実施形態では、直式の杖について説明した。しかし本発明では、例えば図6や図7に示すように、折り畳み式杖であってもよい。
即ちこの第3実施形態では、図6(a)に示すように、第1実施形態と同様、シャフト部(4)と、このシャフト部(4)の上端に設けたグリップ部(1)と、シャフト部(4)の下端に固設した石突き(6)とを有している。しかしこの第3実施形態では、第1実施形態と異なって、上記のシャフト部(4)は互いに連結・分離可能な複数の、例えば5つのシャフト部分(14)からなり、シャフト部分(14)同士の連結部分に、これを覆う筒状のジョイントカバー(5)が備えてある。そして上記のグリップ部(1)は、最も上段のシャフト部分(14)の上端に、延設した状態に一体的に形成してある。
上記のシャフト部分(14)は、第1実施形態のシャフト部(4)と同様に、軸直交断面が真円の中空円筒状に形成してあり、図6(b)に示すように、炭素繊維強化樹脂層(32)と、その内・外周面にそれぞれ一体に形成した高強度有機繊維強化樹脂層(31)とを備え、さらにその外側と内側にそれぞれガラス繊維強化樹脂層(33)を備えている。また、第2ガラス繊維強化樹脂層(33b)の外周面には、白色の反射テープ(15)や赤色表示テープ(16)が貼着してあり、その外側を耐摩耗性透明樹脂層(35)で覆ってある。
図8と図9に示すように、上記の互いに隣接するシャフト部分(14)は、一方のシャフト部分(14)の第1連結端部(21)に、小径部としてインナーパイプ(9)が固設してあり、このインナーパイプ(9)内に、シャフト部分(14)同士を接続しているゴム紐(8)が挿通してある。上記の第1連結端部(21)から外方へ突出させたインナーパイプ(9)の突出長さは、特定の寸法に限定されず、シャフト部分(14)同士を確りと連結できる長さがあればよく、例えば30〜50mm程度に設定される。
なお上記のゴム紐(8)は、シャフト部分(14)同士を容易に分離・連結できる弾力性や伸縮性を備えておればよく、材質や太さは特に限定されず、公知のものを使用することができる。
上記のインナーパイプ(9)は、上記のシャフト部分(14)の内径と略等しい外径に形成してあり、対面する他方のシャフト部分(14)の第2連結端部(22)内へ挿抜可能に構成してある。なおこの実施形態では、シャフト部分(14)とは別体に形成したインナーパイプ(9)の一端を、上記の第1連結端部(21)内へ圧入もしくは公知の接着剤等により固定してある。しかし本発明では上記の小径部を、シャフト部分(14)の接続端部に一体に形成したものであってもよい。
上記の第1連結端部(21)には、前記のジョイントカバー(5)の一方の端部が外嵌固定してある。このジョイントカバー(5)はシャフト部分(14)同士を連結できる筒状であればよく、特定の形状に限定されない。しかしこの外表面は、他物に引っ掛からないような滑らかな形状であると好ましく、例えば、両端ほどやや径小となる円筒状に形成してあり、内面の中央部にリング状の受止め部(23)が形成してある。上記のゴム紐(8)はこの受止め部(23)内に挿通してある。また上記の第1連結端部(21)は、先端をこの受止め部(23)へ当接する状態に、ジョイントカバー(5)の一端から挿入され、圧入または公知の接着剤等により確りと固定してある。
上記のジョイントカバー(5)の他方の端部は、上記の第2連結端部(22)側に臨ませて開放してあり、この端部内に差込み部(24)が形成してある。上記の第2連結端部(22)をこの差込み部(24)内へ挿入することで、シャフト部分(14)同士が連結され、この差込み部(24)から抜きとることでシャフト部分(14)同士が分離される。
上記の差込み部(24)は、外端から内方に向かって小径となるテーパー部(10)と、このテーパー部(10)の内端からさらに内方へ、上記の受止め部(23)まで延びる所定の内径を備えたストレート部(11)とを備えている。このストレート部(11)の内径は、上記の第2連結端部(22)の外周面をガタツキなく確りと締め付ける寸法に設定してある。
上記のジョイントカバー(5)の長さは、特定の寸法に限定されず、本発明の効果を妨げない範囲で適宜設定することができる。上記のテーパー部(10)の長さは、連結しようとするシャフト部分(14)同士の軸心方向を容易に一致させて、上記の第2連結端部(22)を円滑に案内できるように、上記のストレート部(11)より長いことが好ましく、具体的には、テーパー部:ストレート部=5〜2:1程度の長さとすることが好ましい。また上記のストレート部(11)の長さは、連結部分でのガタツキの発生を抑えることができる長さであればよく、本発明の効果を妨げない限り特定の寸法に限定されないが、過剰に長いと連結・分離操作が容易でなくなるので、通常、シャフト部(4)の外径の20〜80%程度が好ましい。
上記のジョイントカバー(5)は、例えばナイロン6などのポリアミドを用いて製造されるが、連結部分を確りと保持できる強度を備えておればよく、本発明の効果を妨げない限り特定の材料に限定されない。エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を用いてもよく、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂(例えば6ナイロン、66ナイロン、MCナイロン等のナイロン樹脂等)、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリオレフィン樹脂(例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等)、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の熱可塑性樹脂を用いてもよい。またジョイントカバー(5)は、公知の方法によって製造することができ、製造時には必要に応じて公知の添加剤、顔料等を適宜加えてもよく、さらに繊維で補強した樹脂を用いてもよく、製造後に着色等をしてもよい。
上記のジョイントカバー(5)の差込み部(24)内へ、上記の第2連結端部(22)を挿入すると、この第2連結端部(22)が上記のテーパー部(10)で円滑に案内され、第2連結端部(22)の先端は、上記のストレート部(11)を経て、前記の受止め部(23)に受け止められ、図9に示す連結した状態となる。この連結状態では、第2連結端部(22)の外周面がストレート部(11)の内面で締め付けられており、ガタツキの発生が抑制される。
これにより、上記の連結端部など杖(7)の一部に応力が集中することを防止でき、しかも応力が集中し易い連結部分をジョイントカバー(5)で外側から確りと補強して機械的強度を高めることができるので、この応力集中による杖(7)の破損とこれに伴う使用者の転倒の虞を低減し安全に杖(7)を用いることができて好ましい。またガタツキがないため、連結・分離操作時に連結端部同士がこすれて早期に摩耗するという虞がなく、杖(7)の耐久性を向上させることができる。さらに、また使用時に杖(7)の軸が屈曲することがないので、使用者が安心して使用することができる。しかも上記のシャフト部分(14)同士は、連結端部やこれに設けた上記の小径部(9)を挿抜操作するだけでよく、例えば連結端部をねじ止め機構などの特殊な構造に形成する必要がないので、簡単な構造で安価に製造できるうえ、容易に連結・分離操作できて好ましい。
なおこの第3実施形態では、上記のジョイントカバー(5)の一方の端部を上記の第1連結端部(21)に固定し、他方の端部内へ上記の第2連結端部(22)を挿抜できるように構成した。しかし本発明では、小径部を備えていないシャフト部分(14)の第2連結端部(22)に、このジョイントカバー(5)の一方の端部を固定し、小径部を備えた他のシャフト部分(14)の第1連結端部(21)を、ジョイントカバー(5)の他方の端部内へ挿抜できるように構成してもよい。
上記の各実施形態では、いわゆるI字形のグリップ部(1)を用いた杖(7)についてそれぞれ説明した。しかし本発明では、例えば図10に示す変形例のように、他の形状のグリップ部(1)を備えたものであってもよい。例えば図10(a)はいわゆるT字形のグリップ部(1)を備えた杖(7)を示し、図10(b)はL字形のグリップ部(1)を備えた杖(7)を示しており、いずれもシャフト部(4)の上端にこのグリップ部(1)を延設してある。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
高強度有機繊維として、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維であるケブラーK−29 1670dtx(東レ・デュポン株式会社製)を用いた。この有機繊維により、目付け73g/m2としたUD(一方向性繊維)シートを作成し、これに、樹脂含有比率が67:33となるようにエポキシ樹脂をホットメルト方式にて含浸させて、目付け110g/m2の高強度有機繊維プリプレグを得た。
また炭素繊維プリプレグとして、トレカ(登録商標、東レ株式会社製)のプリプレグ(品種:9052S-17と3252S-05)を用いた。このプリプレグは、目付け220g/m2のUDシートに、樹脂含有比率が67:33となるようにエポキシ樹脂を含浸させて、目付け330g/m2の炭素繊維プリプレグとしてある。
またガラス繊維として、目付け100g/m2のUDシートであるガラスクロスWPA-240D(日東紡績株式会社製)を用い、このガラスクロスに、樹脂含有比率が67:33となるようにエポキシ樹脂をホットメルト方式にて含浸させて、目付け150g/m2のガラス繊維プリプレグを得た。
次に、内側から順に、1層のガラス繊維プリプレグと、3層の高強度有機繊維プリプレグと、1層の炭素繊維プリプレグと、2層の高強度有機繊維プリプレグと、1層のガラス繊維プリプレグとを順に積層して全体を一体化させ、加熱硬化させたのち、表面に反射テープを巻きつけ、さらにその外周面に、耐摩耗性透明樹脂フィルムとして、厚さ0.06mmのハイミランフィルム(商品名、三井・デュポン ポリケミカル株式会社製)を積層して上記の反射テープを覆い、実施例1の筒体を得た。
[比較例1]
実施例1の高強度有機繊維プリプレグとガラス繊維プリプレグに替えて、いずれも上記の炭素繊維プリプレグを用い、その他は実施例1と同様に処理して、比較例1の筒体を得た。
[比較例2]
上記の実施例1の炭素繊維プリプレグとガラス繊維プリプレグに替えて、いずれも上記の高強度有機繊維プリプレグを用い、その他は実施例1と同様に処理して、比較例2の筒体を得た。
上記の得られた筒体は、いずれも外径が12mmであり、中空部と外殻部の断面積比率は67:33となっていた。
次にこれらの筒体について、剛性(撓み性)、耐衝撃性、安全性、現場補修性の各特性値を次の測定方法により測定した。
〔剛性(撓み性)〕
上記の実施例と比較例の各筒体を、支点間距離780mmで支持し、支点間の中央に3kgの荷重が付いたフックを掛けて10秒間放置したときの、その荷重により筒体が撓んだ寸法(mm)を測定した。
〔耐衝撃性〕
各実施例および比較例の杖を30cmにカットしてサンプルとし、JIS K 7055(プラスチックの3点曲げ試験法)に準じて、落錘型衝撃試験機(商品名:Dynatup (登録商標) 9210、インストロン社製)を用いて、カットしたサンプルを支点間距離105mmで固定し、直径22mmの抑え具(圧子)を110Jの条件で衝撃力を与え、サンプルの破断状態と、吸収エネルギー等を測定した。
なお、破断状態の評価基準は次の通りである。
○:破断なし
△:部分的に破断した。
×:容易に完全に破断した。
〔安全性〕
耐衝撃性試験後に、各筒体の衝撃付与位置での、トゲ状に突出した繊維の有無により、評価した。
なお、安全性の評価基準は次の通りである。
○:トゲ状に突出した繊維がなく、十分に安全である。
△:トゲ状に突出した繊維がわずかにある。
×:トゲ状に突出した繊維があり、手に刺さる虞がある。
〔現場補修性〕
耐衝撃性試験後に、破断または損傷した部位を、日本点字図書館の用具事業課の国産白杖の緊急用補修キット(商品名:やつはしくん;商品番号:39032)を用いて補修し、杖のシャフト部として再利用が可能か否かで評価した。図11に示すように、この緊急補修キット(26)は半円筒状の保持板(13)を一対備えており、各保持板(13)の裏面に貼り付けてある両面テープ(12)の剥離テープを剥がし、シャフト部(4)となる筒体の破断個所を真ん中にして挟むように両保持板(13)を仮止めし、付属の反射テープ(15)で保持板(13)の両端を巻いて筒体に確りと固定し、図12に示される状態でこの筒体が杖として再利用が可能か否かで評価した。
なお、現場補修性の評価基準は次の通りである。
○:衝突後に現場で簡易補修することで、杖として再利用できた。
×:衝突後に現場で簡易補修することができず、杖として再利用できなかった。
上記の各特性値の測定結果は、図13に示す測定結果対比表の通りである。
この測定結果から明らかなように、炭素繊維強化樹脂層のみで形成した比較例1では、剛性が高いものの、筒体の軸直交方向の力に対する耐衝撃性は十分ではなく、衝撃時に破断して繊維がトゲ状に突出し、安全性や現場補修性が優れていなかった。また、高強度有機繊維強化樹脂層のみで形成した比較例2では、耐衝撃性に優れており、衝撃時に破断せず、安全性や現場補修性に優れるものの、軸直交方向から荷重を加えた際の撓み量が大きく、剛性が低かった。
これに対し本発明の実施例1では、剛性が比較例2よりも優れており、しかも衝撃を与えた場合にやや折れ曲がるのみで、筒体の軸直交方向からの力に対する耐衝撃性が優れており、衝撃を受けた部位は繊維がトゲ状に突出することがなく安全性に優れ、破断しないので現場での補修補修性においても優れていることが確認された。
上記の本発明の実施例1は、内面にガラス繊維強化樹脂層を備えるので、すべての層を高強度有機繊維プリプレグで形成した上記の比較例2と異なって、内面の耐摩耗性が優れており、例えばシャフト部内にゴム紐を配置した折り畳み式杖であっても、そのゴム紐でシャフト部の端部が早期に摩耗する虞がない。
また上記の実施例1は外側表面に巻きつけた反射テープのさらにその外周面に、耐摩耗性透明樹脂フィルムを配置したので、このフィルムを省略した従来品と比べて、その外周面の耐摩耗性が格段に優れており、反射テープの摩損を良好に防止することができる。これを確認するため、次の測定方法により外表面の耐摩耗性を測定した。
〔外表面の耐摩耗性〕
幅25mm、長さ300mmの布ヤスリ(粒度#240、株式会社株式会社ノリタケコーテッドアブレーシブ製)を用いる。図14に示すように、シャフト部(4)を水平に保った状態とし、そのシャフト部(4)の軸方向に対し90度の方向に上記の布ヤスリ(36)を、水平状態に配置されたシャフト部(4)の上面から垂直面までの四半部(90度部分)と接するように、水平方向と垂直方向とに亘って配置する。この布ヤスリ(36)の垂直部分の下端に330gの荷重(37)をつりさげ、この状態で布ヤスリ(36)を、1往復2秒の速度でシャフトに対し200mm移動させ、シャフト部(4)の表面を摩耗した。
上記の測定の結果、上記の耐摩耗性透明樹脂フィルムを省略し、反射テープが外面に露出している場合は、5往復で表面の反射テープが摩耗してテープの下のガラス繊維強化樹脂層が露出した。これに対し、反射テープの外側に耐摩耗性透明樹脂フィルムを配置した本発明の実施例1では、100回往復後でも反射テープが摩耗することはなかった。
上記の各実施形態で説明した杖やこれに用いる筒体は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものであり、各部の形状や寸法、積層数などをこの実施形態のものに限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
例えば上記の第1実施形態では、シャフト部とグリップ部とを一体に形成したが、本発明では互いに別体に形成してこれらを互いに固定してもよい。
また上記の各実施形態ではいずれも反射テープや表示テープで表示層を形成した。しかし本発明は他の表示層を用いたものであってもよく、あるいはこれらの表示層を省略したものであってもよい。
さらに上記の実施形態では高強度有機繊維としてポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を用いる場合について説明したが、本発明では他の種類の高強度有機繊維を用いたものであってもよいことは、いうまでもない。
本発明の杖は、視覚障害者用白杖のほか、登山、スキー等のスポーツ用または通常歩行用の杖として有用である。また、本発明の杖は、使用者の肉体的負担を軽減でき、特に高齢者、年少者、視覚障害者に対しても効果は大きく、自立支援を促進し、要介護者の社会参加および労働生産力の向上のためにも有用である。
1…グリップ部
4…シャフト部
5…ジョイントカバー
7…杖
9…小径部(インナーパイプ)
14…シャフト部分
17…中空部
18…外殻部
21…第1連結端部
22…第2連結端部
31…高強度有機繊維強化樹脂層
31a…第1高強度有機繊維強化樹脂層
31b…第2高強度有機繊維強化樹脂層
32…炭素繊維強化樹脂層
33…ガラス繊維強化樹脂層
33a…第1ガラス繊維強化樹脂層
33b…第2ガラス繊維強化樹脂層
34…表示層
35…耐摩耗性透明樹脂層

Claims (18)

  1. シャフト部(4)とこのシャフト部(4)の上端にグリップ部(1)とを有する杖であって、
    上記のシャフト部(4)は高強度有機繊維強化樹脂層(31)と炭素繊維強化樹脂層(32)とを備えており、
    上記の炭素繊維強化樹脂層(32)は、少なくともその外周面に上記の高強度有機繊維強化樹脂層(31)が一体的に積層してあることを特徴とする、杖。
  2. 上記の炭素繊維強化樹脂層(32)は、その外周面と内周面とにそれぞれ上記の高強度有機繊維強化樹脂層(31)が一体的に積層してある、請求項1に記載の杖。
  3. 上記の高強度有機繊維がパラ系アラミド繊維である、請求項1または請求項2に記載の杖。
  4. 上記のシャフト部(4)は、最も内側の高強度有機繊維強化樹脂層(31a)のさらに内側にガラス繊維強化樹脂層(33a)を備える、請求項1から3のいずれかに記載の杖。
  5. 上記のシャフト部(4)は、最も外側の高強度有機繊維強化樹脂層(31b)のさらに外側にガラス繊維強化樹脂層(33b)を備える、請求項1から4のいずれかに記載の杖。
  6. 上記のシャフト部(4)は、最も外側の高強度有機繊維強化樹脂層(31b)のさらに外側に表示層(34)を備える、請求項1から5のいずれかに記載の杖。
  7. 上記の表示層(34)の外側に筒状のガラス繊維強化樹脂層(33)を備える、請求項6に記載の杖。
  8. 上記の表示層(34)の外側に耐摩耗性透明樹脂層(35)を備える、請求項6に記載の杖。
  9. 上記のシャフト部(4)が中空であり、このシャフト部(4)の軸直交断面において、中空部(17)とその周囲の外殻部(18)との断面積比率が85:15〜56:44である、請求項1から8のいずれかに記載の杖。
  10. 上記のシャフト部(4)は、互いに連結・分離可能な複数のシャフト部分(14)からなり、互いに隣接するシャフト部分(14)は、一方のシャフト部分(14)の第1連結端部(21)に、これに対向する他方のシャフト部(4)の第2連結端部(22)内へ挿抜可能な小径部(9)が設けてある、請求項1から9のいずれかに記載の杖。
  11. 上記の互いに連結された第1連結端部(21)と第2連結端部(22)とを覆う筒状のジョイントカバー(5)を備え、このジョイントカバー(5)は、一端を上記の第1連結端部(21)と第2連結端部(22)とのいずれか一方に外嵌固定するとともに、他端の内部へ他方の連結端部を挿抜可能に構成してある、請求項10に記載の杖。
  12. 筒状の高強度有機繊維強化樹脂層(31)と炭素繊維強化樹脂層(32)とを備えており、
    上記の炭素繊維強化樹脂層(32)は、少なくともその外周面に上記の高強度有機繊維強化樹脂層(31)が一体的に積層してあることを特徴とする、筒体。
  13. 上記の炭素繊維強化樹脂層(32)は、その外周面と内周面とにそれぞれ上記の高強度有機繊維強化樹脂層(31)が一体的に積層してある、請求項12に記載の筒体。
  14. 上記の高強度有機繊維が、パラ系アラミド繊維であることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の筒体。
  15. 上記の最も内側の高強度有機繊維強化樹脂層(31a)のさらに内側にガラス繊維強化樹脂層(33a)を備える、請求項12から14のいずれかに記載の筒体。
  16. 上記の最も外側の高強度有機繊維強化樹脂層(31b)のさらに外側に筒状のガラス繊維強化樹脂層(33b)を備える、請求項12から15のいずれかに記載の筒体。
  17. 軸直交断面において、中空部(17)とその周囲の外殻部(18)との断面積比率が85:15〜56:44である、請求項12から16のいずれかに記載の筒体。
  18. 請求項1から11のいずれかに記載の杖の、シャフト部用筒体である、請求項12から17のいずれかに記載の筒体。
JP2011026414A 2011-02-09 2011-02-09 Active JP6037599B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011026414A JP6037599B2 (ja) 2011-02-09 2011-02-09
KR1020137023312A KR20140047583A (ko) 2011-02-09 2011-10-20 지팡이 및 통체
US13/984,001 US20140041702A1 (en) 2011-02-09 2011-10-20 Cane and Cylindrical Body
CA2825701A CA2825701A1 (en) 2011-02-09 2011-10-20 Cane and cylindrical body
CN2011800672639A CN103384482A (zh) 2011-02-09 2011-10-20 手杖及筒体
PCT/JP2011/074183 WO2012108081A1 (ja) 2011-02-09 2011-10-20 杖及び筒体
TW100139085A TW201233357A (en) 2011-02-09 2011-10-27 Walking stick

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011026414A JP6037599B2 (ja) 2011-02-09 2011-02-09

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012165767A true JP2012165767A (ja) 2012-09-06
JP6037599B2 JP6037599B2 (ja) 2016-12-07

Family

ID=46970570

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011026414A Active JP6037599B2 (ja) 2011-02-09 2011-02-09

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6037599B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020177446A (ja) * 2019-04-18 2020-10-29 サントリーホールディングス株式会社 補修方法および補修部材

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02276634A (ja) * 1989-04-19 1990-11-13 Asahi Chem Ind Co Ltd 積層成形体
JPH0524042A (ja) * 1991-07-22 1993-02-02 Asahi Chem Ind Co Ltd パイプ状複合材料、パイプ状プリプレグ、及びそれらの製造法
JPH0691022A (ja) * 1992-09-10 1994-04-05 Nikko Golf:Kk ゴルフシャフト
JPH06198783A (ja) * 1992-12-30 1994-07-19 Tonen Corp 管状体
JPH0724943A (ja) * 1993-07-08 1995-01-27 Toray Ind Inc Frp円筒体
JPH11155987A (ja) * 1997-11-28 1999-06-15 Fujikura Rubber Ltd 繊維強化樹脂製ゴルフシャフトおよびその製造方法
JP2001062014A (ja) * 1999-08-25 2001-03-13 Mizuno Corp ゴルフシャフト
JP2003250930A (ja) * 2002-03-04 2003-09-09 Kizaki:Kk 歩行補助用ポール
JP2003320601A (ja) * 2002-05-07 2003-11-11 Sumitomo Rubber Ind Ltd 管状体
JP2005218473A (ja) * 2004-02-03 2005-08-18 Nitto Boseki Co Ltd
JP2007029331A (ja) * 2005-07-26 2007-02-08 Lapacho Japan:Kk ゴルフクラブ用シャフト、その製造方法およびゴルフクラブ

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02276634A (ja) * 1989-04-19 1990-11-13 Asahi Chem Ind Co Ltd 積層成形体
JPH0524042A (ja) * 1991-07-22 1993-02-02 Asahi Chem Ind Co Ltd パイプ状複合材料、パイプ状プリプレグ、及びそれらの製造法
JPH0691022A (ja) * 1992-09-10 1994-04-05 Nikko Golf:Kk ゴルフシャフト
JPH06198783A (ja) * 1992-12-30 1994-07-19 Tonen Corp 管状体
JPH0724943A (ja) * 1993-07-08 1995-01-27 Toray Ind Inc Frp円筒体
JPH11155987A (ja) * 1997-11-28 1999-06-15 Fujikura Rubber Ltd 繊維強化樹脂製ゴルフシャフトおよびその製造方法
JP2001062014A (ja) * 1999-08-25 2001-03-13 Mizuno Corp ゴルフシャフト
JP2003250930A (ja) * 2002-03-04 2003-09-09 Kizaki:Kk 歩行補助用ポール
JP2003320601A (ja) * 2002-05-07 2003-11-11 Sumitomo Rubber Ind Ltd 管状体
JP2005218473A (ja) * 2004-02-03 2005-08-18 Nitto Boseki Co Ltd
JP2007029331A (ja) * 2005-07-26 2007-02-08 Lapacho Japan:Kk ゴルフクラブ用シャフト、その製造方法およびゴルフクラブ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020177446A (ja) * 2019-04-18 2020-10-29 サントリーホールディングス株式会社 補修方法および補修部材
JP7134130B2 (ja) 2019-04-18 2022-09-09 サントリーホールディングス株式会社 補修方法および補修部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP6037599B2 (ja) 2016-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2012108081A1 (ja) 杖及び筒体
US7699725B2 (en) Layered composite material bat
CA2852586C (en) Ball bat including a reinforced, low-durability region for deterring barrel alteration
KR101650989B1 (ko) 골프 클럽용 샤프트
KR101420507B1 (ko) 우드형 골프 클럽
US20070270252A1 (en) Composite locking upright
KR101450397B1 (ko) 골프 클럽 샤프트
US20120165113A1 (en) Golf club shaft
US9795847B2 (en) Golf club
US9993705B2 (en) Golf club shaft
JP6037599B2 (ja)
JP3189658U (ja)
KR20180003416A (ko) 골프 클럽
US20090247330A1 (en) Multi-material composite locking upright
JP2011255155A (ja) 杖と杖用ジョイントカバー
US9498687B2 (en) Golf club shaft
US9339702B2 (en) Shaft for golf clubs
US9399159B2 (en) Shaft for golf clubs
KR101460406B1 (ko) 골프 클럽 샤프트
JP2007307169A (ja) ゴルフクラブシャフト
JP2015226736A (ja)
US9713753B2 (en) Golf club shaft
KR102377591B1 (ko) 골프 클럽 샤프트
KR101215836B1 (ko) 탄소섬유를 이용한 코어 및 핸들을 구비한 알루미늄 배트
US11007412B2 (en) Golf club shaft

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20140206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150421

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20151006

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160105

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20160105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160106

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160202

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20160428

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6037599

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250