JPH11155987A - 繊維強化樹脂製ゴルフシャフトおよびその製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂製ゴルフシャフトおよびその製造方法

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JPH11155987A
JPH11155987A JP9344195A JP34419597A JPH11155987A JP H11155987 A JPH11155987 A JP H11155987A JP 9344195 A JP9344195 A JP 9344195A JP 34419597 A JP34419597 A JP 34419597A JP H11155987 A JPH11155987 A JP H11155987A
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JP
Japan
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fiber
reinforced resin
intermediate layer
weight
prepreg sheet
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JP9344195A
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English (en)
Inventor
Yoshikatsu Aizawa
良勝 相沢
Hidetaka Tanaka
秀隆 田中
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Fujikura Composites Inc
Original Assignee
Fujikura Rubber Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トウダウン現象やかぶり現象が起こり難くス
イング安定性の高いゴルフクラブを可能とする繊維強化
樹脂製ゴルフシャフトとその製造方法を提供する。 【解決手段】 繊維強化樹脂製ゴルフシャフトを、その
中心軸に垂直な断面において、中心軸を中心としたほぼ
同心円状の繊維強化樹脂層からなる内層、中間層および
外層を少なくとも備えたものとし、この中間層の全周の
20〜60%を占める領域に、樹脂中に金属粉末、金属
繊維および金属ワイヤの少なくとも一種を含有するよう
な重量付加部を配した構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化樹脂製ゴ
ルフシャフトおよびその製造方法に係り、特にスイング
安定性の高いゴルフクラブを可能とする繊維強化樹脂製
ゴルフシャフトとこのようなシャフトの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維等を使用した繊維強化樹脂製の
ゴルフシャフトは、従来のスチールシャフトに比べて重
量が軽く打球の飛距離が増大することから、ウッドクラ
ブ用シャフトやアイアンクラブ用シャフト等として、そ
の使用率が飛躍的に伸びている。このような繊維強化樹
脂製ゴルフシャフトは、ねじれ剛性や曲げ剛性等を所望
の範囲内とし、かつ、十分な衝撃強度を備えるように、
シャフトの軸方向に対して炭素繊維等を所望の角度で配
向させるような設計がなされている。そして、従来の繊
維強化樹脂製ゴルフシャフトは、シャフトの中心軸に垂
直な断面がほぼ真円のパイプ形状であり、断面の円周方
向の重量分散が均一なものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示されるように、このような従来の繊維強化樹脂製ゴル
フシャフト101にクラブヘッド102を装着したゴル
フクラブ100では、ゴルフシャフト101の重心は中
心軸C上にあり、一方、クラブヘッド102の重心Gは
中心軸Cよりも外側(中心軸Cからクラブヘッド102
のトウ102a方向)にあるので、ゴルフクラブ100
全体の重心は中心軸Cよりも外側に存在する。したがっ
て、スイング中にクラブヘッドのトウダウン現象が生じ
たり、インパクト時のクラブヘッドのかぶり現象が生じ
ることになり、ゴルフクラブのスイングを安定させるこ
とが難しいものとなっていた。さらに、近年のゴルフシ
ャフトの軽量化によってヘッドスピードの向上がなされ
ているが、ゴルフシャフトの軽量化に伴いゴルフクラブ
100全体の重心が中心軸Cよりも更に外側に移動する
ことになるため、上記のようなトウダウン現象やかぶり
現象も生じ易くなっている。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、トウダウン現象やかぶり現象が起こり難
くスイング安定性の高いゴルフクラブを可能とする繊維
強化樹脂製ゴルフシャフトとその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャフトは、
シャフトの中心軸に垂直な断面が、前記中心軸を中心と
したほぼ同心円状の繊維強化樹脂層からなる内層、中間
層および外層を少なくとも備えており、前記中間層は全
周の20〜60%を占める領域に重量付加部を有し、該
重量付加部は樹脂中に金属粉末、金属繊維および金属ワ
イヤの少なくとも一種を含有するような構成とした。
【0006】また、本発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャ
フトは、内層、中間層および外層の総厚みを100とし
たときの前記中間層の配設位置は内層側から30〜80
の範囲内にあるような構成とした。
【0007】また、本発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャ
フトは、前記中間層の厚みが内層、中間層および外層の
総厚みの10〜50%であるような構成とした。
【0008】また、本発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャ
フトは、前記金属粉末、金属繊維および金属ワイヤが、
タングステン、チタン、アルミニウム、鉛、銅、銀、金
および低炭素鋼の少なくとも一種からなるような構成と
した。
【0009】また、本発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャ
フトは、前記中間層の前記重量付加部を除く領域が、ポ
リアマイド繊維を含有した繊維強化樹脂層からなるよう
な構成とした。
【0010】さらに、本発明の繊維強化樹脂製ゴルフシ
ャフトは、前記中間層がシャフトの全長の50〜100
%の範囲で設けられているような構成とした。
【0011】本発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャフトの
製造方法は、マンドレル上に内層形成用の繊維強化樹脂
プリプレグシートを巻き付け、次いで、金属粉末、金属
繊維および金属ワイヤの少なくとも一種を含有する中間
層形成用の重量付加樹脂プリプレグシートを内層上の所
望の位置に配設して中間層の全周の20〜60%を占め
るようにするとともに、該重量付加樹脂プリプレグシー
トが配設されていない領域に中間層形成用の繊維強化樹
脂プリプレグシートを配設し、その上から外層形成用の
繊維強化樹脂プリプレグシートを巻き付け、各プリプレ
グシートの樹脂を硬化させるような構成とした。
【0012】また、本発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャ
フトの製造方法は、空気噴射孔を表面に備えた中空構造
のマンドレル上に伸縮性のチューブを介して内層形成用
の繊維強化樹脂プリプレグシートを巻き付け、次いで、
金属粉末、金属繊維および金属ワイヤの少なくとも一種
を含有する中間層形成用の重量付加樹脂プリプレグシー
トを内層上の所望の位置に配設して中間層の全周の20
〜60%を占めるようにするとともに、該重量付加樹脂
プリプレグシートが配設されていない領域に中間層形成
用の繊維強化樹脂プリプレグシートを配設し、その上か
ら外層形成用の繊維強化樹脂プリプレグシートを巻き付
け、その後、成形型内にセットして前記マンドレルの空
気噴射孔から空気を噴射して成形するとともに各プリプ
レグシートの樹脂を硬化させるような構成とした。
【0013】このような本発明では、シャフトの中心軸
に垂直な断面の円周方向の重量分散が重量付加部に集中
するように不均一となり、シャフトの重心は中心軸上か
ら重量付加部寄りに存在し、重量付加部が中心軸よりも
内側(中心軸からクラブヘッドのトウ方向と逆方向側)
となるようにクラブヘッドを装着することにより、ゴル
フクラブ全体の重心が中心軸に接近することになる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の最良と思われる実施形態
について説明する。繊維強化樹脂製ゴルフシャフト 図1は本発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャフトの中心軸
に垂直な断面構造を示す断面図である。図1において、
繊維強化樹脂製ゴルフシャフト1は、中心軸Cを中心と
した同心円状の内層2、中間層4および外層8からなる
積層構造を有している。内層2および外層8は、いずれ
も繊維強化樹脂層である。中間層4は本発明の特徴とな
る層であり、全周の20〜60%を占める領域(図示例
では50%を占める領域)に重量付加部5を有し、中間
層4の重量付加部5を除く領域は繊維強化樹脂層6から
なっている。
【0015】尚、図1では説明を容易にするために内層
2と外層8をそれぞれ単層からなるように図示している
が、図2に例示するように、内層2および外層8は、繊
維の方向を所望の方向となるように設定した複数の繊維
強化樹脂層からなる積層構造であってよい。
【0016】繊維強化樹脂製ゴルフシャフト1を構成す
る中間層4は、上述のように全周の50%を占める領域
に重量付加部5を有しており、この重量付加部5は図3
に示されるように樹脂中に金属粉末5aが含有されるも
の、図4に示されるように樹脂中に金属繊維5bが含有
されるもの、図5に示されるように樹脂中に金属ワイヤ
5cが含有されるもの、樹脂中に金属粉末5a、金属繊
維5bおよび金属ワイヤ5cの二種以上が含有されるも
の、のいずれかとすることができる。
【0017】このような中間層4の重量付加部5を形成
するための金属粉末5a、金属繊維5bおよび金属ワイ
ヤ5cとしては、タングステン、チタン、アルミニウ
ム、ニッケル、ボロン、チタン・ニッケル合金、鉛、
銅、銀、金および低炭素鋼(例えば、(株)神戸製鋼所
製サイファー等)等からなるものを使用することができ
る。金属粉末5aの場合、粒径は6〜20μm程度が好
ましく、粉末形状には特に制限はない。重量付加部5に
占める金属(金属粉末5a、金属繊維5b、金属ワイヤ
5c)の割合は、使用する金属の比重、形状、中間層4
に占める重量付加部5の割合等を考慮して設定すること
ができ、例えば、30〜60体積%程度とすることがで
きる。また、中間層4の重量付加部5を形成するための
樹脂としては、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノー
ル樹脂、ナイロン、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニ
レンサルファイド樹脂、ポリエーテルエチルケトン樹
脂、ポリエーテルイミド樹脂等を挙げることができる。
【0018】中間層4を構成する繊維強化樹脂層6は繊
維を含有した樹脂層であり、繊維としては炭素繊維、ポ
リアマイド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維等からなる
一方向繊維、織布繊維、編組状繊維等を使用することが
でき、樹脂としてはエポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェ
ノール樹脂や熱可塑性のナイロン、ポリカーボネート樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエ
チルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等を使用する
ことができる。
【0019】繊維強化樹脂製ゴルフシャフト1を構成す
る内層2および外層8は、繊維を含有した樹脂層であ
り、繊維としては炭素繊維、ポリアマイド繊維、ボロン
繊維、金属繊維、ガラス繊維、および、これらの2種以
上の混成繊維等からなる一方向繊維、織布繊維、編組状
繊維等を使用することができる。また、樹脂としてはエ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂や熱可塑性
のナイロン、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサ
ルファイド樹脂、ポリエーテルエチルケトン樹脂、ポリ
エーテルイミド樹脂等を使用することができる。例え
ば、内層2を高弾性の繊維強化樹脂層とし、外層8を高
強度の繊維強化繊維層とすることができる。
【0020】このような繊維強化樹脂製ゴルフシャフト
1における中間層4の配設位置は、内層2、中間層4お
よび外層8の総厚みを100としたとき、内層2側から
30〜80の範囲内のいずれかの位置であることが好ま
しい。中間層4の配設位置が上記の範囲からはずれた位
置になると、中心軸Cに対して内側と外側の重量差がな
くなったり、繊維強化樹脂製ゴルフシャフト1の曲がり
の原因となり好ましくない。また、中間層4の厚みは、
内層2、中間層4および外層8の総厚みの10〜50%
程度であることが好ましく、例えば、0.3〜1.0m
m程度の範囲で設定することができる。中間層4の厚み
が上記範囲からはずれると、繊維強化樹脂製ゴルフシャ
フト1の曲がりの原因となったり、強度不足を生じるこ
とになり好ましくない。
【0021】上述の中間層4は、全周の50%の領域に
重量付加部5を有するものであるが、本発明では全周の
20〜60%を占める領域に重量付加部5が存在してい
ればよい。重量付加部5の形成領域の割合が上記の範囲
からはずれると、後述するようにクラブヘッドを装着し
たゴルフクラブ全体の重心が中心軸Cよりも外側の遠い
位置に存在することになり本発明の効果を十分に発現す
ることができない。中間層4の全周における重量付加部
5の存在領域の例としては、図6に示されるように、全
周の60%を占める領域に重量付加部5が存在するもの
(図6(A))、全周の20%を占める領域に重量付加
部5が存在するもの(図6(B))、全周の3か所に分
散して合計で40%を占める領域に重量付加部5が存在
するもの(図6(C))等を挙げることができる。尚、
図6(C)のように重量付加部5が分散する場合にも、
全ての重量付加部5が全周の60%の範囲内に存在する
ことが好ましい。
【0022】また、上述のような中間層4は、繊維強化
樹脂製ゴルフシャフト1の全長の50〜100%の範囲
で設けられていることが好ましい。中間層4の形成割合
がシャフト全長の50%未満であると、重量付加部5と
繊維強化樹脂層6からなる中間層4による本発明の効果
を十分に発現することができない。図7は本発明の繊維
強化樹脂製ゴルフシャフト1にクラブヘッドを装着した
ゴルフクラブを示す図である。図7(A)に示されるゴ
ルフクラブ11は、繊維強化樹脂製ゴルフシャフト1の
中間層4の重量付加部5が中心軸Cよりも内側となるよ
うにしてチップ側にクラブヘッド12を装着したもので
ある(図7(B))。ここで、中心軸Cよりも内側と
は、中心軸Cからクラブヘッド12のトウ12a方向と
は逆側を意味する。本発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャ
フト1では、重量付加部5による重量分散の不均一化が
生じていおり、これにより中心軸Cより内側の重量を外
側の重量よりも3〜60gの範囲で大きくするように設
定可能である。尚、上述のように中間層4の全周の50
%以上の領域に重量付加部5が存在する場合、中心軸C
より内側の中間層4は全て重量付加部5となるようにす
る。
【0023】このようなゴルフクラブ11では、クラブ
ヘッド12の重心Gは中心軸Cよりも外側(中心軸Cか
らクラブヘッド12のトウ12a方向)にあるが、繊維
強化樹脂製ゴルフシャフト1の重心は重量付加部5の作
用により中心軸Cより内側にあるので、ゴルフクラブ1
1全体の重心は、従来のゴルフクラブに比べて中心軸C
に接近することになり、このため、トウダウン現象やか
ぶり現象が起こり難くなり、スイング安定性の高いゴル
フクラブが可能となる。繊維強化樹脂製ゴルフシャフトの製造方法 次に、本発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャフトの製造方
法について説明する。
【0024】第1の発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャフ
トの製造方法では、まず、マンドレル上に内層2を形成
するための繊維強化樹脂プリプレグシートを巻き付け
る。使用する繊維強化樹脂プリプレグシートは、シャフ
トの中心軸C方向に対して強化繊維を所望の角度で配向
させたものを使用することができ、通常、複数種の繊維
強化樹脂プリプレグシートを使用する。
【0025】次に、内層用の繊維強化樹脂プリプレグシ
ート上の所望の位置に、中間層4を形成するための重量
付加樹脂プリプレグシートを配設して、中間層の全周の
20〜60%を重量付加樹脂プリプレグシートが占める
ようにするとともに、この重量付加樹脂プリプレグシー
トが配設されていない領域に中間層4形成用の繊維強化
樹脂プリプレグシートを配設する。重量付加樹脂プリプ
レグシートは、金属粉末、金属繊維および金属ワイヤの
少なくとも一種を樹脂中に含有するものであり、中間層
形成用の繊維強化樹脂プリプレグシートは、シャフトの
中心軸C方向に対して強化繊維を所望の角度(例えば、
0°、90°、45°等)で配向させたものを使用す
る。
【0026】次いで、この中間層4上から外層8を形成
するための繊維強化樹脂プリプレグシートを巻き付け
る。使用する繊維強化樹脂プリプレグシートは、シャフ
トの中心軸C方向に対して強化繊維を所望の角度で配向
させたものを使用することができ、通常、複数種の繊維
強化樹脂プリプレグシートを使用する。
【0027】その後、加熱により各プリプレグシートの
樹脂を硬化させ、マンドレルを引き抜くことにより、本
発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャフトが得られる。
【0028】次に、繊維強化樹脂製ゴルフシャフトの製
造方法の第2の発明について説明する。
【0029】第2の発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャフ
トの製造方法では、まず、空気噴射孔を表面に備えた中
空構造のマンドレル上に伸縮性のチューブを介して内層
2を形成するための繊維強化樹脂プリプレグシートを巻
き付ける。使用する繊維強化樹脂プリプレグシートは、
シャフトの中心軸C方向に対して強化繊維を所望の角度
で配向させたものを使用することができ、通常、複数種
の繊維強化樹脂プリプレグシートを使用する。
【0030】次に、内層用の繊維強化樹脂プリプレグシ
ート上の所望の位置に、中間層4を形成するための重量
付加樹脂プリプレグシートを配設して、中間層の全周の
20〜60%を重量付加樹脂プリプレグシートが占める
ようにするとともに、この重量付加樹脂プリプレグシー
トが配設されていない領域に中間層4形成用の繊維強化
樹脂プリプレグシートを配設する。重量付加樹脂プリプ
レグシートは、金属粉末、金属繊維および金属ワイヤの
少なくとも一種を樹脂中に含有するものであり、中間層
形成用の繊維強化樹脂プリプレグシートは、シャフトの
中心軸C方向に対して強化繊維を所望の角度(例えば、
0°、90°、45°等)で配向させたものを使用す
る。
【0031】次いで、この中間層4上から外層8を形成
するための繊維強化樹脂プリプレグシートを巻き付け
る。使用する繊維強化樹脂プリプレグシートは、シャフ
トの中心軸C方向に対して強化繊維を所望の角度で配向
させたものを使用することができ、通常、複数種の繊維
強化樹脂プリプレグシートを使用する。
【0032】次に、マンドレルに各プリプレグシートを
巻き付けたものを成形型内にセットした後、マンドレル
の空気噴射孔から空気を噴射してプリプレグシートに内
圧をかけ成形型に圧着させるとともに加熱して、各プリ
プレグシートの熱成形を行い、その後、マンドレルおよ
び伸縮性のチューブを引き抜くことにより、本発明の繊
維強化樹脂製ゴルフシャフトが得られる。
【0033】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。 (実施例1)まず、+40°に配向させた高弾性炭素繊
維にエポキシ樹脂を含浸させた繊維強化樹脂プリプレグ
と、−40°に配向させた高弾性炭素繊維にエポキシ樹
脂を含浸させた繊維強化樹脂プリプレグ(三菱化学
(株)製 HYEJ12M35J−25(厚み0.11
mm))とを、マンドレルに各3層巻回して6層からな
る内層を形成した。
【0034】次いで、この上からタングステン粒子(平
均粒子径6μm)をエポキシ樹脂に含浸させた重量付加
樹脂プリプレグ(新日鐵化学(株)製 KGH0250
−198W、厚み0.15mm、重量1250g/m
2 )を、図1に示されるように中間層の全周の50%を
占めるように配設した。さらに、この重量付加樹脂プリ
プレグシートが配設されていない領域に、0°に配向さ
せたポリアマイド繊維であるケブラー繊維(デュポン社
製)にエポキシ樹脂を含浸させたケブラー繊維強化樹脂
プリプレグ(新日鐵化学(株)製 VK1400、厚み
0.17mm、重量233g/m2 )を配設した。これ
により中間層を形成した。
【0035】次に、この上から0°に配向させた高強度
炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸させた繊維強化樹脂プリ
プレグ(三菱化学(株)製 HYEJ12K700−3
5(厚み0.12mm))を2層巻回し、さらに、0°
に配向させた高強度炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸させ
た繊維強化樹脂プリプレグ(三菱化学(株)製 HYE
J12K700−35(厚み0.12mm))を2層巻
回して4層からなる外層を形成した。
【0036】その後、熱硬化させ、マンドレルを引き抜
いて991mmとなるように両端を切断して繊維強化樹
脂製ゴルフシャフト(実施例1)を作製した。
【0037】この繊維強化樹脂製ゴルフシャフト(実施
例1)では、中間層はシャフト全長に設けられており、
中心軸に垂直な断面内での中間層の配設位置は、内層、
中間層および外層の総厚みを100としたとき、内層側
から40に相当する位置であり、また、中間層の厚み
は、内層、中間層および外層の総厚みの15%であっ
た。そして、繊維強化樹脂製ゴルフシャフト(実施例
1)の重量は90gであり、図7(B)に示される中心
軸Cより内側の重量は、中心軸Cより外側の重量よりも
20g重いものであった。 (実施例2)重量付加樹脂プリプレグ(新日鐵化学
(株)製 KGH0250−198W、厚み0.15m
m、重量1250g/m2 )を、図6(B)に示される
ように中間層の全周の20%を占めるように配設し、重
量付加樹脂プリプレグシートが配設されていない領域に
ケブラー繊維強化樹脂プリプレグを配設した他は、実施
例1と同様にして、繊維強化樹脂製ゴルフシャフト(実
施例2)を作製した。
【0038】この繊維強化樹脂製ゴルフシャフト(実施
例2)は、重量が74gであり、図7(B)に示される
中心軸Cより内側の重量は、中心軸Cより外側の重量よ
りも3g重いものであった。 (比較例1)中間層をケブラー繊維強化樹脂プリプレグ
のみで形成した他は、実施例1と同様にして、繊維強化
樹脂製ゴルフシャフト(比較例1)を作製した。
【0039】この繊維強化樹脂製ゴルフシャフト(比較
例1)は、重量が72gであり、中心軸Cの周囲におけ
る重量分散は均一なものであった。 (比較例2)重量付加樹脂プリプレグ(新日鐵化学
(株)製 KGH0250−198W、厚み0.15m
m、重量1250g/m2 )を、中間層の全周の80%
を占めるように配設し、重量付加樹脂プリプレグシート
が配設されていない領域にケブラー繊維強化樹脂プリプ
レグを配設した他は、実施例1と同様にして、繊維強化
樹脂製ゴルフシャフト(比較例2)を作製した。
【0040】この繊維強化樹脂製ゴルフシャフト(比較
例2)は、重量が101gであり、図7(B)に示され
る中心軸Cより内側の重量と外側の重量の差は35gで
あった。
【0041】上述のように作製した繊維強化樹脂製ゴル
フシャフト(実施例1、2および比較例2)に、中間層
の重量付加部が中心軸よりも内側となるように(重量付
加部の形成領域の円周方向の中央部(図7(B)に5a
で示される部分)が内側方向の中心(図7(B)の矢印
位置)と一致するように)してチップ側にアイアンクラ
ブ用のヘッドを装着した。また、繊維強化樹脂製ゴルフ
シャフト(比較例1)にも同様のアイアンクラブ用のヘ
ッドを装着した。尚、アイアンクラブ用のヘッドは、重
量274g、#8アイアン(キャビティーヘッド)を使
用した。
【0042】上記のアイアンクラブに同等のグリップを
装着した後、各アイアンクラブについてプロゴルファー
のテスターにより5回の実打テストを行い、飛距離(キ
ャリーおよびラン)、バックスピン量を測定し、その平
均値を下記の表1に示した。
【0043】
【表1】 表1に示されるように、本発明の繊維強化樹脂製ゴルフ
シャフト(実施例1、2)を使用したアイアンクラブ
は、比較例1の繊維強化樹脂製ゴルフシャフトを使用し
たアイアンクラブに比べ、キャリーが大きくランが少な
い、いわゆる飛んで止まる打球が可能であった。また、
テスターによるクラブ操作感は、本発明の繊維強化樹脂
製ゴルフシャフト(実施例1、2)を使用したアイアン
クラブの方が適度の重量感があるためにダウンスイング
において同一軌道にクラブを操作することが自然にで
き、スイングの安定性において優れるとの判定であっ
た。
【0044】一方、比較例2の繊維強化樹脂製ゴルフシ
ャフトを使用したアイアンクラブは、本発明の繊維強化
樹脂製ゴルフシャフト(実施例1)を使用したアイアン
クラブに近い結果となったが、重量が101gと大き
く、一般のアマチュアゴルファーが使いこなすことは困
難である。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば繊
維強化樹脂製ゴルフシャフトを、その中心軸に垂直な断
面において、中心軸を中心としたほぼ同心円状の繊維強
化樹脂層からなる内層、中間層および外層を少なくとも
備えたものとし、この中間層の全周の20〜60%を占
める領域に、樹脂中に金属粉末、金属繊維および金属ワ
イヤの少なくとも一種を含有するような重量付加部を配
した構成としたので、繊維強化樹脂製ゴルフシャフトの
中心軸に垂直な断面の円周方向の重量分散が重量付加部
に集中するように不均一なものとなって、シャフトの重
心は中心軸上から重量付加部寄りに存在することにな
り、重量付加部を中心軸よりも内側(中心軸からクラブ
ヘッドのトウ方向と逆方向側)となるようにクラブヘッ
ドを装着することによりゴルフクラブ全体の重心が中心
軸Cに接近することになり、このため、トウダウン現象
やかぶり現象が起こり難くなり、スイング安定性の高い
ゴルフクラブが可能となる。そして、本発明の製造方法
は、重量付加樹脂プリプレグを使用するので重量付加部
の設定が容易で設計の許容範囲が広いとともに、特性の
バラツキが極めて少ないゴルフシャフトの製造を可能と
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャフトの中心
軸に垂直な断面構造を示す断面図である。
【図2】本発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャフトの構造
を示す斜視図である。
【図3】本発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャフトの中間
層を説明するための断面図である。
【図4】本発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャフトの中間
層を説明するための断面図である。
【図5】本発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャフトの中間
層を説明するための断面図である。
【図6】本発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャフトの中間
層における重量付加部の形成領域の態様を説明するため
の断面図であり、図6(A)は重量付加部が60%を占
める態様、図6(B)は重量付加部が20%を占める態
様、図6(C)は重量付加部が40%を占める態様を示
すものである。
【図7】本発明の繊維強化樹脂製ゴルフシャフトにクラ
ブヘッドを装着したゴルフクラブを示す図であり、図7
(A)は正面図、図7(B)はA−A線における拡大断
面図である。
【図8】従来の繊維強化樹脂製ゴルフシャフトにクラブ
ヘッドを装着したゴルフクラブを示す図である。
【符号の説明】
1…繊維強化樹脂製ゴルフシャフト 2…内層 4…中間層 5…重量付加部 5a…金属粉末 5b…金属繊維 5c…金属ワイヤ 6…繊維強化樹脂層 8…外層 11…ゴルフクラブ 12…クラブヘッド

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトの中心軸に垂直な断面が、前記
    中心軸を中心としたほぼ同心円状の繊維強化樹脂層から
    なる内層、中間層および外層を少なくとも備えており、
    前記中間層は全周の20〜60%を占める領域に重量付
    加部を有し、該重量付加部は樹脂中に金属粉末、金属繊
    維および金属ワイヤの少なくとも一種を含有することを
    特徴とした繊維強化樹脂製ゴルフシャフト。
  2. 【請求項2】 内層、中間層および外層の総厚みを10
    0としたときの前記中間層の配設位置は内層側から30
    〜80の範囲内にあることを特徴とした請求項1に記載
    の繊維強化樹脂製ゴルフシャフト。
  3. 【請求項3】 前記中間層の厚みは、内層、中間層およ
    び外層の総厚みの10〜50%であることを特徴とした
    請求項1または請求項2に記載の繊維強化樹脂製ゴルフ
    シャフト。
  4. 【請求項4】 前記金属粉末、金属繊維および金属ワイ
    ヤは、タングステン、チタン、アルミニウム、鉛、銅、
    銀、金および低炭素鋼の少なくとも一種からなることを
    特徴とした請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の繊
    維強化樹脂製ゴルフシャフト。
  5. 【請求項5】 前記中間層の前記重量付加部を除く領域
    は、ポリアマイド繊維を含有した繊維強化樹脂層からな
    ることを特徴とした請求項1乃至請求項4のいずれかに
    記載の繊維強化樹脂製ゴルフシャフト。
  6. 【請求項6】 前記中間層は、シャフトの全長の50〜
    100%の範囲で設けられていることを特徴とした請求
    項1乃至請求項5のいずれかに記載の繊維強化樹脂製ゴ
    ルフシャフト。
  7. 【請求項7】 マンドレル上に内層形成用の繊維強化樹
    脂プリプレグシートを巻き付け、次いで、金属粉末、金
    属繊維および金属ワイヤの少なくとも一種を含有する中
    間層形成用の重量付加樹脂プリプレグシートを内層上の
    所望の位置に配設して中間層の全周の20〜60%を占
    めるようにするとともに、該重量付加樹脂プリプレグシ
    ートが配設されていない領域に中間層形成用の繊維強化
    樹脂プリプレグシートを配設し、その上から外層形成用
    の繊維強化樹脂プリプレグシートを巻き付け、各プリプ
    レグシートの樹脂を硬化させることを特徴とした繊維強
    化樹脂製ゴルフシャフトの製造方法。
  8. 【請求項8】 空気噴射孔を表面に備えた中空構造のマ
    ンドレル上に伸縮性のチューブを介して内層形成用の繊
    維強化樹脂プリプレグシートを巻き付け、次いで、金属
    粉末、金属繊維および金属ワイヤの少なくとも一種を含
    有する中間層形成用の重量付加樹脂プリプレグシートを
    内層上の所望の位置に配設して中間層の全周の20〜6
    0%を占めるようにするとともに、該重量付加樹脂プリ
    プレグシートが配設されていない領域に中間層形成用の
    繊維強化樹脂プリプレグシートを配設し、その上から外
    層形成用の繊維強化樹脂プリプレグシートを巻き付け、
    その後、成形型内にセットして前記マンドレルの空気噴
    射孔から空気を噴射して成形するとともに各プリプレグ
    シートの樹脂を硬化させることを特徴とした繊維強化樹
    脂製ゴルフシャフトの製造方法。
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