JP4362642B2 - ゴルフクラブヘッドの製造方法および該方法で製造されたゴルフクラブヘッド - Google Patents

ゴルフクラブヘッドの製造方法および該方法で製造されたゴルフクラブヘッド Download PDF

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Description

本発明は、ゴルフクラブヘッドの製造方法および該方法で製造されたゴルフクラブヘッドに関し、特に、軽量なヘッドの耐衝撃性と衝撃吸収性の向上を図るものである。
従来より、ドライバー、ブラッシー、スプーン、バフィー、クリーク等のウッドゴルフクラブのヘッド素材としては、スチール、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等の金属材料が使用されており、特に、比強度が高くて軽量化が容易であるとの理由から、チタン及びチタン合金からなるゴルフクラブヘッドが主流であった。
さらに近年は、飛距離の向上、スイートスポットの拡大等を図るために、ヘッド自体も軽量化、大型化の傾向にあり、これに関し、特開平11−290486号(特許文献1)では、金属よりもさらに軽量でありながら高強度で高反発性を備える繊維強化樹脂をヘッドの構成材料に使用することを提案している。
しかしながら、繊維強化樹脂には耐衝撃性や衝撃吸収性が低いという欠点がある。特に、ウッド型中空ヘッドは、重量を所定以下に収めて取り扱い性を維持しながら高反発性をも備えることが要求されるが、ヘッドを構成する殻部材を薄くする必要があるが、殻部材を薄くすれば衝撃吸収性も耐衝撃性も悪化する。従って、軽量でありながら、耐衝撃性と衝撃吸収性に優れたゴルフクラブヘッドが要請されている。
特開平11−290486号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、衝撃吸収性と耐衝撃性に優れた軽量で高反発なゴルフクラブヘッドの製造方法および該方法で製造されたゴルフクラブヘッドの提供を課題としている。
前記課題を解決するために、本発明は、ネック部、フェース部、クラウン部、ソール部を有する中空のゴルフクラブヘッドの製造方法であって、
該ゴルフクラブヘッドは、少なくとも一部が繊維強化樹脂部材で構成され、該繊維強化樹脂部材の少なくとも一層が、マトリクス樹脂が液状ゴムとエポキシ樹脂との混合物からなる混合マトリクス繊維強化樹脂層であり、
前記混合マトリクス繊維強化樹脂層のマトリクス樹脂は、端末に官能基を有する液状ゴムとエポキシ樹脂とを、140〜220℃にて、液状ゴムの官能基とエポキシ樹脂のエポキシ基とをエステル反応させていることを特徴とするゴルフクラブヘッドの製造方法を提供している。
前記製造方法で製造されたゴルフクラブヘッドは、ヘッドの少なくとも一部を繊維強化樹脂部材で構成し、かつ、該繊維強化樹脂部材の少なくとも一部の層を、衝撃吸収性を高めるために効果的な液状ゴムを配合した前記混合マトリクス繊維強化樹脂層としていることによって、高い衝撃吸収性を有し、かつ高い剛性も備えるため耐衝撃性と打球の反発性とを高めることが出来る。また、繊維強化樹脂部材の一部の樹脂配合を変更するだけであるため、繊維強化樹脂部材が有する軽量性を損なうことなく、良好な取り扱い性を維持することができる。
前記混合マトリクス繊維強化樹脂のマトリクス樹脂は、液状ゴム(G)とエポキシ樹脂(R2)とを予め混合反応させたゴム変性エポキシ(K)と、ゴム成分を含まないエポキシ樹脂(R1)との混合物からなり、「(G)重量部/((G)重量部+(R2)重量部)」の値が0.2以上0.6以下であることが好ましい。
エポキシ樹脂に液状ゴムを添加することによってエポキシ樹脂の強度を向上させるためには、液状ゴム末端基とエポキシ樹脂のエポキシ基とのエステル反応を確実に行う必要があり、このエステル反応を確実に行うためにエポキシ樹脂(R2)と液状ゴム(G)を予め混合反応させてゴム変性エポキシ(K)を設けている。
前記のように、本発明では、液状ゴム(G)とエポキシ樹脂(R2)とを140〜220℃で液状ゴムの官能基とエポキシ樹脂のエポキシ基とをエステル反応させる工程を含んでいる。温度の下限は140℃であり、好ましくは150℃以上、特に160℃以上が好ましい。上限は220℃以下であり、さらに210℃以下、特に180℃が好ましい。また、反応時間の下限は0.25時間以上、好ましくは0.5時間、時に0.75時間以上であり、上限は5時間以下、好ましくは4時間以下、特に2時間以下が好ましい。
前記液状ゴム(G)とエポキシ樹脂(R2)とを、「(G)重量部/((G)重量部+(R2)重量部)」の値が0.2以上0.6以下としているのは、0.2より小さいとエポキシ樹脂が多すぎてエポキシ樹脂と液状ゴムとを混合反応する際にエポキシ基が液状ゴムの末端基と反応せずに残り、この残ったエポキシ基はエポキシ樹脂を硬化させるための硬化剤との反応が悪く、繊維強化樹脂層の強度低下を招くことに因る。
一方、0.6より大きいと液状ゴムが多すぎてエポキシ樹脂と液状ゴムとを混合する際に液状ゴムの末端基がエポキシ基と反応せずに残り、この残った液状ゴムの末端基は後のゴム変性エポキシ(K)とゴム成分を含まないエポキシ樹脂(R1)との混合の際にエポキシ樹脂(R1)のエポキシ基と反応し難く、やはり繊維強化樹脂層の強度低下を招くことに因る。
なお、「(G)重量部/((G)重量部+(R2)重量部)」の値は、下限は、さらに0.3以上、特に0.35以上が好ましく、上限は0.5以下、特に0.45以下が好ましい。
前記混合マトリクス繊維強化樹脂層のゴム成分は、分子量1000以上5000以下の液状ゴムで、アクリロニトリルブタジエンゴムであることが好ましい。これは、低分子量液状ゴムポリマーであれば、エポキシ樹脂との相溶が良くなり、均一に相溶されて繊維強化樹脂層の強度や品質が優れたものとなるうえ、相溶性の向上により生産性がよくなり、さらに衝撃吸収性も良くなることに因る。前記分子量は、さらに2000以上5000以下、特に3500程度が良い。
また、エポキシ樹脂との相溶性をさらに向上させるには、粘度(CPS27℃)が100000以上700000以下の液状ゴムポリマーが良い。
前記液状ゴムポリマーとして、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)が好ましいのは、NBRは主鎖にアクリロニトリルが存在することによって、エポキシ樹脂との相溶性が良いためである。
前記アクリロニトリルブタジエンゴムは、主鎖の末端にカルボキシル基を有するアクリロニトリルブタジエンゴムであることが好ましい。
主鎖の少なくとも一方の末端に官能基であるカルボキシル基を有するアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)であれば、エポキシ樹脂との反応性が高くなり、高い衝撃吸収性を維持しながら繊維強化樹脂層の強度を向上できるが、官能基であるカルボキシル基を主鎖の両末端に有するNBRは特に好ましい。なお、アクリロニトリルブタジエンゴムの官能基数は、官能基末端NBR1molに対して下限は1.0以上、さらに1.5以上、特に1.8以上が良いく、上限は3.0以下、さらに2.5以下、特に2.3以下が良い。
前記ゴム変性エポキシ(K)を構成するエポキシ樹脂(R2)としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシン、水素化ビスフェノールAなどのグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル型、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸などのグリシジルエステル型、グリシジルアミン型、線状脂肪族エポキシド型、ヒダントイン系、ダイマー酸系、エポキシ変性NBRなどが挙げられる。
特に、低粘度のものが良く、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、低粘度グリシジルアミン型エポキシ樹脂が好ましい。また、pアミノフェノール樹脂は保存安定性が良い点からも好ましい。これらは、単独でも、2種以上組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂を硬化させるために配合するエポキシ樹脂用潜在型硬化剤としては、例えば、シジアンジアミド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、2−n−ヘプタンデシルイミダゾールのようなイミダゾール誘導体、イソフタル酸ジヒドラジド、N、N−ジアルキル尿素誘導体、N、N−ジアルキルチオ尿素誘導体、テトラヒドロ無水フタル酸のような酸無水物、イソホロンジアミン、m−フェニレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、メラミン、グアナミン、三フッ化ホウ素錯化合物、トリスジメチルアミノメチルフェノールなどを挙げることができ、これらを単独、もしくは2種以上混合して用いてもよい。 さらに、一般的な硬化促進剤、可塑剤、安定剤、乳化剤、充填剤、強化剤、発泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤などを必要に応じて加えてもよい。
前記強化繊維は引張弾性率が100GPa以上800GPa以下の繊維を用いることが好ましい。引張弾性率が100GPa未満では剛性と反発性が低下し、800GPaを超えると耐衝撃性が低下するためである。なお、この強化繊維の引張弾性率の下限はさらに150GPa以上、特に200Gpa以上が好ましく、上限は700pa以下、特に600Gpa以下が好ましい。
前記強化繊維としては、一般に高性能強化繊維として用いられている繊維が使用できる。例えば、カーボン繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、超高分子ポリエチレン繊維等が挙げられる。また、金属繊維を用いてもよい。
これらの強化繊維は、長繊維、短繊維の何れであっても良く、これらの繊維を2種以上混合して用いてもよい。
強化繊維の形状や配列については限定されず、例えば、単一方向、ランダム方向、シート状、マット状、織物(クロス)状、組み紐状などいずれの形状・配列でも使用可能である。なお、高強度、低比重の点からカーボン繊維が特に好ましい。
前記混合マトリクス繊維強化樹脂層は、プリプレグを積層した積層構造、編んだ状態であるブレードを樹脂に含浸して積層した積層構造、樹脂に含浸した繊維をフィラメントワインディング法で積層した積層構造、あるいは繊維をフィラメントワインディング法で積層した後に前記樹脂を含浸させて形成する等、いずれの方法で形成してもよい。
前記混合マトリクス繊維強化樹脂層以外の繊維強化樹脂層に使用できるマトリクス樹脂種としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂や、ABS樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、PEEK樹脂等の熱可塑性樹脂を単独、あるいは適宜組み合わせて用いることが出来る。
なお、前記混合マトリクス繊維強化樹脂層がエポキシ樹脂をベースとしていることから、層間の密着を考慮すると、エポキシ樹脂が特に好ましい。
前記ヘッドの本体は金属層で構成され、該本体のフェース部の少なくとも一部またはクラウン部の少なくとも一部に、あるいはフェース部の少なくとも一部とクラウン部の少なくとも一部に連続一体に開口部を設け、該開口部に前記繊維強化樹脂部材を接合している。 あるいは、前記ヘッドの本体は金属層で構成され、その金属層の表面または内側面の、前記フェース部の少なくとも一部または前記クラウン部の少なくとも一部に、あるいはフェース部の少なくとも一部とクラウン部の少なくとも一部に連続一体に、前記繊維強化樹脂部材を重ねて張り合わせ接合している。
このように、ヘッド本体を金属層で構成することにより、ヘッドの耐衝撃性を一層高めることが出来る。
また、いずれの場合も、前記繊維強化樹脂部材の全体を前記混合マトリクス繊維強化樹脂層で構成しても良いし、あるいは一部の構成層だけを前記混合マトリクス繊維強化樹脂層としてもよい。
前記ヘッドの本体はチタン合金からなる金属層で構成され、前記フェース部の少なくとも一部は該チタン合金層と前記混合マトリクス繊維強化樹脂層の2層構造よりなり、この2層構造におけるチタン合金層の厚みは1.0mm以上2.8mm以下とし、前記混合マトリクス繊維強化樹脂層の厚みは0.5mm以上5.0mm以下としていることが好ましい。
チタン合金は、他の金属よりも高反発、高強度という点で好ましく、このチタン合金層を1.0mm以上2.8mm以下としているのは、1.0mm未満では耐衝撃性が低下し、2.8mmを超えると反発性が低下することに因る。なお、金属層の厚みの下限は1.3mm以上が更に好ましく、特に1.5mm以上が良い。上限は更に2.5mm以下、特に2.0mm以下が好ましい。
混合マトリクス繊維強化樹脂層の厚みを0.5mm以上5.0mm以下としているのは、0.5mm未満では耐衝撃性が低下し、5.0mmを超えると反発性が低下することに因る。この厚みの下限はさらに1.0mm以上、特に1.8mm以上が好ましく、上限はさらに4.0mm以下、特に3.0mm以下が好ましい。
前記クラウン部に前記混合マトリクス繊維強化樹脂層を配置する場合には、該混合マトリクス繊維強化樹脂層の厚みは0.2mm以上5.0mm以下とすることが好ましい。
これは、0.2mm未満では十分な強度が得られず耐衝撃性が低下し、5.0mmを超えると打球時のクラウン部の撓みが減少し、反発性が低下することに因る。この厚みの下限はさらに1.0mm以上、特に1.8mm以上が好ましく、上限はさらに4.0mm以下、特に3.0mm以下が好ましい。
前記混合マトリクス繊維強化樹脂層の1層当たりの面積をS1とし、前記ヘッドの全表面積をS2とした場合において、S1のS2に対する比S1/S2を0.1以上0.8以下とすることが好ましい。
これは、S1/S2が0.1未満では衝撃吸収性が不十分となり、0.8を超えると金属部材の割合が小さくなりすぎて耐衝撃性が不足することに因る。前記S1/S2の比の下限はさらに0.2、特に0.25が好ましく、上限は0.6、さらに0.5、特に0.4が好ましい。
前記ゴルフクラブヘッドの容積は、340cc以上、さらに370cc以上、特に400cc以上が良い。これは、容積が340cc未満になると、フェース面積が小さくなるうえ、クラウン部の面積も小さくなり、該クラウン部の撓みを十分に得られず、打球の反発性が低下することに因る。
また、ヘッドの容積は、470cc以下、さらに460cc以下、特に450cc以下が良い。これは、470ccを超えると、クラウン部の剛性が低下し、十分な強度が得られず耐衝撃性が低下することに因る。
上述したように、本発明に係る製造方法により製造されたゴルフクラブヘッドによれば、ヘッドの少なくとも一部に繊維強化樹脂部材を使用することにより軽量性を備えるうえ、該繊維強化樹脂部材の少なくとも一部に液状ゴムを配合した混合マトリクス繊維強化樹脂層を設けていることにより、衝撃吸収性、耐衝撃性および打球の反発性を高めることが出来る。従って、軽量で良好な取り扱い性を維持しながら、打球の飛距離が大きく、衝撃にも強く、かつ、打球時の衝撃を吸収してゴルファーに与える衝撃を低減することができる。
また、ヘッドの一部を前記混合マトリクス繊維強化樹脂層を備えた繊維強化樹脂部材とし、本体部を金属材料で構成することにより、金属層の高い強度、耐衝撃性と、繊維強化樹脂層の軽量性、さらに前記混合マトリクス繊維強化樹脂層の衝撃吸収性をバランスよく併せ持つことができる。
以下、発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4は、本発明の第一実施形態に係るゴルフクラブヘッド(以下、ヘッドと略称する)1を示し、該ヘッド1はウッド型の中空構造よりなり、ゴルフクラブシャフト20の先端部21がヘッド1のネック部3に挿入固着されることによりシャフト20に装着される。
図2および図3に示すように、ヘッド1はネック部3、フェース部4、クラウン部5、ソール部6、サイドヒール部7、サイドトウ部8およびバック部9を有し、クラウン部5の一部を除き金属層Cからなる本体2で形成し、クラウン部5に設けたクラウン開口10に繊維強化樹脂部材11を取り付けている。
詳しくは、本体2は、まず、フェース部4を開口部とした本体基体2aを金属材料で鋳造し、別に金属板材をプレス成型により湾曲変形させてフェース部4に合致する形状としたフェースプレート2bを本体基体2aに溶接して作製している。該本体2のクラウン部5には、細幅の周縁部5aに囲まれた中央部にクラウン開口部10を設けており、該クラウン開口部10の周縁から内方に向かって、繊維強化樹脂部材11取り付け用のリッジ部10aを段付けしている。
前記ヘッド1は、容積を350ccとし、全体の表面積S2を200平方センチメートルとしている。
前記繊維強化樹脂部材11は、図4に示すように、引張弾性率15〜60Gpaのカーボン繊維をマトリクス樹脂に含浸した8層の繊維強化樹脂層L1〜L8を積層してなり、加熱硬化してクラウン開口部10に合致する形状に成形している。
図4に示すように、8層の繊維強化樹脂層L1〜L8のうち、内側面から1層目(L1)、2層目(L2)、3層目(L3)、4層目(L4)の計4層を通常繊維強化樹脂層Aとし、5層目(L5)、6層目(L6)、7層目(L7)、8層目(L8)の残る4層を混合マトリクス繊維強化樹脂層Bとしている。4層の混合マトリクス繊維強化樹脂層Bの厚みの合計は0.8mmとしている。また、この混合マトリクス繊維強化樹脂層Bの1層当たりの表面積S1は40平方センチメートルである。
前記通常繊維強化樹脂層Aは、液状ゴムが配合されていないマトリクス樹脂を使用している。詳しくは、このマトリクス樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(R1)、ジシアンジアミド硬化剤、DCMU、メチル・エチル・ケトンを、100:6:4:130の配合重量部で配合したものとしている。
前記混合マトリクス繊維強化樹脂層Bは、液状ゴム配合のマトリクス樹脂を使用しており、即ち、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)からなる液状ゴム(G)とエポキシ樹脂(R2)とが予め均一に相溶され、硬化時にはエポキシ樹脂と液状ゴムの海島構造となるゴム変性エポキシ(K)と、ゴム成分を含まないエポキシ樹脂(R1)との混合物よりなる。
詳しくは、前記混合マトリクス樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(R1)、カルボキシル基端末NBR変性エポキシ(K)、ジシアンジアミド硬化剤、DCMU、メチル・エチル・ケトンを、70:30:6:4:130の配合重量部で配合している。
前記カルボキシル基末端NBR変性エポキシ(K)は、宇部興産(株)製のHYCAR CTポリマー CTBN1300×8(G)[粘度(CPS27℃):125000、官能基:カルボキシル基、官能基数:1.85/mol、分子量3500]とビスフェノールA型エポキシ樹脂(R2)とを2:3の割合で180℃の温度条件下で1.25時間かけて反応させたものを使用している。
なお、ゴム変性エポキシは、官能基末端NBRからなる液状ゴムとエポキシ樹脂とが均一に相溶され硬化時にはエポキシ樹脂と液状ゴムの海島構造となる官能基末端NBR変性エポキシとするのがよく、さらに、官能基両末端NBRからなる液状ゴムとエポキシ樹脂とが均一に相溶され硬化時にはエポキシ樹脂と液状ゴムの海島構造となる官能基両末端NBR変性エポキシとするのがよい。また、ゴム変性エポキシは、カルボキシル基末端NBRからなる液状ゴムとエポキシ樹脂とが均一に相溶され硬化時にはエポキシ樹脂と液状ゴムの海島構造となるカルボキシル基末端NBR変性エポキシとするのがよく、さらに、カルボキシル基両末端NBRからなる液状ゴムとエポキシ樹脂とが均一に相溶され硬化時にはエポキシ樹脂と液状ゴムの海島構造となるカルボキシル基両末端NBR変性エポキシとするのがよい。
前記構成の繊維強化樹脂部材11は、クラウン開口部10の周縁に形成した前記リッジ部10aに接着剤で取り付けて、本体部2に接合している。
前記構成のゴルフクラブヘッド11は、打球時に撓み変形するクラウン部5の一部に繊維強化樹脂部材11を取り付け、かつ該繊維強化樹脂部材11の一部を、液状ゴムを配合した混合マトリクス繊維強化樹脂層Bとしているため、打球時の衝撃吸収性を高めるとともに、剛性が高まって反発性能と耐衝撃性を向上させることができる。
特に、混合マトリクス繊維強化樹脂層Bの厚みの合計を0.2mm以上5.0mm以下の範囲内としているため、反発性に影響するクラウン部5の撓み変形量を十分に確保できるとともに、耐久性も維持することができる。
さらに、混合マトリクス繊維強化樹脂層Bの面積S1の、ヘッド1の全表面積S1に対する比S1/S2を0.1以上0.8以下の範囲内としているため、混合マトリクス繊維強化樹脂層Bによる高い衝撃吸収性と金属層Cによる高い耐衝撃性とをバランスよく備えることができる。
さらにまた、混合マトリクス繊維強化樹脂層Bのゴム成分に、分子量が1000以上5000以下であり、主鎖の末端にカルボキシル基を有するアクリロニトリルブタジエンゴムを使用しているため、エポキシ樹脂との反応がよくなり、混合マトリクス繊維強化樹脂層Bが高い衝撃吸収性と高い強度を併せ持つことができる。
図5および図6は本発明の第二実施形態を示し、繊維強化樹脂部材11をクラウン部5からソール部6およびトウ部8の一部にまで回り込むように延在させている。その他の点では前記第一実施形態と同一構成であるため同一符号を付して説明を省略する。
詳しくは、本体部2のクラウン部5には、ネック周辺部5bと細幅のフェース側部5cとを除く全部分にクラウン開口部12aを形成し、バック部9の上側部にはバック開口部12bを、サイドヒール部7の上側部にはヒール開口部12cを、サイドトウ部8の上側部にはトウ開口部12dを形成して、これら各開口部12b〜12dを前記クラウン開口部12aと連続一体化させてクラウンバック開口部12を形成している。このクラウンバック開口部12の周縁には前記繊維強化樹脂部材11を取り付けるリッジ部12eを段付けしている。
前記繊維強化樹脂部材11は、クラウンバック開口部12に合致し、かつ、取りつけたときにクラウン部5、サイドヒール部7、サイドトウ部8およびバック部9をそれぞれ完成させる形状としている。この繊維強化樹脂部材11を構成する通常繊維強化樹脂層Aと混合マトリクス繊維強化樹脂層Bの積層構成、およびこれらの材料、配合比率、厚みは前記第一実施形態と同一としている。なお、混合マトリクス繊維強化樹脂層Bの1層当たりの表面積S1は65平方センチメートルとし、ヘッド1の全表面積S2は200平方センチメートルとしている。
本実施形態においても、S1/S2の値が0.1以上0.8以下となるため、クラウン部5の撓み変形量を確保して高い反発性を備えるとともに、高い衝撃吸収性と耐衝撃性を併せ持つことができる。
図7乃至図9は本発明の第三実施形態を示し、繊維強化樹脂部材11を、クラウン部5からフェース部4にかけて本体の金属層Cの内側面に張り合わせて接合している。その他は前記第一実施形態と同一構成である。
詳しくは、図8にも示すように、金属層Cで構成されたクラウン部5の内側面には、細幅のバック側部5d、ヒール側部5e、トウ側部5fを残す全部分にクラウン凹部13aを形成して肉薄とし、また、フェース部4の内側面には、細幅のソール側部4a、ヒール側部4b、トウ側部4cを残す全部分にフェース凹部13bを形成して肉薄とし、該フェース凹部13bと前記クラウン凹部13aとを連続させたクラウンフェース凹部13を形成している。
前記繊維強化樹脂部材11は、前記クラウンフェース凹部13に合致する形状とし、該クラウンフェース凹部13に接着剤で張り合わせ接合している。この繊維強化樹脂部材11は4層の繊維強化樹脂層L1〜L4よりなり、この4層すべてを混合マトリクス繊維強化樹脂層Bとしている。この混合マトリクス繊維強化樹脂層Bの材料および配合比は前記第一実施形態と同一としている。
なお、混合マトリクス繊維強化樹脂層Bの1層当たりの表面積S1は70平方センチメートルとし、ヘッド1の全表面積S2は200平方センチメートルとしている。また、この混合マトリクス繊維強化樹脂層B1の厚みの合計は0.8mmとし、前記クラウンフェース凹部13の金属層Cの厚みは0.5mmとしている。
前記実施形態においても、S1/S2の値が0.1以上0.8以下であるため、クラウン部5の撓み変形量を確保して高い反発性を備えるとともに、高い衝撃吸収性と耐衝撃性を併せ持つことができる。また、フェース凹部13bの金属層Cの厚みが1.0mm以上2.8mm以下であり、かつ、混合マトリクス繊維強化樹脂層Bの厚みが0.5mm以上5.0mm以下であるため、金属層Cの高い強度と混合マトリクス繊維強化樹脂層Bの衝撃吸収性と高い反発性とをバランスよく備えることができる。また、クラウン凹部13aにおいても混合マトリクス繊維強化樹脂層Bの厚みが0.2mm以上5.0mm以下の範囲内であるため、高い強度を備えながらクラウン部5の撓み変形量も十分に確保して反発性を高めることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定するものではなく、前記第一実施形態や第二実施形態における繊維強化樹脂部材11の全層を混合マトリクス繊維強化樹脂層Bとしてもよい。また、前記第三実施形態において、繊維強化樹脂部材11を混合マトリクス繊維強化樹脂層Bと通常繊維強化樹脂層Aとの積層構造とするほか、繊維強化樹脂層11を金属層Cの表面側に重ねて張り合わせてもよい。さらに、繊維強化樹脂部材11の積層数を増減してもよい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきでないことはもちろんである。
「実施例」
以下の表1に示すとおり、ゴルフクラブヘッドの繊維強化樹脂部材の取り付け範囲、繊維強化樹脂部材の積層構造、混合マトリクス繊維強化樹脂層の表面積S1のヘッド全表面積S2に対する比S1/S2を異ならせた実施例1〜6と比較例1〜3を作製し、耐久性を測定し、また、衝撃性に関する実打テストも行った。
Figure 0004362642
実施例1〜6および比較例1〜3のいずれも、容積を350cc、全表面積S2を200cm2とする同一形状、同一寸法のヘッド1とした。このヘッド1の本体部2のうち、クラウン部5、サイドヒール部7、サイドトウ部8、およびバック部9を構成するボディ部材は6−4チタンで鋳造製法により作製し、ソール部6を構成するソール部材も別に6−4チタンで鋳造製法により作製し、フェース部4を構成するフェースプレートは15−3−3−3チタン板材をプレス成形により湾曲変形させ、打ち抜きにより作製した。
ヘッド1の作製手順は、
(1)前記ボディ部材と前記フェースプレートをTIG溶接で接合し、
(2)フェース部4の裏面、クラウン部5の裏面に繊維強化樹脂部材11を仮接着し、
(3)前記ソール部材を前記ボディ部材とフェースプレートにレーザー溶接により接合し、
(4)サイドトウ部8に設けた孔からシリコン製のエアバックをヘッド内部に挿入し、
(5)エアバックからエアを供給し(5気圧)、ヘッド1を150℃で15分間加熱し、
(6)自然冷却して温度が低下した後、エア圧を下げてエアバックを取り出し、
(7)エアバックの取り出し孔を樹脂と金属からなるバッジでふさいで作製した。
次に、実施例1〜6の繊維強化樹脂部材11の成形方法について説明する。
カーボン繊維を変性エポキシ、ジシアンジアミド硬化剤、DCMU、メチル・エチル・ケトンを一定配合比で配合したビスフェノールA型エポキシ樹脂に含浸しながら、ドラムに一定の繊維方向となるように巻き付け、一定量巻き付けた後にドラムから切り取り、約80〜100℃の熱をかけて擬似硬化状態のプリプレグとし、このプリプレグを適当な繊維角度となるように重ねて切断した。
実施例1〜6および比較例1〜3にいずれにおいても、通常繊維強化樹脂層Aおよび混合マトリクス繊維強化樹脂層Bのマトリクス樹脂は、それぞれ前記第一実施形態で使用したものと同一材料、同一配合比のものとした。即ち、通常繊維強化樹脂層Aのマトリクス樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(R1)、ジシアンジアミド硬化剤、DCMU、メチル・エチル・ケトンを、100:6:4:130の配合重量部で配合したものとした。 混合マトリクス繊維強化樹脂層Bのマトリクス樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(R1)、カルボキシル基端末NBR変性エポキシ(K)、ジシアンジアミド硬化剤、DCMU、メチル・エチル・ケトンを、70:30:6:4:130の配合重量部で配合したものとした。前記カルボキシル基末端NBR変性エポキシ(K)には、宇部興産(株)製のHYCAR CTポリマー CTBN1300×8(G)[粘度(CPS27℃):125000、官能基:カルボキシル基、官能基数:1.85/mol、分子量3500]とビスフェノールA型エポキシ樹脂(R2)とを2:3の割合で180℃の温度条件下で1.25時間かけて反応させたものを使用した。
(実施例1)
図2および図3に示す前記第一実施形態と同一構成とした。即ち、クラウン部5の中央部に設けたクラウン開口部10に8層の繊維強化樹脂層L1〜L8からなる繊維強化樹脂部材11を接合し、該繊維強化樹脂層L1〜L8のうち、内側面から1層目(L1)〜4層目(L4)の計4層を通常繊維強化樹脂層Aとし、5層目(L5)〜8層目(L8)の残る4層を混合マトリクス繊維強化樹脂層Bとした。また、この混合マトリクス繊維強化樹脂層Bの1層当たりの表面積S1は50平方センチメートルとし、S1/S2を0.25とした。
(実施例2)
繊維強化樹脂部材11を構成する8層の繊維強化樹脂層L1〜L8の全層を混合マトリクス繊維強化樹脂層Bとしたが、その他の点では前記実施例1と同一とした。
(実施例3)
図5および図6に示す前記第二実施形態と同一構成とした。すなわち、クラウンバック開口部12に8層の繊維強化樹脂層L1〜L8からなる繊維強化樹脂部材11を接合し、該繊維強化樹脂層L1〜L8のうち、内側面から1層目(L1)〜4層目(L4)の計4層を通常繊維強化樹脂層Aとし、5層目(L5)〜8層目(L8)の残る4層を混合マトリクス繊維強化樹脂層Bとした。また、この混合マトリクス繊維強化樹脂層Bの1層当たりの表面積S1は70平方センチメートルとし、S1/S2を0.35とした。
(実施例4)
実施例3よりも繊維強化樹脂部材11の表面積を大きくし、これに伴って、混合マトリクス繊維強化樹脂層Bの1層当たりの面積S1も拡大して80平方センチメートルとし、S1/S2を0.40とした。その他の点では実施例2と同一とした。
(実施例5)
図7および図8に示す上記第三実施形態と同様に、金属層Cの内側面に形成したクラウンフェース凹部13に繊維強化樹脂部材11を張り合わせて接合したが、該繊維強化樹脂部材11は4層の繊維強化樹脂層L1〜L4で構成され、内側面から1層目(L1)と2層目(L2)の2層を通常繊維強化樹脂層Aとし、3層目(L3)と4層目(L3)の残る2層を混合マトリクス繊維強化樹脂層Bとした。また、この混合マトリクス繊維強化樹脂層Bの1層当たりの表面積S1は200平方センチメートルとし、S1/S2を0.35とした。
(実施例6)
上記第三実施形態と同一構成とし、実施例5よりも繊維強化樹脂部材11の表面積を拡大し、かつ混合マトリクス繊維強化樹脂層Bを増やした。即ち、金属層Cの内側面に形成したクラウンフェース凹部13に繊維強化樹脂部材11を張り合わせて接合し、該繊維強化樹脂部材11を構成する4層の繊維強化樹脂層L1〜L4の全層を混合マトリクス繊維強化樹脂層Bとした。また、この混合マトリクス繊維強化樹脂層Bの1層当たりの表面積S1は90平方センチメートルとし、S1/S2を0.45とした。
(比較例1)
実施例1、実施例2と同一形状、同一表面積の繊維強化樹脂部材11をクラウン開口部10に接合したが、該繊維強化樹脂部材11を構成する8層の繊維強化樹脂層L1〜L8のすべてを通常繊維強化樹脂層Aのみで構成した。
(比較例2)
実施例3と同一形状、同一表面積の繊維強化樹脂部材11をクラウンバック開口部12に接合したが、該繊維強化樹脂部材11を構成する8層の繊維強化樹脂層L1〜L8のすべてを通常繊維強化樹脂層Aのみで構成した。
(比較例3)
実施例5と同一形状、同一表面積の繊維強化樹脂部材11をクラウンフェース凹部13に接合したが、該繊維強化樹脂部材11を構成する4層の繊維強化樹脂層L1〜L4のすべてを通常繊維強化樹脂層Aのみで構成した。
(耐久性の測定)
ツルーテンパー社製のスイングロボットを使用し、ヘッドスピード54m/sで市販の3ピースゴルフボールを打撃して、ヘッドが破壊されるまでの回数を測定した。表1には、実施例1〜4および比較例1、2については、比較例1の回数を100としたときの指数を示し、実施例5、6と比較例3については、比較例3の回数を100としたときの指数を示した。(指数が大きいほど耐久性大)
(衝撃性の実打テスト)
ヘッドスピード42〜45m/sの5名のゴルファーが市販の3ピースゴルフボールを打撃し、打撃時の衝撃の大小を次の5点満点で採点し、その平均値を表1に示した。
5点:衝撃が小さくてきわめて良好
4点:衝撃が小さめで良好
3点:普通
2点:衝撃が大きめで悪い
1点:衝撃が大きくてきわめて悪い
表1から確認できるように、比較例1、2に比べて実施例1〜4が、また比較例3に比べて実施例5、6が、耐久性と衝撃性の両方について優れているという結果となった。これは、実施例1〜6は繊維強化樹脂層の少なくとも一部を、マトリクス樹脂に液状ゴムを配合した混合マトリクス繊維強化樹脂層とし、衝撃吸収性と剛性を高めることができたことに因る。このことは、実施例1よりも混合マトリクス繊維強化樹脂層を増やした実施例2が、耐久性と衝撃性について実施例1より高い結果がでたことによっても分かる。
また、実施例3と実施例4、実施例5と実施例6を比較すると、混合マトリクス繊維強化樹脂層の面積、すなわち、繊維強化樹脂部材11の面積を拡大することによって、衝撃吸収性は高まるが耐久性が低下することが分かった。これは、金属層Cの部分が少なくなることに因る。一方、実施例1、2と実施例3、4とを比較すると、繊維強化樹脂部材11(混合マトリクス繊維強化樹脂層B)をクラウン部5からバック部9やサイド部7、8にかけて拡大しても、耐久性が低下するだけで衝撃吸収性はさほど高まらないことが分かった。
さらに、実施例1〜4と実施例5、6を比較すると、ヘッドの本体部に開口部を設けて該開口部に厚めの繊維強化樹脂部材11を接合する方が、金属層の内側面に薄めの繊維強化樹脂部材11を重ねて張り合わせ接合するよりも衝撃吸収性が高いことが分かった。
本発明の第一実施形態に係るゴルフクラブヘッドの概略図である。 図1に示すゴルフクラブヘッドの斜視図である。 図2のIII−III線断面図である。 図1に示す繊維強化樹脂部材の積層構造を示す部分拡大断面図である。 本発明の第二実施形態に係るゴルフクラブヘッドの斜視図である。 (A)(B)は図5のa−a線断面図とb−b線断面図である。 本発明の第三実施形態に係るゴルフクラブヘッドの斜視図である。 図7のVIII−VIII線断面図である。 図7に示す繊維強化樹脂部材の積層構造を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
1 ゴルフクラブヘッド
2 本体
4 フェース部
5 クラウン部
7 サイドヒール部
8 サイドトウ部
9 バック部
10 クラウン開口部
11 繊維強化樹脂部材
12 クラウンバック開口部
13 クラウンフェース凹部
A 通常繊維強化樹脂層
B 混合マトリクス繊維強化樹脂層
C 金属層

Claims (11)

  1. ネック部、フェース部、クラウン部、ソール部を有する中空のゴルフクラブヘッドの製造方法であって、
    該ゴルフクラブヘッドは、少なくとも一部が繊維強化樹脂部材で構成され、該繊維強化樹脂部材の少なくとも一層が、マトリクス樹脂が液状ゴムとエポキシ樹脂との混合物からなる混合マトリクス繊維強化樹脂層であり、
    前記混合マトリクス繊維強化樹脂層のマトリクス樹脂は、端末に官能基を有する液状ゴムとエポキシ樹脂とを、140〜220℃にて、液状ゴムの官能基とエポキシ樹脂のエポキシ基とをエステル反応させていることを特徴とするゴルフクラブヘッドの製造方法
  2. 前記混合マトリクス繊維強化樹脂層のマトリクス樹脂が、液状ゴムとエポキシ樹脂とを140〜220℃にて液状ゴムの官能基とエポキシ樹脂のエポキシ基とをエステル反応させたゴム変性エポキシ樹脂と、
    ゴム成分を含まないエポキシ樹脂との混合物よりなる請求項1に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。
  3. 前記液状ゴム(G)とエポキシ樹脂(R2)とが、(G)重量部/(G重量部+R2重量部)の値が0.2〜0.6である請求項1または請求項2に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。
  4. 前記エステル反応させる反応時間が0.25〜5時間である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。
  5. 前記液状ゴムは、その主鎖の少なくとも一方の末端にカルボキシル基を有するアクリロニトリルブタジエンゴムである請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の製造方法で製造され、
    前記ヘッドの本体は金属層で構成され、該本体のフェース部あるいはクラウン部の少なくとも一部に、またはフェース部の少なくとも一部とクラウン部の少なくとも一部に連続した開口部を設け、該開口部に前記繊維強化樹脂部材を接合しているゴルフクラブヘッド。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の製造方法で製造され、
    前記ヘッドの本体は金属層で構成され、前記フェース部あるいはクラウン部の少なくとも一部または前記クラウン部の少なくとも一部に、またはフェース部の少なくとも一部とクラウン部の少なくとも一部に連続した部分では、前記金属層の表面または内側面の前記繊維強化樹脂部材を重ねて張り合わせ接合しているゴルフクラブヘッド。
  8. 前記ヘッドの本体はチタン合金からなる金属層で構成され、前記フェース部の少なくとも一部は該チタン合金層と前記混合マトリクス繊維強化樹脂層の2層構造よりなり、
    この2層構造における前記チタン合金層の厚みは1.0mm以上2.8mm以下とし、前記混合マトリクス繊維強化樹脂層の厚みは0.5mm以上5.0mm以下としている請求項7に記載のゴルフクラブヘッド。
  9. 前記クラウン部に配置する前記混合マトリクス繊維強化樹脂層の厚みは0.2mm以上5.0mm以下としている請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
  10. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の製造方法で製造され、
    前記ヘッドの本体は金属層で構成され、該本体のクラウン部に開口が設けられ、該開口部に繊維強化樹脂部材が配置され、該開口部の周縁の前記本体に接合されており、
    前記繊維強化樹脂部材は4層以上8層以下の複数層の繊維強化樹脂層の積層体であり、該積層体の繊維強化樹脂層は全層が、前記混合マトリクス繊維強化樹脂層とされ、または前記混合マトリクス繊維強化樹脂層とマトリクス樹脂がエポキシ樹脂である通常繊維強化樹脂層との積層体とされているゴルフクラブヘッド
  11. 前記混合マトリクス繊維強化樹脂層の1層当たりの面積をS1とし、前記ヘッドの全表面積をS2とした場合において、S1のS2に対する比S1/S2を0.1以上0.8以下としている請求項6乃至請求項10のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
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