JP2012161884A - ドライアイスパウダーブラスト装置及び方法 - Google Patents

ドライアイスパウダーブラスト装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ドライアイスパウダーを圧縮空気とともに対象物に噴射する際に、パウダー同士の氷結を防止し、噴射時の詰りや対象物に対する損傷を防止する。
【解決手段】 ドライアイスブロックに切削刃を食い込ませつつモータで回転することによりドライアイスブロックを切削し、その切削で得たドライアイスパウダーをホッパに収容する。そのドライアイスパウダーをパウダーホースにより噴射ガンへ導き、かつ圧力源からの圧縮空気をエアホースによりその噴射ガンへ供給してドライアイスパウダーを圧縮空気とともに噴射する。噴射を停止して再開する際に、少なくともパウダーホースに残留するドライアイスパウダーを噴射ガンから排出して清浄化した後噴射を再開する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、ドライアイスパウダーを圧縮空気とともに対象物に噴射するブラスト装置及び方法に関する。
ドライアイスブロックを切削して得たドライアイスパウダーを圧縮空気とともに対象物に噴射して所定の処理、例えば対象物に付着した汚れを落とす処理(洗浄)を行う技術が特許文献1に開示されている。
特許第3924573号公報
この特許文献1のドライアイスブラスト装置によれば、いわばかき氷を作る要領でドライアイスブロックを回転させつつ切削してドライアイスパウダーを作り、噴射ガンへドライアイスパウダーをパウダーホースで、また加圧源からの圧縮空気をエアホースでそれぞれ供給し、噴射ガンからドライアイスパウダーを圧縮空気とともに対象物に噴射し、例えば洗浄作業等を行う。
しかしながら、洗浄作業の過程で噴射ガンをオンオフして噴射を停止し、また再開する際に、パウダーホース等にドライアイスパウダーが残留しやすく、そのホース内でパウダー粒子同士が結合して凍結すると(いわば結氷)、それがホース内で詰まって噴射できなくなるトラブルが生じ、また噴射できたとしても結合パウダー(氷塊)の質量が大きくなり、対象物に衝突した際にそれに衝突痕等の損傷が生じるおそれがある。
この発明は、噴射部のオンオフによりホース等の内部に残留するドライアイスパウダーが結氷して引き起こされるトラブルを解消することを課題とする。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明は、ドライアイスパウダーを圧縮空気とともに対象物に噴射するブラスト装置であって、
ドライアイスブロックを回転させるモータと、
回転するドライアイスブロックに食い込んでそれを切削する切削刃と、
ドライアイスブロックの切削によって得られたドライアイスパウダーを収容するホッパと、
作業者によって把持され、ドライアイスパウダーを圧縮空気とともに噴射する噴射部と、
その噴射部と前記ホッパを接続してホッパのドライアイスパウダーを噴射部へ導くパウダーホースと、
圧縮空気を前記噴射部へ導くエアホースと、
その噴射部に設けられ、圧縮空気及びドライアイスパウダーの噴射を開始及び停止するオンオフ操作部と、
その噴射部のオンオフ操作部がオン操作又はオフ操作されたとき、そのオン操作時又はオフ操作時から制限時間が経過するまではドライアイスパウダーの供給を停止した状態で圧縮空気を供給することにより少なくともパウダーホースに残留するドライアイスパウダーを噴射部から排出する清浄化手段と、
を含むことを特徴とする。
これにより、パウダーホース内にドライアイスパウダーが残留しにくくなり、そのため、残留するドライアイスパウダーの粒子同士が結合・凍結してより大きな氷塊を生じること、その結合した氷塊がホース内や噴射部内で詰まること、結合した質量の大きな氷塊(パウダー塊)が対象物に衝突してそれを損傷することと等のトラブルを防ぐ又は減らすことができる。
前記清浄化手段は、ドライアイスパウダーの供給を制御するパウダー供給制御部であって、前記噴射部のオンオフ操作部がオン操作されたとき、そのオン操作から制限時間が経過するまではドライアイスパウダーの供給を停止した状態で圧縮空気を供給することにより少なくともパウダーホースに残留するドライアイスパウダーを噴射部から排出して清浄化し、制限時間経過後に新たなドライアイスパウダーを前記パウダーホースに供給して前記噴射部へ導くようにするものである。これは噴射部のオン時にホース内等を清浄化する。
あるいは前記清浄化手段は、前記圧縮空気の供給を制御する圧縮空気供給制御部であって、前記噴射部のオンオフ操作部がオフ操作されたとき、そのオフ操作から制限時間が経過するまではドライアイスパウダーの供給を停止した状態で圧縮空気を供給し続けることにより少なくともパウダーホースに残留するドライアイスパウダーを噴射部から排出して清浄化するものである。これは噴射部のオフ時にホース内等を清浄化する。
また本発明は、前記噴射部のオンオフ操作部がオフ操作されたとき、前記モータの駆動を停止してドライアイスブロックの切削を停止する切削停止制御部と、前記噴射部のオンオフ操作部がオン操作されたとき、前記モータの駆動を前記制限時間経過後に再開する切削再開制御部とを備える。
そこで、前記切削刃はモータの正回転により前記ドライアイスブロックに食い込んで切削を行い、該モータの逆回転に対してはドライアイスブロックに食い込まず切削を行わないものであり、前記切削再開制御部は、前記噴射部のオンオフ操作部がオン操作されたとき、前記モータをいったん逆回転させた後に正回転に転じて切削を開始させる。
噴射部のオフ操作によりドライアイスブロックの切削が停止するが、その後噴射部がオン操作されて噴射が再開されるときに、ドライアイスブロックをモータにより再起動してドライアイスパウダーを得るための切削を途中から再開することになる。ドライアイスブロックが切削の途中で停止した状態では、切削刃がドライアイスブロックに食い込んでそこに段が生じているのが普通である。この状態でモータを再起動すると、その段から切削を開始するための大きなトルクを必要とし、モータに過度の負担がかかりやすいが、モータをいったん逆転させて切削刃の刃先を段から離し、その後モータを正転させ切削刃に対し勢いをつけて上記段を衝突させることにより、モータに過度の負荷をかけないで切削を再開することができる。
また本発明は、前記モータの回転数を変更することにより前記ドライアイスパウダーの粒度を変更するパウダー粒度変更操作部を備える。例えば対象物が薄くて強度が弱いものである場合、モータの回転数を上げることよりドライアイスパウダーの粒度を小さくしてパウダー質量を小さくすれば、噴射・衝突時の衝撃エネルギーも小さくなって損傷を回避できる。逆に対象物の強度が高く落としにくい汚れを洗浄するような場合は、モータの回転数を下げてパウダー粒度を大きくしてその質量を上げれば、衝突時のエネルギーが増大し、洗浄力を高めることができる。
また本発明は、ドライアイスパウダーを圧縮空気とともに対象物に噴射するブラスト方法であって、
ドライアイスブロックに切削刃を食い込ませつつそのドライアイスブロックをモータで回転することにより切削し、その切削で得たドライアイスパウダーをホッパに収容し、
そのホッパのドライアイスパウダーをパウダーホースにより噴射部へ導き、かつ加圧源からの圧縮空気をエアホースによりその噴射部へ供給して、作業者により把持されるその噴射部からドライアイスパウダーが圧縮空気とともに噴射されるようにし、
その噴射部に設けられた、圧縮空気及びドライアイスパウダーの噴射を開始及び停止するオンオフ操作部がオン操作又はオフ操作されたとき、そのオン操作時又はオフ操作時から制限時間が経過するまではドライアイスパウダーの供給を停止した状態で圧縮空気を供給することにより少なくともパウダーホースに残留するドライアイスパウダーを噴射部から排出して清浄化することを特徴とする。
その清浄化の手法には2通りあって、第1の手法によれば、前記噴射部のオンオフ操作部がオン操作されたとき、そのオン操作時から制限時間が経過するまではドライアイスパウダーの供給を停止した状態で圧縮空気を供給することにより少なくともパウダーホースに残留するドライアイスパウダーを噴射部から排出して清浄化し、制限時間経過後に新たなドライアイスパウダーをパウダーホースに供給して前記噴射部へ導くようにする。
第2の手法によれば、前記噴射部のオンオフ操作部がオフ操作されたとき、そのオフ操作時から制限時間が経過するまではドライアイスパウダーの供給を停止した状態で圧縮空気を供給し続けることにより少なくともパウダーホースに残留するドライアイスパウダーを噴射部から排出して清浄化する。
本発明の一実施例であるブラスト装置を簡略に示す全体概略図。 図1の制御系統図。 図1の切削刃及びホッパの近傍を示す斜視図。 噴射ガンの作用を説明する概略図。 図1のブラスト装置の制御プログラムを示すフローチャート。 パウダーホース内のドライアイスパウダーの清浄化の工程を示す概略図。 図6に続く概略図。 清浄化の後、新たなドライアイスパウダーを供給する図7に続く概略図。 ドライアイスブロックをいったん逆転してから正転に転じて切削を再開する工程図。
図1に示すブラスト装置1は、車輪2によって移動可能なフレーム3と、ドライアイスブロックBをホルダ4を介して回転させるモータ20と、ドライアイスブロックBの切削によって得られたドライアイスパウダーPを収容するホッパ6と、作業者によって把持されドライアイスパウダーPを圧縮空気とともに噴射する噴射部としての噴射ガン7と、その噴射ガン7とホッパ6を接続してホッパ6のドライアイスパウダーPを噴射ガン7に導くパウダーホース8と、加圧源としてのエアコンプレッサ9からの圧縮空気を噴射ガン7へ導くエアホース10と、噴射ガン7に設けられ圧縮空気とドライアイスパウダーPの噴射を開始及び停止するオンオフ操作部としてのオンオフレバー11及びノズルスイッチ12とを備える。
フレーム3は、ドライアイスブロックBを載置する載置部15を備え、この載置部15に形成されたスリット16から上側にやや突出するように切削刃17が設けられ、この切削刃17に押し付けるようにドライアイスブロックBが載置される。ホルダ4は、複数の針4aを備え、これらの針4aがドライアイスブロックBの上面に食い込んでそのブロックBに回転トルクを伝達する。ホルダ4は、駆動軸18及び減速機構19を介してモータ20に接続されている。モータ20は、電動モータ又はエアモータであり、その出力は減速機構19を介してホルダ4を回転させる駆動軸18とホルダ4を切削に従って下降させていくネジ軸21とに分配される。ネジ軸21は、減速機構19に保持されフレーム3の一部3aに設けられたナット22と螺合する。
ドライアイスブロックBは、例えば図3に示すように、角柱状のもので、その底面が切削刃17に押し付けられ、載置部15に形成された回転摺動面23上をホルダ4の駆動軸18を中心に回転する。ホッパ6は、上部の開口6aから下部に向かって横断面が漸次小さくなる形態であればよく、この例では載置部15に形成されたスリット16を自身の開口6aの中央に包含するように、逆円錐状ろうと形態又はラッパ状形態(逆円錐状の周壁が中心線側へ凸となるように膨出する曲面形態)を備えて、その下部にパウダーホース8が連結されている。なお、ホッパ6の内周面に描かれた細線は、例えばラッパ状の形態の曲面を立体的にみせるためのもので、細線自体が特別の実体を示すものではない。図1において、ホルダ4は上昇端位置にある状態でドライアイスブロックBが載置部15に載置され、その後、ホルダ4、減速機構19及びモータ20が例えば作業者の力で下方に押し下げられると、ネジ軸21はそれに追従して回転しつつホルダ4の針4aがドライアイスブロックBの上面に突き刺さりこれを保持する。
モータ20の回転によりホルダ4を介してドライアイスブロックBが回転すると、切削刃17によりそのブロックBが切削されてドライアイスパウダーPが得られ、これが載置部15のスリット16を経てホッパ6に収容される。モータ20の駆動によりネジ軸21も回転し、切削の進行に従い、このネジ軸21の作用によりホルダ4は下方へ変位しホルダ4が切削刃17に接近する下限位置でモータ20は停止し、新たなドライアイスブロックBが載置部15に載せられることとなる。モータ20はコントローラ25に接続され、コントローラ25にはモータ20の回転数を変更することによりドライアイスパウダーPの粒度を変更するパウダー粒度変更操作部としての操作パネル26が接続され、この操作パネル26がフレーム3の適宜の位置に配置される。
操作パネル26は例えば複数段階に切り替えられることにより、モータ20の回転数ひいてはドライアイスブロックBの切削によって得られるドライアイスパウダーPの粒度を変更する。例えば、操作パネル26の目盛1にダイアルを合わせればモータ20の回転数が最も低速となり、それによりドライアイスブロックBと切削刃17との相対速度が小さくなって、粒子の大きなドライアイスパウダーPが生じ、逆にダイアルを目盛5に合わせてモータ20の回転速度を高めると、切削刃17とドライアイスブロックBとの相対速度が大きくなり、粒度が小さいパウダーPが得られる。
パウダーPの粒度が小さければその質量は小さく、よって噴射ガン(ノズル)7から所定の対象物(例えば被洗浄物)27に対してドライアイスパウダーPを圧縮空気とともに噴射する際の衝突エネルギーが小さく、ドライアイスパウダーPの粒度が大きければその質量が大きく、噴射による衝撃のエネルギーも大きくなる。したがってブラストする対象物の強度やブラストする目的に応じて操作パネル26によりドライアイスパウダーPの粒度を複数段階(図例では5段階)に、又は無段階・連続的に調節する。
加圧源としてのコンプレッサ9は、車輪29を備えてブラスト装置1に付随して移動できるものであり、このコンプレッサ9で生じた圧縮空気がコンプレッサホース30、電磁弁31を経てエアホース10へ供給され、そのホース10を経て噴射ガン7へ導かれる。噴射ガン7は作業者によって把持されるもので、そのオンオフレバー11を握ればそのガン7内に内蔵されたノズルスイッチ12がオンとなり、このレバー11を離せばノズルスイッチ12がオフとなる。
図2に示すように、ノズルスイッチ12は、モータ20、電磁弁31とともにコントローラ25に接続され、コントローラ25に対してオンオフ信号を供給する。コントローラ25は、CPU33、タイマ34、シーケンス回路35及び制御プログラム36を備え、例えばノズルスイッチ12からのオン信号を受けると電磁弁31を開いて圧縮空気をコンプレッサ9からノズルガン17へ導き、かつタイマ34による制限時間の計測の後、シーケンス回路35を介してモータ20を起動する。また、ノズルスイッチ12からオフ信号を受けると、コントローラ25はモータ20の停止や電磁弁31を閉じる指令信号を出力する。制御プログラム36はこのブラスト装置1の全体を制御する後述のプログラムをメモリに書き込んだものであり、CPU33によって実行される。
図4に示すように、噴射ガン7には、パウダーホース8とエアホース10が接続され、それらが合流して一つの噴出孔を形成する。噴射ガン7においてエアホース10から圧縮空気が高速で流れると、ベンチュリ効果によってパウダーホース8内の空気が吸引され、更にはホッパ6に存在するドライアイスパウダーPが吸引されて噴射ガン7へ供給され、このドライアイスパウダーPが圧縮空気に霧状に混合した状態で噴射ガン7の先端(ノズル)から噴射される。ホッパ6を逆円錐状ろうと形態ないしラッパ状形態とすることにより、上記ベンチュリ効果に伴い、ホッパ6の全周面からドライアイスパウダーPが均等かつスムーズにパウダーホース8を経て噴射ガン7へ導かれる。なお、エアコンプレッサ9の出力、ひいては圧縮空気の圧力は、例えば0.1MPa(メガパスカル)〜0.7MPa(1〜7kgf/cm)くらいであり、細かく質量の小さいドライアイスパウダーPを使用することにより、0.1MPa(1kgf/cm)程度の低圧力でも洗浄等のためのパウダー噴射が可能である。これによりエアコンプレッサ9として、いわゆる小出力のベビーコンプレッサーの使用が可能となり、それによってブラスト装置1の移動に伴い移動する(例えばそれに引っ張られて移動する)軽量・小型の移動式エアコンプレッサをブラスト装置に付随させ、ブラスト装置1をエアコンプレッサ9とともに必要な場所に移動して、洗浄をはじめとする種々の用途に汎用的に用いることができる。
図9(d)に示すように、切削刃17はドライアイスブロックBの正方向の回転においてそのブロックBの底面に食い込み切削を行うが、図9(b)に示すように、反対方向の回転(逆転)の際には切削刃17がドライアイスブロックBに食い込まないように刃先の向きないし角度が設定されている。
次に、このブラスト装置1の全体の動作を図5に示す制御プログラムのフローチャートに基づいて説明する。S1において、電源がオンされるとコンプレッサ9が起動し、またS2においてドライアイスブロックBが載置部15の所定位置に載置が完了されたかどうかが判断される(例えば位置決めスイッチがオンになる)。そして、S3でホルダ4が下降してドライアイスブロックBの上面に押し付けられ、針部4aがそこに食い込んでそのブロックBを保持する。この工程は、例えば図1におけるネジ軸21をモータ20とは別に用意された専用のモータで回転してホルダ4を下降させることもできるし、あるいはモータではなくエアシリンダ等によりホルダ4を下降させることもできる。また、この例では作業者が減速機構19を介してホルダ4を手動で押し下げてドライアイスブロックBの上面に押し付けることができる。その状態で作業者が噴射ガン7のレバー11を握ってノズルスイッチ12がオンになると(S4)、S5で電磁弁(バルブ)31が開となり、コンプレッサ9で生じた圧縮空気が噴射ガン7へ送られる。
また、S6で図2のタイマ34により所定の制限時間(例えば2〜5秒程度)がセットされ、S7でタイムアップとなるまでその状態が続く。図5のプログラムの説明の順番では、最初の起動時の話となるが、例えばS13を経てS4によりノズルスイッチ12が再びオンになる(つまり、ドライアイスパウダーPの噴射が行われ、それがいったん停止して再び噴射が行われる場合を想定する)と、図6に示すように、ドライアイスブロックBの回転は停止していて切削していない状態にある。しかし電磁弁31が開状態にあるため、圧縮空気はエアホース10を経て噴射ガン7に導かれ、高速で噴射ガン7から噴出するため、前述のベンチュリ効果によりパウダーホース8内に残留するドライアイスパウダーPが噴射ガン7へ向かって吸引され、圧縮空気とともに噴出する。図7に示すように、パウダーホース8内に残留するドライアイスパウダーPがほぼホース8外へ排出された頃に制限時間が経過し(S7のタイムアップ)、図5のS8及びS9のモータ20の起動によるドライアイスブロックBの切削再開のステップとなる。
ここで、図9(a)に示すように、ドライアイスブロックBの切削が途中で停止した状態では、切削刃17がそのブロックBの底面に食い込んで段(段差)が生じている。このままモータ20を駆動して切削を開始すると、モータ20に大きな負荷がかかる。そこで、図9(a)、(b)に示すように、モータ20を所定の角度逆転させ(例えば360°以下の範囲で)、その後、同図(c)、(d)に示すように、モータ20を正転に転じて(d)に示すところから切削を開始すれば、この切削開始時に切削刃17とドライアイスブロックBの段差との間で相対速度が生じているため、切削の再開に伴う初期トルクを小さくすることができる。これが図5におけるS8及びS9のステップである。この切削の再開により、図8に示すように、新たに切削されたドライアイスパウダーPが清浄化された後のパウダーホース8を通過して噴射ガン7へ供給される。そしてノズルスイッチ12がオン状態を維持する間は、モータ20によるドライアイスブロックBの回転(正転)によりブロックBが切削され続け、それで得られたドライアイスパウダーPが噴射ガン7へ送られ、圧縮空気とともに対象物27へ噴射されることによって洗浄作業等が行われる。
S10でノズルスイッチ12がオフになると、S11でモータ20が停止し、ドライアイスブロックBの切削は終わり、S12で電磁弁31が閉まり、噴射ガン7からの圧縮空気及びドライアイスパウダーPの噴射は停止する。S13で電源スイッチがオフにされればそれで終了するが、そうでなければS4に戻り、ノズルスイッチ12がオンになったかどうかが判断され、以下同様の工程を繰り返す。
図6から図8に示すように、噴射ガン7からの噴射が再開されるときに、パウダーホース8に残留するドライアイスパウダーPがパウダーホース8、さらには噴射ガン7から排出された後、新たに作成されたドライアイスパウダーPが噴射ガン7に供給されるから、パウダーホース8内に残留するパウダー同士が結合して氷塊を作り、それが詰りの原因となったり対象物を損傷させたりする不都合が解消される。
なお、図5におけるS6及びS7のステップ(A工程)をS11とS12の間に挿入することもできる。この場合は、噴射ガン7からの噴射が中断してノズルスイッチ12がオフとなったとき、S11でモータ20が停止し、それに伴いドライアイスブロックBの切削も停止する。その後、タイマ34によって制限時間がセットされ、その制限時間がタイムアップするまで図1の電磁弁31が開状態に保たれる。したがってその制限時間内はコンプレッサ9からの圧縮空気がエアホース10を経て噴射ガン7に供給され続ける。そのため図6及び図7に示すように、パウダーホース8内に残留するドライアイスパウダーPが、噴射停止後、制限時間内に噴射ガン7から外部へ排出されることとなる。
以上の説明においてコントローラ25及び図5に示す制御プログラム36中のS5〜S7が清浄化手段として機能し、また図5のS5〜S7は、その清浄化のためのパウダー供給制御部となる。また、S6及びS7のステップをS11とS12の間に挿入した場合は、前述のコントローラ25及びこれらのステップS11、S12が清浄化手段としてのパウダー供給制御部となる。また、同様に、コントローラ25と図5のS10、S11が切削停止制御部となり、S8、S9が切削再開制御部となる。また、図5の制御プログラムの説明は、本発明のブラスト方法の実施例ともなる。なお、図5において、S5の次のS6、S7と、S11の次のS6、S7を重複して設けることもでき、その場合は、噴射ガン7のオン時・オフ時の双方で清浄化処理が行われる。
1 ブラスト装置
3 フレーム
4 ホルダ
6 ホッパ
7 噴射ガン(噴射部)
8 パウダーホース
9 エアコンプレッサ(加圧源)
10 エアホース
11 オンオフレバー
12 ノズルスイッチ(11+12=オンオフ制御部)
15 載置部
17 切削刃
20 モータ
21 ネジ軸
25 コントローラ
26 操作パネル(パウダー粒度変更操作部)
31 電磁弁
34 タイマ
36 制御プログラム

Claims (9)

  1. ドライアイスパウダーを圧縮空気とともに対象物に噴射するブラスト装置であって、
    ドライアイスブロックを回転させるモータと、
    回転するドライアイスブロックに食い込んでそれを切削する切削刃と、
    ドライアイスブロックの切削によって得られたドライアイスパウダーを収容するホッパと、
    作業者によって把持され、ドライアイスパウダーを圧縮空気とともに噴射する噴射部と、
    その噴射部と前記ホッパを接続してホッパのドライアイスパウダーを噴射部へ導くパウダーホースと、
    圧縮空気を前記噴射部へ導くエアホースと、
    その噴射部に設けられ、圧縮空気及びドライアイスパウダーの噴射を開始及び停止するオンオフ操作部と、
    その噴射部のオンオフ操作部がオン操作又はオフ操作されたとき、そのオン操作時又はオフ操作時から制限時間が経過するまではドライアイスパウダーの供給を停止した状態で圧縮空気を供給することにより少なくともパウダーホースに残留するドライアイスパウダーを前記噴射部から排出する清浄化手段と、
    を含むことを特徴とするドライアイスパウダーブラスト装置。
  2. 前記清浄化手段は、ドライアイスパウダーの供給を制御するパウダー供給制御部であって、前記噴射部のオンオフ操作部がオン操作されたとき、そのオン操作から制限時間が経過するまではドライアイスパウダーの供給を停止した状態で圧縮空気を供給することにより少なくともパウダーホースに残留するドライアイスパウダーを前記噴射部から排出して清浄化し、制限時間経過後に新たなドライアイスパウダーを前記パウダーホースに供給して前記噴射部へ導くようにするものである請求項1に記載のドライアイスパウダーブラスト装置。
  3. 前記清浄化手段は、圧縮空気の供給を制御する圧縮空気供給制御部であって、前記噴射部のオンオフ操作部がオフ操作されたとき、そのオフ操作から制限時間が経過するまではドライアイスパウダーの供給を停止した状態で圧縮空気を供給し続けることにより少なくともパウダーホースに残留するドライアイスパウダーを前記噴射部から排出して清浄化するものである請求項1に記載のドライアイスパウダーブラスト装置。
  4. 前記噴射部のオンオフ操作部がオフ操作されたとき、前記モータの駆動を停止してドライアイスブロックの切削を停止する切削停止制御部と、前記噴射部のオンオフ操作部がオン操作されたとき、前記モータの駆動を前記制限時間経過後に再開する切削再開制御部とを備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載のドライアイスパウダーブラスト装置。
  5. 前記切削刃はモータの正回転により前記ドライアイスブロックに食い込んで切削を行い、該モータの逆回転に対してはドライアイスブロックに食い込まず切削を行わないものであり、前記切削再開制御部は、前記噴射部のオンオフ操作部がオン操作されたとき、前記モータをいったん逆回転させた後に正回転に転じて切削を開始させるものである請求項4に記載のドライアイスパウダーブラスト装置。
  6. 前記モータの回転数を変更することにより前記ドライアイスパウダーの粒度を変更するパウダー粒度変更操作部を備える請求項1ないし5のいずれか1項に記載のドライアイスパウダーブラスト装置。
  7. ドライアイスパウダーを圧縮空気とともに対象物に噴射するブラスト方法であって、
    ドライアイスブロックに切削刃を食い込ませつつそのドライアイスブロックをモータで回転することにより切削し、その切削で得たドライアイスパウダーをホッパに収容し、
    そのホッパのドライアイスパウダーをパウダーホースにより噴射部へ導き、かつ加圧源からの圧縮空気をエアホースによりその噴射部へ供給して、作業者により把持されるその噴射部からドライアイスパウダーが圧縮空気とともに噴射されるようにし、
    その噴射部に設けられた、圧縮空気及びドライアイスパウダーの噴射を開始及び停止するオンオフ操作部がオン操作又はオフ操作されたとき、そのオン操作時又はオフ操作時から制限時間が経過するまではドライアイスパウダーの供給を停止した状態で圧縮空気を供給することにより少なくともパウダーホースに残留するドライアイスパウダーを噴射部から排出して清浄化することを特徴とするドライアイスパウダーブラスト方法。
  8. 前記噴射部のオンオフ操作部がオン操作されたとき、そのオン操作時から制限時間が経過するまではドライアイスパウダーの供給を停止した状態で圧縮空気を供給することにより少なくともパウダーホースに残留するドライアイスパウダーを前記噴射部から排出して清浄化し、制限時間経過後に新たなドライアイスパウダーをパウダーホースに供給して前記噴射部へ導くようにした請求項7に記載のドライアイスパウダーブラスト方法。
  9. 前記噴射部のオンオフ操作部がオフ操作されたとき、そのオフ操作時から制限時間が経過するまではドライアイスパウダーの供給を停止した状態で圧縮空気を供給し続けることにより少なくともパウダーホースに残留するドライアイスパウダーを噴射部から排出して清浄化する請求項7に記載のドライアイスパウダーブラスト方法。
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