図1は、本発明のドライアイス供給装置の一実施形態を備えるドライアイス噴射システムの概略図、図2は、図1に示すドライアイス供給装置の要部正断面図、図3は、図2に示すドライアイス供給装置の供給部のスクリューフィーダの平断面図、図4は、図2に示すドライアイス供給装置の調整槽の断面図を示す。図5〜図11は、時間と羽根部の回転数との関係のグラフであって、図5は高速間欠プログラム、図6は低速間欠プログラム、図7は、高速/低速反復プログラム、図8は、高速/中速反復プログラム、図9は、揺らぎプログラム、図10は、低速/高速切替プログラム、図11は、低速/中速/高速切替プログラムを示す。
なお、図1および図2において、紙面右側を「前側」、紙面左側を「後側」、紙面手前側を「左側」、紙面奥側を「右側」、紙面上側を「上側」、紙面下側を「下側」とし、図3および図4の方向に関しては、上記した図1および図2の方向に準じる。
また、図4(a)において、便宜的に、前側の羽根(1枚)のみを破線にて示し、図4(c)において、便宜的に、後側の羽根(1枚)のみを破線にて示している。
図1において、このドライアイス噴射システム1は、供給部5と、粒径調整部6と、ノズル4(仮想線)と、支持部9とを備えている。
供給部5は、ホッパ10と、ホッパ10の下側に接続されるスクリューフィーダ11と、スクリューフィーダ11の下側に接続される供給管27とを備えている。
ホッパ10は、ドライアイス噴射システム1の上側に設けられ、略角筒形状に形成されている。また、ホッパ10の下部は、開口断面積が、下方に向かって次第に小さくなる先細り形状に形成されている。ホッパ10は、粒状ドライアイスを収容する。
また、ホッパ10には、バイブレータ14が設けられている。バイブレータ14は、例えば、ガスなどの駆動力によって上下振動する。なお、バイブレータ14の駆動に用いられるガスとしては、乾燥ガスが挙げられる。乾燥ガスとしては、例えば、乾燥空気、例えば、窒素などの不活性ガスなどが挙げられる。
スクリューフィーダ11は、図2および図3に示すように、ホッパ10に収容される粒状ドライアイスを粒径調整部6に供給する二軸スクリューフィーダであり、ホッパ10の下側に設けられている。具体的には、スクリューフィーダ11は、第1モータ17と、それに連結される第1スクリュー18および第2スクリュー19と、第1スクリュー18および第2スクリュー19を収容するスクリューケーシング20とを備えている。
第1モータ17は、第1スクリュー18および第2スクリュー19を回転駆動可能に設けられている。第1モータ17は、第1スクリュー18の前側に配置されている。
第1スクリュー18および第2スクリュー19は、前後方向に延び、左右方向に並行するように隣接配置されている。また、第1スクリュー18および第2スクリュー19は、前端部において互いに噛み合うように配置されており、具体的には、ともに回転するときに、粒状ドライアイスを後方に連続的に搬出可能に設けられている。
スクリューケーシング20は、前後方向に延びる略筒状に形成されている。また、スクリューケーシング20のやや後側の前後方向途中の上端には、ホッパ10の下端部が挿入されている。
また、スクリューケーシング20の後端部には、後側ケーシング25が設けられている。
後側ケーシング25は、前側および下側が貫通される略L字筒状をなし、スクリューケーシング20と連通している。
供給管27は、後側ケーシング25を介してスクリューフィーダ11と接続されている。詳しくは、供給管27は、後側ケーシング25の下端部に接続され、下方に向かって延び、前側に傾斜する略円筒形状に形成されている。また、供給管27の下端部は、粒径調整部6に接続されている。
また、供給管27の内面には、付着防止層(図示せず)が形成(貼着)されている。付着防止層は、例えば、フッ素樹脂などからなる。付着防止層は、粒状ドライアイスが供給管27の内面に付着することを防止する。
また、供給管27には、長手方向途中に、乾燥ガス送風孔29が形成されている。乾燥ガス送風孔29は、供給管27の厚み方向を貫通するように形成されており、長手方向に間隔を隔てて複数(2つ)配置されている。乾燥ガス送風孔29は、図示しない送風ラインを介して乾燥ガスを供給管27内に送風する。乾燥ガスとしては、バイブレータ14の駆動に用いられるガスと同様のものが挙げられる。乾燥ガスとしては、好ましくは、バイブレータ14の駆動に用いられた乾燥ガスが再利用される。
粒径調整部6は、図2および図4に示すように、調整槽31(容器)と、第2モータ21と、第2モータ21に連結される羽根部33(回転部材)と、排出管34と、図示しない制御部(制御手段)とを備えている。
調整槽31は、粒状ドライアイスを受け入れるために設けられ、供給管27の下端部に接続されている。調整槽31は、後側に向かって開放される有底略角筒形状の受部32と、受部32の後端部を被覆するカバー8とを備えている。
受部32は、図4(a)および図4(b)に示すように、前端部の下端部が側断面略三角形状に切り欠かれており、第1孔61と、第2孔62と、第3孔63とが形成されている。
第1孔61は、受部32の後側中央部に形成され、受部32の後端面から前後方向途中までを、略円柱形状に開口するように形成されている。
第2孔62は、第1孔61の前側に、第1孔61に連通するように形成されており、第1孔61の前端部から受部32の前端面までを、略円柱形状に開口するように形成されている。第2孔62は、第1孔61と同心状かつ小径に形成され、前後方向に投影したときに、第1孔61に含まれるように形成されている。
第3孔63は、受部32の前端部の下端部を傾斜状に貫通するように形成されている。具体的には、第3孔63は、前側に向かって下側に進む傾斜状に、略円柱形状に開口されている。
また、受部32の底壁(右壁)39の内面(左側面)には、仕切板45が設けられている。
仕切板45は、底壁39の内面全面に形成されているとともに、第3孔63の後端部の上側部を遮蔽するように形成されている。詳しくは、仕切板45は、底壁39の外形と同一の外形を有する略リング形状に形成されており、下端部が略矩形状に切り欠かれている。そして、仕切板45の切欠部分22が、第3孔63の後端部の上側部を遮蔽している。なお、仕切板45は、ボルト46によって受部32の底壁39の内面に固定されている。
カバー8は、図2および図4(c)に示すように、上下方向および左右方向に延びる略平板矩形状に形成されている。また、カバー8の中央部には、前後方向を貫通する略円形状の第4孔64が形成されている。
カバー8の外端部の前面は、受部32の側壁(上壁および下壁)41の後端部に接合されている。なお、カバー8の内端部の後面は、供給管27の下端部に接合されている。
第4孔64は、前後方向に投影したときに、受部32の第1孔61に含まれ、具体的には、第1孔61の略中央、より具体的には、第4孔64の中心が第1孔61の中心よりやや上側に位置している。
この調整槽31では、受部32の第1孔61内において、仕切板45およびカバー8により、調整空間49(後述)が仕切られている。
また、第2孔62には、羽根部33の回転軸(後述)36が挿入される。
さらに、第3孔63において、図2および図4(b)に示すように、仕切板45によって、その前側において、排出空間50が仕切られている。なお、第3孔63の内周面は、排出管34とともに排出部とされる。また、第3孔63の第1排出軸線AL3は、供給管27の供給軸線AL1と同一軸線上に位置している。
第1排出空間51は、調整空間49と連通しており、第1排出空間51と調整空間49との連通部分24(つまり、第3孔63の後端部が仕切板45の切欠部分22から露出する部分)の開口断面積S1は、第1排出空間51の開口断面積S2(つまり、第3孔63の開口断面積)より小さく形成されている。
具体的には、連通部分24の開口断面積S1は、排出空間50の開口断面積S2に対して、例えば、20〜80%、好ましくは、40〜60%である。
第2モータ21は、調整槽31の前側に間隔を隔てて配置されており、羽根部33を回転可能に支持している。
羽根部33は、受部32の第2孔62に挿入される回転軸36と、回転軸36の後端面に固定される羽根37を備えている。
回転軸36は、前後方向に延び、前端部が、第2モータ21に接続され、後端部が、調整空間49内に臨み、前後方向途中が、受部32の第2孔62内に挿入されている。また、回転軸36の回転軸線AL2は、供給管27の供給軸線AL1および第3孔63の第1排出軸線AL3と傾斜状に交差している。
羽根37は、調整空間49内に設けられ、回転軸36から径方向両外側に延びるように形成されている。具体的には、羽根37は、前後方向に複数(3枚)積層されている。各羽根37の径方向外端部は、図4(a)および図4(c)に示すように、前後方向に投影したときに、回転方向RD(後述)に互いに間隔を隔てて配置されている。また、各羽根37は、前後方向に投影したときに、径方向中央において、前後方向に互いに隣接配置されるとともに、径方向外端部において、図2に示すように、前後方向に互いに間隔を隔てて配置されている。また、羽根37は、ボルト42によって回転軸36の後端面に固定されている。
この羽根部33は、第2モータ21の駆動力によって、図4(c)の矢印で示すように、各羽根37が背面視で反時計回り(正面視では、図4(a)に示すように、時計回り)に回転するように、回転駆動する。
なお、羽根部33の回転駆動時に、各羽根37の径方向端部は、連通部分24の後側部分を、右側から左側に向かって通過しており、この方向を回転方向RDとする。
そして、羽根37には、図4(a)および図4(c)に示すように、径方向両端部および径方向途中(中央を除く)の回転方向下流側端部に、鋭利な刃70が形成されるとともに、径方向両端部の回転方向上流側には、切欠部71が形成されている。
刃70は、羽根37の回転方向下流側端縁に沿って形成されている。
切欠部71は羽根37の径方向両端部において、正面視略三角形状に形成されており、回転方向上流側に向かって切欠部分が次第に大きくなるように形成されている。
排出管34は、図2に示すように、調整槽31に接続されており、詳しくは、受部32の前端部の下端部に接続され、下方に向かって前側に傾斜する略円筒形状に形成されている。
また、排出管34の第2排出軸線AL4は、第3孔63の第1排出軸線AL3と同一直線上に位置している。
また、排出管34の内径は、第3孔63の内径と実質的に同一であり、排出管34は、その内周面が、第3孔63の内周面と厚み方向において実質的に面一となるように、受部32に接続されている。
排出管34では、その内周面によって第2排出空間52が仕切られている。第2排出空間52は、第1排出空間51に連通しており、第1排出空間51とともに排出空間50を形成する。排出管34は、第3孔63の内周面とともに排出部を形成する。
排出管34の下端部には、図2の仮想線で示すように、フレキシブルホース3が接続されている。
制御部は、図1が参照されるように、相互に接続される、図示しないROM、図示しないCPUおよび操作パネル54を備えている。
ROMには、後で詳述する、複数のモードと、それを実行するプログラムとが格納されている。
CPUは、第1モータ17および第2モータ21に接続されており、ROMに格納される複数のモードのうち、少なくとも1つのモードを読み込み、後で詳述するプログラムに従って、実行させる。
操作パネル54には、上記したモードおよびプログラムを指令するための各種スイッチ(図示せず)が設けられている。
これにより、制御部は、操作パネル54がスイッチ操作され、CPUがROMにおける少なくとも1つのモード、および/または、プログラムを選択して実行することにより、少なくとも1つのモードを羽根部33に実行させる。
支持部9は、供給部5および粒径調整部6を支持している。また、支持部9には、供給部5および粒径調整部6を保護する保護カバー53が設けられており、保護カバー53には、操作パネル54が取り付けられている。
仮想線で示されるノズル4は、フレキシブルホース3の一端部(排出管34に接続される他端部と反対側端部)に接続されている。ノズル4は、キャリアガスを用いて、ドライアイスを吸引しつつ、噴射口(先端)から噴射する吸引タイプのノズルである。キャリアガスとしては、例えば、バイブレータ14の駆動に用いられるガスと同様のものが挙げられる。
そして、このドライアイス噴射システム1では、ホッパ10に収容される粒状ドライアイスがスクリューケーシング20内に落下する。
ホッパ10に収容されている粒状ドライアイスは、ドライアイスペレットあるいはドライアイス粒子であって、粒(ペレットあるいは粒子)の平均粒子径が、例えば、0.1〜10mm、好ましくは、1〜5mmである。
なお、このドライアイス噴射システム1では、バイブレータ14の上下振動により、ホッパ10内の粒状ドライアイスのブリッジが防止される。
次いで、図2および図3が参照されるように、スクリューケーシング20において、粒状ドライアイスは、CPUに接続される第1モータ17の駆動力に基づく第1スクリュー18および第2スクリュー19の回転駆動によって、後方に定量的に押し出される(切り出される)。
第1スクリュー18および第2スクリュー19によって押し出された粒状ドライアイスは、後側ケーシング25に案内され、続いて、供給管27に案内され、供給管27に沿って前方斜め下側に滑り落ちながら、調整槽31に供給される。このとき、乾燥ガス送風孔29から送風される乾燥ガスは、供給管27を通過する粒状ドライアイス同士が付着することを防止または低減する。
粒状ドライアイスは、粒径調整部6に供給される。すなわち、粒状ドライアイスは、カバー8の第4孔64を介して、調整空間49に受け入れられる。続いて、後で詳述するが、調整空間49において、制御部によって制御される第2モータ21の駆動力に基づく羽根部33の回転駆動によって、粒状ドライアイスの粒径が調整される。
その後、粒径が調整されたドライアイスは、調整空間49から、連通部分24を介して、排出空間50(調整槽31の第1排出空間51と、排出管34の第2排出空間52)に、排出される。
その後、粒径が調整されたドライアイスは、フレキシブルホース3を介して後述するノズル4に供給される。
具体的には、粒径が調整されたドライアイスは、ノズル4に吸引されながら、ノズル4の噴射口(先端)からキャリアガスとともに噴射される。
次に、粒径調整部6による粒状ドライアイスの粒径の調整について詳述する。
粒径調整部6では、操作パネル54のスイッチ操作に基づいて、CPUが、少なくとも1つのモード、および/または、次に説明するプログラムを、羽根部33に実行させる。
なお、粒径調整部6によって粒径が調整される前の粒状ドライアイス(ドライアイスペレットあるいはドライアイス粒子)の平均粒子径は、例えば、0.1〜10mm、好ましくは、1〜5mmである。
複数のモードは、羽根部33の回転数が相異するように設定されており、そのようなモードとしては、例えば、高速モード、中速モード、低速モードなどが挙げられる。
高速モードおよび中速モードでは、粒径調整部6は、上記した粒径の粒状ドライアイスを粉砕して、粉状ドライアイスを排出する。
具体的には、高速モードおよび中速モードでは、まず、調整空間49において、粒状ドライアイスを、羽根部33の回転に基づく羽根37の剪断力(応力)によって、粉砕する。
詳しくは、高速モードでは、羽根部33が、比較的高速で、回転するように、第2モータ21を回転駆動させる。より具体的には、例えば、周速3〜10m/s、好ましくは、周速5〜7m/sで羽根部33が回転するように、第2モータ21を回転駆動させる。
そして、粉砕モードによって、粒状ドライアイスは、高速回転する羽根37によって粉砕されて、比較的細かい(小さい)粉状ドライアイス(つまり、微粉状ドライアイス)となる。微粉状ドライアイスは、微粉の平均粒子径が、例えば、0.05〜1mm、好ましくは、0.1〜0.5mmである。
また、中速モードでは、羽根部33が、高速モードよりも低速(つまり、中速)で、回転するように、第2モータ21を回転駆動させる。より具体的には、例えば、周速1〜3m/s、好ましくは、周速1.5〜2.5m/sで羽根部33が回転するように、第2モータ21を回転駆動させる。
そして、粉砕モードによって、粒状ドライアイスは、中速回転する羽根37によって粉砕されて、比較的粗い(大きい)粉状ドライアイス(あるいは粗粉状ドライアイス)となる。粗粉状ドライアイスは、粗粉の平均粒子径が、例えば、0.1〜1mm、好ましくは、0.5〜1mmである。
その後、粉状ドライアイス(微粉状ドライアイスまたは粗粉状ドライアイス)は、調整空間49から排出空間50(第1排出空間51および第2排出空間52)に排出され、続いて、フレキシブルホース3を介してノズル4(図1)に供給される。
続いて、ノズル4に供給された粉状ドライアイスは、ノズル4の噴射口(先端)からキャリアガスとともに噴射される。
一方、低速モードでは、粒径調整部6は、粒状ドライアイス同士の付着を防止しつつ、粒状ドライアイスを排出する。つまり、低速モードは、付着防止モードである。
例えば、空気中に含まれる水が粒状ドライアイスの表面に凝固して凝固水として付着し、かかる凝固水を介して粒状ドライアイス同士が結合する。
低速モードでは、まず、上記した粒状ドライアイスにおける凝固水を介した結合を切断する。
具体的には、低速モードでは、調整空間49において、粒状ドライアイスにおける凝固水を介した結合を、羽根部33の回転に基づく羽根37の剪断力(応力)によって、切断する。
詳しくは、羽根部33が、比較的低速(具体的には、中速モードよりも低速)で、回転するように、第2モータ21を回転駆動させる。より具体的には、例えば、周速0.1〜1m/s、好ましくは、周速0.3〜0.6m/sで羽根部33が回転するように、第2モータ21を回転駆動させる。
そして、低速モードにより、低速回転する羽根37によってドライアイス粒状における凝固水を介した結合が切断されて、粒状ドライアイス同士の付着を防止する。
付着が防止された粒状ドライアイスの平均粒子径の平均値は、ホッパ10に収容された粒状ドライアイスのそれと実質的に同一である。
その後、付着が防止された粒状ドライアイスは、調整空間49から排出空間50(第1排出空間51および第2排出空間52)に排出され、続いて、フレキシブルホース3を介してノズル4に供給される。
続いて、ノズル4に供給された粒状ドライアイスは、ノズル4の噴射口(先端)からキャリアガスとともに噴射される。
プログラムとしては、例えば、高速間欠プログラム(図5)、低速間欠プログラム(図6)、高速/低速反復プログラム(図7)、高速/中速反復プログラム(図8)、揺らぎプログラム(図9)、低速/高速切替プログラム(図10)、低速/中速/高速切替プログラム(図11)などが挙げられる。
高速間欠プログラム(図5)および低速間欠プログラム(図6)では、1つのモードを間欠的に実行させる。
具体的には、高速間欠プログラムでは、図5に示すように、CPUによって、高速モードを間欠的に羽根部33に実行させる。
詳しくは、高速間欠プログラムでは、運転開始時t0に、CPUによって、羽根部33の回転駆動を開始させて、羽根部33を高速モードで運転させる。次いで、所定時間経過時t1に、羽根部33の回転駆動を停止させる。続いて、所定時間経過時t2に、羽根部33の回転駆動を再び開始させて、羽根部33を高速モードで運転させ、続いて、所定時間経過時t3に、羽根部33の回転駆動を停止させる。
そして、上記した羽根部33に、回転駆動の開始および停止を反復させる。
羽根部33の運転の各開始時(t0、t2、t4、t6、t8)と、各停止時(t1、t3、t5、t7、t9)との間の間隔は、噴射対象物(具体的には、洗浄対象物)に応じて適宜設定され、図5では、例えば、等間隔である。つまり、駆動時間と停止時間とが同一である。具体的には、上記の間隔、すなわち、各駆動時間(つまり、高速モードの各駆動時間(t1−t0、t3−t2、t5−t4、t7−t6、t9−t8)と、低速モードの各停止時間(t2−t1、t4−t3、t6−t5、t8−t7)とは、例えば、1〜10秒間、好ましくは、1〜5秒間である。
なお、図5では、高速モードの各駆動時間と、低速モードの各駆動時間とを、等間隔に設定しているが、これに限定されず、図示しないが、例えば、相異なるように設定することができる。具体的には、高速モードの各駆動時間を、低速モードの各駆動時間に対して、例えば、1〜99%、好ましくは、10〜99%、あるいは、101〜1000%、好ましくは、110〜900%に設定することができる。
高速間欠プログラムでは、高速モード時に粉砕された微粉状ドライアイスが、ノズル4から噴射される。
すなわち、この高速間欠プログラムでは、微粉状ドライアイスが、間欠的に噴射される。
低速間欠プログラムでは、図6に示すように、CPUによって、低速モードを間欠的に羽根部33に実行させる。
詳しくは、低速間欠プログラムでは、運転開始時t0に、CPU羽根部33の回転駆動を開始させて、羽根部33を低速モードで運転させる。次いで、所定時間経過時t1に、羽根部33の回転駆動を停止させる。続いて、所定時間経過時t2に、羽根部33の回転駆動を再び開始させて、羽根部33を低速モードで運転させ、続いて、所定時間経過時t3に、羽根部33の回転駆動を停止させる。
そして、上記した羽根部33に、回転駆動の開始および停止を反復させる。
低速間欠プログラムにおける高速モードの各駆動時間は、上記した高速間欠プログラムにおける低速モードの各駆動時間と同様である。
低速間欠プログラムでは、低速モード時に付着が防止された粒状ドライアイスが、排出空間50およびフレキシブルホース3を介して、ノズル4から噴射される。
この低速間欠プログラムでは、付着が防止された粒状ドライアイスが、間欠的に噴射される。
図7〜図11に示すように、高速/低速反復プログラム、高速/中速反復プログラム、揺らぎプログラム、低速/中速/高速切替プログラム、および、低速/高速切替プログラムでは、例えば、CPUによって、少なくとも2つのモードを選択して羽根部33に実行させる。
例えば、高速/低速反復プログラム(図7)、高速/中速反復プログラム(図8)および揺らぎプログラム(図9)では、CPUが、羽根部33に、2つのモードを選択して実行させるとともに、それら2つのモードを反復して実行させる。
具体的には、図7に示すように、高速/低速反復プログラムでは、CPUが、高速モードおよび低速モードの両方を選択して、それらを羽根部33に反復して実行させる。つまり、高速/低速反復プログラムでは、CPUが、羽根部33に、高速モードおよび低速モードを交互に反復して実行させる。
詳しくは、高速/低速反復プログラムでは、運転開始時t0に、CPUによって、羽根部33の回転駆動を開始させて、羽根部33を高速モードで運転させる。次いで、所定時間経過時t1に、羽根部33の回転を一気に(不連続的に)減速させて、羽根部33を低速モードで運転させる。次いで、所定時間経過時t2に、羽根部33の回転を一気に(不連続的に)加速させて、羽根部33を再び高速モードで運転させ、続いて、所定時間経過時t3に、羽根部33の回転を減速させる。
そして、高速/低速反復プログラムでは、上記した高速モードおよび低速モードの運転を交互に反復する(繰り返す)。
図7では、高速モードの駆動時間と低速モードの駆動時間とは、同一であり、具体的には、例えば、30秒以下、好ましくは、10秒以下であり、通常、2秒以上である。あるいは、図7に図示しないが、高速モードの駆動時間と低速モードの駆動時間とを相異させることもできる。
高速モードの駆動時間と低速モードの駆動時間とが上記した上限以下であれば、粒度分布が広いドライアイスを噴射することができる。
高速/低速反復プログラムでは、微粉状ドライアイスと、付着が防止された粒状ドライアイスとが、排出空間50に交互に供給され、その後、ノズル4から、粒度分布が広いドライアイスとして噴射される。
また、図8に示すように、高速/中速反復プログラムでは、CPUによって、羽根部33に、高速モードおよび中速モードを選択して、それら高速モードおよび中速モードを反復して実行させる。つまり、高速/中速反復プログラムでは、CPUによって、羽根部33に、高速モードおよび中速モードを交互に反復して実行させる。
詳しくは、高速/中速反復プログラムでは、運転開始時t0に、CPUによって、羽根部33の回転駆動を開始させて、羽根部33を高速モードで運転させる。次いで、所定時間経過時t1に、羽根部33の回転を一気に(不連続的に)減速させて、羽根部33を中速モードで運転させる。次いで、所定時間経過時t2に、羽根部33の回転を一気に(不連続的に)加速させて、羽根部33を再び高速モードで運転させ、続いて、所定時間経過時t3に、羽根部33を減速させる。
そして、高速/中速反復プログラムでは、上記した高速モードおよび中速モードの運転を交互に反復する。
図8では、中速/低速反復プログラムにおける中速モードの駆動時間と低速モードの駆動時間とは、同一であり、具体的には、例えば、30秒以下、好ましくは、10秒以下であり、通常、2秒以上である。あるいは、図8に図示しないが、中速モードの駆動時間と低速モードの駆動時間とを相異させることもできる。
中速モードの駆動時間と低速モードの駆動時間とが上記した上限以下であれば、粒度分布の広いドライアイスを噴射することができる。
高速/中速反復プログラムでは、微粉状ドライアイスと、粗粉状ドライアイスとが、排出空間50に交互に供給され、その後、ノズル4から、粒度分布の広いドライアイスとして噴射される。
さらに、図9に示すように、揺らぎプログラムでは、CPUによって、羽根部33に、高速モードおよび中速モードを選択して、それら高速モードおよび中速モードを反復して実行させるとともに、高速モードおよび中速モード間の移行を緩やかに(徐々に)実施する。
つまり、CPUによって、羽根部33の回転駆動を開始させて、羽根部33を高速モードで運転させる。羽根部33を緩やかに(連続的に)減速させて、羽根部33を中速モードで運転させる。次いで、所定時間経過時に、羽根部33を緩やかに(連続的に)加速させて、羽根部33を再び高速モードで運転させ、続いて、所定時間経過時に、羽根部33を緩やかに(連続的に)減速させる。
そして、揺らぎプログラムでは、上記した高速モードおよび中速モードの運転を交互に反復する。
すなわち、図9に示すように、駆動時間と羽根部33の回転数との関係のグラフは、例えば、略波形状(具体的には、略正弦曲線状)で示される。
波形の周期Fは、例えば、5〜20秒間、好ましくは、5〜10秒間である。
なお、図9で示す揺らぎプログラムは、高速モードおよび中速モードの運転を交互に反復しているが、これに限定されず、図示しないが、例えば、高速モードおよび低速モードの運転を交互に反復したり、あるいは、中速モードおよび低速モードの運転を交互に繰り返しこともできる。
また、図5〜図9の各プログラムでは、2つのモードを交互に繰り返ししているが、例えば、図示しないが、3つのモード、つまり、高速モードと、中速モードと、低速モードとを繰り返すこともできる。その場合の実行順序は、限定されず、例えば、高速モード、中速モードおよび低速モードの順序で繰り返すことができ、あるいは、低速モード、中速モードおよび高速モードの順序で繰り返すこともできる。さらには、低速モード、中速モード、高速モード、中速モードおよび低速モードの順序で繰り返すこともできる。
低速/高速切替プログラム、および、低速/中速/高速切替プログラムでは、図10および図11に示すように、CPUによって、一のモードと他のモードとを、反復させることなく、切り替える。
具体的には、低速/高速切替プログラムでは、図10に示すように、運転開始から所定時間経過T1時に、低速モードから高速モードに切り替える。
詳しくは、低速/高速切替プログラムでは、運転開始時T0に、CPUによって、羽根部33の回転駆動を開始させて、羽根部33を低速モードで運転させる。
次いで、所定時間経過時T1に、羽根部33の回転を一気に(不連続的に)加速させて、羽根部33を高速モードで運転させる。
その後、所定時間経過時Tfに、羽根部33の回転駆動を終了させる。
低速/高速切替プログラムでは、付着が防止された粒状ドライアイスが、まず、ノズル4から噴射され、所定時間経過後、微粉状ドライアイスがノズル4から噴射される。その後、所定時間経過後に、微粉状ドライアイスの噴射を終了させる。
低速モードの駆動時間(高速モードへの切替のタイミング)および高速モードの駆動時間(停止のタイミング)は、噴射対象物(具体的には、洗浄対象物)によって適宜設定される。上記した各駆動時間を、例えば、ROMに予め格納することにより設定することができ、あるいは、噴射対象物の状態を観察しながら、手動で設定することもできる。
低速/中速/高速切替プログラムでは、図11に示すように、運転開始から所定時間経過時T1に、低速モードから中速モードに切り替え、その後、所定時間経過時T2に、中速モードから高速モードに切り替える。その後、所定時間経過時Tfに、羽根部33の回転駆動を終了させる。
低速/中速/高速切替プログラムでは、まず、付着が防止された粒状ドライアイスがノズル4から噴射され、所定時間経過後、粗粉状ドライアイスがノズル4から噴射され、次いで、所定時間経過後、微粉状ドライアイスがノズル4から噴射される。その後、所定時間経過後に、微粉状ドライアイスの噴射を終了させる。
低速モードの駆動時間(中速モードへの切替のタイミング)、中速モードの駆動時間(高速モードへの切替のタイミング)および高速モードの駆動時間(停止のタイミング)は、噴射対象物(具体的には、洗浄対象物)によって適宜設定される。上記した各駆動時間を、例えば、ROMに予め格納することにより設定することができ、あるいは、噴射対象物の状態を観察後、手動で順次設定することもできる。
そして、上記したドライアイス噴射システム1によれば、供給部5から供給される粒状ドライアイスの粒径を、粒径調整部6によって調整することができる。さらに、制御部は、複数のモードのうち、少なくとも1つのモードを羽根部33に選択的に実行させることができる。
そのため、所望の粒径のドライアイスを、所望の粒径に調整することができる。
また、高速間欠プログラム(図5)および低速間欠プログラム(図6)では、制御部が、少なくとも1つのモードを間欠的に羽根部33に実行させるので、所望の量のドライアイスを供給することができる。そのため、幅広い噴射対象物(具体的には、洗浄対象物)に対応することができる。つまり、上記したドライアイスを、幅広い噴射対象物に噴射することにより、洗浄対象物を洗浄することができる。
さらに、高速/低速反復プログラム(図7)、高速/中速反復プログラム(図8)、揺らぎプログラム(図9)、低速/高速切替プログラム(図10)および低速/中速/高速切替プログラム(図11)では、制御部が、時間の経過に伴って、一のモードから他のモードに切り替えるので、粒度分布が広いドライアイスを供給することができる。そのため、異なる性質を有する(異質な)噴射対象物(具体的には、洗浄対象物)の噴射(具体的には、洗浄)に対応することができる。具体的には、複数の異質な層(汚れなど)などからなる洗浄対象物に噴射して、かかる洗浄対象物を洗浄することができる。
また、高速/低速反復プログラム(図7)、高速/中速反復プログラム(図8)および揺らぎプログラム(図9)では、制御部が、少なくとも2つのモードを羽根部33に反復して実行させるので、粒度分布が広いドライアイスの供給を継続させることができる。
また、低速モード(付着防止モード)、さらには、それを実行する各プログラム(つまり、高速間欠プログラム(図5)、低速間欠プログラム(図6)、高速/低速反復プログラム(図7)、高速/中速反復プログラム(図8)、揺らぎプログラム(図9)、低速/高速切替プログラム(図10)および低速/中速/高速切替プログラム(図11))では、粒径調整部6は、低速モードにより、粒状ドライアイス同士の付着を防止しつつ、粒状ドライアイスを排出することができることができる。
図12は、本発明の他の実施形態のドライアイス供給装置の調整槽(切欠部が羽根の回転方向上流側端部に設けられる態様)の断面図であり、図2のA−A線に沿う側断面図を示す。なお、図12において、羽根33の形状を明瞭に示すため、仕切板45および回転軸36のハッチングを省略している。
図4(a)および図4(c)の実施形態では、切欠部71を、羽根37に形成しているが、例えば、図12の仮想線で示すように、羽根37に形成することなく、羽根37の径方向両端部を略矩形状に形成することができる。
さらに、図12の実線で示すように、切欠部71を、羽根37の回転方向下流側に形成することもできる。
好ましくは、図4(a)および図4(c)の実施形態のように、切欠部71を、羽根37の回転方向上流側に形成する。
図12の実線で示すように、切欠部71を、羽根37の回転方向上流側に形成すると、回転方向下流側に向かって回転する羽根37の刃70によって粒径が調整される前の粒状ドライアイスが、切欠部71と調整層31の内壁との間に、容易に入り込む。つまり、切欠部71に、粒状ドライアイスが容易に噛み込む(固着する)場合がある。そうすると、かかる粒状ドライアイスに応力を効率的に付与することができず、粒状ドライアイスの粒径を効率的に制御することができない場合がある。
一方、図4(a)および図4(c)の実施形態のように、切欠部71を、羽根37の回転方向上流側に形成することにより、まず、回転方向下流側に向かって回転する羽根37の刃70によって、粒径が制御されたドライアイスが、切欠部71に到達する。
すると、かかるドライアイスは、切欠部71を相対的に通過した後、排出空間50に至る。つまり、切欠部71は、粒径が制御されたドライアイスを逃がすための逃げ部となる。
そのため、粒状ドライアイスの粒径を効率的に制御することができる。
また、図2の実施形態では、粒径調整部6に羽根部33を設けているが、例えば、図示しないが、羽根部33に代えて、粉砕ロールなどのロールを設けることもできる。
好ましくは、羽根部33を設ける。羽根部33は、調整槽31の調整空間49において広いスペースを必要とする破砕ロールに比べて、調整空間49にコンパクトに設けられる。そのため、省スペース化を図ることができる。
図13は、本発明のドライアイス供給装置の他の実施形態の調整槽(供給管の供給軸線と第2モータの回転軸線とが左右方向に投影したときに直交する態様)の断面図であり、図2のC−C線(仮想線)に沿う側断面図を示す。
図2の実線で示す実施形態では、供給管27の供給軸線AL1と、第2モータ21の回転軸線AL2とを斜めに交差させているが、例えば、図2の仮想線および図13に示すように、供給管27の供給軸線AL1と、第2モータ21の回転軸線AL2とを、左右方向に投影したときに、直交させることができる。
この場合には、図2の仮想線で示すように、受部32の上端部には、供給管27と調整空間49とに連通する第5孔65が形成されている。第5孔65は、図13に示すように、上下方向に延び、調整空間49の右端部に臨んでいる。
あるいは、図13の仮想線で示すように、第5孔65を、調整空間49の左側部分に臨ませることもできる。
さらに、図2の破線で示すように、供給管27の供給軸線AL1と、第2モータ21の回転軸線AL2とを、同一軸線上または平行に配置することもできる。
好ましくは、図2の実線で示すように、供給管27の供給軸線AL1と、第2モータ21の回転軸線AL2とを斜めに交差させる。
つまり、図13の実線で示される実施形態のように、供給管27の供給軸線AL1と第2モータ21の回転軸線AL2とを、左右方向に投影したときに直交させて、第5孔65を調整空間49の右端部に臨ませると、供給管27から供給される粒状ドライアイスの供給方向と、調整空間49における羽根部33の回転方向RDとが一致する。そうすると、供給管27から供給される粒状ドライアイスに、羽根37の剪断力を十分に付与できない場合がある。
また、図13の仮想線で示される実施形態のように、供給管27の供給軸線AL1と第2モータ21の回転軸線AL2とを、左右方向に投影したときに直交させて、第5孔65を調整空間49の左側部分に臨ませると、供給管27から供給される粒状ドライアイスの供給方向と、調整空間49における羽根部33の回転方向RDとが対向する(逆向きとなる)。そうすると、供給管27から供給されながら、羽根37によって剪断力が付与される粒状ドライアイスの流れが乱される場合がある。
さらに、図2の破線で示される実施形態のように、供給管27の供給軸線AL1と第2モータ21の回転軸線AL2とを、同一軸線上または平行に配置すると、供給管27から供給される粒状ドライアイスの供給方向と、調整空間49における羽根部33の回転方向RDとが直交する。そうすると、供給管27から供給されながら、羽根37によって剪断力が付与される粒状ドライアイスの流れが乱される場合がある。
これに対して、図2の実線で示される実施形態のように、供給管27の供給軸線AL1と、第2モータ21の回転軸線AL2とを斜めに交差させると、供給管27から供給される粒状ドライアイスに羽根37の剪断力を十分に付与できながら、粒状ドライアイスの流れの乱れを防止することができる。
また、図2に示す実施形態では、供給軸線AL1と、第1排出軸線AL3および第2排出軸線AL4とを、同一直線上に配置しているが、例えば、図示しないが、それらを(左右方向に投影したときに)交差させることもできる。
好ましくは、供給軸線AL1と、第1排出軸線AL3および第2排出軸線AL4とを、同一直線上に配置する。これにより、供給管27において、粒径が調整される前の粒状ドライアイスの供給流れと、粒径が調整された後のドライアイスの排出流れとが同一直線上にあるので、粒状ドライアイスの供給と、粒状ドライアイスの粒径の調整と、粒径が調整されたドライアイスの排出とを円滑に順次実施することができる。
また、図2の実施形態では、本発明の排出部を、第3孔63の内周面と排出管34とから形成しているが、例えば、図示しないが、排出管34を設けることなく、第3孔63の内周面のみから排出部を形成することができる。その場合には、排出空間50が、第1排出空間51のみからなり、また、フレキシブルホース3が、第3孔63の内周面に直接取り付けられる。
好ましくは、本発明の排出部を、第3孔63の内周面と排出管34とから形成する。
また、図4(b)の実施形態では、連通部分24の開口断面積S1を、排出空間50の開口断面積S2より小さく形成しているが、例えば、図示しないが、排出空間50の開口断面積S2と同一でまたは開口断面積S2より大きく形成することもできる。
連通部分24の開口断面積S1を、排出空間50の開口断面積S2と同一で形成する場合には、仕切板45を設けず、第3孔63の後端部をすべて露出させる。
連通部分24の開口断面積S1を、排出空間50の開口断面積S2より大きく形成する場合には、仕切板45を設けず、第3孔63の後端部をすべて露出させるとともに、第3孔63を下方に向かって拡径させる。
好ましくは、図2で示すように、連通部分24の開口断面積S1を、排出空間50の開口断面積S2より小さく形成する。
連通部分24の開口断面積S1を、排出空間50の開口断面積S2と同一でまたは開口断面積S2より大きく形成すると、調整空間49で粒径が調整されたドライアイスは、連通部分24から排出空間50に至るときに、排出空間50において付着性に起因するブリッジなどを発生し易く、ドライアイスが排出空間50を閉塞する場合がある。
しかし、図4(b)の実施形態では、上記した連通部分24の開口断面積S1が、排出空間50の開口断面積S2より小さいので、調整空間49で粒径が調整されたドライアイスは、連通部分24から排出空間50に至るときに、気流速度が上昇し、連通部分24において上記したブリッジなどの発生を有効に防止することができる。
また、図1および図2の実施形態では、粒径調整部6に羽根部33を1つ設けているが、例えば、複数設けることもできる。
粒径調整部6に羽根部33を複数設ける場合は、例えば、各羽根部33を、粒状ドライアイスの搬送流れに対して、直列で、および/または、並列で配置することができる。
さらに、粒径調整部6に羽根部33を複数設ける場合に、すべて羽根部33を回転駆動させることができ、あるいは、一部の羽根部33のみを回転駆動させることもできる。
具体的には、粉砕モードにおいて、すべて羽根部33を回転駆動させ、付着防止モードにおいて、一部の羽根部33のみを回転駆動させる。
また、図1の実施形態では、ドライアイス噴射システム1に、吸引タイプのノズル4を設けているが、例えば、ドライアイスを圧送する圧送タイプのノズル4を設けることもできる。
また、図1の実施形態では、ドライアイス噴射システム1にノズル4を設けているが、これに限定されず、ノズル4を除く公知の噴射装置を設けることができる。
そして、図1の実施形態のドライアイス噴射システム1によれば、クリーンなドライアイスを噴射することができる。
このようなドライアイス噴射システム1は、上記したように、ドライアイスの噴射によって、噴射対象物を洗浄する洗浄システムとして用いることができる。噴射対象物である洗浄対象物としては、特に限定されず、例えば、トナーの製造工程に用いられる混合装置、混練装置、粉砕装置、分級装置などのトナー製造設備、例えば、鋼板、コンクリート、スパッタリング装置などの成膜装置のチャンバーの内壁、焼却炉の内壁、医療機器(錠剤を製造するためのミキサー、成形機など)などが挙げられる。なお、洗浄対象物は、一成分の単層体であってもよく、あるいは、異質な複数成分の積層状態とあってもよい。
このような洗浄システムでは、ドライアイスを効率よく洗浄対象物に噴射して、優れた洗浄力を確保しながら、洗浄後、洗浄対象物の表面に、ドライアイスが残存しても、ドライアイスが揮発し易く、そのため、洗浄対象物の表面をクリーンな状態に維持することができる。
また、上記したドライアイス噴射システム1は、例えば、ドライアイスの噴射によって、噴射対象物をブラスト加工するブラスト加工装置として用いることもできる。
また、図1に示す実施形態では、本発明のドライアイス供給装置を、ドライアイス噴射システム1に設けているが、例えば、図示しないが、フレキシブルホース3の一端部に各種装置(噴射装置を除く)に接続して、かかる装置に粒径が調整されたドライアイスを供給することもできる。