JP3201879U - 路面用噴水型除去装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】路面に噴射された水および路面から除去された被除去物を効果的に吸引して回収することができる路面用噴水型除去装置を提供する。【解決手段】路面用噴水型除去装置100は、路面Gに向けて高圧水を噴射する噴射体101が噴射体保持体105を介して回転用プーリ106によって保持されている。回転用プーリ106は、揺動用プーリ114およびプーリホルダ122を介して載置板124に支持されている。噴射体101の外側には、噴射体101の周囲を包囲する外スカート128が設けられている。外スカート128には、外スカート128内の空気を吸引するバキューム装置が接続されている。また、外スカート128の内側は、内スカート120によって噴射体101が存在する噴射体領域とこの噴射体領域にオリフィス部Orを介して連通した状態でバキューム装置に連通するバキューム領域VEとに区分けされている。【選択図】図1
Description
本考案は、路面上に付着した付着物や路面表面自体などの被除去物を路面に向けて噴出した高圧の水によって除去する路面用噴水型除去装置に関する。
従来から、路面に向けて高圧の水を噴射することにより路面上に付着している付着物や路面の表面自体などを被除去物として路面から除去する路面用噴水型除去装置が知られている。例えば、下記特許文献1には、円盤状に形成されて回転駆動するノズルホルダの外周部に高圧水を噴射するノズルを少なくとも2つ備えて路面上の白線などを除去する噴流噴射装置が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載された噴流噴射装置においては、路面に噴射された水および路面から剥がされた白線屑の回収の効率が低いという問題があった。すなわち、上記特許文献1に記載された噴流噴射装置においては、路面に噴射された水および路面から剥がされた白線屑を吸引する吸引ダクトがノズルホルダの周囲を囲む大きさの仕切板・スカート内に対して吸引を行うため、吸引対象である領域(空間)が大きく吸引効率が低下するという問題があった。また、このような事情から、従来の路面用噴射型除去装置においては、吸引効率の低下を補うことができる大きな吸引能力を有するバキューム装置が必要となって装置構成の大型化およびコストの増大を招来するという問題があった。
本考案は上記問題に対処するためなされたもので、路面に噴射された水および路面から除去された被除去物を効果的に吸引して回収することにより装置構成の小型化および低コスト化を実現できる路面用噴水型除去装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本考案の特徴は、路面上の被除去物に水を噴射して除去する路面用噴水型除去装置であって、路面に対向配置されて同路面に向けて水を噴射する噴射体と、筒状に形成されて少なくとも路面における前記水が噴射される部分の周囲を包囲する外スカートと、外スカートに接続されて同外スカートの内側領域に負圧を発生させるバキューム手段と、外スカートの内側領域を噴射体が存在する噴射体領域と同噴射体領域にオリフィス部を介して連通した状態でバキューム手段に連通するバキューム領域とに区分けする内スカートと、噴射体領域内に空気を導入するためのエア導入手段とを備えたことにある。
このように構成した本考案の特徴によれば、路面用噴水型除去装置は、路面に向けて水を噴射する噴射体の周囲を外スカートで囲むとともにこの外スカートの内側を内スカートによって噴射体が存在する噴射体領域とバキューム手段が連通するバキューム領域とに区分けしている。これにより、路面用噴水型除去装置は、外スカート内において区画した噴射体領域中に存在する水や被除去物を同外スカート内で区画したバキューム領域にオリフィス部を介して吸引して回収している。このため、路面用噴水型除去装置は、従来の路面用噴水型除去装置に比べて効率的に路面に噴射された水や路面から除去された被除去物を回収することができる。この結果、路面用噴水型除去装置は、装置構成の小型化および低コスト化を実現することができる。
また、本考案の他の特徴は、前記路面用噴水型除去装置において、オリフィス部は、内スカートの下端部と路面との隙間によって形成されることにある。
このように構成した本考案の他の特徴によれば、路面用噴水型除去装置は、オリフィス部が内スカートの下端部と路面との間に形成されるため、路面に噴射された水および路面から除去された被除去物を効率的に吸引することができる。
また、本考案の他の特徴は、前記路面用噴水型除去装置において、外スカートは、下端部が路面に対して内スカートと路面との間に形成した隙間より狭い隙間を介して位置することにある。
このように構成した本考案の他の特徴によれば、路面用噴水型除去装置は、外スカートの下端部が路面との間に内スカートと路面との間に形成されたオリフィス部を構成する隙間より狭い隙間を介して配置されている。これにより、路面用噴水型除去装置は、外スカートの外側から外スカートの内側、すなわち、バキューム領域への外気の導入を抑えつつ外スカートの路面への干渉を防止して、路面に噴射された水や路面から除去された被除去物を吸引することができる。
また、本考案の他の特徴は、前記路面用噴水型除去装置において、オリフィス部は、バキューム領域と噴射体領域とを連通する部分の面積が、バキューム手段がバキューム領域に連通する部分の面積の1.5倍以下であることにある。
このように構成した本考案の他の特徴によれば、路面用噴水型除去装置は、バキューム領域と噴射体領域とを連通するオリフィス部の開口面積が、バキューム領域に対するバキューム手段の開口面積の1.5倍以下であるため、本考案者らの実験によれば、路面に噴射された水や路面から除去された被除去物を効率的に吸引することができる。
また、本考案の他の特徴は、前記路面用噴水型除去装置において、バキューム領域は、噴射体に対して路面用噴水型除去装置の進行方向後ろ側を含んで形成されることにある。
このように構成した本考案の他の特徴によれば、路面用噴水型除去装置は、バキューム領域を噴射体に対して進行方向前側に配置するよりも効率的に水や白線屑を吸引することができる。
また、本考案の他の特徴は、前記路面用噴水型除去装置において、さらに、噴射体を保持する噴射体保持手段が噴射体領域の上方に設けられ、エア導入手段は、噴射体保持手段に噴射体領域に連通した状態で設けられて同噴射体領域に外気を導入する貫通孔によって構成されていることにある。
このように構成した本考案の他の特徴によれば、路面用噴水型除去装置は、内スカートの上方に噴射体を保持する噴射体保持体手段が設けられているとともに、エア導入手段が噴射体保持手段に噴射体領域に連通した状態で外気を導入する貫通孔によって構成されている。これにより、路面用噴水型除去装置は、噴射体領域の上方から外気が導入されるとともに外スカートの外側からの外気の流入が防止されるため、路面に噴射された水や路面から除去された被除去物を効果的にバキューム領域に導いて吸引することができる。
また、本考案の他の特徴は、前記路面用噴水型除去装置において、内スカートは、路面に対して長さが伸縮可能であることにある。
このように構成した本考案の他の特徴によれば、路面用噴水型除去装置は、内スカートは、路面に対する長さが伸縮するため、路面に噴射する水の圧力や噴出量、および路面から除去された被除去物の状態に応じてバキューム領域に対する吸引力を適宜調整できる。
また、本考案の他の特徴は、前記路面用噴水型除去装置において、さらに、噴射体を路面に沿って移動させる噴射体移動手段を備え、噴射体移動手段は、路面上を転がる3つの車輪を有していることにある。
このように構成した本考案の他の特徴によれば、路面用噴水型除去装置は、噴射体は3つの車輪を有した噴射体移動手段によって路面上を移動する。これにより、路面用噴水型除去装置は、噴射体を路面に対して所謂三点支持するため、路面に凹凸があった場合においても常に安定的に噴射体を移動させることができる。
(第1実施形態)
以下、本考案に係る路面用噴水型除去装置の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本考案に係る路面用噴水型除去装置100の外観構成の概略を示す一部破断側面図である。また、図2は、図1に示す路面用噴水型除去装置100の外観構成における主要部分を概略的に示す一部破断平面図である。また、図3は、図1に示す路面用噴水型除去装置100の作動を制御する制御システムのブロック図である。なお、本明細書において参照する各図は、本考案の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各図面間および各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。この路面用噴水型除去装置100は、道路などの路面Gに形成された白線Lに高圧水を噴射することによって路面G上から白線Lを剥離させて除去するための機械装置である。
以下、本考案に係る路面用噴水型除去装置の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本考案に係る路面用噴水型除去装置100の外観構成の概略を示す一部破断側面図である。また、図2は、図1に示す路面用噴水型除去装置100の外観構成における主要部分を概略的に示す一部破断平面図である。また、図3は、図1に示す路面用噴水型除去装置100の作動を制御する制御システムのブロック図である。なお、本明細書において参照する各図は、本考案の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各図面間および各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。この路面用噴水型除去装置100は、道路などの路面Gに形成された白線Lに高圧水を噴射することによって路面G上から白線Lを剥離させて除去するための機械装置である。
(路面用噴水型除去装置100の構成)
路面用噴水型除去装置100は、噴射体101を備えている。噴射体101は、路面Gに対して高圧水を噴射するための器具であり、ステンレス材を長尺の管状に形成して構成されている。この噴射体101は、一方(図示上側)の端部に高圧水を供給する高圧送水ポンプ102に可撓性を有する送水ホース103を介して接続されているとともに、他方(図示下側)の端部に高圧水を噴射する噴水ノズル104が設けられている。この場合、噴水ノズル104は、高圧送水ポンプ102から供給された高圧水を1本または複数本の水柱状に噴射するノズルを用いることができる。
路面用噴水型除去装置100は、噴射体101を備えている。噴射体101は、路面Gに対して高圧水を噴射するための器具であり、ステンレス材を長尺の管状に形成して構成されている。この噴射体101は、一方(図示上側)の端部に高圧水を供給する高圧送水ポンプ102に可撓性を有する送水ホース103を介して接続されているとともに、他方(図示下側)の端部に高圧水を噴射する噴水ノズル104が設けられている。この場合、噴水ノズル104は、高圧送水ポンプ102から供給された高圧水を1本または複数本の水柱状に噴射するノズルを用いることができる。
高圧送水ポンプ102は、水を加圧して噴射体101に供給する機械装置であり、図示しない台車上に設けられている。この高圧送水ポンプ102は、図示しない水源(例えば、一般上水道、貯水タンク、貯水池など)から水の供給を受けるとともに、この水を100MPa以上かつ300MPa以下の範囲で加圧した所謂超高圧水を噴射体101に供給する。本実施形態においては、高圧送水ポンプ102は、200MPaの超高圧水を噴射体101に供給する。
噴射体101は、噴射体保持体105を介して回転用プーリ106に保持されている。噴射体保持体105は、噴射体101を着脱自在に保持するためのアルミニウム製の部材であり、噴射体101が貫通する貫通孔を備えた段付きの円筒状に構成されている。この噴射体保持体105は、噴射体101を保持する貫通孔が垂直方向に対して10°の角度で図示下方に向かって外側に傾斜して形成されるとともに、この貫通孔の内部に噴射体101を回転自在な状態で保持するためのベアリングを備えて構成されている。
回転用プーリ106は、噴射体保持体105を介して保持した噴射体101を回転変位させるための機械要素であり、アルミニウム材によって構成されている。この回転用プーリ106には、平面視において中央部に互いに対向した状態で2つの嵌合孔106aが形成されるとともに、これら2つの嵌合孔106aの両側にそれぞれ4つずつのエア導入孔106bがそれぞれ形成されている。これらのうち、2つの嵌合孔106aは、噴射体保持体105および後述するウエイト保持体107がそれぞれ着脱自在に嵌合する段付きの貫通孔である。また、8つのエア導入孔106bは、詳しくは後述する内スカート120の内側領域である噴射体領域JEに外気を導入するための貫通孔である。
ウエイト保持体107は、ウエイト108を着脱自在に保持するためのアルミニウム製の部材であり、噴射体保持体105と同様に、ウエイト108が貫通する貫通孔を備えた段付きの円筒状に構成されている。この場合、ウエイト保持体107は、噴射体保持体105と同様に、ウエイト108を保持する貫通孔が垂直方向に対して10°の角度で図示下方に向かって外側に傾斜して形成されている。ウエイト108は、噴射体101を保持して回転駆動する回転用プーリ106において噴射体101とのバランスを合わせるためのステンレス製の錘であり、噴射体101と同等の長さおよび重さの丸棒状に形成されている。なお、路面用噴水型除去装置100は、ウエイト108を省略して構成することもできる。
回転用プーリ106は、ベアリング109を介して揺動用プーリ114に回転自在に支持された状態で平ベルト110を介して回転駆動用プーリ111に連結されている。平ベルト110は、回転駆動用モータ112の回転駆動力を回転用プーリ106に伝達するための機械要素であり、帯状のゴム材をリング状に形成して構成されている。この平ベルト110は、回転用プーリ106および回転駆動用プーリ111に対して摩擦接触した状態で架設されている。回転駆動用プーリ111は、回転駆動用モータ112の回転駆動によって回転する機械要素である。回転駆動用モータ112は、後述する制御部140の作動制御によって回転駆動する電動機であり、支持台113上に固定されている。すなわち、回転用プーリ106は、回転駆動用モータ112の回転駆動によって回転駆動する。本実施形態においては、回転駆動用モータ112は、回転用プーリ106を300rpm以上かつ500rpmの範囲の速度で回転させる。支持台113は、後述する載置板124上に凸状に固定されたステンレス製の棚である。
揺動用プーリ114は、回転用プーリ106を回転用プーリ106の回転中心O1とは異なる位置を回転中心O2として回転変位、すなわち、自転する回転用プーリ106を回転中心O1とは異なる位置を回転中心O2とする円軌道に沿って公転させるための機械要素であり、アルミニウム材によって構成されている。この揺動用プーリ114の内側には、回転用プーリ106の回転駆動によって回転変位する噴射体101およびウエイト108が貫通可能な貫通孔が形成されている。そして、この揺動用プーリ114は、ベアリング115を介してプーリホルダ122に回転自在に支持された状態で平ベルト116を介して揺動駆動用プーリ117に連結されている。
平ベルト116は、前記平ベルト110と同様に、揺動駆動用プーリ117の回転駆動力を揺動用プーリ114に伝達するための機械要素であり、帯状のゴム材をリング状に形成して構成されている。この平ベルト116は、揺動用プーリ114および揺動駆動用プーリ117に対して摩擦接触した状態で架設されている。揺動駆動用プーリ117は、揺動駆動用モータ118の回転駆動によって回転する機械要素である。揺動駆動用モータ118は、制御部140の作動制御によって回転駆動する電動機であり、前記支持台113上に固定されている。すなわち、揺動用プーリ114は、揺動駆動用モータ118の回転駆動によって回転駆動する。本実施形態においては、揺動駆動用モータ118は、揺動用プーリ114を20rpm以上かつ60rpmの範囲の速度で回転させる。
また、揺動用プーリ114の下面には、リング状のカラー119を介して内スカート120が設けられている。内スカート120は、自転および揺動する噴射体101の周囲を囲むカバーであり、ステンレス材を円筒状に形成して構成されている。この内スカート120は、揺動用プーリ114に固定される固定側内スカート120aと、この固定側内スカート120aの外側に2つの固定ボルト121によって固定側内スカート120aの軸線方向に変位可能に取り付けられた可動側内スカート120bとによって構成されている。すなわち、内スカート120は、図4に示すように、2つの固定ボルト121を弛めることによって筒部が伸縮して長さが調整可能に形成されている。この場合、内スカート120は、後述する外スカート128の長さ以下の長さで調整できるように構成されている。そして、この内スカート120の下端部と路面Gとの間には、両者の隙間からなるオリフィス部Orが形成される。
オリフィス部Orは、噴射体101が存在する噴射体領域JEと後述するバキューム領域VEとの両者間での空気の流れる流路を狭めた部分である。このオリフィス部Orは、内スカート120の伸縮によって噴射体領域JEへの開口部の面積が後述する排出ダクト129がバキューム領域VEに開口する開口面積の0.8〜1.5倍の範囲の面積になるように調整される。
プーリホルダ122は、揺動用プーリ114を回転自在に保持する部材であり、アルミニウム材をリング状に形成して構成されている。この場合、プーリホルダ122の内側に形成された貫通孔は、回転用プーリ106の回転駆動によって回転変位する噴射体101およびウエイト108が貫通可能な大きさに形成されている。そして、このプーリホルダ122は、移動台123の載置板124上に固定されている。
移動台123は、路面用噴水型除去装置100を構成する部品や機器を支持して路面上を移動させるための台車であり、主として載置板124、把持棒125、前輪126aおよび後輪126bによって構成されている。載置板124は、前記プーリホルダ122を含む路面用噴水型除去装置100を構成する部品や機器を支持する方形平板状のステンレス製の台である。この場合、載置板124には、プーリホルダ122を支持する部分の内側に回転用プーリ106の回転駆動によって回転変位する噴射体101およびウエイト108が貫通可能な貫通孔が形成されている。
把持棒125は、路面用噴水型除去装置100の掴み手となる部分であり、ステンレス製のパイプ材によって構成されている。この把持棒125は、長方形状に形成された載置板124における3辺を囲むとともに路面用噴水型除去装置100の後方に延びる部分が図示上方に屈曲した後水平方向に延びて作業者による把持部分を構成している。
前輪126aおよび後輪126bは、路面用噴水型除去装置100を移動させるための輪であり、載置板124の裏面における路面用噴水型除去装置100の前方側および後方側にそれぞれ取り付けられている。これらのうち、路面用噴水型除去装置100の前方側に設けられた2つの前輪126aは、移動駆動用モータ127に連結されて同移動駆動用モータ127によって回転駆動するように構成されている。移動駆動用モータ127は、制御部130の作動制御によって回転駆動する電動機であり、載置板124の表面上に固定されている。一方、路面用噴水型除去装置100の後方側に設けられた1つの後輪126bは、載置板124に対して向きおよび回転が自在なフリーな状態で設けられている。すなわち、移動台123は、2つの前輪126aおよび1つの後輪126bからなる3つの車輪によって路面Gに対して3点支持されている。
プーリホルダ122の下面には、外スカート128が設けられている。外スカート128は、前記内スカート120の外側を囲むカバーであり、ステンレス材を円筒状に形成して構成されている。この外スカート128は、内スカート120との間に内スカート120の容積よりも小さい容積のリング状のバキューム領域VEを形成する内径でかつ路面Gとの間に所定の隙間を介しつつ内スカート120よりも長い長さで形成されている。この場合、外スカート128と路面Gとの間の隙間は、路面Gから突出する白線の厚さ以上、より具体的には、3mm以上かつ10mm以内が好適である。また、外スカート128の内径は、内スカート120の外周面との間に30mm以上かつ60mm以内の隙間が形成される大きさに形成されているとよい。
この外スカート128の壁面には、外スカート128の内側領域に貫通した状態で排出ダクト129が接続されている。排出ダクト129は、噴射体101による加圧水の噴射により剥離された白線屑を空気とともに外スカート128の内側領域、より具体的にはバキューム領域VEから排出するための管であり、ステンレス材を筒状に形成して構成されている。この排出ダクト129は、バキューム装置130に接続されている。バキューム装置130は、空気を吸引するとともに吸引した空気から白線屑を分別して排気する機械装置であり、移動台123とは別の図示しない台車上に設けられている。すなわち、これら排出ダクト129およびバキューム装置130が、本考案に係るバキューム手段に相当する。
また、移動台123における載置板124上には、平ベルト110,116の下方にテンショナ131がそれぞれ設けられている。テンショナ131は、平ベルト110,116にそれぞれテンションを付与して弛みを防止するための器具である。また、載置板124上は、外筐132によって覆われている。外筐132は、載置板124上を覆う筐体であり、ステンレス材を板金加工により箱状に形成して構成されている。この外筐132における路面用噴水型除去装置100の後ろ側には、制御ボックス133が設けられている。
制御ボックス133は、この路面用噴水型除去装置100の作動を制御する制御部140を収容する鋼板製の収容箱であり、移動台123上に設けられた外筐132上に固定的に取り付けられている。制御部140は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータによって構成されており、回転駆動用モータ112、揺動駆動用モータ118および移動駆動用モータ127の各作動をそれぞれ制御する。具体的には、制御部140は、後述する操作スイッチ141の操作に応じてROMなどの記憶装置に予め記憶された制御プログラムを実行することによって回転駆動用モータ112、揺動駆動用モータ118および移動駆動用モータ127の各作動の開始および停止をそれぞれ制御する。
また、制御ボックス133の外表面には、路面用噴水型除去装置100の後方に向かって操作スイッチ141および表示装置142がそれぞれ露出した状態で設けられている。操作スイッチ141は、制御部140に対して作業者の指示を入力するための入力装置であり、回転駆動用モータ112、揺動駆動用モータ118および移動駆動用モータ127の各作動の開始および停止をそれぞれ指示するための押しボタンによって構成されている。また、表示装置142は、制御部140の作動状態を表示するための液晶表示画面である。なお、この制御ボックス133内には、外部電源から導入した電力を回転駆動用モータ112、揺動駆動用モータ118および移動駆動用モータ127にそれぞれ供給するための図示しない電源部なども備えているが、これらについては、本考案に直接関わらないため、その説明は省略する。
(路面用噴水型除去装置100の作動)
次に、このように構成された路面用噴水型除去装置100の作動について説明する。まず、作業者は、路面用噴水型除去装置100、高圧送水ポンプ102およびバキューム装置130をそれぞれ用意するとともに、これらを互いに接続する。次いで、作業者は、路面用噴水型除去装置100における図示しない電源スイッチをONにすることにより制御部140を起動させる。これにより、制御部140は、ROMなどの記憶装置に予め記憶された制御プログラムを実行することによって作動を介して作業者からの指示を待つ待機状態となる。
次に、このように構成された路面用噴水型除去装置100の作動について説明する。まず、作業者は、路面用噴水型除去装置100、高圧送水ポンプ102およびバキューム装置130をそれぞれ用意するとともに、これらを互いに接続する。次いで、作業者は、路面用噴水型除去装置100における図示しない電源スイッチをONにすることにより制御部140を起動させる。これにより、制御部140は、ROMなどの記憶装置に予め記憶された制御プログラムを実行することによって作動を介して作業者からの指示を待つ待機状態となる。
次に、作業者は、路面G上の白線Lの除去作業を開始する。具体的には、作業者は、移動台123を人手で押すことにより路面用噴水型除去装置100を除去対象となる白線L上に移動させる。次に、作業者は、内スカート120の長さを調節する。この場合、作業者は、内スカート120内および外スカート128内での吸引環境に応じて内スカート120の長さを調節する。
具体的には、作業者は、路面Gに向けて噴射した霧状の水および除去した白線屑の外スカート128外への漏出(例えば、白線屑が粉状の場合)には、内スカート120における可動側内スカート120bを下げる。一方、作業者は、除去した白線屑の粒径が比較的大きい場合には、内スカート120における可動側内スカート120bを上昇させることにより、噴射体101から高圧水が噴射される路面Gに排出ダクト129が露出するようにする(図4参照)。すなわち、作業者は、内スカート120の長さを調整することによりオリフィス部Orを構成する隙間の量を調整する。この場合、オリフィス部Orは、噴射体領域JEへの開口部の面積が排出ダクト129がバキューム領域VEに開口する開口面積の0.8〜1.5倍の範囲の面積になるように調整される。なお、内スカート120の長さの調整は、移動台123を傾斜させて行うことができる。
次に、作業者は、操作スイッチ141を操作することにより制御部140に対して回転駆動用モータ112、揺動駆動用モータ118および移動駆動用モータ127の各作動の開始を指示する。これにより、路面用噴水型除去装置100は、噴射体101を回転用プーリ106の回転中心O1を回転中心として回転変位させるとともに、この回転変位する噴射体101を揺動用プーリ114の回転中心O2を回転中心として更に回転変位させながら前輪126aを回転駆動させて前進(図1において左側)(図示矢印参照)を開始する。
次いで、作業者は、高圧送水ポンプ102およびバキューム装置130における図示しない電源スイッチをONにすることによりこれらをそれぞれ起動させる。これにより、路面用噴水型除去装置100は、噴射体101の噴水ノズル104から高圧の水の噴射が開始されるとともに、内スカート120および外スカート128内における空気の吸引が排出ダクト129を通じて開始される。
この場合、回転用プーリ106の回転中心O1と揺動用プーリ114の回転中心O2とが互いに異なっている。このため、路面用噴水型除去装置100は、噴射体101の前方への移動に際して回転用プーリ106の回転駆動によって円運動する噴射体101を噴射体101の移動方向に対して交わる方向(本実施形態においては直交する方向)に揺動させることができる。より具体的には、路面用噴水型除去装置100は、図5に示すように、噴射体101における円状の噴水軌道150の幅方向両端部151a,151b、換言すれば、噴水軌道150における噴水軌道150全体の移動方向(図示矢印参照)に対して平行に近い軌道部分が路面用噴水型除去装置100の移動とともに路面用噴水型除去装置100の幅方向に揺動させる。
これにより、路面用噴水型除去装置100は、円状の噴水軌道150の幅方向両端部151a,151bが路面用噴水型除去装置100の移動方向と平行に移動することが防止されて噴射体101から噴射された高圧水が路面G上における特定の場所に相対的に長時間当て続けられることが防止できる。したがって、路面用噴水型除去装置100は、噴射体101から噴射させた高圧水によって路面G上の白線Lをムラなく均一に除去することができる。
一方、路面用噴水型除去装置100における内スカート120および外スカート128の各内側領域は、排出ダクト129を介して空気が吸引されるとともに回転用プーリ106に形成されたエア導入孔106bを介して外気が導入される。このため、噴射体101から噴射された水および路面Gから剥がされた白線屑は排出ダクト129を通じて吸引される。この場合、内スカート120の内側である噴射体領域JE内の水および白線屑は、内スカート120の下端部と路面Gとの間に設けられた隙間からなるオリフィス部Orを介して内スカート120と外スカート128との間のリング状のバキューム領域VEに導かれる。
この場合、オリフィス部Orは、噴射体領域JEへの開口部の面積が排出ダクト129がバキューム領域VEに開口する開口面積の0.8〜1.5倍の範囲の面積になるように調整されている。また、内スカート120の下端部と路面Gとの間に設けられたオリフィス部Orは、外スカート128の下端部と路面Gとの間の隙間よりも広く形成されている。これらにより、路面用噴水型除去装置100は、路面Gに噴射されて飛び散った水および路面Gから剥がされた白線屑を内スカート120の下端部と路面Gとの間の隙間を介して効果的にバキューム領域Eに導くとともに、外スカート128の内側におけるバキューム領域VEに導かれた水および白線屑を外スカート128の外側への漏出を抑えながら効果的に吸引して回収することができる。なお、路面G上からの白線Lの除去作業中においては、揺動用プーリ114の回転駆動によって内スカート120も回転駆動している。
排出ダクト129を介して吸引された空気、水および白線屑からなる吸引物は、図示しないフィルタなどを介して互いに分離されて水と白線屑とがそれぞれ別々に回収される。この場合、路面用噴水型除去装置100は、回収した水を再び白線Lの除去作業に用いる。すなわち、作業者は、路面用噴水型除去装置100を移動させながら連続的に白線Lの除去作業を行うことができる。そして、白線Lの除去作業を終了する場合には、作業者は、高圧送水ポンプ102およびバキューム装置130における図示しない電源スイッチをOFFにしてこれらの作動を停止させた後、操作スイッチ141を操作することによって制御部140に対して回転駆動用モータ112、揺動駆動用モータ118および移動駆動用モータ127の各作動の停止を指示する。これにより、作業者は、路面用噴水型除去装置100における回転駆動用モータ112、揺動駆動用モータ118、移動駆動用モータ127、高圧送水ポンプ102およびバキューム装置130の各作動を停止させて白線Lの除去作業を終了することができる。
上記作動説明からも理解できるように、上記第1実施形態によれば、路面Gに向けて水を噴射する噴射体101の周囲を外スカート128で囲むとともにこの外スカート128の内側を内スカート120によって噴射体101が存在する噴射体領域JEと排出ダクト129が開口するバキューム領域VEとに区分けしている。これにより、路面用噴水型除去装置100は、外スカート128内において区画した噴射体領域JE中に存在する水や白線屑を同外スカート128内で区画したバキューム領域VEにオリフィス部Orを介して吸引して回収している。このため、路面用噴水型除去装置100は、従来の路面用噴水型除去装置に比べて効率的に路面に噴射された水や路面から除去された白線屑を回収することができる。この結果、路面用噴水型除去装置1000は、装置構成の小型化および低コスト化を実現することができる。
(第2実施形態)
次に、本考案に係る路面用噴水型除去装置の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。図6は、本考案に係る路面用噴水型除去装置200の外観構成の概略を示す一部破断側面図である。また、図7は、図6に示す路面用噴水型除去装置200の外観構成における主要部分を概略的に示す一部破断平面図である。この第2実施形態においては、上記第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。この第2実施形態に係る路面用噴水型除去装置200は、回転用プーリ106を路面用噴水型除去装置200の幅方向に直線状に往復変位させる点において上記第1実施形態における路面用噴水型除去装置100と異なる。
次に、本考案に係る路面用噴水型除去装置の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。図6は、本考案に係る路面用噴水型除去装置200の外観構成の概略を示す一部破断側面図である。また、図7は、図6に示す路面用噴水型除去装置200の外観構成における主要部分を概略的に示す一部破断平面図である。この第2実施形態においては、上記第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。この第2実施形態に係る路面用噴水型除去装置200は、回転用プーリ106を路面用噴水型除去装置200の幅方向に直線状に往復変位させる点において上記第1実施形態における路面用噴水型除去装置100と異なる。
(路面用噴水型除去装置200の構成)
具体的には、路面用噴水型除去装置200は、回転用プーリ106がベアリング109を介して揺動用ベース161に回転自在な状態で支持されている。揺動用ベース161は、回転用プーリ106の回転変位を許容した状態で回転用プーリ106を路面用噴水型除去装置200の進行方向に直交する幅方向に往復動可能に支持する部材であり、アルミニウム材を平面視で方形筒状に形成して構成されている。この場合、揺動用ベース161の中央部分に形成された貫通孔は、前記揺動用プーリ114と同様に、回転用プーリ106の回転駆動によって回転変位する噴射体101およびウエイト108が貫通可能な大きさの円形に形成されている。
具体的には、路面用噴水型除去装置200は、回転用プーリ106がベアリング109を介して揺動用ベース161に回転自在な状態で支持されている。揺動用ベース161は、回転用プーリ106の回転変位を許容した状態で回転用プーリ106を路面用噴水型除去装置200の進行方向に直交する幅方向に往復動可能に支持する部材であり、アルミニウム材を平面視で方形筒状に形成して構成されている。この場合、揺動用ベース161の中央部分に形成された貫通孔は、前記揺動用プーリ114と同様に、回転用プーリ106の回転駆動によって回転変位する噴射体101およびウエイト108が貫通可能な大きさの円形に形成されている。
この揺動用ベース161は、外周部分から張り出した状態で4つの転動ベアリング162が設けられており、この転動ベアリング162を介して転動レール163に支持されている。転動ベアリング162は、揺動用ベース161を路面用噴水型除去装置200の幅方向に往復動させるための機械要素であり、転動レール163内に転がり可能な状態で嵌め込まれている。転動レール163は、転動ベアリング162を路面用噴水型除去装置200の幅方向に転がり変位させるための軌道部材であり、ステンレス材を断面コ字状に形成されている。
この転動レール163は、移動台123の載置板124上における転動ベース161の周囲であって転動ベアリング162に対応する位置にそれぞれ固定されている。そして、この載置板124の裏面には、内スカート120が取り付けられている。すなわち、本第2実施形態においては、内スカート120は、載置板124に固定されているため、白線Lの除去作業中において不動である。
また、揺動用ベース161における外周部には、路面用噴水型除去装置200の後方(図示右側)に向かって張り出した連結片164を介して揺動機構165が連結されている。揺動機構165は、揺動用ベース161を路面用噴水型除去装置200の幅方向に揺動させる部材群であり、主として、偏芯片166、揺動棒167および支持柱168によって構成されている。偏芯片166は、揺動駆動用モータ118の回転駆動軸に接続されるとともに、この回転駆動軸の径方向外側に延びるプレート体である。
一方、揺動棒167は、揺動用ベース161と揺動駆動用モータ118とを互いに連結するためのアルミニウム製の板状部材であり、移動台123の載置板124上に起立する支持柱168に対して回転自在の状態で支持されている。この揺動棒167の両端部には、それぞれ長孔状の貫通孔が形成されており、これらの各長孔を介して揺動用ベース161の連結片164および揺動駆動用モータ118に接続された偏芯片166がそれぞれ回動自在に連結されている。
(路面用噴水型除去装置200の作動)
このように構成した路面用噴水型除去装置200による白線Lの除去作業時においては、噴射体101から高圧水が噴射された状態で回転する回転用プーリ106が揺動される。具体的には、作業者は、噴射体101から高圧水が噴射された状態において操作スイッチ141を操作することにより制御部141を介して揺動駆動用モータ118の作動を開始させる。これにより、路面用噴水型除去装置200は、図7に示すように、揺動棒167が支持柱168を回動中心として路面用噴水型除去装置200の幅方向に延びる円弧軌道上を往復変位することによって揺動用ベース161を同幅方向に往復変位させることができる。
このように構成した路面用噴水型除去装置200による白線Lの除去作業時においては、噴射体101から高圧水が噴射された状態で回転する回転用プーリ106が揺動される。具体的には、作業者は、噴射体101から高圧水が噴射された状態において操作スイッチ141を操作することにより制御部141を介して揺動駆動用モータ118の作動を開始させる。これにより、路面用噴水型除去装置200は、図7に示すように、揺動棒167が支持柱168を回動中心として路面用噴水型除去装置200の幅方向に延びる円弧軌道上を往復変位することによって揺動用ベース161を同幅方向に往復変位させることができる。
すなわち、路面用噴水型除去装置200は、噴射体101の前方への移動(図示矢印参照)に際して回転用プーリ106の回転駆動によって円運動する噴射体101を噴射体101の移動方向に対して交わる方向(本実施形態においては直交する方向)に揺動させることができる。より具体的には、路面用噴水型除去装置200は、図8に示すように、噴射体101における円状の噴水軌道150の幅方向両端部151a,151b、換言すれば、噴水軌道150における噴水軌道150全体の移動方向(図示矢印参照)に対して平行に近い軌道部分が路面用噴水型除去装置200の移動とともに路面用噴水型除去装置100の幅方向に揺動させる。
これにより、路面用噴水型除去装置200は、円状の噴水軌道150の幅方向両端部151a,151bが路面用噴水型除去装置200の移動方向と平行に移動することが防止されて噴射体101から噴射された高圧水が路面G上における特定の場所に相対的に長時間当て続けられることが防止できる。したがって、路面用噴水型除去装置200は、噴射体101から噴射させた高圧水によって路面G上の白線Lをムラなく均一に除去することができる。
上記作動説明からも理解できるように、上記第2実施形態によれば、路面用噴水型除去装置200は、噴射体101から噴射させる水を円状に変位させる際、噴射体101を噴射体101の移動方向に対して交わる方向に揺動させるように構成されている。このため、路面用噴水型除去装置200は、噴射される水の円状の軌道である噴水軌道150が噴水軌道150全体の移動方向に交わる方向(例えば、直交方向)に変位しながら移動するようになる。これにより、路面用噴水型除去装置200は、円状の噴水軌道150における噴水軌道150の移動方向と交わる方向の軌道部分である幅方向両端部151a,151b、より具体的には、噴水軌道の移動方向に対して平行に近い軌道部分が路面における特定の位置にその他の駆動部分に比べて相対的に長い時間位置することが防止されるため、白線Lの除去量のムラが生じることを抑えて白線Lを精度よく均一に除去することができる。
さらに、本考案の実施にあたっては、上記各実施形態に限定されるものではなく、本考案の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、下記変形例の説明において参照する図においては、上記各実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
例えば、上記各実施形態においては、噴射体101から噴射された高圧水は噴射体101が回転用プーリ106によって回転駆動されることにより円状の噴水軌道150上を変位するように構成されている。すなわち、上記各実施形態における回転用プーリ106、回転駆動用プーリ111および回転駆動用モータ112が、噴射方向変位手段に相当する。しかし、この噴射方向変位手段は、噴射体101から噴射される水の噴射方向を円状の噴水軌道150で変位するように構成されていれば、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。例えば、噴射方向変位手段は、噴水ノズル104を噴射体101に回転可能に設けた状態で路面用噴水型除去装置100,200に可動的または固定的に保持させることにより噴水方向を変化させることができる。なお、この場合、噴射体101から噴射される高圧水の噴水軌道150は、円の他に楕円を含むものである。
また、上記各実施形態においては、噴射体101は噴射体保持体105によって図示下方に向かって外側に傾斜して保持されている。しかし、噴射体101は、路面Gに向かって高圧水を噴射するように保持されていればよく、必ずしも、上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、噴射体101は、例えば、上記各実施形態における10°以外の傾斜角度(例えば、5°や20°)で高圧水を噴射する姿勢で保持されていてもよいし、
路面Gに向かって直交する姿勢で保持されていてもよい。また、路面用噴水型除去装置100,200は、噴射体101を傾斜させる角度に応じた噴射体保持体105を予め用意しておくことにより、噴射体101を傾斜角度ごとの噴射体保持体105に付け替えることによって噴水の噴射角度を容易に変更することができる。
路面Gに向かって直交する姿勢で保持されていてもよい。また、路面用噴水型除去装置100,200は、噴射体101を傾斜させる角度に応じた噴射体保持体105を予め用意しておくことにより、噴射体101を傾斜角度ごとの噴射体保持体105に付け替えることによって噴水の噴射角度を容易に変更することができる。
また、上記各実施形態においては、噴射体101は移動駆動用モータ127が搭載された移動台123によって路面G上を移動するように構成されている。すなわち、上記各実施形態における路面用噴水型除去装置100,200は、自走式で構成されている。この場合、上記各実施形態における移動台123および移動駆動用モータ127が噴射体移動手段に相当する。しかし、噴射体移動手段は、噴射体101を路面Gに沿って移動させることができれば、必ずしも上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、噴射体移動手段は、上記各実施形態における移動台123から移動駆動用モータ127を省略して手押し式の台車として構成するができる。また、噴射体移動手段は、移動台123に別体で構成されて移動台123に連結される駆動体、例えば、自動車を含んで構成することもできる。
このように噴射体移動手段を自動車などの自走式車両を含んで構成した場合、噴射体101を揺動させる噴射体揺動手段を自走式車両側に設けることができる。例えば、上記第1実施形態における揺動駆動用プーリ117および揺動駆動用モータ118や上記第2実施形態における偏芯片166、揺動棒167および揺動駆動用モータ118を自走式車両側に設けることができる。
また、上記各実施形態においては、移動台123は、2つの前輪126aと1つの後輪126bからなる3つの車輪を備えて構成されている。これにより、移動台123は、噴射体101を路面Gに対して所謂三点支持するため、路面Gに凹凸があった場合においても常に安定的に噴射体101を移動させることができる。しかし、移動台123は、路面G上において噴射体101を移動させることができれば、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、移動台123は、4つ以上の車輪を備えて構成されていてもよいし、車輪に代えてまたは加えて無限軌道を備えて構成されていてもよい。
また、上記第1実施形態においては、揺動用プーリ114、平ベルト116、揺動駆動用プーリ117、揺動駆動用モータ118およびプーリホルダ122によって噴射体101を揺動させるように構成した。また、上記第2実施形態においては、揺動用ベース161、転動ベアリング162、転動レール163、連結片164および揺動機構165によって噴射体101を揺動させるように構成した。すなわち、上記第1実施形態においては揺動用プーリ114、平ベルト116、揺動駆動用プーリ117、揺動駆動用モータ118およびプーリホルダ122が噴射体揺動手段に相当し、第2実施形態においては、揺動用ベース161、転動ベアリング162、転動レール163、連結片164および揺動機構165が噴射体揺動手段に相当する。しかし、これらの噴射体揺動手段は、噴射体101を路面Gにおける白線Lに沿った噴射体101の移動方向に対して直交する方向に変位させるように構成すれば、必ずしも上記各実施形態に限定されるものではない。
また、上記各実施形態においては、内スカート120の下端部と路面Gとの間にオリフィス部Orを設けた。しかし、オリフィス部Orは、噴射体領域JE内の空気がバキューム領域VEに向かって勢い良く流れる噴流となる流路を形成してれば、必ずしも上記各実施形態に限定されるものではない。従って、例えば、オリフィス部Orは、内スカート120の下端部と路面Gとが接触または非接触の状態において、内スカート120の壁面に貫通孔を形成して構成することもできる。また、オリフィス部Orの開口面積についても、排出ダクト129がバキューム領域VEに開口する開口面積の1.5倍以下の範囲の面積が好適であるが、これに限定されるものではなく、1.5倍以上であってもよい。
また、上記各実施形態においては、回転用プーリ106に8つの貫通孔からなるエア導入孔106bを設けて内スカート120内に外気を導入するように構成した。すなわち、回転用プーリ106bが本考案に係る噴射体保持手段に相当するとともに、エア導入孔106が本考案に係るエア導入手段に相当する。しかし、エア導入手段は、内スカート120の内側に空気を導入することができれば、必ずしも上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、エア導入手段は、噴射体領域JE内に強制的に空気を送り込むエアコンプレッサなどで構成することもできる。また、エア導入手段は、噴射体保持体105に貫通孔を形成して構成することもできる。この場合、噴射体保持体105は本考案に係る噴射体保持手段に相当する。
また、上記各実施形態においては、外スカート128は、下端部が路面Gに対して離隔した状態で設けた。しかし、外スカート128は、下端部にブラシや可撓性を有するヘラ状体を介して路面G上に接触するように構成することもできる。これによれば、路面用噴水型除去装置100,200は、外スカート128内の気密性が高まるため、路面Gに噴射した水や路面Gから剥がれた白線屑を効果的に吸引することができる。また、外スカート128は、内スカート120と同様に、路面Gに対して伸縮可能に構成することもできる。
また、上記各実施形態においては、内スカート120は、揺動用プーリ114に固定される固定側内スカート120aと、この固定側内スカート120aの外側に2つの固定ボルト121によって固定側内スカート120aの軸線方向に変位可能に取り付けられた可動側内スカート120bとによって構成されている。しかし、内スカート120は、筒状に形成されて少なくとも路面Gにおける水が噴射される部分の周囲を包囲するように構成されていれば、上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、内スカート120は、外スカート128のように、1つの材料によって伸縮不能、すなわち、路面に対する長さが固定で構成することもできる。
また、上記各実施形態においては、外スカート128の内部に円筒状の内スカート120を配置することにより、噴射体101が存在する噴射体領域JEを円柱状に形成するとともに、排出ダクト129が開口するバキューム領域VEをリング状に形成した。しかし、噴射体領域JEおよびバキューム領域VEは、外スカート128の内側領域において噴射体領域JEが噴射体101を含んでおり、バキューム領域VEがバキューム装置130に連通してかつ両者がオリフィス部Orを介して連通していれば、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。したがって、路面用噴水型除去装置100,200は、例えば、図9に示すように、方形状の外スカート128内において、噴射体101に対して進行方向(図において矢印参照)後ろ側に方形板状の内スカート120を配置して構成することができる。また、路面用噴水型除去装置100,200は、例えば、図10に示すように、方形状の外スカート128内において、噴射体101に対して進行方向(図において矢印参照)後ろ側に略U字状の内スカート120を配置して構成することもできる。
また、上記各実施形態においては、バキューム領域VEは、噴射体101に対して路面用噴水型除去装置100,200の進行方向後ろ側を含んで形成されている。これにより、路面用噴水型除去装置100,200は、バキューム領域VEを噴射体101に対して進行方向前側に配置するよりも効率的に水や白線屑を吸引することができる。しかし、バキューム領域VEの形成位置は、上記各実施形態に限定されるものではない。すなわち、バキューム領域VEは、噴射体101に対して路面用噴水型除去装置100,200の進行方向前側、側方および後ろ側のみ、またはこれらを適宜組み合わせて形成することもできる。
また、上記各実施形態においては、路面用噴水型除去装置100,200は、路面G上の白線Lを被除物とした。しかし、路面用噴水型除去装置100,200は、路面G上の白線L以外のもの、例えば、塗料、異物、汚れなどの各種付着物を被除去物として除去することができる。また、路面用噴水型除去装置100,200は、路面Gの表面自体を被除去物として除去することもできる。すなわち、路面用噴水型除去装置100,200は、路面Gに対する付着物除去装置、ハツリ装置および/または目粗し装置としても実施できる。
G…路面、L…白線、O1…回転用プーリの回転中心、O2…揺動用プーリの回転中心、JE…噴射体領域、VE…バキューム領域、Or…オリフィス部、
90,150…噴水軌道、91a,91b,151a,151b…幅方向両端部、
100,200…路面用噴水型除去装置、101…噴射体、102…高圧送水ポンプ、103…送水ホース、104…噴水ノズル、105…噴射体保持体、106…回転用プーリ、106a…嵌合孔、106b…エア導入孔、107…ウエイト保持体、108…ウエイト、109…ベアリング、110…平ベルト、111…回転駆動用プーリ、112…回転駆動用モータ、113…支持台、
114…揺動用プーリ、115…ベアリング、116…平ベルト、117…揺動駆動用プーリ、118…揺動駆動用モータ、119…カラー、120…内スカート、120a…固定側内スカート、120b…可動側内スカート、121…固定ボルト、122…プーリホルダ、
123…移動体、124…載置板、125…把持棒、126a…前輪、126b…後輪、127…移動駆動用モータ、128…外スカート、
129…排出ダクト、130…バキューム装置、131…テンショナ、132…外筐、133…制御ボックス、
140…制御部、141…操作スイッチ、142…表示装置、
161…揺動用ベース、162…転動ベアリング、163…転動レール、164…連結片、165…揺動機構、166…偏芯片、167…揺動棒、168…支持柱。
90,150…噴水軌道、91a,91b,151a,151b…幅方向両端部、
100,200…路面用噴水型除去装置、101…噴射体、102…高圧送水ポンプ、103…送水ホース、104…噴水ノズル、105…噴射体保持体、106…回転用プーリ、106a…嵌合孔、106b…エア導入孔、107…ウエイト保持体、108…ウエイト、109…ベアリング、110…平ベルト、111…回転駆動用プーリ、112…回転駆動用モータ、113…支持台、
114…揺動用プーリ、115…ベアリング、116…平ベルト、117…揺動駆動用プーリ、118…揺動駆動用モータ、119…カラー、120…内スカート、120a…固定側内スカート、120b…可動側内スカート、121…固定ボルト、122…プーリホルダ、
123…移動体、124…載置板、125…把持棒、126a…前輪、126b…後輪、127…移動駆動用モータ、128…外スカート、
129…排出ダクト、130…バキューム装置、131…テンショナ、132…外筐、133…制御ボックス、
140…制御部、141…操作スイッチ、142…表示装置、
161…揺動用ベース、162…転動ベアリング、163…転動レール、164…連結片、165…揺動機構、166…偏芯片、167…揺動棒、168…支持柱。
Claims (8)
- 路面上の被除去物に水を噴射して除去する路面用噴水型除去装置であって、
前記路面に対向配置されて同路面に向けて水を噴射する噴射体と、
筒状に形成されて少なくとも前記路面における前記水が噴射される部分の周囲を包囲する外スカートと、
前記外スカートに接続されて同外スカートの内側領域に負圧を発生させるバキューム手段と、
前記外スカートの内側領域を前記噴射体が存在する噴射体領域と同噴射体領域にオリフィス部を介して連通した状態で前記バキューム手段に連通するバキューム領域とに区分けする内スカートと、
前記噴射体領域内に空気を導入するためのエア導入手段とを備えたことを特徴とする路面用噴水型除去装置。 - 請求項1に記載した路面用噴水型除去装置において、
前記オリフィス部は、
前記内スカートの下端部と前記路面との隙間によって形成されることを特徴とする路面用噴水型除去装置。 - 請求項2に記載した路面用噴水型除去装置において、
前記外スカートは、
下端部が前記路面に対して前記内スカートと前記路面との間に形成した隙間より狭い隙間を介して位置することを特徴とする路面用噴水型除去装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載した路面用噴水型除去装置において、
前記オリフィス部は、
前記バキューム領域と前記噴射体領域とを連通する部分の面積が、前記バキューム手段が前記バキューム領域に連通する部分の面積の1.5倍以下であることを特徴とする路面用噴水型除去装置。 - 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載した路面用噴水型除去装置において、
前記バキューム領域は、前記噴射体に対して前記路面用噴水型除去装置の進行方向後ろ側を含んで形成されることを特徴とする路面用噴水型除去装置。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載した路面用噴水型除去装置において、さらに、
前記噴射体を保持する噴射体保持手段が前記噴射体領域の上方に設けられ、
前記エア導入手段は、
前記噴射体保持手段に前記噴射体領域に連通した状態で設けられて同噴射体領域に外気を導入する貫通孔によって構成されていることを特徴とする路面用噴水型除去装置。 - 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載した路面用噴水型除去装置において、
前記内スカートは、前記路面に対して長さが伸縮可能であることを特徴とする路面用噴水型除去装置。 - 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載した路面用噴水型除去装置において、さらに、
前記噴射体を前記路面に沿って移動させる噴射体移動手段を備え、
前記噴射体移動手段は、
前記路面上を転がる3つの車輪を有していることを特徴とする路面用噴水型除去装置。
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