JP2012154190A - 車両のエンジン制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクセルとブレーキの両方が踏み込まれた場合にエンジンの出力を制限する出力制限制御を実行するシステムの安全性とドライバビリティを両立させる。
【解決手段】アクセルセンサ31とブレーキスイッチ32の出力信号に基づいて、アクセル操作が検出された後にブレーキ操作が検出されてアクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合と、ブレーキ操作が検出された後にアクセル操作が検出されてアクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合との間で、出力制限制御の実行条件や制御量を変更する。これにより、アクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合に、アクセル操作とブレーキ操作の検出順序に応じて出力制限制御の実行条件や制御量を適正に変更して、アクセル操作とブレーキ操作の検出順序に応じた適正な条件で出力制限制御を実行することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、アクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態(アクセルとブレーキの両方が踏み込まれた状態)になった場合にエンジンの出力を制限する機能を備えた車両のエンジン制御装置に関する発明である。
運転者が間違えてアクセルペダルとブレーキペダルを同時に踏み込むことに起因する車両の暴走を防ぐことを目的として、例えば、特許文献1(特開2005−291030号公報)には、ブレーキペダルの踏み込み量が所定値(意図的なアクセルペダル及びブレーキペダルの同時踏み込みに対応した値)以上であるときに、エンジンを強制的にアイドル状態にすることが記載されている。
また、特許文献2(特表平2−502558号公報)には、ブレーキとアクセルが同時に操作されたときに駆動出力を所定の小さい値に減少させる安全回路において、ブレーキの操作が検出されても、運転者が新たにアクセルペダルを踏み込んだことをアクセルセンサの出力の時間微分値により検出したときには、安全回路を作動させないようにすることが記載されている。
また、特許文献3(US6881174号公報)には、ブレーキとアクセルが同時に操作されたときにそれぞれの操作量に基づいてブレーキ要求がアクセル要求より大きいと判断した場合に、エンジン出力を抑制することが記載されている。
特開2005−291030号公報 特表平2−502558号公報 US6881174号公報
ところで、アクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態(アクセルとブレーキの両方が踏み込まれた状態)になった場合にエンジンの出力を制限する出力制限制御を実行する機能を備えた車両において、アクセル操作が検出された後にブレーキ操作が検出されてアクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合(アクセル先踏みの両踏み時)には、先にアクセルが踏み込まれて加速した状態からブレーキが踏み込まれるため、両踏み状態になった時点で既に加速度が大きい可能性が高く、また、アクセルの故障や引っ掛かり等によりアクセルが踏み込み状態に維持されたアクセル異常状態からブレーキが踏み込まれた可能性もあるため、速やかに出力制限制御を実行して安全性を確保する必要がある。
一方、ブレーキ操作が検出された後にアクセル操作が検出されてアクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合(ブレーキ先踏みの両踏み時)には、先にブレーキが踏み込まれて減速した状態からアクセルが踏み込まれるため、両踏み状態になった時点ではまだ加速度が小さい可能性が高く、時間的に余裕を持って出力制限制御を実行しても安全性を確保できる。また、坂道発進時やダウンシフト時等に運転者が意図的にブレーキを踏み込みながらアクセルを踏み込んだ可能性もあるため、アクセル先踏みの両踏み時と全く同じ条件で出力制限制御を実行すると、運転者の意図に反してエンジンの出力が低下し過ぎて、ドライバビリティが悪化してしまう可能性がある。
しかし、従来技術では、これらの事情が全く考慮されておらず、アクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態(アクセルとブレーキの両方が踏み込まれた状態)になった場合に、アクセル操作とブレーキ操作の検出順序に応じた適正な条件で出力制限制御を実行することができず、安全性とドライバビリティを両立させることができない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、アクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合に、アクセル操作とブレーキ操作の検出順序に応じた適正な条件で出力制限制御を実行することができ、安全性とドライバビリティを両立させることができる車両のエンジン制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車両の駆動源としてエンジンを搭載した車両のエンジン制御装置において、アクセル操作を検出するアクセル操作検出手段と、ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、アクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合にエンジンの出力を制限する出力制限制御を実行する出力制御手段とを備え、この出力制御手段は、アクセル操作とブレーキ操作の検出順序に応じて出力制限制御の実行条件と制御量のうちの少なくとも一方を変更するようにしたものである。
この構成では、アクセル操作が検出された後にブレーキ操作が検出されてアクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合(アクセル先踏みの両踏み時)と、ブレーキ操作が検出された後にアクセル操作が検出されてアクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合(ブレーキ先踏みの両踏み時)との間で、出力制限制御の実行条件や制御量を変更することができる。これにより、アクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合に、アクセル操作とブレーキ操作の検出順序に応じて出力制限制御の実行条件や制御量を適正に変更して、アクセル操作とブレーキ操作の検出順序に応じた適正な条件で出力制限制御を実行することができ、安全性とドライバビリティを両立させることができる。
この場合、請求項2のように、出力制限制御の実行条件として、アクセル操作が検出された状態の継続時間、ブレーキ操作が検出された状態の継続時間、車速、エンジン回転速度、アクセル操作量、シフト位置のうちの少なくとも1つに関する条件を変更するようにしても良い。つまり、出力制限制御の実行条件として、アクセル操作が検出された状態の継続時間やブレーキ操作が検出された状態の継続時間に関する条件を変更することで、出力制限制御が開始されるまでのディレイ時間を変更することができる。また、出力制限制御の実行条件として、車速、エンジン回転速度、アクセル操作量、シフト位置に関する条件を変更することで、出力制限制御が実行される運転領域を変更することができる。
また、本発明は、アクセルペダルとスロットルバルブを機械的に連結したメカスロットルを備えたシステムにも適用可能であるが、モータ等のスロットルアクチュエータでスロットルバルブの開度を制御する電子スロットルを備えたシステムに適用する場合には、請求項3のように、出力制限制御としてエンジンのスロットル開度(スロットルバルブの開度)を所定の徐変量ずつ減少させて所定の制限値以下に制限する制御を実行し、出力制限制御の制御量としてスロットル開度の徐変量と制限値のうちの少なくとも一方を変更するようにしても良い。このようにすれば、出力制限制御(スロットル開度を制限する制御)による出力の低下速度や低下量を変更することができる。
図1は本発明の一実施例におけるエンジン制御システムの概略構成を示す図である。 図2は出力制限制御の実行条件の変更方法を説明する図である。 図3は出力制限制御の制御量の変更方法を説明する図である。 図4はアクセル・ブレーキ両踏み判定ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図5は目標スロットル開度演算ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図6はアクセル先踏みの両踏み時の出力制限制御の実行例を説明するタイムチャートである。 図7はブレーキ先踏みの両踏み時の出力制限制御の実行例を説明するタイムチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
車両には、駆動源として内燃機関であるエンジン11が搭載されている。このエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
更に、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、各気筒の吸気マニホールド20の吸気ポート近傍に、それぞれ吸気ポートに向けて燃料を噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各気筒の点火プラグ22の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
一方、エンジン11の排気管23には、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ24(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられ、この排出ガスセンサ24の下流側に、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒25が設けられている。
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ26や、ノッキングを検出するノックセンサ27が取り付けられている。また、クランク軸28の外周側には、クランク軸28が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ29が取り付けられ、このクランク角センサ29の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
車両には、アクセル操作量(アクセル開度)を検出するアクセルセンサ31(アクセル操作検出手段)と、ブレーキ操作/解除に応じてオン/オフするブレーキスイッチ32(ブレーキ操作検出手段)と、車速を検出する車速センサ33と、シフトレバーの操作位置(シフト位置)を検出するシフトスイッチ34等が搭載されている。
これら各種センサやスイッチの出力は、電子制御回路(以下「ECU」と表記する)30に入力される。このECU30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御用のプログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて、燃料噴射量、点火時期、スロットル開度(吸入空気量)等を制御してエンジン11の出力を制御する。その際、ECU30は、アクセルセンサ31で検出したアクセル開度(アクセル操作量)等に基づいて目標スロットル開度を算出し、スロットル開度センサ17で検出したスロットル開度が目標スロットル開度となるようにモータ15を制御する。
また、ECU30は、後述する図4及び図5の各ルーチンを実行することで出力制御手段として機能し、アクセルセンサ31とブレーキスイッチ32の出力信号に基づいて、アクセルとブレーキの両方が踏み込まれた状態(アクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態)になったと判断した場合に、エンジン11の出力を制限する出力制限制御を実行する。本実施例では、出力制限制御として、スロットル開度を所定の徐変量ずつ減少させて所定の制限値以下に制限する制御を実行する。
ところで、アクセル操作が検出された後にブレーキ操作が検出されてアクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合(アクセル先踏みの両踏み時)には、先にアクセルが踏み込まれて加速した状態からブレーキが踏み込まれるため、両踏み状態になった時点で既に加速度が大きい可能性が高く、また、アクセルの故障や引っ掛かり等によりアクセルが踏み込み状態に維持されたアクセル異常状態からブレーキが踏み込まれた可能性もあるため、速やかに出力制限制御を実行して安全性を確保する必要がある。
一方、ブレーキ操作が検出された後にアクセル操作が検出されてアクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合(ブレーキ先踏みの両踏み時)には、先にブレーキが踏み込まれて減速した状態からアクセルが踏み込まれるため、両踏み状態になった時点ではまだ加速度が小さい可能性が高く、時間的に余裕を持って出力制限制御を実行しても安全性を確保できる。また、坂道発進時やダウンシフト時等に運転者が意図的にブレーキを踏み込みながらアクセルを踏み込んだ可能性もあるため、アクセル先踏みの両踏み時と全く同じ条件で出力制限制御を実行すると、運転者の意図に反してエンジンの出力が低下し過ぎて、ドライバビリティが悪化してしまう可能性がある。
そこで、ECU30は、アクセル操作とブレーキ操作の検出順序に応じて出力制限制御の実行条件と制御量を変更する。ここで、図2に示すように、出力制限制御の実行条件として、アクセルON時間(アクセル操作が検出された状態の継続時間)の条件、ブレーキON時間(ブレーキ操作が検出された状態の継続時間)の条件、車速の条件、エンジン回転速度の条件、アクセル開度(アクセル操作量)の条件、シフト位置の条件を変更する。また、図3に示すように、出力制限制御の制御量として、スロットル開度の徐変量と制限値を変更する。
具体的には、(A)アクセル先踏みの両踏み時(アクセル操作が検出された後にブレーキ操作が検出されてアクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合)には、出力制限制御の実行条件(図2参照)と出力制限制御の制御量(図3参照)を次のように設定する。
[実行条件]
(1) アクセル先踏みの両踏み時には、出力制限制御の実行条件の1つであるアクセルON時間の条件が成立しているか否かを、アクセルON時間が判定値AC1 以上であるか否かによって判定する。この際、判定値AC1 をブレーキ先踏みの両踏み時の判定値AC2 よりも短い値に設定する。これにより、出力制限制御が開始されるまでのディレイ時間を短くして、早期に出力制限制御を実行できるようにして、安全性を高めることができるようにする。
(2) アクセル先踏みの両踏み時には、出力制限制御の実行条件の1つであるブレーキON時間の条件が成立しているか否かを、ブレーキON時間が判定値BC1 以上であるか否かによって判定する。この際、判定値BC1 をブレーキ先踏みの両踏み時の判定値BC2 よりも短い値に設定する。これにより、出力制限制御が開始されるまでのディレイ時間を短くして、早期に出力制限制御を実行できるようにして、安全性を高めることができるようにする。
(3) アクセル先踏みの両踏み時には、出力制限制御の実行条件の1つである車速の条件が成立しているか否かを、車速が判定値SPD1 以上であるか否かによって判定する。この際、判定値SPD1 をブレーキ先踏みの両踏み時の判定値SPD2 よりも低い値に設定する。これにより、低速領域から出力制限制御を実行できるようにして、安全性を高めることができるようにする。
(4) アクセル先踏みの両踏み時には、出力制限制御の実行条件の1つであるエンジン回転速度の条件が成立しているか否かを、エンジン回転速度が判定値NE1 以上であるか否かによって判定する。この際、判定値NE1 をブレーキ先踏みの両踏み時の判定値NE2 よりも低い値に設定する。これにより、低回転領域から出力制限制御を実行できるようにして、安全性を高めることができるようにする。
(5) アクセル先踏みの両踏み時には、出力制限制御の実行条件の1つであるアクセル開度の条件が成立しているか否かを、アクセル開度が判定値AP1 以上であるか否かによって判定する。この際、判定値AP1 をブレーキ先踏みの両踏み時の判定値AP2 よりも小さい値に設定する。これにより、低アクセル開度領域から出力制限制御を実行できるようにして、安全性を高めることができるようにする。
(6) アクセル先踏みの両踏み時には、出力制限制御の実行条件の1つであるシフト位置の条件が成立しているか否かを、シフト位置が判定値SP1 以上であるか否かによって判定する。この際、判定値SP1 をブレーキ先踏みの両踏み時の判定値SP2 よりも低い値(ローギヤ側のシフト位置)に設定する。これにより、低シフト位置領域から出力制限制御を実行できるようにして、安全性を高めることができるようにする。
[制御量]
(a) アクセル先踏みの両踏み時には、出力制限制御(スロットル開度を制限する制御)を実行する際のスロットル開度の徐変量kTADP1 をブレーキ先踏みの両踏み時の徐変量kTADP2 よりも大きい値に設定する。これにより、スロットル開度を速やかに減少させて、エンジン11の出力を速やかに低下させることができるようにして、安全性を高めることができるようにする。
(b) アクセル先踏みの両踏み時には、出力制限制御(スロットル開度を制限する制御)を実行する際のスロットル開度の制限値kTADPG1 をブレーキ先踏みの両踏み時の制限値kTADPG2 よりも小さい値(例えば全閉付近)に設定する。これにより、エンジン11の出力の低下量を大きくして、減速度を大きくできるようにして、安全性を高めることができるようにする。
一方、(B)ブレーキ先踏みの両踏み時(ブレーキ操作が検出された後にアクセル操作が検出されてアクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合)には、出力制限制御の実行条件(図2参照)と出力制限制御の制御量(図3参照)を次のように設定する。
[実行条件]
(1) ブレーキ先踏みの両踏み時には、出力制限制御の実行条件の1つであるアクセルON時間の条件が成立しているか否かを、アクセルON時間が判定値AC2 以上であるか否かによって判定する。この際、判定値AC2 をアクセル先踏みの両踏み時の判定値AC1 よりも長い値に設定する。これにより、出力制限制御が開始されるまでのディレイ時間を長くして、時間的に余裕を持って出力制限制御を実行できるようにして、坂道発進時やダウンシフト時等に運転者が意図的にブレーキを踏み込みながらアクセルを踏み込んだ場合に出力制限制御が実行されることを回避できるようにする。
(2) ブレーキ先踏みの両踏み時には、出力制限制御の実行条件の1つであるブレーキON時間の条件が成立しているか否かを、ブレーキON時間が判定値BC2 以上であるか否かによって判定する。この際、判定値BC2 をアクセル先踏みの両踏み時の判定値BC1 よりも長い値に設定する。これにより、出力制限制御が開始されるまでのディレイ時間を長くして、時間的に余裕を持って出力制限制御を実行できるようにして、坂道発進時やダウンシフト時等に運転者が意図的にブレーキを踏み込みながらアクセルを踏み込んだ場合に出力制限制御が実行されることを回避できるようにする。
(3) ブレーキ先踏みの両踏み時には、出力制限制御の実行条件の1つである車速の条件が成立しているか否かを、車速が判定値SPD2 以上であるか否かによって判定する。この際、判定値SPD2 をアクセル先踏みの両踏み時の判定値SPD1 よりも高い値に設定する。これにより、低速領域では出力制限制御を実行しないようにして、坂道発進時等に運転者が意図的にブレーキを踏み込みながらアクセルを踏み込んだ場合に出力制限制御が実行されることを回避できるようにする。
(4) ブレーキ先踏みの両踏み時には、出力制限制御の実行条件の1つであるエンジン回転速度の条件が成立しているか否かを、エンジン回転速度が判定値NE2 以上であるか否かによって判定する。この際、判定値NE2 をアクセル先踏みの両踏み時の判定値NE1 よりも高い値に設定する。これにより、低回転領域では出力制限制御を実行しないようにして、坂道発進時等に運転者が意図的にブレーキを踏み込みながらアクセルを踏み込んだ場合に出力制限制御が実行されることを回避できるようにする。
(5) ブレーキ先踏みの両踏み時には、出力制限制御の実行条件の1つであるアクセル開度の条件が成立しているか否かを、アクセル開度が判定値AP2 以上であるか否かによって判定する。この際、判定値AP2 をアクセル先踏みの両踏み時の判定値AP1 よりも大きい値に設定する。これにより、低アクセル開度領域では出力制限制御を実行しないようにして、坂道発進時やダウンシフト時等に運転者が意図的にブレーキを踏み込みながらアクセルを踏み込んだ場合に出力制限制御が実行されることを回避できるようにする。
(6) ブレーキ先踏みの両踏み時には、出力制限制御の実行条件の1つであるシフト位置の条件が成立しているか否かを、シフト位置が判定値SP2 以上であるか否かによって判定する。この際、判定値SP2 をアクセル先踏みの両踏み時の判定値SP1 よりも高い値(ハイギヤ側のシフト位置)に設定する。これにより、低シフト位置領域では出力制限制御を実行しないようして、坂道発進時等に運転者が意図的にブレーキを踏み込みながらアクセルを踏み込んだ場合に出力制限制御が実行されることを回避できるようにする。
[制御量]
(a) ブレーキ先踏みの両踏み時には、出力制限制御(スロットル開度を制限する制御)を実行する際のスロットル開度の徐変量kTADP2 をアクセル先踏みの両踏み時の徐変量kTADP1 よりも小さい値に設定する。これにより、スロットル開度をゆっくりと減少させて、エンジン11の出力をゆっくりと低下させることができるようにすると共に、坂道発進時やダウンシフト時等に運転者が意図的にブレーキを踏み込みながらアクセルを踏み込んだ場合に出力制限制御が実行されても、その影響を小さくできるようにする。
(b) ブレーキ先踏みの両踏み時には、出力制限制御(スロットル開度を制限する制御)を実行する際のスロットル開度の制限値kTADPG2 をアクセル先踏みの両踏み時の制限値kTADPG1 よりも大きい値(例えば坂道発進可能な開度)に設定する。これにより、エンジン11の出力の低下量を小さくして、減速度を小さくできるようにすると共に、坂道発進時やダウンシフト時等に運転者が意図的にブレーキを踏み込みながらアクセルを踏み込んだ場合に出力制限制御が実行されても、その影響を小さくできるようにする。
以上のようにすれば、アクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合に、アクセル操作とブレーキ操作の検出順序に応じて出力制限制御の実行条件や制御量を適正に変更して、アクセル操作とブレーキ操作の検出順序に応じた適正な条件で出力制限制御を実行することができる。
以上説明した出力制限制御は、ECU30によって図4及び図5の各ルーチンに従って実行される。以下、これらの各ルーチンの処理内容を説明する。
[アクセル・ブレーキ両踏み判定ルーチン]
図4に示すアクセル・ブレーキ両踏み判定ルーチンは、ECU30の電源オン期間中(イグニッションスイッチのオン期間中)に所定周期で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、アクセルセンサ31、ブレーキスイッチ32、車速センサ33、シフトスイッチ34等の出力信号を読み込む。
この後、ステップ102に進み、ブレーキONであるか否かを、ブレーキスイッチ32がオン(ブレーキ操作が検出された状態)であるか否かによって判定する。このステップ102で、ブレーキONであると判定された場合には、ステップ103に進み、ブレーキON時間(ブレーキ操作が検出された状態の継続時間)を計測するブレーキONカウンタのカウント値を「1」ずつカウントアップする。一方、上記ステップ102で、ブレーキONではない(ブレーキOFFである)と判定された場合には、ステップ104に進み、ブレーキONカウンタのカウント値を「0」にリセットする。
この後、ステップ105に進み、アクセルONであるか否かを、アクセルセンサ31で検出したアクセル開度が所定値(例えば全閉位置より少し大きい値)以上であるか否かによって判定する。このステップ105で、アクセルONであると判定された場合には、ステップ106に進み、アクセルON時間(アクセル操作が検出された状態の継続時間)を計測するアクセルONカウンタのカウント値を「1」ずつカウントアップする。一方、上記ステップ105で、アクセルONではない(アクセルOFFである)と判定された場合には、ステップ107に進み、アクセルONカウンタのカウント値を「0」にリセットする。
この後、ステップ108に進み、ブレーキON且つアクセルONであるか否かによって、アクセルとブレーキの両方が踏み込まれた状態(アクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態)であるか否かを判定する。
このステップ108で、ブレーキON且つアクセルONではないと判定された場合(つまりブレーキOFF又はアクセルOFFと判定された場合)には、ステップ109に進み、出力制限制御フラグを「0」にリセットして、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ108で、ブレーキON且つアクセルONであると判定された場合には、アクセルとブレーキの両方が踏み込まれた状態(アクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態)であると判断して、ステップ110に進み、アクセルONカウンタのカウント値がブレーキONカウンタのカウント値よりも大きいか否かによって、アクセル先踏みの両踏み時であるか否かを判定する。
このステップ110で、アクセルONカウンタのカウント値がブレーキONカウンタのカウント値よりも大きいと判定された場合には、アクセル先踏みの両踏み時であると判断して、ステップ111に進み、アクセル先踏みフラグを「1」にセットした後、ステップ112に進み、アクセル先踏みの両踏み時の出力制限制御の実行条件として、例えば、次の(1) 〜(6) の条件が成立しているか否かを判定する。
(1) アクセルONカウンタのカウント値(つまりアクセルON時間)が判定値AC1 以上であること
(2) ブレーキONカウンタのカウント値(つまりブレーキON時間)が判定値BC1 以上であること
(3) 車速が判定値SPD1 以上であること
(4) エンジン回転速度が判定値NE1 以上であること
(5) アクセル開度が判定値AP1 以上であること
(6) シフト位置が判定値SP1 以上であること
ここで、上記(1) の条件の判定値AC1 はブレーキ先踏みの両踏み時の判定値AC2 よりも短い値(例えば500msec)に設定され、上記(2) の条件の判定値BC1 はブレーキ先踏みの両踏み時の判定値BC2 よりも短い値(例えば500msec)に設定されている。また、上記(3) の条件の判定値SPD1 はブレーキ先踏みの両踏み時の判定値SPD2 よりも低い値に設定され、上記(4) の条件の判定値NE1 はブレーキ先踏みの両踏み時の判定値NE2 よりも低い値に設定されている。更に、上記(5) の条件の判定値AP1 はブレーキ先踏みの両踏み時の判定値AP2 よりも小さい値に設定され、上記(6) の条件の判定値SP1 はブレーキ先踏みの両踏み時の判定値SP2 よりも低い値に設定されている。
上記(1) 〜(6) の条件が全て成立していれば、アクセル先踏みの両踏み時の出力制限制御の実行条件が成立するが、上記(1) 〜(6) の条件のうちのいずれか1つでも満たさない条件があれば、アクセル先踏みの両踏み時の出力制限制御の実行条件が不成立となる。
尚、アクセル先踏みの両踏み時の出力制限制御の実行条件の判定方法は、適宜変更しても良く、例えば、上記(1) 〜(6) の条件のうちの1つ又は2つ以上を用いて実行条件が成立しているか否かを判定するようにしても良い。
このステップ112で、アクセル先踏みの両踏み時の出力制限制御の実行条件が成立していると判定された場合には、ステップ113に進み、出力制限制御フラグを「1」にセットして、本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ110で、アクセルONカウンタのカウント値がブレーキONカウンタのカウント値以下であると判定された場合には、ブレーキ先踏みの両踏み時であると判断して、ステップ114に進み、アクセル先踏みフラグを「0」にリセットした後、ステップ115に進み、ブレーキ先踏みの両踏み時の出力制限制御の実行条件として、例えば、次の(1) 〜(6) の条件が成立しているか否かを判定する。
(1) アクセルONカウンタのカウント値(つまりアクセルON時間)が判定値AC2 以上であること
(2) ブレーキONカウンタのカウント値(つまりブレーキON時間)が判定値BC2 以上であること
(3) 車速が判定値SPD2 以上であること
(4) エンジン回転速度が判定値NE2 以上であること
(5) アクセル開度が判定値AP2 以上であること
(6) シフト位置が判定値SP2 以上であること
ここで、上記(1) の条件の判定値AC2 はアクセル先踏みの両踏み時の判定値AC1 よりも長い値(例えば2000msec)に設定され、上記(2) の条件の判定値BC2 はアクセル先踏みの両踏み時の判定値BC1 よりも長い値(例えば2000msec)に設定されている。また、上記(3) の条件の判定値SPD2 はアクセル先踏みの両踏み時の判定値SPD1 よりも高い値に設定され、上記(4) の条件の判定値NE2 はアクセル先踏みの両踏み時の判定値NE1 よりも高い値に設定されている。更に、上記(5) の条件の判定値AP2 はアクセル先踏みの両踏み時の判定値AP1 よりも大きい値に設定され、上記(6) の条件の判定値SP2 はアクセル先踏みの両踏み時の判定値SP1 よりも高い値に設定されている。
上記(1) 〜(6) の条件が全て成立していれば、ブレーキ先踏みの両踏み時の出力制限制御の実行条件が成立するが、上記(1) 〜(6) の条件のうちのいずれか1つでも満たさない条件があれば、ブレーキ先踏みの両踏み時の出力制限制御の実行条件が不成立となる。
尚、ブレーキ先踏みの両踏み時の出力制限制御の実行条件の判定方法は、適宜変更しても良く、例えば、上記(1) 〜(6) の条件のうちの1つ又は2つ以上を用いて実行条件が成立しているか否かを判定するようにしても良い。
このステップ115で、ブレーキ先踏みの両踏み時の出力制限制御の実行条件が成立していると判定された場合には、ステップ116に進み、出力制限制御フラグを「1」にセットして、本ルーチンを終了する。
[目標スロットル開度演算ルーチン]
図5に示す目標スロットル開度演算ルーチンは、ECU30の電源オン期間中(イグニッションスイッチのオン期間中)に所定周期で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、出力制限制御フラグ=1であるか否かを判定し、出力制限制御フラグ=1と判定された場合には、ステップ202に進み、出力制限制御フラグが「0」から「1」に切り換わった直後(出力制限制御フラグが「0」から「1」に切り換わってから最初の演算タイミング)であるか否かを判定する。
このステップ202で、出力制限制御フラグが「0」から「1」に切り換わった直後であると判定された場合には、ステップ203に進み、出力制限制御開度(出力制限制御を実行するためのスロットル開度)がアクセル要求開度(アクセルセンサ31で検出したアクセル開度に応じたスロットル開度)よりも大きいか否かを判定し、出力制限制御開度がアクセル要求開度よりも大きいと判定されれば、ステップ204に進み、出力制限制御開度をアクセル要求開度と同じ値に設定する。
この後、ステップ205に進み、アクセル先踏みフラグ=1であるか否かを判定し、このステップ205で、アクセル先踏みフラグ=1と判定された場合には、アクセル先踏みの両踏み時であると判断して、ステップ206に進み、前回の出力制限制御開度[i-1] から徐変量kTADP1 だけ減少させて今回の出力制限制御開度[i] を求める処理を、出力制限制御開度が制限値kTADPG1 になるまで繰り返すことで、出力制限制御開度を徐変量kTADP1 ずつ減少させて制限値kTADPG1 まで減少させる。
ここで、徐変量kTADP1 はブレーキ先踏みの両踏み時の徐変量kTADP2 よりも大きい値に設定され、制限値kTADPG1 はブレーキ先踏みの両踏み時の制限値kTADPG2 よりも小さい値(例えば全閉付近)に設定されている。
この後、ステップ209に進み、出力制限制御開度とアクセル要求開度とを比較して出力制限制御開度とアクセル要求開度のうちの小さい方を目標スロットル開度として採用する。これにより、アクセル先踏みの両踏み時には、目標スロットル開度を徐変量kTADP1 ずつ減少させて制限値kTADPG1 以下に制限することで、スロットル開度を徐変量kTADP1 ずつ減少させて制限値kTADPG1 以下に制限する出力制限制御を実行する。
これに対して、上記ステップ205で、アクセル先踏みフラグ=0と判定された場合には、ブレーキ先踏みの両踏み時であると判断して、ステップ207に進み、前回の出力制限制御開度[i-1] から徐変量kTADP2 だけ減少させて今回の出力制限制御開度[i] を求める処理を、出力制限制御開度が制限値kTADPG2 になるまで繰り返すことで、出力制限制御開度を徐変量kTADP2 ずつ減少させて制限値kTADPG2 まで減少させる。
ここで、徐変量kTADP2 はアクセル先踏みの両踏み時の徐変量kTADP1 よりも小さい値に設定され、制限値kTADPG2 はアクセル先踏みの両踏み時の制限値kTADPG1 よりも大きい値(例えば坂道発進可能な開度)に設定されている。
この後、ステップ209に進み、出力制限制御開度とアクセル要求開度とを比較して出力制限制御開度とアクセル要求開度のうちの小さい方を目標スロットル開度として採用する。これにより、ブレーキ先踏みの両踏み時には、目標スロットル開度を徐変量kTADP2 ずつ減少させて制限値kTADPG2 以下に制限することで、スロットル開度を徐変量kTADP2 ずつ減少させて制限値kTADPG2 以下に制限する出力制限制御を実行する。
その後、上記ステップ201で、出力制限制御フラグ=0と判定された場合には、ステップ208に進み、前回の出力制限制御開度[i-1] から徐変量kTAADだけ増加させて今回の出力制限制御開度[i] を求める処理を、出力制限制御開度が全開相当値(例えば86deg)になるまで繰り返すことで、出力制限制御開度を徐変量kTAADずつ増加させて全開相当値まで増加させる。
この後、ステップ209に進み、出力制限制御開度とアクセル要求開度とを比較して出力制限制御開度とアクセル要求開度のうちの小さい方を目標スロットル開度として採用する。これにより、目標スロットル開度を徐変量kTAADずつ増加させてアクセル要求開度まで増加させることで、スロットル開度を徐変量kTAADずつ増加させてアクセル要求開度まで増加させる。
以上説明した本実施例の出力制限制御の実行例を図6及び図7のタイムチャートを用いて説明する。
図6の例では、まず、時刻t1 で、運転者がアクセルを踏み込み、その後、時刻t2 で、運転者がブレーキを踏み込んでブレーキスイッチ32がONされる。これにより、アクセルが踏み込まれた後にブレーキが踏み込まれてアクセルとブレーキの両方が踏み込まれた状態となるため、アクセル先踏みの両踏み時であると判断して、アクセル先踏みの両踏み時の出力制限制御の実行条件が成立しているか否かを判定する。
その後、例えば、アクセルON時間が判定値AC1 (例えば500msec)以上で且つブレーキON時間が判定値BC1 (例えば500msec)以上になった時点t3 で、アクセル先踏みの両踏み時の出力制限制御の実行条件が成立していると判断して、出力制限制御フラグを「1」にセットして、アクセル先踏みの両踏み時の出力制限制御を実行する。この際、判定値AC1 ,BC1 をブレーキ先踏みの両踏み時よりも短くするため、出力制限制御が開始されるまでのディレイ時間を短くして、早期に出力制限制御を実行することができ、安全性を高めることができる。
アクセル先踏みの両踏み時の出力制限制御では、出力制限制御開度をアクセル要求開度と同じ値に設定した後、出力制限制御開度を徐変量kTADP1 ずつ減少させて制限値kTADPG1 まで減少させることで、スロットル開度を徐変量kTADP1 ずつ減少させて制限値kTADPG1 以下に制限する。この際、徐変量kTADP1 をブレーキ先踏みの両踏み時よりも大きくするため、スロットル開度を速やかに減少させて、エンジン11の出力を速やかに低下させることができると共に、制限値kTADPG1 をブレーキ先踏みの両踏み時よりも小さくするため、エンジン11の出力の低下量を大きくして、減速度を大きくすることができ、安全性を高めることができる。
この後、時刻t4 で、運転者がブレーキ操作を解除してブレーキスイッチ32がOFFされると、出力制限制御フラグを「0」にリセットして、スロットル開度をアクセル要求開度まで増加させる。
一方、図7の例では、まず、時刻t1 で、運転者がブレーキを踏み込んでブレーキスイッチ32がONされ、その後、時刻t2 で、運転者がアクセルを踏み込む。これにより、ブレーキが踏み込まれた後にアクセルが踏み込まれてアクセルとブレーキの両方が踏み込まれた状態となるため、ブレーキ先踏みの両踏み時であると判断して、ブレーキ先踏みの両踏み時の出力制限制御の実行条件が成立しているか否かを判定する。
その後、例えば、アクセルON時間が判定値AC2 (例えば2000msec)以上で且つブレーキON時間が判定値BC2 (例えば2000msec)以上になった時点t3 で、ブレーキ先踏みの両踏み時の出力制限制御の実行条件が成立していると判断して、出力制限制御フラグを「1」にセットして、ブレーキ先踏みの両踏み時の出力制限制御を実行する。この際、判定値AC2 ,BC2 をアクセル先踏みの両踏み時よりも長くするため、出力制限制御が開始されるまでのディレイ時間を長くして、時間的に余裕を持って出力制限制御を実行することができ、坂道発進時やダウンシフト時等に運転者が意図的にブレーキを踏み込みながらアクセルを踏み込んだ場合に出力制限制御が実行されることを回避することが可能となる。
ブレーキ先踏みの両踏み時の出力制限制御では、出力制限制御開度をアクセル要求開度と同じ値に設定した後、出力制限制御開度を徐変量kTADP2 ずつ減少させて制限値kTADPG2 まで減少させることで、スロットル開度を徐変量kTADP2 ずつ減少させて制限値kTADPG2 以下に制限する。この際、徐変量kTADP2 をアクセル先踏みの両踏み時よりも小さくするため、スロットル開度をゆっくりと減少させて、エンジン11の出力をゆっくりと低下させることができると共に、制限値kTADPG2 をアクセル先踏みの両踏み時よりも大きくするため、エンジン11の出力の低下量を小さくして、減速度を小さくすることができ、坂道発進時やダウンシフト時等に運転者が意図的にブレーキを踏み込みながらアクセルを踏み込んだ場合に出力制限制御が実行されても、その影響を小さくできる。
この後、時刻t4 で、運転者がアクセル操作を解除すると、出力制限制御フラグを「0」にリセットして、スロットル開度をアクセル要求開度まで増加させる。
以上説明した本実施例では、アクセル操作が検出された後にブレーキ操作が検出されてアクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合(アクセル先踏みの両踏み時)と、ブレーキ操作が検出された後にアクセル操作が検出されてアクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合(ブレーキ先踏みの両踏み時)との間で、出力制限制御の実行条件や制御量を変更するようにしたので、アクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合に、アクセル操作とブレーキ操作の検出順序に応じて出力制限制御の実行条件や制御量を適正に変更して、アクセル操作とブレーキ操作の検出順序に応じた適正な条件で出力制限制御を実行することができ、安全性とドライバビリティを両立させることができる。
尚、上記実施例では、アクセル操作とブレーキ操作の検出順序に応じて、出力制限制御の実行条件[例えば上記(1) 〜(6) の条件]を全て変更するようにしたが、これに限定されず、出力制限制御の実行条件[例えば上記(1) 〜(6) の条件]のうちの1又は2つ以上を変更するようにしても良い。
また、上記実施例では、アクセル操作とブレーキ操作の検出順序に応じて、出力制限制御の制御量(スロットル開度の徐変量と制限値)を両方とも変更するようにしたが、これに限定されず、スロットル開度の徐変量と制限値のうちのいずれか一方のみを変更するようにしても良い。
また、上記実施例では、アクセル操作とブレーキ操作の検出順序に応じて、出力制限制御の実行条件と制御量を両方とも変更するようにしたが、これに限定されず、出力制限制御の実行条件と制御量のうちのいずれか一方のみを変更するようにしても良い。
また、上記実施例では、モータ等のスロットルアクチュエータでスロットルバルブの開度を制御する電子スロットルを備えたシステムに本発明を適用したが、これに限定されず、アクセルペダルとスロットルバルブを機械的に連結したメカスロットルを備えたシステムに本発明を適用しても良く、この場合、出力制限制御の際には、例えば、燃料噴射量や点火時期等によりエンジン11の出力を制限すると良い。
また、上記実施例では、ブレーキ操作検出手段として、ブレーキスイッチを備えたシステムに本発明を適用したが、これに限定されず、ブレーキスイッチに代えて、ブレーキ操作量を検出するブレーキセンサを備えたシステムに本発明を適用しても良い。
その他、本発明は、図1に示すような吸気ポート噴射式エンジンに限定されず、筒内噴射式エンジンや、吸気ポート噴射用の燃料噴射弁と筒内噴射用の燃料噴射弁の両方を備えたデュアル噴射式のエンジンにも適用して実施できる。
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、16…スロットルバルブ、21…燃料噴射弁、22…点火プラグ、23…排気管、30…ECU(出力制御手段)、31…アクセルセンサ(アクセル操作検出手段)、32…ブレーキスイッチ(ブレーキ操作検出手段)、33…車速センサ、34…シフトスイッチ

Claims (3)

  1. 車両の駆動源としてエンジンを搭載した車両のエンジン制御装置において、
    アクセル操作を検出するアクセル操作検出手段と、
    ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、
    前記アクセル操作と前記ブレーキ操作の両方が検出された状態になった場合に前記エンジンの出力を制限する出力制限制御を実行する出力制御手段とを備え、
    前記出力制御手段は、前記アクセル操作と前記ブレーキ操作の検出順序に応じて前記出力制限制御の実行条件と制御量のうちの少なくとも一方を変更することを特徴とする車両のエンジン制御装置。
  2. 前記出力制御手段は、前記出力制限制御の実行条件として、前記アクセル操作が検出された状態の継続時間、前記ブレーキ操作が検出された状態の継続時間、車速、エンジン回転速度、アクセル操作量、シフト位置のうちの少なくとも1つに関する条件を変更することを特徴とする請求項1に記載の車両のエンジン制御装置。
  3. 前記出力制御手段は、前記出力制限制御として前記エンジンのスロットル開度を所定の徐変量ずつ減少させて所定の制限値以下に制限する制御を実行し、前記出力制限制御の制御量として前記スロットル開度の徐変量と制限値のうちの少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両のエンジン制御装置。
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