JP5500085B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態(アクセルとブレーキの両方が踏み込まれた状態)になったときに駆動源の出力を制限する機能を備えた車両の制御装置に関する発明である。
運転者が間違えてアクセルペダルとブレーキペダルを同時に踏み込むことに起因する車両の暴走を防ぐことを目的として、例えば、特許文献1(特開2005−291030号公報)には、ブレーキペダルの踏み込み量が所定値(意図的なアクセルペダル及びブレーキペダルの同時踏み込みに対応した値)以上であるときに、エンジンを強制的にアイドル状態にすることが記載されている。
また、特許文献2(特表平2−502558号公報)には、ブレーキとアクセルが同時に操作されたときに駆動出力を所定の小さい値に減少させる安全回路において、ブレーキの操作が検出されても、運転者が新たにアクセルペダルを踏み込んだことをアクセルセンサの出力の時間微分値により検出したときには、安全回路を作動させないようにすることが記載されている。
また、特許文献3(US6881174号公報)には、ブレーキとアクセルが同時に操作されたときにそれぞれの操作量に基づいてブレーキ要求がアクセル要求より大きいと判断した場合に、エンジン出力を抑制することが記載されている。
特開2005−291030号公報 特表平2−502558号公報 US6881174号公報
ところで、アクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態(アクセルとブレーキの両方が踏み込まれた状態)になったときにエンジンの出力を制限する出力制限制御を実行する機能を備えた車両では、出力制限制御の実行中に運転者がIGスイッチ(イグニッションスイッチ)をオフする可能性もある。このような場合、次にIGスイッチがオンされたときに、システム起動時の初期化処理等によって出力制限制御が解除されるようにすると、出力制限制御を必要とする状況が継続していても、出力制限制御が一旦解除されるため、再び出力制限制御が開始されるまでに時間がかかってしまう。このため、出力制限制御の実行中に運転者がIGスイッチをオフした直後にオンした場合やIGスイッチをオフした後にディーラ等で修理する際にIGスイッチがオンされた場合に、出力制限制御を必要とする状況が継続していても、出力制限制御を速やかに開始することができず、車両の安全性を十分に高めることができない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、出力制限制御を実行する機能を備えた車両の安全性を高めることができる車両の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車両の駆動源としてエンジンとモータの少なくとも一方を搭載した車両の制御装置において、アクセル操作を検出するアクセル操作検出手段と、ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、アクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態になったときに駆動源の出力を制限する出力制限制御を実行する出力制御手段と、駆動源の制御システムをオン/オフするスイッチとを備え、出力制御手段は、出力制限制御を実行する制限制御モードのときにスイッチがオフされた場合には、次にスイッチがオンされたときに制限制御モードを継続するようにしたものである。
このように、出力制限制御を実行する制限制御モードのときにスイッチがオフされた場合には、次にスイッチがオンされたときに制限制御モードを継続するようにすれば、スイッチがオンされたときに出力制限制御を必要とする状況が継続していても、出力制限制御を速やかに開始することができ、制限制御モードでスイッチがオフされた後にオンされた場合の車両の安全性を高めることができる。
また、請求項2のように、アクセル操作に応じて駆動源の出力を制御する通常モードから制限制御モードへ移行する途中の段階である待機モードのときにスイッチがオフされた場合には、次にスイッチがオンされたときに待機モードを継続する又は制限制御モードへ移行するようにしても良い。このようにすれば、待機モードでスイッチがオフされた後にオンされた場合の車両の安全性も高めることができる。
更に、請求項3のように、制限制御モードからアクセル操作に応じて駆動源の出力を制御する通常モードへ移行する途中の段階である復帰制御モードのときにスイッチがオフされた場合には、次にスイッチがオンされたときに復帰制御モードを継続する又は制限制御モードへ移行するようにしても良い。このようにすれば、復帰制御モードでスイッチがオフされた後にオンされた場合の車両の安全性も高めることができる。
図1は本発明の実施例1におけるエンジン制御システムの概略構成を示す図である。 図2は出力制限制御の実行例を説明するタイムチャートである。 図3はメイン制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図4は初期化処理ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図5は実施例1の出力制限制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その1)である。 図6は実施例1の出力制限制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その2)である。 図7は実施例2の出力制限制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その1)である。 図8は実施例2の出力制限制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その2)である。
以下、本発明を実施するための形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図6に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
車両には、駆動源として内燃機関であるエンジン11が搭載されている。このエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
更に、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、各気筒の吸気マニホールド20の吸気ポート近傍に、それぞれ吸気ポートに向けて燃料を噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各気筒の点火プラグ22の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
一方、エンジン11の排気管23には、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ24(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられ、この排出ガスセンサ24の下流側に、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒25が設けられている。
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ26や、ノッキングを検出するノックセンサ27が取り付けられている。また、クランク軸28の外周側には、クランク軸28が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ29が取り付けられ、このクランク角センサ29の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
車両には、アクセル操作量(アクセル開度)を検出するアクセルセンサ31(アクセル操作検出手段)と、ブレーキ操作/解除に応じてオン/オフするブレーキスイッチ32(ブレーキ操作検出手段)と、車速を検出する車速センサ33等が搭載されている。また、車両には、エンジン制御システムをオン/オフするIGスイッチ(イグニッションスイッチ)34が設けられている。
これら各種センサやスイッチの出力は、電子制御回路(以下「ECU」と表記する)30に入力される。このECU30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御用のプログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて、燃料噴射量、点火時期、スロットル開度(吸入空気量)等を制御する。その際、ECU30は、アクセルセンサ31で検出したアクセル開度(アクセル操作量)に基づいてスロットル開度(吸入空気量)等を制御してエンジン11の出力を制御する。
また、ECU30は、後述する図3乃至図6の各ルーチンを実行することで出力制御手段として機能し、アクセルセンサ31とブレーキスイッチ32の出力信号に基づいて、アクセルとブレーキの両方が踏み込まれた状態(アクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態)になったと判断したときに、エンジン制御用のアクセル開度(エンジン11の制御に使用するアクセル開度)を制限することで、エンジン11の出力を制限する出力制限制御を実行する。
ところで、図2に示すように、出力制限制御の実行中に運転者がIGスイッチ34をオフ(OFF)する可能性もある。このような場合、図2に破線で示す比較例のように、次にIGスイッチ34がオン(ON)されたときに、システム起動時の初期化処理等によって出力制限制御が解除されるようにすると、出力制限制御を必要とする状況が継続していても、出力制限制御が一旦解除されるため、再び出力制限制御が開始されるまでに時間がかかってしまう。このため、出力制限制御の実行中に運転者がIGスイッチ34をオフした直後にオンした場合やIGスイッチ34をオフした後にディーラ等で修理する際にIGスイッチ34がオンされた場合に、出力制限制御を必要とする状況が継続していても、出力制限制御を速やかに開始することができず、車両の安全性を十分に高めることができない。
この対策として、本実施例1では、図2に実線で示すように、出力制限制御を実行する制限制御モードのときにIGスイッチ34がオフされた場合には、次にIGスイッチ34がオンされたときに制限制御モードを継続する。これにより、IGスイッチ34がオンされたときに出力制限制御を必要とする状況が継続していても、出力制限制御を速やかに開始することができる。
また、本実施例1では、実アクセル開度(アクセルセンサ31で検出したアクセル開度)に応じてエンジン11の出力を制御する通常モードから制限制御モードへ移行する途中の段階である待機モードのときにIGスイッチ34がオフされた場合には、次にIGスイッチ34がオンされたときに待機モードを継続し、制限制御モードから通常モードへ移行する途中の段階である復帰制御モードのときにIGスイッチ34がオフされた場合には、次にIGスイッチ34がオンされたときに復帰制御モードを継続する。
以下、本実施例1でECU30が実行する図3乃至図6の各ルーチンの処理内容を説明する。
[メイン制御ルーチン]
図3に示すメイン制御ルーチンは、ECU30の電源オン期間中(IGスイッチ34のオン期間中)に所定周期で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、IGスイッチ34がオフ(OFF)からオン(ON)に切り換えられた直後であるか否かを判定し、IGスイッチ34がオフからオンに切り換えられた直後であると判定された場合には、システム起動時(本ルーチンの最初の起動時)であると判断して、ステップ102に進み、後述する図4の初期化処理ルーチンを実行した後、ステップ103に進み、後述する図5及び図6の出力制限制御ルーチンを実行する。
その後、上記ステップ101で、IGスイッチ34がオフからオンに切り換えられた直後ではないと判定された場合には、ステップ101からステップ103に進み、後述する図5及び図6の出力制限制御ルーチンを実行する。
[初期化処理ルーチン]
図4に示す初期化処理ルーチンは、前記図3のメイン制御ルーチンのステップ102で実行されるサブルーチンである。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、ECU30のバックアップRAM(図示せず)等の書き換え可能な不揮発性メモリ(ECU30の電源オフ中でも記憶データを保持する書き換え可能なメモリ)に記憶されているモードフラグMode のセット値が「1」である(Mode =1である)か否かを判定する。ここで、Mode =1は通常モードであることを意味し、Mode =2は待機モードであることを意味する。また、Mode =3は制限制御モードであることを意味し、Mode =4は復帰制御モードであることを意味する。
このステップ201で、モードフラグMode =1(通常モード)であると判定された場合には、ステップ202に進み、ECU30のバックアップRAM等の不揮発性メモリに記憶されているモードフラグMode のセット値及び後述するカウンタC1 ,C2 のカウント値をそれぞれ初期値にリセットする。この場合、例えば、モードフラグMode を「1」にリセットし、カウンタC1 ,C2 をそれぞれ「0」にリセットする。
これに対して、上記ステップ201で、モードフラグMode =1(通常モード)ではないと判定された場合、つまり、モードフラグMode =2(待機モード)又はモードフラグMode =3(制限制御モード)又はモードフラグMode =4(復帰制御モード)であると判定された場合には、ECU30のバックアップRAM等の不揮発性メモリに記憶されているモードフラグMode のセット値及びカウンタC1 ,C2 のカウント値をリセットせずにそのまま保持する。
これにより、出力制限制御を実行する制限制御モード(Mode =3)のときにIGスイッチ34がオフされた場合には、次にIGスイッチ34がオンされたときに制限制御モード(Mode =3)を継続する。更に、待機モード(Mode =2)のときにIGスイッチ34がオフされた場合には、次にIGスイッチ34がオンされたときに待機モード(Mode =2)を継続し、復帰制御モード(Mode =4)のときにIGスイッチ34がオフされた場合には、次にIGスイッチ34がオンされたときに復帰制御モード(Mode =4)を継続する。
[出力制限制御ルーチン]
図5及び図6に示す出力制限制御ルーチンは、前記図3のメイン制御ルーチンのステップ103で実行されるサブルーチンである。尚、本ルーチンによって更新されるモードフラグMode のセット値及びカウンタC1 ,C2 のカウント値は、それぞれECU30のバックアップRAM等の不揮発性メモリに記憶される。
本ルーチンが起動されると、まず、ステップ301で、アクセルセンサ31で検出した実アクセル開度が所定開度cACCTHRESHよりも大きいか否かを判定し、実アクセル開度が所定開度cACCTHRESHよりも大きいと判定された場合には、ステップ302に進み、ブレーキスイッチ32がオン(ON)であるか否かを判定する。
上記ステップ301で実アクセル開度が所定開度cACCTHRESHよりも大きいと判定され且つ上記ステップ302でブレーキスイッチ32がオンであると判定された場合には、アクセルが所定開度cACCTHRESH以上踏み込まれた状態でブレーキも踏み込まれていると判断する。この場合、まず、ステップ303で、モードフラグMode =3(制限制御モード)であるか否かを判定し、モードフラグMode =3(制限制御モード)ではないと判定されれば、ステップ304に進み、モードフラグMode =4(復帰制御モード)であるか否かを判定し、モードフラグMode =4(復帰制御モード)ではないと判定されれば、ステップ305に進み、カウンタC1 のカウント値が所定値T1 を越えたか否かを判定する。
ここで、カウンタC1 は、上記ステップ301で実アクセル開度が所定開度cACCTHRESHよりも大きいと判定され且つ上記ステップ302でブレーキスイッチ32がオンであると判定されてからの経過時間(つまり上記ステップ301と上記ステップ302の両方で「Yes」と判定されてからの経過時間)をカウントするカウンタであり、上記ステップ301と上記ステップ302のいずれか一方で「No」と判定された時点で「0」にリセットされる。
このステップ305で、カウンタC1 のカウント値が所定値T1 を越えていないと判定された場合には、ステップ306に進み、モードフラグMode =2にセットして待機モードに移行する。この待機モード(Mode =2)では、ステップ307に進み、アクセルセンサ31で検出した実アクセル開度をそのままエンジン制御用のアクセル開度として採用し、このエンジン制御用のアクセル開度(=実アクセル開度)に応じてスロットル開度(吸入空気量)等を制御してエンジン11の出力を制御する。
その後、上記ステップ305で、カウンタC1 のカウント値が所定値T1 を越えたと判定された時点で、ステップ308に進み、モードフラグMode =3にセットして制限制御モードに移行する。この制限制御モード(Mode =3)では、ステップ309に進み、エンジン制御用のアクセル開度を所定の制限値cACCRESTに設定し、このエンジン制御用のアクセル開度(=cACCREST)を用いてエンジン11の出力を制御することで、エンジン11の出力を制限する出力制限制御を実行する。ここで、制限値cACCRESTは、例えば、アイドル運転時よりも少し大きいアクセル開度(ブレーキで車両を停止させることができる程度の出力に相当するアクセル開度)に設定される。
その後、上記ステップ303で、モードフラグMode =3(制限制御モード)であると判定された場合には、ステップ303からステップ309に進む。また、上記ステップ304で、モードフラグMode =4(復帰制御モード)であると判定された場合には、ステップ304からステップ308に進み、モードフラグMode =3にセットして制限制御モードに移行する。
一方、上記ステップ301で実アクセル開度が所定開度cACCTHRESH以下であると判定された場合、又は、上記ステップ302でブレーキスイッチ32がオフ(OFF)であると判定された場合には、図6のステップ310に進み、モードフラグMode =1(通常モード)であるか否かを判定し、モードフラグMode =1(通常モード)ではないと判定されれば、ステップ311に進み、モードフラグMode =2(待機モード)であるか否かを判定し、モードフラグMode =2(待機モード)ではないと判定されれば、ステップ312に進み、カウンタC2 のカウント値が所定値T2 を越えたか否かを判定する。
ここで、カウンタC2 は、上記ステップ301で実アクセル開度が所定開度cACCTHRESH以下であると判定されてから又は上記ステップ302でブレーキスイッチ32がオフであると判定されてからの経過時間(つまり上記ステップ301と上記ステップ302のいずれか一方で「No」と判定されてからの経過時間)をカウントするカウンタであり、上記ステップ301と上記ステップ302の両方で「Yes」と判定された時点で「0」にリセットされる。
このステップ312で、カウンタC2 のカウント値が所定値T2 を越えていないと判定された場合には、ステップ313に進み、モードフラグMode =4にセットして復帰制御モードに移行する。この復帰制御モード(Mode =4)では、ステップ314に進み、エンジン制御用のアクセル開度を制限値cACCRESTから実アクセル開度に戻す復帰制御を実行し、このエンジン制御用のアクセル開度を用いてエンジン11の出力を制御する。
その後、上記ステップ312で、カウンタC2 のカウント値が所定値T2 を越えたと判定された時点で、ステップ315に進み、モードフラグMode =1にセットして通常モードに移行する。この通常モード(Mode =1)では、ステップ316に進み、アクセルセンサ31で検出した実アクセル開度をそのままエンジン制御用のアクセル開度として採用し、このエンジン制御用のアクセル開度(=実アクセル開度)に応じてスロットル開度(吸入空気量)等を制御してエンジン11の出力を制御する。
その後、上記ステップ310で、モードフラグMode =1(通常モード)であると判定された場合には、ステップ310からステップ316に進む。また、上記ステップ311で、モードフラグMode =2(待機モード)であると判定された場合には、ステップ311からステップ315に進み、モードフラグMode =1にセットして通常モードに移行する。
以上説明した本実施例1では、出力制限制御を実行する制限制御モード(Mode =3)のときにIGスイッチ34がオフされた場合には、次にIGスイッチ34がオンされたときに制限制御モード(Mode =3)を継続するようにしたので、IGスイッチ34がオンされたときに出力制限制御を必要とする状況が継続していても、出力制限制御を速やかに開始して意図しない加速を防止することができ、制限制御モードでIGスイッチ34がオフされた後にオンされた場合の車両の安全性を高めることができる。
更に、本実施例1では、待機モード(Mode =2)のときにIGスイッチ34がオフされた場合には、次にIGスイッチ34がオンされたときに待機モード(Mode =2)を継続し、復帰制御モード(Mode =4)のときにIGスイッチ34がオフされた場合には、次にIGスイッチ34がオンされたときに復帰制御モード(Mode =4)を継続するようにしたので、待機モードや復帰制御モードでIGスイッチ34がオフされた後にオンされた場合の車両の安全性も高めることができる。
次に、図7及び図8を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分については説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
前記実施例1では、モータ15でスロットルバルブ16の開度を制御する電子スロットルを備えたシステムに本発明を適用したが、本実施例2は、アクセルペダルとスロットルバルブを機械的に連結したメカスロットル(図示せず)を備えたシステムに本発明を適用したものである。本実施例2では、アクセル開度に応じてスロットル開度が変化して吸入空気量が変化し、ECU30は、エンジン運転状態(例えば吸入空気量やエンジン回転速度等)に応じて燃料噴射量や点火時期等を制御する。
また、本実施例2では、前記実施例1で説明した図5及び図6の出力制限制御ルーチンに代えて、図7及び図8の出力制限制御ルーチンを実行することで、アクセルとブレーキの両方が踏み込まれた状態(アクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態)になったと判断したときに、点火時期を遅角する点火リタード及び燃料噴射を停止する燃料カットを実行することで、エンジン11の出力を制限する出力制限制御を実行する。
以下、本実施例2でECU30が実行する図7及び図8の出力制限制御ルーチンの処理内容を説明する。
本ルーチンでは、ステップ401で実アクセル開度が所定開度cACCTHRESHよりも大きいと判定され且つステップ402でブレーキスイッチ32がオンであると判定された場合には、ステップ403に進み、モードフラグMode =3(制限制御モード)であるか否かを判定し、モードフラグMode =3(制限制御モード)ではないと判定されれば、ステップ404に進み、モードフラグMode =4(復帰制御モード)であるか否かを判定し、モードフラグMode =4(復帰制御モード)ではないと判定されれば、ステップ405に進み、カウンタC1 のカウント値が所定値T1 を越えたか否かを判定する。
このステップ405で、カウンタC1 のカウント値が所定値T1 を越えていないと判定された場合には、ステップ406に進み、モードフラグMode =2にセットして待機モードに移行する。この待機モード(Mode =2)では、エンジン運転状態(例えば吸入空気量やエンジン回転速度等)に応じて燃料噴射量や点火時期等を制御する。
その後、上記ステップ405で、カウンタC1 のカウント値が所定値T1 を越えたと判定された時点で、ステップ407に進み、モードフラグMode =3にセットして制限制御モードに移行する。
この制限制御モード(Mode =3)では、次のようにして出力制限制御を実行する。まず、ステップ408で、エンジン回転速度が所定の上限側制限値cBOSNEH よりも高いか否かを判定する。ここで、上限側制限値cBOSNEH は、例えば、アイドル回転速度よりも少し高いエンジン回転速度(ブレーキで車両を停止させることができる程度の出力に相当するエンジン回転速度)に設定される。
このステップ408で、エンジン回転速度が上限側制限値cBOSNEH よりも高いと判定されれば、ステップ409に進み、点火リタード及び燃料カットを実行して、エンジン回転速度を低下させてエンジン11の出力を低下させる。この場合、例えば、点火リタードを実行した後に燃料カットを実行してエンジン11の出力を緩やかに低下させる。
一方、上記ステップ408で、エンジン回転速度が上限側制限値cBOSNEH 以下であると判定された場合には、ステップ410に進み、エンジン回転速度が所定の下限側制限値cBOSNEL よりも低いか否かを判定する。ここで、下限側制限値cBOSNEL は、上限側制限値cBOSNEH よりも少し低いエンジン回転速度に設定される。
このステップ410で、エンジン回転速度が下限側制限値cBOSNEL よりも低いと判定されれば、ステップ411に進み、点火リタード及び燃料カットを解除して、エンジン回転速度を上昇させてエンジン11の出力を上昇させる。この場合、例えば、燃料噴射を再開した後に点火時期を戻してエンジン11の出力を緩やかに上昇させる。
また、上記ステップ408でエンジン回転速度が上限側制限値cBOSNEH 以下であると判定され且つ上記ステップ410でエンジン回転速度が下限側制限値cBOSNEL 以上であると判定された場合には、点火時期及び燃料噴射の制御状態をそのまま継続する。つまり、点火リタード及び燃料カットの実行中であれば、点火リタード及び燃料カットの実行を継続し、点火リタード及び燃料カットの解除中であれば、点火リタード及び燃料カットの解除を継続する。
一方、上記ステップ401で実アクセル開度が所定開度cACCTHRESH以下であると判定された場合、又は、上記ステップ402でブレーキスイッチ32がオフ(OFF)であると判定された場合には、図8のステップ412に進み、モードフラグMode =1(通常モード)であるか否かを判定し、モードフラグMode =1(通常モード)ではないと判定されれば、ステップ413に進み、モードフラグMode =2(待機モード)であるか否かを判定し、モードフラグMode =2(待機モード)ではないと判定されれば、ステップ414に進み、カウンタC2 のカウント値が所定値T2 を越えたか否かを判定する。
このステップ414で、カウンタC2 のカウント値が所定値T2 を越えていないと判定された場合には、ステップ415に進み、モードフラグMode =4にセットして復帰制御モードに移行する。この復帰制御モード(Mode =4)では、出力制限制御による点火リタード及び燃料カットを解除して、エンジン運転状態(例えば吸入空気量やエンジン回転速度等)に応じて燃料噴射量や点火時期等を制御する。
その後、上記ステップ414で、カウンタC2 のカウント値が所定値T2 を越えたと判定された時点で、ステップ416に進み、モードフラグMode =1にセットして通常モードに移行する。この通常モード(Mode =1)では、エンジン運転状態(例えば吸入空気量やエンジン回転速度等)に応じて燃料噴射量や点火時期等を制御する。
以上説明した本実施例2においても、前記実施例1とほぼ同様の効果を得ることができる。
尚、上記各実施例1,2では、待機モードのときにIGスイッチ34がオフされた場合には、次にIGスイッチ34がオンされたときに待機モードを継続するようにしたが、これに限定されず、例えば、次にIGスイッチ34がオンされたときに制限制御モードへ移行するようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、復帰制御モードのときにIGスイッチ34がオフされた場合には、次にIGスイッチ34がオンされたときに復帰制御モードを継続するようにしたが、これに限定されず、例えば、次にIGスイッチ34がオンされたときに制限制御モードへ移行するようにしても良い。
或は、待機モードや復帰制御モードのときにIGスイッチ34がオフされた場合には、次にIGスイッチ34がオンされたときにモードフラグMode を「1」にリセットして通常モードに戻すようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、単にアクセルとブレーキの両方が踏み込まれた状態(単にアクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態)になったと判断したときに出力制限制御を実行するようにしたが、これに限定されず、例えば、アクセルの踏み込みと同時か又はアクセルの踏み込み後にブレーキが踏み込まれてアクセルとブレーキの両方が踏み込まれた状態(アクセル操作と同時か又はアクセル操作の後にブレーキ操作が検出されてアクセル操作とブレーキ操作の両方が検出された状態)になったと判断したときに出力制限制御を実行するようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、ブレーキ操作検出手段として、ブレーキスイッチを備えたシステムに本発明を適用したが、これに限定されず、ブレーキスイッチに代えて、ブレーキ操作量を検出するブレーキセンサを備えたシステムに本発明を適用しても良い。
また、上記各実施例1,2では、エンジンのみを駆動源とする車両に本発明を適用したが、これに限定されず、モータのみを駆動源とする電気自動車やエンジンとモータの両方を駆動源とするハイブリッド車にも本発明を適用して実施できる。
11…エンジン(駆動源)、12…吸気管、16…スロットルバルブ、21…燃料噴射弁、22…点火プラグ、23…排気管、30…ECU(出力制御手段)、31…アクセルセンサ(アクセル操作検出手段)、32…ブレーキスイッチ(ブレーキ操作検出手段)、34…IGスイッチ

Claims (3)

  1. 車両の駆動源としてエンジンとモータの少なくとも一方を搭載した車両の制御装置において、
    アクセル操作を検出するアクセル操作検出手段と、
    ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、
    前記アクセル操作と前記ブレーキ操作の両方が検出された状態になったときに前記駆動源の出力を制限する出力制限制御を実行する出力制御手段と、
    前記駆動源の制御システムをオン/オフするスイッチとを備え、
    前記出力制御手段は、前記出力制限制御を実行する制限制御モードのときに前記スイッチがオフされた場合には、次に前記スイッチがオンされたときに前記制限制御モードを継続することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記アクセル操作に応じて前記駆動源の出力を制御する通常モードから前記制限制御モードへ移行する途中の段階である待機モードのときに前記スイッチがオフされた場合には、次に前記スイッチがオンされたときに前記待機モードを継続する又は前記制限制御モードへ移行することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記制限制御モードから前記アクセル操作に応じて前記駆動源の出力を制御する通常モードへ移行する途中の段階である復帰制御モードのときに前記スイッチがオフされた場合には、次に前記スイッチがオンされたときに前記復帰制御モードを継続する又は前記制限制御モードへ移行することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
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