JP2009236003A - クランク角センサの異常診断装置 - Google Patents

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伸和 大場
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Abstract

【課題】エンジンの回転方向が逆転したときに逆転パルス信号を出力する逆転検出機能付きのクランク角センサの逆転信号出力系の異常を検出できるようにする。
【解決手段】クランク角センサ34は、電源オン検出回路45でクランク角センサ34の電源がオン(イグニッションスイッチがオン)されたと判定された直後のクランキング中の所定期間(例えば正転パルス信号が所定回数出力されるまでの期間)に、異常診断用信号指令回路46が異常診断期間であると判断してメインパルス信号を逆転判別回路40へ出力することで、逆転信号出力系から異常診断用パルス信号を出力するように指令する。ECU36は、異常診断期間にクランク角センサ34の逆転信号出力系から異常診断用パルス信号が正常に出力されているか否かを判定し、異常診断用パルス信号が正常に出力されていない場合には、クランク角センサ34の逆転信号出力系の異常有りと判定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関が正転方向に回転したときに正転信号を出力して逆転方向に回転したときに逆転信号を出力するクランク角センサの異常診断装置に関する発明である。
一般に、内燃機関の運転中は、クランク角センサとカム角センサの出力信号に基づいて気筒を判別し且つクランク角を検出して点火制御や燃料噴射制御を行うようにしているが、内燃機関の始動時は、スタータにより内燃機関をクランキングして特定気筒の判別を完了するまで(つまり特定気筒の所定クランク角の信号を検出するまで)、最初に点火・噴射する気筒が不明であるという問題がある。
この問題を解決するために、特許文献1(特開昭60−240875号公報)に記載されているように、内燃機関の回転停止時のクランク角(クランク軸の停止位置)をメモリに記憶しておき、次の内燃機関の始動時に、特定気筒の所定クランク角の信号を最初に検出するまでの間は、上記メモリに記憶された内燃機関の回転停止時のクランク角を基準にして点火制御や燃料噴射制御を開始することで、始動性や始動時の排気エミッションを向上させるようにしたものがある。
しかし、内燃機関の停止指令(イグニッションスイッチのオフ信号又はアイドルストップ指令)が発生して点火や燃料噴射が停止された後も、暫く内燃機関が惰性で回転するため、点火や燃料噴射を停止したときのクランク角を記憶したのでは、実際の内燃機関の停止位置(次の内燃機関の始動位置)を誤判定してしまう結果となる。従って、点火や燃料噴射の停止後も、内燃機関の回転が完全に停止するまでクランク角の検出を継続する必要があるが、内燃機関の回転が停止する間際に圧縮行程の圧縮圧によって内燃機関の回転方向が逆転する現象が発生することがあるため、従来の一般的なクランク角センサでは内燃機関の回転停止時のクランク角を正確に検出することができない(従来の一般的なクランク角センサでは逆転を検出できない)。
そこで、特許文献2(特開2005−233622号公報)や特許文献3(特開2005−256842号公報)に記載されているように、逆転検出機能付きのクランク角センサが開発されている。これらのクランク角センサは、内燃機関の逆転時に正転時と異なるパルス幅のパルス信号を出力するように構成されている。
特開昭60−240875号公報(第2頁等) 特開2005−233622号公報(第2頁等) 特開2005−256842号公報(第2頁等)
ところで、上述した逆転検出機能付きのクランク角センサを備えたシステムでは、クランク角センサの正転信号出力系(正転時のパルス信号の出力系)の異常は容易に検出することができるが、逆転信号出力系(逆転時のパルス信号の出力系)の異常を検出することは以下の理由により困難である。
つまり、内燃機関は、始動してから停止直前までは常に正回転しているため、始動時や始動後にクランク角センサの正転時のパルス信号が出力されなければ、正転信号出力系の異常であると判断することができる。しかし、内燃機関は、停止直前に必ず逆転が発生するわけではなく、逆転せずに停止することもあるため、停止直前にクランク角センサの逆転時のパルス信号が出力されない場合に、内燃機関が逆転しているにも拘らずクランク角センサから逆転時のパルス信号が出力されない異常状態なのか、或は、内燃機関が逆転していない状態なのかを区別することができず、クランク角センサの逆転信号出力系の異常を検出することができない。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、逆転検出機能付きのクランク角センサの逆転信号出力系の異常を検出することができるクランク角センサの異常診断装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関が正転方向に所定クランク角回転する毎に正転信号を出力する正転信号出力系と内燃機関が逆転方向に所定クランク角回転する毎に逆転信号を出力する逆転信号出力系とを備えたクランク角センサの異常診断装置において、所定の異常診断期間に逆転信号出力系から異常診断用信号を出力するように異常診断用信号指令手段により指令し、異常診断期間に逆転信号出力系の出力信号に基づいて逆転信号出力系の異常の有無を異常診断手段により判定するようにしたものである。
この構成では、異常診断期間にクランク角センサの逆転信号出力系から異常診断用信号が正常に出力されない場合には、クランク角センサの逆転信号出力系から異常診断用信号を出力するように指令しているにも拘らず、逆転信号出力系から異常診断用信号が正常に出力されない異常状態であると判断して、クランク角センサの逆転信号出力系の異常有りと判定することができる。これにより、逆転検出機能付きのクランク角センサの逆転信号出力系の異常を検出することができる。
この場合、請求項2のように、異常診断用信号指令手段をクランク角センサに設けるようにすると良い。このようにすれば、クランク角センサ自体に異常診断用信号の出力機能を持たせることができる。
また、請求項3のように、異常診断期間を内燃機関のイグニッションスイッチのオン直後の所定期間に設定しても良い。一般に、内燃機関のイグニッションスイッチのオン直後の通常始動時には、クランク角センサから出力されるパルス信号の間隔が長くなる欠歯タイミングに達して気筒判別が完了するまでの期間は、クランク角センサの出力信号に基づいたクランク角検出が開始されない(例えばクランクカウンタのカウント値が初期値に維持される)。従って、異常診断期間をイグニッションスイッチのオン直後の所定期間に設定して、この期間にクランク角センサの逆転信号出力系から異常診断用信号を出力しても、クランク角センサの出力信号に基づいた内燃機関の制御(例えば燃料噴射制御や点火制御等)には支障をきたさない。
また、請求項4のように、異常診断期間を内燃機関の回転速度が所定回転速度以上の期間に設定しても良い。内燃機関の回転速度がある程度高いときには、内燃機関の逆転が発生しないため、異常診断期間を内燃機関の回転速度が回転速度以上の期間に設定して、この期間にクランク角センサの逆転信号出力系から異常診断用信号を出力しても、異常診断用信号を逆転信号と誤認識することを防止できる。しかも、異常診断期間を内燃機関の回転速度が所定回転速度以上の期間に設定すれば、異常診断期間をイグニッションスイッチのオン直後の所定期間のみとする場合に比べて、クランク角センサの逆転信号出力系の異常診断を行う頻度を多くすることができるため、クランク角センサの逆転信号出力系に異常が発生した場合に、その異常を早期に検出することができる。
この場合、請求項5のように、クランク角センサの正転信号又はこれと同期した信号の出力間隔が所定時間以下であるか否かによって内燃機関の回転速度が所定回転速度以上であるか否かを判定することで異常診断期間であるか否かを判定するようにすると良い。このようにすれば、異常診断期間(内燃機関の回転速度が所定回転速度以上の期間)であるか否かを精度良く判定することができる。
また、請求項6のように、異常診断期間を内燃機関の回転が停止している期間に設定しても良い。内燃機関の回転停止中(例えばアイドルストップ中)には、クランク角センサの出力信号に基づいた内燃機関の制御(例えば燃料噴射制御や点火制御等)も停止しているため、異常診断期間を内燃機関の回転が停止している期間に設定して、この期間にクランク角センサの逆転信号出力系から異常診断用信号を出力しても、クランク角センサの出力信号に基づいた内燃機関の制御には支障をきたさない。しかも、異常診断期間を内燃機関の回転が停止している期間に設定すれば、異常診断期間をイグニッションスイッチのオン直後の所定期間のみとする場合に比べて、クランク角センサの逆転信号出力系の異常診断を行う頻度を多くすることができるため、クランク角センサの逆転信号出力系に異常が発生した場合に、その異常を早期に検出することができる。
この場合、請求項7のように、クランク角センサの正転信号又はこれと同期した信号が出力されない状態が所定時間以上継続したか否かによって内燃機関の回転が停止しているか否かを判定することで異常診断期間であるか否かを判定するようにすると良い。このようにすれば、異常診断期間(内燃機関の回転が停止している期間)であるか否かを精度良く判定することができる。
更に、請求項8のように、異常診断期間(内燃機関の回転が停止している期間)に逆転信号出力系から異常診断用信号を出力するように指令すると共に、正転信号出力系から異常診断用信号と同数の信号を出力するように指令するようにしても良い。このようにすれば、異常診断期間(内燃機関の回転が停止している期間)に、逆転信号出力系から異常診断用信号が出力される毎にクランクカウンタのカウント値がカウントダウンされても、正転信号出力系から異常診断用信号と同数の信号を出力してクランクカウンタのカウント値をカウントアップすることで、クランクカウンタのカウント値を内燃機関の回転停止位置(回転停止クランク角)に対応したカウント値に維持することができる。
また、請求項9のように、異常診断期間を異常診断用信号指令手段に所定の異常診断許可信号が入力されている期間に設定しても良い。このようにしても、異常診断期間をイグニッションスイッチのオン直後の所定期間のみとする場合に比べて、クランク角センサの逆転信号出力系の異常診断を行う頻度を多くすることができるため、クランク角センサの逆転信号出力系に異常が発生した場合に、その異常を早期に検出することができる。
また、請求項10のように、異常診断用信号指令手段は、クランク角センサの正転信号又はこれと同期した信号又は内部クロックの信号を逆転信号出力系へ出力することで、逆転信号出力系から異常診断用信号を出力するように指令すると良い。クランク角センサの正転信号又はこれと同期した信号を指令信号にして異常診断用信号を出力するようにすれば、クランク角センサの正転信号に同期して異常診断用信号を出力することができ、異常診断用信号を簡単にノイズ等と区別することができる。また、内部クロックの信号を指令信号にして異常診断用信号を出力するようにすれば、内燃機関の回転が停止している期間(正転信号が出力されない期間)でも、異常診断用信号を出力することができる。
ところで、クランク角センサの電源電圧(例えばバッテリ電圧)がクランク角センサの正常動作可能な最低電圧よりも低い場合には、クランク角センサが誤動作する可能性があるため、クランク角センサの出力信号に基づいた内燃機関の制御(例えば燃料噴射制御や点火制御等)を実行すると、誤ったクランク角情報に基づいて内燃機関の制御を実行してしまうことになる。
この対策として、請求項11のように、内燃機関が正転方向に所定クランク角回転する毎に正転信号を出力する正転信号出力系と内燃機関が逆転方向に所定クランク角回転する毎に逆転信号を出力する逆転信号出力系とを備えたクランク角センサの異常診断装置において、クランク角センサの電源電圧が所定電圧以下のときに逆転信号出力系から電圧異常信号を出力するように電圧異常信号指令手段により指令し、逆転信号出力系から電圧異常信号が出力されたときにクランク角センサが誤動作する可能性があると誤動作判定手段により判定するようにすると良い。
このようにすれば、クランク角センサの逆転信号出力系から電圧異常信号が出力されたときには、クランク角センサの電源電圧が所定電圧(例えば正常動作可能な最低電圧)以下の低電圧状態であるため、クランク角センサが誤動作する可能性があると判定することができる。これにより、クランク角センサの電源電圧の低下時でクランク角センサが誤動作する可能性がある状態のときに、クランク角センサの出力信号に基づいた内燃機関の制御(例えば燃料噴射制御や点火制御等)を禁止することができ、誤ったクランク角情報に基づいて内燃機関の制御を実行することを未然に防止することができる。
この場合、請求項12のように、電圧異常信号指令手段をクランク角センサに設けるようにしても良い。このようにすれば、クランク角センサ自体に電圧異常信号の出力機能を持たせることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図5に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
更に、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、各気筒の吸気マニホールド20の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各点火プラグ22の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
一方、エンジン11の排気管23には、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ24(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられ、この排出ガスセンサ24の下流側に、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒25が設けられている。
また、エンジン11には、吸気バルブ28のバルブタイミング(開閉タイミング)を変化させる吸気側可変バルブタイミング装置29と、排気バルブ30のバルブタイミングを変化させる排気側可変バルブタイミング装置31とが設けられている。エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ26や、ノッキング振動を検出するノックセンサ27が取り付けられている。
エンジン11のクランク軸32に取り付けられたシグナルロータ33の外周に対向してクランク角センサ34が設置されている。このクランク角センサ34は、逆転検出機能付きのクランク角センサであり、図3に示すように、シグナルロータ33(クランク軸32)が正転方向に所定クランク角(例えば10℃A)回転する毎に正転パルス信号(NE+)を出力し、シグナルロータ33が逆転方向に所定クランク角(例えば10℃A)回転する毎に逆転パルス信号(NER)を出力する。シグナルロータ33には、特定のクランク角でクランク角センサ34から出力されるパルス信号の間隔が長くなる欠歯部(図示せず)が設けられている。
また、エンジン11のカム軸に取り付けられたシグナルロータ(図示せず)の外周に対向してカム角センサ35が設置されている。このカム角センサ35は、シグナルロータ(カム軸)の回転に同期して所定のカム角でカム角信号(パルス信号)を出力し、このカム角信号に基づいてG信号のオン/オフが例えば360℃A毎に切り替わるようになっている。
これら各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)36に入力される。このECU36は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁21の燃料噴射量や点火プラグ22の点火時期を制御すると共に、自動停止・始動制御(いわゆるアイドルストップ制御)を実行する。
この自動停止・始動制御では、エンジン運転中に運転者が車両を停止させて自動停止条件(例えばアクセル全閉、ブレーキ操作中、アイドル運転中等の条件)が成立したときに燃焼(燃料噴射及び/又は点火)を停止させてエンジン11を自動的に停止させ、エンジン停止中に運転者が車両発進のための準備操作(ブレーキ解除、シフトレバー操作等)や発進操作(アクセル踏み込み等)を行って自動始動条件が成立したときにスタータ(図示せず)をオンしてエンジン11をクランキングすると共に燃料噴射及び点火を開始してエンジン11を自動的に再始動させる。
次に、図2に基づいてクランク角センサ34の構成について説明する。
クランク角センサ34には、メインセンサ37とサブセンサ38がシグナルロータ33(図1参照)の外周に対向するように設けられ、これらのメインセンサ37とサブセンサ38がシグナルロータ33の回転方向に所定間隔を隔てて配置されている。これにより、シグナルロータ33が正転方向又は逆転方向に所定クランク角回転する毎に、メインセンサ37からメインパルス信号が出力されると共に、このメインパルス信号に対して所定の位相差でサブセンサ38からサブパルス信号が出力される。
これらのメインパルス信号とサブパルス信号は、正転判別回路39と逆転判別回路40に入力される。正転判別回路39は、例えば、メインパルス信号がLレベルからHレベルに反転したタイミングでサブパルス信号がLレベルの場合や、メインパルス信号がHレベルからLレベルに反転したタイミングでサブパルス信号がHレベルの場合には、エンジン11が正転していると判断して、エンジン11の正転中にメインパルス信号を正転信号出力回路41へ出力する。この正転信号出力回路41は、メインパルス信号に同期して正転パルス信号(NE+)を正転信号出力端子42へ出力する。これらの正転判別回路39、正転信号出力回路41、正転信号出力端子42等が正転信号出力系に相当する。
一方、逆転判別回路40は、例えば、メインパルス信号がLレベルからHレベルに反転したタイミングでサブパルス信号がHレベルの場合や、メインパルス信号がHレベルからLレベルに反転したタイミングでサブパルス信号がLレベルの場合には、エンジン11が逆転していると判断して、エンジン11の逆転中にメインパルス信号を逆転信号出力回路43へ出力する。この逆転信号出力回路43は、メインパルス信号に同期して逆転パルス信号(NER)を逆転信号出力端子44へ出力する。これらの逆転判別回路40、逆転信号出力回路43、逆転信号出力端子44等が逆転信号出力系に相当する。
また、クランク角センサ34には、電源オン検出回路45と異常診断用信号指令回路46が設けられ、メインセンサ37から出力されるメインパルス信号が異常診断用信号指令回路46にも入力される。電源オン検出回路45は、クランク角センサ34の電源がオンされたか否かによってイグニッションスイッチがオンされたか否かを判定し、この電源オン検出回路45でクランク角センサ34の電源がオン(イグニッションスイッチがオン)されたと判定された直後のクランキング中の所定期間(例えば正転パルス信号が所定回数出力されるまでの期間)に、異常診断用信号指令回路46が、異常診断期間であると判断して、メインパルス信号を出力することで、逆転信号出力系から異常診断用パルス信号を出力するように指令する。
具体的には、電源オン検出回路45でクランク角センサ34の電源がオンされたと判定された直後に、異常診断用信号指令回路46がメインパルス信号を所定回数(例えば2回)だけ出力する。異常診断用信号指令回路46の出力端子とサブセンサ38の出力端子がそれぞれORゲート47の両入力端子に接続され、該ORゲート47の出力端子が逆転判別回路40のサブパルス信号入力端子に接続されているため、サブセンサ38から出力されるサブパルス信号がLレベルでも、異常診断用信号指令回路46から出力されるメインパルス信号がHレベルのときには、逆転判別回路40のサブパルス信号入力端子にHレベルの信号が入力される。このため、逆転判別回路40は、異常診断用信号指令回路46からメインパルス信号が出力されたことを判定することができ、異常診断用信号指令回路46からメインパルス信号が出力されたときに、異常診断用パルス信号の出力指令が発生したと判断して、メインパルス信号を逆転信号出力回路43へ出力し、逆転信号出力回路43がメインパルス信号に同期して異常診断用パルス信号を逆転信号出力端子44へ出力する。この場合、電源オン検出回路45、異常診断用信号指令回路46等が特許請求の範囲でいう異常診断用信号指令手段としての役割を果たす。
これにより、クランク角センサ34の逆転信号出力系(逆転判別回路40、逆転信号出力回路43、逆転信号出力端子44等)が正常であれば、図4に示すように、クランク角センサ34の電源オン(イグニッションスイッチのオン)直後のクランキング中の所定期間(例えば正転パルス信号が所定回数出力されるまでの期間)に、クランク角センサ34の正転信号出力端子42から出力される正転パルス信号に同期して、クランク角センサ34の逆転信号出力端子44から異常診断用パルス信号が所定回数(例えば2回)だけ出力される。
一方、ECU36は、図5に示す異常診断ルーチンを実行することで、クランク角センサ34の逆転信号出力端子44の出力信号に基づいてクランク角センサ34の逆転信号出力系の異常の有無を判定する。
図5に示す異常診断ルーチンは、ECU36の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう異常診断手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101〜103で、所定の異常診断実行条件が成立しているか否かを、例えば次の(1) 〜(3) の条件によって判定する。
(1) イグニッションスイッチのオンによるECU36のパワーオンリセット後(つまりイグニッションスイッチのオン直後)であること[ステップ101]
(2) スタータのオン中(クランキング中)であること[ステップ102]
(3) クランク角センサ34の電源電圧Vc (例えばバッテリ電圧)が所定電圧(例えばクランク角センサ34の正常動作可能な最低電圧)以上であること[ステップ103]
これら(1) 〜(3) の条件を全て満たせば、異常診断実行条件が成立するが、上記(1) 〜(3) の条件のうちのいずれか1つでも満たさない条件があれば、異常診断実行条件が不成立となる。
このステップ101〜103で、異常診断実行条件が不成立であると判定された場合には、ステップ104以降の異常診断に関する処理を実行することなく、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ101〜103で、異常診断実行条件が成立していると判定された場合には、ステップ104以降の異常診断に関する処理を次のようにして実行する。まず、ステップ104で、クランク角センサ34の正転信号出力端子42から正転パルス信号(NE+)が所定回数(例えば2回)出力されたときに、クランク角センサ34の逆転信号出力端子44から正転パルス信号(NE+)と同数のパルス信号(NER)が出力されたか否かを判定する。
このステップ104で、逆転信号出力端子44から正転パルス信号(NE+)と同数のパルス信号(NER)が出力されたと判定された場合には、ステップ105に進み、正転パルス信号(NE+)と逆転信号出力端子44のパルス信号(NER)との時間差(位相差)が所定時間以内であるか否かによって、正転パルス信号(NE+)と逆転信号出力端子44のパルス信号(NER)とが同期しているか否かを判定する。
上記ステップ104で逆転信号出力端子44から正転パルス信号(NE+)と同数のパルス信号(NER)が出力されたと判定され、且つ、上記ステップ105で正転パルス信号(NE+)と逆転信号出力端子44のパルス信号(NER)との時間差(位相差)が所定時間以内であると判定された場合には、クランク角センサ34の逆転信号出力端子44から異常診断用パルス信号(NER)が正常に出力されたと判断して、ステップ106に進み、クランク角センサ34の逆転信号出力系の異常無し(正常)と判定して異常フラグをOFFに維持して、本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ104で逆転信号出力端子44から正転パルス信号(NE+)と同数のパルス信号(NER)が出力されていないと判定された場合、又は、上記ステップ105で正転パルス信号(NE+)と逆転信号出力端子44のパルス信号(NER)との時間差(位相差)が所定時間よりも大きいと判定された場合には、クランク角センサ34の逆転信号出力系から異常診断用パルス信号を出力するように指令しているにも拘らず、クランク角センサ34の逆転信号出力端子44から異常診断用パルス信号(NER)が正常に出力されない異常状態であると判断して、ステップ107に進み、クランク角センサ34の逆転信号出力系の異常(故障等)有りと判定して異常フラグをONにセットし、運転席のインストルメントパネルに設けられた警告ランプ(図示せず)を点灯したり、或は、運転席のインストルメントパネルの警告表示部(図示せず)に警告表示して運転者に警告すると共に、その異常情報(異常コード等)をECU36のバックアップRAM(図示せず)等の書き換え可能な不揮発性メモリ(ECU36の電源オフ中でも記憶データを保持する書き換え可能なメモリ)に記憶して、本ルーチンを終了する。
以上説明した本実施例1では、所定の異常診断期間(イグニッションスイッチのオン直後の所定期間)にクランク角センサ34の逆転信号出力系から異常診断用パルス信号を出力するように指令するようにしたので、異常診断期間にクランク角センサ34の逆転信号出力系から異常診断用パルス信号が正常に出力されない場合には、クランク角センサ34の逆転信号出力系の異常有りと判定することができ、逆転検出機能付きのクランク角センサ34の逆転信号出力系の異常を検出することができる。
一般に、エンジン11のイグニッションスイッチのオン直後の通常始動時には、クランク角センサ34から出力されるパルス信号の間隔が長くなる欠歯タイミングに達して気筒判別が完了するまでの期間は、クランク角センサ34の出力信号に基づいたクランク角検出が開始されない(例えばクランクカウンタのカウント値が初期値に維持される)。従って、本実施例1のように、異常診断期間をイグニッションスイッチのオン直後の所定期間に設定して、この期間にクランク角センサ34の逆転信号出力系から異常診断用パルス信号を出力しても、クランク角センサ34の出力信号に基づいたエンジン制御(例えば燃料噴射制御や点火制御等)には支障をきたさない。
また、本実施例1では、異常診断用パルス信号の出力を指令するための電源オン検出回路45や異常診断用信号指令回路46をクランク角センサ34に設けるようにしたので、クランク角センサ34自体に異常診断用信号の出力機能を持たせることができる。
また、本実施例1では、異常診断用信号指令回路46がメインパルス信号(正転パルス信号と同期した信号)を逆転判別回路40へ出力することで、異常診断用パルス信号の出力を指令するようにしたので、クランク角センサ34の正転パルス信号に同期して異常診断用パルス信号を出力することができ、異常診断用パルス信号を簡単にノイズ等と区別することができる。
次に、図6を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
本実施例2では、図6に示すように、クランク角センサ34には、前記実施例1の電源オン検出回路45の代わりに、高回転検出回路48が設けられ、メインセンサ37から出力されるメインパルス信号が高回転検出回路48にも入力される。高回転検出回路48は、メインパルス信号の出力間隔が所定時間以下であるか否かによってエンジン回転速度が所定回転速度(例えば300rpm)以上であるか否かを判定し、この高回転検出回路48でエンジン回転速度が所定回転速度以上であると判定されたときに、異常診断用信号指令回路46が、異常診断期間であると判断して、メインパルス信号を出力することで、逆転信号出力系から異常診断用パルス信号を出力するように指令する。この場合、高回転検出回路48、異常診断用信号指令回路46等が特許請求の範囲でいう異常診断用信号指令手段としての役割を果たす。
これにより、クランク角センサ34の逆転信号出力系(逆転判別回路40、逆転信号出力回路43、逆転信号出力端子44等)が正常であれば、異常診断期間(本実施例2ではエンジン回転速度が所定回転速度以上の期間)に、クランク角センサ34の正転信号出力端子42から出力される正転パルス信号に同期して、クランク角センサ34の逆転信号出力端子44から異常診断用パルス信号が出力される。
一方、ECU36は、異常診断期間(本実施例2ではエンジン回転速度が所定回転速度以上の期間)に、クランク角センサ34の逆転信号出力端子44から異常診断用パルス信号が正常に出力さているか否かを判定する。その結果、クランク角センサ34の逆転信号出力端子44から異常診断用パルス信号が正常に出力されていれば、クランク角センサ34の逆転信号出力系の異常無し(正常)と判定する。これに対して、クランク角センサ34の逆転信号出力端子44から異常診断用パルス信号が正常に出力されていなければ、クランク角センサ34の逆転信号出力系の異常(故障等)有りと判定する。
以上説明した本実施例2においても、逆転検出機能付きのクランク角センサ34の逆転信号出力系の異常を検出することができる。
また、エンジン回転速度がある程度高いときには、エンジン11の逆転が発生しないため、本実施例2のように、異常診断期間をエンジン回転速度が回転速度以上の期間に設定して、この期間にクランク角センサ34の逆転信号出力端子44から異常診断用パルス信号を出力しても、異常診断用パルス信号を逆転パルス信号と誤認識することを防止できる。しかも、異常診断期間をエンジン回転速度が所定回転速度以上の期間とすれば、異常診断期間をイグニッションスイッチのオン直後の所定期間のみとする場合に比べて、クランク角センサ34の逆転信号出力系の異常診断を行う頻度を多くすることができるため、クランク角センサ34の逆転信号出力系に異常が発生した場合に、その異常を早期に検出することができる。
尚、上記実施例2では、メインパルス信号の出力間隔が所定時間以下であるか否かによってエンジン回転速度が所定回転速度以上であるか否かを判定するようにしたが、正転パルス信号の出力間隔が所定時間以下であるか否かによってエンジン回転速度が所定回転速度以上であるか否かを判定するようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、異常診断用信号指令回路46がメインパルス信号を逆転判別回路40へ出力することで異常診断用パルス信号の出力を指令するようにしたが、異常診断用信号指令回路46が正転パルス信号又は内部クロックのクロックパルス信号を逆転判別回路40へ出力することで異常診断用パルス信号の出力を指令するようにしても良い。
次に、図7を用いて本発明の実施例3を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
本実施例3では、図7に示すように、クランク角センサ34に、回転停止検出回路49が設けられ、メインセンサ37から出力されるメインパルス信号が回転停止検出回路49に入力される。また、内部クロック50から所定周期で出力されるクロックパルス信号が異常診断用信号指令回路46に入力される。回転停止検出回路49は、メインパルス信号が出力されない状態が所定時間以上継続したか否かによってエンジン回転停止中(エンジン11の回転が停止した状態)であるか否かを判定し、この回転停止検出回路49でエンジン回転停止中であると判定されたときに、異常診断用信号指令回路46が、異常診断期間であると判断して、クロックパルス信号を出力することで、逆転信号出力系から異常診断用パルス信号を出力するように指令すると共に、正転信号出力系から異常診断用パルス信号と同数の仮正転パルス信号を出力するように指令する。
具体的には、異常診断用信号指令回路46の出力端子とサブセンサ38の出力端子がそれぞれORゲート47の両入力端子に接続され、該ORゲート47の出力端子が逆転判別回路40のサブパルス信号入力端子に接続されているため、異常診断期間(エンジン回転停止中)に、サブセンサ38からはサブパルス信号が出力されないが、異常診断用信号指令回路46から出力されるクロックパルス信号が逆転判別回路40のサブパルス信号入力端子に入力される。逆転判別回路40は、異常診断用信号指令回路46からクロックパルス信号が出力されたときに、異常診断用パルス信号の出力指令が発生したと判断して、クロックパルス信号を逆転信号出力回路43へ出力し、逆転信号出力回路43がクロックパルス信号に同期して異常診断用パルス信号を逆転信号出力端子44へ出力する。
更に、異常診断用信号指令回路46から出力されるクロックパルス信号はインバータ51に入力され、このインバータ50の出力端子とメインセンサ37の出力端子がそれぞれORゲート52の両入力端子に接続され、該ORゲート52の出力端子が正転判別回路39のメインパルス信号入力端子に接続されているため、異常診断期間(エンジン回転停止中)に、メインセンサ37からはメインパルス信号が出力されないが、インバータ51によって出力が負論理に変換されたクロックパルス信号(以下「反転クロックパルス信号」という)が正転判別回路39のメインパルス信号入力端子に入力される。正転判別回路39は、反転クロックパルス信号が入力されたときに、仮正転パルス信号の出力指令が発生したと判断して、反転クロックパルス信号を正転信号出力回路41へ出力し、正転信号出力回路41が反転クロックパルス信号に同期して異常診断用パルス信号と同数の仮正転パルス信号を正転信号出力端子42へ出力する。この場合、回転停止検出回路49、異常診断用信号指令回路46等が特許請求の範囲でいう異常診断用信号指令手段としての役割を果たす。
一方、ECU36は、異常診断期間(本実施例3ではエンジン回転停止中)に、クランク角センサ34の逆転信号出力端子44から異常診断用パルス信号が正常に出力さているか否かを判定する。その結果、クランク角センサ34の逆転信号出力端子44から異常診断用パルス信号が正常に出力されていれば、クランク角センサ34の逆転信号出力系の異常無し(正常)と判定する。これに対して、クランク角センサ34の逆転信号出力端子44から異常診断用パルス信号が正常に出力されていなければ、クランク角センサ34の逆転信号出力系の異常(故障等)有りと判定する。
以上説明した本実施例3においても、逆転検出機能付きのクランク角センサ34の逆転信号出力系の異常を検出することができる。
また、エンジン回転停止中(例えばアイドルストップ中)には、クランク角センサ34の出力信号に基づいたエンジン制御(例えば燃料噴射制御や点火制御等)も停止しているため、本実施例3のように、異常診断期間をエンジン回転停止中に設定して、この期間にクランク角センサ34の逆転信号出力端子44から異常診断用パルス信号を出力しても、クランク角センサ34の出力信号に基づいたエンジン制御には支障をきたさない。しかも、異常診断期間をエンジン回転停止中に設定すれば、異常診断期間をイグニッションスイッチのオン直後の所定期間のみとする場合に比べて、クランク角センサ34の逆転信号出力系の異常診断を行う頻度を多くすることができるため、クランク角センサ34の逆転信号出力系に異常が発生した場合に、その異常を早期に検出することができる。
更に、本実施例3では、異常診断期間(エンジン回転停止中)に、クランク角センサ34の逆転信号出力系から異常診断用パルス信号を出力するように指令すると共に、クランク角センサ34の正転信号出力系から異常診断用パルス信号と同数の仮正転パルス信号を出力するように指令するため、異常診断期間(エンジン回転停止中)に、逆転信号出力系から異常診断用パルス信号が出力される毎にクランクカウンタのカウント値がカウントダウンされても、正転信号出力系から異常診断用パルス信号と同数の仮正転パルス信号を出力してクランクカウンタのカウント値をカウントアップすることで、クランクカウンタのカウント値をエンジン11の回転停止位置(回転停止クランク角)に対応したカウント値に維持することができる。
尚、上記実施例3では、メインパルス信号が出力されない状態が所定時間以上継続したか否かによってエンジン回転停止中であるか否かを判定するようにしたが、正転パルス信号が出力されない状態が所定時間以上継続したか否かによってエンジン回転停止中であるか否かを判定するようにしても良い。
次に、図8を用いて本発明の実施例4を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
本実施例4では、図8に示すように、クランク角センサ34に、異常診断許可判定回路53が設けられ、この異常診断許可判定回路53の入力端子に、正転信号出力回路41の出力端子(正転信号出力端子42)が接続されている。通常、正転信号出力端子42の端子電圧である正転パルス信号は、所定の最小電圧(例えば1V)と最大電圧(例えば4V)との間で変化するが(図3参照)、所定の異常診断期間(例えば、イグニッションスイッチのオン直後の所定期間、エンジン回転速度が所定回転速度以上の期間、エンジン回転停止中等)にECU36が正転信号出力端子42の端子電圧の最大値を通常の最大電圧よりも高い電圧(例えば5V)に引き上げることで異常診断許可信号を生成し、この異常診断許可信号を異常診断許可判定回路53に入力する。尚、正転信号出力端子42の端子電圧の最小値を通常の最小電圧よりも低い電圧(例えば0V)に引き下げることで異常診断許可信号を生成するようにしても良い。
異常診断許可判定回路53は、異常診断許可信号が入力されているか否かによって異常診断が許可されているか否かを判定し、この異常診断許可判定回路53で異常診断が許可されていると判定されたときに、異常診断用信号指令回路46が、異常診断期間であると判断して、メインパルス信号(又は正転パルス信号又はクロックパルス信号)を出力することで、逆転信号出力系から異常診断用パルス信号を出力するように指令する。この場合、異常診断許可判定回路53、異常診断用信号指令回路46等が特許請求の範囲でいう異常診断用信号指令手段としての役割を果たす。
以上説明した本実施例4においても、逆転検出機能付きのクランク角センサ34の逆転信号出力系の異常を検出することができると共に、異常診断期間をイグニッションスイッチのオン直後の所定期間のみとする場合に比べて、クランク角センサ34の逆転信号出力系の異常診断を行う頻度を多くすることができるため、クランク角センサ34の逆転信号出力系に異常が発生した場合に、その異常を早期に検出することができる。
尚、上記実施例4では、クランク角センサ34の正転信号出力端子42を利用して異常診断許可信号を異常診断許可判定回路53に入力するようにしたが、クランク角センサ34に異常診断許可信号入力端子を設けて、ECU36から出力した異常診断許可信号を該異常診断許可信号入力端子から異常診断許可判定回路53に入力するようにしても良い。
次に、図9及び図10を用いて本発明の実施例5を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
クランク角センサ34の電源電圧Vc (例えばバッテリ電圧)がクランク角センサ34の正常動作可能な最低電圧よりも低い場合には、クランク角センサ34が誤動作する可能性があるため、クランク角センサ34の出力信号に基づいたエンジン制御(例えば燃料噴射制御や点火制御等)を実行すると、誤ったクランク角情報に基づいてエンジン制御を実行してしまうことになる。
この対策として、本実施例5では、図9に示すように、クランク角センサ34に、低電圧検出回路54と電圧異常信号出力回路55が設けられている。低電圧検出回路54は、クランク角センサ34の電源電圧Vc (例えばバッテリ電圧)が所定電圧(例えば正常動作可能な最低電圧)以下であるか否かを判定し、この低電圧検出回路54でクランク角センサ34の電源電圧Vc が所定電圧以下であると判定されたときに、電圧異常信号出力回路55が電圧異常信号を出力することで、逆転信号出力系から電圧異常パルス信号を出力するように指令する。
具体的には、電圧異常信号出力回路55の出力端子と逆転判別回路40の出力端子がされぞれORゲート56の両入力端子に接続され、該ORゲート56の出力端子が逆転信号出力回路43の入力端子に接続されているため、電圧異常信号出力回路55から電圧異常信号が出力されると、その電圧異常信号が逆転信号出力回路43に入力される。逆転信号出力回路43は、電圧異常信号出力回路55から電圧異常信号が出力されたときに、電圧異常パルス信号の出力指令が発生したと判断して、メインパルス信号に同期して電圧異常パルス信号を逆転信号出力端子44へ出力する。この場合、低電圧検出回路54、電圧異常信号指令回路54等が特許請求の範囲でいう電圧異常信号指令手段としての役割を果たす。
一方、ECU36は、図10に示す誤動作判定ルーチンを実行することで、クランク角センサ34の逆転信号出力端子44の出力信号に基づいてクランク角センサ34が誤動作する可能性がある状態であるか否かを判定する。
図10に示す誤動作判定ルーチンは、ECU36の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう誤動作判定手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、スタータのオン中(クランキング中)であるか否かを判定し、次のステップ202で、クランク角センサ34の電源電圧Vc が所定値以上(クランク角センサ34の電源がオン)であるか否かを判定する。
上記ステップ201でスタータのオン中であると判定され、且つ、上記ステップ202でクランク角センサ34の電源電圧Vc が所定値以上であると判定されれば、ステップ203に進み、異常診断期間(異常診断用パルス信号が出力される期間)経過後に、クランク角センサ34の正転信号出力端子42から正転パルス信号(NE+)が所定回数出力されたときに、クランク角センサ34の逆転信号出力端子44からパルス信号(NER)が出力されたか否かを判定する。
このステップ203で、逆転信号出力端子44からパルス信号(NER)が出力されたと判定された場合には、ステップ204に進み、正転パルス信号(NE+)と逆転信号出力端子44のパルス信号(NER)との時間差(位相差)が所定時間以内であるか否かによって、正転パルス信号(NE+)と逆転信号出力端子44のパルス信号(NER)とが同期しているか否かを判定する。
上記ステップ203で逆転信号出力端子44からパルス信号(NER)が出力されたと判定され、且つ、上記ステップ204で正転パルス信号(NE+)と逆転信号出力端子44のパルス信号(NER)との時間差(位相差)が所定時間以内であると判定された場合には、クランク角センサ34の逆転信号出力端子44から電圧異常パルス信号(NER)が出力されたと判断して、ステップ205に進み、クランク角センサ34の電源電圧Vc が所定電圧以下の低電圧状態であるため、クランク角センサ34が誤動作する可能性がある異常状態であると判定して、クランク角センサ34の出力信号に基づいたエンジン制御(例えば燃料噴射制御や点火制御等)を禁止して、本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ203で逆転信号出力端子44からパルス信号(NER)が出力されていないと判定された場合、又は、上記ステップ204で正転パルス信号(NE+)と逆転信号出力端子44のパルス信号(NER)との時間差(位相差)が所定時間よりも大きいと判定された場合には、クランク角センサ34の逆転信号出力端子44から電圧異常パルス信号(NER)が出力されていないと判断して、ステップ206に進み、クランク角センサ34が正常動作する状態であると判定して、本ルーチンを終了する。
以上説明した本実施例5では、クランク角センサ34の電源電圧Vc が所定電圧以下のときに逆転信号出力系から電圧異常パルス信号を出力するようにしたので、クランク角センサ34の逆転信号出力系から電圧異常パルス信号が出力されたときには、クランク角センサ34の電源電圧が所定電圧以下の低電圧状態であるため、クランク角センサ34が誤動作する可能性があると判定することができる。これにより、クランク角センサ34の電源電圧の低下時でクランク角センサ34が誤動作する可能性がある状態のときに、クランク角センサ34の出力信号に基づいたエンジン制御(例えば燃料噴射制御や点火制御等)を禁止することができ、誤ったクランク角情報に基づいてエンジン制御を実行することを未然に防止することができる。
また、本実施例5では、電圧異常パルス信号の出力を指令するための低電圧検出回路54や電圧異常信号出力回路55をクランク角センサ34に設けるようにしたので、クランク角センサ34自体に電圧異常パルス信号の出力機能を持たせることができる。
尚、本発明の適用範囲は、車両の動力源としてエンジンのみを備えた一般的な車両に限定されず、車両の動力源としてエンジンとモータを備えたハイブリッド車に本発明を適用しても良い。
本発明の実施例1におけるエンジン制御システム全体の概略構成図である。 実施例1のクランク角センサの電気的構成を説明するブロック図である。 クランク角センサから出力される正転パルス信号と逆転パルス信号を説明するタイムチャートである。 クランク角センサから出力される異常診断用パルス信号を説明するタイムチャートである。 実施例1の異常診断ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。 実施例2のクランク角センサの電気的構成を説明するブロック図である。 実施例3のクランク角センサの電気的構成を説明するブロック図である。 実施例4のクランク角センサの電気的構成を説明するブロック図である。 実施例5のクランク角センサの電気的構成を説明するブロック図である。 実施例5の誤動作判定ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。
符号の説明
11…エンジン(内燃機関)、16…スロットルバルブ、21…燃料噴射弁、22…点火プラグ、32…クランク軸、33…シグナルロータ、34…クランク角センサ、36…ECU(異常診断手段,誤動作判定手段)、37…メインセンサ、38…サブセンサ、39…正転判別回路、40…逆転判別回路、41…正転信号出力回路、42…正転信号出力端子、43…逆転信号出力回路、44…逆転信号出力端子、45…電源オン検出回路(異常診断用信号指令手段)、46…異常診断用信号指令回路(異常診断用信号指令手段)、48…高回転検出回路(異常診断用信号指令手段)、49…回転停止検出回路(異常診断用信号指令手段)、53…異常診断許可判定回路(異常診断用信号指令手段)、54…低電圧検出回路(電圧異常信号指令手段)、55…電圧異常信号出力回路(電圧異常信号指令手段)

Claims (12)

  1. 内燃機関が正転方向に所定クランク角回転する毎に正転信号を出力する正転信号出力系と内燃機関が逆転方向に所定クランク角回転する毎に逆転信号を出力する逆転信号出力系とを備えたクランク角センサの異常診断装置において、
    所定の異常診断期間に前記逆転信号出力系から異常診断用信号を出力するように指令する異常診断用信号指令手段と、
    前記異常診断期間に前記逆転信号出力系の出力信号に基づいて前記逆転信号出力系の異常の有無を判定する異常診断手段と
    を備えていることを特徴とするクランク角センサの異常診断装置。
  2. 前記異常診断用信号指令手段は、前記クランク角センサに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のクランク角センサの異常診断装置。
  3. 前記異常診断期間は、内燃機関のイグニッションスイッチのオン直後の所定期間であることを特徴とする請求項1又は2に記載のクランク角センサの異常診断装置。
  4. 前記異常診断期間は、内燃機関の回転速度が所定回転速度以上の期間であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のクランク角センサの異常診断装置。
  5. 前記異常診断用信号指令手段は、前記クランク角センサの正転信号又はこれと同期した信号の出力間隔が所定時間以下であるか否かによって内燃機関の回転速度が所定回転速度以上であるか否かを判定することで前記異常診断期間であるか否かを判定することを特徴とする請求項4に記載のクランク角センサの異常診断装置。
  6. 前記異常診断期間は、内燃機関の回転が停止している期間であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のクランク角センサの異常診断装置。
  7. 前記異常診断用信号指令手段は、前記クランク角センサの正転信号又はこれと同期した信号が出力されない状態が所定時間以上継続したか否かによって内燃機関の回転が停止しているか否かを判定することで前記異常診断期間であるか否かを判定することを特徴とする請求項6に記載のクランク角センサの異常診断装置。
  8. 前記異常診断用信号指令手段は、前記異常診断期間に前記逆転信号出力系から前記異常診断用信号を出力するように指令すると共に、前記正転信号出力系から前記異常診断用信号と同数の信号を出力するように指令することを特徴とする請求項6又は7に記載のクランク角センサの異常診断装置。
  9. 前記異常診断期間は、前記異常診断用信号指令手段に所定の異常診断許可信号が入力されている期間であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のクランク角センサの異常診断装置。
  10. 前記異常診断用信号指令手段は、前記クランク角センサの正転信号又はこれと同期した信号又は内部クロックの信号を前記逆転信号出力系へ出力することで、前記逆転信号出力系から前記異常診断用信号を出力するように指令することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のクランク角センサの異常診断装置。
  11. 内燃機関が正転方向に所定クランク角回転する毎に正転信号を出力する正転信号出力系と内燃機関が逆転方向に所定クランク角回転する毎に逆転信号を出力する逆転信号出力系とを備えたクランク角センサの異常診断装置において、
    前記クランク角センサの電源電圧が所定電圧以下のときに前記逆転信号出力系から電圧異常信号を出力するように指令する電圧異常信号指令手段と、
    前記逆転信号出力系から前記電圧異常信号が出力されたときに前記クランク角センサが誤動作する可能性があると判定する誤動作判定手段と
    を備えていることを特徴とするクランク角センサの異常診断装置。
  12. 前記電圧異常信号指令手段は、前記クランク角センサに設けられていることを特徴とする請求項11に記載のクランク角センサの異常診断装置。
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