JP2012149526A - 内燃機関のブリーザ室構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の回転数が高い使用状態においても、オイルがブリーザ室内に入り込みにくくし、また、オイルがガス排出パイプ内に入り込みにくくする。
【解決手段】シリンダヘッドカバー(16)内に設けられたブリーザ室(31)で気液分離を行い、液体を分離した未燃ガスをガス排出パイプ(43)を介してブリーザ室(31)の外へ排出する内燃機関(2)のブリーザ室構造において、ブリーザ室(31)はラビリンス壁を設けない単一の空間からなり、ガス排出パイプ(43)の入口(43a)をブリーザ室(31)の中央部に設けた。ガス排出パイプ(43)のブリーザ室(31)内に位置する部分に、ブリーザ室(31)とガス排出パイプ(43)内のガス通路(43c)とを連通する小孔(44)を設けた。ブリーザ室入口(45)の傾斜上端側には、リブ(47)を設けた。
【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関のブリーザ室構造に関するものである。
ブリーザ装置は、内燃機関運転時において、クランク室の内圧増加時にクランク室内のガスを排出し、クランク室の内圧減少時にクランク室内へ空気を導入することによって、ピストンの動きを円滑にすることを目的とするクランク室呼吸装置である。
4ストロークサイクル内燃機関では、ピストンがシリンダ内を往復運動する行程で、ピストンリングとシリンダライナ内壁面との間隙を通って、燃焼室内からブローバイガスがクランク室内へ流出する。このブローバイガスの大部分は圧縮行程で生じる未燃ガス(未燃焼混合気)であり、大気汚染物質の炭化水素(HC)を大量に含んでいるので、この未燃ガスを吸気系に導き、吸気に混合して燃焼室へ還流させ、燃焼させる。
また、内燃機関運転時には、クランク室内の潤滑用オイルが、クランク軸や動力伝達用歯車の高速回転により、激しく撹拌されてオイルミストとなり、これがクランク室内に充満する。このため、前記クランク室から未燃ガスを排出する際に、オイルミストも同時に排出されるので、一般にオイルミストを燃焼室へ還流させないためと、潤滑油の消耗を防ぐために、ブリーザ室において未燃ガスからオイルを分離し、オイルを分離した未燃ガスを燃焼室へ還流し、分離したオイルをクランク室内へ戻す。
特許文献1に開示されている内燃機関のブリーザ室は、シリンダヘッドカバー内に設けられており、ブリーザ室内には複数のラビリンス用の壁部が設けられ、迷路状流路が形成してある。内燃機関の回転数が比較的低い場合には、このラビリンス壁によって気液分離が促進されるが、内燃機関の回転数が高い状態で使用する場合では、シリンダヘッド内のカムなどからブリーザ室に入り込む潤滑油が非常に多くなるので、ラビリンス壁に沿って未燃ガス排出用パイプに流れ込むことがある。
特開平7−269327号公報
内燃機関の回転数が高い使用状態においても、オイルがブリーザ室内に入り込みにくくし、また、オイルがガス排出パイプ内に入り込みにくくする。
本発明は上記課題を解決したものであって、請求項1に記載の発明は、
シリンダヘッド(15)の上方のシリンダヘッドカバー(16)内に設けられたブリーザ室(31)の、シリンダヘッド(15)との境界をなす下壁(35)に設けられたブリーザ室入口(45)から、ブリーザ室(31)内へクランクケース(13)内のオイルを含んだ未燃ガスを流入させ、ブリーザ室(31)で気液分離を行い、液体を分離した未燃ガスをガス排出パイプ(43)を介してブリーザ室(31)の外へ排出する内燃機関(2)のブリーザ室構造において、
前記ブリーザ室(31)はラビリンス壁を設けない単一の空間からなり、前記ガス排出パイプ(43)の入口(43a)は前記ブリーザ室(31)の中央部に設けてあることを特徴とする内燃機関のブリーザ室構造に関するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のブリーザ室構造において、
前記ガス排出パイプ(43)の前記ブリーザ室(31)内に位置する部分に、前記ブリーザ室(31)と前記ガス排出パイプ(43)内のガス通路(43c)とを連通する小孔(44)を設けたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関のブリーザ室構造において、
前記ガス排出パイプ(43)の前記ブリーザ室(31)内に位置する部分に設けられた前記小孔(44)は、上下方向に対して直交する方向に向けて開けられていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の内燃機関のブリーザ室構造において、
前記内燃機関(2)のシリンダ(12)は一方に傾斜して設けられ、前記ガス排出パイプ(43)は傾斜するシリンダヘッドカバー(16)の傾斜上端側から未燃ガスを排出するように取付けられ、前記ガス排出パイプ入口(43a)は傾斜下端側方向に向けて設けられることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の内燃機関のブリーザ室構造において、
前記ブリーザ室の下壁(35)に設けられた複数のブリーザ室入口(45)は、前記ブリーザ室(31)の傾斜下端側の方に数多く配置されていることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の内燃機関のブリーザ室構造において、
前記ブリーザ室(31)の下壁(35)に設けられたブリーザ室入口(45)の傾斜上端側には、オイル浸入防止用のリブ(47)が設けられていることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の内燃機関のブリーザ室構造において、
前記ブリーザ室(31)の下壁(35)は、一部が前記シリンダヘッド(15)に設けられた回転体と隣接する上向きの凸状の円弧状断面部(40)となっており、同円弧状断面部(40)にはオイル浸入防止用のリブ(47)を備えた複数のブリーザ室入口(45)が設けられ、同円弧状断面部(40)の頂部より傾斜上端側寄りのブリーザ室入口(45)のリブ(47)は前記ブリーザ室(31)の室内側に設けられ、同円弧状断面部(40)の頂部より傾斜下端側寄りのブリーザ室入口(45)のリブ(47)は前記シリンダヘッド(15)側に設けられたことを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の内燃機関のブリーザ室構造において、
前記ブリーザ室(31)の室内側に向けて設けられた前記オイル浸入防止用リブ(47)は、同ブリーザ室入口(45)の傾斜上端側を囲むようにコ字形に連続して設けられていることを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の内燃機関のブリーザ室構造において、
前記ブリーザ室入口(45)のオイル浸入防止用のリブ(47)は、前記下壁(35)下面において、前記ブリーザ室入口(45)の周囲に設けられていることを特徴とするものである。
請求項1の発明において、
前記ブリーザ室(31)にはラビリンス壁が設けられていないので、前記ブリーザ室(31)の中央部に設けてある前記ガス排出パイプ(43)の入口は、前記ブリーザ室(31)の壁面とガス排出パイプ入口(43a)との距離を大きく取ることができ、壁面を伝わって流れるオイルはガス排出パイプ(43)へ浸入しにくくなる。
請求項2の発明において、
前記ガス排出パイプ入口(43a)の圧力低下が緩和されるため、前記ガス排出パイプ入口(43a)付近に達したオイルが前記ガス排出パイプ(43)内に入り込みにくくなる。
請求項3の発明において、
前記ブリーザ室(31)がシリンダヘッドカバー(16)に設けられているので、エンジン全高を低くするため、一般的に上下方向に薄く作られている。上下方向に対して直交する方向に向けて小孔(44)を開けることにより、小孔(44)は壁面よりの距離が大きくなるので、オイルは前記小孔(44)から前記ガス排出パイプ(43)内へ入り込みにくい。
請求項4の発明において、
前記ガス排出パイプ(43)内に入り込んだオイルは、前記ガス排出パイプ入口(43a)から排出され易い。
請求項5の発明において、
ブリーザ室(31)に入り込んだオイルは前記下壁(35)の傾斜に沿って流れるので、シリンダヘッド側に戻り易い。
請求項6の発明において、
カム軸(28)の回転によってカムノーズから吹き飛ばされるオイルミストの大部分は、これらのリブ(47)に衝突して液化し、下方へ流下するので、ブリーザ室(31)内に入り込みにくい。
請求項7の発明において、
上向きのリブ(47B、47C)は、カムノーズから跳ね飛ばされたオイルミストの衝突による液化を促進すると共に、ブリーザ室(31)内のガスの移動時の衝突によってオイルミストの液化も可能となる。また下向きのリブ(47D)は、主として、カムノーズから跳ね飛ばされたオイルミストが近距離で衝突することによって、気液分離が促進される。
請求項8の発明において、
ブリーザ室(31)内でのガスの移動がしにくくなるので、カム軸(28)の回転によってカムノーズから吹き飛ばされるオイルミストの衝突液化は一層促進され、オイルミストはブリーザ室(31)内に入り込みにくくなる。
請求項9の発明において、
リブ(47A、47E)によって、カムノーズによって吹き飛ばされたオイルがブリーザ室入口(45)に向かう途中でリブ(47A、47E)に衝突するので、気液分離が促進され、オイルはブリーザ室(31)に入り込みにくい。
本発明の一実施形態に係る自動二輪車の左面図である。 上記自動二輪車の内燃機関の要部断面の左面図である。 後側気筒のシリンダヘッドカバーの上面図である。 図3のIV−IV断面図である。 図3のV−V断面図である。 図3のVI−VI断面図である。
図1は本発明の一実施形態に係る自動二輪車1の左面図である。この自動二輪車1は本発明に係るブリーザ室構造を有する内燃機関2を搭載している。上記自動二輪車1のメインフレーム3の前端にフロントフォーク4が左右に旋回可能に設けられ、同フロントフォーク4の上端に操向ハンドル5が一体に取付けられると共に、フロントフォーク4の下部に前輪6が回転可能に枢支されている。メインフレーム3の後部にリヤフォーク7が上下に揺動可能に設けられ、その後端に後輪8が回転可能に枢支されている。同後輪8は内燃機関2の動力によりチェーン9を介して回転駆動される。
図2は上記内燃機関2の要部断面の左面図である。以下の図において方向を、前方Fr、後方Re、上方Up、下方Dn、左方L、右方R、として矢印で示した。この内燃機関2は、クランク軸11を中心にシリンダ軸線が前後にV字状に分岐し、それぞれにシリンダ12が2気筒ずつ配列された4気筒V型OHC内燃機関である。クランクケース13は上部クランクケース13Uと下部クランクケース13Lとからなる上下2分割方式のものであり、上部クランクケース13Uには前後のシリンダブロック14が一体に形成されている。各シリンダブロック14の上部にはそれぞれシリンダヘッド15が結合され、各シリンダヘッド15の上部にはそれぞれシリンダヘッドカバー16が取付けられている。この内燃機関2の上方にはエアクリーナ17(図1)が配置されている。
前後のシリンダ12には、それぞれピストン18が摺動自在に嵌装されている。前記上部クランクケース13Uと下部クランクケース13Lとのあわせ面にクランク軸11が回転自在に枢支されている。前記ピストン18とクランク軸11とにコンロッド19の両端が枢着され、ピストン18の上下動に対応して、クランク軸11が回転駆動される。
前後のシリンダヘッド15が相互に接近する内側には、それぞれ吸気ポート21が配置され、シリンダヘッド15の前後の外側にはそれぞれ排気ポート22が配置されている。吸気ポート21の上部にスロットルボディ取付け部材23が設けられ、その上面にスロットルボディ(図示なし)が取付けられる。スロットルボディの上部はエアクリーナ17(図1)に連結される。スロットルボディ取付け部材23には燃料噴射弁24がその先端を吸気ポート21に向けて装着されている。シリンダヘッド15の前後の外側の排気ポート22には排気管25(図1)が接続される。
吸気ポート21及び排気ポート22には、吸気弁26及び排気弁27がそれぞれ開閉自在に設けられている。シリンダヘッド15とシリンダヘッドカバー16の間に吸気カム軸28Iと排気カム軸28Eとが回転可能に設けてある。クランク軸11に設けてある駆動歯車(図示なし)と各カム軸28に設けてある従動歯車(図示なし)とが、その間に設けられた図示していないギヤトレインによって連結され、カム軸28はクランク軸11が2回転するごとに1回転し、吸気弁26及び排気弁27は上記カム軸28のカムによって開閉駆動される。クランクケース13の内部とシリンダヘッド15の内部とは、ギヤトレイン室29(図3)によって連通しており、未燃ガス及び空気はここを通って流通する。後側気筒30Rのシリンダヘッドカバー16の上面にブリーザ室31が設けてある。ブリーザ室31は後側気筒30Rにのみ設けてある。前側気筒30Fから発生した未燃ガスも、共通のクランクケース13と後側気筒30Rのギヤトレイン室29を通って、上記後側気筒30Rに設けられたブリーザ室31で処理される。
図3は後側気筒30Rのシリンダヘッドカバー16の上面図、図4は図3のIV−IV断面図、図5は図3のV−V断面図、図6は図3のVI−VI断面拡大図である。図6において、Hは水平面、Cは後側気筒30Rのシリンダ軸線である。
図3、図4において、このシリンダヘッドカバー16は、後側気筒30Rにおいて、左右方向に並ぶ2個のシリンダ12の上部を覆うシリンダヘッド15の上面に取付けられる。この内燃機関2の後側気筒30Rは、前述のように、2気筒であり、シリンダヘッドカバー16にはそれぞれの気筒に対応する点火プラグ装着孔32が設けてある。右端部はカム軸駆動用のギヤトレイン室29である。
図3、図4、図5において、シリンダヘッドカバー16の左右方向の中央部に前後方向にわたって、シリンダヘッドカバー16の上面を覆う上部部材33が、シリンダヘッドカバー16と一体に鋳造され、内部に空洞が形成されている。この空洞がブリーザ室31である。
図6は、図3のVI−VI断面を示す図である。これは、ブリーザ室31の断面拡大左面図である。図3に示されるブリーザ室31は、図6のIII−III断面を示している。即ち上方から見たブリーザ室31の内部を示している。図6及び図3において、上記ブリーザ室31は、上壁34、下壁35、前壁36、後壁37、及び左右の側壁38によって囲まれている。上壁34は前記上部部材33の一部であり、下壁35はシリンダヘッドカバー16の一部である。上記ブリーザ室31とシリンダヘッド15内の動弁室42とは、ブリーザ室31の下壁35によって仕切られている。
図6において、シリンダヘッドカバー16の下方には吸気カム軸28Iと排気カム軸28Eとが設けてある。シリンダヘッドカバー16のこれらのカム軸28を覆う部分は、カムノーズの軌跡39に沿って円弧状断面となっている(図2の前側気筒30Fのシリンダヘッドカバー16の断面も参照)。
図6において、ブリーザ室31の後部の下壁35は、シリンダヘッドカバー16の排気カム軸28Eの上方を覆う部分と同様に、円弧状断面部40となっている。しかし、ブリーザ室31の前部の、ガス排出パイプ43の下方の下壁35は、ガス排出パイプ43の取付けの都合によって、角形断面部41となっている。
図3及び図6において、ブリーザ室31の前壁36から、ブリーザ室31の内方へ向けて、ガス排出パイプ43が取付けられている。ガス排出パイプ入口43aは、ブリーザ室31の内部空間のほぼ中央に位置している。ガス排出パイプ43はブリーザ室31の外側で屈曲し、その端部にガス排出パイプ出口43bが設けてある。ガス排出パイプ出口43bは、ホースを介して、エアクリーナ17のクリーンサイドに接続される。ガス排出パイプ43のブリーザ室31内に位置する部分に、ブリーザ室31とガス排出パイプ43内のガス通路43cとを連通する小孔44が横方向(上下方向に対して直交する方向)に向けて設けてある。
図3、図6において、ブリーザ室下壁35には複数のブリーザ室入口45が設けてある。前部の入口から順にブリーザ室入口45A、45B、45C、45Dと名付ける。ブリーザ室入口45Aはガス排出パイプ43の下方に設けてある。ブリーザ室入口45B、45C、45Dは、円弧状断面部40に設けてある。これらのブリーザ室入口45は、図3に見られるように角形の孔である。なお、図3、図4、図6において、符号46で示す部材は、ブリーザ室31を鋳造する過程で用いられた中子を抜くための孔を閉鎖する蓋である。
図3、図6に示されるように、ブリーザ室入口45の周囲、前側、横側には、上向きまたは下向きのオイル浸入防止用リブ47が設けてある。ブリーザ室入口45Aの下側には孔の周囲を取り巻く下向きのリブ47Aが設けてある。ブリーザ室入口45Bの前側には、上向きのリブ47Bが設けてある。ブリーザ室入口45Cには前側と横の一部を囲む、上から見てコ字形の、上向きのリブ47Cが設けてある。ブリーザ室入口45Dの前側の下側には、下向きのリブ47Dが設けてある。図3、図5、図6に見られるように、ブリーザ室入口45B、45C、45Dの左右の下側には共通の下向きのリブ47Eが設けてある。
上記構成のブリーザ室31において、シリンダヘッド15との境界をなす下壁35に設けられたブリーザ室入口45から、ブリーザ室31内へ、クランクケース13内のオイルを含んだ未燃ガスを、ギヤトレイン室29と動弁室42とを経由して流入させ、ブリーザ室31で気液分離を行い、液体を分離された未燃ガスは、ガス排出パイプ43を介してブリーザ室31の外へ排出され、分離されたオイルはシリンダヘッド15とギヤトレイン室29を経由してクランクケース13へ戻る。
前記ブリーザ室31はラビリンス壁を設けない単一の空間からなるものであるが、カムノーズによって掻き回されたオイルミストが上向きリブ47B、47C又は下向きのリブ47A、47D、47Eに衝突することによって気液分離が行われる。前記ガス排出パイプ43の入口43aは前記ブリーザ室31の中央部に設けてあるので、ブリーザ室31の壁面とガス排出パイプ43の入口との距離を大きく取ることができ、壁面を伝わって流れるオイルはガス排出パイプ43へ浸入しにくい。
ガス排出パイプ43のブリーザ室31内に位置する部分に設けられた小孔44によって、ガス排出パイプ入口43aの圧力低下が緩和されるので、ガス排出パイプ43の入口43aの付近に達したオイルミストが前記ガス排出パイプ43内に入り込みにくくなる。
ブリーザ室31はシリンダヘッドカバー16の上面に設けられており、エンジン全高を低くするため上下方向に薄く、横方向に広い。前記ガス排出パイプ43の小孔44は、横方向即ち上下方向に対して直交する方向に向けて開けられているので、小孔44と側壁38との距離が大きく、壁面に付着しているオイルが前記小孔44からガス排出パイプ43内へ入り込むことが防がれる。
後側気筒30Rのシリンダ12は後方に傾けて設けられ、ガス排出パイプ43は、傾斜するシリンダヘッドカバー16の傾斜上端側から未燃ガスを排出するように取付けられ、ガス排出パイプ43の入口43aは傾斜下端側方向に向けて設けられている。したがって、ガス排出パイプ43内に入り込んだオイルはガス排出パイプ入口43aから排出される。
前記ブリーザ室31の下壁35に設けられた4個のブリーザ室入口45のうち、半数以上の3個はブリーザ室31の傾斜下端側、即ち後方寄りに配置されている。ブリーザ室31に入り込んだオイルは下壁35の傾斜に沿って後下方へ流れるので、オイルはシリンダヘッド15側に戻り易い。
前記ブリーザ室31の下壁35に設けられたブリーザ室入口45の傾斜上端側には、オイル浸入防止用のリブ47が設けられている。カム軸28の回転によってカムノーズから吹き飛ばされるオイルミストの大部分は、これらのリブ47に衝突して液化し、下方へ流下するので、ブリーザ室31内に入り込みにくい。
前記ブリーザ室31の下壁35の後部は、シリンダヘッド15に設けられた回転体を覆う部分と同様に上向きに凸の円弧状断面部40となっており、同円弧状断面部40にはオイル浸入防止用のリブ47を備えた複数のブリーザ室入口45が設けられている。円弧状断面部40の頂部又は頂部より傾斜上端側寄りのブリーザ室入口45B、45Cのリブ47B、47Cはブリーザ室31の室内側(上向き)に設けられ、円弧状断面部40の頂部より傾斜下端側寄りのブリーザ室入口45Dのリブ47Dはシリンダヘッド15側(下向き)に設けられている。上向きのリブ47B、47Cは、カムノーズから跳ね飛ばされたオイルミストの衝突による液化を促進すると共に、ブリーザ室内のガスの移動時の衝突によってオイルミストの液化も可能となる。また下向きのリブ47Dは、主として、カムノーズから跳ね飛ばされたオイルミストが近距離で衝突することによって、気液分離が促進される。
ブリーザ室入口45Cの室内側に向けて設けられたリブ47Cは、同ブリーザ室入口45Cの傾斜上端側を囲むようにコ字形に連続して設けられている。これによって、ブリーザ室31内でのガスの移動がしにくくなるので、カム軸28の回転によってカムノーズから吹き飛ばされるオイルミストの衝突液化は一層促進され、オイルミストはブリーザ室31内に入り込みにくくなる。
ブリーザ室入口45Aの下向きリブ47Aは、ブリーザ室入口45Aの周囲に設けられている。また、ブリーザ室入口45B、45C、45Dの側部には、下壁35の下面において、これらのブリーザ室入口45B、45C、45Dをまとめて囲むように、下向きリブ47Eが設けてある。これらのリブ47A、47Eによって、カムノーズによって吹き飛ばされたオイルがブリーザ室入口45に向かう途中でリブ47A、47Eに衝突するので、気液分離が促進され、オイルはブリーザ室31に入り込みにくい。
以上詳述したように、上記実施形態においては次のような効果がもたらされる。
(1)ガス排出パイプ入口43aがブリーザ室31の中央部に設けてあるので、オイルは壁面を伝わってガス排出パイプ43へ浸入しにくい。
(2)ブリーザ室31とガス排出パイプ43内のガス通路43cとを連通する小孔44によって、ガス排出パイプ入口43aの圧力低下が緩和され、ガス排出パイプへのオイルミストの進入が低減する。
(3)前記小孔44は、横方向に向けて開けられているので、壁面のオイルは前記小孔44からガス排出パイプ43内へ入り込みにくい。
(4)ガス排出パイプ入口43aは傾斜下端側方向に向けて設けられているので、ガス排出パイプ43内に入り込んだオイルはガス排出パイプ入口43aから排出されやすい。
(5)ブリーザ室31の複数の入口は、前記ブリーザ室31の傾斜下端側の方に数多く配置されているので、ブリーザ室31の中で傾斜に沿って流れるオイルはシリンダヘッド15側に戻り易い。
(6)ブリーザ室入口45の傾斜上端側のリブ47に、カムノーズから吹き飛ばされるオイルミストは衝突液化するので、ブリーザ室内に入り込みにくい。
(7)上向きのリブ47B、47Cは、カムノーズから跳ね飛ばされたオイルミストの衝突による液化を促進すると共に、ブリーザ室内のガスの移動時の衝突によってオイルミストの液化も可能となる。また下向きのリブ47Dは、主として、カムノーズから跳ね飛ばされたオイルミスト近距離で衝突することによって、気液分離が促進される。
(8)ブリーザ室入口45Cの傾斜上端側を囲むようにコ字形に連続して設けられている室内側に向けて設けられたリブ47Cは、カムノーズから吹き飛ばされるオイルミストがブリーザ室31内に入り込みにくい。
(9)ブリーザ室入口45の下面の周囲に設けられたリブ47A、47Eに、カムノーズによって吹き飛ばされたオイルミストがブリーザ室入口45に向かう途中で衝突するので、気液分離が促進され、オイルはブリーザ室31に入り込みにくい。
2…内燃機関、、12…シリンダ、15…シリンダヘッド、16…シリンダヘッドカバー、31…ブリーザ室、35…下壁、40…円弧状断面部、43…ガス排出パイプ、43a…ガス排出パイプ入口、43c…ガス排出パイプ内のガス通路、44…小孔、45…ブリーザ室入口、45A,45B,45C,45D…ブリーザ室入口、47…リブ、47A,47B,47C,47D,47E…リブ
、H…水平面、C…後側気筒のシリンダ軸線

Claims (9)

  1. シリンダヘッド(15)の上方のシリンダヘッドカバー(16)内に設けられたブリーザ室(31)の、シリンダヘッド(15)との境界をなす下壁(35)に設けられたブリーザ室入口(45)から、ブリーザ室(31)内へクランクケース(13)内のオイルを含んだ未燃ガスを流入させ、ブリーザ室(31)で気液分離を行い、液体を分離した未燃ガスをガス排出パイプ(43)を介してブリーザ室(31)の外へ排出する内燃機関(2)のブリーザ室構造において、
    前記ブリーザ室(31)はラビリンス壁を設けない単一の空間からなり、前記ガス排出パイプ(43)の入口(43a)は前記ブリーザ室(31)の中央部に設けてあることを特徴とする内燃機関のブリーザ室構造。
  2. 前記ガス排出パイプ(43)の前記ブリーザ室(31)内に位置する部分に、前記ブリーザ室(31)と前記ガス排出パイプ(43)内のガス通路(43c)とを連通する小孔(44)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のブリーザ室構造。
  3. 前記ガス排出パイプ(43)の前記ブリーザ室(31)内に位置する部分に設けられた前記小孔(44)は、上下方向に対して直交する方向に向けて開けられていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のブリーザ室構造。
  4. 前記内燃機関(2)のシリンダ(12)は一方に傾斜して設けられ、前記ガス排出パイプ(43)は傾斜するシリンダヘッドカバー(16)の傾斜上端側から未燃ガスを排出するように取付けられ、前記ガス排出パイプ入口(43a)は傾斜下端側方向に向けて設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の内燃機関のブリーザ室構造。
  5. 前記ブリーザ室の下壁(35)に設けられた複数のブリーザ室入口(45)は、前記ブリーザ室(31)の傾斜下端側の方に数多く配置されていることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関のブリーザ室構造。
  6. 前記ブリーザ室(31)の下壁(35)に設けられたブリーザ室入口(45)の傾斜上端側には、オイル浸入防止用のリブ(47)が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関のブリーザ室構造。
  7. 前記ブリーザ室(31)の下壁(35)は、一部が前記シリンダヘッド(15)に設けられた回転体と隣接する上向き凸状の円弧状断面部(40)となっており、同円弧状断面部(40)にはオイル浸入防止用のリブ(47)を備えた複数のブリーザ室入口(45)が設けられ、同円弧状断面部(40)の頂部より傾斜上端側寄りのブリーザ室入口(45)のリブ(47)は前記ブリーザ室(31)の室内側に設けられ、同円弧状断面部(40)の頂部より傾斜下端側寄りのブリーザ室入口(45)のリブ(47)は前記シリンダヘッド(15)側に設けられたことを特徴とする請求項6に記載の内燃機関のブリーザ室構造。
  8. 前記ブリーザ室(31)の室内側に向けて設けられた前記オイル浸入防止用リブ(47)は、同ブリーザ室入口(45)の傾斜上端側を囲むようにコ字形に連続して設けられていることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関のブリーザ室構造。
  9. 前記ブリーザ室入口(45)のオイル浸入防止用のリブ(47)は、前記下壁(35)下面において、前記ブリーザ室入口(45)の周囲に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関のブリーザ室構造。
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