JP2012140287A - 新規なフォージャサイト型ゼオライトおよびその製造方法、ならびに該フォージャサイト型ゼオライトを含む炭化水素接触分解用触媒 - Google Patents

新規なフォージャサイト型ゼオライトおよびその製造方法、ならびに該フォージャサイト型ゼオライトを含む炭化水素接触分解用触媒 Download PDF

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茂之 長野
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Abstract

【課題】ゼオライト骨格を構成する4配位Al以外に6配位Alを多く含有する新規なフォージャサイト型ゼオライトおよびその製造方法およびその用途を提供する。
【解決手段】シリカとアルミナを含んでなり、SiO2/Al23モル比が4〜8の範囲にあり、
該アルミナの固体NMRで測定した4配位Alのスペクトルのピーク面積(P4Al)と6配位Alのスペクトルのピーク面積(P6Al)とのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)が0.4〜1.0の範囲にあることを特徴とするフォージャサイト型ゼオライト。格子定数(a0)が24.40〜24.65Åの範囲にある。 細孔径が5〜100nmの範囲にメソポアを有し、該メソポアの細孔容積が0.1〜0.4cc/gの範囲にある。
【選択図】なし

Description

本発明は新規なフォージャサイト型ゼオライトおよびその製造方法、ならびに該フォージャサイト型ゼオライトを含む炭化水素接触分解用触媒に関する。
さらに詳しくは、ゼオライト骨格を構成する4配位Al以外に6配位Alを多く含有する新規なフォージャサイト型ゼオライトおよびその製造方法ならびに該ゼオライトを含む炭化水素接触分解用触媒に関する。
炭化水素の接触分解としては、重質炭化水素油からオクタン価の高いガソリンを製造する流動接触分解プロセス(FCCプロセスということがある)が周知である。近年、原料油の重質化に伴って、重質原料油中にNi、V、Fe等の重金属が多く含まれるようになり、あるいは残留炭素(コーク質)が多くなり、重金属が増加した場合は水素、メタン、エタン、エチレンなどのガス(ドライガスということがある)が増加するとともにガソリン、あるいは灯軽油留分が減少するとともに重金属が活性成分であるゼオライトの結晶構造を破壊して活性を低下させることが知られている。
また、残留炭素が多くなった場合は触媒上にコークとして沈着し、触媒を再生する際にコークの燃焼熱が著しく増加するために再生温度が高くなり、この場合もゼオライトの結晶構造を破壊して活性を低下させることが知られている。
このため、接触分解触媒としては、高活性でガソリン、灯軽油留分の選択性が高く、ドライガス、コーク生成量の少ない触媒が求められるとともに耐水熱性、耐メタル性に優れた触媒が求められている。
例えば、特許文献1には、Y型フォージャサイトを、リン酸イオンを含有する水溶液で処理して、リンの含有量がP25として0.3〜15重量%であるリン含有Y型フォージャサイトを調製し、このリン含有Y型フォージャサイトを多孔性母材の前駆体の水懸濁液と混合し、この水性混合物を噴霧乾燥し、洗浄し、乾燥することを特徴とする炭化水素油の接触分解用触媒組成物の製造方法が記載されており、該触媒組成物は、炭化水素油の接触分解に使用して、高い分解活性を発揮するにも拘わらず、コークの生成が少なく、しかも熱安定性に優れていることが開示されている。
また、特許文献2には、NaY−ゼオライトをまずアンモニウム交換に附し、得られたアンモニウム交換されたゼオライトをアルミニウム交換に附し、アルミニウム交換されたゼオライトを水蒸気焼成に附し、そしてリン成分を水蒸気焼成されたゼオライトに取り込むことを特徴とする変性Y型ゼオライトを調製する方法および該アルミニウム交換されたリン含有Y−ゼオライトを含有するFCC触媒が記載されており、該FCC触媒は、アルミニウム交換されているか或いはリンを含んでいるかのいずれかのゼオライトを含有するFCC触媒に比べて、より少ないコーク形成およびC3オレフィンへの改善された選択率を示すことが記載されている。
一方、特許文献3には、重質炭化水素の接触分解に使用して優れた効果を示す、アルミナ水和物で被覆した超安定性Y型ゼオライトを使用した炭化水素接触分解用触媒組成物の製造方法が記載されており、該アルミナ水和物で被覆した超安定性Y型ゼオライトは、骨格外アルミナ(NFA)の含有量が2.0wt%以上で、結晶度が80%以上のY型ゼオライトを酸性水溶液中に懸濁し、次いで、該懸濁液とアルカリ水溶液とを系のpHが7.0〜9.5の範囲になる割合で混合して調製することが開示されている。
また、本願出願人は、アルミナ水和物で被覆した超安定性Y型ゼオライトをリン酸イオン含有水溶液で処理したリン処理アルミナ水和物被覆ゼオライトと結合剤として塩基性塩化アルミニウムを使用して製造した接触分解触媒は活性が高く、選択性に優れていることを開示している。(特許文献4)
さらにまた、特許文献5には、増加したメソポア容量を有するゼオライトYが開示されており、触媒支持体、重質原油のクラッキング、ハイドロクラッキングに使用されることが開示されている。また、その製造方法としては、従来の蒸気焼成した脱アルミ化処理ゼオライトYを塩、酸、液基および/または水溶性有機化合物を溶解した水溶液中、大気圧沸点以上の温度で熱水処理することによりメソポアが増加することが開示されている。
この時、ユニットセル定数が24.5〜24.6Å、直径が約2〜60nmのメソポアの容積が約0.18cc/g以上の高メソポア容量USYの調製には、蒸気の存在下で少なくとも2回アンモニウム交換および焼成された、SiO2/Al23モル比3〜6(通常は5以上)のフォージャサイト物質が出発ゼオライトとして使用されることが記載されている。実施例によると、出発ゼオライトとしてNa2O残存量が2.2重量%、Naイオン残存率として14.8%(アンモニウム交換交換率として85.2%)の出発ゼオライトが記載されている。
特開昭63−197549号公報 特表平8−508970号公報 特開2001−212462号公報 特開2006−142273号公報 特表平9−502416号公報
これらの触媒は、分解活性が高く、ドライガス、コークの生成が少なくプロピレン(C3=)/プロパン(C3)比を高める、活性を向上させる、ガソリンおよび灯軽油留分選択性を向上させるなどの一応の効果は有するものの、さらなる改善が望まれていた。
すなわち、本発明の目的は、炭化水素油、特に、ニッケルやバナジウムなどの金属汚染物質を含有する原油、減圧残渣油、常圧残渣油、水素化処理油、減圧軽油などの重質炭化水素油の流動接触分解に使用して、活性が高く、ガソリンおよび灯軽油留分選択性がに優れるとともにドライガスやコークの生成が少なく、しかも耐熱安定性、耐メタル性に優れた炭化水素接触分解用触媒を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ゼオライトに含まれるアルミナとシリカのモル比が特定の範囲にあり、アルミナの固体NMRで測定した4配位Alのスペクトルのピーク面積(P4Al)と6配位Alのスペクトルのピーク面積(P6Al)とのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)が特定の範囲にあると、ゼオライトを用いた触媒が、活性が向上し、活性が向上するにも係わらずガスが減少し、ガソリンおよび灯軽油留分の収率、選択性が向上することを見いだして本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、このようなゼオライトは、合成ゼオライトNaYを特定の範囲でアンモニウム交換し、この時、有意にNaイオンを残存させ、ついで水蒸気存在下で加熱処理し、ついで電解質塩存在下、中性域のpHで水熱処理することにより、実質的にアルミナを低減させることがなく、6配位アルミニウムが増加することで、製造されることを見出した。
本発明の構成は以下のとおりである。
[1]シリカとアルミナを含んでなり、SiO2/Al23モル比が4〜8の範囲にあり、
該アルミナの固体NMRで測定した4配位Alのスペクトルのピーク面積(P4Al)と6配位Alのスペクトルのピーク面積(P6Al)とのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)が0.4〜1.0の範囲にあるフォージャサイト型ゼオライト。
[2]格子定数(a0)が24.40〜24.65Åの範囲にある[1]のフォージャサイト型ゼオライト。
[3]細孔径が5〜100nmの範囲にメソポアを有し、該メソポアの細孔容積が0.1〜0.4cc/gの範囲にある[1]または[2]のフォージャサイト型ゼオライト。
[4]比表面積が500〜800m2/gの範囲にある[1]〜[3]のフォージャサイト型ゼオライト。
[5]アンモニア吸着熱が70kj/mol以上の、固体酸量が0.8〜2meq/gの範囲にある[1]〜[4]のフォージャサイト型ゼオライト。
[6]アンモニア吸着熱が120kj/mol以上の固体酸を有してない[1]〜[5]のフォージャサイト型ゼオライト。
[7]ピリジン吸着赤外分光法により求めたB酸量(meq/g)/L酸量(meq/g)比が3〜10の範囲にある[1]〜[6]のフォージャサイト型ゼオライト。
[8]下記の工程(a)〜(c)からなることを特徴とするフォージャサイト型ゼオライトの製造方法。
(a)NaYゼオライトをアンモニウムイオン交換して(NH4)aNabYとする工程
(ここで、aはアンモニウムイオンの交換率(%)で、60≦a≦85、bはNaイオン残存率(%)で、15≦b≦40、a+b=1)
(b)NH4Yをスチーム存在下、500〜750℃で加熱処理する工程
(c)電解質塩存在下、110〜220℃で水熱処理する工程
[9]前記工程(c)におけるpHが4〜7の範囲にある[8]のフォージャサイト型ゼオライトの製造方法。
[10]前記[1]〜[7]のフォージャサイト型ゼオライトを含んでなることを特徴とする炭化水素接触分解用触媒。
[11]さらに、増量剤と結合材とを含んでなり、前記フォージャサイト型ゼオライトの含有量が固形分として5〜50重量%の範囲にあり、増量剤の含有量が固形分として10〜75重量%の範囲にあり、結合材の含有量が固形分として10〜40重量%の範囲にある[10]の炭化水素接触分解用触媒。
[12]前記増量剤がカオリナイトである[10]または[11]の炭化水素接触分解用触媒。
[13]前記結合材がシリカ系結合材またはアルミナ系結合材である[10]〜[12]の炭化水素接触分解用触媒。
[14]さらに、アルカリ土類金属酸化物および/または希土類金属酸化物を酸化物として0.01〜5重量%の範囲で含有する[10]〜[13]の炭化水素接触分解用触媒。
本発明によれば、特定のSiO2/Al23モル比、ピーク面積比(P6Al)/(P4Al)を有するフォージャサイト型ゼオライトが得られる。かかるゼオライトを接触分解触媒に活性成分として用いた場合に優れた活性、選択性を示す。
このようなゼオライトを用いた炭化水素接触分解触媒は、特に、ニッケルやバナジウムなどの金属汚染物質を含有する原油、減圧残渣油、常圧残渣油、水素化処理油、減圧軽油などの重質炭化水素油の流動接触分解に使用しても、活性が高く、ガソリンおよび灯軽油留分選択性に優れ、ドライガスやコークの生成が少なく、さらに耐熱安定性、耐メタル性に優れている。
まず、本発明に係る新規なフォージャサイト型ゼオライトについて説明する。
新規なフォージャサイト型ゼオライト
本発明に係るフォージャサイト型ゼオライトは、シリカとアルミナを含む。
フォージャサイト型ゼオライト中のアルミナの含有量はAl23として18〜27重量%、さらには20〜23重量%の範囲にあることが好ましい。アルミナの含有量がこの範囲にあると、固体酸量が十分に高く、また、熱安定も高く、活性も十分に高い。
なお、アルミナが少ないと固体酸量も少なく、活性が不充分となる場合がある。またアルミナが多すぎてもフォージャサイト型ゼオライトの熱安定性、特に水熱安定性が低下し、活性が不充分となる場合がある。
本発明に係るフォージャサイト型ゼオライトの、SiO2/Al23モル比が4〜7、さらには5〜6の範囲にあることが好ましい。
この範囲のSiO2/Al2O3モル比であれば、フォージャサイト型ゼオライトの熱安定性、特に水熱安定性が高く、活性が高い。なお、SiO2/Al2O3モル比が小さい(すなわちSiO2が少ないと)フォージャサイト型ゼオライトの熱安定性、特に水熱安定性が低下し、活性が不充分となる場合がある。一方SiO2/Al2O3モル比を前記範囲の上限を超えて大きくすることは困難である。
本発明のフォージャサイト型ゼオライトは、骨格中に4配位Al原子とともに、特定の割合で6配位Al原子を含む。このような、4配位Al原子、6配位Al原子の割合を本発明者らは、固体NMRを用いたピーク面積の比率で定義する。
すなわち本発明のフォージャサイト型ゼオライト中のアルミナの固体NMRで測定した4配位Alのスペクトルのピーク面積(P4Al)と6配位Alのスペクトルのピーク面積(P6Al)とのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)が0.4〜1.0、さらには0.5〜1.0の範囲にあることが好ましい。このようなピーク面積比にあることで、活性、選択性の向上効果が高くできる。なお、本発明のようなピーク面積比にあるフォージャサイト型ゼオライトは従来しられていなかった。
ピーク面積比(P6Al)/(P4Al)が前記比率の下限よりも小さいと、従来のHYあるいは蒸気焼成した脱アルミ化処理ゼオライトY(USYということがある)と大きく変わらず、活性、選択性の向上効果が不充分となる場合がある。ピーク面積比が前記上限を越えるものは、得ることが困難である。また、得られたとしても4配位Al(骨格中のAl原子)が少ないことを意味し、活性が不充分となる場合がある。
本発明で、ゼオライト中に存在するアルミニウムの配位状態は、固体高分解能NMR (Nuclear Magnetic Resonance)装置 (バ−リアン社製:VNS−600)を用いた。27Al MAS (Magic Angle Spinning)NMRスペクトル測定は、共鳴周波数150MHz,スピン速度20kHz, 待ち時間1s、パルス幅1.4ms、積算回数100回の条件で、室温にて測定する。。尚、測定前にNH4Cl飽和水蒸気を含むデシケーター中に24 h以上置き、水を十分に吸着させた。また、外部標準として硝酸アルミニウム9水和物Al(NO3)3・9H2Oを用いる。
ゼオライトの組成分析は、蛍光X線分析装置[XRF](リガク製:RIX 3000)を用い、ガラスビード法で測定する。
本発明のフォージャサイト型ゼオライトの格子定数(a0)は、結晶軸の長さや軸間角度のことであり、単位格子の各綾間の角度 α,β,γと、各軸の長さ a,b,c を表す6個の定数である。格子の形状等によっては、aの値のみを表すこともあるが通常、デバイ・シェラーの式を用いて計算される。本発明のフォージャサイト型ゼオライトの格子定数は、24.40〜24.65Å、さらには24.45〜24.60Åの範囲にあることが好ましい。この範囲の格子定数であれば、固体酸量が多く、活性も高い。格子定数(a0)が高すぎると耐水熱性、耐メタル性等が不充分となり、また、耐水熱性が低くなるために活性が不充分となる場合がある。格子定数(a0)が低すぎると固体酸量が少なくなり、活性が不充分となる場合がある。
格子定数(a0)が24.65Åを大きくなり過ぎると耐水熱性、耐メタル性等が不充分となるゼオライトの格子定数の測定は粉末X線回折装置(理学電機工業製:RINT-2200, ブルカーエックス D8 ADVANCE)を使用した。Cu-Kα線を用い、格子定数の算出は管電圧30kV、管電流20mAの条件で行い、ASTM D3942−97に従って求める。
また、本発明のフォージャサイト型ゼオライトは、細孔径が5〜100nmの範囲にメソポアを有する。
メソポアの細孔容積が0.1〜0.4cc/g、さらには0.15〜0.35cc/gの範囲にあることが好ましい。このようなメソポアを有することで、高沸点留分(大きな分子)である重質炭化水素油の拡散が容易となるとともに分解が可能となる。なお、メソポアの細孔容積が低すぎると原料油中の重質炭化水素の分解性が悪化するため活性が低下する場合があり、拡散性が低下するためガソリン収率及び水素、コーク選択性の優位性が期待できない場合がある。メソポアの細孔容積が大きすぎても後述する炭化水素接触分解用触媒の耐摩耗性およびかさ密度が不十分となる場合がある。
細孔容積・細孔分布の測定は:窒素自動吸着装置(ベルソープ社製:Auto Sorb-mini
)を用いてゼオライト約0.1gを300℃で2時間真空排気処理した後、液体窒素温度(−196℃)で行った。
なお、細孔容積は、細孔径5nm以上の細孔容積から細孔径100nm以上の細孔容積を減じて求めた。
本発明の係るフォージャサイト型ゼオライトの比表面積は500〜800m2/g、さらには550〜750m2/gの範囲にあることが好ましい。この範囲の比表面積であれば、結晶度が高く、活性も高いという特性を具備する。
比表面積が小さすぎると、後述する結晶度も低く、活性が不充分となる場合がある。比表面積が前記範囲を超えて大きいものは得ることが困難である。
比表面積の測定法は、ユアサ・アイオニクス社製:マルチソーブ16を用い、ゼオライト約0.1gを300℃で2時間真空排気処理した後、液体窒素温度(−196℃)で行った。
また、本発明のフォージャサイト型ゼオライトは、活性という点で、結晶度が0.7〜1.05、好ましくは0.8〜1.0の範囲にあることが好ましい。結晶度が低いものは活性が不充分となる場合がある。また前記範囲の上限を超えたものは得ること自体が困難である。
ここで、結晶度の測定は市販リンデ社製:SK-40ゼオライト(NaY型ゼオライト)を基準とし、X線回折装置(リガク社製:RINT 2100)で(331)、(511)、(440)、(533)、(642)および(555)面の総ピーク高さ(H0)を求め、得られたゼオライトについて総ピーク高さ(H)を求め、次式により求める。
結晶化度=H/H0X100(%)
つぎに、本発明のフォージャサイト型ゼオライトは、アンモニア吸着熱が70kj/mol以上の固体酸量が0.8〜2meq/g、さらには1.0〜2meq/の範囲にあることが好ましい。
アンモニア吸着熱は、ゼオライトの酸強度、酸性質を表す尺度であり、一般に、炭化水素の分解に必用な酸強度として70kj/mol以上といわれているアンモニア吸着熱が70kj/mol以上の固体酸とは、すなわち、炭化水素の分解に必用な酸強度を意味する。
そして、アンモニア吸着熱が70kj/mol以上の固体酸量を特定の範囲とすることで、分解活性、選択性に優れた触媒となる。
アンモニア吸着熱が70kj/mol以上の固体酸量が低すぎると、活性が不充分となるとともに、ガソリン、灯軽油留分に対する選択性も不充分となる場合がある。アンモニア吸着熱が70kj/mol以上の固体酸量が前記範囲上限を超えて増やすことは困難である。
本発明では、アンモニア吸着熱が120kj/mol以上の固体酸を有してないことが好ましい。なお、アンモニア吸着熱が120kj/mol以上の固体酸は、酸強度が強すぎることを意味し、アンモニア吸着熱が120kj/mol以上の固体酸を有していると、ガソリン、灯軽油留分に対する選択性が低下するとともに、ガス、コーク質が増加する傾向にある。
ここで、アンモニア吸着熱測定による固体酸の測定は、東京理工社製:Multipurposeにより、ゼオライト試料を400℃で12時間真空排気処理した後、25℃で行う。
また、ここで固体酸とは塩基性ガスであるNH3ガスが固体酸点に吸着するとしている。
ゼオライトには、プロトンを相手方に与えるブレンステッド酸(B酸)、相手分子から電子対を受容するルイス酸(L酸)とがあり、それぞれの酸点での触媒作用が異なる。本発明では、特に、このB酸、L酸量比を定義することで、活性、選択性の向上した触媒(ゼオライト)を得ることができる。なお、B酸は活性に大きく寄与し、L酸は酸強度が強く、ガス、コークを増大させ、選択性を低下させる。
本発明では、ピリジン吸着赤外分光法により求めたB酸量(meq/g)/L酸量(meq/g)比が3〜10、さらには4〜9の範囲にあることが好ましい。このようなB酸量(meq/g)/L酸量(meq/g)であれば、活性、選択性の向上した触媒(ゼオライト)を得ることができる。B酸量(meq/g)/L酸量(meq/g)比が小さいと、ガソリン、灯軽油留分に対する選択性が低下するとともに、ガス、コーク質が増加する傾向にある。B酸量(meq/g)/L酸量(meq/g)比が前記範囲を越えるものは得ることが困難である。
かかるB酸量(meq/g)/L酸量(meq/g)の測定は、透過型フーリエ変換赤外分光装置(日本電子製:JIR-5000)を用いて測定した。ゼオライトを所定の容器に充填し、6.7℃/minの昇温速度で150℃まで昇温し、1時間真空排気して前処理した後、室温にてピリジンを吸着させ、その後、3.0℃/minの昇温速度で再度150℃まで昇温し、1時間真空排気して前処理した後、150℃にて分解能4cm-1、積算回数200回の条件にて測定を行った。
B酸量は波数1510〜1570cm-1のIRスペクトルのピーク面積、L酸量は波数1420〜1480cm-1のIRスペクトルのピーク面積を求め、この比を求めた。
本発明に係るフォージャサイト型ゼオライトは以下の製造方法で製造される。
[フォージャサイト型ゼオライトの製造方法]
本発明に係るフォージャサイト型ゼオライトの製造方法は、下記の工程(a)〜(c)からなることを特徴としている。
工程(a)
まず、NaYをアンモニウムイオン交換してNH4 aNabY(aはアンモニウムイオンの交換率(%)で、60≦a≦85、bはNaイオン残存率(%)で、15≦b≦40)とする。
イオン交換したNaYのNH4イオン交換率は60〜85%、さらには60〜80%の範囲にあることが好ましい。ここで、イオン交換後のゼオライトをNH4aNabYと表記する。aはNH4イオンのイオン交換率(%)を示し、bはNaイオンの残存率(%)を示し、a+bは100%である。また、各イオン交換率はゼオライト中のNa2O含有量とAl23含有量の分析をし、Na2Oモル数/Al23モル数x100(%)として求め、NH4イオン交換率(%)は100%−Naイオンの残存率(%)とする。このようにイオン交換率を所定の範囲とすることで、結晶性が高く、また特定の格子常数(a0)を有し、固体酸量が多いフォージャサイト型ゼオライト調製が可能となる。
NH4イオン交換率が低いと、Na残存量が多いために、工程(b)でスチーム存在下、高温で加熱処理した場合に結晶性が大きく低下し、活性の高いゼオライトが得られないことがある。
NH4イオン交換率を高くしすぎると、格子常数(a0)が24.40Å未満となることがあり、固体酸量が少なくなり、活性が不充分となる場合がある。
NaYゼオライトとしては、従来公知のNaYを用いることができる。
本発明で用いるNaYのSiO2/Al23モル比は3〜6、さらには4〜6の範囲にあることが好ましい。この範囲にあるものを使用するとフォージャサイト型ゼオライトを調製できる。
SiO2/Al23モル比が前記範囲下限(すなわちシリカが少ない)ものは、通常NaXといわれるが、熱的安定性が低く、本発明のフォージャサイト型ゼオライトの製造には不向きである。
SiO2/Al23モル比が前記範囲上限を超えるものは、一般に入手が難しく、また使用しても、結晶化時間に長時間を要し、経済的でない。
アンモニウムイオン交換は、アンモニウム塩水溶液にNaYを分散させ、従来公知の方法でイオン交換する。
この時、アンモニウム塩の使用量はNaY(Na2O・Al23・nSiO2:nはSiO2/Al23モル比)1モルに対して0.6〜3モル、さらには1〜2モル使用することが好ましい。この範囲にあると、上記交換率でアンモニウムイオンに交換できる。
アンモニウム塩の使用量が少ないと、所定のイオン交換率が達成できず、Na残存量が多くなるために、ついで工程(b)で水熱処理した際に結晶性が大きく低下する場合がある。
アンモニウム塩の使用量が多すぎても、イオン交換率が概ね70%を越えて高くなることもなく、過剰のアンモニウム塩の使用は不経済である。なお、イオン交換率を70%以上とするには、前記イオン交換を繰り返すことが好ましい。
イオン交換する際のpHは概ね3〜8、さらには4.5〜7の範囲にあることが好ましい。pHが低いとイオン交換後のゼオライトの結晶性が低下する場合があり、最終的に得られる本発明のフォージャサイト型ゼオライトの結晶性が不充分となり、これを用いた触媒の性能が不充分となる場合がある。pHが高すぎてもNaイオンの残存率が高くなる場合があり、イオン交換効率が低下する場合がある。pHの調製は、通常、酸またはアルカリを添加するが、アルカリとしてはアンモニアが好適に用いられる。
また、イオン交換時の温度は特に制限はないが、常温〜100℃、さらには50〜95℃の範囲にあることが好ましい。
工程(b)
次に、NH4Y(NH4 aNabY)をスチーム存在下、500〜750℃で加熱処理する。
加熱処理する方法としては従来公知の方法を採用することができ、例えば、マッフル炉、ロータリーキルン等を使用することができる。
本発明で重要なことは、加熱処理をスチーム存在下で行うことであり、スチームを供給してもよく、あるいは、あらかじめ水分を含ませたNH4 aNabYを用いてもよい。このようにスチーム存在下で加熱処理することで、格子定数を上記特定の範囲に調整できる。
スチームの量は加熱処理方法、温度、NH4イオン交換率等によって異なるが、前記した格子定数(a0)の範囲となるように供給する。水分は、所望の範囲となるように供給するが、飽和水蒸気圧となるように供給するのが好ましい。
なお、さらに好ましい加熱処理温度は550〜680℃の範囲である。
ここで、工程(b)で得られたゼオライトをHaNabYと表記する。
工程(c)
ついで、電解質塩存在下、110〜220℃で水熱処理する。このような電解質塩を存在させることで、6配位Alが増えて、かつ特定の細孔径のメソポア容量が増加が不充分となる場合がある。
より具体的には、前記ゼオライトHaNabYの水分散液を調製し、これに電解質塩を溶解し、圧量容器(オートクレーブ)中で水熱処理する。
電解質塩としては硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩等を使用することができるが、本発明では、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、りん酸アンモニウム等のアンモニウム塩を用いることが好ましい。アンモニウム塩を用いると、最終的に得られるフォージャサイト型ゼオライト中のNa残存量が少なく、これを用いた触媒は洗浄が容易となり、活性、選択性に優れている。
電解質塩の使用量はHaNabY(bNa2O・Al23・nSiO2)1モルに対して0.5〜6モル、さらには2〜4モル使用することが好ましい。この範囲で電解質塩を使用することで、
電解質塩の使用量が0.5モル未満の場合は、前記した6配位Alが増加せず、またメソポア容量の増加が不充分となる場合がある。
電解質塩の使用量が6モルを越えても6配位Alがさらに増加することもなく、メソポア容量がさらに増加することもなく、過剰の電解質の使用は不経済である。
ゼオライトHaNabY分散液の濃度は特に制限はないが、固形分として概ね5〜35重量%である。
イオン交換時のpHは4〜7、さらには4.5〜6.5の範囲にあることが好ましい。この範囲にpHを調整することで、6配位Alが増え、またメソポア容量が所定の範囲にあるフォージャサイト型ゼオライトが調製できる。イオン交換時のpHが低いと、メソポア容量は増加するものの、6配位Alが増加せず、むしろ減少する場合があり、Al23含有量も減少する傾向にある。イオン交換時のpHが大きすぎると、ゼオライトの結晶度が低下する場合がある。
水熱処理温度は110〜220℃、さらには150〜200℃の範囲にあることが好ましい。
水熱処理温度が低すぎると、メソポア容量の増加が少なく、6配位Alの増加も少なく、配位数が4と6の間にあるAlが残存する場合があり、活性、選択性の向上が不充分となる場合がある。水熱処理温度が高すぎても、結晶度が低下し、活性が不充分となる場合がある。
水熱処理した後、常法によって、濾過し、洗浄することに本発明の6配位Alの含有量の多いフォージャサイト型ゼオライトを得ることができる。洗浄した後、そのまま、後述する触媒に用いることができ、また、必要に応じて乾燥して用いることもできる。
さらに、前記と同様にアンモニウムイオン交換して用いることができ、さらに、Mg、Ca等のアルカリ土類金属イオンやLa、Ce等希土類金属イオンに交換して用いることもできる。
つぎに、本発明に係る炭化水素接触分解用触媒について説明する。
[炭化水素接触分解用触媒]
本発明に係る炭化水素接触分解用触媒は、前記フォージャサイト型ゼオライトを含んでなることを特徴としている。
フォージャサイト型ゼオライト
フォージャサイト型ゼオライトとしては前記したフォージャサイト型ゼオライトが用いられる。
触媒活性、選択性、強度などの点で触媒中のフォージャサイト型ゼオライトの含有量は固形分として5〜50重量%、さらには10〜40重量%の範囲にあることが好ましい。
フォージャサイト型ゼオライトの含有量少なすぎると、活性が不充分となる場合があり、また、本発明のフォージャサイト型ゼオライトを用いる効果、すなわち、従来のゼオライトと同量のゼオライト含む場合で対比して、活性、選択性を向上させる効果が充分得られない場合がある。 フォージャサイト型ゼオライトの含有量が多すぎても、流動接触分解触媒とした場合に触媒粒子の耐摩耗性が不充分となり、流動状態で粉化して触媒ロスが生じる問題があり、また、分解活性が高すぎて水素、ガスおよびコーク生成が増加するためにガソリン収率が低くなる場合がある。
さらに、必要に応じて増量剤と結合材とを含んでいてもよい。
増量剤
増量剤としては、従来公知の増量剤を使用することができ、例えば、カオリナイト、酸性白土、ハロイナイト、モンモリロナイト、ベントナイト、アタパルガイト、ボーキサイト等が挙げられる。
なかでも、カオリナイトは耐摩耗性に優れた触媒を得ることができ、また、安価であるので好適に用いることができる。その他、ホワイトカーボン、アルミナ微粒子、酸化マンガン微粒子、水酸化アルミニウム、酸化ランタン等を配合して用いることもできる。
このような増量剤の含有量は固形分として10〜75重量%、さらには20〜65重量%の範囲にあることが好ましい。なお、増量剤の使用量は、前記フォージャサイト型ゼオライトと後述する結合材の合計量を100%にバランスする量である。
結合材
結合材としては、従来公知の結合材を使用することができるが、本発明では、シリカ、シリカ−アルミナ、シリカーマグネシア、シリカージルコニア等のシリカ系結合材、アルミナ、リン酸アルミニウム、リン修飾アルミナ、アルミナーマグネシア等のアルミナ系結合材が好適に用いられる。
これらの結合材を用いると、耐摩耗性に優れた触媒、活性、選択性、耐水熱性、耐メタル性等に優れた触媒を得ることができる。
結合材量は触媒中に、10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%の範囲にあることが望ましい。
その他成分
さらに、アルカリ土類金属酸化物および/または希土類金属酸化物を酸化物として0.01〜5重量%の範囲で含有することが好ましい。
アルカリ土類金属酸化物としてはCa、Mg等の酸化物があげられる。アルカリ土類金属酸化物の含有量は、酸化物として0.01〜5重量%、さらには0.5〜4重量%の範囲にあることが好ましい。触媒中のアルカリ土類金属酸化物を前記範囲で含有していると、ガソリン選択性、耐水熱性、ボトム分解性が向上した触媒を得ることができる。
希土類金属酸化物としてはLa、Ce等およびこれらの混合物の酸化物があげられる。希土類金属酸化物の含有量が前記範囲にあるとガソリン選択性、耐水熱性、コーク収率低減、低ドライガス等に優れた触媒を得ることができる。
なお、アルカリ土類金属酸化物および/または希土類金属酸化物の導入は、あらかじめ本発明のフォージャサイト型ゼオライトにイオン交換、あるいは含浸等により担持して用いてもよく、後述するが、触媒を調製した後、触媒にイオン交換、あるいは含浸等により担持して用いてもよい。
上記した本発明に係る炭化水素接触分解用触媒は、前記した本発明に係るフォージャサイト型ゼオライトを用いる以外は従来公知の方法によって製造することができる。
例えば、炭化水素流動接触分解用触媒を製造するには、フォージャサイト型ゼオライト、結合材、増量剤の混合分散液を噴霧乾燥することによって製造することができる。
混合分散液の濃度は固形分として概ね20〜40重量%の範囲にあることが好ましい。
混合分散液を熱風気流中に噴霧乾燥するが、噴霧乾燥方法としては、耐摩耗性、所望の粒子径分布を有していれば特に制限は無いが、回転ディスク法、加圧ノズル法、2流体ノズル法等従来公知の方法を採用することができる。
噴霧乾燥における熱風の入口温度が200〜600℃の範囲にあり、出口温度が120〜300℃の範囲にあることが好ましい。
噴霧乾燥して得た粒子は、必要に応じて洗浄することができる。洗浄方法としては従来公知の方法を採用することができ、不純物(Na等)の含有量によっても異なるが、例えば、温水を掛け水したり、アンモニウム塩を含む温水を掛け、ついで温水を掛け水するなどの方法が挙げられる。さらに、アルカリ土類金属酸化物および/または希土類金属酸化物を導入するために、アルカリ土類金属塩および/または希土類金属塩水溶液に分散させた後、温水を掛け水してもよく、洗浄後、乾燥することによって本発明の炭化水素接触分解用触媒を製造することができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、以下の実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
NaYの合成
アルミノシリケート溶液(S1)の調製
Al23濃度22重量%、Na2O濃度17重量%を含有するアルミン酸ナトリウム水溶液0.33kgを攪拌しながら濃度21.66重量%の水酸化ナトリウム水溶液2.64kgに加えた。この混合溶液を、SiO2濃度24重量%、Na2O濃度7.7重量%の珪酸ナトリウム水溶液2.66kgに撹拌しながら混合した。このときの組成は酸化物モル比で
Na2O/Al23=16
SiO2/Al23=15
2O/Al23=330
であった。この溶液を30℃で12時間静置してアルミノシリケート溶液(S1)を調製した。
混合ヒドロゲルスラリー(M1)の調製
SiO2濃度24重量%、Na2O濃度17重量%の珪酸ナトリウム水溶液51.44kgに水20.38kgとSiO2濃度45重量%の固形シリカ24.47kgおよび前記アルミノシリケート溶液(S1)5.63kgを加え攪拌混合した。これに、Al23濃度22重量%、Na2O濃度17重量%を含有するアルミン酸ナトリウム水溶液19.61kgを加え、均一になるまで十分混合し、3時間室温で攪拌熟成した。このようにして調製された混合ヒドロゲルスラリー(M1)の組成は酸化物モル比で
Na2O/Al23=3.0
SiO2/Al23=9.3
2O/Al23=110
であった。
Na-Yの合成
この混合ヒドロゲルスラリー(M1)を結晶化槽に移し、95℃で40時間水熱処理を行なった。その後、温度を70℃以下に冷却したのち、反応混合物を取り出し濾過し、60℃の純水200Lを掛け水して洗浄し、130℃で13時間乾燥を行い、NaY型ゼオライトを得た。
NaY型ゼオライトについて、X線回折装置により結晶形・結晶度、蛍光X線分析装置によりSiO2/Al23モル比およびBET法による比表面積等を測定し、結果を表1に示した。
フォージャサイト型ゼオライト(1)の調製
NaY型ゼオライト10kgを60℃の温水100リットルに懸濁した。次いで、ゼオライトに対して2モル倍の硫酸アンモニウム5.62kgを加え、95℃で1時間攪拌してイオン交換した。ついで、濾過し、60℃の純水100リットルで洗浄し、130℃で13時間乾燥し、65%イオン交換されたゼオライト(NH4 65Na35Y)を得た。
このゼオライト(NH4 65Na35Y)を回転スチーミング装置で670℃、1時間飽和水蒸気雰囲気中で加熱処理してY型ゼオライト(H65Na35Y)得た。このゼオライトについてX線回折装置により結晶度、格子定数、蛍光X線分析装置によりSiO2/Al23モル比、Na2O、窒素吸着測定装置によるBET法で比表面積を求めた。その結果を表1に示した。H65Na35Y1kgを純水3.0kgに懸濁し、このゼオライトに対して3モル倍の電解質塩としての硫酸アンモニウム1.0kgを加え、180℃で12時間攪拌して水熱処理した。ついで、濾過し、60℃の純水10リットルで洗浄し、ついいで、130℃で13時間乾燥してフォージャサイト型ゼオライト(1)を調製した。
得られたフォージャサイト型ゼオライト(1)について、結晶度、SiO2/Al23モル比、Na2O量、格子定数、比表面積、Al−NMR測定による4配位Alと6配位Alのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)、メソポア容積、固体酸量、120kj/mol以上の固体酸の有無およびB酸/L酸比を測定し、結果を表1に示す。
[実施例2]
フォージャサイト型ゼオライト(2)の調製
実施例1において、120℃で12時間攪拌して水熱処理した以外は同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(2)を調製した。得られたフォージャサイト型ゼオライト(2)について、結晶度、SiO2/Al23モル比、Na2O量、格子定数、比表面積、Al−NMR測定による4配位Alと6配位Alのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)、メソポア容積、固体酸量、120kj/mol以上の固体酸の有無およびB酸/L酸比を測定し、結果を表1に示す。
[実施例3]
フォージャサイト型ゼオライト(3)の調製
実施例1において、220℃で12時間攪拌して水熱処理した以外は同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(3)を調製した。得られたフォージャサイト型ゼオライト(3)について、結晶度、SiO2/Al23モル比、Na2O量、格子定数、比表面積、Al−NMR測定による4配位Alと6配位Alのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)、メソポア容積、固体酸量、120kj/mol以上の固体酸の有無およびB酸/L酸比を測定し、結果を表1に示す。
[実施例4]
フォージャサイト型ゼオライト(4)の調製
実施例1において、1.5モル倍の電解質塩としての硫酸アンモニウム0.49kgを加えた以外は同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(4)を調製した。得られたフォージャサイト型ゼオライト(4)について、結晶度、SiO2/Al23モル比、Na2O量、格子定数、比表面積、Al−NMR測定による4配位Alと6配位Alのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)、メソポア容積、固体酸量、120kj/mol以上の固体酸の有無およびB酸/L酸比を測定し、結果を表1に示す。
[実施例5]
フォージャサイト型ゼオライト(5)の調製
実施例1において、6モル倍の電解質塩としての硫酸アンモニウム2.0kgと純水6.0kgを加えた以外は同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(5)を調製した。
得られたフォージャサイト型ゼオライト(5)について、結晶度、SiO2/Al23モル比、Na2O量、格子定数、比表面積、Al−NMR測定による4配位Alと6配位Alのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)、メソポア容積、固体酸量、120kj/mol以上の固体酸の有無およびB酸/L酸比を測定し、結果を表1に示す。
[実施例6]
フォージャサイト型ゼオライト(6)の調製
実施例1において、ゼオライト1.0kgに対して1モル倍の硫酸アンモニウム0.28kgを加えた以外は同様にして60%イオン交換されたゼオライト(NH4 60Na40Y)を得た。ついで、ゼオライト(NH4 60Na40Y)を用いた以外は同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(6)を調製した。
得られたフォージャサイト型ゼオライト(6)について、結晶度、SiO2/Al23モル比、Na2O量、格子定数、比表面積、Al−NMR測定による4配位Alと6配位Alのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)、メソポア容積、固体酸量、120kj/mol以上の固体酸の有無およびB酸/L酸比を測定し、結果を表1に示す。
[実施例7]
フォージャサイト型ゼオライト(7)の調製
実施例1において、ゼオライト1.0kgに対して2モル倍の硫酸アンモニウム0.56kgを加えイオン交換した。再度、同じ操作を繰り返した以外は同様にして80%イオン交換されたゼオライト(NH4 80Na20Y)を得た。
ついで、ゼオライト(NH4 80Na20Y)を用いた以外は同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(7)を調製した。
得られたフォージャサイト型ゼオライト(7)について、結晶度、SiO2/Al23モル比、Na2O量、格子定数、比表面積、Al−NMR測定による4配位Alと6配位Alのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)、メソポア容積、固体酸量、120kj/mol以上の固体酸の有無およびB酸/L酸比を測定し、結果を表1に示す。
[実施例8]
フォージャサイト型ゼオライト(8)の調製
実施例1において、ゼオライト(NH4 65Na35Y)を回転スチーミング装置で750℃、1時間飽和水蒸気雰囲気中で加熱処理した以外は同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(8)を調製した。得られたフォージャサイト型ゼオライト(8)について、結晶度、SiO2/Al23モル比、Na2O量、格子定数、比表面積、Al−NMR測定による4配位Alと6配位Alのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)、メソポア容積、固体酸量、120kj/mol以上の固体酸の有無およびB酸/L酸比を測定し、結果を表1に示す。
[実施例9]
フォージャサイト型ゼオライト(9)の調製
実施例1において、ゼオライト(NH4 65Na35Y)を回転スチーミング装置で500℃、1時間飽和水蒸気雰囲気中で加熱処理した以外は同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(9)を調製した。得られたフォージャサイト型ゼオライト(9)について、結晶度、SiO2/Al23モル比、Na2O量、格子定数、比表面積、Al−NMR測定による4配位Alと6配位Alのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)、メソポア容積、固体酸量、120kj/mol以上の固体酸の有無およびB酸/L酸比を測定し、結果を表1に示す。
[実施例10]
フォージャサイト型ゼオライト(10)の調製
実施例1において、電解質塩としての硫酸アンモニウム1.0kgに代えて硝酸アンモニウム0.59kgを加えた以外は同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(10)を調製した。得られたフォージャサイト型ゼオライト(10)について、結晶度、SiO2/Al23モル比、Na2O量、格子定数、比表面積、Al−NMR測定による4配位Alと6配位Alのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)、メソポア容積、固体酸量、120kj/mol以上の固体酸の有無およびB酸/L酸比を測定し、結果を表1に示す。
[比較例1]
フォージャサイト型ゼオライト(R1)の調製
実施例1において、ゼオライト(NH4 65Na35Y)を得た後、スチーム加熱処理することなくNH4 65Na35Y1.0kgを純水3.0kgに懸濁し、これにゼオライトに対して3モル倍の電解質塩としての硫酸アンモニウム1.0kgを加え、180℃で12時間攪拌して水熱処理した。ついで、濾過し、60℃の純水10リットルで洗浄し、ついいで、130℃で12時間乾燥してフォージャサイト型ゼオライト(R1)を調製した。
得られたフォージャサイト型ゼオライト(R1)について、結晶度、SiO2/Al23モル比、Na2O量、格子定数、比表面積、Al−NMR測定による4配位Alと6配位Alのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)、メソポア容積、固体酸量、120kj/mol以上の固体酸の有無およびB酸/L酸比を測定し、結果を表1に示す。
[比較例2]
フォージャサイト型ゼオライト(R2)の調製
実施例1において、80℃で12時間攪拌して水熱処理した以外は同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(R2)を調製した。得られたフォージャサイト型ゼオライト(R2)について、結晶度、SiO2/Al23モル比、Na2O量、格子定数、比表面積、Al−NMR測定による4配位Alと6配位Alのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)、メソポア容積、固体酸量、120kj/mol以上の固体酸の有無およびB酸/L酸比を測定し、結果を表1に示す。
[比較例3]
フォージャサイト型ゼオライト(R3)の調製
実施例1において、ゼオライトに対して1モル倍の硫酸アンモニウム0.28kgを加えた以外は同様にして50%イオン交換されたゼオライト(NH4 50Na50Y)を得た。ついで、ゼオライト(NH4 50Na50Y)を用いた以外は同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(R3)を調製した。
得られたフォージャサイト型ゼオライト(R3)について、結晶度、SiO2/Al23モル比、Na2O量、格子定数、比表面積、Al−NMR測定による4配位Alと6配位Alのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)、メソポア容積、固体酸量、120kj/mol以上の固体酸の有無およびB酸/L酸比を測定し、結果を表1に示す。
[比較例4]
フォージャサイト型ゼオライト(R4)の調製
NaY型ゼオライト2.0kgを60℃の温水20リットルに懸濁した。次いで、ゼオライトに対して2モル倍の硫酸アンモニウム1.13kgを加え、95℃で1時間攪拌してイオン交換した。ついで、濾過し、60℃の純水20リットルで洗浄し、65%イオン交換されたゼオライト(NH4 65Na35Y)を得、130℃で12時間乾燥した。その後、600℃で1時間焼成しフォージャサイト型ゼオライト(H4 65Na35Y)を調製した。更に、60℃の温水20リットルに懸濁した。次いで、ゼオライトに対して2モル倍の硫酸アンモニウム1.13kgを加え、95℃で1時間攪拌してイオン交換し、濾過し、60℃の純水20リットルで洗浄し、130℃で12時間乾燥して、90%イオン交換されたゼオライト(NH4 90Na10Y)を得た。
このゼオライト(NH4 90Na10Y)を回転スチーミング装置で670℃、1時間飽和水蒸気雰囲気中で加熱処理してY型ゼオライト(H90Na10Y)得た。このゼオライトについてX線回折装置により結晶度、格子定数、蛍光X線分析によりSiO2/Al23モル比、Na2O、窒素吸着測定装置によるBET法で比表面積を求めた。その結果を表1に示した。
ついで、H90Na10Y1.0kgを純水3.0kgに懸濁し、これにゼオライトに対して3モル倍の電解質塩としての硫酸アンモニウム1.0kgを加え、180℃で12時間攪拌して水熱処理した。ついで、濾過し、60℃の純水10リットルで洗浄し、ついいで、130℃で12時間乾燥してフォージャサイト型ゼオライト(R4)を調製した。
得られたフォージャサイト型ゼオライト(R4)について、結晶度、SiO2/Al23モル比、Na2O量、格子定数、比表面積、Al−NMR測定による4配位Alと6配位Alのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)、メソポア容積、固体酸量、120kj/mol以上の固体酸の有無およびB酸/L酸比を測定し、結果を表1に示す。
[比較例5]
フォージャサイト型ゼオライト(R5)の調製
比較例4において、飽和水蒸気雰囲気中での加熱処理に代えて乾燥空気中、670℃で1時間焼成してY型ゼオライト(H90Na10Y)であるフォージャサイト型ゼオライト(R5)を調製した。
得られたフォージャサイト型ゼオライト(R5)について、結晶度、SiO2/Al23モル比、Na2O量、格子定数、比表面積、Al−NMR測定による4配位Alと6配位Alのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)、メソポア容積、固体酸量、120kj/mol以上の固体酸の有無およびB酸/L酸比を測定し、結果を表1に示す。
[比較例6]
フォージャサイト型ゼオライト(R6)の調製
比較例4において、ゼオライト(NH4 90Na10Y)を回転スチーミング装置で670℃、1時間飽和水蒸気雰囲気中で加熱処理してY型ゼオライト(H90Na10Y)であるフォージャサイト型ゼオライト(R6)を調製した。
得られたフォージャサイト型ゼオライト(R6)について、結晶度、SiO2/Al23モル比、Na2O量、格子定数、比表面積、Al−NMR測定による4配位Alと6配位Alのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)、メソポア容積、固体酸量、120kj/mol以上の固体酸の有無およびB酸/L酸比を測定し、結果を表1に示す。
Figure 2012140287
Figure 2012140287
[実施例11]
炭化水素接触分解用触媒(1)の調製
SiO2濃度17重量%の珪酸ソーダとH2SO4濃度25重量%の硫酸を同時に連続的に加えて、SiO2濃度12.5重量%のシリカゾル4000gを調製した。このシリカゾルに乾燥基準でカオリン1125g、活性アルミナ125gおよびH2SO4濃度25重量%の硫酸でpH3.9に調整した固形分濃度30重量%のフォージャサイト型ゼオライト(1)2500gを加えて混合スラリーを調製した。この混合スラリーを入口温度250℃、出口温度150℃の熱風気流中に噴霧して球状粒子を得た。得られた球状粒子を洗浄し、更に希土類金属塩化物の水溶液と接触させて、RE23として1.0重量%となるようにイオン交換した後、135℃で乾燥して炭化水素接触分解用触媒(1)を調製した。
得られた炭化水素接触分解用触媒(1)について、組成分析および嵩密度、耐摩耗性を測定し、結果を表2に示す。物理的性状は流動接触分解触媒を600℃で2時間空気中で焼成した後、デシケーター内で吸湿しないように冷却した後に測定した。
組成分析
触媒の組成分析は、蛍光X線分析装置[XRF](リガク製:RIX 3000)を用い、ガラスビード法で測定した。
嵩密度
200mlのガラス製メスシリンダーに流動接触分解触媒を、シリンダーの上端から10cmの高さから自重落下させて充填し、触媒重量を充填容積で除して求めた。
耐摩耗性の測定
小孔(φ=0.38mm)3個を備えたプレートが下部に取り付けられた筒状容器(径:127mm、高さ:475mm)内に所定量(約100g)の炭化水素接触分解用触媒(1)を充填した後、下部プレートの小孔から空気を300m/sの速度で送り、開始後12〜42時間の30時間で摩耗して上部から飛散した触媒を円筒濾紙に回収し、この重量と充填触媒重量との割合を30時間での粉化率(重量%/30hr)として求めた。
活性評価
炭化水素接触分解用触媒(1)を600℃、2時間焼成した後、ナフテン酸ニッケル及びナフテン酸バナジウムをニッケル(Ni)が2000ppm、バナジウム(V)が4000ppmとなるようにトルエンに溶解した溶液を焼成した炭化水素接触分解用触媒(1)に吸収させ、600℃で焼成して有機物を除去した。更に、780℃で13時間、100%水蒸気で処理して疑似平衡化処理した。
反応試験装置(ザイテル社製:ACE−R+の流動床式MAT)で下記の測定条件で減圧軽油の流動接触分解性能の評価を行った。
原料油:脱硫減圧軽油(DSVGO)50重量%+脱硫常圧蒸留残渣油(DSAR)50重量%
反応温度:520℃
触媒重量基準の空間速度(WHSV):8重量%/重量%
触媒/油比:3.75、5.0の2水準
生成油のカット温度
ガソリン:C5〜沸点216℃
ライトサイクルオイル(LCO):沸点範囲216〜343℃
ヘビーサイクルオイル(HCO):沸点範囲343℃以上
ここで、触媒/油比が5.0の場合の結果を表2に示す。
また、触媒/油比を変更した結果から、選択性を正確に評価するため、同一分 解率(72vol%)における結果も表2に示す。
なお、分解率は
分解率(wt%)=100−(LCO+HCO留分重量%)である。
[実施例12〜20]
炭化水素接触分解用触媒(2)〜(10)の調製
実施例11において、各々フォージャサイト型ゼオライト(2)〜(10)を用いた以外は同様にして炭化水素接触分解用触媒(2)〜(10)を調製した。
得られた炭化水素接触分解用触媒(2)〜(10)について、組成分析、嵩密度および耐摩耗性を測定し、結果を表2に示す。
また、得られた各触媒について活性を評価し、結果を表2に示す。
[実施例21]
炭化水素接触分解用触媒(11)の調製
SiO2濃度17重量%の珪酸ソーダとH2SO4濃度25重量%の硫酸を同時に連続的に加えて、SiO2濃度12.5重量%のシリカゾル4000gを調製した。このシリカゾルに乾燥基準でカオリン1625g、活性アルミナ125gおよびH2SO4濃度25重量%の硫酸でpH3.9に調整した固形分濃度30重量%の実施例1と同様にして調製したフォージャサイト型ゼオライト(1)833.3gを加えて混合スラリーを調製した。この混合スラリーを入口温度250℃、出口温度150℃の熱風気流中に噴霧して球状粒子を得た。得られた球状粒子を洗浄し、更に希土類金属塩化物の水溶液と接触させて、RE23として1.0重量%となるようにイオン交換した後、135℃で乾燥して炭化水素接触分解用触媒(11)を調製した。
得られた炭化水素接触分解用触媒(11)について、組成分析、嵩密度および耐摩耗性を測定し、結果を表2に示す。
得られた炭化水素接触分解用触媒(11)について活性を評価し、結果を表2に示す。
[実施例22]
炭化水素接触分解用触媒(12)の調製
SiO2濃度17重量%の珪酸ソーダとH2SO4濃度25重量%の硫酸を同時に連続的に加えて、SiO2濃度12.5重量%のシリカゾル4000gを調製した。このシリカゾルに乾燥基準でカオリン875g、活性アルミナ125gおよびH2SO4濃度25重量%の硫酸でpH3.9に調整した固形分濃度30重量%の実施例1と同様にして調製したフォージャサイト型ゼオライト(1)3333.3gを加えて混合スラリーを調製した。この混合スラリーを入口温度250℃、出口温度150℃の熱風気流中に噴霧して球状粒子を得た。得られた球状粒子を洗浄し、更に希土類金属塩化物の水溶液と接触させて、RE23として1.0重量%となるようにイオン交換した後、135℃で乾燥して炭化水素接触分解用触媒(12)を調製した。
得られた炭化水素接触分解用触媒(12)について、組成分析、嵩密度および耐摩耗性を測定し、結果を表2に示す。
また、炭化水素接触分解用触媒(12)について活性を評価し、結果を表2に示す。
[比較例7〜12]
炭化水素接触分解用触媒(R1)〜(R6)の調製
実施例11において、前記比較例で調製した各フォージャサイト型ゼオライト(R1)〜(R6)を用いた以外は同様にして炭化水素接触分解用触媒(R1)〜(R6)を調製した。得られた炭化水素接触分解用触媒(R1)〜(R6)について組成分析、嵩密度および耐摩耗性を測定し、結果を表2に示す。
また、各触媒について活性を評価し、結果を表2に示す。
Figure 2012140287
Figure 2012140287

Claims (14)

  1. シリカとアルミナを含んでなり、SiO2/Al23モル比が4〜8の範囲にあり、
    該アルミナの固体NMRで測定した4配位Alのスペクトルのピーク面積(P4Al)と6配位Alのスペクトルのピーク面積(P6Al)とのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)が0.4〜1.0の範囲にあることを特徴とするフォージャサイト型ゼオライト。
  2. 格子定数(a0)が24.40〜24.65Åの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のフォージャサイト型ゼオライト。
  3. 細孔径が5〜100nmの範囲にメソポアを有し、該メソポアの細孔容積が0.1〜0.4cc/gの範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載のフォージャサイト型ゼオライト。
  4. 比表面積が500〜800m2/gの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフォージャサイト型ゼオライト。
  5. アンモニア吸着熱が70kj/mol以上の、固体酸量が0.8〜2meq/gの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフォージャサイト型ゼオライト。
  6. アンモニア吸着熱が120kj/mol以上の固体酸を有してないことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフォージャサイト型ゼオライト。
  7. ピリジン吸着赤外分光法により求めたB酸量(meq/g)/L酸量(meq/g)比が3〜10の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のフォージャサイト型ゼオライト。
  8. 下記の工程(a)〜(c)からなることを特徴とするフォージャサイト型ゼオライトの製造方法。
    (a)NaYゼオライトをアンモニウムイオン交換して(NH4)aNabYとする工程
    (ここで、aはアンモニウムイオンの交換率(%)で、60≦a≦85、bはNaイオン残存率(%)で、15≦b≦40、a+b=1)
    (b)(NH4)aNabYをスチーム存在下、500〜750℃で加熱処理する工程
    (c)電解質塩存在下、110〜220℃で水熱処理する工程
  9. 前記工程(c)におけるpHが4〜7の範囲にあることを特徴とする請求項8に記載のフォージャサイト型ゼオライトの製造方法。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載のフォージャサイト型ゼオライトを含んでなることを特徴とする炭化水素接触分解用触媒。
  11. さらに、増量剤と結合材とを含んでなり、前記フォージャサイト型ゼオライトの含有量が固形分として5〜50重量%の範囲にあり、増量剤の含有量が固形分として10〜75重量%の範囲にあり、結合材の含有量が固形分として10〜40重量%の範囲にあることを特徴とする請求項10に記載の炭化水素接触分解用触媒。
  12. 前記増量剤がカオリナイトであることを特徴とする請求項10または11に記載の炭化水素接触分解用触媒。
  13. 前記結合材がシリカ系結合材またはアルミナ系結合材であることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の炭化水素接触分解用触媒。
  14. さらに、アルカリ土類金属酸化物および/または希土類金属酸化物を酸化物として0.01〜5重量%の範囲で含有することを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の炭化水素接触分解用触媒。
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