JP2012138314A - 非水電解液及び二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】過充電時の高い安全性を備えた非水電解液及び非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】本発明の非水電解液二次電池の電解液は、非水性溶媒と電解質塩との溶液と、前記の溶液に少なくともリチウム金属基準で4.3V以上5.5V以下で電解重合する低分子化合物と、リチウム金属基準で4.3V以上5.5V以下で電解重合するポリマーとを含有することを特徴とする。前記ポリマーは芳香族官能基とエーテル結合又はエステル結合を備えることが好ましく、前記低分子化合物はシンクロヘキシルベンゼン,ビフェニル,フッ化ベンゼンの少なくともいずれかを含むことが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非水電解液及び二次電池に関する。
リチウムイオン電池においては、通常の作用電圧(例えば、LiCoO2の場合は、満充電時、4.2V)を上回るような過充電が行われた場合に、正極から過剰なリチウムが放出されると同時に、負極において過剰なリチウムの析出が生じ、デンドライトが生じる。そのため、正・負極の両極が化学的に不安定になり、やがては非水電解液中のカーボネート類と反応し、分解等により急激な発熱反応が起こる可能性がある。これによって、電池全体が異常に発熱し、電池の安全性が損なわれるという問題を生じる。
そこで、非水電解液二次電池の過充電時の安全性を高める技術が種々検討されている。通常は、保護回路等で過充電を防止して内部短絡を引き起こさないように対策されているため、異常な事態には至らない。しかし、充電器又は保護回路の故障等を想定し、過充電においても電池自体の安全性を維持する対策が必要である。
特許文献1〜4及び非特許文献1には、電解液に添加剤として芳香族化合物を添加することにより過充電時の安全性を確保する技術が開示されている。
特許文献1〜3には、電解液にシクロヘキシルベンゼン,ビフェニル,3−R−チオフェン,3−クロロチオフェン,フラン等を溶解させたものを用い、過充電時に電池内において気体を発生させて内部電気切断装置を作動させる、導電性ポリマーを発生させる等の手法により、電池の過充電を抑制する技術が開示されている。
特許文献4には、非水電解液に、分子量が500以下であり、満充電時の正極電位よりも貴な電位に可逆性酸化還元電位を有する、Π電子軌道をもつ有機化合物(アニソール誘導体等)を含有する非水電解液二次電池が開示されている。
非特許文献1にも、電気的活性を有する分子量数千程度のチオフェン系のポリマー、例えば、ポリ(3−ブチルチオフェン)(poly(3−butylthiophene)),ポリ(3−フェニルチオフェン)(poly(3−phenylthiophene))を電解液に添加することにより、過充電を抑制することができると開示されている。
特開平10−275632号公報 特開平9−171840号公報 特開平10−321258号公報 特開平7−302614号公報
Electrochemical and Solid-State Letters,9(1),A24-A26 (2006)
前記の低分子量の化合物は、電解重合により過充電を抑制する効果があるものの、十分な過充電抑制効果を実現するには多量の添加が必要である。この場合、ガス発生や電位低下等の副反応が多かった。また、チオフェンのポリマーはリチウム金属基準で4.0V以下でも電解重合するため、現行のLiCoO2等、作動電圧4.0V以上のリチウムイオン電池に応用できない。
本発明の目的は、上記のような課題を解決し、高い安全性を備えた非水電解液二次電池を提供することにある。
本発明の非水電解液二次電池の電解液は、非水性溶媒と電解質塩との溶液と、前記の溶液に少なくともリチウム金属基準で4.3V以上5.5V以下で電解重合する低分子化合物と、リチウム金属基準で4.3V以上5.5V以下で電解重合するポリマーとを含有することを特徴とする。
また、他の本発明は、上記の電解液を用いた非水電解液二次電池にある。
本発明によれば、過充電を抑制し、安全性に優れた二次電池を提供することができる。
非水電解液二次電池の一例を示す模式図であり、(a)平面図、(b)部分縦断面図である。 図1の外観斜視図である。 実施例1および比較例1〜3の過充電試験時の電池表面温度の変化を示すグラフである。
非水電解液を含むリチウムイオン電池は、高電圧(作動電圧4.2V)、高エネルギー密度という特徴を有することから、携帯情報機器分野等において広く利用され、その需要が急速に拡大している。現在では、携帯電話,ノート型パソコンを始めとするモバイル情報化機器用の標準電池としてのポジションを確立している。
このリチウムイオン電池は、正極,負極、及び非水電解液を構成要素としており、特に、LiMO2(Mは、Co,Ni及びMnの群から選択される一種類以上の金属元素を含む。)に代表されるリチウム複合金属酸化物を正極とし、炭素材料又はSi,Sn等を含む金属間化合物を負極とし、電解質塩を非水溶媒(有機溶媒)に溶解させた非水溶液を電解液としたリチウムイオン電池が一般に使用されている。
この非水溶媒としては、一般に、エチレンカーボネート(EC),プロピレンカーボネート(PC),ジメチルカーボネート(DMC),ジエチルカーボネート(DEC)等のカーボネート類が使用されている。
リチウムイオン電池においては、通常の作用電圧(例えば、LiCoO2の場合は、満充電時、4.2V)を上回るような過充電が行われた場合に、正極から過剰なリチウムが放出されると同時に、負極において過剰なリチウムの析出が生じ、デンドライトが生じる。そのため、正・負極の両極が化学的に不安定になり、やがては非水電解液中のカーボネート類と反応し、分解等により急激な発熱反応が起こる可能性がある。これによって、電池全体が異常に発熱し、電池の安全性が損なわれるという問題を生じる。
上述のように、通常は保護回路等で過充電を防止して内部短絡を引き起こさないように対策されているため、異常な事態には至らないが、電池自体の安全性を維持する対策が講じられている。特に、リチウムイオン電池のエネルギー密度及び容量が増加するほどこの問題が重要となる。
そこで、過充電時に電位が高くなった正極と反応して、電解重合して過充電を抑制する過充電抑制剤を電解液に溶解させておくことが有効である。本発明者らは過充電抑制剤として、リチウム金属基準で4.3V以上5.5V以下で電解重合する低分子化合物と、リチウム金属基準で4.3V以上5.5V以下で電解重合するポリマーとの混合物を用いることによりリチウムイオン電池の安全性を高めるに至った。二次電池の過充電時において、このような混合型の過充電抑制剤は電位が高くなった正極と反応し、過充電添加剤が電解重合することにより過充電を抑制するとともに、二次電池での副作用が少ない。また、高い電位で電解重合するため、作動電圧の高い二次電池にも適用でき、電池の過充電時の安全性を高められる。
本発明の混合型の過充電抑制剤は、特定の電位で反応する低分子,ポリマーの二種の化化合物よりなる。以下、本発明の特徴点である混合型の過充電抑制剤について説明する。
低分子量の過充電抑制剤はポリマー型過充電抑制剤と速やかに反応し、高分子量の化合物を形成する。その結果、電極表面での被膜形成がしやすく、迅速に内部抵抗を上昇させ、電流を遮断することが可能となる。さらに、低分子量の過充電抑制剤は、複数の反応部位を備えることが好ましい。ポリマー型過充電抑制剤を架橋し、より高分子量の化合物を形成することが可能となる。
前記の低分子量の過充電抑制剤は、リチウム金属基準で4.3〜5.5Vの条件で電解重合できる化合物である。電解液での溶解性と化学的安定性と電気化学的安定性から考えると、Huckel則を満たす総炭素数が7〜18の芳香族官能基を分子内に有する芳香族化合物が好ましい。芳香族化合物の具体例として、ビフェニルとその誘導体;ターフェニルの部分水素化体;シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼンに代表されるベンゼン環を有する脂肪族化合物と脂環式化合物;アニソールとその誘導体;フルオロベンゼンに代表される部分フッ素化芳香族化合物等が挙げられる。ビフェニル,シクロヘキシルベンゼンとフルオロベンゼンは特に好ましい。
これらの芳香族化合物の水素の一部は、置換されていてもよい。また、芳香族環(芳香環)内に炭素以外の元素を含んでもよい。具体的には、S,N,Si,O等の元素である。
化学式(1)〜(3)で表されるポリマーは、リチウム金属基準で4.3V以上5.5V以下で電解重合できる官能基を有する。このポリマーの過充電抑制剤のみでも、従前の例に比して安全性に優れた二次電池を実現できる可能性がある。しかし、このようなポリマーを多量に添加した場合、電池のレート特性などが低下する問題が生じる可能性が高い。従って、低分子の過充電抑制剤と混合して用いることが好ましい。また、ポリマー型過充電抑制剤は、化学式(1)〜(3)で表されるように、溶解性を高めるための官能基として親水性のエーテル結合又はエステル結合を備えることが好ましい。
前記の芳香族官能基を分子内に有するポリマー型過充電抑制剤は、下記化学式(1)〜(3)で表される。
Figure 2012138314
Figure 2012138314
Figure 2012138314
式中、Aはリチウム金属基準で4.3V以上5.5V以下で電解重合する官能基であり、且つ、親水性のエーテル結合又はエステル結合を有する。RとR′は水素又はメチル基である。R1及びR4は、リチウム金属基準で4.3V以上5.5V以下で電解重合する芳香環を有する官能基であり、R2及びR5は、水素又は炭素数1〜3のアルキル基であって、このアルキル基の水素がフッ素で置換されていてもよい。R3は、炭素数1〜6のアルキル基又は芳香族官能基を有する基であって、このアルキル基又は芳香族官能基の水素がフッ素で置換されていてもよく、アルコキシ基を介する炭素数1〜6のアルキル基又は芳香族官能基であってもよい。R6は、炭素数1〜6のアルキル基又は芳香環を有する官能基であって、このアルキル基又は芳香環を有する官能基の水素がフッ素で置換されていてもよい。c及びeは、1以上の整数であり、d及びfは、0又は1以上の整数である。
上記の通り、ポリマー型過充電抑制剤は繰り返し単位を有し、化合物中にリチウム金属基準による電位が4.3〜5.5Vの条件で電解重合する官能基を有する。
非水電解液におけるポリマーの過充電抑制剤,低分子量の過充電抑制剤のそれぞれの含有量は、過充電抑制効果を勘案し、電池の種類,容量,過充電抑制材の合計添加量,分子内の電解重合ユニットの割合やその官能基の分子構造等に応じて決定される。
低分子量の過充電抑制剤の添加量は、副反応の低減と過充電効果の発現のため、0.1wt%以上、5wt%以下が好ましく、0.5wt%以上、4wt%以下がより好ましく、1wt%以上、3.5wt%以下が特に好ましい。
ポリマーの過充電抑制剤は、過充電抑制効果をより有効に発揮させる観点から、非水電解液全量中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。なお、非水電解液における上記のポリマーの含有量が多すぎると、非水電解液の粘度が高くなりすぎて電池の負荷特性が低下する可能性がある。また、非水電解液のコストも高くなることから、その含有量は5質量%以下であることが好ましい。
上記の化学式(1)〜(3)に表されるポリマーの数平均分子量(Mn)は、上記のポリマーの電解液における溶解性及び溶解後の粘度に依存するため、特に制限はない。数量体のオリゴマーでも良いが、3000〜1000000が好ましい。分子量が大きすぎると、電解液における溶解度が低下する。その結果、上記のポリマーは、電解液に溶解しなくなったり、電解液の粘度が増加したりするため、電池性能が低下する。また、分子量が低すぎると、精製が困難になったり、電池が過充電後の内部抵抗の増加速度が遅くなったりする可能性がある。
また、上述の化学式(1)〜(3)において、リチウム金属基準で4.3〜5.5Vで電解重合できる官能基A、R1及びR4は芳香族官能基である。この芳香族官能基の電解重合によって過充電抑制剤として機能し、所定の電圧で反応し、過充電を抑制するものである。その反応は、電池の作動電圧以上の電圧である。具体的には、リチウム金属基準で4.3〜5.5Vである。
ここで、芳香族官能基は、Huckel則を満たす総炭素数が7〜18の芳香族官能基である。芳香族官能基の一部は、置換されていてもよい。また、芳香族官能基は、芳香族環(芳香環)内に炭素以外の元素を含んでもよい。具体的には、S,N,Si,O等の元素である。
具体的には、ビフェニル,2−メチルビフェニル等のアルキルビフェニル,ターフェニル,ターフェニルの部分水素化体,シクロペンチルベンゼン,シクロヘキシルベンゼン,t−ブチルベンゼン,t−アミルベンゼン,ジフェニルエーテル,ナフタレン,ジベンゾフラン等の芳香族化合物に由来する官能基;2−フルオロビフェニル,3−フルオロビフェニル,4−フルオロビフェニル、4,4′−ジフルオロビフェニル,o−シクロヘキシルフルオロベンゼン,p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の芳香族化合物に由来する部分フッ素化官能基;2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソール等の含フッ素アニソール化合物に由来する官能基等が挙げられる。
これらの中で、過充電時の安全性の向上及び電池特性の点から、ビフェニル,2−メチルビフェニル等のアルキルビフェニル,ターフェニル,ターフェニルの部分水素化体,シクロペンチルベンゼン,シクロヘキシルベンゼン,t−ブチルベンゼン,t−アミルベンゼン,ジフェニルエーテル,ジベンゾフラン等に由来する芳香族官能基;2−フルオロビフェニル,3−フルオロビフェニル,4−フルオロビフェニル、4,4′−ジフルオロビフェニル,o−シクロヘキシルフルオロベンゼン,p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の芳香族化合物に由来する部分フッ素化官能基及びナフチル基が好ましい。
また、上記の化学式(2)と(3)では、R2又はR5と、エーテル結合又はエステル結合よりなる官能基を有することを特徴とする。これらの官能基は電解重合を生じさせることを目的としたものでない。このようなエーテル結合又はエステル結合を分子内に有するポリマーは、非水溶媒及び電解質塩に対する親和性が高いため、電解液に溶解しやすくし、かつ、電解液の粘度の増加を抑えることができる。
上記化学式(2)と(3)において、電解重合ユニットのc及びeは、1以上の整数であり、電解重合しないユニットのd及びfは、0又は1以上の整数である。また、過充電抑制の特性を向上するため、電解液におけるポリマーの溶解性が確保できれば、ポリマー分子内のc及びeはできるだけ大きいことが望ましい。しかし、大きすぎると、電解液におけるポリマーの溶解性が低くなる恐れもあるため、分子量,溶解性,過充電性能等のバランスが重要である。なお、ポリマー分子内又は分子間の電解重合ユニットと、電解重合しないユニットとは、それぞれがブロックを形成しつつ結合していてもよく、ランダムに結合していてもよい。すなわち、一般の高分子と同様に分布を有していてもよい。
上記の化学式(1)〜(3)で表されるポリマー型過充電抑制剤は、重合性モノマーを重合することによって得られる化合物である。ポリマー型過充電抑制剤は、C=C不飽和結合を有する重合性モノマーを重合して合成して得る。重合性モノマーを電池内で反応させてポリマーとすることも不可能ではないが、電気化学的安定性の点からは、重合性モノマーを事前に重合させ、ポリマーを作製した後、このポリマーを精製して用いることが好ましい。
ポリマーの合成方法については、特に制限はなく、従来、知られているバルク重合,溶液重合又は乳化重合のいずれによってもよい。特に、溶液重合が好ましい。また、重合方法は、特に限定はされないが、ラジカル重合が好適に用いられる。重合に際しては、重合開始剤を用いても用いなくてもよい。取り扱いの容易さの点からは、ラジカル重合開始剤を用いるのが好ましい。ラジカル重合開始剤の配合量は、重合性化合物に対して0.1〜5wt%であり、好ましくは0.3〜2wt%である。ラジカル重合開始剤を用いた重合方法は、通常行われている温度範囲及び重合時間で行うことができる。
電気化学デバイスに用いられる部材を損なわない目的から、分解温度及び速度の指標である10時間半減期温度としては、30〜90℃の範囲でラジカル重合開始剤を用いるのが好ましい。なお、10時間半減期温度とは、ベンゼン等のラジカル不活性溶媒中の濃度0.01モル/リットルにおける未分解のラジカル重合開始剤の量が10時間で1/2となるのに必要な温度を指すものである。
ラジカル重合開始剤としては、t−ブチルペルオキシピバレート,t−ヘキシルペルオキシピバレート,メチルエチルケトンペルオキシド,シクロヘキサノンペルオキシド、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)オクタン,n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート,t−ブチルハイドロペルオキシド,クメンハイドロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロペルオキシド,ジ−t−ブチルペルオキシド,t−ブチルクミルペルオキシド,ジクミルペルオキシド、α,α′−ビス(t−ブチルペルオキシm−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン,ベンゾイルペルオキシド,t−ブチルペルオキシプロピルカーボネート等の有機過酸化物、2,2′−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル〕プロピオンアミド}、2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドレート、2,2′−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパン),ジメチル、2,2′−アゾビスイソブチレート、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビス〔2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル〕,アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
化学式(1)の重合性モノマーはリチウム金属基準で4.3V以上5.5V以下で電解重合できる官能基を有し、且つ少なくともエーテル結合又はエステル結合の一種を有すれば、特に限定はされない。ビニル基,アリル基,アクリロイル基またはメタクリロイル基などのC=C不飽和結合を持つ有機基を有する重合性モノマーが好適に用いられる。また、このモノマー分子にエーテル結合又はエステル結合を有することにより、電解液への溶解を促進する。C=C不飽和結合が一個の場合が望ましい。C=C不飽和結合が二個以上の場合、分子内の架橋反応によって電解液に溶けなくなる場合があるからである。
同様に、上記化学式(2)と(3)におけるポリマーは重合性モノマーから共重合して得る。R1又はR4を有するモノマーには、C=C不飽和結合及びリチウム金属基準で4.3〜5.5Vで電解重合できる官能基を有すれば、特に限定はされない。ビニル基,アリル基,アクリロイル基,メタクリロイル基等のC=C不飽和結合を有する有機基を有する重合性モノマーが好適に用いられる。また、C=C不飽和結合が一個であることが望ましい。
また、上記の化学式(2)と(3)における、R2又はR5を有する重合性モノマーには、エーテル結合又はエステル結合を有する。これらの重合性モノマーは、電解液への溶解性を高めるものであるので、C=C不飽和結合を有すれば、特に限定されることはない。また、C=C不飽和結合が一個であることが望ましい。
例えば、エチレンオキシド(EO)を有するエトキシ化フェニルアクリレート(EO=1〜10モル),メチルアクリレート,エチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,シクロヘキシルアクリレート,ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルアクリレート,ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアクリレート,テトラエチレングリコールモノフェニルエーテルアクリレート,ラウリルアクリレート,メチルメタクリレート,エチルメタクリレート,ラウリルメタクリレート,イソボルニルアクリレート,イソボルニルメタクリレート,2−フェノキシエチルアクリレート,テトラヒドロフルフリルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート,ベンジルアクリレート,エトキシ化フェニルメタクリレート(EO=1〜10モル),テトラヒドロフルフリルメタクリレート,ベンジルメタクリレート,シクロヘキシルメタクリレート,2−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチルアクリレート等に代表されるアクリレート系モノマー;アリルベンジルエーテル,アリルアルキルエーテル等に代表されるアリルエーテル,アリルアセテート,アリルベンゾエート,アリルオクチルオキサレート,アリルプロピルフタレート,アリルアルキルカーボネート,アリルアルキルフマレート,アリルアルキルイソフタレート,アリルアルキルマロネート,アリルアルキルオキサレート,アリルアルキルフタレート,アリルアルキルセバセート,ジアリルサクシネート,アリルアルキルテレフタレート,アリルアルキルタトレート,アリルアルキルフタレート,エチルアリルマレート,メチルアリルフマレート,メチルメタアリルマレート,アリルメタスルホネート,硫酸メチルアリル等に代表されるアリル官能基を有するカルボン酸等の有機酸エステル又は無機酸エステル;及び酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,トリフルオロ酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,ピバル酸ビニル等に代表されるビニル系モノマーが挙げられる。
この中で、炭素数1〜3のアルキルアクリレート(メタクリレート),アリルアルキルエーテル,エトキシ化フェニルアクリレート(EO=0〜5モル),エトキシ化メチルアクリレート(EO=0〜5モル),酢酸ビニル等が特に望ましい。
芳香族官能基を分子内に有するポリマーと、芳香族官能基を有する低分子化合物とを含有する非水電解液を例として、本発明の作用について説明する。低分子量の過充電抑制剤と、芳香族官能基を有するポリマーの過充電抑制剤を混合して使用すると、過充電時にまずポリマーの過充電抑制剤が、分子内の芳香族官能基間の電気化学重合により架橋し、より高分子量の化合物を迅速に形成する。その結果、電極表面での膜形成がしやすくなり、内部抵抗を上げやすい。
低分子量の過充電抑制剤は、一定の速度で過充電を抑制する効果がある。高分子量のポリマーが過充電の初期段階で迅速に過充電を抑制するとともに、ポリマーの過充電抑制剤同士の架橋により、分子内の芳香族官能基の反応性が低下することと併せ、電池温度の上昇を長時間抑制することが可能となる。
次に、上述の過充電抑制剤を使用する非水電解液について説明する。非水電解液は、非水溶媒と、電解質塩と、低分子量(分子量はおよそ200以下)の過充電抑制剤と、芳香族官能基を有するポリマー型過充電抑制剤との混合物とを含む。
非水電解液に用いる非水溶媒(有機溶媒)としては、高誘電率のものが好ましく、カーボネート類を含むエステル類がより好ましい。中でも、誘電率が30以上のエステルを使用することが推奨される。
このような高誘電率のエステルとしては、例えば、エチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,ブチレンカーボネート,γ−ブチロラクトン,イオウ系エステル(エチレングリコールサルファイト等)等が挙げられる。これらの中でも、環状エステルが好ましく、エチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,プロピレンカーボネート,ブチレンカーボネート等の環状カーボネートが特に好ましい。上記の溶媒以外にも、ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,メチルエチルカーボネート等に代表される低粘度の極性の鎖状カーボネート,脂肪族の分岐型のカーボネート系化合物を用いることができる。環状カーボネート(特に、エチレンカーボネート)と鎖状カーボネートとの混合溶媒が特に好ましい。
さらに、上記の非水溶媒以外にも、プロピオン酸メチル等の鎖状のアルキルエステル類;リン酸トリメチル等の鎖状リン酸トリエステル;3−メトキシプロピオニトリル等のニトリル系溶媒;デンドリマー及びデンドロンに代表されるエーテル結合を有する分岐型化合物等の非水溶媒(有機溶媒)を用いることができる。
また、フッ素系の溶媒も用いることができる。フッ素系の溶媒としては、例えば、H(CF22OCH3,C49OCH3,H(CF22OCH2CH3,H(CF22OCH2CF3,H(CF22CH2O(CF22H等、又は、CF3CHFCF2OCH3,CF3CHFCF2OCH2CH3等の直鎖構造の(パーフロロアルキル)アルキルエーテル、若しくは、イソ(パーフロロアルキル)アルキルエーテル、すなわち、2−トリフロロメチルヘキサフロロプロピルメチルエーテル,2−トリフロロメチルヘキサフロロプロピルエチルエーテル,2−トリフロロメチルヘキサフロロプロピルプロピルエーテル,3−トリフロロオクタフロロブチルメチルエーテル,3−トリフロロオクタフロロブチルエチルエーテル,3−トリフロロオクタフロロブチルプロピルエーテル,4−トリフロロデカフロロペンチルメチルエーテル,4−トリフロロデカフロロペンチルエチルエーテル,4−トリフロロデカフロロペンチルプロピルエーテル,5−トリフロロドデカフロロヘキシルメチルエーテル,5−トリフロロドデカフロロヘキシルエチルエーテル,5−トリフロロドデカフロロヘキシルプロピルエーテル,6−トリフロロテトラデカフロロヘプチルメチルエーテル,6−トリフロロテトラデカフロロヘプチルエチルエーテル,6−トリフロロテトラデカフロロヘプチルプロピルエーテル,7−トリフロロヘキサデカフロロオクチルメチルエーテル,7−トリフロロヘキサデカフロロオクチルエチルエーテル,7−トリフロロヘキサデカフロロヘキシルオクチルエーテル等が挙げられる。さらに、上記のイソ(パーフロロアルキル)アルキルエーテルと、上記の直鎖構造の(パーフロロアルキル)アルキルエーテルとを併用することもできる。
非水電解液に用いる電解質塩としては、リチウムイオン電池の場合にはリチウム塩を用いる。リチウムの過塩素酸塩,有機ホウ素リチウム塩,含フッ素化合物のリチウム塩,リチウムイミド塩等が好ましい。
このような電解質塩の具体例としては、例えば、LiClO4,LiPF6,LiBF4,LiAsF6,LiSbF6,LiCF3SO3,LiCF3CO2,Li224(SO32,LiN(CF3SO22,LiN(C25SO22,LiC(CF3SO23,LiCnF2n+1SO3(n≧2),LiN(RfOSO22(ここで、Rfはフルオロアルキル基)等が挙げられる。これらのリチウム塩の中で、含フッ素有機リチウム塩が特に好ましい。含フッ素有機リチウム塩は、アニオン性が大きく、かつ、イオンに分離しやすいので、非水電解液中において溶解しやすいからである。
非水電解液における電解質塩の濃度は、例えば、好ましくは0.3mol/L(モル/リットル)以上、より好ましくは0.7mol/L以上であって、好ましくは1.7mol/L以下、より好ましくは1.2mol/L以下である。電解質塩濃度が低すぎると、イオン伝導度が小さくなることがあり、高すぎると、溶解しきれない電解質塩が析出するおそれがある。
また、非水電解液には、電池の性能を向上させるための各種の添加剤を添加してもよく、特に制限はない。例えば、C=C不飽和結合を分子内に有する化合物を添加した非水電解液では、電池の充放電サイクル特性の低下を抑制できる。このようなC=C不飽和結合を分子内に有する化合物としては、例えば、C65611(シクロヘキシルベンゼン)等の芳香族化合物;H(CF24CH2OOCCH=CH2,F(CF28CH2CH2OOCCH=CH2等のフッ素化された脂肪族化合物;フッ素含有芳香族化合物等が挙げられる。また、1,3−プロパンスルトン、1,2−プロパジオール硫酸エステルをはじめとするイオウ元素を有する化合物(例えば、鎖状又は環状スルホン酸エステル,鎖状又は環状の硫酸エステル等),ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,フッ化エチレンカーボネート等も使用でき、非常に効果的な場合がある。
特に、負極活物質に高結晶炭素材料を用いる場合、ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,フッ化エチレンカーボネート等との併用はより効果的である。ビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート,フッ化エチレンカーボネートを非水電解液に添加すると、電池を充電することにより、負極表面に保護皮膜を形成し、負極活物質と非水電解液との接触による反応を抑制して、かかる反応による非水電解液の分解等を抑制する作用を有している。これらの各種添加剤の添加量は、非水電解液全量中、例えば、0.05〜5質量%とすることが好ましい。
このほか、非水電解液二次電池の高温特性の改善を達成すべく、非水電解液に酸無水物を添加してもよい。酸無水物は、負極の表面改質剤として負極表面に複合皮膜の形成に関与し、高温時における電池の貯蔵特性等を更に向上させる機能を有する。また、酸無水物を非水電解液に添加することにより、非水電解液中の水分量を低減させることができるため、この非水電解液を用いた電池内でのガス発生量も減少させることができる。非水電解液に添加する酸無水物は分子内に酸無水物構造を少なくとも1個有する化合物であり、複数個有する化合物であってもよい。酸無水物の添加量は、非水電解液全量中、0.05〜1質量%とすることが好ましい。
酸無水物の具体例としては、例えば、無水メリト酸,無水マロン酸,無水マレイン酸,無水酪酸,無水プロピオン酸,無水プルビン酸,無水フタロン酸,無水フタル酸,無水ピロメリト酸,無水乳酸,無水ナフタル酸,無水トルイル酸,無水チオ安息香酸,無水ジフェン酸,無水シトラコン酸,無水ジグリコールアミド酸,無水酢酸,無水琥珀酸,無水桂皮酸,無水グルタル酸,無水グルタコン酸,無水吉草酸,無水イタコン酸,無水イソ酪酸,無水イソ吉草酸,無水安息香酸等が挙げられ、それらの一種類又は二種類以上を用いることができる。
次に、上述の過充電抑制剤を使用する非水電解液二次電池の構成について説明する。非水電解液二次電池は、上記の非水電解液を有していればよく、その他の構成要素については特に制限はなく、従来公知の非水電解液二次電池と同様のものを採用できる。図1および図2に、非水電解液二次電池の一例を示す。図1は、非水電解液二次電池の概略図であり、(a)は平面図、(b)はその部分断面図である。図1の電池は、正極2と負極3との間に、セパレータ4を挟んで重ね合わせて電極積層体とし、これを渦巻状に巻回して電極巻回体1とした後、外装体5に装填し、正負極と外装体の正負極端子とをリード体(リード片)7,8等を介して接続し、非水電解液を外装体内に注入した後、外装体を封止して作製される。また、図2は、図1の外観斜視図である。
図1(b)に示すように、正極2と負極3とをセパレータ4を介して渦巻状に巻回し、扁平状に押し潰して横断面を扁平形状とし、底面をテープ6で覆った扁平状電極巻回体1が、角形(角筒形)の外装缶5に電解液と共に収容されている。扁平状電極巻回体の正極リードを正極端子と、負極リードを負極端子と、それぞれ常法に従って接続し、電解液を注入した後に外装缶を封止する。ただし、図1では、煩雑化を避けるため、正極2や負極3の作製にあたって使用した集電体としての金属箔や電解液などは図示しておらず、扁平状電極巻回体1の内周側の部分は断面にしていない。また、扁平状電極巻回体1の底面のテープ6は、基材と粘着材とを区別して示しておらず、また、テープ6が扁平状電極巻回体1の底面にのみ配置された状態で示している。
外装缶5は、アルミニウム製やアルミニウム合金製であり、この外装缶5は正極端子を兼ねている。そして、扁平状電極巻回体1からは、正極2および負極3のそれぞれ一端に接続された正極リード7と負極リード8が引き出されている。また、外装缶5の開口部を封口する電池蓋9(アルミニウム合金製などの電池蓋)にはPP製の絶縁パッキング10を介してステンレス鋼製の端子11が取り付けられ、この端子11には絶縁体12を介してステンレス鋼製のリード板13が取り付けられている。
そして、この電池蓋9は外装缶5の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、外装缶5の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。また、図6に示す電池では、電池蓋9に電解液注入口14が設けられており、この電解液注入口14には、封止部材が挿入された状態で、例えばレーザー溶接などにより溶接封止されて、電池の密閉性が確保されている(従って、図6および図7の電池では、実際には、電解液注入口14は、電解液注入口と封止部材であるが、説明を容易にするために、電解液注入口14として示している)。更に、電池蓋9には、防爆ベント15が設けられている。
図1に示す電池では、正極リード7を電池蓋9に直接溶接することによって外装缶5と電池蓋9とが正極端子として機能し、負極リード8をリード板13に溶接し、そのリード板13を介して負極リード8と端子11とを導通させることによって端子11が負極端子として機能するようになっているが、外装缶5の材質などによっては、その正負が逆になる場合もある。
図2は前記図1に示す電池の外観を模式的に示す斜視図であり、この図2は前記電池が角形電池であることを示すことを目的として図示されたものであって、この図2では電池を概略的に示しており、電池の構成部材のうち特定のものしか図示していない。
更に、図1および図2は、非水電解液二次電池の形状や構造の理解を容易にするためのものであり、これらで示した電池の各構成要素のサイズは、必ずしも正確ではない。
また、電池の外装体としては、図1のような金属製の角形のほか、円筒形等の外装体や、金属(アルミニウム等)ラミネートフィルムで形成されたラミネート外装体等を用いることができる。
リチウムイオン電池を例として、非水電解液二次電池の構成をさらに詳細に説明する。リチウムイオン電池は、リチウムを吸蔵放出可能な正極及び負極と、セパレータと、非水電解液を含む。
正極に係る正極活物質には、リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物が使用でき、例えば、LixMO2又はLiy24(ただし、Mは遷移金属であり、0≦x≦1,0≦y≦2)で表されるリチウム含有複合酸化物,スピネル状の酸化物,層状構造の金属カルコゲン化物,オリビン構造等が挙げられる。
その具体例としては、LiCoO2等のリチウムコバルト酸化物,LiMn24等のリチウムマンガン酸化物,LiNiO2等のリチウムニッケル酸化物,Li4/3Ti5/34等のリチウムチタン酸化物,リチウムマンガン・ニッケル複合酸化物,リチウムマンガン・ニッケル・コバルト複合酸化物,二酸化マンガン,五酸化バナジウム,クロム酸化物、等の金属酸化物;LiMPO4(M=Fe,Mn,Ni)等のオリビン型の結晶構造を有する材料;二硫化チタン,二硫化モリブデン等の金属硫化物;等が挙げられる。
特に、層状構造又はスピネル構造のリチウム含有複合酸化物が好ましく用いられ、LiCoO2,LiMn24,LiNiO2,LiNi1/2Mn1/22等に代表されるリチウムマンガン・ニッケル複合酸化物,LiNi1/3Mn1/3Co1/32,LiNi0.6Mn0.2Co0.22等に代表されるリチウムマンガン・ニッケル・コバルト複合酸化物、又はLiNi1-x-y―zCoxAlyMgz2(ただし、0≦x≦1,0≦y≦0.1,0≦z≦0.1,0≦1−x−y−z≦1)のように構成元素の一部がGe,Ti,Zr,Mg,Al,Mo,Sn等より選ばれる添加元素で置換されたリチウム含有複合酸化物等、充電時の開路電圧がLi基準で4V以上を示すリチウム複合酸化物を正極活物質として用いれば、実施例の非水電解液の特徴を生かすことができ、安全の高い非水電解液二次電池を得ることができる。
これらの正極活物質は、一種類単独で使用してもよく、二種類以上を併用してもよい。例えば、層状構造のリチウム含有複合酸化物とスピネル構造のリチウム含有複合酸化物とを共に用いることにより、大容量化及び安全性向上の両立を図ることができる。
正極の作製方法としては、例えば、上記の正極活物質に、導電助剤(カーボンブラック,アセチレンブラック等)や、結着剤(ポリフッ化ビニリデン,ポリエチレンオキシド等)等を適宜添加して正極合剤を調製し、これを集電材料(アルミニウム箔等)を芯材として塗布し、帯状の成形体に仕上げる方法が用いられる。
負極に係る負極活物質としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物(リチウム金属単体の他、Al,Si,Sn,In等の合金又はリチウム(Li)に近い低電位で充放電できる酸化物,炭素材料等の各種材料)を用いることができる。
特にリチウムイオンを電気化学的に出し入れ可能な炭素材料が好ましい。このような炭素材料としては、例えば、黒鉛,熱分解炭素類,コークス類,ガラス状炭素類,有機高分子化合物の焼成体,メソカーボンマイクロビーズ,炭素繊維,活性炭等が挙げられる。負極活物質に炭素材料を用いる場合、該炭素材料の(002)面の層間距離d002に関しては、0.37nm以下であることが好ましい。また、電池の高容量化を実現するためd002は、0.35nm以下であることがより好ましく、0.34nm以下であることが更に好ましい。d002の下限値は特に限定されないが、理論的には約0.335nmである。
また、炭素材料のc軸方向における結晶子の大きさLcは、3nm以上であることが好ましく、8nm以上であることがより好ましく、25nm以上であることが更に好ましい。Lcの上限は、特に限定されないが、通常200nm程度である。そして、その平均粒径は、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上であって、好ましくは15μm以下、より好ましくは13μm以下である。また、その純度は99.9%以上であることが望ましい。
負極の作製方法としては、例えば、上記の負極活物質に、必要に応じて導電助剤(カーボンブラック,アセチレンブラック等)や、結着剤(ポリフッ化ビニリデン,スチレンブタジエンゴム等)等を適宜添加して負極合剤を調製し、これを銅箔等の集電材料を芯材として塗布し、成形体に仕上げる方法が用いられる。
正極と負極との間に配置されるセパレータは、従来公知の非水電解液二次電池において採用されている各種セパレータを適宜用いることができる。例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、又はポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂で形成された微孔性セパレータが好適に用いられる。また、それらの微孔性セパレータ(微孔性フィルム)を重ね合わせたり、その表面にアルミナ等の無機層を設けても使用することもできる。
セパレータの厚さにも特に制限はないが、電池の安全性及び高容量化の両方を考慮して5〜30μmとすることが好ましい。また、セパレータの通気度(秒/100mL)も特に制限はないが、10〜1000(秒/100mL)が好ましく、更に好ましくは50〜800(秒/100mL)であり、特に好ましくは90〜700(秒/100mL)である。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて更に詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、「%」は、特に断らない限り質量基準である。
まず、合成した合成物の分子量測定方法及び化合物の同定方法を説明する。
(1)分子量測定
ポリスチレンを基準として、下記の条件においてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)測定を行い、合成物の分子量及びその分布を測定した。
〔測定条件〕
装置:液体クロマトグラフ装置「L−6000型」((株)日立ハイテクノロジ ーズ製)
検出器:示差屈折率計(RI)検出器「L−3300型」((株)日立ハイテクノ ロジーズ製)
カラム:Gelpack GL−R440+R450+R400M
試料濃度:120mg/5mL(ミリグラム/ミリリットル)
カラム温度:25℃
移動相:テトラヒドロフラン(THF)
流量:2.05ml/分(ミリリットル/分)
試料注入量:200マイクロリットル
(2)化合物の同定
下記の核磁気共鳴分光法(NMR、Nuclear Magnetic Resonance)を用いて1H−NMR及び13C−NMRのスペクトルを測定し、合成物の同定及びコポリマーの組成の分析を行った。
装置:BRUKER AV400M
1H:400.13MHz
溶媒:重クロロホルム(CDCl3
〔実施例1〕
下記の化学式(4)で示され、リチウム金属基準で約4.5Vで電解重合するビフェニル官能基を有するコポリマーを合成した。このコポリマーをポリマー(I)と呼ぶ。
Figure 2012138314
まず、温度計,還流冷却器及び撹拌装置を装着した500mL(ミリリットル)の2口のナス型フラスコにエトキシ化フェニルアクリレート(EO=2モル)であるジエチレングリコールモノフェニルエーテルアクリレート(42.5g)と4−ビニルビフェニル(7.5g)とを混合し、これに重合開始剤として500mgのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を加えた。
これにジメチルカーボネート(DMC)を200g入れ、アルゴンガスで容器内の酸素を除去した。その後、アルゴンガスでバブリングしながら、60℃のオイルバスで3時間反応させ、さらに70℃で2時間反応させた。
反応終了後、反応混合物に300mLの冷メタノールを徐々に加え、撹拌して沈殿させた。その後、沈殿物を冷メタノールで数回洗浄して未反応のモノマー及び添加剤を除去し、固体状ポリマーを得た。
洗浄後のポリマーを60℃で減圧乾燥してメタノールを除去した後、さらに80℃で一晩真空乾燥し、約37gの透明であり、粘弾性を有する薄黄色固体状のポリマー(I)を得た。収率は74%であった。
ポリマー(I)の構造は、1H−NMR及び13C−NMRで確認した。また、ポリマー(I)分子内でのジエチレングリコールモノフェニルエーテルアクリレートと4−ビニルビフェニルとの比は、1H−NMRスペクトルにおける各プロトンピークの面積比から求めたところ、ほぼ仕込量の通りであった。その分子量をGPCで測定したところ、数均分子量は21000であった。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とジエチルカーボネート(DEC)との体積比1:1:1の混合溶媒にLiPF6を10mol/L溶解させ、これにリチウム金属基準で約4.5Vで電解重合するポリマー(I)を0.5wt%、リチウム金属基準で約4.7Vで電解重合するシクルヘキシルベンゼン(CHB)を2wt%となるように添加して非水電解液を調製した。なお、非水電解液の調製は、Ar雰囲気中で行った。
<電極の作製>
正極は次のようにして作製した。先ず、92質量部のLiCoO2(正極活物質)に導電助剤として燐片状黒鉛を5質量部加えて混合し、この混合物にポリフッ化ビニリデン3質量部をN−メチルピロリドンに溶解させた溶液を加えて混合して正極合剤スラリーとした。この正極合剤スラリーを70メッシュの網を通過させて粒径が大きなものを取り除いた後、この正極合剤スラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に均一に塗付して乾燥し、その後、ロールプレス機により圧縮成形して総厚さを165μmにした後、切断し、ニッケル製のリード体を溶接して、帯状の正極を作製した。
負極は次のようにして作製した。負極活物質としては、以下の方法により合成された高結晶の人造黒鉛を用いた。即ち、コークス粉末100質量部,タールピッチ40質量部,炭化ケイ素14質量部及びコールタール20質量部を、空気中において200℃で混合した後に粉砕し、窒素雰囲気中において1000℃で熱処理し、さらに窒素雰囲気中において3000℃で熱処理して黒鉛化させて人造黒鉛とした。得られた人造黒鉛のBET比表面積は4.0m2/gで、X線回折法によって測定される(002)面の面間隔d002は0.336nm、c軸方向の結晶子の大きさLcは48nm、全細孔容積は1×10-33/kgであった。
この人造黒鉛を用い、バインダーとしてスチレンブタジエンラバーを用い、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを用い、それらを質量比98:1:1の割合で混合し、さらに水を加えて混合して負極合剤ぺーストとした。この負極合剤ぺーストを厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の両面に均一に塗布して乾燥し、その後、ロールプレス機により圧縮成形して総厚さを145μmにした後、切断し、ニッケル製のリード体を溶接して、帯状の負極を作製した。
<電池の作製>
上記帯状の正極を、厚さ20μmの微孔性ポリエチレンセパレータ(空隙率:41%)を介して、上記帯状の負極に重ね、渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状巻回構造の電極巻回体とし、この電極巻回体をポリプロピレン製の絶縁テープで固定した。次に、外寸が縦(厚み)4.4mm,横34mm,高さ50mmのアルミニウム合金製の角形の電池ケースに上記電極巻回体を挿入し、リード体の溶接を行うとともに、アルミニウム合金製の蓋板を電池ケースの開口端部に溶接した。その後、蓋板に設けた電解液注入口から上記のポリマー(I)とCHBを含有する非水電解液を注入し、化成等を経て電池を作成した。なお、本実施例の非水電解液二次電池の設計電気容量は、840mAhとした。
〔比較例1〜5〕
比較例1として、過充電添加剤を添加しなかった以外は実施例1と同様にして非水電解液二次電池を得た。
比較例2として、低分子過充電添加剤CHBだけを非水電解液の全質量に対して2質量%となるように添加した以外は実施例1と同様にして非水電解液二次電池を得た。
比較例3として、ポリマー(I)のみを非水電解液の全質量に対して2質量%となるように添加した以外は実施例1と同様にして非水電解液二次電池を得た。
比較例4として、ポリマー(I)のみを非水電解液の全質量に対して5.0質量%となるように添加した以外は実施例1と同様にして非水電解液二次電池を得た。
比較例5として、低分子過充電添加剤のCHBのみを非水電解液の全質量に対して4.0質量%となるように添加した以外は実施例1と同様にして非水電解液二次電池を得た。
〔実施例2〕
下記化学式(5)で示され、約4.5V(リチウム金属基準)で電解重合するビフェニル構造を有するポリマー(II)を合成した。ポリマー(II)の合成は、出発原料に4−ビニルシクロヘキシルベンゼン(40wt%)及びジエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート(60wt%)を用いたこと以外は、実施例1におけるポリマー(I)の合成と同様にして行った。
Figure 2012138314
ポリマー(I)に代えて上記のポリマー(II)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして0.5wt%ポリマー(III)と2wt%CHBを有する非水電解液を調製した。また、この非水電解液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、評価用電池を作製し、評価した。
〔実施例3〕
下記化学式(6)で示され、約4.7V(リチウム金属基準)で電解重合する4−シクルヘキシルフェニル構造を有するポリマー(III)を合成した。ポリマー(III)の合成はジエチレングリコールモノシクロヘキシルフェニルエーテルメタクリレートを用いた以外は、実施例1におけるポリマー(I)の合成と同様にして行った。
Figure 2012138314
ポリマー(I)に代えて前記のポリマー(III)を用いた以外は、実施例1と同様にして0.5wt%ポリマー(III)と2wt%CHBを有する非水電解液を調製し、この非水電解液を用いた以外は実施例1と同様にして、評価用電池を作製し、評価した。
〔実施例4〕
1wt%の約4.5V(リチウム金属基準)で電解重合するポリマー(II)と2wt%の約4.7V(リチウム金属基準)で電解重合するCHBを有する非水電解液を調製し、この非水電解液を用いた以外は実施例1と同様にして、評価用電池を作製し、評価した。
<高温貯蔵特性試験>
実施例1〜4及び比較例1〜5の各電池を、20℃において840mA(1C)で4.2Vになるまで充電し、さらに4.2Vの定電圧で2.5時間充電して満充電とし、その後、20℃において0.2Cで3Vまで放電して貯蔵前の放電容量を測定した。また、この容量を電池の容量とした。
次に、上記各電池を上記と同様にして充電した後、恒温槽中において60℃で20日間貯蔵した。貯蔵後の電池を20℃まで自然冷却し、実施例1,比較例1,2の電池ケースの厚みを測定し、貯蔵前の電池ケースの厚みとの比較から電池の膨れを求めた。その後全ての電池を20℃において0.2Cで3Vまで放電して貯蔵後の放電容量を測定した。再度、同様に定電圧充電し、0.2CmAで3.0Vまで定電流放電を行って回復容量を求めた。
続いて、貯蔵前の放電容量,貯蔵後の放電容量と貯蔵後の回復容量を用いて、下記式により容量保持率と容量回復率を算出し、電池の膨れ,容量保持率と容量回復率から高温貯蔵特性を評価した。
(数1)
容量保持率(%)=(貯蔵後の放電容量/貯蔵前の放電容量)×100
(数2)
容量回復率(%)=(貯蔵後の放電容量/貯蔵前の放電容量)×100
<過充電特性>
5本の満充電した電池を別々の熱硬化性フェノール樹脂板からなる箱に入れ、無空気対流の状態下、20℃において1Aの電流で5.0Vまで充電し、さらに5.0Vの定電圧で3.5時間充電し、過充電とした。過充電後の発火電池の有無とその本数から電池の安全性を判定した。また、過充電時での電池の電圧,電流,表面温度を同時に測定した。
図3に過充電時の、実施例1と比較例1〜3に用いた電池の表面温度の変化を示した。図3から、実施例1のポリマー(I)とCHBを有する電池は過充電時の電池表面の最高温度が100度以下と安全であったことと、比較例1〜3の電池は何れも発火したことがわかる。
表1に、各電池に使用した過充電抑制剤、及び電池特性を示す。ポリマー(I)とCHBを用いた実施例1の電池は、60℃での貯蔵特性にも優れることがわかる。また、表1から、実施例2〜4の非水電解液二次電池は、過充電時の発火無し、比較例1〜3と比べて高安全性を有すること、電池の60℃での膨れが少なく、比較例4と5と比べて貯蔵特性に優れることがわかる。
Figure 2012138314
以上の点から、本発明のポリマー型過充電抑制剤と低分子過充電抑制剤からなる混合過充電抑制剤は、電池の基本特性を維持しながら、高安全性を確保する面において有効である。このように、実施例の非水電解液二次電池は、安全性に優れており、電池特性も良好であることから、こうした特性を生かして、携帯電話,ノート型パソコン等のモバイル情報機器における駆動電源用の二次電池としてだけではなく、電気自動車やハイブリド電気自動車等の様々な機器の電源として幅広く利用することができる。
1 扁平状電極巻回体
2 正極
3 負極
4 セパレータ
5 外装缶
6 テープ
7 正極リード
8 負極リード
9 電池蓋
10 絶縁パッキング
11 端子
12 絶縁体
13 リード板
14 電解液注入口
15 防爆ベント

Claims (14)

  1. 非水溶媒と、電解質塩と、リチウム金属基準で4.3V以上5.5V以下で電解重合する低分子化合物と、リチウム金属基準で4.3V以上5.5V以下で電解重合するポリマーと、を含有することを特徴とする非水電解液。
  2. 請求項1に記載の非水電解液において、
    前記ポリマーは芳香族官能基と、エーテル結合又はエステル結合とを備えることを特徴とする非水電解液。
  3. 請求項2に記載の非水電解液において、
    前記ポリマーは、一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする非水電解液。
    Figure 2012138314

    [前記式中、Aはリチウム金属基準で4.3V以上5.5V以下で電解重合する官能基であり、且つ、エーテル結合又はエステル結合を有する。RとR′は水素又はメチル基である。]
  4. 請求項2に記載の非水電解液において、
    前記ポリマーは、一般式(2)又は(3)で表される化合物であることを特徴とする非水電解液。
    Figure 2012138314

    Figure 2012138314

    (式中、R1及びR4は、リチウム金属基準で4.3V以上5.5V以下で電解重合する芳香環を有する官能基であり、R2及びR5は、水素又は炭素数1〜3のアルキル基であって、このアルキル基の水素がフッ素で置換されていてもよい。R3は、炭素数1〜6のアルキル基又は芳香族官能基を有する基であって、このアルキル基又は芳香族官能基の水素がフッ素で置換されていてもよく、アルコキシ基を介する炭素数1〜6のアルキル基又は芳香族官能基であってもよい。R6は、炭素数1〜6のアルキル基又は芳香環を有する官能基であって、このアルキル基又は芳香環を有する官能基の水素がフッ素で置換されていてもよい。c及びeは、1以上の整数であり、d及びfは、0又は1以上の整数である。)
  5. 請求項1に記載の非水電解液において、
    前記低分子化合物は、リチウム金属基準で4.3V以上5.5V以下で電解重合する芳香族官能基を有することを特徴とする非水電解液。
  6. 請求項5に記載の非水電解液において、
    前記低分子化合物として、シクロヘキシルベンゼン,ビフェニル,フッ化ベンゼンの少なくともいずれかを含むことを特徴とする非水電解液。
  7. 請求項1に記載の非水電解液において、
    前記ポリマーの数平均分子量(Mn)は、3000〜1000000であることを特徴とする非水電解液。
  8. 請求項1に記載の非水電解液において、
    前記低分子化合物の分子量は、200以下であることを特徴とする非水電解液。
  9. 請求項1に記載の非水電解液において、
    前記ポリマーは0.1質量%以上、5質量%以下で、かつ前記低分子化合物は0.1wt%以上、5wt%以下で含まれることを特徴とする非水電解液。
  10. 請求項1に記載の非水電解液において、
    前記ポリマーはリチウム金属基準で4.3V以上5.5V以下で電解重合する官能基と、エーテル結合又はエステル結合とを備えることを特徴とする非水電解液。
  11. 請求項1に記載の非水電解液において、
    前記電解質はリチウム塩であることを特徴とする非水電解液。
  12. 請求項1に記載の非水電解液において、
    前記非水溶媒は、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを含むことを特徴とする非水電解液。
  13. 正極と、負極と、非水電解液とを備えた非水電解液二次電池であって、
    前記非水電解液は請求項1ないし12のいずれかに記載された非水電解液であることを特徴とする非水電解液二次電池。
  14. 請求項13に記載の非水電解液二次電池において、
    前記正極及び前記負極は、リチウムを吸蔵放出可能な正極及び負極であり、
    前記電解質はリチウム塩を含むことを特徴とする非水電解液二次電池。
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