JP5261208B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質二次電池の改良に関する。
今日、携帯電話、ノートパソコン等の移動情報端末の高機能化・小型化および軽量化が急速に進展している。これらの端末の駆動電源として、高いエネルギー密度を有し、高容量であるリチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池が広く利用されている。
リチウムイオン二次電池は、電動工具、電動アシスト自転車、ハイブリッド自動車等に使用されており、これらの用途では、大電流放電による抵抗発熱や外部温度によって、電池温度が高温となりやすい。電池温度が高温となると、電解液の分解が起き易くなるので、電池が膨れてしまう。また、発生したガスが電池内にとどまることにより、スムースな充放電反応の進行が阻害され、サイクル特性が低下する。このため、電池の高温特性のさらなる向上が求められている。
非水電解質電池に関する技術としては、下記特許文献1〜3が挙げられる。
特開2000-294277号公報 特開2006-172726号公報 特開2004-265680号公報
特許文献1は、アルミニウムトリス(2,4−ペンタンジオネート)誘導体を非水電解質に含有させる技術である。この技術によると、電池寿命や低温特性等に優れた電池が得られるとされる。
特許文献2は、β−ジケトン部分構造を有する化合物及びβ−ジケトンの鉄、ニッケル、銅、コバルト及び亜鉛の中から選ばれる少なくとも一種類以上の金属錯体を含む非水電解質を用いる技術である。この技術によると、デンドライトの発生を抑制し得た電池が得られるとされる。
特許文献3は、負極板又は電解液に有機チタネートを含有させる技術である。この技術によると、サイクル特性に優れた電池が得られるとされる。
しかし、上記特許文献1〜3の技術を適用した電池は、高温環境下における電池特性が十分ではないという問題があった。
本発明は、上記に鑑み、高温環境においても、非水電解質の分解によるガスの発生を抑制でき、サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、非水溶媒及び電解質塩を有する非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、前記非水電解質は、0.005〜2.0質量%の下記一般式(I)で示される構造を有するキレート化合物と、0.3〜4.0質量%のビニレンカーボネートとを含み、前記正極活物質の比表面積が、0.20〜0.85m2/gであることを特徴とする。
Figure 0005261208
(Mは、Al,Zr,Coのいずれかの金属原子であり、R1,R2は、それぞれ炭素数18以下のアルキル基またはアルコキシ基を示す。R1,R2は同一であってもよく、異なっていてもよい。また、アルキル基、アルコキシ基は、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、nは4以下の自然数である。)
この構成では、非水電解質に含まれるビニレンカーボネート(VC)が、負極表面に良好な被膜を形成して、負極と非水溶媒との反応を抑制するので、サイクル特性が向上する。ビニレンカーボネートは、高温時には正極と反応して分解し、ガスを発生させやすいのであるが、非水電解質に含まれるキレート化合物が正極表面に吸着して、正極とビニレンカーボネートとの反応が抑制されると考えられる。よって、ビニレンカーボネートとキレート化合物とによる効果が相乗的に作用して、高温時においてもガスの発生が少なく、且つサイクル特性に優れた非水電解質二次電池が得られる。
また、正極活物質の比表面積が0.85m2/gよりも大きいと、上記一般式(I)で示される構造を有するキレート化合物を含んでいても、ビニレンカーボネートの分解を十分に抑制できない。他方、正極活物質の比表面積が0.20m2/gよりも小さいと、正極活物質の表面積が小さすぎるために、高レートで放電する場合の放電容量が低下する。よって、正極活物質の比表面積は、上記範囲内に規制することが好ましい。
ここで、非水電解質中の上記キレート化合物やビニレンカーボネートの質量割合は、非水電解質全体(非水溶媒+電解質塩+キレート化合物+ビニレンカーボネート(必要であれば+その他の添加剤))の質量に占める割合を意味する。ポリマー電解質を用いる場合、ポリマー成分は、上記その他の添加剤に含めるものとする。
上記一般式(I)における金属原子Mは、高温特性を向上させる効果が大きいことから、Alとすることがより好ましい。
また、高温特性を向上させる効果が大きいことから、上記一般式(I)におけるR1,R2の少なくとも一方を、アルコキシ基とすることがより好ましい。
また、高温特性を向上させる効果が大きいことから、上記一般式(I)における金属原子Mに、少なくとも1つのアルコキシ基が結合している構成を採用することがより好ましい。
本発明によると、高温時においても非水電解質の分解によるガスの発生が少なく、且つ高温サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を提供することができる。
以下に、実施例を用いて、本発明を実施するための最良の形態を、詳細に説明する。
(実施例1)
<正極の作製>
正極活物質としての比表面積が0.45m2/gのコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、導電剤としてのカーボンブラックと、結着剤としてのポリビニリデンフルオライド(PVdF)とを、質量比95:2.5:2.5の割合で混合し、これらをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質スラリーを調製した。
次に、ドクターブレードを用いて、帯状のアルミニウム箔(厚さが12μm)からなる正極芯体の両面に、この正極活物質スラリーを均一な厚みで塗布した。この極板を乾燥機内に通して、スラリー調整時に用いた有機溶媒(NMP)を除去し、乾燥極板を作製した。この乾燥極板を、ロールプレス機を用いて圧延して、正極板を作製した。このようにして作製した正極板を所定のサイズに裁断し、正極を得た。
<負極の作製>
負極活物質としての人造黒鉛(d=0.335nm)と、導電剤としてのカーボン粉末と、結着剤としてのスチレンブタジエンゴムと、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースとを、質量比95:3:1:1の割合で混合し、これらを水と混合し、負極活物質スラリーを調製した。
次に、ドクターブレードを用いて、帯状の銅箔(厚さが8μm)からなる負極芯体の両面に、この負極活物質スラリーを均一な厚さで塗布した。この極板を乾燥機内に通して、スラリー調整時に用いた水分を除去し、乾燥極板を作製した。その後、この乾燥極板を、ロールプレス機により圧延して、負極板を作製した。このようにして作製した負極板を所定のサイズに裁断し、負極を得た。
<電極体の作製>
上記正極と上記負極とポリエチレン製微多孔膜(厚さが12μm)からなるセパレータとを重ね合わせ、巻き取り機により巻回し、絶縁性の巻き止めテープを設け、その後プレスして、扁平渦巻状の電極体を完成させた。
<非水電解質の調製>
エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比2:1:7の割合(1気圧、25℃と換算した場合における)で混合した非水溶媒に、電解質塩としてのLiPF6を1.0M(モル/リットル)の割合で溶解したものを電解液とした。
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート(化合物1)と、ビニレンカーボネートとを、質量比98.4:0.1:1.5で混合し、非水電解質とした。
<電池の組み立て>
市販のアルミラミネート材を折り返し、底部を形成した。この後、ラミネート材をカップ状に成型して、収納空間を設けた。この収納空間に上記電極体を収納し、注液を行う部分以外を熱溶着した。この後、上記非水電解質を注液し、熱溶着して、設計容量が1500mAhの実施例1にかかる電池を作製した。
(実施例2)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート(化合物2)を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2に係る電池を作製した。
(実施例3)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、アルミニウムモノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート(化合物3)を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例3に係る電池を作製した。
(実施例4)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセテート(化合物4)を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例4に係る電池を作製した。
(実施例5)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート(化合物5)を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例5に係る電池を作製した。
(実施例6)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、アルミニウムトリスアセチルアセトネート(化合物6)を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例6に係る電池を作製した。
(実施例7)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート(化合物7)を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例7に係る電池を作製した。
(実施例8)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、コバルトビスアセチルアセトネート(化合物8)を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例8に係る電池を作製した。
(比較例1)
上記電解液と、ビニレンカーボネートとを、質量比98.5:1.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1に係る電池を作製した。
(比較例2)
上記電解液を非水電解質として用いた(キレート化合物及びビニレンカーボネートが含まれない)こと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例2に係る電池を作製した。
(比較例3)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートとを、質量比99.9:0.1で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例3に係る電池を作製した。
(比較例4)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、チタニウムオキサイドビスアセチルアセトネートオキサイド(化合物9)を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例4に係る電池を作製した。
(比較例5)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、チタニウムジイソプロポキシドビスアセチルアセトネート(化合物10)を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例5に係る電池を作製した。
(比較例6)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、チタニウムビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド(化合物11)を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例6に係る電池を作製した。
(比較例7)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、鉄トリスアセチルアセトネート(化合物12)を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例7に係る電池を作製した。
(比較例8)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、銅ビスアセチルアセトネート(化合物13)を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例8に係る電池を作製した。
(比較例9)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、亜鉛ビスアセチルアセトネート(化合物14)を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例9に係る電池を作製した。
〔初期容量の測定〕
上記実施例1〜8、比較例1〜9と同じ条件で電池を作製し、これらの電池を下記条件充放電し、初期容量を測定した。この結果を下記表2に示す。
充電:定電流1It(1500mA)で電圧が4.2Vとなるまで、その後定電圧4.2Vで電流が130mAとなるまで
放電:定電流1It(1500mA)で電圧が2.75Vとなるまで
なお、上記充放電は25℃環境で行った。
〔負荷特性の測定〕
上記実施例1〜8、比較例1〜9と同じ条件で電池を作製し、これらの電池を下記条件充放電し、負荷特性を測定した。この結果を下記表2に示す。
充電:定電流1It(1500mA)で電圧が4.2Vとなるまで、その後定電圧4.2Vで電流が130mAとなるまで
高レート放電:定電流2It(3000mA)で電圧が2.75Vとなるまで
低レート放電:定電流0.2It(300mA)で電圧が2.75Vとなるまで
負荷特性(%)=2It放電容量÷0.2It放電容量×100
なお、上記充放電は25℃環境で行った。
〔高温特性の測定〕
上記実施例1〜8、比較例1〜9と同じ条件で電池を作製し、これらの電池を下記条件での充放電サイクルを500回行った。サイクル後の電池を一部開封し、発生したガス量を測定した。また、下記式により容量維持率を算出した。これらの結果を下記表2に示す。
充電:定電流1It(1500mA)で電圧が4.2Vとなるまで、その後定電圧4.2Vで電流が130mAとなるまで
放電:定電流1It(1500mA)で電圧が2.75Vとなるまで
容量維持率(%)=500サイクル目放電容量÷1サイクル目放電容量×100
なお、上記充放電は60℃環境で行った。
なお、上記キレート化合物の構造(上記一般式(I)におけるM,R1,R2,n、Mに結合する官能基)は、下記表1に示すとおりである。
Figure 0005261208
Figure 0005261208
上記表2から、ビニレンカーボネートと、キレート化合物として上記一般式(I)に示す構造を有する化合物1〜8のいずれかと、を非水電解質に含む実施例1〜8は、ガス発生量が0.53〜1.11ml、容量維持率が59〜80%であるのに対し、キレート化合物を含まずビニレンカーボネートを含む比較例1は、ガス発生量が2.45ml、容量維持率が44%と実施例1〜8よりも劣っており、ビニレンカーボネートを含まない比較例2,3は、ガス発生量は0.17〜0.21mlと小さいものの、容量維持率が18〜21%と、大きく劣っていることがわかる。
このことは、次のように考えられる。ビニレンカーボネート(VC)を含み、キレート化合物を含まない場合、正極とVCとが反応することを抑制できないため、ガス発生量が大きくなり、且つサイクル特性が低下する(比較例1)。また、ビニレンカーボネート(VC)を含まない場合、正極とVCとの反応によるガス発生は起きないが、負極表面に被膜が形成されないので、サイクル特性が大きく低下する(比較例2,3)。他方、キレート化合物とビニレンカーボネートとを非水電解質に含ませると、正極とVCとの反応を引き起こすことなくVCによる負極表面被膜による効果を得ることができる。
また、上記表2から、上記一般式(I)に示す構造における金属原子Mが、Al,Zr,Coである化合物1〜8のいずれかを非水電解質に含む実施例1〜8は、ガス発生量が0.53〜1.11ml、容量維持率が59〜80%であるのに対し、上記一般式(I)に示す構造における金属原子Mが、Ti,Fe,Cu,Znである化合物9〜14のいずれかを非水電解質に含む比較例4〜9は、ガス発生量が2.31〜3.93ml、容量維持率が23〜37%と、劣っていることがわかる。
このことは、金属原子MがTi,Fe,Cu,Znのキレート化合物では、上記一般式(I)に示す構造を有する化合物のような効果が得られないためと考えられる。よって、金属原子MはAl,Zr,Coのいずれかであることが好ましい。
また、上記表2から、キレート化合物の金属原子MがAlである化合物1〜6を用いた実施例1〜6は、ガス発生量が0.53〜0.95ml、容量維持率が66〜80%と、キレート化合物の金属原子MがZrである化合物7を用いた実施例7の、ガス発生量1.09ml、容量維持率59%、キレート化合物の金属原子MがCoである化合物8を用いた実施例8の、ガス発生量1.11ml、容量維持率59%よりも優れていることがわかる。このことから、金属原子Mは、Alであることがより好ましい。
また、上記表2から、キレート化合物の側鎖R1、R2の少なくとも一方が、アルコキシ基である化合物1〜5を用いた実施例1〜5は、ガス発生量が0.53〜0.88ml、容量維持率が68〜80%と、キレート化合物の側鎖R1、R2のともにメチル基である化合物6を用いた実施例6の、ガス発生量0.95ml、容量維持率が66%よりも優れていることがわかる。このことから、側鎖R1、R2の少なくとも一方が、アルコキシ基であることがより好ましい。
また、上記表2から、キレート化合物の金属原子Mにアルコキシ基が結合している化合物1〜3を用いた実施例1〜3は、ガス発生量が0.53〜0.54ml、容量維持率が77〜80%と、キレート化合物の金属原子Mにアルコキシ基が結合していない化合物4〜6を用いた実施例4〜6の、ガス発生量0.72〜0.95ml、容量維持率66〜71%よりも優れていることがわかる。このことから、金属原子Mに、アルコキシ基が結合した化合物を用いることがより好ましい。
また、上記表2から、キレート化合物を添加しても、初期容量に大きな影響がないことがわかる。
(キレート化合物の添加量の検討)
キレート化合物の添加量の検討を行うため、実施例9〜15、比較例10〜15にかかる電池を作製し、性能を評価した。
(実施例9)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、ビニレンカーボネートとを、質量比98.495:0.005:1.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例9に係る電池を作製した。
(実施例10)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、ビニレンカーボネートとを、質量比98.49:0.01:1.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例10に係る電池を作製した。
(実施例11)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、ビニレンカーボネートとを、質量比98.45:0.05:1.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例11に係る電池を作製した。
(実施例12)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、ビニレンカーボネートとを、質量比98.3:0.2:1.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例12に係る電池を作製した。
(実施例13)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、ビニレンカーボネートとを、質量比98.0:0.5:1.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例13に係る電池を作製した。
(実施例14)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、ビニレンカーボネートとを、質量比97.5:1.0:1.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例14に係る電池を作製した。
(実施例15)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、ビニレンカーボネートとを、質量比96.5:2.0:1.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例15に係る電池を作製した。
(比較例10)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、ビニレンカーボネートとを、質量比98.497:0.003:1.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例10に係る電池を作製した。
(比較例11)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、ビニレンカーボネートとを、質量比95.5:3.0:1.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例11に係る電池を作製した。
(比較例12)
上記電解液と、チタニウムジイソプロポキシドビスアセチルアセトネートと、ビニレンカーボネートとを、質量比98.45:0.05:1.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例12に係る電池を作製した。
(比較例13)
上記電解液と、チタニウムジイソプロポキシドビスアセチルアセトネートと、ビニレンカーボネートとを、質量比98.0:0.5:1.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例13に係る電池を作製した。
(比較例14)
上記電解液と、鉄トリスアセチルアセトネートと、ビニレンカーボネートとを、質量比98.45:0.05:1.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例14に係る電池を作製した。
(比較例15)
上記電解液と、鉄トリスアセチルアセトネートと、ビニレンカーボネートとを、質量比98.0:0.5:1.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例15に係る電池を作製した。
〔電池特性の測定〕
上記実施例9〜15、比較例10〜15と同じ条件で電池を作製し、これらの電池に対して上記と同様にして、初期容量、負荷特性、高温特性を測定した。これらの結果を、実施例1、比較例1,5,7の結果とともに、下記表3に示す。
Figure 0005261208
上記表3から、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートの含有量が50〜20000ppm(0.005〜2.0質量%)である実施例1、9〜15は、負荷特性が65〜76%、ガス発生量が0.53〜1.11ml、容量維持率が59〜80%であるのに対し、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートの含有量が30ppm以下である比較例1,10は、負荷特性が72%、73%、ガス発生量が2.45ml、2.28ml、容量維持率が44%、32%と、高温特性の低下が見られ、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートの含有量が30000ppmである比較例11は、負荷特性が45%、ガス発生量が2.31ml、容量維持率が34%と、すべて劣っていることがわかる。
このことは、次のように考えられる。アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートの含有量が50ppm未満であると、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートによる効果が十分に得られないため、高温特性が低下する。他方、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートの含有量が20000ppmよりも多いと、非水電解質中の酸成分の量が過大となり、正極が劣化しやすくなるため、負荷特性や高温特性が低下する。このため、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート(上記一般式(I)で示される構造を有するキレート化合物)の含有量は、50〜20000ppmであることが好ましい。より好ましくは、50〜5000ppmとし、さらに好ましくは、100〜1000ppmとする。
また、チタネートキレートを用いた比較例5,12,13、鉄キレートを用いた比較例7,14,15では、キレート含有量と高温特性との間に相関関係がみられないことがわかる。
(ビニレンカーボネートの添加量の検討)
ビニレンカーボネートの添加量の検討を行うため、実施例16〜20、比較例16,17にかかる電池を作製し、性能を評価した。
(実施例16)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、ビニレンカーボネートとを、質量比99.6:0.1:0.3で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例16に係る電池を作製した。
(実施例17)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、ビニレンカーボネートとを、質量比98.9:0.1:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例17に係る電池を作製した。
(実施例18)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、ビニレンカーボネートとを、質量比97.9:0.1:2.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例18に係る電池を作製した。
(実施例19)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、ビニレンカーボネートとを、質量比96.9:0.1:3.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例19に係る電池を作製した。
(実施例20)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、ビニレンカーボネートとを、質量比95.9:0.1:4.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例20に係る電池を作製した。
(比較例16)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、ビニレンカーボネートとを、質量比99.7:0.1:0.2で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例16に係る電池を作製した。
(比較例17)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、ビニレンカーボネートとを、質量比94.9:0.1:5.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例17に係る電池を作製した。
〔電池特性の測定〕
上記実施例16〜20、比較例16、17と同じ条件で電池を作製し、これらの電池に対して上記と同様にして、初期容量、負荷特性、高温特性を測定した。これらの結果を、実施例1、比較例2,3の結果とともに、下記表4に示す。
Figure 0005261208
上記表4から、ビニレンカーボネート(VC)の含有量が0.3〜4.0質量%である実施例1、16〜20は、負荷特性が62〜80%、ガス発生量が0.17〜2.11ml、容量維持率が64〜80%であるのに対し、ビニレンカーボネートの含有量が0.2質量%以下である比較例2,3,16は、負荷特性が76〜81%、ガス発生量が0.17〜0.21ml、容量維持率が18〜26%と、容量維持率の低下が見られ、ビニレンカーボネートの含有量が5.0質量%である比較例17は、負荷特性が49%、ガス発生量が6.50ml、容量維持率が12%と、すべて劣っていることがわかる。
このことは、次のように考えられる。ビニレンカーボネートの含有量が0.3質量%未満であると、ビニレンカーボネートによる効果が十分に得られないため、容量維持率が低下する。他方、ビニレンカーボネートの含有量が4.0質量%よりも多いと、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートを含ませていても、ビニレンカーボネートと正極との反応を抑制できないので、負荷特性や高温特性が低下する。このため、ビニレンカーボネートの含有量は、0.3〜4.0質量%であることが好ましい。より好ましくは、1.0〜3.0質量%とし、さらに好ましくは、1.0〜1.5質量%とする。
(正極活物質の検討)
正極活物質の好ましい物性の検討を行うため、実施例21〜26、比較例18,19にかかる電池を作製し、性能を評価した。
(実施例21)
比表面積が0.20m2/gのコバルト酸リチウムを正極活物質として用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例21に係る電池を作製した。なお、正極活物質の比表面積は、コバルト酸リチウム作製時の焼成温度や、正極活物質の平均粒径を変化させることにより行った。ここで、焼成温度が高いほど、比表面積は小さくなりやすい傾向があり、平均粒径が大きいほど、比表面積は小さくなりやすい傾向がある。
(実施例22)
比表面積が0.36m2/gのコバルト酸リチウムを正極活物質として用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例22に係る電池を作製した。
(実施例23)
コバルト酸リチウムと、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn24)とを、質量比5:5で混合したもの(混合物の比表面積が0.55m2/g)を正極活物質として用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例23に係る電池を作製した。
(実施例24)
コバルト酸リチウムと、ニッケルマンガンコバルト酸リチウム(LiNi0.3Mn0.3Co0.42)とを、質量比9:1で混合したもの(混合物の比表面積が0.57m2/g)を正極活物質として用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例24に係る電池を作製した。
(実施例25)
比表面積が0.67m2/gのコバルト酸リチウムを正極活物質として用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例25に係る電池を作製した。
(実施例26)
比表面積が0.85m2/gのコバルト酸リチウムを正極活物質として用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例26に係る電池を作製した。
(比較例18)
比表面積が0.18m2/gのコバルト酸リチウムを正極活物質として用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例18に係る電池を作製した。
(比較例19)
比表面積が0.94m2/gのコバルト酸リチウムを正極活物質として用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例19に係る電池を作製した。
〔電池特性の測定〕
上記実施例21〜26、比較例18,19と同じ条件で電池を作製し、これらの電池に対して上記と同様にして、初期容量、負荷特性、高温特性を測定した。これらの結果を、実施例1の結果とともに、下記表5に示す。
Figure 0005261208
上記表5から、正極活物質の比表面積が0.20〜0.85m2/gである実施例1、21〜26は、負荷特性が59〜85%、ガス発生量が0.24〜1.91ml、容量維持率が69〜82%であるのに対し、正極活物質の比表面積が0.18m2/gである比較例18は、負荷特性が33%、ガス発生量が0.22ml、容量維持率が83%と、負荷特性の低下が見られ、正極活物質の比表面積が0.94m2/gである比較例19は、負荷特性が86%、ガス発生量が4.85ml、容量維持率が33%と、高温特性が低下していることがわかる。
このことは、次のように考えられる。正極活物質の比表面積が0.85m2/gよりも大きいと、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートを含んでいても、ビニレンカーボネートの分解を十分に抑制できない。他方、正極活物質の比表面積が0.20m2/gよりも小さいと、正極活物質の表面積の減少により、高レートで放電する場合の放電容量が低下する。このため、正極活物質の比表面積は、0.20〜0.85m2/gであることが好ましい。より好ましくは、0.36〜0.57m2/gとする。
(追加事項)
本発明に用いる正極活物質としては、リチウム遷移金属複合酸化物、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン酸化合物等を用いることが好ましい。リチウム遷移金属複合酸化物としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiMnO2、LiNixMn1-x2(0<x<1)、LiNixCo1-x2(0<x<1)、LiNixMnyCo1-x-y2(0<x<1、0<y<1)等が好ましい。また、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン酸化合物としては、LiFePO4等が好ましい。また、ガス発生を抑制するために、正極にリン酸リチウム等の公知の添加剤を添加してもよい。また、複数種の正極活物質を混合して用いる場合、その比表面積は、全体として満たしていればよく、個々の成分すべてが満たしていることを要しない。
また、本発明に用いる負極活物質としては、炭素材料、チタン酸化物、半金属元素、合金等を用いることが好ましい。炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化性炭素等が好ましい。チタン酸化物としては、LiTiO2、TiO2等が好ましい。半金属元素としては、ケイ素・スズ等が好ましい。合金としては、Sn−Co合金等が好ましい。これらを単独で用いることができ、又は複数種混合して用いることもできる。
また、本発明に用いる非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジノルマルブチルカーボネート等の鎖状炭酸エステル類、ピバリン酸メチル、ピバリン酸エチル、メチルイソブチレート、メチルプロピオネート等のカルボン酸エステル類、1,2−ジメトキシエタン等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル類、N,N’−ジメチルホルムアミド、N−メチルオキサゾリジノン等のアミド類、スルホラン等の含硫黄化合物、テトラヒドロ硼酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム等の常温溶融塩等を一種又は複数種混合して用いることが好ましい。
また、ビニルエチレンカーボネート、無水コハク酸、無水マレイン酸、グリコール酸無水物、1,3−プロパンスルトン、1,3−プロペンスルトン、エチレンサルファイト、ジビニルスルホン、ビニルアセテート、ビニルピバレート、tert−アミルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、カテコールカーボネート、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル等の公知の添加剤を、非水電解質に添加してもよい。
また、本発明に用いる電解質塩としては、LiClO4、LiCF3SO3、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiN(CF3SO22、LiN(CF2CF3SO22等を一種又は複数種混合して用いることが好ましい。また、電解質塩の濃度は、0.5〜2.0M(モル/リットル)とすることが好ましい。
また、本発明をポリマー電解質二次電池に適用することもできる。ポリマー電解質としては、ゲル状ポリマー電解質が好ましい。また、ポリマー電解質に用いるポリマー成分としては、アルキレンオキシド系高分子や、ポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体のようなフッ素系高分子等が好ましい。
ポリマー電解質を作製する方法としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等の不飽和二重結合を有するモノマーや、エポキシ、オキセタン、ホルマール等のカチオン重合性の環状エーテル基を有するモノマーを非水電解質に含ませた後、モノマーを重合させる方法を採用できる。モノマーの重合は、電池を組み立てた後に行ってもよい。
不飽和二重結合を有するモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アリルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンアルコキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールアルコキシレートテトラアクリレート、ペンタエリスリトールアルコキシレートテトラアクリレート等を用いることができる。また、環状エーテル基を有するモノマーとしては、メチルメタクリレートと(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレートとの共重合ポリマー、テトラエチレングリコールビスオキセタン、ポリビニルホルマール等を用いることができる。
不飽和二重結合を有するモノマーは、熱、紫外線、電子線などによって重合させることができるが、反応を効果的に進行させるために、非水電解質に重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシクメン、ラウロイルパーオキサイド、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネートなどの有機過酸化物を使用できる。
また、環状エーテル基を有するモノマーは、非水電解質中のLi+や微量のH+によって、熱あるいは充放電により重合させることができる。
ポリマー電解質を作製する他の方法として、高温とした非水電解質中にポリマー成分を溶解させ、これを冷却する方法を採用できる。この場合、常温において非水電解質を含んだゲル状態となり、且つ電池材料として安定なものであれば、どのようなポリマー成分を用いてもよい。このようなポリマー成分として、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどの環を有するポリマー、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチルなどのアクリル誘導体ポリマー、ポリフッ化ビニル、ポリビニリデンフルオライドなどのフッ素系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマーなどが挙げられる。また、上記のポリマーなどとの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などであってもよい。これらのポリマー成分の重量平均分子量は、通常10000〜5000000の範囲である。
不飽和結合を有するモノマーを、熱、紫外線、電子線などによって重合させてポリマー電解質を形成させる場合、その添加量((非水溶媒+電解質塩+キレート化合物+ビニレンカーボネート+モノマー(必要であれば+重合開始剤やその他の添加剤))の質量に占める割合)は、好ましくは1.5〜15質量%とし、より好ましくは3〜7質量%、さらに好ましくは4.5〜5.8質量%とする。
重合開始剤を用いる場合、その添加量は、全電解質量に対して500ppm〜1質量%とすることが好ましく、1000ppm〜5000ppmとすることがより好ましい。
ポリビニルホルマールなどの環状エーテル基を有する化合物を用いる場合、その添加量は、好ましくは0.5〜5質量%とし、より好ましくは1〜2.5質量%、さらに好ましくは1.5〜2.0質量%とする。
高温とした非水電解質中にポリマーを溶解させ、これを冷却してポリマー電解質を作製する場合、その添加量は、好ましくは10〜35質量%とし、より好ましくは15〜30質量%とし、さらに好ましくは20〜25質量%とする。
以上説明したように、本発明によると、高温特性に優れた非水電解質二次電池を実現できる。よって、産業上の利用可能性は大きい。

Claims (4)

  1. 正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、非水溶媒及び電解質塩を有する非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、
    前記非水電解質は、0.005〜2.0質量%の下記一般式(I)で示される構造を有するキレート化合物と、0.3〜4.0質量%のビニレンカーボネートとを含み、
    前記正極活物質の比表面積が、0.20〜0.85m2/gである、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
    Figure 0005261208
    (Mは、Al,Zr,Coのいずれかの金属原子であり、R1,R2は、それぞれ炭素数18以下のアルキル基またはアルコキシ基を示す。R1,R2は同一であってもよく、異なっていてもよい。また、アルキル基、アルコキシ基は、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、nは4以下の自然数である。)
  2. 請求項1に記載の非水電解質二次電池において、
    前記金属原子MがAlである、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
  3. 請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池において、
    前記R1,前記R2の少なくとも一方が、アルコキシ基である、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
  4. 請求項1ないし3の何れか1項に記載の非水電解質二次電池において、
    前記金属原子Mに、少なくとも1つのアルコキシ基が結合している、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
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