JP5289091B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質二次電池の改良に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン等の移動情報端末の高機能化・小型化および軽量化が急速に進展している。これらの移動情報端末の駆動電源として、高いエネルギー密度を有し、高容量であるリチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池が、広く利用されている。
しかしながら、リチウムイオン二次電池は、充電状態で保存すると、正極と電解液とが反応し、電解液が酸化分解してガスが発生するという問題があった。
この問題を解決するために、非水電解質にさまざまな添加剤を添加することが行われているが、添加剤の添加によって低温サイクル特性が低下してしまうという問題があった。
非水電解質電池に関する技術としては、下記特許文献1〜9が挙げられる。
特開2000-294277号公報 特開2006-172726号公報 特表2007-510270号公報 特開2003-86247号公報 特開2003-308875号公報 特開2004-179146号公報 特開2004-265680号公報 特開2007-149535号公報 特開2008-186792号公報
特許文献1は、アルミニウムトリス(2,4−ペンタンジオネート)誘導体を非水電解質に含有させる技術である。この技術によると、電池寿命や低温特性等に優れた電池が得られるとされる。
特許文献2は、β−ジケトン部分構造を有する化合物及びβ−ジケトンの鉄、ニッケル、銅、コバルト及び亜鉛の中から選ばれる少なくとも一種類以上の金属錯体を含む非水電解質を用いる技術である。この技術によると、デンドライトの発生を抑制し得た電池が得られるとされる。
特許文献3は、正極活物質の表面と脂肪族ニトリル化合物との間の錯物により保護膜が形成された正極を備えた電気化学素子に関する技術である。この技術によると、充放電によって正極活物質中の遷移金属が溶出することを防止でき、且つ電解液と正極との副反応及びガス発生を抑制できるとされる。
特許文献4は、電解液に炭素‐炭素不飽和結合を有するニトリル化合物を含有させる技術である。この技術によると、電解液の分解が少なく、充放電効率が高く、高温下における保存特性及びサイクル特性に優れた非水系電解液二次電池が得られるとされる。
特許文献5は、非水電解質に、スルトンやシクロアルキルベンゼンを含ませる技術である。この技術によると、高温放置特性に優れた非水電解質二次電池が得られるとされる。
特許文献6は、該非水電解液中に、ニトリル化合物とS=O基含有化合物、あるいは少量のジニトリル化合物を添加する技術である。この技術によると、サイクル特性、電池容量、保存特性などの電池特性に優れたリチウム二次電池が得られるとされる。
特許文献7は、電解液に有機チタネートを含ませる技術である。この技術によると、サイクル特性に優れた非水二次電池が得られるとされる。
特許文献8は、電解液に4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを含ませる技術である。この技術によると、充放電効率に優れた電池が得られるとされる。
特許文献9は、前記非水電解質に、シクロアルキルベンゼンやtert−アミルベンゼンを含ませる技術である。この技術によると、過充電安全性及び高温サイクル特性に優れた非水電解質二次電池が得られるとされる。
しかしながら、正極と非水電解質との反応を抑制でき、且つ低温環境下におけるサイクル特性に優れた電池は、いまだ実現していない。
本発明は、上記に鑑みなされたものであって、正極と非水電解質との反応抑制機能と、優れた低温サイクル特性とを兼ね備えた非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、正極と、負極と、非水溶媒及び電解質塩を有する非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、前記非水電解質は、0.005〜1.0質量%の下記一般式(I)で示される構造を有するキレート化合物と、0.2質量%以上の、環状エーテル化合物、スルトン化合物、シクロヘキシルベンゼン、tert−アルキルベンゼン、ニトリル化合物、及び4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンからなる群より選択される少なくとも一種の化合物と、を含むことを特徴とする。
Figure 0005289091
(Mは、Al,Zr,Coのいずれかの金属原子であり、R1,R2は、それぞれ炭素数18以下のアルキル基またはアルコキシ基を示す。R1,R2は同一であってもよく、異なっていてもよい。また、アルキル基、アルコキシ基は、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、nは4以下の自然数である。)
この構成では、非水電解質に含まれる環状エーテル化合物、スルトン化合物、シクロヘキシルベンゼン、tert−アルキルベンゼン、ニトリル化合物、及び4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンからなる群より選択される少なくとも一種の化合物(以下、本発明添加剤と称する)が、正極表面に良好な被膜を形成して、正極と非水溶媒との反応を抑制するので、保存特性が向上する。また、上記キレート化合物が低温サイクル特性を高めるように作用する。よって、これら効果が相乗的に作用して、充電保存特性が高く、且つ低温サイクル特性に優れた非水電解質二次電池が得られる。
ここで、上記キレート化合物の含有量が0.005質量%未満であると、上記効果が十分に得られない。他方、1.0質量%よりも多いと、非水電解質中の酸成分の量が過大となり、正極が劣化しやすくなる。よって、上記範囲内に規制することが好ましい。
また、上記本発明添加剤の含有量が0.2質量%未満であると、上記効果が十分に得られない。また、本発明添加剤の含有量が7.0質量%よりも多いと、効果の上限に達し、それ以上の添加はコスト高につながる。よって、好ましくは本発明添加剤の含有量の上限は、7.0質量%とする。より好ましくは、本発明添加剤の添加量を0.5〜2.0質量%とし、さらに好ましくは0.5〜1.0質量%とする。
ここで、非水電解質中の上記キレート化合物や本発明添加剤の質量割合は、非水電解質全体(非水溶媒+電解質塩+キレート化合物+本発明添加剤(必要であれば+その他の添加剤))の質量に占める割合を意味する。ポリマー電解質を用いる場合、ポリマー成分は、上記その他の添加剤に含めるものとする。
上記一般式(I)における金属原子Mは、高温特性を向上させる効果が大きいことから、Alとすることがより好ましい。
また、高温特性を向上させる効果が大きいことから、上記一般式(I)におけるR1,R2の少なくとも一方を、アルコキシ基とすることがより好ましい。
また、高温特性を向上させる効果が大きいことから、上記一般式(I)における金属原子Mに、少なくとも1つのアルコキシ基が結合している構成を採用することがより好ましい。
本発明によると、保存特性が高く、且つ低温特性に優れた非水電解質二次電池を提供することができる。
以下に、実施例を用いて、本発明を実施するための最良の形態を、詳細に説明する。
(実施例1)
<正極の作製>
正極活物質としてのコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、導電剤としてのカーボンブラックと、結着剤としてのポリビニリデンフルオライド(PVdF)とを、質量比95:2.5:2.5の割合で混合し、これらをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質スラリーを調製した。
次に、ドクターブレードを用いて、帯状のアルミニウム箔(厚さが12μm)からなる正極芯体の両面に、この正極活物質スラリーを均一な厚みで塗布した。この極板を乾燥機内に通して、スラリー調整時に用いた有機溶媒(NMP)を除去し、乾燥極板を作製した。この乾燥極板を、ロールプレス機を用いて圧延して、正極板を作製した。このようにして作製した正極板を所定のサイズに裁断し、正極を得た。
<負極の作製>
負極活物質としての人造黒鉛(d=0.335nm)と、導電剤としてのカーボン粉末と、結着剤としてのスチレンブタジエンゴムと、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースとを、質量比95:3:1:1の割合で混合し、これらを水と混合し、負極活物質スラリーを調製した。
次に、ドクターブレードを用いて、帯状の銅箔(厚さが8μm)からなる負極芯体の両面に、この負極活物質スラリーを均一な厚さで塗布した。この極板を乾燥機内に通して、スラリー調整時に用いた水分を除去し、乾燥極板を作製した。その後、この乾燥極板を、ロールプレス機により圧延して、負極板を作製した。このようにして作製した負極板を所定のサイズに裁断し、負極を得た。
<電極体の作製>
上記正極と上記負極とポリエチレン製微多孔膜(厚さが12μm)からなるセパレータとを重ね合わせ、巻き取り機により巻回し、絶縁性の巻き止めテープを設け、その後プレスして、扁平渦巻状の電極体を完成させた。
<非水電解質の調製>
エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比2:1:7の割合(1気圧、25℃と換算した場合における)で混合した非水溶媒に、電解質塩としてのLiPF6を1.0M(モル/リットル)の割合で溶解したものを電解液とした。
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート(化合物1)と、プロピオノニトリルとを、質量比99.7:0.1:0.2で混合し、非水電解質とした。
<電池の組み立て>
市販のアルミラミネート材を折り返し、底部を形成した。この後、ラミネート材をカップ状に成型して、収納空間を設けた。この収納空間に上記電極体を収納し、注液を行う部分以外を熱溶着した。この後、上記非水電解質を注液し、熱溶着して、設計容量が1500mAhの実施例1に係る電池を作製した。
(実施例2)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、プロピオノニトリルとを、質量比99.4:0.1:0.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2に係る電池を作製した。
(実施例3)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、スクシノニトリルとを、質量比98.9:0.1:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例3に係る電池を作製した。
(実施例4)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、アジポニトリルとを、質量比99.7:0.1:0.2で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例4に係る電池を作製した。
(実施例5)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、アジポニトリルとを、質量比99.4:0.1:0.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例5に係る電池を作製した。
(実施例6)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、アジポニトリルとを、質量比98.9:0.1:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例6に係る電池を作製した。
(実施例7)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、アジポニトリルとを、質量比97.9:0.1:2.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例7に係る電池を作製した。
(実施例8)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、アジポニトリルとを、質量比96.9:0.1:3.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例8に係る電池を作製した。
(実施例9)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、セバコニトリルとを、質量比99.7:0.1:0.2で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例9に係る電池を作製した。
(実施例10)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、セバコニトリルとを、質量比98.9:0.1:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例10に係る電池を作製した。
(実施例11)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、セバコニトリルとを、質量比98.4:0.1:1.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例11に係る電池を作製した。
(実施例12)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、tert−アミルベンゼンとを、質量比99.7:0.1:0.2で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例12に係る電池を作製した。
(実施例13)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、tert−アミルベンゼンとを、質量比99.4:0.1:0.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例13に係る電池を作製した。
(実施例14)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、tert−アミルベンゼンとを、質量比98.9:0.1:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例14に係る電池を作製した。
(実施例15)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、tert−アミルベンゼンとを、質量比97.9:0.1:2.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例15に係る電池を作製した。
(実施例16)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、1,3−ジオキサンとを、質量比99.6:0.1:0.3で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例16に係る電池を作製した。
(実施例17)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、1,3−ジオキサンとを、質量比99.4:0.1:0.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例17に係る電池を作製した。
(実施例18)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、1,3−ジオキサンとを、質量比98.9:0.1:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例18に係る電池を作製した。
(実施例19)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、1,3−ジオキサンとを、質量比98.4:0.1:1.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例19に係る電池を作製した。
(実施例20)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、1,3−ジオキサンとを、質量比97.9:0.1:2.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例20に係る電池を作製した。
(実施例21)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、1,3−ジオキサンとを、質量比96.9:0.1:3.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例21に係る電池を作製した。
(実施例22)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、シクロヘキシルベンゼンとを、質量比98.9:0.1:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例22に係る電池を作製した。
(実施例23)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、シクロヘキシルベンゼンとを、質量比98.4:0.1:1.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例23に係る電池を作製した。
(実施例24)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、1,3−プロパンスルトンとを、質量比99.4:0.1:0.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例24に係る電池を作製した。
(実施例25)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、1,3−プロペンスルトンとを、質量比99.4:0.1:0.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例25に係る電池を作製した。
(実施例26)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンとを、質量比99.7:0.1:0.2で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例26に係る電池を作製した。
(実施例27)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンとを、質量比99.4:0.1:0.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例27に係る電池を作製した。
(実施例28)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンとを、質量比98.9:0.1:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例28に係る電池を作製した。
(実施例29)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンとを、質量比97.9:0.1:2.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例29に係る電池を作製した。
(実施例30)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンとを、質量比94.9:0.1:5.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例30に係る電池を作製した。
(比較例1)
上記電解液を非水電解質として用いた(キレート化合物及びビニレンカーボネートが含まれない)こと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1に係る電池を作製した。
(比較例2)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートとを、質量比99.9:0.1で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例2に係る電池を作製した。
(比較例3)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、プロピオノニトリルとを、質量比99.8:0.1:0.1で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例3に係る電池を作製した。
(比較例4)
上記電解液と、スクシノニトリルとを、質量比99.0:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例4に係る電池を作製した。
(比較例5)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、アジポニトリルとを、質量比99.8:0.1:0.1で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例5に係る電池を作製した。
(比較例6)
上記電解液と、アジポニトリルとを、質量比99.0:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例6に係る電池を作製した。
(比較例7)
上記電解液と、セバコニトリルとを、質量比99.0:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例7に係る電池を作製した。
(比較例8)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、tert−アミルベンゼンとを、質量比99.8:0.1:0.1で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例8に係る電池を作製した。
(比較例9)
上記電解液と、tert−アミルベンゼンとを、質量比99.0:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例9に係る電池を作製した。
(比較例10)
上記電解液と、1,3−ジオキサンとを、質量比98.5:1.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例10に係る電池を作製した。
(比較例11)
上記電解液と、シクロヘキシルベンゼンとを、質量比99.0:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例11に係る電池を作製した。
(比較例12)
上記電解液と、1,3−プロパンスルトンとを、質量比99.5:0.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例12に係る電池を作製した。
(比較例13)
上記電解液と、1,3−プロペンスルトンとを、質量比99.5:0.5で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例13に係る電池を作製した。
(比較例14)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンとを、質量比99.8:0.1:0.1で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例14に係る電池を作製した。
(比較例15)
上記電解液と、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンとを、質量比99.0:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例15に係る電池を作製した。
〔充電保存特性の測定〕
上記実施例1〜30、比較例1〜15と同じ条件で、電池をそれぞれ2つ作製し、これらの電池を下記条件で充放電した後、再度充電した。この後、電池を80℃の恒温槽内に96時間放置した。保存後の電池の一方を一部開封し、発生したガス量を測定した。また、他方の電池を下記条件で放電し、下記式により容量残存率を算出した。これらの結果を下記表1に示す。
充電:定電流1It(1500mA)で電圧が4.2Vとなるまで、その後定電圧4.2Vで電流が130mAとなるまで
放電:定電流1It(1500mA)で電圧が2.75Vとなるまで
容量残存率(%)=保存後放電容量÷保存前放電容量×100
なお、上記充放電は23℃環境で行った。
〔低温サイクル特性の測定〕
上記実施例1〜30、比較例1〜15と同じ条件で電池を作製し、これらの電池を下記条件で充放電し、低温サイクル特性を測定した。この結果を下記表1に示す。
充電:定電流1It(1500mA)で電圧が4.2Vとなるまで、その後定電圧4.2Vで電流が130mAとなるまで
放電:定電流1.0It(1500mA)で電圧が2.75Vとなるまで
低温サイクル特性(%)=300サイクル目放電容量÷1サイクル目放電容量×100
なお、上記充放電は5℃環境で行った。
Figure 0005289091
上記表1から、0.2質量%以上の本発明添加剤と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、を非水電解質に含む実施例1〜30は、ガス発生量が0.4〜3.6ml、容量残存率が60〜84%、低温サイクル特性が67〜82%であるのに対し、本発明添加剤の含有量が0.1質量%以下である比較例1〜3,5,8,14は、ガス発生量が4.7〜5.3ml、容量残存率が30〜41%、低温サイクル特性が77〜84%と、充電保存特性が大きく劣っていることがわかる。
このことは、次のように考えられる。本発明添加剤の含有量が0.2質量%未満であると、充電保存時に正極と非水電解質とが反応することを抑制できない。よって、1〜3,5,8,14では、充電保存をした場合に正極と非水電解質とが反応してガスが発生するとともに、発生したガスが電池内にとどまって正負極の対向状態を悪くするので、保存後の放電容量(容量残存率)が低下する。このため、本発明添加剤は、0.2質量%以上非水電解質に含ませることが好ましい。より好ましくは、0.2〜7.0質量%とし、さらに好ましくは0.5〜2.0質量%とし、最も好ましくは0.5〜1.0質量%とする。
また、上記表1から、0.2質量%以上の本発明添加剤と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、を非水電解質に含む実施例1〜30は、ガス発生量が0.4〜3.6ml、容量残存率が60〜84%、低温サイクル特性が67〜82%であるのに対し、0.5〜1.5質量%の本発明添加剤を含み、且つアルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートを含まない比較例4,6,7,9〜13,15は、ガス発生量が0.5〜2.4ml、容量残存率が64〜82%、低温サイクル特性が31〜51%と、低温サイクル特性が大きく劣っていることがわかる。
このことは、次のように考えられる。本発明添加剤を非水電解質に含ませると、正極と非水電解質との反応を抑制することにより、充電保存特性を向上させることはできるが、低温サイクル特性が低下してしまう。ここで、キレート化合物をさらに非水電解質に含ませると、本発明添加剤による充電保存特性向上効果を損なうことなく、低温サイクル特性を向上させることができる。
また、上記表1から、本発明添加剤としては、ニトリル化合物(プロピオノニトリル・スクシノニトリル・アジポニトリル・セバコニトリル)、環状エーテル化合物(1,3−ジオキサン)、シクロヘキシルベンゼンを用いることがより好ましいことがわかる。
(キレート化合物の検討)
キレート化合物の種類や含有量の検討を行うため、実施例31〜40、比較例16〜20にかかる電池を作製し、性能を評価した。
(実施例31)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート(化合物1)と、アジポニトリルとを、質量比98.995:0.005:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例31に係る電池を作製した。
(実施例32)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、アジポニトリルとを、質量比98.975:0.025:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例32に係る電池を作製した。
(実施例33)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、アジポニトリルとを、質量比98.5:0.5:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例33に係る電池を作製した。
(実施例34)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、アジポニトリルとを、質量比98.0:1.0:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例34に係る電池を作製した。
(実施例35)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、アルミニウムモノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート(化合物2)を用いたこと以外は、上記実施例6と同様にして、実施例35に係る電池を作製した。
(実施例36)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセテート(化合物3)を用いたこと以外は、上記実施例6と同様にして、実施例36に係る電池を作製した。
(実施例37)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート(化合物4)を用いたこと以外は、上記実施例6と同様にして、実施例37に係る電池を作製した。
(実施例38)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、アルミニウムトリスアセチルアセトネート(化合物5)を用いたこと以外は、上記実施例6と同様にして、実施例38に係る電池を作製した。
(実施例39)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート(化合物6)を用いたこと以外は、上記実施例6と同様にして、実施例39に係る電池を作製した。
(実施例40)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、コバルトビスアセチルアセトネート(化合物7)を用いたこと以外は、上記実施例6と同様にして、実施例40に係る電池を作製した。
(比較例16)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、アジポニトリルとを、質量比98.997:0.003:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例16に係る電池を作製した。
(比較例17)
上記電解液と、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートと、アジポニトリルとを、質量比97.0:2.0:1.0で混合した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例17に係る電池を作製した。
(比較例18)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、チタニウムジイソプロポキシドビスアセチルアセトネート(化合物8)を用いたこと以外は、上記実施例6と同様にして、比較例18に係る電池を作製した。
(比較例19)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、チタニウムビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド(化合物9)を用いたこと以外は、上記実施例6と同様にして、比較例19に係る電池を作製した。
(比較例20)
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートに代えて、鉄トリスアセチルアセトネート(化合物10)を用いたこと以外は、上記実施例6と同様にして、比較例20に係る電池を作製した。
〔電池特性の測定〕
上記実施例31〜40、比較例16〜20と同じ条件で電池を作製し、これらの電池に対して上記と同様にして、充電保存特性、低温サイクル特性を測定した。これらの結果を、実施例6の結果とともに、下記表3に示す。
なお、上記キレート化合物の構造(上記一般式(I)におけるM,R1,R2,n、Mに結合する官能基)は、下記表2に示すとおりである。
Figure 0005289091
Figure 0005289091
上記表3から、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートの含有量が50〜10000ppm(0.005〜1.0質量%)である実施例6、31〜34は、ガス発生量が0.4〜0.6ml、容量残存率が76〜82%、低温サイクル特性が61〜82%であるのに対し、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートの含有量が30ppmである比較例16は、ガス発生量が0.5ml、容量残存率が81%、低温サイクル特性が43%と、低温サイクル特性の低下が見られ、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートの含有量が20000ppmである比較例17は、ガス発生量が0.7ml、容量残存率が51%、低温サイクル特性が81%と、容量残存率が劣っていることがわかる。
このことは、次のように考えられる。アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートの含有量が50ppm未満であると、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートによる効果が十分に得られないため、低温サイクル特性が低下する。他方、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートの含有量が10000ppmよりも多いと、非水電解質中の酸成分の量が過大となり、正極が劣化しやすくなるため、容量残存率が低下する。このため、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート(上記一般式(I)で示される構造を有するキレート化合物)の含有量は、50〜10000ppmであることが好ましい。より好ましくは、500〜2000ppmとし、さらに好ましくは、100〜1000ppmとする。
また、上記表3から、上記一般式(I)に示す構造における金属原子Mが、Al,Zr,Coである化合物1〜7のいずれかを1000ppm、非水電解質に含む実施例6,35〜40は、ガス発生量が0.4〜0.9ml、容量残存率が70〜81%、低温サイクル特性が64〜82%であるのに対し、上記一般式(I)に示す構造における金属原子Mが、Ti,Feである化合物8〜10のいずれかを非水電解質に含む比較例18〜20は、ガス発生量が1.3〜1.7ml、容量残存率が48〜53%、低温サイクル特性が53〜60と、劣っていることがわかる。
このことは、金属原子MがTi,Feのキレート化合物では、上記一般式(I)に示す構造を有する化合物のような効果が得られないためと考えられる。よって、金属原子MはAl,Zr,Coのいずれかであることが好ましい。
また、上記表3から、キレート化合物の金属原子MがAlである化合物1〜5を100ppm用いた実施例6,35〜38は、ガス発生量が0.4〜0.6ml、容量残存率が73〜81%、低温サイクル特性が70〜82%と、キレート化合物の金属原子MがZrである化合物6を用いた実施例39の、ガス発生量0.9ml、容量残存率70%、低温サイクル特性64%、キレート化合物の金属原子MがCoである化合物7を用いた実施例40の、ガス発生量0.8ml、容量残存率71%、低温サイクル特性67%よりも優れていることがわかる。このことから、金属原子Mは、Alであることがより好ましい。
また、上記表3から、キレート化合物の側鎖R1、R2の少なくとも一方が、アルコキシ基である化合物1〜4を用いた実施例6,35〜37は、低温サイクル特性が74〜82%と、キレート化合物の側鎖R1、R2のともにメチル基である化合物5を用いた実施例38の、低温サイクル特性が70%よりも優れていることがわかる。このことから、側鎖R1、R2の少なくとも一方が、アルコキシ基であることがより好ましい。
また、上記表3から、キレート化合物の金属原子Mにアルコキシ基が結合している化合物1、2を用いた実施例6,35は、容量残存率が81%、80%、低温サイクル特性が82%、81%と、キレート化合物の金属原子Mにアルコキシ基が結合していない化合物3〜5を用いた実施例36〜38の、容量残存率73〜76%、低温サイクル特性70〜76%よりも優れていることがわかる。このことから、金属原子Mに、アルコキシ基が結合した化合物を用いることがより好ましい。
(追加事項)
環状エーテル化合物としては、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、イソプロピルジメチル−1,3−ジオキサン、クラウンエーテル等を用いることができ、中でも1,3−ジオキサンが好ましい。
ニトリル化合物としては、アセトニトリル、プロピオノニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ヘキサンニトリル、オクタンニトリル、ウンデカンニトリル、シクロヘキサンカルボニトリル、ベンゾニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、2−メチルグルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル、アゼラニトリル、セバコニトリル、ウンデカンジニトリル、ドデカンジニトリル、1,2,3−プロパントリカルボニトリル、1,2,3−トリス(2−シアノエトキシ)プロパン、1,3,5−シクロヘキサントリカルボニトリル、1,3,5−ペンタントリカルボニトリル、tert−ブチルマロノニトリル、マロノニトリル、3,3’−オキシジプロピオノニトリル、3,3’−チオジプロピオノニトリル、1,2−ジシアノベンゼン、1,3−ジシアノベンゼン、1,4−ジシアノベンゼン等を用いることができる。中でも、ジニトリル化合物が好ましく。ジニトリル化合物としては、特にアジポニトリル、ピメロニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリルが好ましい。
tert−アルキルベンゼンとしては、tert−アミルベンゼン、tert−ブチルベンゼン等が好ましい。
スルトン化合物としては、1,3−プロパンスルトン、1,3−プロペンスルトン、ペンタン−2,5−スルトン、1,4−ブタンスルトン、1,8−ナフトスルトン等を用いることができる。中でも、1,3−プロパンスルトン、1,3−プロペンスルトンが好ましい。
正極活物質としては、リチウム遷移金属複合酸化物、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン酸化合物等を用いることが好ましい。リチウム遷移金属複合酸化物としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiMnO2、LiNixMn1-x2(0<x<1)、LiNixCo1-x2(0<x<1)、LiNixMnyCo1-x-y2(0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)等が好ましい。また、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン酸化合物としては、LiFePO4等が好ましい。これらを単独で用いることができ、又は複数種混合して用いることもできる。また、ガス発生を抑制するために、正極にリン酸リチウム等の公知の添加剤を添加してもよい。
負極活物質としては、炭素材料、チタン酸化物、半金属元素、合金等を用いることが好ましい。炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化性炭素等が好ましい。チタン酸化物としては、LiTiO2、TiO2等が好ましい。半金属元素としては、ケイ素・スズ等が好ましい。合金としては、Sn−Co合金等が好ましい。これらを単独で用いることができ、又は複数種混合して用いることもできる。
非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジノルマルブチルカーボネート等の鎖状炭酸エステル類、ピバリン酸メチル、ピバリン酸エチル、メチルイソブチレート、メチルプロピオネート等のカルボン酸エステル類、1,2−ジメトキシエタン等の鎖状エーテル類、N,N’−ジメチルホルムアミド、N−メチルオキサゾリジノン等のアミド類、スルホラン等の含硫黄化合物、テトラヒドロ硼酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム等の常温溶融塩等を一種又は複数種混合して用いることが好ましい。中でも、環状炭酸エステル類、鎖状炭酸エステル類、3級カルボン酸エステルがより好ましい。
また、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、無水コハク酸、無水マレイン酸、グリコール酸無水物、エチレンサルファイト、ジビニルスルホン、ビニルアセテート、ビニルピバレート、カテコールカーボネート、ビフェニル等の公知の添加剤を、1種又は複数種非水電解質に添加してもよい。
電解質塩としては、LiClO4、LiCF3SO3、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiN(CF3SO22、LiN(CF2CF3SO22等を一種又は複数種混合して用いることが好ましい。また、電解質塩の濃度は、0.5〜2.0M(モル/リットル)とすることが好ましい。
セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂材料からなる微多孔膜を用いることが好ましい。また、シャットダウン応答性を確保するために、融点の低い(150℃以下)樹脂を混合したり、耐熱性を高めるために、高融点(150℃より高い)樹脂を積層したり、無機粒子を担持させたりしてもよい。
また、本発明をポリマー電解質二次電池に適用することもできる。ポリマー電解質としては、ゲル状ポリマー電解質が好ましい。また、ポリマー電解質に用いるポリマー成分としては、アルキレンオキシド系高分子や、ポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体のようなフッ素系高分子等が好ましい。
ポリマー電解質を作製する方法としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等の不飽和二重結合を有するモノマーや、エポキシ、オキセタン、ホルマール等のカチオン重合性の環状エーテル基を有するモノマーを非水電解質に含ませた後、モノマーを重合させる方法を採用できる。モノマーの重合は、電池を組み立てた後に行ってもよい。
不飽和二重結合を有するモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アリルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンアルコキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールアルコキシレートテトラアクリレート、ペンタエリスリトールアルコキシレートテトラアクリレート等を用いることができる。また、環状エーテル基を有するモノマーとしては、メチルメタクリレートと(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレートとの共重合ポリマー、テトラエチレングリコールビスオキセタン、ポリビニルホルマール等を用いることができる。
不飽和二重結合を有するモノマーは、熱、紫外線、電子線などによって重合させることができるが、反応を効果的に進行させるために、非水電解質に重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシクメン、ラウロイルパーオキサイド、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネートなどの有機過酸化物を使用できる。
また、環状エーテル基を有するモノマーは、非水電解質中のLi+や微量のH+によって、熱あるいは充放電により重合させることができる。
ポリマー電解質を作製する他の方法として、高温とした非水電解質中にポリマー成分を溶解させ、これを冷却する方法を採用できる。この場合、常温において非水電解質を含んだゲル状態となり、且つ電池材料として安定なものであれば、どのようなポリマー成分を用いてもよい。このようなポリマー成分として、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどの環を有するポリマー、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチルなどのアクリル誘導体ポリマー、ポリフッ化ビニル、ポリビニリデンフルオライドなどのフッ素系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマーなどが挙げられる。また、上記のポリマーなどとの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などであってもよい。これらのポリマー成分の重量平均分子量は、通常10000〜5000000の範囲である。
不飽和結合を有するモノマーを、熱、紫外線、電子線などによって重合させてポリマー電解質を形成させる場合、その添加量((非水溶媒+電解質塩+キレート化合物+本発明添加剤+モノマー(必要であれば+重合開始剤やその他の添加剤))の質量に占める割合)は、好ましくは1.5〜15質量%とし、より好ましくは3〜7質量%、さらに好ましくは4.5〜5.8質量%とする。
重合開始剤を用いる場合、その添加量は、全電解質量に対して500ppm〜1質量%とすることが好ましく、1000ppm〜5000ppmとすることがより好ましい。
ポリビニルホルマールなどの環状エーテル基を有する化合物を用いる場合、その添加量は、好ましくは0.5〜5質量%とし、より好ましくは1〜2.5質量%、さらに好ましくは1.5〜2.0質量%とする。
高温とした非水電解質中にポリマーを溶解させ、これを冷却してポリマー電解質を作製する場合、その添加量は、好ましくは10〜35質量%とし、より好ましくは15〜30質量%とし、さらに好ましくは20〜25質量%とする。
以上説明したように、本発明によると、充電保存特性及び低温サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を実現できる。よって、産業上の利用可能性は大きい。

Claims (4)

  1. 正極と、負極と、非水溶媒及び電解質塩を有する非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、
    前記非水電解質は、0.005〜1.0質量%の下記一般式(I)で示される構造を有するキレート化合物と、0.2質量%以上の、環状エーテル化合物、スルトン化合物、シクロヘキシルベンゼン、tert−アルキルベンゼン、ニトリル化合物、及び4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンからなる群より選択される少なくとも一種の化合物と、を含む、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
    Figure 0005289091
    (Mは、Al,Zr,Coのいずれかの金属原子であり、R1,R2は、それぞれ炭素数18以下のアルキル基またはアルコキシ基を示す。R1,R2は同一であってもよく、異なっていてもよい。また、アルキル基、アルコキシ基は、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、nは4以下の自然数である。)
  2. 請求項1に記載の非水電解質二次電池において、
    前記金属原子MがAlである、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
  3. 請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池において、
    前記R1,前記R2の少なくとも一方が、アルコキシ基である、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
  4. 請求項1ないし3の何れか1項に記載の非水電解質二次電池において、
    前記金属原子Mに、少なくとも1つのアルコキシ基が結合している、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
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