JP2012136933A - コーナー被覆具及びコーナー構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】入隅に取り付けられている2枚の幅木B1,B2の間隙を被覆するコーナー被覆具1は、入隅の壁W1,W2に密着して釘打ちで固定される壁固定部材11と、突出部121を壁固定部材11の突出部111に形成されているスリット112に嵌合することによって壁固定部材11に簡易に取り付けられた状態で幅木B1,B2の間隙を被覆する間隙被覆部材12とを備える。このようなコーナー被覆具1は、幅木B1,B2には直接的に固定されていないため、幅木B1,B2の伸縮の悪影響を受けない。
【選択図】図5
Description
このようなコーナー被覆具を釘打ちで取り付けた場合、釘の頭部が露出するため、美観が損なわれるという問題がある。また、両面テープを用いた接着で取り付けた場合、釘打ちに比べて取り付けの強度が弱いため、コーナー被覆具が脱落し易いという問題がある。
また、特許文献3に開示されているコーナー被覆具は、2枚の幅木又は回り縁の間隙を被覆する被覆用の部材と、この被覆部材の内側に形成されている取着部材とを有している。このようなコーナー被覆具は、取着部材の被挟持部が2枚の幅木(又は回り縁)と壁との間で挟持されることによって、2枚の幅木(又は回り縁)に固定される。
一方、特許文献1,2に開示されているように、釘打ち、又は嵌合突起と嵌合凹部との嵌合によって、2枚の幅木(又は回り縁)に直接的にコーナー被覆具が固定されている場合は、幅木(又は回り縁)の伸縮に応じてコーナー被覆具に加わった不要な外力によって、コーナー被覆具が破損することがある。
更に、特許文献3に開示されているコーナー被覆具を使用するためには、2枚の幅木(又は回り縁)と壁との間に挟持される被挟持部の厚みを吸収するために、壁に凹部を形成する必要があり、コーナー被覆具の取付工程が煩雑である。
ところで、見切り材は、壁の縦方向中央部に固定されており、壁の隅角に取り付けられている2枚の見切り材の間隙を被覆するために、幅木又は回り縁の場合と同様に、コーナー被覆具を用いることが考えられる。
入隅又は出隅に取り付けられている2枚の板状の壁面造作材(具体的には幅木、見切り材又は回り縁)にコーナー被覆具を取り付ける作業者は、この2枚の壁面造作材の小口面の間に弾性部を挿入し、この2枚の壁面造作材の間隙を被覆部で被覆する。このような取付作業は簡易である。しかも、コーナー被覆具の壁面造作材に対する両面テープによる接着、コーナー被覆具表面側からの釘打ち等が不要である。
たとえ壁面造作材が伸縮しても、壁面造作材に直接的に取り付けられていない被覆部は、壁面造作材の伸縮によって発生した外力の悪影響を受けて破損することがない。また、小口面の間で挟持されている弾性部は、この外力に応じて自身が伸縮することによって、この外力の悪影響を受けて破損することがない。
しかも、両面テープによる接着が不要であるため、コーナー被覆具は脱落し難い。
更に、コーナー被覆具表面側からの釘打ちが不要であるため、取り付けられたコーナー被覆具の美観を向上させることができる。
なお、例えば壁面造作材の小口面に被覆部を接着してもよい。被覆部が接着された場合は、壁面造作材の小口面の間からコーナー被覆具を引き抜く方向に不要な外力が働いた場合でも、コーナー被覆具の脱落を抑制することができる。
また、各接触片は、小口面の間を略完全に塞ぐような形状の弾性部に比べて薄く形成することができるため、例えば合成樹脂のように、合成ゴムと比べて弾性は小さいが硬質な材料で形成しても、各接触片に可撓性を持たせることができる。この結果、弾性部に弾性を持たせつつ、コーナー被覆具の強度を向上させることができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係るコーナー被覆具が入隅の幅木の間隙を被覆しているコーナー構造の外観を示す斜視図であり、このコーナー被覆具が備える間隙被覆部材の正面側の構成を示す斜視図を含んでいる。
図2及び図3は、このコーナー被覆具が備える壁固定部材の正面側及び背面側の構成を夫々示す斜視図であり、図4は、このコーナー被覆具が備える間隙被覆部材の背面側の構成を示す斜視図である。
更に図5は、このコーナー構造の構成を示す横断面図である。
幅木B1,B2夫々の正面には、装飾用の溝D1,D2が横方向に形成してある。
入隅用屈曲板状部115は、入隅の壁W1,W2の形状に沿って平面視L字状に屈曲しており、L字の屈曲部内側に、突出部111と、平面視三角形状の4枚の板状の補強部113,113,…とが一体に形成されている。
三角柱部114には、三角柱部114の入隅の壁W1,W2の形状に対応する2側面以外の1側面からこの1側面に対向する頂点に亘って貫通している入隅用縦長孔116が形成されている。入隅用縦長孔116には、図示しない釘(又はビス)が挿通される。
入隅用水平被覆部124は、入隅に取り付けられている2枚の幅木B1,B2の上端面の形状に対応し、L字状に連続的に形成されている。
入隅用鉛直被覆部125の正面には、幅木B1,B2夫々の装飾用の溝D1,D2に対応する装飾用の溝12aが横方向に形成されている。このため、入隅用鉛直被覆部125の背面には、溝D1,D2に嵌入する凸条部12bが突設されている。この凸条部12bは、突出部121と入隅用水平被覆部124との間に配されている。
コーナー被覆具1を取り付ける作業者は、まず、壁固定部材11を、入隅用屈曲板状部115を下側、三角柱部114を上側にして、入隅の壁W1,W2に相対し、次に、壁固定部材11の背面、即ち入隅用屈曲板状部115の背面(つまりL字の屈曲部の外側)と三角柱部114の前記2側面とを壁W1,W2に沿わせつつ入隅用屈曲板状部115の縦方向一端部(この場合は下端部)を床Fに当接させる。
また、スリット112に突出部121を嵌合しながら、間隙被覆部材12の縦方向の取付位置の調整が可能であるため、特に、溝12aと溝D1,D2とが合わせ易い。
ここでは、室内の2面の壁W1,W2が略直交している入隅に取り付けられている2枚の壁面造作材である回り縁E1,E2を例示する。回り縁E1は板状の木質部材を用いてなり、天井Cに沿って配され、壁W1に釘打ち、接着等で固定されている。回り縁E1と同様に、回り縁E2は壁W2に固定されている。回り縁E1,E2の寸法、配置等は、幅木B1,B2の寸法、配置等に対応している。
回り縁E1,E2の間隙を被覆すべくコーナー被覆具1を壁W1,W2に取り付ける場合、作業者は、入隅用屈曲板状部115を上側、三角柱部114を下側にして、入隅用縦長孔116を利用し壁固定部材11を壁W1,W2に釘打ち固定する。
図7は、本発明の実施の形態2に係るコーナー被覆具が出隅の幅木の間隙を被覆しているコーナー構造の外観を示す斜視図であり、このコーナー被覆具が備える間隙被覆部材の正面側の構成を示す斜視図を含んでいる。
図8及び図9は、このコーナー被覆具が備える壁固定部材の正面側及び背面側の構成を夫々示す斜視図であり、図10は、このコーナー被覆具が備える間隙被覆部材の背面側の構成を示す斜視図である。
更に図11は、このコーナー構造の構成を示す横断面図である。
幅木B3,B4夫々の正面には、装飾用の溝D3,D4が横方向に形成してある。
出隅用屈曲板状部214は、出隅の壁W3,W4の形状に沿って平面視L字状に屈曲しており、出隅用屈曲板状部214のL字の屈曲部を貫通して、出隅用縦長孔216が形成されている。出隅用縦長孔216には、図示しない釘(又はビス)が挿通される。また、出隅用屈曲板状部214は、L字の屈曲部外側に、突出部211と、平面視三角形状の4枚の板状の補強部213,213,…とが一体に形成されている。
突出部211は互いに対面して離隔配置されている各縦長の矩形板状の突出片21a,21bを有し、この突出片21a,21b間に、縦長のスリット212が形成されている。スリット212には、後述する突出部221が嵌合されるため、突出片21a,21bの離隔距離及び突出長さ、即ちスリット212の幅及び深さは、突出部221を嵌合するために必要な値に設計される。
出隅用水平被覆部224は、出隅に取り付けられている2枚の幅木B3,B4の上端面の形状に対応し、L字状に連続的に形成されている。
出隅用鉛直被覆部225の正面には、幅木B3,B4夫々の装飾用の溝D3,D4に対応する装飾用の溝22aが横方向に形成されている。このため、出隅用鉛直被覆部225の背面には、溝D3,D4に嵌入する凸条部22bが突設されている。この凸条部22bは、突出部221と出隅用水平被覆部224との間に配されている。
コーナー被覆具2を取り付ける作業者は、まず、壁固定部材21を、スリット212形成側を下側、出隅用縦長孔216形成側を上側にして、出隅の壁W3,W4に相対し、次に、壁固定部材21の背面、即ち出隅用屈曲板状部214の背面(つまりL字の屈曲部の内側)を壁W3,W4に沿わせつつ出隅用屈曲板状部214の縦方向一端部(この場合は下端部)を床Fに当接させる。
以上のようにして壁固定部材21を位置決めしてから、作業者は、出隅用縦長孔216に図示しない釘を挿通させて、壁固定部材21を壁W3,W4に釘打ち固定する。ここで、出隅用縦長孔216は、釘を挿入する縦方向の位置、角度等の制限が緩い。このため、釘打ち作業は簡易である。
また、スリット212に突出部221を嵌合しながら、間隙被覆部材22の縦方向の取付位置の調整が可能であるため、特に、溝22aと溝D3,D4とが合わせ易い。
その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
ここでは、室内の2面の壁W3,W4が略直交している出隅に取り付けられている2枚の回り縁E3,E4を例示する。回り縁E3は板状の木質部材を用いてなり、天井Cに沿って配され、壁W3に釘打ち、接着等で固定されている。回り縁E3と同様に、回り縁E4は壁W4に固定されている。回り縁E3,E4の寸法、配置等は、幅木B3,B4の寸法、配置等に対応している。
回り縁E3,E4の間隙を被覆すべくコーナー被覆具2を壁W3,W4に取り付ける場合、作業者は、スリット212形成側を上側、出隅用縦長孔216形成側を下側にして、出隅用縦長孔216を利用し壁固定部材21を壁W3,W4に釘打ち固定する。
図13は、本発明の実施の形態3に係るコーナー被覆具が出隅の幅木の間隙を被覆しているコーナー構造の外観を示す斜視図であり、このコーナー被覆具の正面側の構成を示す斜視図を含んでいる。また、図14は、このコーナー被覆具の背面側の構成を示す斜視図である。
更に、図15は、このコーナー被覆具が、幅木が収縮して間隙が拡大してもこの間隙を被覆し続けることを説明する平面図である。
弾性部32は、鉛直被覆部312の屈曲部内側に突設されており、幅木B5の小口面に接する縦長板状の接触片32aと幅木B6の小口面に接する縦長板状の接触片32bとを有するV字状をなしている。
コーナー被覆具3を取り付ける作業者は、まず、水平被覆部311を上側、鉛直被覆部312を下側にした被覆部31を手前側にし、弾性部32を奥側にして、出隅の壁W3,W4に相対する。
また、幅木B5,B6の伸縮によって発生した外力は、接触片32a,32bの開閉によって、コーナー被覆具3に対し直接的な悪影響を及ぼさないため、この外力を受けたコーナー被覆具3が破損することはない。
また、コーナー被覆具3は、幅木B5,B6に対する接着が不要であるため、幅木B3,B4の伸縮によって発生した外力の悪影響を受けて脱落を生じることがない。
11,21 壁固定部材
111,121,211,221 突出部
112,212 スリット
113,123,213,223 補強部
12,22 間隙被覆部材
114 三角柱部
115 入隅用屈曲板状部
116 入隅用縦長孔
214 出隅用屈曲板状部
216 出隅用縦長孔
31 被覆部
32 弾性部
32a,32b 接触片
B1,B2,B3,B4 幅木(壁面造作材)
E1,E2,E3,E4 回り縁(壁面造作材)
W1,W2,W3,W4 壁
Claims (3)
- 入隅又は出隅に取り付けられている2枚の板状の壁面造作材の間隙を被覆するコーナー被覆具において、
前記間隙を被覆する被覆部と、
前記壁面造作材の小口面の間に挿入され、弾性復元力によって固定される弾性部と
を一体に備えることを特徴とするコーナー被覆具。 - 前記弾性部は、一方の壁面造作材に接する接触片と他方の壁面造作材に接する接触片とを有するV字状をなしていることを特徴とする請求項1に記載のコーナー被覆具。
- 入隅又は出隅に取り付けられている壁面造作材の間隙をコーナー被覆具が被覆しているコーナー構造において、
前記コーナー被覆具は、請求項1又は2に記載のコーナー被覆具であることを特徴とするコーナー構造。
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