JP5275900B2 - 幅木コーナーカバー - Google Patents

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Description

本発明は、床側に設置される下段幅木部材と、該下段幅木部材の上端部を受け入れる切欠段部を壁面側下部に有した上段幅木部材とからなり、壁面の出隅部に向けてそれぞれ配設される二段幅木における出隅部側の端部に取り付けられる幅木コーナーカバーに関する。
上記のような二段幅木は、住宅等の建物の壁面と床面との交差部に沿って配設されるものであり、壁面の出隅部においては、従来、各幅木部材の端部に、平面視して45度に傾斜させた突き合わせ面を形成し、これら突き合わせ面同士を突き合わせて、各幅木部材を接合する施工態様とされていた。
このような施工態様では、各幅木部材の端部同士を美観性良く接合するために、各端部の突き合わせ面の角度や各幅木部材の長さ寸法を正確に加工する必要があり、施工性の改善が望まれていた。
下記特許文献1では、上記したような二段幅木の出隅部に取り付けられる出隅用幅木が提案されている。
この出隅用幅木は、軟質コーナー部材を有し、この軟質コーナー部材の両側に覆い部材を設けた構成とされている。この出隅用幅木は、出隅部に向けて配設された二段幅木の端部間に、上記軟質コーナー部材を配設し、上記覆い部材で各二段幅木の端部表面を覆うことで、各二段幅木の端部を出隅部において繋ぐようにして接合させる態様とされている。
特開平9−317150号公報(図3及び図5参照)
しかしながら、上記特許文献1に記載されたものでは、二段幅木の端部を一体的に形成した出隅用幅木で覆う態様としているので、二段幅木を構成する上段幅木部材の段部への下段幅木部材の嵌まり具合によっては、下段幅木部材の下部が露出したり、或いは、出隅用幅木の下部が床面に規制されて撓み、屈曲したりする恐れがあった。すなわち、このような上段幅木部材と下段幅木部材とからなる二段幅木においては、上段幅木部材の段部への下段幅木部材の嵌まり具合を調節することで、上段幅木部材の取付け位置の高さ調整や床面の不陸の吸収等、施工時に上下方向に位置調整がなされて施工される。また、施工後においても、床面に浮き沈みが生じ、上段幅木部材に対して下段幅木部材が上下に変動する場合がある。このように上段幅木部材と下段幅木部材との上下方向への位置調整や変動の度合いによっては、下段幅木部材の下部が十分に出隅用幅木によって覆われず、露出したり、或いは、出隅用幅木の下部が下段幅木部材の下部から下方に突出してしまい、屈曲したりする恐れがあった。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、壁面の出隅部に向けてそれぞれ配設された二段幅木の出隅部側端部を見栄え良く納め得るとともに、施工性を向上し得る幅木コーナーカバーを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明に係る幅木コーナーカバーは、壁面の出隅部に向けてそれぞれに配設される、床側に設置される下段幅木部材と下段幅木部材の上端部を受け入れる切欠段部を壁面側下部に有した上段幅木部材とからなる二段幅木における出隅部側の端部を覆うように各端部に取り付けられる幅木コーナーカバーであって、前記出隅部に向けてそれぞれに配設された状態の下段幅木部材の出隅部側の各端部表面を覆うように前記出隅部において直交する各壁面にそれぞれ略平行に配される表面カバー部と前記配設された状態の下段幅木部材の出隅部側の端部間の空間を覆うようにこれら表面カバー部間を繋ぐコーナー部とを有して平面視略L字状とされ、かつ、前記出隅部に向けてそれぞれに配設された状態の上段幅木部材の切欠段部に、前記配設された状態の下段幅木部材の上端部の出隅部側の各端部表面を覆う両表面カバー部の上端部が係止される下段カバー部材と、前記配設された状態の上段幅木部材の出隅部側の各上面部位及びこれらの間を覆う上面カバー部と前記配設された状態の上段幅木部材の出隅部側の各端部表面を覆うように前記出隅部において直交する各壁面にそれぞれ略平行に配される手前面カバー部と前記配設された状態の上段幅木部材の出隅部側の端部間の空間を覆うようにこれら手前面カバー部間を繋ぐコーナー部とを有して平面視略L字状とされ、かつ、前記配設された状態の上段幅木部材に固着される上段カバー部材とを備えていることを特徴とする。
本発明に係る前記幅木コーナーカバーにおいては、前記上段カバー部材の裏面に、前記壁面側に向けて延びるリブを上下方向に沿って形成するようにしてもよい。
本発明に係る前記いずれかの幅木コーナーカバーにおいては、前記下段カバー部材の裏面に、前記壁面側に向けて延びるリブを上下方向に沿って形成するようにしてもよい。
このように、カバー部材の裏面にリブを設けた構成とした場合においては、前記リブを、その壁面側先端部が前記壁面の出隅部に近接して配置され、かつ当該リブの先端面及び一側面が、各壁面と略同平面となるように配置されるとともに、前記出隅部に向けてそれぞれ配設される各幅木部材の端面に対面配置される構造としてもよい。
本発明に係る前記いずれかの幅木コーナーカバーにおいては、前記下段カバー部材のコーナー部の下端部裏面に、前記壁面側に向けて延びる底面リブを水平方向に沿って形成するようにしてもよい。このような水平方向に沿ったリブは、上記いずれかの上段カバー部材のコーナー部の裏面にも設けるようにしてもよい。また、上記いずれかの下段カバー部材のコーナー部の上端部裏面に上面リブを設けるようにしてもよい。
本発明に係る前記幅木コーナーカバーによれば、上段幅木部材と下段幅木部材とからなる二段幅木の出隅部側の端部を連結させるようにして、これら二段幅木の端部間及び各端部表面を覆い隠すことができるので、二段幅木の出隅部側端部を見栄え良く納めることができる。
また、上記幅木コーナーカバーは、各幅木部材の端部表面を覆う構成とされているので、各幅木部材の端部に、上述のような突き合わせ面等を精度良く加工する必要がなく、施工性を向上させることができる。
さらに、上記幅木コーナーカバーは、上段幅木部材の出隅部側の各端部表面及び端部間を覆う上段カバー部材と、下段幅木部材の出隅部側の各端部表面及び端部間を覆う下段カバー部材とを備えているので、施工時や施工後における上段幅木部材と下段幅木部材との上下方向への位置調整や変動等に影響されることなく、二段幅木の出隅部側端部を見栄え良く納めることができる。
さらにまた、上記下段カバー部材は、その上端部が前記上段幅木部材の切欠段部に係止されるので、施工性が良い。すなわち、下段幅木部材を配設した後、その下段幅木部材に上記下段カバー部材を覆い被せ、その上に、上段幅木部材を配設することで、該上段幅木部材の切欠段部によって下段カバー部材の上端部が係止され、該下段カバー部材の脱離を防止することができる。
本発明に係る前記幅木コーナーカバーにおいて、前記上段カバー部材の裏面に、前記壁面側に向けて延びるリブを上下方向に沿って形成するようにすれば、当該上段カバー部材の上下方向に沿う強度を効率的に高めることができる。従って、当該上段カバー部材の厚さを比較的薄くすることもでき、このように薄い厚さにすれば、幅木部材の出隅部側の端部に取り付けた際に、幅木部材の表面との段差を比較的小さくすることができ、美観性を向上させることができる。
本発明に係る前記いずれかの幅木コーナーカバーにおいて、前記下段カバー部材の裏面に、前記壁面側に向けて延びるリブを上下方向に沿って形成するようにすれば、上記同様、当該下段カバー部材の上下方向に沿う強度を効率的に高めることができる。
上述のように、カバー部材の裏面にリブを設けた構成とした場合において、前記リブを、その壁面側先端部が前記壁面の出隅部に近接して配置され、かつ当該リブの先端面及び一側面が、各壁面と略同平面となるように配置されるとともに、前記出隅部に向けてそれぞれ配設される各幅木部材の端面に対面配置される構造とすれば、当該リブが、各幅木部材の長さを調節する際の目安部材として、または各幅木部材の位置決めの際に位置決め部材として機能する。すなわち、幅木部材を適当な長さに切断した後、本固定の前に、幅木部材及びカバー部材をそれぞれの配設箇所に仮置きすることで、幅木部材の長さが適切であるか否かを容易に確認でき、施工性を向上させることができる。または、幅木部材を仮置きした際に、幅木部材の端部が出隅部から突出しているような場合には、カバー部材を被せ、当該カバー部材を適切な位置まで出隅部側に向けて押し付けることで、当該リブによって、幅木部材の端面が規制されて、該幅木部材を適切な位置(出隅部から突出しないような位置)に位置決めする(後退させる)ことができる。
特に、上記リブは、その先端面及び一側面が、出隅部に向けてそれぞれ配設される両幅木部材の目安部材または位置決め部材としてそれぞれ機能するので、例えば、目安部材または位置決め部材としてのリブを複数のリブによって構成する場合と比べて、構造を簡略化することができる。
本発明に係る前記いずれかの幅木コーナーカバーにおいて、前記下段カバー部材のコーナー部の下端部裏面に、前記壁面側に向けて延びる底面リブを水平方向に沿って形成するようにすれば、該底面リブによってコーナー部及び当該下段カバー部材の水平方向に沿う強度を効率的に高めることができる。また、該底面リブによって当該下段カバー部材を、より安定して床面に起立させることも可能となり、施工性をより向上させることができる。
(a)〜(c)は、いずれも本発明に係る幅木コーナーカバーの一実施形態を模式的に示し、(a)は、図2(b)におけるX1−X1線矢視に対応させた概略横断面図、(b)は、図2(b)におけるX2−X2線矢視に対応させた概略横断面図、(c)は、図2(b)におけるY−Y線矢視に対応させた概略縦断面図である。 (a)、(b)は、いずれも同幅木コーナーカバーを二段幅木の端部に取り付けた状態の一例を示し、(a)は、一部破断概略斜視図、(b)は、(a)におけるZ方向から見た状態を模式的に示す概略正面図である。 (a)〜(d)は、いずれも同幅木コーナーカバーの上段カバー部材を示し、(a)は、概略平面図、(b)は、概略底面図、(c)は、概略右側面図、(d)は、概略背面図である。 (a)〜(d)は、いずれも同幅木コーナーカバーの下段カバー部材を示し、(a)は、概略平面図、(b)は、概略底面図、(c)は、概略右側面図、(d)は、概略背面図である。 (a)、(b)は、いずれも同幅木コーナーカバーを用いた二段幅木の施工手順の一例を説明するための説明図であり、それぞれ図2(a)、(b)に対応させた図である。 (a)、(b)は、いずれも同幅木コーナーカバーを用いた二段幅木の施工手順の一例を説明するための説明図であり、それぞれ図2(a)、(b)に対応させた図である。 (a)、(b)は、いずれも同幅木コーナーカバーを用いた二段幅木の施工手順の一例を説明するための説明図であり、それぞれ図2(a)、(b)に対応させた図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1〜図7は、本実施形態に係る幅木コーナーカバーについて説明するための説明図である。
尚、図1(a)では、上段カバー部材の下方に配された下段カバー部材の図示を省略している。
また、図2(a)、図6(a)及び図7(a)では、詳細な符号を省略している。
本実施形態に係る幅木コーナーカバー1は、図1及び図2に示すように、床Fと壁面Wとの交差部に沿ってそれぞれ配設された二段幅木2,2の出隅部W1側の各端部を、壁面Wの出隅部W1において連結するように覆い隠す構造とされており、下段カバー部材10と上段カバー部材20とを備えている。
各二段幅木2は、床F側に設置される下段幅木部材3と、この下段幅木部材3の上方に配設される上段幅木部材6とからなる。
下段幅木部材3は、上端部を構成する上端片部4が床F側の下端部5よりも厚さが薄く形成されており、壁面Wに沿って設置された状態では、図1に示すように、上端片部4と下端部5とにより、手前側に段部が形成された階段状の形状とされている。この下段幅木部材3の上端片部4の厚さは、上段幅木部材6の切欠段部7に対応させた厚さとされ、下端部5の厚さは、その手前面が上段幅木部材6の手前面と略同一平面となるように、上段幅木部材6の厚さに対応させた厚さとされている。
上段幅木部材6は、表面側の上方側部位に長手方向に沿って設けられた溝8を有し、壁面W側の下部に長手方向に沿って設けられた切欠段部7を有している。この切欠段部7は、当該上段幅木部材6が壁面Wに沿って設置された状態では、壁面Wとともに、下方に開口した凹溝を形成し、この凹溝に下段幅木部材3の上端片部4を受け入れる構成とされている。すなわち、切欠段部7が形成されて薄い厚さとされた上段幅木部材6の下端片部9によって下段幅木部材3の上端片部4が規制される。この上段幅木部材6の切欠段部7の深さ及び下段幅木部材3の上端片部4の上下方向の高さは、後記するように、上段幅木部材6の切欠段部7への下段幅木部材3の上端片部4の受け入れ具合の調整が可能なよう、適宜の調整代を有したものであればよい。また、これら幅木部材3,6が施工された際に、上段幅木部材6の下端片部9の下端面と下段幅木部材3の段部とによって、上記した溝8と同程度の溝が形成される態様としている。
また、この上段幅木部材6の水平状の上面の室内空間側(反壁面側)の縁部には、床F側に向けて傾斜する傾斜面が形成されている。
上記構成とされた二段幅木2では、上段幅木部材6の切欠段部7への下段幅木部材3の上端片部4の受け入れ具合(嵌まり具合)を調整することで、上段幅木部材6の取付け位置の高さ調整や、床Fの不陸の吸収がなされる。また、この上段幅木部材6を壁面Wに対して固着させ、下段幅木部材3の上端片部4を切欠段部7(上記凹溝)に遊嵌させて下段幅木部材3の上下移動が可能なように施工することで、施工後に床Fの浮き沈みが生じた場合にも下段幅木部材3の下面と床Fとの間に隙間等が生じることを防止できる。
各幅木部材3,6は、例えば、木質系材料や合成樹脂系材料、金属系材料等から帯状に比較的長尺に形成されている。
下段カバー部材10は、図1(b)、(c)及び図4に示すように、下段幅木部材3の表面形状に対応させた形状とされ、本実施形態では、下段幅木部材3の出隅部W1側の端部表面3aにおける下端部5の手前面下端から段部上面及び上端片部4の手前面上縁部近傍部位に至るまでの部位を被覆する形状とされている。すなわち、下段カバー部材10は、下段幅木部材3が壁面Wに沿って設置された状態で、端部表面3aにおける上面及び上縁部近傍部位を除いた手前側に露出する部位を被覆する形状とされている。また、下段カバー部材10は、出隅部W1に沿うように平面視して略L字状に形成されている。
この下段カバー部材10の上部は、出隅部W1において直交する各壁面W,Wにそれぞれ略平行に配され、かつ下段幅木部材3の上端片部4における出隅部側の各端部表面3a,3aに裏面が対面配置されて、これらを被覆するように覆い隠す上部表面カバー部11,11と、これら上部表面カバー部11,11間を繋ぎ、かつ下段幅木部材3の上端片部4における出隅部側の端面3b,3b間の空間を覆い隠すとともに、室内空間側に突湾曲状(平面視して略四半円形状)とされた上部コーナー部12とからなる。上記上部に連成された下段カバー部材10の下部は、下段幅木部材3の上記段部に対応させて、上記上部の下端部に段状に連成されている。この下部は、上記上部と略同様、下段幅木部材3の下端部5における出隅部側の段部上面を含む各端部表面3a,3aに裏面が対面配置されて、これらを被覆するように覆い隠す下部表面カバー部13,13と、下段幅木部材3の下端部5における出隅部側の端面3b,3b間の空間を覆い隠すとともに、室内空間側に突湾曲状(平面視して略四半円形状)とされた下部コーナー部14とからなる。
この下部コーナー部14及び上部コーナー部12の曲率半径は、下段幅木部材3の各部位の厚さに応じて適宜、設定される。
上記のように形成された下段カバー部材10は、出隅部W1に向けてそれぞれ配設された下段幅木部材3,3に取り付けられた状態では、これらの出隅部W1側の端部を繋ぐようにして覆い隠し、かつ、出隅部W1に相当する部位(コーナー部12,14)がR面状の滑らかな形状となる。
また、上部表面カバー部11,11及び下部表面カバー部13,13のそれぞれ外方側(各コーナー部側とは異なる側)端縁部には、下段幅木部材3の表面側に向けて傾斜する傾斜面11a,13aが形成されて、該端縁部が外方側に向けて徐々に厚さが薄くなるように形成されている。このような傾斜面11a,13aを形成することで、下段幅木部材3の表面と当該下段カバー部材10との段差をより目立ち難くすることができ、美観性を向上させることができる。
尚、図例では、下部表面カバー部13,13の傾斜面13a,13aを、上下方向の片部の外方側端縁部にそれぞれ形成し、略水平方向の片部(段部上面に相当する部位)の外方側端縁部には、目立ち難いことから、傾斜面を形成していない態様を示しているが、これら略水平方向の片部の外方側端縁部にも傾斜面を形成するようにしてもよい。
また、下段カバー部材10の裏面15には、壁面W側に向けて延びる縦リブ16が上下方向に沿って形成されている。この縦リブ16は、本実施形態では、当該下段カバー部材10の上下の全体に亘って形成されており、その壁面W側の先端部が、壁面Wの出隅部W1に近接して配置される構造とされている。また、当該縦リブ16の先端面16a及び外方側(各コーナー部側とは異なる側)側面16bが、各壁面W,Wと略同平面となるように配置されるとともに、出隅部W1に向けてそれぞれ配設される各下段幅木部材3,3の出隅部W1側の端面3b,3bに対面配置される構造とされている。換言すれば、この縦リブ16は、その外方側側面16bの基端部が、上記のように各壁面W,Wに略平行に配される表面カバー部のうちのいずれか一方とコーナー部との境界部位の裏面、すなわち、コーナー部の平面視におけるコーナー始端部(四半円点部)のうちのいずれか一方の裏面から出隅部W1に向けて突出するように形成されており、その突出幅が、下段幅木部材3の厚さに合わせた突出幅とされている。このように突出された縦リブ16の先端面16aに、下段幅木部材3,3の出隅部W1側の端面3b,3bのうちの一方が対面して配置され、外方側側面16bに、他方の端面3bが対面して配置される。
また、下段カバー部材10の上部コーナー部12の上端部裏面、及び下部コーナー部14の下端部裏面には、図4(a)〜(c)に示すように、壁面W側に向けて延びる棚状の上面リブ17及び底面リブ18がそれぞれ水平方向に沿って形成されている。
本実施形態では、これら上面リブ17及び底面リブ18は、縦リブ16と同様、それぞれの両外側端面17a,18aが、各壁面W,Wと略同平面となるように配置されるとともに、出隅部W1に向けてそれぞれ配設される各下段幅木部材3,3の出隅部W1側の端面3b,3bに対面配置される構造とされ、かつ、それぞれの両外側端面17a,18aが直交する角部が、出隅部W1に近接して配置される構造とされている。尚、本実施形態では、これら上面リブ17及び底面リブ18は、縦リブ16の上端部及び下端部に一方の外側端面17a,18aを連成させた形状とされており、縦リブ16の外方側側面16bの上端部及び下端部と、上面リブ17及び底面リブ18のそれぞれの一方の外側端面とが同一面として把握される。また、縦リブ16の先端面16aの上端部及び下端部と、上面リブ17及び底面リブ18のそれぞれの他方の外側端面の一部とが同一面として把握される。
上段カバー部材20は、図1(a)、(c)及び図3に示すように、上段幅木部材6の表面形状に対応させた形状とされ、本実施形態では、上段幅木部材6が壁面Wに沿って設置された状態で、端部表面6aにおける下面を除いた手前側に露出する部位を被覆する形状とされている。また、上段カバー部材20は、出隅部W1に沿うように平面視して略L字状に形成されている。
この上段カバー部材20の上端部は、出隅部W1に向けてそれぞれ配設される上段幅木部材6の出隅部側の各端部表面6a,6aにおける上記傾斜面を含んだ上面部位に裏面が対面配置されて、これらを被覆し、かつこれらの間を覆い隠すように形成された上面カバー部21とされている。この上面カバー部21の壁面W,W側の内周縁部は、図2(a)及び図3(a)に示すように、各壁面W,Wに対応させて形成されており、その角部に出隅部W1が近接乃至は当接して配置される。また、この上面カバー部21の外方側両端縁部には、上記した下段カバー部材10の傾斜面11a,13aと同様の傾斜面21a,21aがそれぞれ形成されている。
上面カバー部21の手前側縁部からは、手前面カバー部22,22及びコーナー部23が下方に向けて延びるように連成されている。
手前面カバー部22,22は、出隅部W1において直交する各壁面W,Wにそれぞれ略平行に配され、かつ上段幅木部材6の出隅部W1側の各端部表面6a,6aに裏面が対面配置されて、これらを被覆するように覆い隠す構造とされている。
コーナー部23は、これら手前面カバー部22,22間を繋ぎ、かつ上段幅木部材6の出隅部W1側の端面6b,6b間の空間を覆い隠すとともに、室内空間側に突湾曲状(平面視して略四半円形状)とされている。
また、これら手前面カバー部22,22及びコーナー部23には、上段幅木部材6の溝8に対応させて、屈曲形成された凹溝部22a,22a,23aがそれぞれ形成されている。この凹溝部23aを含むコーナー部23の曲率半径は、上段幅木部材6の各部位の厚さに応じて適宜、設定される。
上記のように形成された上段カバー部材20は、出隅部W1に向けてそれぞれ配設された上段幅木部材6,6に取り付けられた状態では、これらの出隅部W1側の端部を繋ぐようにして覆い隠し、かつ、出隅部W1に相当する部位(コーナー部23)がR面状の滑らかな形状となる。
また、手前面カバー部22,22のそれぞれ外方側(コーナー部23側とは異なる側)端縁部には、上記同様の傾斜面22b,22bがそれぞれ形成されている。
尚、図例では、上記した下部表面カバー部13の略水平方向の片部と同様、手前面カバー部22の傾斜面22bを、凹溝部22aに相当する部位の略水平方向の上下片部の外方側端縁部には、目立ち難いことから、傾斜面を形成していない態様を示しているが、これら略水平方向の上下片部の外方側端縁部にも傾斜面を形成するようにしてもよい。
また、この上段カバー部材20の裏面24には、上記した下段カバー部材10と同様、壁面W側に向けて延びる縦リブ25が上下方向に沿って形成されている。この縦リブ25は、本実施形態では、上端部が上面カバー部21の裏面に連成されて、当該上段カバー部材20の上下の全体に亘って形成されている。また、該縦リブ25の壁面W側の下部には、施工された際に、下段カバー部材10に干渉しないよう、図3(c)、(d)に示すように、切欠部25cを形成している。尚、このような切欠部25cを形成する態様に代えて、施工された際に、下段カバー部材10に干渉しないよう、上方側部位にのみ縦リブ25を形成し、下部側には縦リブを形成しないような態様としてもよい。
また、縦リブ25は、上記した下段カバー部材10の縦リブ16と同様、その壁面W側の先端部(切欠部25cが形成されている場合には、当該切欠部25cの形成されていない部位における先端部)が、壁面Wの出隅部W1に近接して配置される構造とされ、かつ当該縦リブ25の先端面25a及び外方側(コーナー部23側とは異なる側)側面25bが、各壁面W,Wと略同平面となるように配置されるとともに、出隅部W1に向けてそれぞれ配設される各上段幅木部材6,6の出隅部W1側の端面6b,6bに対面配置される構造とされている。
また、上段カバー部材20のコーナー部23の下端部裏面には、図3(b)〜(d)に示すように、壁面W側に向けて延びる棚状の底面リブ26が水平方向に沿って形成されている。
この底面リブ26は、上記した縦リブ25と同様、施工された際に、下段カバー部材10に干渉しないよう、切欠部26bを形成しており、平面視して扇形状の尖頭部を切除したような略四半環状の形状とされている。また、この底面リブ26の両外側端面26a,26aが、出隅部W1に向けてそれぞれ配設される各上段幅木部材6,6の出隅部W1側の端面6b,6bに対面配置される構造とされている。尚、本実施形態では、底面リブ26は、縦リブ25の下端部に一方の外側端面を連成させた形状とされており、縦リブ25の外方側側面25bの下端部と、底面リブ26の一方の外側端面とが同一面として把握される。
尚、図3(c)、(d)において、符号27は、手前面カバー部22,22のそれぞれの裏面に貼着された粘着材としての両面テープである。
上記下段カバー部材10及び上段カバー部材20は、いずれも厚さが比較的薄く形成されており、0.5mm〜3.0mm程度の厚さとされ、上記各傾斜面11a,13a,21a,22bが設けられた各端縁部における外周縁部は、更に薄く形成されている。このように薄い厚さにしているので、各幅木部材3,6の出隅部W1側の端部に各カバー部材10,20を取り付けた際に、各幅木部材3,6の表面との段差を比較的小さくすることができ、美観性を向上させることができる。また、このように、厚さを比較的薄くした場合にも、これら下段カバー部材10及び上段カバー部材20は、上記のように上下方向に沿う縦リブ16,25及び水平方向に沿うリブ17,18,26を設けた態様としているので、上下方向及び水平方向に沿う強度を効率的に高めることができる。
また、これら下段カバー部材10及び上段カバー部材20は、図2に示すように、組み付けられた状態において、それぞれの両側縁部が上下方向に沿って略一致するように形成されており、また、手前面の外周郭をそれぞれ構成する面が略同一面となるように形成されている。
また、これら下段カバー部材10及び上段カバー部材20は、例えば、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の合成樹脂系材料を主材とした材料から射出成形等によって、それぞれが一体的に成形されている。
尚、これら下段カバー部材10及び上段カバー部材20を、各幅木部材3,6の模様に合わせた色調のものとしたり、或いは、表面に塗装等を施したりするようにしてもよい。
また、上記のような合成樹脂系材料に、木粉や無機フィラー、相溶化剤、着色剤などを所定の含有割合で含有させた木粉・プラスチック複合材(WPC)から成形するようにしてもよい。
さらに、上記のような合成樹脂製に限られず、アルミニウムやステンレス等の金属材料から鋳造や切削加工等によってそれぞれを一体的に成形した金属製のものとしてもよい。
次に、上記構成とされた幅木コーナーカバー1を用いて、二段幅木2の出隅部W1側の端部を納める施工手順の一例について、図5〜図7に基づいて説明する。
まず、図5(a)に示すように、壁面Wと床Fとの交差部に沿わせるようにして、出隅部W1に向けて各下段幅木部材3,3を配置する。この際、各下段幅木部材3,3は、適当な長さに切断した後、図5(b)に示すように、下段カバー部材10を出隅部W1に配置して、該下段カバー部材10の縦リブ16(図1(b)参照)を目安にして、長さを調整するようにしてもよい。すなわち、図1(b)に示すように、下段カバー部材10の縦リブ16の先端面16a及び外方側側面16bに、各下段幅木部材3,3の出隅部W1側の端面3b,3bが、当接乃至は近接して対面配置され、かつ、上記各表面カバー部11,13の裏面に、各下段幅木部材3,3の出隅部W1側の端部表面3a,3aが、当接乃至は近接して対面配置されているか否かを確認し、長さを調整するようにしてもよい。例えば、下段幅木部材3が長すぎるような場合には、縦リブ16が端面3bによる規制を受けて、各表面カバー部11,13の裏面に端部表面3aが当接乃至は近接せずに、隙間が生じ、この場合には、当該下段幅木部材3を切断して長さ調整するようにすればよい。
或いは、下段幅木部材3を仮置きした際に、下段幅木部材3の端部が出隅部W1から突出しているような場合(位置ズレしている場合)には、下段カバー部材10を該端部に被せ、当該下段カバー部材10を適切な位置まで出隅部W1側に向けて押し付けることで、縦リブ16によって、下段幅木部材3の端面3bを規制して、当該下段幅木部材3を適切な位置(出隅部W1から突出しないような位置)に位置決めする(後退させる)ようにしてもよい。
上記のように、各下段幅木部材3,3を設置した後、図5(b)及び図6(a)に示すように、下段カバー部材10を出隅部W1における床F上に設置する。このように、下段カバー部材10を床F上に設置する際、本実施形態では、上述のように、底面リブ18(図4(b)、(c)参照)を設けた態様としているので、当該下段カバー部材10が倒れるようなことがなく、より安定して床F上に起立させることが可能となり、施工性を向上させることができる。
次いで、図6(b)及び図7(a)に示すように、各上段幅木部材6,6を、出隅部W1に向けて、かつ各下段幅木部材3,3の上方に配置する。この際、切欠段部7への下段幅木部材3の上端片部4の受け入れ具合を調整して、各上段幅木部材6,6の取付け位置を調整するようにしてもよい。また、各上段幅木部材6,6が略水平となるように取り付けるようにしてもよい。また、各上段幅木部材6,6を壁面Wに対して固定する前に、上記した下段側と同様、図7(b)に示すように、上段カバー部材20を出隅部W1に配置して、該上段カバー部材20の縦リブ25(図1(a)参照)を目安にして、各上段幅木部材6,6の長さを調整するようにしたり、縦リブ25によって規制して位置決めしたりするようにしてもよい。つまり、下段カバー部材10の裏面15に設けた縦リブ16及び上段カバー部材20の裏面24に設けた縦リブ25が、各幅木部材3,6の長さを調節する際の目安部材、または各幅木部材3,6の位置決め部材として機能し、上述のように、各幅木部材3,6の長さが適切であるか否かを容易に確認でき、または、位置決めができ、施工性を向上させることができる。特に、上記各縦リブ16,25は、その先端面16a,25a及び外方側側面16b,25bが、目安部材または位置決め部材としてそれぞれ機能するので、例えば、目安部材または位置決め部材としてのリブを複数の縦リブによって構成する場合と比べて、構造を簡略化することができる。
上記のように各上段幅木部材6,6の取付け位置の調整及び長さ調整等をした後、各上段幅木部材6,6は、釘(かくし釘)や木ねじ等の固定止具を、長手方向の適所に、打ち込み(或いは捻じ込み)、壁面Wへの固定がなされる。この際、上段幅木部材6の溝8に固定止具を打ち込むようにすれば、固定止具の頭部が目立たず、見栄えが良い。
また、このように、各上段幅木部材6,6が壁面Wに対して固定された状態では、図7に示すように、下段カバー部材10の上部表面カバー部11,11が、各上段幅木部材6,6の切欠段部7,7の手前側の下端片部9,9によって規制されて係止された状態となる(図1(c)も参照)。
尚、壁面Wは、例えば、石膏ボードや合板等の下地ボードの表面、或いはこれらの表面に壁クロスや壁紙等が貼着された壁仕上げ面等とされており、このような壁材の裏面側には、上記固定止具が打ち込まれる(或いは捻じ込まれる)胴縁等が配設されている。
また、各上段幅木部材6,6の壁面Wへの固定は、上記固定止具に代えて、接着剤を用いて固定するようにしてもよく、または、上記固定止具と接着剤とを併用するようにしてもよい。
上記のように、各上段幅木部材6,6を壁面Wに固定した後、図7(b)及び図2に示すように、上段カバー部材20を各上段幅木部材6,6の出隅部W1側の端部に固着させて取り付ける。この上段カバー部材20は、上記した両面テープ27,27(図3参照)の離型紙をはがして、この両面テープ27,27によって、各上段幅木部材6,6の出隅部W1側の端部に固着させるようにしてもよく、接着剤を併用するようにしてもよい。或いは、このような両面テープ27,27を設けずに、接着剤を用いて固着させるようにしてもよい。
以上のように、上段カバー部材20を各上段幅木部材6,6の出隅部W1側の端部に固着させて取り付けた状態では、図2に示すように、床Fと壁面Wとの交差部に沿ってそれぞれ配設された二段幅木2,2の出隅部W1側の各端部は、幅木コーナーカバー1によって、壁面Wの出隅部W1において連結されたように覆い隠された状態となり、これら二段幅木2,2の出隅部W1側の各端部を見栄え良く納めることができる。
また、幅木コーナーカバー1は、各幅木部材3,6の端部表面3a,6aを覆う構成とされているので、各幅木部材3,6の端部に、従来のような突き合わせ面等を精度良く加工する必要がなく、施工性を向上させることができる。
さらに、幅木コーナーカバー1は、上段幅木部材6の出隅部W1側の各端部表面6a,6a及び端部間を覆う上段カバー部材20と、下段幅木部材3の出隅部W1側の各端部表面3a,3a及び端部間を覆う下段カバー部材10とを備えているので、施工時や施工後における上段幅木部材6と下段幅木部材3との上下方向への位置調整や変動等に影響されることなく、二段幅木2,2の出隅部W1側の各端部を見栄え良く納めることができる。
さらにまた、下段カバー部材10は、その上端部の上部表面カバー部11,11が各上段幅木部材6,6の切欠段部7,7に係止されるので、施工性が良い。すなわち、上述のように、各下段幅木部材3,3を配設した後、これら下段幅木部材3,3の出隅部W1側の端部に下段カバー部材10を覆い被せ、その上に、各上段幅木部材6,6を配設することで、これら上段幅木部材6,6の切欠段部7,7の手前側の下端片部9,9によって下段カバー部材10の上端部が規制され、下段カバー部材10の脱離を防止することができる。
尚、上記施工手順の一例では、下段幅木部材3,3を壁面Wに対して固定止具等によって固定せずに、その上端片部4,4を、上段幅木部材6,6の切欠段部7,7に遊嵌させた施工態様としているが、下段幅木部材3,3を壁面Wまたは床Fに対して、固定止具または接着剤等によって固定させる施工態様としてもよい。また、下段カバー部材10についても、上記施工手順の一例では、接着剤等を用いずに、上段幅木部材6,6の切欠段部7,7によって係止させて、下段幅木部材3,3に対して固定する施工態様としているが、下段カバー部材10を、粘着材や接着剤等を用いて、下段幅木部材3,3に対して固着させる施工態様としてもよい。
また、図例では、各カバー部材10,20の縦リブ16,25の先端面16a,25aに、各幅木部材3,6の出隅部W1側の一方の端面3a,6aをそれぞれ当接させ、縦リブ16,25の外方側側面16b,25bに、各幅木部材3,6の出隅部W1側の他方の端面3a,6aをそれぞれ当接させた状態を示しているが、これら各幅木部材3,6の出隅部W1側の各端部は、各カバー部材10,20によって覆い隠されるので、近接させて対面配置させるような施工態様としてもよい。換言すれば、各幅木部材3,6を予めやや短めに切断しておいて、各幅木部材3,6の出隅部W1側の端部表面の少なくとも一部が、各カバー部材10,20によって覆い隠されるように施工するようにしてもよい。
さらに、図例では、各幅木部材3,6の他方の端部(出隅部W1側とは異なる側の端部)の図示を省略しているが、各幅木部材3,6の他方の端部が、図示しない他の壁面との出隅部に位置する場合には、上記同様に施工して、本実施形態に係る幅木コーナーカバー1によって当該端部を納めることが可能である。また、これら各幅木部材3,6の他方の端部が、他の壁面との入隅部に位置するような施工態様や開口枠の縦枠のチリ部に位置するような施工態様等、どのような施工態様にも上記施工手順の一例の適用が可能である。
さらにまた、本実施形態では、下段幅木部材3を、階段状の形状とし、その上端片部4が上段幅木部材6の切欠段部7に受け入れられる形状としているが、このような階段状の形状とせずに、平板状の形状としたり、表面側部位に溝(化粧溝)を形成したりするようにしてもよい。この場合は、上記下段カバー部材を、下段幅木部材の形状に応じて、適宜の形状とすればよい。
また、本実施形態では、下段カバー部材10は、下段幅木部材3の端部表面3aにおける上面及び上縁部近傍部位を除いた手前側に露出する部位を被覆する形状としているが、これらの部位を被覆するような形状としてもよい。
さらに、本実施形態では、上段幅木部材6の表面側部位に溝8を設け、上端部に傾斜面を設けた形状としているが、これらを設けない形状としてもよく、または、複数条の溝を設けたり、上端部に複数の突湾曲部を設けたりした形状としてもよい。この場合は、上記上段カバー部材を、上段幅木部材の形状に応じて、適宜の形状とすればよい。
さらにまた、本実施形態では、上段カバー部材20は、上段幅木部材6の端部表面6aにおける下面を除いた手前側に露出する部位を被覆する形状としているが、該下面を被覆するような形状としてもよい。
また、本実施形態では、各カバー部材10,20の各コーナー部12,14,23の形状を、突湾曲状のR面形状としているが、C面形状としたり、多面形状としたりしてもよい。
さらに、本実施形態では、各カバー部材10,20の裏面に、縦リブ16,25、及び水平方向のリブ17,18,26を設けた態様を例示しているが、これらリブを設けないようにしてもよく、または、縦リブ及び水平リブのうちのいずれか一方のみを、一方若しくは両方のカバー部材の裏面に設けるような態様としてもよい。この場合において、該水平リブを、上記のように、外方側の両端面を、各幅木部材3,6の出隅部W1側の端面3b,6bに対面配置する構造とすることで、当該水平リブを、上記縦リブと同様、目安部材または位置決め部材として機能させることもできる。
さらにまた、これら縦リブ及び水平リブの形成箇所や形成個数は、図例のものに限られない。例えば、各カバー部材の各表面カバー部(各手前面カバー部)の両側の裏面の中央部位等の適所部位から壁面に向けて延びる一対の縦リブを設けるような態様としてもよい。この場合は、それぞれの縦リブの外方側側面を上記目安部材または位置決め部材として機能させることも可能となる。また、各カバー部材のコーナー部の裏面に、上下方向に沿って間隔を空けて、棚状の複数の水平リブを設けるような態様としてもよい。さらに、図例では、該水平リブは、コーナー部の裏面にのみ設けた態様を示しているが、各カバー部材の各表面カバー部(各手前面カバー部)の裏面部位に至るまで水平方向に延出させて設けるような態様としてもよい。
1 幅木コーナーカバー
10 下段カバー部材
11 上部表面カバー部(上端部)
14 下部コーナー部(コーナー部)
15 裏面
16 縦リブ(リブ)
16a 縦リブの先端面
16b 縦リブの外方側面(一側面)
18 底面リブ
20 上段カバー部材
24 裏面
25 縦リブ(リブ)
25a 縦リブの先端面
25b 縦リブの外方側面(一側面)
2 二段幅木
3 下段幅木部材
3a 出隅部側の端部表面
3b 出隅部側の端面
4 上端片部(上端部)
6 上段幅木部材
6a 出隅部側の端部表面
6b 出隅部側の端面
7 切欠段部
F 床
W 壁面
W1 壁面の出隅部

Claims (5)

  1. 壁面の出隅部に向けてそれぞれに配設される、床側に設置される下段幅木部材と下段幅木部材の上端部を受け入れる切欠段部を壁面側下部に有した上段幅木部材とからなる二段幅木における出隅部側の端部を覆うように各端部に取り付けられる幅木コーナーカバーであって、
    前記出隅部に向けてそれぞれに配設された状態の下段幅木部材の出隅部側の各端部表面を覆うように前記出隅部において直交する各壁面にそれぞれ略平行に配される表面カバー部と前記配設された状態の下段幅木部材の出隅部側の端部間の空間を覆うようにこれら表面カバー部間を繋ぐコーナー部とを有して平面視略L字状とされ、かつ、前記出隅部に向けてそれぞれに配設された状態の上段幅木部材の切欠段部に、前記配設された状態の下段幅木部材の上端部の出隅部側の各端部表面を覆う両表面カバー部の上端部が係止される下段カバー部材と、
    前記配設された状態の上段幅木部材の出隅部側の各上面部位及びこれらの間を覆う上面カバー部と前記配設された状態の上段幅木部材の出隅部側の各端部表面を覆うように前記出隅部において直交する各壁面にそれぞれ略平行に配される手前面カバー部と前記配設された状態の上段幅木部材の出隅部側の端部間の空間を覆うようにこれら手前面カバー部間を繋ぐコーナー部とを有して平面視略L字状とされ、かつ、前記配設された状態の上段幅木部材に固着される上段カバー部材と
    を備えていることを特徴とする幅木コーナーカバー。
  2. 請求項1において、
    前記上段カバー部材の裏面には、前記壁面側に向けて延びるリブが上下方向に沿って形成されていることを特徴とする幅木コーナーカバー。
  3. 請求項1または2において、
    前記下段カバー部材の裏面には、前記壁面側に向けて延びるリブが上下方向に沿って形成されていることを特徴とする幅木コーナーカバー。
  4. 請求項2または3において、
    前記リブは、壁面側先端部が前記壁面の出隅部に近接して配置され、かつ当該リブの先端面及び一側面が、各壁面と略同平面となるように配置されるとともに、前記出隅部に向けてそれぞれ配設される各幅木部材の端面に対面配置される構造とされていることを特徴とする幅木コーナーカバー。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において、
    前記下段カバー部材のコーナー部の下端部裏面には、前記壁面側に向けて延びる底面リブが水平方向に沿って形成されていることを特徴とする幅木コーナーカバー。
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