JP5275900B2 - 幅木コーナーカバー - Google Patents
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Description
このような施工態様では、各幅木部材の端部同士を美観性良く接合するために、各端部の突き合わせ面の角度や各幅木部材の長さ寸法を正確に加工する必要があり、施工性の改善が望まれていた。
この出隅用幅木は、軟質コーナー部材を有し、この軟質コーナー部材の両側に覆い部材を設けた構成とされている。この出隅用幅木は、出隅部に向けて配設された二段幅木の端部間に、上記軟質コーナー部材を配設し、上記覆い部材で各二段幅木の端部表面を覆うことで、各二段幅木の端部を出隅部において繋ぐようにして接合させる態様とされている。
本発明に係る前記いずれかの幅木コーナーカバーにおいては、前記下段カバー部材の裏面に、前記壁面側に向けて延びるリブを上下方向に沿って形成するようにしてもよい。
このように、カバー部材の裏面にリブを設けた構成とした場合においては、前記リブを、その壁面側先端部が前記壁面の出隅部に近接して配置され、かつ当該リブの先端面及び一側面が、各壁面と略同平面となるように配置されるとともに、前記出隅部に向けてそれぞれ配設される各幅木部材の端面に対面配置される構造としてもよい。
また、上記幅木コーナーカバーは、各幅木部材の端部表面を覆う構成とされているので、各幅木部材の端部に、上述のような突き合わせ面等を精度良く加工する必要がなく、施工性を向上させることができる。
さらに、上記幅木コーナーカバーは、上段幅木部材の出隅部側の各端部表面及び端部間を覆う上段カバー部材と、下段幅木部材の出隅部側の各端部表面及び端部間を覆う下段カバー部材とを備えているので、施工時や施工後における上段幅木部材と下段幅木部材との上下方向への位置調整や変動等に影響されることなく、二段幅木の出隅部側端部を見栄え良く納めることができる。
さらにまた、上記下段カバー部材は、その上端部が前記上段幅木部材の切欠段部に係止されるので、施工性が良い。すなわち、下段幅木部材を配設した後、その下段幅木部材に上記下段カバー部材を覆い被せ、その上に、上段幅木部材を配設することで、該上段幅木部材の切欠段部によって下段カバー部材の上端部が係止され、該下段カバー部材の脱離を防止することができる。
特に、上記リブは、その先端面及び一側面が、出隅部に向けてそれぞれ配設される両幅木部材の目安部材または位置決め部材としてそれぞれ機能するので、例えば、目安部材または位置決め部材としてのリブを複数のリブによって構成する場合と比べて、構造を簡略化することができる。
図1〜図7は、本実施形態に係る幅木コーナーカバーについて説明するための説明図である。
尚、図1(a)では、上段カバー部材の下方に配された下段カバー部材の図示を省略している。
また、図2(a)、図6(a)及び図7(a)では、詳細な符号を省略している。
各二段幅木2は、床F側に設置される下段幅木部材3と、この下段幅木部材3の上方に配設される上段幅木部材6とからなる。
また、この上段幅木部材6の水平状の上面の室内空間側(反壁面側)の縁部には、床F側に向けて傾斜する傾斜面が形成されている。
各幅木部材3,6は、例えば、木質系材料や合成樹脂系材料、金属系材料等から帯状に比較的長尺に形成されている。
この下部コーナー部14及び上部コーナー部12の曲率半径は、下段幅木部材3の各部位の厚さに応じて適宜、設定される。
また、上部表面カバー部11,11及び下部表面カバー部13,13のそれぞれ外方側(各コーナー部側とは異なる側)端縁部には、下段幅木部材3の表面側に向けて傾斜する傾斜面11a,13aが形成されて、該端縁部が外方側に向けて徐々に厚さが薄くなるように形成されている。このような傾斜面11a,13aを形成することで、下段幅木部材3の表面と当該下段カバー部材10との段差をより目立ち難くすることができ、美観性を向上させることができる。
尚、図例では、下部表面カバー部13,13の傾斜面13a,13aを、上下方向の片部の外方側端縁部にそれぞれ形成し、略水平方向の片部(段部上面に相当する部位)の外方側端縁部には、目立ち難いことから、傾斜面を形成していない態様を示しているが、これら略水平方向の片部の外方側端縁部にも傾斜面を形成するようにしてもよい。
本実施形態では、これら上面リブ17及び底面リブ18は、縦リブ16と同様、それぞれの両外側端面17a,18aが、各壁面W,Wと略同平面となるように配置されるとともに、出隅部W1に向けてそれぞれ配設される各下段幅木部材3,3の出隅部W1側の端面3b,3bに対面配置される構造とされ、かつ、それぞれの両外側端面17a,18aが直交する角部が、出隅部W1に近接して配置される構造とされている。尚、本実施形態では、これら上面リブ17及び底面リブ18は、縦リブ16の上端部及び下端部に一方の外側端面17a,18aを連成させた形状とされており、縦リブ16の外方側側面16bの上端部及び下端部と、上面リブ17及び底面リブ18のそれぞれの一方の外側端面とが同一面として把握される。また、縦リブ16の先端面16aの上端部及び下端部と、上面リブ17及び底面リブ18のそれぞれの他方の外側端面の一部とが同一面として把握される。
この上段カバー部材20の上端部は、出隅部W1に向けてそれぞれ配設される上段幅木部材6の出隅部側の各端部表面6a,6aにおける上記傾斜面を含んだ上面部位に裏面が対面配置されて、これらを被覆し、かつこれらの間を覆い隠すように形成された上面カバー部21とされている。この上面カバー部21の壁面W,W側の内周縁部は、図2(a)及び図3(a)に示すように、各壁面W,Wに対応させて形成されており、その角部に出隅部W1が近接乃至は当接して配置される。また、この上面カバー部21の外方側両端縁部には、上記した下段カバー部材10の傾斜面11a,13aと同様の傾斜面21a,21aがそれぞれ形成されている。
手前面カバー部22,22は、出隅部W1において直交する各壁面W,Wにそれぞれ略平行に配され、かつ上段幅木部材6の出隅部W1側の各端部表面6a,6aに裏面が対面配置されて、これらを被覆するように覆い隠す構造とされている。
コーナー部23は、これら手前面カバー部22,22間を繋ぎ、かつ上段幅木部材6の出隅部W1側の端面6b,6b間の空間を覆い隠すとともに、室内空間側に突湾曲状(平面視して略四半円形状)とされている。
また、これら手前面カバー部22,22及びコーナー部23には、上段幅木部材6の溝8に対応させて、屈曲形成された凹溝部22a,22a,23aがそれぞれ形成されている。この凹溝部23aを含むコーナー部23の曲率半径は、上段幅木部材6の各部位の厚さに応じて適宜、設定される。
また、手前面カバー部22,22のそれぞれ外方側(コーナー部23側とは異なる側)端縁部には、上記同様の傾斜面22b,22bがそれぞれ形成されている。
尚、図例では、上記した下部表面カバー部13の略水平方向の片部と同様、手前面カバー部22の傾斜面22bを、凹溝部22aに相当する部位の略水平方向の上下片部の外方側端縁部には、目立ち難いことから、傾斜面を形成していない態様を示しているが、これら略水平方向の上下片部の外方側端縁部にも傾斜面を形成するようにしてもよい。
また、縦リブ25は、上記した下段カバー部材10の縦リブ16と同様、その壁面W側の先端部(切欠部25cが形成されている場合には、当該切欠部25cの形成されていない部位における先端部)が、壁面Wの出隅部W1に近接して配置される構造とされ、かつ当該縦リブ25の先端面25a及び外方側(コーナー部23側とは異なる側)側面25bが、各壁面W,Wと略同平面となるように配置されるとともに、出隅部W1に向けてそれぞれ配設される各上段幅木部材6,6の出隅部W1側の端面6b,6bに対面配置される構造とされている。
この底面リブ26は、上記した縦リブ25と同様、施工された際に、下段カバー部材10に干渉しないよう、切欠部26bを形成しており、平面視して扇形状の尖頭部を切除したような略四半環状の形状とされている。また、この底面リブ26の両外側端面26a,26aが、出隅部W1に向けてそれぞれ配設される各上段幅木部材6,6の出隅部W1側の端面6b,6bに対面配置される構造とされている。尚、本実施形態では、底面リブ26は、縦リブ25の下端部に一方の外側端面を連成させた形状とされており、縦リブ25の外方側側面25bの下端部と、底面リブ26の一方の外側端面とが同一面として把握される。
尚、図3(c)、(d)において、符号27は、手前面カバー部22,22のそれぞれの裏面に貼着された粘着材としての両面テープである。
また、これら下段カバー部材10及び上段カバー部材20は、図2に示すように、組み付けられた状態において、それぞれの両側縁部が上下方向に沿って略一致するように形成されており、また、手前面の外周郭をそれぞれ構成する面が略同一面となるように形成されている。
尚、これら下段カバー部材10及び上段カバー部材20を、各幅木部材3,6の模様に合わせた色調のものとしたり、或いは、表面に塗装等を施したりするようにしてもよい。
また、上記のような合成樹脂系材料に、木粉や無機フィラー、相溶化剤、着色剤などを所定の含有割合で含有させた木粉・プラスチック複合材(WPC)から成形するようにしてもよい。
さらに、上記のような合成樹脂製に限られず、アルミニウムやステンレス等の金属材料から鋳造や切削加工等によってそれぞれを一体的に成形した金属製のものとしてもよい。
まず、図5(a)に示すように、壁面Wと床Fとの交差部に沿わせるようにして、出隅部W1に向けて各下段幅木部材3,3を配置する。この際、各下段幅木部材3,3は、適当な長さに切断した後、図5(b)に示すように、下段カバー部材10を出隅部W1に配置して、該下段カバー部材10の縦リブ16(図1(b)参照)を目安にして、長さを調整するようにしてもよい。すなわち、図1(b)に示すように、下段カバー部材10の縦リブ16の先端面16a及び外方側側面16bに、各下段幅木部材3,3の出隅部W1側の端面3b,3bが、当接乃至は近接して対面配置され、かつ、上記各表面カバー部11,13の裏面に、各下段幅木部材3,3の出隅部W1側の端部表面3a,3aが、当接乃至は近接して対面配置されているか否かを確認し、長さを調整するようにしてもよい。例えば、下段幅木部材3が長すぎるような場合には、縦リブ16が端面3bによる規制を受けて、各表面カバー部11,13の裏面に端部表面3aが当接乃至は近接せずに、隙間が生じ、この場合には、当該下段幅木部材3を切断して長さ調整するようにすればよい。
或いは、下段幅木部材3を仮置きした際に、下段幅木部材3の端部が出隅部W1から突出しているような場合(位置ズレしている場合)には、下段カバー部材10を該端部に被せ、当該下段カバー部材10を適切な位置まで出隅部W1側に向けて押し付けることで、縦リブ16によって、下段幅木部材3の端面3bを規制して、当該下段幅木部材3を適切な位置(出隅部W1から突出しないような位置)に位置決めする(後退させる)ようにしてもよい。
また、このように、各上段幅木部材6,6が壁面Wに対して固定された状態では、図7に示すように、下段カバー部材10の上部表面カバー部11,11が、各上段幅木部材6,6の切欠段部7,7の手前側の下端片部9,9によって規制されて係止された状態となる(図1(c)も参照)。
尚、壁面Wは、例えば、石膏ボードや合板等の下地ボードの表面、或いはこれらの表面に壁クロスや壁紙等が貼着された壁仕上げ面等とされており、このような壁材の裏面側には、上記固定止具が打ち込まれる(或いは捻じ込まれる)胴縁等が配設されている。
また、各上段幅木部材6,6の壁面Wへの固定は、上記固定止具に代えて、接着剤を用いて固定するようにしてもよく、または、上記固定止具と接着剤とを併用するようにしてもよい。
また、幅木コーナーカバー1は、各幅木部材3,6の端部表面3a,6aを覆う構成とされているので、各幅木部材3,6の端部に、従来のような突き合わせ面等を精度良く加工する必要がなく、施工性を向上させることができる。
さらに、幅木コーナーカバー1は、上段幅木部材6の出隅部W1側の各端部表面6a,6a及び端部間を覆う上段カバー部材20と、下段幅木部材3の出隅部W1側の各端部表面3a,3a及び端部間を覆う下段カバー部材10とを備えているので、施工時や施工後における上段幅木部材6と下段幅木部材3との上下方向への位置調整や変動等に影響されることなく、二段幅木2,2の出隅部W1側の各端部を見栄え良く納めることができる。
また、図例では、各カバー部材10,20の縦リブ16,25の先端面16a,25aに、各幅木部材3,6の出隅部W1側の一方の端面3a,6aをそれぞれ当接させ、縦リブ16,25の外方側側面16b,25bに、各幅木部材3,6の出隅部W1側の他方の端面3a,6aをそれぞれ当接させた状態を示しているが、これら各幅木部材3,6の出隅部W1側の各端部は、各カバー部材10,20によって覆い隠されるので、近接させて対面配置させるような施工態様としてもよい。換言すれば、各幅木部材3,6を予めやや短めに切断しておいて、各幅木部材3,6の出隅部W1側の端部表面の少なくとも一部が、各カバー部材10,20によって覆い隠されるように施工するようにしてもよい。
さらに、図例では、各幅木部材3,6の他方の端部(出隅部W1側とは異なる側の端部)の図示を省略しているが、各幅木部材3,6の他方の端部が、図示しない他の壁面との出隅部に位置する場合には、上記同様に施工して、本実施形態に係る幅木コーナーカバー1によって当該端部を納めることが可能である。また、これら各幅木部材3,6の他方の端部が、他の壁面との入隅部に位置するような施工態様や開口枠の縦枠のチリ部に位置するような施工態様等、どのような施工態様にも上記施工手順の一例の適用が可能である。
また、本実施形態では、下段カバー部材10は、下段幅木部材3の端部表面3aにおける上面及び上縁部近傍部位を除いた手前側に露出する部位を被覆する形状としているが、これらの部位を被覆するような形状としてもよい。
さらにまた、本実施形態では、上段カバー部材20は、上段幅木部材6の端部表面6aにおける下面を除いた手前側に露出する部位を被覆する形状としているが、該下面を被覆するような形状としてもよい。
また、本実施形態では、各カバー部材10,20の各コーナー部12,14,23の形状を、突湾曲状のR面形状としているが、C面形状としたり、多面形状としたりしてもよい。
さらにまた、これら縦リブ及び水平リブの形成箇所や形成個数は、図例のものに限られない。例えば、各カバー部材の各表面カバー部(各手前面カバー部)の両側の裏面の中央部位等の適所部位から壁面に向けて延びる一対の縦リブを設けるような態様としてもよい。この場合は、それぞれの縦リブの外方側側面を上記目安部材または位置決め部材として機能させることも可能となる。また、各カバー部材のコーナー部の裏面に、上下方向に沿って間隔を空けて、棚状の複数の水平リブを設けるような態様としてもよい。さらに、図例では、該水平リブは、コーナー部の裏面にのみ設けた態様を示しているが、各カバー部材の各表面カバー部(各手前面カバー部)の裏面部位に至るまで水平方向に延出させて設けるような態様としてもよい。
10 下段カバー部材
11 上部表面カバー部(上端部)
14 下部コーナー部(コーナー部)
15 裏面
16 縦リブ(リブ)
16a 縦リブの先端面
16b 縦リブの外方側面(一側面)
18 底面リブ
20 上段カバー部材
24 裏面
25 縦リブ(リブ)
25a 縦リブの先端面
25b 縦リブの外方側面(一側面)
2 二段幅木
3 下段幅木部材
3a 出隅部側の端部表面
3b 出隅部側の端面
4 上端片部(上端部)
6 上段幅木部材
6a 出隅部側の端部表面
6b 出隅部側の端面
7 切欠段部
F 床
W 壁面
W1 壁面の出隅部
Claims (5)
- 壁面の出隅部に向けてそれぞれに配設される、床側に設置される下段幅木部材と該下段幅木部材の上端部を受け入れる切欠段部を壁面側下部に有した上段幅木部材とからなる二段幅木における出隅部側の各端部を覆うように各端部に取り付けられる幅木コーナーカバーであって、
前記出隅部に向けてそれぞれに配設された状態の下段幅木部材の出隅部側の各端部表面を覆うように前記出隅部において直交する各壁面にそれぞれ略平行に配される表面カバー部と前記配設された状態の下段幅木部材の出隅部側の端部間の空間を覆うようにこれら表面カバー部間を繋ぐコーナー部とを有して平面視略L字状とされ、かつ、前記出隅部に向けてそれぞれに配設された状態の上段幅木部材の切欠段部に、前記配設された状態の下段幅木部材の上端部の出隅部側の各端部表面を覆う両表面カバー部の上端部が係止される下段カバー部材と、
前記配設された状態の上段幅木部材の出隅部側の各上面部位及びこれらの間を覆う上面カバー部と前記配設された状態の上段幅木部材の出隅部側の各端部表面を覆うように前記出隅部において直交する各壁面にそれぞれ略平行に配される手前面カバー部と前記配設された状態の上段幅木部材の出隅部側の端部間の空間を覆うようにこれら手前面カバー部間を繋ぐコーナー部とを有して平面視略L字状とされ、かつ、前記配設された状態の上段幅木部材に固着される上段カバー部材と、
を備えていることを特徴とする幅木コーナーカバー。 - 請求項1において、
前記上段カバー部材の裏面には、前記壁面側に向けて延びるリブが上下方向に沿って形成されていることを特徴とする幅木コーナーカバー。 - 請求項1または2において、
前記下段カバー部材の裏面には、前記壁面側に向けて延びるリブが上下方向に沿って形成されていることを特徴とする幅木コーナーカバー。 - 請求項2または3において、
前記リブは、壁面側先端部が前記壁面の出隅部に近接して配置され、かつ当該リブの先端面及び一側面が、各壁面と略同平面となるように配置されるとともに、前記出隅部に向けてそれぞれ配設される各幅木部材の端面に対面配置される構造とされていることを特徴とする幅木コーナーカバー。 - 請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記下段カバー部材のコーナー部の下端部裏面には、前記壁面側に向けて延びる底面リブが水平方向に沿って形成されていることを特徴とする幅木コーナーカバー。
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