JP5308864B2 - パネル端部納め用部材、及びこれを用いた建築用パネルの端部納め構造 - Google Patents
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Description
このようなパネル端部納め用部材は、石膏ボードや合板捨張下地等の下地ボード、あるいは胴縁や受け桟、天井野縁等の下地桟等の下地材に、並列配置されて取付けられる複数枚の内装パネルや外装パネル、天井パネル等の建築用パネルの一端部に沿って該下地材に取付け固定される。
上記特許文献1には、水平面状に形成され、下地材に固定される固定面と、該固定面の先端を上方に突出させた側面と、該側面の先端を固定面と略平行に突出させたカバー面とによって断面形状が略コ字状に形成され、該コ字状の空間に、上記したような建築用パネルの端部を嵌め入れる構造とした端部材が提案されている。
前者の断面形状が略コ字状とされた端部材では、建築用パネルの厚さ寸法の僅かな大小等により、該端部を上記コ字状空間へ嵌め入れ難くなり、該端部が傷付いたり、或いは、該端部材のカバー面と建築用パネルの端部表面との間に隙間が生じたりする問題があった。
一方、後者のカバー材と受け部材とからなる端部材にすれば、上記したような嵌め入れの際に生じる恐れのある該端部の傷つきや、該端部との隙間等の発生は、ある程度は改善されるが、建築用パネルの端部の裏面と表面とを別部材にて保持する構造となるため、該建築用パネルを施工する際に、カバー材を嵌め入れるまでは、該端部の保持がなされず、施工性の観点から改善が望まれていた。
さらに、上記弾性片部は、弾性を有しているので、上記のように建築用パネルの一端部が挿し入れられる際に、該一端部の表面が傷付けられるようなことも低減できる。また、該建築用パネルの厚さ寸法に多少の大小等があった場合にも、該弾性片部の弾性変形を伴って該一端部を挿し入れることができる。
すなわち、上記固定片部の傾斜部の傾斜面に沿わせて建築用パネルの一端部を挿し入れることで、該一端部が弾性片部側に向けて押し付けられるようにして納められるので、該固定片部に設けられた傾斜部の高低差と、弾性片部の弾性とによって該建築用パネルの厚さ寸法の大小を吸収できるとともに、該一端部との隙間の発生や該一端部の傷付き等を効果的に低減でき、かつ、施工性に優れたものとなる。
これにより、例えば、弾性片部を含んだ下地材に固定される部材を、合成樹脂製からなるものとし、上記カバー部材を金属製からなるものとした場合には、該固定される部材が合成樹脂製であることから、その弾性片部によって、上記したように建築用パネルの端部を挿し込む際に、その端面近傍表面の傷付きを、より効果的に防止できるとともに、該弾性片部には、金属製のカバー部材が当接されて強固に補強されるので、建築用パネルの端部を強固に保持することができる。
さらに、上記下地材に固定される部材の立ち上がり壁部へのカバー部材の組み付けは、上記係合凹部に上記係合凸部を嵌め入れることによって組み付けられるので、施工性が阻害されるようなこともない。
図1〜図6は、第1実施形態に係るパネル端部納め用部材、及びこれを用いた建築用パネルの端部納め構造について説明するための説明図である。
尚、以下の実施形態では、パネル端部納め用部材等を壁面に対して取付けた例を示しており、それに応じて縦、横の方向を示しているが、天井面に対してパネル端部納め用部材等を取付けた場合には、その方向は限定されない。
尚、見切り縁材1が取付け固定される下地材としては、図2に示すような壁面材2に限られず、図2に示す天井材3としてもよい。このように、壁面材2や天井材3を下地材とする場合には、例えば、壁クロスや壁紙等が貼着された壁仕上げ面や天井仕上げ面等を下地材として把握してもよく、或いは、壁クロスや壁紙等が貼着されている場合には、それらを剥離して、石膏ボードや合板捨張下地等の下地ボードを露出させてそれらを下地材として把握してもよい。または、新築時等においては、壁クロスや壁紙等が貼着される前の下地ボードを下地材として把握してもよい。若しくは、胴縁や受け桟、天井野縁等の下地桟等を下地材として把握してもよい。
また、内壁や天井に限らず、外壁(不図示)に本実施形態に係る見切り縁材1を施工するようにしてもよい。
上記見切り受け部材10は、上記壁面材2に取付け固定される平板状に形成された第1固定片部11及び第2固定片部12と、これら固定片部11,12から立ち上がるように、壁面材2に対して垂直となる方向(建築用パネル30の厚さ方向)に沿って立設された立ち上がり壁部13と、該立ち上がり壁部13の立ち上がり方向先端部(手前側端部)から基端部側(壁面材2側)に向けて凹設された係合凹溝14と、該立ち上がり壁部13の上記先端部から幅方向かつ建築用パネル30が配される側に向けて突設され、建築用パネル30の端面近傍表面33に当接される弾性片部15とを備えている。
これら第1固定片部11及び第2固定片部12のうちの少なくともいずれか一方に、木ねじ等の固定止具tsが捻じ込まれ(或いは打ち込まれ)、見切り受け部材10が壁面材2に対して取付け固定される。
本実施形態では、該傾斜部16は、当該第1固定片部11の幅方向における上記弾性片部15の出幅と略同程度の出幅とされた部位を始端とし、上記立ち上がり壁部13側を終端として、該立ち上がり壁部13側に向けて登り勾配の傾斜面とされている。
尚、上記傾斜部16の始端は、上記部位に限られず、第1固定片部11の幅方向内方側(建築用パネルが配される側)の側端部を始端としたり、或いは、上記弾性片部15の出幅よりも外方側の部位を始端としたりしてもよい。
例えば、建築用パネル30の厚さ寸法の許容限界寸法(最大許容寸法及び最小許容寸法)が設定されているような場合においては、上記弾性片部15の内方側端部の部位における上記第1固定片部11(傾斜部16も含む)の表面から該弾性片部15の裏面(本実施形態のように、折り曲げ片部15bを有している場合には、該折り曲げ片部15bの下地材側端部)までの高さ寸法を、上記最大許容寸法よりも大きくなるようにし、かつ、上記弾性片部15の外方側端部の部位における上記第1固定片部11(傾斜部16も含む)の表面から該弾性片部15の裏面(上記同様、折り曲げ片部15bの下地材側端部)までの高さ寸法を、上記最小許容寸法よりも小さくなるようにしてもよい。
このような傾斜部16の傾斜角度や高低差は、上記した例に限られず、建築用パネル30の厚さ寸法の大小のバラツキや弾性片部15の形状等に応じて、適宜、設定可能であり、後記するようにコ字状空間に、建築用パネル30の端部31を挿し入れる際に、その入口側でスムーズに挿し入れが可能で、かつ、該端部31の端面32を立ち上がり壁部13に当接乃至は近接対面させた際に、弾性片部15(折り曲げ片部15bも含む)が端部近傍表面33に当接し得るように設定するようにしてもよい。
上記弾性片部15は、上記立ち上がり壁部13の先端部から内方側に向けて突出するように形成されている。また、該弾性片部15は、その内方側端部に、建築用パネル30の端面近傍表面33側に向けて折り曲げ形成されるとともに、該端面近傍表面33に当接される折り曲げ片部15bを有している。換言すれば、該弾性片部15の基端側(立ち上がり壁部13側)の裏面には、上記端面近傍表面33が当接しない部位が存在し、該弾性片部15の基端側裏面の一部と、該端面近傍表面33との間に空隙が形成される構造とされている。
また、上記弾性片部15は、図1に示すように、その内方側端面15aと、後記する見切りカバー部材20の弾性片カバー部22の内方側端面22aとが、略整合した位置に配されるように、立ち上がり壁部13からの出幅が設定されている。この弾性片部15の上記出幅は、後記するように建築用パネル30を壁面材2に対して取付け施工する際に、建築用パネル30を仮保持し得る程度の出幅とすることが好ましい。
また、上記見切り受け部材10は、本実施形態では、ポリプロピレンや、ABS、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、PPS等の合成樹脂材料から押出成形や射出成形、切削加工等によって一体的に成形され、長尺に形成されている。
また、上記見切り受け部材10を、異材質成形(二色成形)等によって、その折り曲げ片部15b(或いは、弾性片部15全体)を、例えば、比較的、軟質の合成樹脂材料からなるものとし、該見切り受け部材10の他の部位を、比較的、硬質の合成樹脂材料からなるものとしてもよい。
また、上記見切り受け部材10の第1固定片部11(傾斜部16を含む)及び第2固定片部12の厚さは、1.0mm程度〜5.0mm程度の薄板状とすることが好ましい。これにより、建築用パネル30を、例えば、より強固に取付け施工するために、壁面材2に対して接着剤で接着するような場合においても、接着剤の塗布量を低減できるとともに接着剤の塗布工程も簡易なものとなる。
上記表面カバー部21の内方側の側端部部位が上記見切り受け部材10の弾性片部15の表面を覆い、該弾性片部15の表面に当接して配置される弾性片カバー部22を構成する。
この弾性片カバー部22の内方側端面22aは、上記したように、上記見切り受け部材10の弾性片部15の内方側端面15aと略整合した位置に配されるよう形成されている。
該係合突条23の下端部(壁面材2側の端部)近傍には、幅方向両側に向けて突出された係止凸部が長手方向の全長に亘って形成されている。この係合突条23の係止凸部が、上記係合凹溝14に該係合突条23を嵌め入れた際に、該係合凹溝14の係止凸部に係止して、当該見切りカバー部材20が、上記見切り受け部材10に係合保持される。
本実施形態では、これら係合突条23と、係合凹溝14とは、上記壁面材2に対して略垂直となる方向に沿って係合される構造とされるとともに、上記見切りカバー部材20が上記見切り受け部材10に対して着脱自在となるよう形成されている。
当該見切りカバー部材20と、上記見切り受け部材10との係合がなされた状態では、上記端面カバー部24は、該見切り受け部材10の外方側側部の略全体を覆い隠すように形成されており、また、上記表面カバー部21は、上記見切り受け部材10の第2固定片部12及び立ち上がり壁部13の手前側の略全体を覆い隠すように形成されている。
また、上記見切りカバー部材20は、本実施形態では、アルミニウムやステンレス等の金属材料から押出成形やプレス成形あるいは切削加工等によって一体的に成形され、上記見切り受け部材10と同様、長尺に形成されている。
また、本実施形態では、該見切りカバー部材20を金属製のものとし、上記見切り受け部材10を合成樹脂製のものとしているので、これらを係合させる際、すなわち、上記係合突条23を係合凹溝14に嵌め入れる際に、スムーズに嵌め入れることができ、施工時にスムーズに組み付けることができる。
さらに、合成樹脂製の見切り受け部材10の弾性片部15を、金属製の見切りカバー部材20の弾性片カバー部22によって効果的に補強することができ、建築用パネル30の端部31を強固に保持できる。
さらにまた、上記見切りカバー部材20は、上記見切り受け部材10に対して着脱自在に係合保持される構造とされているので、例えば、見切りカバー部材20を模様替え等のために交換したり、或いは、廃棄等したりする際に、容易に脱離させることができる。
尚、見切りカバー部材20としては、上記のような金属製に限られず、上記したような合成樹脂製としてもよい。
本例では、図2に示すように、複数枚(図例では12枚)の建築用パネル30を縦横にそれぞれ並列配置して、壁面材2に対して部分的に取付け施工した例を示している。また、これら建築用パネル30のそれぞれ隣接する端部間には、後記する横目地部材4と、縦目地部材5とが配設されており、これら横目地部材4と縦目地部材5とによって格子状に目地を形成するようにしている。
また、縦横にそれぞれ並列配置された複数枚からなる建築用パネル30の集合体の最外周端部に沿って、四周に上記見切り縁材1が配設されている(図3も参照)。
また、これら見切り縁材1の長手方向の各端部が近接された各コーナー部には、コーナーキャップ6が該コーナー部を覆うように、それぞれ取付けられている(図3も参照)。
上記木質系材料としては、無垢の木材を板状に加工したものや、集成材や合板、LVL(単板積層材)、パーティクルボード、或いは、インシュレーションボードやMDF(Medium Density Fiberboard、中質繊維板、中密度繊維板とも言う)等の木質繊維板、或いはこれらを積層し組み合わせた複合材料などを板状に加工したもの、若しくは、これらを基材として、突き板や合成樹脂シート等の表面化粧シート材を更に貼着したものや、該基材の表面に化粧塗装を施したものが挙げられる。
上記窯業系材料としては、レンガ、瓦、セラミックスや、セメントを主成分として補強繊維や無機質充填材を含有したセメント系の窯業系材料等が挙げられる。
上記合成樹脂系材料、窯業系材料及び金属系材料は、それぞれ、上記木質系材料と同様、これらを基材として、更に突き板や樹脂シート等の化粧シート材を更に貼着したものや、該基材の表面に化粧塗装を施したものとしてもよい。
あるいは照明装置を内蔵した照明パネルや、棚板を手前側に向けてパネルに突設した棚板パネル、前面開口箱形状の収納箱をパネルに付設した収納パネルとしてもよい。これら照明装置や棚板、収納箱は、パネルに対して着脱可能に設けるようにしてもよい。あるいは、棚板や収納箱をパネルと一体成形するようにしてもよい。
また、上記した種々の建築用パネル30自体を下地材(壁面材2や天井材3等)に対して着脱可能とする構成としてもよい。すなわち、接着剤等で接着せずに、下地材側、及び建築用パネル30の裏面側にそれぞれ係合部を設けて、容易に着脱できるようにしてもよい。後記するように、これら複数枚の建築用パネル30の端部31は、上記見切り縁材1、後記する横目地部材4及び縦目地部材5によって、強固に保持されているので、接着剤等で接着しない場合にも、下地材から不用意に脱離するようなことがなく、また、これら見切り縁材1、後記する横目地部材4及び縦目地部材5から脱離させることで、建築用パネル30を容易に交換することができる。
また、建築用パネル30の大きさは、施工箇所等に応じて適宜、設定可能であり、一辺が100mm〜500mm程度の比較的小モジュールのもの、一辺が500mm〜900mm程度の中モジュールのもの、あるいは、一辺が900mm〜1800mm程度の比較的大モジュールのものとしてもよい。
また、該横目地部材4は、図4(a)に示すように、壁面材2に固定される固定片部4hや隣接する建築用パネル30,30の各端面に対面して配される立ち上がり壁部4f等を有した目地受け部材4eと、該立ち上がり壁部4fに形成された係合凹溝4gに嵌め込まれる係合突条4cを有したカバー目地部材4aとを備えている。この目地受け部材4eの幅方向両側に形成された上記固定片部4h,4hには、傾斜部が設けられている。この傾斜部は、上記見切り受け部材10の傾斜部16を含む第1固定片部11の厚みによって形成される建築用パネル30の裏面と壁面材2との間の隙間を吸収するためのスペーサー部材として機能するとともに、後記するように建築用パネル30の裏面と壁面材2との間の空間に、固定片部4hを挿し入れる際に、その挿し入れがスムーズとなるように設けられている。
該カバー目地部材4aの基部4bの手前側端部には、幅方向両側に向けて突出された鍔部4d,4dが設けられており、該鍔部4d,4dが建築用パネル30の端面近傍表面に当接して、該端部の保持がなされている。
また、該横目地部材4(本例では、カバー目地部材4a)は、横方向に並列配置された複数枚の建築用パネル30の集合体の横方向の略全長に亘って配設されており、その長手方向の両端部には、建築用パネル30の集合体の外周端部(左右端部)31,31にそれぞれ配設された上記見切り縁材1の見切りカバー部材20,20の弾性片カバー部22,22が配設され、該弾性片カバー部22,22が抜け止めとして機能する(図3も参照)。
上記カバー目地部材5aは、上記横目地部材4と同様、当該カバー目地部材5aの係合突条5cを、上記目地受け部材5eの係合凹溝5gに嵌め入れて、該目地受け部材5eに着脱自在に係合保持される。
この縦目地部材5のカバー目地部材5aは、その長さが各建築用パネル30の縦方向の一辺に合わせて形成されている。すなわち、上記横目地部材4のカバー目地部材4aとは異なり、縦方向に分断されて配設されている。
上記カバー目地部材5aの基部5bの手前側端部には、幅方向両側に向けて突出された鍔部5d,5dが設けられており、該鍔部5d,5dが、上記横目地部材4と同様、建築用パネル30の端面近傍表面に当接して、該端部の保持がなされている。
本例では、上記横目地部材4の目地突出部の突出度が、図4(a)に示すように、上記縦目地部材5の目地突出部よりも大きくなるよう形成されており、該縦目地部材5のカバー目地部材5aの長手方向端部における目地突出部の端面が、上記横目地部材4の両鍔部4d,4dの幅方向端面に当接して配置され、該カバー目地部材5aの長手方向端部の端面が露出しない構造とされている。
上記見切り受け部材10は、該集合体の外周端部の四辺に沿って、各コーナー部に向けて配設されるとともに、壁面材2に対して固定されている。これら見切り受け部材10は、各建築用パネル30のそれぞれ縦方向の一辺、及び横方向の一辺に合わせた長さに分断されて、上記集合体の左右端部及び上下端部に沿って配設されている。
また、該見切り受け部材10の係合凹溝14に係合突条23を嵌め入れて、上記見切りカバー部材20が取付けられている。これら見切りカバー部材20は、上記集合体の左右端部及び上下端部のそれぞれの長さに合わせて形成されている。
上記固定金具7は、見切りカバー部材20を壁面材2に対して固定する機能を有するものであれば、どのようなものでもよいが、本例では、図3及び図6に示すように、ねじBが挿通される挿通孔8aが開設され、壁面材2に当接して固定される固定基部8と、該固定基部8から手前側に向けて屈曲形成されるとともに、該固定基部8からL字状に延びるように設けられた一対の押さえ片9,9とを有し、平面視して略L字状に形成された固定金具7とされている。すなわち、上記一対の押さえ片9,9は、上記見切りカバー部材20の上記係止受け片25の手前側面に当接して係止し得るように、上記固定基部8から手前側に向けて段差を形成するように屈曲形成されている。
上記のような一対の押さえ片9,9を有した固定金具7とすることで、上記コーナー部において近接して配置された各見切りカバー部材20,20の長手方向の各端部を、一つの固定金具7によって、壁面材2に対して固定することができる。
すなわち、本例では、図示を省略しているが、各コーナー部に配された四つの固定金具7によって、四周に配された各見切りカバー部材20の各端部を固定保持する態様としている。
上記コーナーキャップ6は、図3及び図6(b)に示すように、前板部と、該前板部の外側二辺からそれぞれ後方側(壁面材2側)に向けて垂設された側板部とから構成されており、上記見切りカバー部材20の外方側側面に接着等されて、縦方向及び横方向に沿って配設された見切りカバー部材20,20の上記コーナー部をカバーしている。尚、該コーナーキャップ6は、接着剤等で接着せずに、例えば、上記固定金具7や見切りカバー部材20等に係合部を設けるとともに、該係合部に対応させた係合部をコーナーキャップ6の内方側に設けて、着脱自在に上記コーナー部に取付け固定される構成としてもよい。
すなわち、各見切り受け部材10の第1固定片部11,11に対して木ねじ等の固定止具tsを捻じ込んで(釘等の場合は打ち込んで)、壁面材2に各見切り受け部材10,10を固着させる。この際、見切り受け部材10は、上記したように合成樹脂製であるとともに、各固定片部11,12は、比較的、薄板状とされているので、上記固定止具tsを、所望する位置の適所に止着させることができ、施工性が良い。
この際、図1(a)の二点鎖線で示すように、建築用パネル30の裏面を第1固定片部11に当接させ、該第1固定片部11に沿わせるようにして、上記コ字状空間に、該端部31を挿し入れ、その端面32を立ち上がり壁部13に当接乃至は近接対面させる。この第1固定片部11には、上記したように、傾斜部16が設けられているので、該建築用パネル30の端部31は、上記のように、コ字状空間に挿し入れられる際に、該傾斜部16の傾斜面に沿って手前側に向けて壁面材2に対して浮き上げられるようにして、挿し入れられ、その端面近傍表面33に、上記弾性片部15の折り曲げ片部15bが当接乃至は弾接する。
尚、図1(a)、(b)では、見切りカバー部材20を取付けた状態を示しているが、後記するように、建築用パネル30の端部31を上記コ字状空間に嵌め入れた後に、見切りカバー部材20の取付けを行うようにしてもよい。
次いで、詳細な説明は、省略するが、当該建築用パネル30の右側端部に沿って、上記縦目地部材5(図4(b)参照)の目地受け部材5eを壁面材2に固着させる。この際、上記したように、見切り受け部材10の第1固定片部11には、傾斜部16が設けられているので、該建築用パネル30の裏面と壁面材2との間には、目地受け部材5eの固定片部5hの幅方向外方側端部の厚みよりも大きな空間が形成されているので、該目地受け部材5eの固定片部5hを該空間にスムーズに挿し入れることができる。このような効果は、他の見切り縁材1の見切りカバー部材10の第1固定片部11を挿し入れる際、及び横目地部材4の目地受け部材4eの固定片部4hを挿し入れる際も同様である。
この際、各見切り受け部材10,10の各第1固定片部11,11を、上記建築用パネル30の集合体の天井側端部及び右側端部のそれぞれ裏面と壁面材2との間に、上記したように挿し込むようにして配設し、各第2固定片部12,12に対して上記同様の固定止具tsを止着させるようにしてもよい。このように、第2固定片部12,12に対して固定止具tsを止着させた場合にも、該第2固定片部12,12は、上記したように見切りカバー部材20によって覆い隠されるので、美観性を阻害することがない。
この状態では、上記したように、各見切り受け部材10の外表面は、弾性片部15の内方側端面15aを除いて、上記見切りカバー部材20に覆い隠されて、露出せず、これら複数枚からなる建築用パネル30の集合体の四周端部の美観性を向上させることができる。
次いで、上記のように各コーナー部において近接して配置された各見切りカバー部材20,20の上記各端部に、これら各端部、上記固定金具7及び各コーナー部を覆うように、上記コーナーキャップ6を取付ける。
以上のようにして、各部材を壁面材2に対して取付け施工して、図2に示すように、複数枚の建築用パネル30が壁面材2に取付け施工される。
尚、上記ねじBは、例えば、ビスや釘等の固定止具でも良いが、本実施形態のように、壁面材2を下地材とした場合には、ボードアンカー(ボードファスナー)タイプのものとしてもよい。この場合は、例えば、壁面材2に開設した穴部に、ボードアンカーを挿入し、ねじを締め付けた後、ねじを脱離させ、固定金具7をボードアンカーにセットして、ねじを締め付けることで、固定金具7を壁面材2に対して固定するようにしてもよい。
また、上記施工手順は、一例に過ぎず、各部材の機能を阻害しない限りにおいて、別手順でなされるようにしてもよい。
また、上記第1固定片部11には、上記傾斜部16が設けられているので、上記のように、建築用パネル30の端部31を挿し入れる際に、該第1固定片部11の傾斜部16の傾斜面に該端部31の裏面を沿わせるようにして挿し入れることで、該端部31の端面近傍表面33が上記弾性片部15に向けて押し付けられるようにして当接する。これにより、該端部31と、上記弾性片部15との間に隙間等が生じることを低減でき、該端部31を見栄え良く納めることができる。
すなわち、図1に基づいて説明したように、上記第1固定片部11の傾斜部16の傾斜面に沿わせて建築用パネル30の端部31を挿し入れることで、該端部31が弾性片部15側に向けて押し付けられるようにして納められるので、該第1固定片部11に設けられた傾斜部16の高低差と、弾性片部15の弾性とによって該建築用パネル30の厚さ寸法の大小を吸収できるとともに、該端部31との隙間の発生や該端部31の傷付き等を効果的に低減でき、かつ、施工性に優れたものとなる。
また、本実施形態では、上記見切り受け部材10の弾性片部15は、その内方側端部に、上記建築用パネル30の端面近傍表面33側に向けて折り曲げ形成されるとともに、該端面近傍表面33に当接される折り曲げ片部15bを有しているので、例えば、該弾性片部の建築用パネル側の面が平らに形成されているものと比べて、該建築用パネル表面との当接が確実になされ、建築用パネル30の端面近傍表面33と該弾性片部15の折り曲げ片部15bとの間に浮きや隙間等が生じることを低減できる。
さらにまた、本実施形態では、上記見切り受け部材10の立ち上がり壁部13における上記建築用パネル30の端部31の端面32に対面される対面部の先端側部位に、上記のように段状の切欠を形成している。従って、見切り受け部材10の立ち上がり壁部13の上記基端側対面部13aに、上記建築用パネル30の端部端面32を当接させて施工した際に、上記段状の切欠が、上記見切りカバー部材20の係合突条23を上記係合凹溝14に嵌め入れる際における該立ち上がり壁部13の建築用パネル端面方向への弾性変形を許容する逃げ凹所として機能する。これにより、該見切り受け部材10の係合凹溝14への見切りカバー部材20の係合突条23の嵌め入れが、スムーズになされ、見切り受け部材10と見切りカバー部材20との組み付け性を阻害することがない。
さらに、本実施形態のように、複数枚の建築用パネル30を、縦横に並列して配置し、上下に隣接した端部間に、上記横目地部材4を介在させ、その鍔部4dによって、各建築用パネル30の上下端部の表面を保持する構造とするとともに、該横目地部材4の長手方向の両端部は、上記見切りカバー部材20の弾性片カバー部22によって上記のように抜け止めがなされているので、建築用パネル30の集合体の四周端部のみならず、各建築用パネル30の各端部の脱離も防止することができる。
また、上記建築用パネルの端部納め構造では、見切り縁材の両端部を、固定金具7によって、壁面材2に対して固定保持する態様を例示しているが、このような固定金具7を設けないようにしてもよい。
図7(a)は、第2実施形態に係るパネル端部納め用部材について説明するための説明図、図7(b)は、第3実施形態に係るパネル端部納め用部材について説明するための説明図である。
尚、以下の各実施形態においても、パネル端部納め用部材として、見切り縁材を例示しており、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符合を付して、その説明を省略あるいは簡略に説明する。
また、以下の各実施形態に係る見切り縁材を上記第1実施形態で説明した建築用パネルの端部納め構造に適用してもよい。
上記見切りカバー部材20Aは、端面カバー部24の内方側面に設けられた係止受け片25Aの形設箇所が、上記第1実施形態とは異なる。すなわち、上記第1実施形態に係る見切りカバー部材20では、該係止受け片25を、端面カバー部24の壁面材2側端部から見切り受け部材20の第2固定片部12の厚み程度、浮かせたような部位に設けた例を示している。
本実施形態では、見切りカバー部材20Aの端面カバー部24の内方側面の中ほどの部位に、係止受け片25Aを設けている。このように係止受け片25Aの形設箇所は、どのような部位としてもよく、これに応じて、上記固定金具7の押さえ片9を形成するようにすればよい。
すなわち、該弾性片部15Aの折り曲げ片部15bAは、その壁面材2側の端部が、壁面材2側かつ立ち上がり壁部13側に向けて傾斜するようにC面取り加工が施された傾斜面とされている。これにより、上記したように建築用パネル30の端部31をコ字状空間に挿し入れる際に、スムーズに挿し入れることができる。
このように、立ち上がり壁部13側に、傾斜部16Aの終端と同高さとされた平面部17を設けることにより、上記第1実施形態と比べて、建築用パネル30の端部31を、より安定して保持することができる。
また、上記構成とされた本実施形態に係る見切り縁材1Aによれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
上記見切りカバー部材20Bは、端面カバー部24の内方側面に上記したような係止受け片を設けていない点が、上記第1実施形態及び第2実施形態とは異なる。
すなわち、本実施形態では、見切りカバー部材20Bの表面カバー部21を、係止受け片25Bとして兼用している。
すなわち、該弾性片部15Bの折り曲げ片部15bBは、その壁面材2側の端部が、壁面材2側かつ立ち上がり壁部13側に向けて傾斜するようにR面取り加工が施された凸湾曲傾斜面とされている。これにより、上記第2実施形態と同様、建築用パネル30の端部31をコ字状空間に挿し入れる際に、スムーズに挿し入れることができる。
また、該傾斜部16Bは、上記第1実施形態及び第2実施形態のような平坦な傾斜面とされておらず、凹湾曲面形状とされている。
上記構成とされた本実施形態に係る見切り縁材1Bによれば、上記第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を奏する。
また、上記見切り受け部材の係合凹溝及び該係合凹溝に嵌め入れられる上記見切りカバー部材の係合突条の形状は、図例のような凹溝状及び突条とされたものに限られず、例えば、上記見切り受け部材及び上記見切りカバー部材の一方の適所に形成した凹部と、他方に形成され、該凹部に嵌め入れられる凸部とされたものとしてもよい。
さらに、上記各実施形態では、これら係合突条と係合凹溝との係合方向が壁面材2に対して略垂直となる方向に沿って係合される構造とされたものを例示しているが、壁面材2の面と平行な方向に沿って係合される構造としてもよい。
また、上記各実施形態では、見切りカバー部材の弾性片カバー部の内方側端面と、見切り受け部材の弾性片部の内方側端面とを略整合した位置となるように形成した例を示しているが、例えば、見切りカバー部材の弾性片カバー部の内方側端面が、見切り受け部材の弾性片部の内方側端面よりも建築用パネルの内方側となる位置に配されるように形成するようにしてもよい。これによれば、見切り受け部材の弾性片部を、見切りカバー部材の弾性片カバー部によって、確実に覆い隠すことができる。
さらに、上記各実施形態では、見切り受け部材の立ち上がり壁部の上記対面部に、段状の切欠を形成した態様を例示しているが、該対面部を略平らな面としてもよい。
また、このように目地部材をパネル端部納め用部材として把握した場合には、その長手方向の両端部を下地材に対して固定するための固定部材を、上記した見切りカバー部材として把握したり、従来公知の他の見切り縁材を固定部材として把握したりしてもよい。或いは、別途、固定部材を設けるようにしてもよい。
2 壁面材(下地材)
3 天井材(下地材)
11,11A,11B 第1固定片部(固定片部)
13 立ち上がり壁部
14 係合凹溝(係合凹部)
15,15A,15B 弾性片部
15a 弾性片部の内方側端面(建築用パネルが配される側の側端面)
15b,15bA,15bB 弾性片部の折り曲げ片部
16,16A,16B 固定片部の傾斜部
20,20A,20B 見切りカバー部材(カバー部材)
22 弾性片カバー部
22a 弾性片カバー部の内方側端面(建築用パネルが配される側の側端面)
23 係合突条(係合凸部)
30 建築用パネル
31 建築用パネルの端部
32 建築用パネルの端部の端面
33 建築用パネルの端面近傍表面
Claims (3)
- 下地材に取付けられる建築用パネルの一端部に沿って配設されるパネル端部納め用部材であって、
前記建築用パネルの一端部の端面に対面して配される立ち上がり壁部と、該立ち上がり壁部の立ち上がり方向先端部から幅方向かつ前記建築用パネルが配される側に向けて突設され、その前記建築用パネルが配される側の側端部から前記一端部の端面近傍表面側に向けて折り曲げ形成されるとともに、該一端部の端面近傍表面に当接される折り曲げ片部を含んだ弾性片部と、該立ち上がり壁部の立ち上がり方向基端部から前記弾性片部と同方向に向けて延設され、前記下地材に取付け固定される固定片部と、前記弾性片部の表面を覆い、該弾性片部に当接されるカバー部材と、を備えており、
該カバー部材及び前記立ち上がり壁部の一方には、係合凹部が設けられ、他方には、該係合凹部に嵌め入れられる係合凸部が設けられており、
前記固定片部は、前記立ち上がり壁部からの幅方向への出幅が前記弾性片部の出幅よりも大きく形成され、該固定片部には、該固定片部の幅方向における前記弾性片部の出幅と略同程度の出幅とされた部位を始端として前記立ち上がり壁部側に向けて登るように傾斜した傾斜部が設けられていることを特徴とするパネル端部納め用部材。 - 請求項1において、
前記弾性片部と、前記カバー部材とは、前記建築用パネルが配される側のそれぞれの側端面が略整合した位置に配されるように形成されていることを特徴とするパネル端部納め用部材。 - 請求項1または2に記載されたパネル端部納め用部材を用いて前記建築用パネルの一端部を納める建築用パネルの端部納め構造であって、
前記建築用パネルの一端部の端面を、前記立ち上がり壁部に対面させるとともに、該一端部の端面近傍裏面を、前記下地材に固定された前記固定片部の傾斜部に当接させて、該一端部の端面近傍表面を、前記弾性片部に押し付けるようにして該一端部を保持する構造とされていることを特徴とする建築用パネルの端部納め構造。
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