JP2012135812A - 波形鋼板成形方法及び装置 - Google Patents

波形鋼板成形方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 成形に要する力を軽減させ、成形された波形鋼板に傷がつかないようにする。
【解決手段】 ベース1上に受け金物3の上方で油圧ジャッキ5により上下動させる可動ブロック4を備えた板曲げ装置2を設け、その両側に、板曲げ装置2の受け金物3よりも高い位置で成形用の鋼板7を上下方向の変位を拘束した状態で保持できるようにしてある一対の鋼板固定装置6を、板曲げ装置2に近接、離反する方向に移動可能に設ける。一対の鋼板固定装置6に成形用の鋼板7を保持させた状態で、その中間となる個所を、板曲げ装置2の可動ブロック4で押し下げて、成形用の鋼板7を、鋼板固定装置6における板曲げ装置2寄りの端縁部に沿わせて下向きに屈曲させると共に、可動ブロック4の両側端縁部に沿わせて上向きに曲げて、形成すべき波形形状の上側水平部aとなる個所と、下側水平部e及び2つの斜面部c,gを一度に形成させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、波形鋼板ウェブを持つプレストレストコンクリート橋の波形鋼板ウェブ等の波形の鋼板を成形するための波形鋼板成形方法及び装置に関するものである。
橋梁の1つの形式として、プレストレストコンクリート構造(PC構造)の箱桁のウェブに波形鋼板を使用した波形鋼板ウェブ橋がある。
上記波形鋼板ウェブ橋における箱桁のウェブとして使用する波形鋼板は、9mm〜20mm程度の板厚で数mの幅寸法を備えた成形用の鋼板を、水平に配置した状態で曲げ加工して、図10に示すように、該曲げ加工時における上記成形用の鋼板の送り方向(矢印x方向)に沿って、たとえば、上側水平部aより、下面側に屈曲した第1の山折り部b(以下、下面側に屈曲する個所を山折り部と云う)、第1の斜面部c、上面側に屈曲した第1の谷折り部d(以下、上面側に屈曲する個所を谷折り部と云う)、下側水平部e、第2の谷折り部f、上記斜面部cとは逆の傾斜となる第2の斜面部g、及び、第2の山折り部hを経て次の上側水平部aに繋がる構造を1ピッチ分の単位構造として、該単位構造を複数繰り返して備えた構成としてある。
ところで、上記のような構成の波形鋼板を製造する場合は、当初、所要の間隔を隔てて平行に配置した一対の丸棒を具備した固定下型と、該固定下型の一対の丸棒と平行に配置した1本の丸棒を上記固定下型の一対の丸棒の間に下降できるように上下動する可動上型を備えて、上記固定下型の上に載置した鋼板を、上記可動上型の1本の丸棒に沿う直線位置でV字状に折り曲げ加工する形式のプレス装置を用いて、上記図10に示した如き波形鋼板の1ピッチ分の単位構造毎に必要な2つの山折り部bとh及び2つの谷折り部dとfを、成形用の鋼板の送り方向(図10の矢印x方向)の先行側からの配列順序にしたがって、順次個別に曲げ加工するようにする手法が採られていた。
しかし、この手法では、上記各山折り部bとhを曲げ加工するときと、上記各谷折り部dとfを曲げ加工するときとでは、成形用の鋼板を上下方向に反転させる操作が必要になるため、波形鋼板の成形作業に多大な手間がかかってしまう。
そのため、近年では、上記のような波形鋼板の曲げ加工を行うための別の手法として、上述したプレス装置と同様の構成として成形用の鋼板を1本の直線に沿う位置でV字状に曲げ加工するための第1のプレス装置と、上述のプレス装置を上下に反転させた構成を備えて成形用の鋼板を1本の直線に沿う位置で逆V字状に曲げ加工する第2のプレス装置とを、成形用の鋼板の送り方向に隣接させて備えて、上記図10に示した波形鋼板の1ピッチの単位構造における2つの谷折り部d,fの曲げ加工は上記第1のプレス装置で、又、2つの山折り部b,hの曲げ加工は上記第2のプレス装置で、それぞれ分担させて実施することで、波形鋼板を成形する工程から、成形用の鋼板を上下方向に反転させる作業を省くことができるようにした手法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
又、波形鋼板の曲げ加工を行う更に別の手法としては、成形用の鋼板を一時的に固定するための固定手段と、図10に示した波形鋼板における上側水平部aから第1の山折り部b、第1の斜面部c、第1の谷折り部dを経て下側水平部eに至る領域の形状を成形するための上型及び下型を有する第1のプレス装置と、図10に示した波形鋼板における上記下側水平部eから第2の谷折り部f、第2の斜面部g、第2の山折り部hを経て上側水平部aに至る領域の形状を成形するための上型及び下型を有する第2のプレス装置とを、成形用の鋼板の送り方向の先行側から順に並べて設けてなる成形装置を用いる手法も提案されている。
かかる成形装置によれば、先ず、成形用の鋼板の所要個所を上記固定手段により固定した状態で、該成形用の鋼板を上記第1のプレス装置の上型と下型の間でプレスすることにより、図10に示した波形鋼板における上側水平部aから第1の山折り部b、第1の斜面部c、第1の谷折り部dを経て下側水平部e(図10参照)に至る形状を型押しして成形し、次いで、上記第1のプレス装置により成形用の鋼板を型締めした状態のまま、上記成形用の鋼板を、第2のプレス装置の上型と下型の間でプレスして、下側水平部eから第2の谷折り部f、第2の斜面部g、第2の山折り部hを経て上側水平部aに至る形状を型押しすることで、図10に示した波形鋼板の1ピッチ分の単位構造を成形できるとされている(たとえば、特許文献2参照)。
特開2006−231368号公報 特開2005−342736号公報
ところが、特許文献1に示された波形鋼板の成形手法では、成形用の鋼板を上下方向に反転させる作業は不要であるが、波形鋼板における各山折り部と各谷折り部について、一つずつ曲げ加工を行うようにしてあるため、波形鋼板の製造に要する手間と時間が嵩んでしまう。
しかも、上記特許文献1に示された各プレス装置は、鋼板の曲げ加工時に支点となる固定側の型の2本の丸棒と、可動側の型の1本の丸棒との水平方向の距離が近いため、成形用鋼板の曲げ加工を行うときに、大きな荷重を掛けなければならない。
特許文献2に示された波形鋼板の成形手法によっても、成形用の鋼板を上下方向に反転させる作業を不要にできる。しかし、通常、上記波形鋼板の成形に用いられる鋼板は、殆ど伸びが生じないため、上記特許文献2に示された手法のように各プレス装置の上下の型の間で上記成形用の鋼板に型押しすると、各斜面部c,g(図10参照)が形成されることに伴って該上下の型の間に成形用の鋼板が引きこまれるようになり、このため、該鋼板と上下の型との滑りが生じてしまうため、成形後の波形鋼板の表面に傷がつくという問題がある。
更に、特許文献2に示された手法では、第1のプレス装置の上型と下型の間で成形用の鋼板の曲げ加工を行うときに、該鋼板における図10に示した波形鋼板の第1の山折り部bとなる個所には、最初から曲げ荷重が作用するようになるが、上記したような上下の型の間への成形用の鋼板の引き込みが生じることに伴って、図10に示した波形鋼板の第1の谷折り部dとなる個所には、上下の型が接近するまで曲げ荷重が作用しない。
同様に、第2のプレス装置の上型と下型の間で成形用の鋼板の曲げ加工を行うときには、該鋼板における図10に示した波形鋼板の第2の谷折り部fとなる個所には、最初から曲げ荷重が作用するようになるが、上記上下の型の間への成形用の鋼板の引き込みが生じることに伴って、図10に示した波形鋼板の第2の山折り部hとなる個所には、上下の型が接近するまで曲げ荷重が作用しない。
そのため、成形後の図10に示した波形鋼板における第1の山折り部bと第2の山折り部h同士、及び、上記第1の谷折り部dと第2の谷折り部f同士について、曲げ加工が均等に行われない虞が生じてしまう。
しかも、上記特許文献2に示された手法では、第1のプレス装置における図10に示した波形鋼板の第1の谷折り部dとなる個所の曲げ加工、及び、上記第2のプレス装置における図10に示した波形鋼板の第2の山折り部hとなる個所の曲げ加工を行うときには、成形用の鋼板が支持される個所と、曲げ加工用の荷重が作用する個所との距離が短いため、大きな荷重を掛けなければならない。更には、成形用の鋼板の板厚が厚くなると、型押しという操作自体の実施が非常に困難になってしまう。
そこで、本発明は、成形用の鋼板を曲げ加工して波形鋼板を成形でき、且つ該成形作業の際における成形用の鋼板の上下方向の反転処理を不要にできると共に、成形用の鋼板の曲げ加工に要する荷重を低減することができ、更には、鋼板の曲げ加工時に該鋼板に傷が生じる虞を防止することができるようにするための波形鋼板成形方法及び装置を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、成形用の鋼板を、固定式の受け金物と該受け金物の真上で上下動させる上部曲げ金型付きの可動ブロックとを備えた板曲げ装置の両側位置に該板曲げ装置に近接、離反する方向に移動可能に設けた一対の鋼板固定装置により、上記板曲げ装置の受け金物よりも高い位置で上下方向の変位を拘束した状態で保持させ、次いで、上記成形用の鋼板における上記一対の鋼板固定装置同士の中間となる個所を、上記板曲げ装置の可動ブロックにより押し下げて、上記成形用の鋼板の曲げ加工を行う波形鋼板成形方法とする。
又、上記構成において、板曲げ装置による成形用の鋼板の曲げ加工を行うときに、該成形用の鋼板の曲げ加工に伴って板曲げ装置に近接する方向へ移動する各鋼板固定装置と、板曲げ装置と各鋼板固定装置の間に設けたストッパーとの間で、該ストッパーにおける各鋼板固定装置に臨む側面に取り付けてある弾性部材が圧縮方向に弾性変形されるようにして、該弾性変化された弾性部材の復元力を、上記各鋼板固定装置に対して板曲げ装置より離反する方向の力として作用させるようにする。
更に、上記各構成において、板曲げ装置による成形用の鋼板の曲げ加工を行うときに、該成形用の鋼板における板曲げ装置の可動ブロックの上部曲げ金型に沿って曲げ加工される個所の中間部に、上記板曲げ装置の受け金物に高さ寸法を変更可能に設けたスプリングバック量調整部材を下方より押し当てるようにする。
上述の各構成において、各鋼板固定装置に成形用の鋼板を保持させるときに、該成形用の鋼板を、上記各鋼板固定装置に備えた下部ブロックの上面と、上部ブロックの下面との間に挟持させると共に、該成形用の鋼板における該下部ブロックと上部ブロックとの間に挟まれる領域に、該領域に対して板曲げ装置に近接する側から離反する側への下方傾斜の傾斜角度を調整するための上記下部ブロックの上面に設けた下部スプリングバック量調整部材及び上記上部ブロックの下面に設けた上部スプリングバック量調整部材を、上下両側から押し当てるようにする。
更に、上述の各構成において、各鋼板固定装置に成形用の鋼板を保持させるときに、該成形用の鋼板を、上記各鋼板固定装置に板曲げ装置に近接、離反する方向に移動可能に備えた下部ブロックの上面と、該下部ブロックの上側で上記板曲げ装置に近接、離反する方向に揺動可能なジャッキにより昇降させる上部ブロックの下面との間に成形用の鋼板を挟持させるようにする。
又、請求項6に対応して、固定式の受け金物と該受け金物の真上で上下動させる上部曲げ金型付きの可動ブロックとを備えた板曲げ装置を備え、且つ該板曲げ装置の両側位置に、成形用の鋼板を上記板曲げ装置の受け金物よりも高い位置で上下方向の変位を拘束した状態で保持する一対の鋼板固定装置を、上記板曲げ装置に近接、離反する方向に移動可能に設けた構成を有する波形鋼板成形装置とする。
上記構成において、板曲げ装置の受け金物の上面に、成形用の鋼板における可動ブロックの上部曲げ金型に沿って曲げ加工される個所の中間部に下方より押し当てるためのスプリングバック量調整部材を、高さ寸法を変更可能に設けた構成とする。
更に、上記各構成において、各鋼板固定装置は、板曲げ装置に近接、離反する方向に移動可能な下部ブロックと、該下部ブロックの上側で上記板曲げ装置に近接、離反する方向に揺動可能なジャッキにより昇降させる上部ブロックを備えてなる構成とする。
本発明によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)成形用の鋼板を、固定式の受け金物と該受け金物の真上で上下動させる上部曲げ金型付きの可動ブロックとを備えた板曲げ装置の両側位置に該板曲げ装置に近接、離反する方向に移動可能に設けた一対の鋼板固定装置により、上記板曲げ装置の受け金物よりも高い位置で上下方向の変位を拘束した状態で保持させ、次いで、上記成形用の鋼板における上記一対の鋼板固定装置同士の中間となる個所を、上記板曲げ装置の可動ブロックにより押し下げて、上記成形用の鋼板の曲げ加工を行う波形鋼板成形方法としてあるので、成形用の鋼板を上下方向に反転させる操作を要することなく、波形鋼板の成形を行うことができる。
(2)又、板曲げ装置による可動ブロックの一度の押し下げ動作により、成形用の鋼板について、成形すべき波形鋼板の1ピッチ分の単位構造に含まれる2つの山折り部と2つの谷折り部を同時に形成することができるため、波形鋼板の成形作業を効率よく実施することができる。
(3)更に、板曲げ装置の可動ブロックの押し下げ動作により上記成形用の鋼板を曲げるときに、成形用の鋼板における支点となる個所から、上記板曲げ装置の可動ブロックより力を作用させる作用点までのスパンを長く取ることができるため、上記成形用の鋼板の曲げ加工のために要する荷重を低減させることができる。これにより、板曲げ装置における可動ブロックの駆動部の能力の軽減化を図ることができ、該板曲げ装置の駆動部を小型、軽量のものとすることができて、装置全体の小型化、軽量化を図ることが可能になる。
(4)上記成形用の鋼板を曲げ加工することで水平方向寸法が減少する時には、この水平方向の寸法減少分に追従して上記板曲げ装置の両側で成形用の鋼板を保持している各鋼板固定装置が板曲げ装置に近接する方向へ移動するため、上記各鋼板固定装置や、上記板曲げ装置における可動ブロックの上部曲げ金型及び受け金物との滑りに起因して成形用の鋼板に傷が付く虞を解消することができる。
(5)板曲げ装置による成形用の鋼板の曲げ加工を行うときに、該成形用の鋼板の曲げ加工に伴って板曲げ装置に近接する方向へ移動する各鋼板固定装置と、板曲げ装置と各鋼板固定装置の間に設けたストッパーとの間で、該ストッパーにおける各鋼板固定装置に臨む側面に取り付けてある弾性部材が圧縮方向に弾性変形されるようにして、該弾性変化された弾性部材の復元力を、上記各鋼板固定装置に対して板曲げ装置より離反する方向の力として作用させるようにすることにより、板曲げ装置により成形用の鋼板の曲げ加工を行うときに、各鋼板固定装置が板曲げ装置に過剰に接近する虞を防止することができて、上記成形用の鋼板にテンションを掛けた状態で曲げ加工を行うことが可能になる。
(6)板曲げ装置による成形用の鋼板の曲げ加工を行うときに、該成形用の鋼板における板曲げ装置の可動ブロックの上部曲げ金型に沿って曲げ加工される個所の中間部に、上記板曲げ装置の受け金物に高さ寸法を変更可能に設けたスプリングバック量調整部材を下方より押し当てるようにすることにより、波形鋼板の下側平面部の両側の谷折り部について、スプリングバックを抑制しながら該各谷折り部を曲げ加工するために要する力を軽減できる。
(7)各鋼板固定装置に成形用の鋼板を保持させるときに、該成形用の鋼板を、上記各鋼板固定装置に備えた下部ブロックの上面と、上部ブロックの下面との間に挟持させると共に、該成形用の鋼板における該下部ブロックと上部ブロックとの間に挟まれる領域に、該領域に対して板曲げ装置に近接する側から離反する側への下方傾斜の傾斜角度を調整するための上記下部ブロックの上面に設けた下部スプリングバック量調整部材及び上記上部ブロックの下面に設けた上部スプリングバック量調整部材を、上下両側から押し当てるようにすることにより、波形鋼板の上側平面部の両側の山折り部について、スプリングバックを抑制しながら該各山折り部を形成する曲げ加工するために要する力を軽減できる。
(8)各鋼板固定装置に成形用の鋼板を保持させるときに、該成形用の鋼板を、上記各鋼板固定装置に板曲げ装置に近接、離反する方向に移動可能に備えた下部ブロックの上面と、該下部ブロックの上側で上記板曲げ装置に近接、離反する方向に揺動可能なジャッキにより昇降させる上部ブロックの下面との間に成形用の鋼板を挟持させるようにすることにより、上記各鋼板固定装置の構成を簡略化することができて、装置全体の構成を単純化させることができる。
(9)固定式の受け金物と該受け金物の真上で上下動させる上部曲げ金型付きの可動ブロックとを備えた板曲げ装置を備え、且つ該板曲げ装置の両側位置に、成形用の鋼板を上記板曲げ装置の受け金物よりも高い位置で上下方向の変位を拘束した状態で保持する一対の鋼板固定装置を、上記板曲げ装置に近接、離反する方向に移動可能に設けた構成を有する波形鋼板成形装置としてあるので、上記(1)に示した波形鋼板成形方法を実施する装置を容易に実現することができる。
本発明の波形鋼板成形方法及び装置の実施の一形態を示す概略側面図である。 図1の装置により、成形用の鋼板の曲げ加工を行った状態を示す概略側面図である。 図1の装置における板曲げ装置の要部を拡大して示すもので、(a)は受け金物に傾斜面部を備えた構成を示す側面図、(b)は受け金物に下部曲げ金型を設けた構成を示す側面図である。 図1の装置における鋼板固定装置の要部を拡大して示すもので、(a)は上部ブロックに傾斜面部を備えた構成を示す側面図、(b)は上部ブロックに上部曲げ金型を設けた構成を示す側面図である。 本発明の実施の他の形態を示すもので、(a)は板曲げ装置の受け金物の上部と可動ブロックの下部を拡大して示す側面図、(b)は上部曲げ金型と下部曲げ金型の製造手法の例を示す図である。 本発明の実施の更に他の形態を示すもので、鋼板固定装置の下部ブロックの上部と上部ブロックの下部を拡大して示す側面図である。 本発明の実施の更に他の形態を示すもので、(a)は成形用の鋼板の曲げ加工を行う前の状態を示す概略側面図、(b)は成形用の鋼板の曲げ加工を行った状態を示す概略側面図である。 本発明の波形鋼板成形方法及び装置により成形可能な波形鋼板の例を示すもので、(a)は全体形状が上方に湾曲した波形鋼板を示す概略側面図、(b)は全体形状が下方に湾曲した波形鋼板を示す概略側面図である。 本発明の実施の更に他の形態を示すもので、(a)は本発明の波形鋼板成形方法及び装置により成形可能な波形鋼板の別の例として平面形状が扇面形状の波形鋼板を示す概略平面図、(b)は(a)の波形鋼板を成形するために用いる板曲げ装置と鋼板固定装置の概要を示す平面図である。 波形鋼板の概要を示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4(a)(b)は本発明の波形鋼板成形方法及び装置の実施の一形態を示すもので、以下のようにしてある。
すなわち、本発明の波形鋼板成形装置は、図1に示すように、水平なベース1上に、該ベース1に固定した受け金物3と、該受け金物3の真上に配置した上部曲げ金型8を有する可動ブロック4と、該可動ブロック4を上下動させる油圧ジャッキ5を備えた板曲げ装置2を設ける。
更に、上記ベース1上における、上記板曲げ装置2を中心として、波形鋼板の成形時に成形用の鋼板7の送り方向(図中に矢印xで示す方向、以下、成形時鋼板送り方向と云う)に沿う方向の両側位置には、上記板曲げ装置2の受け金物3の上面よりも後述する所定寸法高い位置で成形用の鋼板7を上下方向の変位を拘束した状態で保持するための一対の鋼板固定装置6を、上記板曲げ装置2に近接、離反する方向へ移動可能に設けてなる構成とする。
詳述すると、上記板曲げ装置2は、可動ブロック4を、成形すべき図10に示したと同様の波形鋼板における下側水平部eの平面形状と対応する平面形状を有するものとしてある。
更に、上記可動ブロック4の下面における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の両端縁部には、側面形状を下向きの略半円形状として下面側に円筒面を備えた上部曲げ金型8が、上記成形時鋼板送り方向(矢印x方向)と直角方向の全長に亘り設けてある。これにより、上記一対の鋼板固定装置6によって所定の高さ位置に保持された成形用の鋼板7における該各鋼板固定装置6同士の中間となる個所に対し、その上側から上記可動ブロック4を押し下げるときに、該可動ブロック4の各上部曲げ金型8の円筒面に沿って上記成形用の鋼板7が曲がるようにして、その屈曲個所に、図10に示したと同様の波形鋼板における下側水平部eの両側の第1と第2の各谷折り部dとfを形成することができるようにしてある。
上記板曲げ装置2の受け金物3は、上記可動ブロック4の平面形状に対応する平面形状を備えた構成として、その上面側に、上記のように可動ブロック4によって下向きに押し込まれる成形用の鋼板7を受けることができるようにしてある。
更に、受け金物3は、上記成形用の鋼板7の曲げ加工時に生じるスプリングバックを考慮して、たとえば、該受け金物3の上面における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の両端寄り個所に、図3(a)に示すように、上記可動ブロック4における各上部曲げ金型8の円筒面の下端部の真下位置よりも該受け金物3のやや中央寄りとなる位置から、成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に沿う外向きに或る角度で下方傾斜する傾斜面部9を設けてなる構成としてもよい。
又は、上記受け金物3は、図3(b)に示すように、該受け金物3の上面における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の両端寄り個所に、上記可動ブロック4における各上部曲げ金型8の円筒面の下端部の真下位置よりも該受け金物3のやや中央寄りにずれた配置で、側面形状を上向きの半円形状としてなる下部曲げ金型10を設けてなる構成としてもよい。
これらの構成とすることにより、上記板曲げ装置2は、上記可動ブロック4によって下向きに押し込まれる成形用の鋼板7を該受け金物3の上面側に受けると、該成形用の鋼板7における図10に示したと同様の波形鋼板における下側水平部eの両側の第1と第2の各谷折り部dとfが形成される部分が、図3(a)(b)に示すように、上記可動ブロック4の上部曲げ金型8と、受け金物3の上記傾斜面部9又は下部曲げ金型10との間に挟まれて、該各部分が成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に沿う外向きに下方傾斜するようにしてある。よって、このときの傾斜角度が、成形用の鋼板7の曲げ加工時に生じるスプリングバックの角度に相当するように、上記受け金物3の上記傾斜面部9の傾斜角度、又は、下部曲げ金型10の位置を予め調整しておくことで、上記成形用の鋼板7について、図10に示したと同様の波形鋼板における第1と第2の各谷折り部dとfを形成するための曲げ加工時に生じるスプリングバックを相殺することが可能になるようにしてある。
上記可動ブロック4の中央部の上側には、油圧ジャッキ5が下向きに配置されている。該油圧ジャッキ5は、下端部となる作動ロッド5aの先端部が、可動ブロック4の上側に取り付けてある。更に、上記油圧ジャッキ5は、上端部が、上記成形用の鋼板7を曲げ加工するときの反力を受けるための反力受フレーム等の反力受部11に取り付けてある。
なお、上記油圧ジャッキ5は、収縮側のストロークエンドまで収縮させると、作動ロッド5aの先端に取り付けてある上記可動ブロック4を、上記一対の鋼板固定装置6によって所定の高さ位置に保持される成形用の鋼板7よりも上方の待機位置まで引き上げることができるようにしてある。一方、上記油圧ジャッキ5は、伸長側にストロークさせると、上記作動ロッド5aの先端の上記可動ブロック4を、上記受け金物3に接する位置まで下降させることができるようにしてあるものとする。
上記一対の鋼板固定装置6は、図1及び図2に示すように、上記ベース1上における上記板曲げ装置2の設置個所を中心とする成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に沿う方向の両側位置に、上記成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に沿って延びるガイドレール13をそれぞれ設ける。該各ガイドレール13には、上記板曲げ装置2の受け金物3の上端位置よりも、成形すべき図10に示したと同様の波形鋼板における下側水平部eと上側水平部aの垂直方向位置の差の分、高い位置で成形用の鋼板7を載置して支持するための下部ブロック12が、それぞれガイド金物14を介してスライド可能に取り付けてある。
上記各下部ブロック12の上方位置には、該下部ブロック12上に載置される成形用の鋼板7を上側から押さえて、該成形用の鋼板7を、上記下部ブロック12との間で水平方向の相対変位(ずれ)を防止した状態で挟持するための個別の上部ブロック15を配置する。
更に、上記各上部ブロック15の上方位置には、図示しないジャッキ機構によって昇降動作できるようにしてある昇降フレーム16をそれぞれ配置する。該各昇降フレーム16は、下面に成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に延びるガイドレール17がそれぞれ取り付けてあり、該各ガイドレール17に、上記各上部ブロック15を、それぞれガイド金物18を介してスライド自在に取り付けた構成としてある。
なお、上記一対の鋼板固定装置6は、それぞれの上方位置に備える昇降フレーム16を、図示しないジャッキ機構により一緒に昇降動作できるようにして、該各昇降フレーム16にガイドレール17とガイド金物18を介して取り付けてある各鋼板固定装置6の上部ブロック15を、同期して昇降動作できるようにすることが望ましい。
これにより、上記一対の鋼板固定装置6は、上記図示しないジャッキ機構により各昇降フレーム16と一緒に各鋼板固定装置6の上部ブロック15を上昇させて、該上部ブロック15とその下方の下部ブロック12との間を開くことで、該各下部ブロック12上に、成形用の鋼板7における所定の間隔を隔てた2個所を、それぞれ取り外し可能に載置できるようにしてある。一方、上記各昇降フレーム16と一緒に各上部ブロック15を下降させて、該各上部ブロック15を、上記成形用の鋼板7の対応する下部ブロック12上に載置されている個所に上方より接触させ、この状態から上記図示しないジャッキ機構により上記各昇降フレーム16と一緒に上記各上部ブロック15を下向きに付勢することにより、上記各下部ブロック12と対応する各上部ブロック15との間で上記成形用の鋼板7を挟持して、該鋼板7の上下方向の変位を拘束すると共に、該鋼板7の該各鋼板固定装置6に対する水平方向の相対変位を防ぐことができるようにしてある。更に、上記下部ブロック12と上部ブロック15との間に成形用の鋼板7を挟持した状態の鋼板固定装置6は、上下両側に配置されているガイドレール13と17の間で、成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に沿って移動可能となるようにしてある。
より具体的には、上記各鋼板固定装置6の下部ブロック12は、成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に沿う方向の寸法を、成形すべき図10に示したと同様の波形鋼板における上側水平部aと同等か又はそれよりもやや狭い寸法に設定してある。
更に、上記各鋼板固定装置6の下部ブロック12は、該下部ブロック12の上面における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の両端縁部のうち、少なくとも板曲げ装置2寄りの端縁部に、側面形状を上向きの略半円形状として上面側に円筒面を備えた下部曲げ金型19を、上記成形時鋼板送り方向(矢印x方向)と直角方向の全長に亘り設けてある。なお、図では、下部ブロック12の上面における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の両端縁部に下部曲げ金型19を設けた構成が示してある。
これにより、上記一対の鋼板固定装置6は、該各鋼板固定装置6により成形用の鋼板7を所定の高さ位置に保持した状態で、該各鋼板固定装置6同士の中間となる個所を上記板曲げ装置2の可動ブロック4により押し下げると、上記各鋼板固定装置6の下部ブロック12の板曲げ装置2寄りに設けてある各下部曲げ金型19の円筒面に沿って上記成形用の鋼板7が曲がるようにして、その屈曲個所に、図10に示したと同様の波形鋼板における第1の山折り部bと第2の山折り部hをそれぞれ形成することができるようにしてある。
ところで、上記一対の鋼板固定装置6の間に保持されている成形用の鋼板7は、該各鋼板固定装置6による保持個所の中間部を上記板曲げ装置2の可動ブロック4により押し下げると、該成形用の鋼板7における各鋼板固定装置6で挟持されている部分に、上記板曲げ装置2の可動ブロック4の動く方向、すなわち、斜め下向きに引き込まれる力も作用するようになる。
この点に鑑みて、たとえば、上記各鋼板固定装置6は、上部ブロック15の下面における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の両端寄り個所に、図4(a)に示すように、上記下部ブロック12の各下部曲げ金型19の円筒面の上端部の真上位置よりも該上部ブロック15のやや中央寄りとなる位置から、成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に沿う外向きに或る角度で上方傾斜する傾斜面部20を設けてなる構成としてもよい。
又は、上記各鋼板固定装置6は、図4(b)に示すように、各上部ブロック15の下面における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の両端寄り個所に、それぞれ対応する下部ブロック12の各下部曲げ金型19の円筒面の上端部の真上位置よりも該上部ブロック15のやや中央寄りにずれた配置で、側面形状を下向きの半円形状としてなる上部曲げ金型21を設けてなる構成としてもよい。
これらの構成とすることにより、上記各鋼板固定装置6は、下部ブロック12と上部ブロック15との間で成形用の鋼板7を挟持すると、図4(a)(b)に示すように、上記各下部ブロック12の下部曲げ金型19と、それぞれ対応する上部ブロック15の傾斜面部20又は上部曲げ金型21との間に挟まれる部分が、成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に沿って外向きに上方傾斜するようになる。よって、上記一対の鋼板固定装置6では、
該各鋼板固定装置6の間に保持されている成形用の鋼板7の中間部を上記板曲げ装置2の可動ブロック4によって押し下げるときに該鋼板7における各鋼板固定装置6で挟持されている部分に作用する斜め下向きに引かれる力に効率よく抗することができるようになる。これにより、上記各鋼板固定装置6は、挟持している成形用の鋼板7の該各鋼板保持部材6に対する水平方向の相対変位を効率よく防止することができて、成形用の鋼板7を挟持(保持)するために各鋼板固定装置6における下部ブロック12と上部ブロック15との間に作用させる力をより軽減することが可能になる。
ところで、上記成形用の鋼板7は、上記一対の鋼板固定装置6の間に保持されている成形用の鋼板7の中間部を、上記板曲げ装置2の可動ブロック4により押し下げることによって、前述したように、図10に示したと同様の波形鋼板における下側水平部eの両側の第1と第2の谷折り部dとfを形成させると共に、上記第1と第2の山折り部bとhを形成させると、上記第1の山折り部bと第1の谷折り部dとの間、及び、上記第2の谷折り部fと第2の山折り部hとの間に、図10に示したと同様の波形鋼板における各斜面部c及びgがそれぞれ形成される。この際、該成形用の鋼板7は、上記各斜面部c及びgが形成される部分、すなわち、板曲げ装置2における可動ブロック4が接する個所と、上記各鋼板固定装置6による保持個所との間に位置する部分が、平板状の初期形状に比して、成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に沿う方向の水平方向寸法が減る。このため、上記成形用の鋼板7を保持した状態の各鋼板固定装置6が、ガイドレール13,17に沿って板曲げ装置2に近接する側へ移動するようになる。
このときの上記各鋼板固定装置6の移動量は、成形すべき図10に示したと同様の波形鋼板における各水平部a,eが位置する平面と、各斜面部c,gの為す角度をθとすると、上記成形用の鋼板7にて各斜面部c及びgが形成される部分の水平板状な初期形状での水平方向寸法と、その値にcosθを掛けた値との差分の値Δxとなる。
そこで、本発明の波形鋼板成形装置では、上記ベース1上における板曲げ装置2と各鋼板固定装置6との間に、該ベース1の上面より各鋼板固定装置6の側方となる位置まで突出するストッパー22がそれぞれ設けてある。更に、該各ストッパー22は、対応する鋼板固定装置6に臨む側の側面に、上記鋼板固定装置6の移動方向に沿って弾性変形可能なばねやゴム等の弾性部材23を取り付けた構成としてある。これにより、本発明の波形鋼板成形装置では、上記各鋼板固定装置6が、上記板曲げ装置2による成形用の鋼板7の曲げ加工を行う以前の初期状態の位置より、上記板曲げ装置2に近接する方向へ移動するときには、その移動量が上記Δxに達する以前に、該各鋼板固定装置6が上記ストッパー22に取り付けてある弾性部材23に衝合するようにしてあると共に、
その後、上記各鋼板固定装置6が上記板曲げ装置2に更に近接する方向へ移動して移動量が上記Δxに達するときには、上記各鋼板固定装置6とストッパー22との間で上記弾性部材23が圧縮方向に弾性変形されるようにしてあり、この弾性変形した弾性部材23の復元力を、上記各鋼板固定装置6を板曲げ装置2より離反させる方向の力として作用させることができるようにしてある。よって、一対の鋼板固定装置6同士の中間位置で、該各鋼板固定装置6によって保持された成形用の鋼板7を、上記板曲げ装置2の可動ブロック4により押し下げて該成形用の鋼板7の曲げ加工を行うときに、該各鋼板固定装置6が板曲げ装置2に過剰に接近する虞を防止することで、上記成形用の鋼板7にテンションを掛けた状態で曲げ加工を行うことができるようにしてある。
なお、上記したように、板曲げ装置2による成形用の鋼板7の曲げ加工を行うと、各鋼板固定装置6は該成形用の鋼板7を曲げ加工する以前の初期状態位置より板曲げ装置2に近接する方向へ移動するようになる。そのため、上記各鋼板固定装置6には、上記板曲げ装置2による成形用の鋼板7の曲げ加工後に、それぞれの昇降フレーム16と一緒に上部ブロック15を上昇させて各下部ブロック12と該各上部ブロック15との間での成形用の鋼板7の挟持(保持)を解除した状態で、該各鋼板固定装置6の下部ブロック12及び上部ブロック15を共に上記初期状態位置まで戻すためのシリンダ等の図示しない位置復帰手段を装備してあるものとする。
以上の構成としてある本発明の波形鋼板成形装置を用いて波形鋼板の成形を行う場合は、先ず、板曲げ装置2は、油圧ジャッキ5により可動ブロック4を待機位置まで引き上げた状態とする。更に、各鋼板固定装置6は、図示しないジャッキ機構によりそれぞれの昇降フレーム16と共に上部ブロック15を上昇させて、該各上部ブロック15と、対応する下部ブロック12との間を開いた状態とする。
この状態で、上記各鋼板固定装置6の各下部ブロック12上に、成形用の鋼板7における平板状となっている部分にて、成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に所要の間隔で図10に示したと同様の波形鋼板における上側水平部aとするための2個所を載置する。次に、上記各鋼板固定装置6にて、図示しないジャッキ機構により上記各昇降フレーム16と一緒に各上部ブロック15を下降させて、該各上部ブロック15と、上記各下部ブロック12との間で上記成形用の鋼板7を挟持させる。これにより、上記成形用の鋼板7は、成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に所要の間隔を隔てた所定の2個所が、上記各鋼板固定装置6によって、上下方向の変位を拘束されると共に、該各鋼板固定装置6に対する水平方向の相対変位が防止された状態で保持されるようになる。
次いで、上記板曲げ装置2にて、油圧ジャッキ5を伸長作動させて可動ブロック4を下降させる。この下降させる可動ブロック4は、上記成形用の鋼板7における上記各鋼板固定装置6に保持されている2個所の中間位置で、図2、図3(a)(b)のように、下側水平部eとする個所に対して上側より押し当てる。その後、該可動ブロック4は、成形用の鋼板7を介して受け金物3に接するようになる位置まで下方に押し下げるようにする。これにより、上記成形用の鋼板7は、上記各鋼板固定装置6に保持されている2個所では上下方向の変位が拘束されているのに対し、その中間部が上記板曲げ装置2の可動ブロック4によって下方へ押し下げられる。このため、該成形用の鋼板7は、上記各鋼板固定装置6によって保持されている個所における上記板曲げ装置2寄りの端縁部で、それぞれ下部曲げ金型19に沿って下向きに屈曲変形させられて、図4(a)(b)に示すように、各山折り部b及びhが形成される。同時に、上記成形用の鋼板7は、上記可動ブロック4の各上部曲げ金型8が接している部分よりも上記各鋼板固定装置6寄りとなる2個所が、上部曲げ金型8に沿って上向きに屈曲変形させられて、図3(a)(b)に示すように、各谷折り部d及びfが形成される。よって、図2乃至図4(a)(b)に示すように、上記各谷折り部dとfの間には下側水平部eが形成され、第1の山折り部bと第1の谷折り部dとの間には第1の斜面部cが形成され、更に、第2の山折り部hと第2の谷折り部fとの間には第2の斜面部gが形成されるようになる。
この際、上記成形用の鋼板7は、上記各斜面部cとgが形成されることに伴って、該各斜面部cとgの部分で、成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に沿う水平方向寸法が減少する。この際、上記各鋼板固定装置6が、上記成形用の鋼板7の水平方向寸法の減少に応じて、板曲げ装置2に近接する方向へ移動する。このため、上記各鋼板固定装置6と成形用の鋼板7との間、及び、該鋼板7と上記板曲げ装置2における受け金物3や可動ブロック4との間には、滑りが生じることはない。よって、上記成形用の鋼板7の曲げ加工時に、該鋼板7に傷が付く虞は解消されるようになる。
上記のようにして成形用の鋼板7の曲げ加工により、図2乃至図4(a)(b)に示すように、該鋼板7に第1の山折り部b、第1の斜面部c、第1の谷折り部d、下側水平部e、第2の谷折り部f、第2の斜面部g、第2の山折り部hを形成した後は、板曲げ装置2は、油圧ジャッキ5により可動ブロック4を待機位置まで引き上げる。更に、各鋼板固定装置6は、図示しないジャッキ機構によりそれぞれの昇降フレーム16と共に上部ブロック15を上昇させて、該各上部ブロック15と、対応する下部ブロック12との間を開いた状態とさせる。その後、上記成形用の鋼板7を、成形時鋼板送り方向(矢印x方向)へ、図10に示したと同様の波形鋼板における1ピッチの単位構造分、移動させる。しかる後、上記と同様の手順により、上記各鋼板固定装置6による成形用の鋼板7の保持と、上記板曲げ装置2による成形用の鋼板7の曲げ加工とを行うことで、該成形用の鋼板7における曲げ加工された個所同士の間に、上側水平部aを形成させる。
その後は、上記成形用の鋼板7に対し、成形すべき波形鋼板に所望する成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の単位構造のピッチ数に応じて、上記と同様の手順を繰り返して行うようにすればよい。これにより、図10に示したと同様の波形鋼板の成形が行われるようになる。
このように、本発明の波形鋼板成形方法及び装置によれば、成形用の鋼板を上下方向に反転させる操作を必要とすることなく、波形鋼板の成形を行うことができる。
又、本発明の波形鋼板の成形方法及び装置は、板曲げ装置2による可動ブロック4の一度の押し下げ動作により、成形用の鋼板7について、成形すべき波形鋼板の1ピッチ分の単位構造に含まれる2つの山折り部b,h及び2つの谷折り部d,fを同時に形成することができるため、波形鋼板の成形作業を効率よく実施することができる。
更に、上記板曲げ装置2の可動ブロック4の押し下げ動作により上記成形用の鋼板7を曲げるときには、該成形用の鋼板7には、各鋼板固定装置6によって保持されている2つの山折り部b,hとなる個所を支持点とし、且つ上記成形用の鋼板7における可動ブロック4の上部曲げ金型8が接する2つの谷折り部d,fとなる個所を力の作用点として該成形用の鋼板7に対する曲げ荷重を作用させることができるようになる。このため、上記支持点と力の作用点までのスパンは、図10に示したと同様の波形鋼板における斜面部c,gの斜面に沿う長さ寸法とすることができて、該スパンを長く取ることができるため、上記成形用の鋼板7の曲げ加工のために要する荷重を低減させることができる。よって、板曲げ装置2は、油圧ジャッキ5に求められる能力の軽減化を図ることができる。これにより、上記油圧ジャッキ5を小型、軽量のものとすることができるため、装置全体の小型化、軽量化を図ることが可能になる。
しかも、上述したように、上記成形用の鋼板7に各斜面部cとgを形成することに伴って該鋼板7における各斜面部cとgの部分で成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に沿う水平方向寸法が減少する時には、上記板曲げ装置2の両側で成形用の鋼板7を保持している各鋼板固定装置6が、この水平方向の寸法減少分に追従して板曲げ装置2に近接する方向へ移動できるようにしてあるため、成形された波型鋼板に、上記各鋼板固定装置6との滑り、及び、上記板曲げ装置2の受け金物3や可動ブロック4の上部曲げ金型8との滑りに起因する傷が付く虞を解消することができる。
次に、図5(a)(b)は、本発明の実施の他の形態として、図1乃至図4(a)(b)に示した波形鋼板成形装置における板曲げ装置2の可動ブロック4及び受け金物3の別の例を示すものである。
本実施の形態における板曲げ装置2は、図5(a)に詳細を示すような構成としてある。すなわち、可動ブロック4の下面における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の両端縁部には、上部曲げ金型24が、上記成形時鋼板送り方向(矢印x方向)と直角方向の全長に亘りそれぞれ設けられている。又、受け金物3の上面における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の両端縁部には、上記可動ブロック4に設けた各上部曲げ金型24と対向するように、下部曲げ金型25が、上記成形時鋼板送り方向(矢印x方向)と直角方向の全長に亘りそれぞれ設けられている。
これにより、上記板曲げ装置2は、図5(a)に二点鎖線で示す如き成形用の鋼板7を、上記可動ブロック4の各上部曲げ金型24と、上記受け金物3の各下部曲げ金型25により上下両側から挟むことができるようにしてある。
更に、上記板曲げ装置2における上記受け金物3の上面における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の中間部には、上記下部曲げ金型25よりも高さ寸法が大となるスプリングバック量調整部材26が、上記成形時鋼板送り方向(矢印x方向)と直角方向の全長に亘り設けられている。これにより、上記板曲げ装置2では、可動ブロック4が押し下げられて図5(a)に二点鎖線で示す如き成形用の鋼板7が上記可動ブロック4の各上部曲げ金型24と、上記受け金物3の各下部曲げ金型25により上下両側から挟まれた状態となるときに、該鋼板7における上下の各曲げ金型24と25で挟まれた個所同士の中間部に、下方より上記スプリングバック量調整部材26を押し当てて、該鋼板7における上記当て金部材26の接触個所を上向きに押し上げた状態とすることができるようにしてある。
詳述すると、上記可動ブロック4の各上部曲げ金型24は、側面形状の下辺部24aが、可動ブロック4の中央寄りとなる成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の一方の端縁部寄りで最も下方に突出し、且つ上記可動ブロック4の外側寄りとなる成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の他方の端縁部に向けて、徐々に上向きに傾斜する円弧形状としてある。
上記各上部曲げ金型24の側面形状の下辺部24aの円弧形状は、図5(a)に二点鎖線で示す如き成形用の鋼板7を図10に示した波形鋼板と同様に成形する際に、下側水平部eと、その両側の各斜面部c,gとの間の各谷折り部d,fに要求される板曲げ半径よりも或る寸法小さい半径とする。たとえば、本発明者等の実験によれば、成形用の鋼板7として9mm、12mm、16mmの各SM490級の鋼板を用いて波形鋼板の波形を成形するときに、上記各谷折り部d,fに要求される板曲げ半径が115mmの場合は、上記上部曲げ金型24の側面形状の下辺部24aの円弧形状を、上記所望する板曲げ半径である115mmより5mm小さい半径110mmの円弧形状に設定することにより、上記要求される板曲げ半径に対応する板曲げ半径を実現できることが確認されている。
なお、上記各上部曲げ金型24の側面形状における下辺部の円弧形状の半径は、成形用の鋼板7の厚み寸法や材質、及び、上記各谷折り部d,fに要求される板曲げ半径の寸法に応じて、予め実験を行い、その結果を基に、所望する板曲げ半径が得られるように適宜設定してよいことは勿論である。
又、上記各上部曲げ金型24の側面形状における下辺部24aの円弧形状は、図5(b)に示すように、上記成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の一方の端縁寄りで下方に最も突出する位置から他方の端縁部までの中心角αが、上記成形すべき波形鋼板における下側水平部eと、その両側の各斜面部c,gが上記各谷折り部d,fを挟んでなす屈曲角度θ(図10参照)よりも或る角度大きくなるようにしてある。たとえば、上記屈曲角度θが35度の場合、上記中心角αは45度程度に設定するようにすればよい。
なお、上記中心角αは、上記屈曲角度θよりも大きく、且つ現実的な上限値である90度を上限とする範囲であれば、適宜変更してもよいことは勿論である。これにより、上記各上部曲げ金型24は、上記成形用の鋼板7を該各上部曲げ金型24の下辺部24aの円弧形状に沿わせて所望する上記屈曲角度θまで曲げ加工する際に、該成形用の鋼板7が、該各上部曲げ金型24の側面形状の下辺部24a以外の個所に接触する虞を回避できるようにしてある。
上記各上部曲げ金型24の側面形状における上記成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の一方と他方の端辺は、垂直としてある。更に、各上部曲げ金型24の上記下辺部24aに対応して円筒面となる下面と上記成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の一方と他方の各端面との間の各コーナー部は、適宜面取り加工されている。
上記各上部曲げ金型24の側面形状にて、上記可動ブロック4への取り付け側となる上辺部は水平としてある。
更に、上記各上部曲げ金型24は、長手方向所要間隔個所における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の中央部に、上下方向に貫通するボルト挿通孔27が穿設されている。
以上の構成としてある上記各上部曲げ金型24は、上記ボルト挿通孔27に下方より挿入するボルト28を、上記可動ブロック4の下面における対応する個所に設けたねじ穴29にねじ込んで締めることで、該各上部曲げ金型24を上記可動ブロック4に固定するようにしてある。又、上記各上部曲げ金型24は、上記ボルト28を緩めることにより上記可動ブロック4より取り外すことが可能としてある。これにより、上記可動ブロック4の下面には、成形用の鋼板7の厚み寸法や材質、及び、成形すべき波形鋼板の形状に応じて、適宜選択される側面形状を備えた各上部曲げ金型24を交換して取り付けることができるようにしてある。
一方、上記受け金物3に設ける各下部曲げ金型25は、図5(a)に示すように、側面形状の上辺部25aが、成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の中央部で上方に最も突出し、成形時鋼板送り方向の両端縁部に向けて徐々に下向きに傾斜する円弧形状としてある。
上記各下部曲げ金型25の側面形状の上辺部25aの円弧形状の半径は、上記上部曲げ金型24の側面形状の下辺部24aの円弧形状の半径と同一としてある。このようにすれば、図5(b)に示すように、図5(b)に一点鎖線で示す如き上記所定の半径を備えた同じ丸棒材料Mより、上記上部曲げ金型24と下部曲げ金型25を切り出して製造することが可能になるため、上記各曲げ金型24,25を製造するための材料コスト及び手間を削減するのに有利な構成とすることができる。上記丸棒材料Mより上記各曲げ金型24,25を切り出す場合の周方向位置、及び、周方向の切り出し数は、適宜変更してよいことは勿論である。
なお、上記各下部曲げ金型25の側面形状の上辺部25aの円弧形状の半径は、必ずしも上記上部曲げ金型24の側面形状の下辺部24aの円弧形状の半径と同一に設定しなくてもよいことは勿論である。この場合、上記各下部曲げ金型25の上辺部25aの円弧形状は、上記成形用の鋼板7の下面側に押し当てるときに該成形用の鋼板7の表面に傷が生じたり、凹みが生じたりしないようにしてあれば、自在に設定してよい。又、この場合は、上記上部と下部の各曲げ金型25を別々の材料から製造するようにすればよい。
上記各下部曲げ金型25の側面形状における上記成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の一方と他方の端辺は、垂直としてある。更に、各下部曲げ金型25の上記上辺部25aに対応して円筒面となる上面と上記成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の一方と他方の各端面との間の各コーナー部は、適宜面取り加工されている。
上記各下部曲げ金型25の側面形状にて、上記受け金物3への取り付け側となる下辺部は水平としてある。
更に、上記各下部曲げ金型25は、長手方向所要間隔個所における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の中央部に、上下方向に貫通するボルト挿通孔30が穿設されている。
以上の構成としてある上記各下部曲げ金型25は、上記受け金物3の上面に、該各下部曲げ金型25における中央部の上方に最も突出した個所が、上記可動ブロック4の各上部曲げ金型24における下方に最も突出した個所と対向するように配置され、この状態で上記ボルト挿通孔30に上方より挿入するボルト28を、上記受け金物3の上面における対応する個所に設けたねじ穴31にねじ込んで締めることで、該各下部曲げ金型25を上記受け金物3に固定するようにしてある。又、上記各下部曲げ金型25は、上記ボルト28を緩めることにより上記受け金物3より取り外すことが可能としてある。これにより、上記受け金物3の上面には、上記可動ブロック4の各上部曲げ金型24に対応して適宜選択される下部曲げ金型25を交換して取り付けることができるようにしてある。
上記スプリングバック量調整部材26は、上記下部曲げ金型25と同一の構成を有する調整部材本体32と、該調整部材本体32と上記受け金物3の上面との間に介装させるシム33とから構成されている。これにより、上記調整部材本体32は、上記下部曲げ金型25と共通化された部品とすることができるようにしてある。更に、上記スプリングバック量調整部材26は、上記受け金物3の上面に設置された状態の該スプリングバック量調整部材26の上端部の高さ寸法を、上記受け金物3の上面に直接取り付ける上記各下部曲げ金型25の高さ寸法に比して、上記シム33の厚み寸法分、高く設定することができるようにしてある。
上記シム33は、上記下部曲げ金型25と同一構成の調整部材本体32に備えられているボルト挿通孔30と対応する個所に、上下方向に貫通するボルト挿通孔34が穿設されている。
これにより、上記調整部材本体32とシム33は、図5(a)に示すように、上記受け金物3の上面における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の中央部に、上下方向に重ねて配置した状態で、該調整部材本体32とシム33の各ボルト挿通孔30と34に上方より挿入するボルト28を、上記受け金物3の上面における対応する個所に設けたねじ穴35にねじ込んで締めることで、上記スプリングバック量調整部材26を形成すると共に上記受け金物3に設置できるようにしてある。又、上記スプリングバック量調整部材26は、上記ボルト28を緩めて抜き取ることにより、上記受け金物3より取り外して、上記調整部材本体32とシム33に分離することが可能になる。よって、上記調整部材本体32と受け金物3の上面との間に介装させるシム33を、厚み寸法の異なるシム33に適宜取り替えることにより、上記受け金物3の上面に設置される該スプリングバック量調整部材26の高さ寸法を変更して、上記各下部曲げ金型25の高さ寸法との差を自在に調整できるようにしてある。
なお、上記各上部曲げ金型24のボルト挿通孔27、各下部曲げ金型25のボルト挿通孔30、及び、上記スプリングバック量調整部材26における調整部材本体32のボルト挿通孔30には、ボルト28を挿入する側の端部周縁部に座ぐりを設けて、ボルト頭を収容できるようにしてある。
その他、図1乃至図4(a)(b)に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
上記構成としてある本実施の形態の波形鋼板成形装置における板曲げ装置2を使用する場合は、図1に示したと同様に、成形用の鋼板7を、一対の鋼板固定装置6により、上下方向の変位を拘束した状態で保持させ、次いで、図2に示したと同様に、上記成形用の鋼板7における上記一対の鋼板固定装置6の中間となる個所を、上記板曲げ装置2の可動ブロック4により押し下げるようにする。
これにより、上記板曲げ装置2では、図5(a)に示すように、上記可動ブロック4の各上部曲げ金型24により下向きに押し込まれる図5(a)に二点鎖線で示す成形用の鋼板7が、上記受け金物3の各下部曲げ金型25の上側に受けられるようになると、該鋼板7における上記上部と下部の各曲げ金型24と25の間に挟まれた部分が、上記各上部曲げ金型24に沿って折り曲げられて、図10に示したと同様の波形鋼板における下側水平部eの両側の第1と第2の各谷折り部dとfが形成される。
この際、上記成形用の鋼板7は、成形時鋼板送り方向(矢印x方向)における上記受け金物3の各下部曲げ金型25の上側に受けられた部分の中間となる個所が、図5(a)に示すように、上記各下部曲げ金型25よりも高い高さ寸法としてある上記スプリングバック量調整部材26によって上方へ押し上げられる。このため、上記成形用の鋼板7は、該スプリングバック量調整部材26に接している個所から、上記各下部曲げ金型25に接する個所までの間に位置する各部分が、成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に沿う外向きに下方傾斜するようになる。よって、このときの傾斜角度が、成形用の鋼板7に成形すべき波形鋼板における第1と第2の各谷折り部dとfを形成するための曲げ加工時に生じるスプリングバックの角度に相当するように、上記スプリングバック量調整部材26のシム33の厚み寸法を予め調整しておくことにより、上記成形用の鋼板7について、上記波形鋼板における第1と第2の各谷折り部dとfを形成するための曲げ加工時に生じるスプリングバックを相殺することが可能になる。
なお、上記成形用の鋼板7の曲げ加工時に生じるスプリングバックを相殺するために必要とされる上記成形用の鋼板7のスプリングバック量調整部材26に接している個所から、上記各下部曲げ金型25に接する個所までの間に位置する各部分の傾斜角度や、該傾斜角度を得るために必要とされる上記スプリングバック量調整部材26のシム33の厚み寸法は、予め実験を行って求めておくようにすればよい。
本発明者等の実施した実験によれば、成形用の鋼板7として9mm、12mm、16mmの各SM490級の鋼板を用いて前述した所定の波形鋼板の波形を成形する場合、上記スプリングバック量調整部材26におけるシム33の厚み寸法、すなわち、上記受け金物3の上面に設ける下部曲げ金型25と、スプリングバック量調整部材26との高さ寸法の差は、2mmとすると、成形された波形鋼板における下側水平部eを平らにすることができるという結果が確認されている。
このように、本実施の形態の波形鋼板成形装置における板曲げ装置2によれば、上記成形用の鋼板7について、図10に示したと同様の波形鋼板における第1と第2の各谷折り部dとfを形成するための曲げ加工を、スプリングバックを相殺させた状態で行うことができる。
更に、上記板曲げ装置2では、上記曲げ加工を行う際に、上記成形用の鋼板7における上記波形鋼板の下側水平部eとなる個所に上記スプリングバックを相殺するための傾斜角度を与えるための力を加える個所、すなわち、上記成形用の鋼板7に上記スプリングバック量調整部材26を下方より接触させる個所から、該鋼板7における上記可動ブロック4の各上部曲げ金型24に接触する個所までの距離を長くとることができる。よって、上記スプリングバックを相殺するための傾斜角度を与えるための力を、図1乃至図4(a)(b)に示したものに比して低減させることができるため、上記成形用の鋼板7を波形鋼板に成形するために上記板曲げ装置2の可動ブロック4に作用させる力の軽減化を図ることができる。
次いで、図6は、本発明の実施の他の形態として、図1乃至図4(a)(b)に示した波形鋼板成形装置における鋼板固定装置6の下部ブロック12及び上部ブロック15の別の例を示すものである。
本実施の形態における鋼板固定装置6は、図6に詳細を示すような構成としてある。すなわち、下部ブロック12の上面と、上部ブロック15の下面における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の前記板曲げ装置2寄りの端縁部(図6では右側の端縁部)には、下部曲げ金型36と、上部曲げ金型37が、上下方向に対向する配置で、それぞれ上記成形時鋼板送り方向(矢印x方向)と直角方向の全長に亘り設けられている。又、上記下部ブロック12の上面と、上部ブロック15の下面における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の板曲げ装置2から離れる側の端縁部(上記各曲げ金型36,37の設置個所とは反対側で、図6では左側の端縁部)には、下部スプリングバック量調整部材38bと、上部スプリングバック量調整部材39bが、上下方向に対向する配置で、それぞれ上記成形時鋼板送り方向(矢印x方向)と直角方向の全長に亘り設けられている。更に、上記下部ブロック12の上面と上部ブロック15の下面における下部曲げ金型36と下部スプリングバック量調整部材38bとの間の中央部と、上記曲げ金型37と上部スプリングバック量調整部材39bとの間の中央部には、下部と上部の各スプリングバック量調整部材38aと39aが上下方向に対向する配置で、それぞれ上記成形時鋼板送り方向(矢印x方向)と直角方向の全長に亘り設けられている。
これにより、上記鋼板固定装置6は、図6に二点鎖線で示す如き成形用の鋼板7を、上記下部ブロック12の下部曲げ金型36と、上記上部ブロック15の上部曲げ金型37との間、及び、上記下部ブロック12の下部スプリングバック量調整部材38a,38bと、上記上部ブロック15の上部スプリングバック量調整部材39a,39bとの間にそれぞれ挟んで保持することができるようにしてある。更に、上記鋼板固定装置6は、上記成形用の鋼板7における上記上下の各曲げ金型37,36の間に挟まれた個所から、上下の各スプリングバック量調整部材39a,39bと38a,38bの間に挟まれた個所までの領域を、成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に板曲げ装置2に近接する側から離反する側へ下方傾斜させることができるようにしてある。
以下、詳述する。
図10に示したと同様の波形鋼板を成形する場合、上側水平部aと下側水平部eが平行であるため、上側水平部aとその両側の各斜面部c,gがなす屈曲角度は、下側水平部eとその両側の各斜面部c,gがなす屈曲角度θに一致している。又、上記波形鋼板では、通常、上記上側水平部aとその両側の各斜面部c,gとの間の各山折り部b,hに要求される板曲げ半径は、上記下側水平部eと、その両側の各斜面部c,gとの間の各谷折り部d,fに要求される板曲げ半径に等しい。
以上の点に鑑みて、上記下部ブロック12の上面に設ける下部曲げ金型36は、図5(a)(b)に示した板曲げ装置2の可動ブロック4用の上部曲げ金型24を上下に反転させた構成とされている。これにより、上記下部曲げ金型36は、上記板曲げ装置2用の上部曲げ金型24と共通化された部品とすることができるようにしてある。
上記下部曲げ金型36は、下部ブロック12の上側に、或る厚み寸法を有するシム40を介装させた状態で配置して、上記下部ブロック12の上面から該下部曲げ金型36の上端部までの高さ寸法を、上記下部スプリングバック量調整部材38a,38bの上端部の高さ位置よりも高く設定するようにしてある。
この状態で、上記下部曲げ金型36は、上記板曲げ装置2用の上部曲げ金型24と共通の構成として備えてあるボルト挿通孔27に上方より挿入するボルト28を、上記シム40の対応する個所に穿設してあるボルト挿通孔41に挿通させてから、上記下部ブロック12の上面における対応する個所に設けたねじ穴42にねじ込んで締めることで、該下部曲げ金型36を上記シム40と共に上記下部ブロック12に固定するようにしてある。
上記下部曲げ金型36は、上記ボルト28を緩めることにより、上記下部ブロック12より取り外して、上記シム40と分離できる。これにより、上記下部ブロック12の上面における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の板曲げ装置2寄りの端縁部には、図5(a)(b)に示した板曲げ装置2の可動ブロック4の上部曲げ金型24と同様に、図6に二点鎖線で示した成形用の鋼板7の厚み寸法や材質、及び、成形すべき波形鋼板の形状に応じて適宜選択される下部曲げ金型36を、交換して取り付けることができるようにしてある。又、上記下部曲げ金型36は、下部ブロック12との間に介装する上記シム40を、厚み寸法の異なるシム40に交換することで、上記下部ブロック12の上面から、上記下部曲げ金型36の上端部までの高さ寸法を適宜変更できるようにして、該下部曲げ金型36と上記下部スプリングバック量調整部材38a,38bとの高さ寸法の差を調整できるようにしてある。これにより、該下部曲げ金型36と上記下部スプリングバック量調整部材38a,38bの上側に配置される上記成形用の鋼板7の傾斜角度を調整できるようにしてある。
上記上部ブロック15の下面に設ける上部曲げ金型37は、図5(a)(b)に示した板曲げ装置2の受け金物3の上面に取り付ける下部曲げ金型25を上下に反転させた構成とされている。これにより、上記上部曲げ金型37は、上記板曲げ装置2用の下部曲げ金型25や、スプリングバック量調整部材26の調整部材本体32(図5(a)(b)参照)と共通化された部品とすることができるようにしてある。
上記上部曲げ金型37は、上記上部ブロック15の下面に、該上部曲げ金型37における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の中央部で最も下方に突出する個所が、上記下部ブロック12の下部曲げ金型36における最も上方に突出した個所と対向するように配置される。このように配置された上部曲げ金型37は、上記板曲げ装置2用の下部曲げ金型25と共通の構成として該上部曲げ金型37に備えてあるボルト挿通孔30に下方より挿入するボルト28を、上記上部ブロック15の下面における対応する個所に設けたねじ穴43にねじ込んで締めることで、該上部ブロック15に固定するようにしてある。又、上記上部曲げ金型37は、上記ボルト28を緩めることにより上記上部ブロック15より取り外すことができる。これにより、上記上部ブロック15の下面における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の板曲げ装置2寄りの端縁部には、図5(a)(b)に示した板曲げ装置2の受け金物3の下部曲げ金型25と同様に、上記下部ブロック12の下部曲げ金型36に対応する上部曲げ金型37を、適宜交換して取り付けることができるようにしてある。
上記下部ブロック12の上面には、成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の中間部と、板曲げ装置2から離れた側の端縁部に、第1の下部スプリングバック量調整部材38aと、第2の下部スプリングバック量調整部材38bがそれぞれ設けられている。
上記第1の下部スプリングバック量調整部材38aは、図5(a)(b)に示した板曲げ装置2の受け金物3の上面に取り付ける下部曲げ金型25と同一の構成とされている。これにより、上記第1の下部スプリングバック量調整部材38aは、上記上部ブロック15に取り付ける上部曲げ金型37や、上記板曲げ装置2用の下部曲げ金型25及びスプリングバック量調整部材26の調整部材本体32(図5(a)(b)参照)と共通化された部品とすることができるようにしてある。
一方、上記第2の下部スプリングバック量調整部材38bは、上記下部曲げ金型36の成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に沿う向きを反転させた構成とされている。これにより、上記第2の下部スプリングバック量調整部材38bは、図6に示すように、上記鋼板固定装置6で成形用の鋼板7に成形すべき波形鋼板における上側水平部aとなる部分を保持するときに、該成形用の鋼板7における上側水平部aとなる部分よりも成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の下流側(先行する側、図6では左側)に上記波形鋼板における第2の斜面部gが既に曲げ加工されているとしても、この第2の斜面部gに対して該第2の下部スプリングバック量調整部材38aが干渉する虞を回避できるようにしてある。
更に、上記第2の下部スプリングバック量調整部材38bは、上記下部曲げ金型36、及び、図5(a)(b)に示した板曲げ装置2用の上部曲げ金型24と共通化された部品とすることができるようにしてある。
上記第1と第2の下部スプリングバック量調整部材38aと38bは、それぞれの上端部の高さ位置が、下部ブロック12における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の板曲げ装置2寄りの端縁部に設置される上記下部曲げ金型36の上端部の高さ位置よりも順次低くなるようにして上記下部ブロック12上に設置される。
具体的には、上記各下部スプリングバック量調整部材38a,38bのうち、第2の下部スプリングバック量調整部材38bは、下部ブロック12の上面における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の上記板曲げ装置2とは反対側の端縁部に直接配置される。この状態で、該第2の下部スプリングバック量調整部材38bは、上記下部曲げ金型36と共通の構成として該第2の下部スプリングバック量調整部材38bに備えてあるボルト挿通孔27に上方より挿入したボルト28を、上記下部ブロック12の上面における対応する個所に設けたねじ穴44bにねじ込んで締めることで、上記下部ブロック12に固定するようにしてある。
一方、上記第1の下部スプリングバック量調整部材38aは、上記下部ブロック12の上面における成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の中間部に、以下に示す厚み寸法を備えたシム45を介装した状態で配置される。
上記シム45は、上記第1の下部スプリングバック量調整部材38aの上端部を、上記下部ブロック12上にシム40を介して設置される下部曲げ金型36の上端部と、上記下部ブロック12上に直接設置される上記第2の下部スプリングバック量調整部材38bの上端部を結ぶ直線上に配置させることができるように、該シム45の厚み寸法が設定されている。
この状態で、上記第1の下部スプリングバック量調整部材38aは、上記板曲げ装置2用の下部曲げ金型25(図5(a)(b)参照)と共通の構成として該第1のスプリングバック量調整部材38aに備えてあるボルト挿通孔30に上方より挿入したボルト28を、上記シム45の対応する個所に穿設されたボルト挿通孔46に挿通させてから、上記下部ブロック12の上面における対応する個所に設けたねじ穴44aにねじ込んで締めることで、該第1のスプリングバック量調整部材38aを上記シム45と共に上記下部ブロック12に固定するようにしてある。
上記上部ブロック15の下面には、成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の中間部と、板曲げ装置2から離れた側の端縁部に、第1の上部スプリングバック量調整部材39aと、第2の上部スプリングバック量調整部材39bが、それぞれ設けられている。
上記第1と第2の各上部スプリングバック量調整部材39aと39bは、いずれも、上記上部曲げ金型37と同一の構成とされている。これにより、上記各上部スプリングバック量調整部材39a及び39bは、上記上部曲げ金型37、更には、第1の下部スプリングバック量調整部材38aや、図5(a)(b)に示した板曲げ装置2用の下部曲げ金型25、及び、スプリングバック量調整部材26の調整部材本体32と共通化された部品とすることができるようにしてある。
上記第1と第2の各上部スプリングバック量調整部材39aと39bは、図6に示すように、上記上部ブロック15の下面との間に以下に示す厚み寸法を備えた個別のシム47aと47bを介装した状態で配置される。
上記シム47aと47bは、図6に示すように、上記下部ブロック12に設置された下部曲げ金型36、及び、上記第1と第2の下部スプリングバック量調整部材38aと38bの上側に沿わせて図6に二点鎖線で示す如き成形用の鋼板7を配置させた状態で、該鋼板7の上面側に、上記上部ブロック15の上部曲げ金型37の下端部が接触するときに、上記第1と第2の各上部スプリングバック量調整装置39aと39bの下端部が共に上記成形用の鋼板7の上面側に接触するように、該各シム47aと47bの厚み寸法が設定されている。
この状態で、上記第1と第2の各上部スプリングバック量調整部材39aと39bは、上記上部曲げ金型37と同一の構成として該各上部スプリングバック量調整部材39aと39bにそれぞれ備えてある各ボルト挿通孔30に下方より挿入したボルト28を、上記各シム47aと47bの対応する個所に穿設されたボルト挿通孔48aと48bに挿通させてから、上記上部ブロック15の下面における対応する個所に設けたねじ穴49a,49bにそれぞれねじ込んで締めることで、該第1と第2の各上部スプリングバック量調整部材39aと39bを、上記シム47aと47bと共に上記上部ブロック15に固定するようにしてある。
なお、前記したように、上記下部曲げ金型36は、下部ブロック12との間に介装するシム40を、厚み寸法の異なるシム40に交換することで、上記下部ブロック12の上面から該下部曲げ金型36の上端部までの高さ寸法を適宜変更できるようにしてある。よって、上記下部ブロック12の上面から該下部曲げ金型36の上端部までの高さ寸法の変化に応じて、上記第1の下部スプリングバック量調整部材38aと下部ブロック12との間に介装させるシム45の厚み寸法、及び、上記第1及び第2の各上部スプリングバック量調整部材39a,39bと、上部ブロック15の下面との間にそれぞれ介装させるシム47a,47bの厚み寸法は、適宜変更してよいことは勿論である。
その他、図1乃至図4(a)(b)に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
上記構成としてある本実施の形態の波形鋼板成形装置における鋼板固定装置6を使用する場合は、図1に示したと同様に板曲げ装置2の成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の両側に配置してある一対の該鋼板固定装置6にて、各上部ブロック15を昇降させて、該各鋼板固定装置6の各上部ブロック15と各下部ブロック12との間に、成形用の鋼板7における成形すべき波形鋼板の上側水平部aとするための2個所を保持させる。
この際、上記各鋼板固定装置6では、図6に示すように、上記成形用の鋼板7における下部ブロック12の下部曲げ金型36と上部ブロック15の上部曲げ金型37に挟まれた個所から、第1の上部と下部の各スプリングバック量調整部材38aと39aで挟まれた個所を経て、第2の上部と下部の各スプリングバック量調整部材38bと39bにより挟まれた個所までの領域が、成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に沿って板曲げ装置2に近接する側から離反する側へ向けて下方傾斜するようになる。よって、このときの傾斜角度が、後述するように、上記成形用の鋼板7に、上記上側水平部aとなる個所の板曲げ装置2側に連なる第1の山折り部bや、第2の山折り部hを形成するための曲げ加工時に生じるスプリングバックの角度に相当するように、上記下部曲げ金型36と、第1の下部スプリングバック量調整部材38aと、第1及び第2の各上部スプリングバック量調整部材39a及び39bを上記各ブロック12,15に設置する際に使用するシム40,45,47a,47bの厚み寸法を、予め調整しておくことで、上記成形用の鋼板7について、上記波形鋼板における第1と第2の各山折り部bとhを形成するための曲げ加工時に生じるスプリングバックを相殺することが可能になる。
なお、上記成形用の鋼板7の曲げ加工時に生じるスプリングバックを相殺するために必要とされる上記成形用の鋼板7における上記各鋼板固定装置6でそれぞれ保持される部分の傾斜角度や、該傾斜角度を得るために必要とされる上記各シム40,45,47a,47bの厚み寸法は、予め実験を行って求めておくようにすればよい。
本発明者等の実験によれば、成形用の鋼板7として9mm、12mm、16mmの各SM490級の鋼板を用いて前述した所定の波形鋼板の波形を成形する場合、上記各鋼板固定装置6にて、下部曲げ金型36の上端部の高さ位置と、第2の下部スプリングバック量調整部材38bの上端部の高さ位置との差が20mmとなるように、上記各シム40,45,47a,47bの厚み寸法を設定して、上記成形用の鋼板7における上記各鋼板固定装置6でそれぞれ保持される部分の傾斜角度を定めると、成形された図10に示したと同様の波形鋼板における上側水平部aと下側水平部eを平行に成形できるという結果が確認されている。
上記のようにして成形用の鋼板7を上記一対の鋼板固定装置6に保持させた後は、図2に示したと同様に、上記成形用の鋼板7における上記一対の鋼板固定装置6の中間となる個所を、上記板曲げ装置2の可動ブロック4により押し下げるようにする。
これにより、上記各鋼板固定装置6では、図6に二点鎖線で示すように、上記成形用の鋼板7における該各鋼板固定装置6の上下の各曲げ金型36と37によって挟持されている個所よりも上記板曲げ装置2寄りの個所が、上記各下部曲げ金型36に沿って折り曲げられて、図10に示したと同様の波形鋼板における上側水平部aと第1の斜面部cとの間の第1の山折り部b、及び、上記上側水平部aと第2の斜面部gとの間の第2の山折り部hがそれぞれ形成されるようになる(図6では第1の山折り部bが形成される側の鋼板固定装置6のみが示してある)。
このように、本実施の形態の波形鋼板成形装置における鋼板固定装置6によれば、上記成形用の鋼板7について、図10に示したと同様の波形鋼板における第1と第2の各山折り部bとhを形成するための曲げ加工を、スプリングバックを相殺させた状態で行うことができる。
更に、上記鋼板固定装置6では、上記曲げ加工を行う際に、上記成形用の鋼板7における上記波形鋼板の上側水平部aとなる個所に上記スプリングバックを相殺するための傾斜角度を与えるための力を加える個所、すなわち、上記成形用の鋼板7に上記各上部スプリングバック量調整部材39a,39bを上方より接触させる個所から、該鋼板7における上記下部ブロック12の下部曲げ金型36に接触する個所までの距離を長くとることができる。よって、上記成形用の鋼板7にスプリングバックを相殺するための傾斜角度を与えるための力を、図1乃至図4(a)(b)に示したものに比して低減させることができるため、本実施の形態によっても、上記成形用の鋼板7を波形鋼板に成形するために上記板曲げ装置2の可動ブロック4に作用させる力の軽減化を図ることができる。
図7(a)(b)は本発明の実施の他の形態を示すものである。
本実施の形態の波形鋼板成形装置は、図1乃至図4(a)(b)と同様の構成において、板曲げ装置2が、図5に示したと同様の板曲げ装置2としてあり、又、各鋼板保持装置6が、図6に示したと同様の各鋼板保持装置6としてある。
更に、本実施の形態では、上記各鋼板固定装置6を、図1、図2に示したように、それぞれの上部ブロック15が、図示しないジャッキ機構により昇降動作される昇降フレーム16の下面に、個別のガイドレール17とガイド金物18を介して成形時鋼板送り方向(矢印x方向)へスライド可能に取り付けられた構成に代えて、各上部ブロック15の昇降動作、及び、鋼板成形時送り方向(矢印x方向)への移動を、個別のジャッキとしての油圧ジャッキ51の伸縮動作と該油圧ジャッキ51の上記鋼板成形時送り方向(矢印x方向)への回動により担保できるようにしてなる鋼板固定装置6を備えた構成としたものである。
詳述すると、上記各鋼板固定装置6は、各上部ブロック15の上側に配置された個別の支持フレーム50を備えている。該各支持フレーム50は、板曲げ装置2の油圧ジャッキ5の上端部が取り付けてある反力受部11の側方に一体に固定されている。
上記各鋼板固定装置6の各上部ブロック15と、それぞれの上方に位置する各支持フレーム50との間には、下向きの油圧ジャッキ51が個別に配置されている。
上記各油圧ジャッキ51は、上端部が、上記各支持フレーム50の下面に、ヒンジ52を介して成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に揺動(回動)可能に取り付けられている。更に、該各油圧ジャッキ51は、下端部となる作動ロッド51aの先端部が、対応する上記各上部ブロック15の上端部に、ヒンジ53を介して成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に回動可能に取り付けられている。
これにより、上記各鋼板固定装置6は、上記各油圧ジャッキ51の収縮作動により各上部ブロック15を上昇させて、該各上部ブロック15とその下方の各下部ブロック12との間を開いた状態では、該各下部ブロック12の上側に、成形用の鋼板7における隣接する上側水平部aとするための所定の間隔を隔てた2個所を、それぞれ取り外し可能に載置できるようにしてある。更に、上記各鋼板固定装置6は、上記各油圧ジャッキ51を伸長作動させることにより上記各上部ブロック15を下降させて、該各上部ブロック15を、上記成形用の鋼板7の対応する各下部ブロック12上に載置されている個所の真上に接触させる(図7(a))。この状態から上記各油圧ジャッキ51により上記各上部ブロック15を下向きに付勢することにより、該各上部ブロック15と対応する上記各下部ブロック12との間で上記成形用の鋼板7を挟持して、該鋼板7の上下方向の変位を拘束すると共に、該鋼板7の該各鋼板固定装置6に対する水平方向の相対変位を防ぐことができるようにしてある。
更に、上記各鋼板固定装置6は、図1乃至図4(a)(b)の実施の形態で図2に示したと同様に、該各鋼板固定装置6の間に保持されている上記成形用の鋼板7の中間部を、板曲げ装置2の可動ブロック4により押し下げて、図10に示したと同様の波形鋼板における各斜面部c及びgを形成させる曲げ加工を行うときには、該各斜面部c及びgが形成される部分の初期形状からの成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に沿う方向の水平方向寸法の減少に応じて、該各鋼板固定装置6の上記各下部ブロック12が、ガイドレール13に沿って板曲げ装置2に近接する側へ移動するようにしてある。この際、上記各上部ブロック15は、上記各油圧ジャッキ51のヒンジ52を中心とする成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に沿う板曲げ装置2に近接する側への回動と、該各油圧ジャッキ51の伸縮動作量の調整と、該各油圧ジャッキ51の作動ロッド51aの先端部に対するヒンジ53を中心とする該各上部ブロック15の成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に沿う方向の回動により、上記各下部ブロック12との間で上記成形用の鋼板7を挟持したまま、該各下部ブロック12とともに板曲げ装置2に近接する側へ移動させることができるようにしてある。
なお、上記各鋼板固定装置6の各油圧ジャッキ51の上端部を各ヒンジ52を介して支持フレーム50に取り付けるときの取付位置は、図7(a)に示すように、上記各上部ブロック15と各下部ブロック12との間で平板状の成形用の鋼板7を挟持させる個所よりも、板曲げ装置2から離反する側に設定してあることが望ましい。このようにすれば、上記成形用の鋼板7の曲げ加工を行うときに、上記各上部ブロック15が、各下部ブロック12との間で上記成形用の鋼板7を挟持した状態で板曲げ装置2に近接する側へ移動させられるときに、上記各油圧ジャッキ51の動作は伸長側のみとすることができて、該各油圧ジャッキ51の伸縮動作量の調整を容易なものとすることができる。
この場合、上記各上部ブロック15は、各油圧ジャッキ51の収縮作動によって上記成形用の鋼板7より上方へ離反する高さ位置まで引き上げられた状態、すなわち、該各上部ブロック15が、自重によって上記各油圧ジャッキ51を介して上記各支持フレーム50における上記各ヒンジ52の設置個所の真下に吊られた状態では、該各上部ブロック15は、下部ブロック12の真上よりも板曲げ装置2から離反する側へずれた位置に配置されるようになる。したがって、上記各上部ブロック15と各下部ブロック12との間で上記平板状の成形用の鋼板7を挟持するときには、該鋼板7の成形時鋼板送り方向(矢印x方向)における上記各下部ブロック12の上側に載置される個所に、予め罫書き線等によるマーキングを設けておき、このマーキングされた個所を基準として、上記各上部ブロック15を上記成形用の鋼板7の上側に接触させて配置するときの位置を、手動で調整するようにすればよい。又、上記成形用の鋼板7に予め設ける上記マーキング又は各下部ブロック12の位置を検出するための手段と、上記油圧ジャッキ51の成形時鋼板送り方向(矢印x方向)の回動角度を調整するための機構を備えて、上記成形用の鋼板7のマーキング又は各下部ブロック12の位置に応じて、上記各油圧ジャッキ51の揺動角度を自動的に調整して、上記各上部ブロック15を成形用の鋼板7の上側に配置するときの該各上部ブロック15の位置決めを自動化できる構成としてもよい。
その他、図1乃至図4(a)(b)、図5(a)(b)及び図6に示したものと同一のものには同一の符号が付してある。
以上の構成としてある本実施の形態の波形鋼板成形装置を用いて波形鋼板の成形を行う場合は、図1乃至図4(a)(b)の実施の形態における波形鋼板成形方法の手順と同様の手順において、上記各鋼板固定装置6にて、成形用の鋼板7を波形に成形するときに上側水平部aとするための2個所を下部ブロック12と上部ブロック15の間に挟持する場合の操作と、板曲げ装置2による上記鋼版7の曲げ加工後に上記各鋼板固定装置6による上記成形用の鋼板7の保持を解除する場合の操作を、該各鋼板固定装置6の各上部ブロック15に対応する上記各油圧ジャッキ51の伸長動作と収縮動作によって行わせるようにする。
その他の手順は、図1乃至図4(a)(b)で示したと同様の手順により実施すること
により、本実施の形態の波形鋼板成形装置によっても、図1乃至図4(a)(b)の波形鋼板成形装置と同様に、図10に示したと同様の波形鋼板の成形を実施することができる。よって、本実施の形態によっても、図1乃至図4(a)(b)の効果と同様の効果を得ることができる。
更に、上記各鋼板固定装置6は、図1、図2に示したような鋼板成形時送り方向(矢印x方向)に延びる昇降フレーム16と、ガイドレール17及びガイド金物18を省略した構成とすることができるため、該各鋼板固定装置6の構成を簡略化することができて、装置全体の構成をより単純化することが可能になる。
このように、板曲げ装置2を上記図5(a)(b)に示したと同様の構成とするようにし、且つ、上記各鋼板固定装置6を、図6に示したと同様の構成とするようにした図7(a)(b)に示す波形鋼板成形装置とする実施の形態によれば、図1乃至図4(a)(b)に示した実施の形態の波形鋼板成形装置に比して、波形鋼板の成形に要する力を軽減できると共に、装置構成をより単純化することが可能になる。
上記図1乃至図4(a)(b)、図5(a)(b)、図6、図7(a)(b)の各実施の形態は、いずれも、図10に示したと同様に上側水平部aと下側水平部eが平行になる形式の波形鋼板を成形する場合について示したが、本発明の波形鋼板成形方法及び装置は、図8(a)に示すように、全体形状が上方に湾曲する形式の波形鋼板や、図8(b)に示すように、全体形状が下方に湾曲する形式の波形鋼板の製造を行うようにすることができる。
図8(a)に示した如き全体形状が上方に湾曲する形式の波形鋼板を成形する場合は、図3(a)(b)、図5(a)に示す板曲げ装置2にて、下側水平部eの両側の第1と第2の各谷折り部d,fの屈曲角度が増加するように、該各谷折り部d,fの曲げ加工時のスプリングバック量を設定するか、又は、図4(a)(b)、図6に示す各鋼板固定装置6にて、上側水平部aの両側の第1と第2の各山折り部b,hの屈曲角度が減少するように、該各山折り部b,hの曲げ加工時のスプリングバック量を設定するようにすればよい。
一方、図8(b)に示した如き全体形状が下方に湾曲する形式の波形鋼板を成形する場合は、上記図8(a)の場合とは逆に、板曲げ装置2にて、下側水平部eの両側の第1と第2の各谷折り部d,fの屈曲角度が減少するように、該各谷折り部d,fの曲げ加工時のスプリングバック量を設定するか、又は、各鋼板固定装置6にて、上側水平部aの両側の第1と第2の各山折り部b,hの屈曲角度が増加するように、該各山折り部b,hの曲げ加工時のスプリングバック量を設定するようにすればよい。
更に、上記図1乃至図4(a)(b)、図5(a)(b)、図6、図7(a)(b)の各実施の形態に示す本発明の波形鋼板成形方法及び装置は、図9(a)に示す如き平面形状が扇面形状となる波形鋼板の成形に適用することができる。
かかる平面形状が扇面形状の波形鋼板を成形する場合は、たとえば、図9(b)に示すように本発明の波形鋼板成形装置における上記板曲げ装置2、及び、一対の鋼板固定装置6の平面形状を、いずれも鋼板成形時の送り方向と直交する方向の一端側に上底を、他端側に下底を有する台形状とすると共に、上記板曲げ装置2の両側に、各鋼板固定装置6を、所定の円弧に沿ってスライド可能に配置してなる構成として、予め平面形状が円弧状としてある成形用の鋼板7を、上記図1乃至図4(a)(b)、又は、図7(a)(b)に示したと同様の手順で曲げ加工を行うようにすればよい。
又、図示してないが、平面形状が扇面形状の波形鋼板を成形する別の手法としては、図1乃至図4(a)(b)、又は、図7(a)(b)に示した波形鋼板成形装置と同様の構成において、板曲げ装置2を、受け金物3の上面と、可動ブロック4の下面が、成形時鋼板送り方向に直交する方向の一端側から他端側に向けて下方へ傾斜するような構成としてもよい。なお、この場合、各鋼板固定装置6は、板曲げ装置2に近接離反する方向のスライドに加えて、該各鋼板固定装置6における成形時鋼板送り方向に直交する方向の一端側の端部よりも、他端側の端部の方が、上記板曲げ装置2に近接するような水平面内での回動を許容できる構成としてあるものとする。
上記構成によれば、成形用の鋼板7を曲げ加工するときに、成形時鋼板送り方向に直交する方向の一端側に位置する該成形用の鋼板7の幅方向一端側に形成される波形の深さよりも、成形時鋼板送り方向に直交する方向の他端側に位置する該成形用の鋼板7の幅方向他端側に形成される波形の深さの方が大きくなる。このため、波形の深さが大きい上記成形用の鋼板7の幅方向他端側は、幅方向一端側に比して、成形時鋼板送り方向の水平方向寸法が小さくなる。よって、上記成形用の鋼板7における上記波形が成形された個所は、該成形用の鋼板7の幅方向他端側へ湾曲するようになるため、最終的に平面形状が扇面形状の波形鋼板が形成されるようになる。
更には、本発明の波形鋼板の成形方法及び装置は、上記した平面形状が扇面形状の波形鋼板の成形手法と、図8(a)(b)に示したような全体形状が上方又は下方に湾曲する波形鋼板の成形手法とを組み合わせて、全体形状が略円錐台面の波形鋼板の成形を行う場合に適用してもよい。
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、上記実施の形態では、成形すべき波形鋼板を、図10に示したように上側水平部aと、下側水平部eと、両者を繋ぐ各斜面部c,gを、すべてほぼ同じ長さ寸法を備えてなる形状のものとして示したが、波形鋼板の使用目的に応じて、上記上側水平部aと、下側水平部eと、両者を繋ぐ各斜面部c,gの長さ寸法が異なる形状の波形鋼板の成形に適用してもよい。この場合、上記板曲げ装置2における受け金物3及び可動ブロック4の成形時鋼板送り方向(矢印x方向)に沿う方向の寸法と、板曲げ装置2と各鋼板固定装置6との間隔と、板曲げ装置2における可動ブロック4のストローク、及び、上記板曲げ装置2により曲げ加工を実施した成形用の鋼板7を次の曲げ加工を行うために成形時鋼板送り方向(矢印x方向)へ移動させるときの距離(送り量)を適宜設定するようにすればよい。
板曲げ装置2における可動ブロック4に設ける各上部曲げ金型8,24、及び、鋼板固定装置6の下部ブロック12に設ける下部曲げ金型19,36は、成形用の鋼板7に接触させる面の曲率を、成形すべき波形鋼板の各山折り部b,hと各谷折り部d,fに求められる曲率に応じて適宜変更してもよい。
図1乃至図4(a)(b)の実施の形態では、上記板曲げ装置2の可動ブロック4の上部曲げ金型8、及び、鋼板固定装置6の下部ブロック12の下部曲げ金型19は備えることが望ましいが、上記板曲げ装置2の可動ブロック4における成形すべき波形鋼板の各山折り部b,hと対応する端縁部と、鋼板固定装置6の下部ブロック12における成形すべき波形鋼板の各谷折り部d,fと対応する端縁部を、成形すべき波形鋼板の各山折り部b,hと各谷折り部d,fに求められる曲率に応じた円筒面形状として、曲げ金型を上記板曲げ装置2の可動ブロック4や、鋼板固定装置6の下部ブロック12に一体に組み込んでなる構成としてもよい。
又、板曲げ装置2の受け金物3に備える傾斜面部9(図3(a)参照)の傾斜角度や、上記受け金物3に設ける下部曲げ金型10(図3(b)参照)の位置と側面形状は適宜変更してもよい。
同様に、鋼板固定装置6の上部ブロック15に備える傾斜面部20(図4(a)参照)の傾斜角度や、上記上部ブロック15に設ける上部曲げ金型21(図4(b)参照)の位置と側面形状は適宜変更してもよい。
図7(a)(b)の実施の形態の波形鋼板成形装置は、板曲げ装置2を、図3(a)(b)に示したと同様の受け金物3と可動ブロック4を備えた形式の板曲げ装置2としてもよい。又、図7(a)(b)の実施の形態の波形鋼板成形装置は、鋼板保持装置6を、図4(a)(b)に示したと同様の下部ブロック12と上部ブロック15を備えた形式の鋼板保持装置6としてもよい。
本発明の波形鋼板成形方法及び装置は、成形用の鋼板7の曲げ加工によって成形するようにしてある波形鋼板であれば、波形鋼板ウェブ橋で箱桁のウェブとして使用する波形鋼板以外のいかなる波形鋼板の成形に適用してもよい。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
2 板曲げ装置
3 受け金物
4 可動ブロック
6 鋼板固定装置
7 成形用の鋼板
8 上部曲げ金型
12 下部ブロック
15 上部ブロック
22 ストッパー
23 弾性部材
24 上部曲げ金型
26 スプリングバック量調整部材
38a,38b 下部スプリングバック量調整部材
39a,39b 上部スプリングバック量調整部材
51 油圧ジャッキ(ジャッキ)

Claims (8)

  1. 成形用の鋼板を、固定式の受け金物と該受け金物の真上で上下動させる上部曲げ金型付きの可動ブロックとを備えた板曲げ装置の両側位置に該板曲げ装置に近接、離反する方向に移動可能に設けた一対の鋼板固定装置により、上記板曲げ装置の受け金物よりも高い位置で上下方向の変位を拘束した状態で保持させ、次いで、上記成形用の鋼板における上記一対の鋼板固定装置同士の中間となる個所を、上記板曲げ装置の可動ブロックにより押し下げて、上記成形用の鋼板の曲げ加工を行うことを特徴とする波形鋼板成形方法。
  2. 板曲げ装置による成形用の鋼板の曲げ加工を行うときに、該成形用の鋼板の曲げ加工に伴って板曲げ装置に近接する方向へ移動する各鋼板固定装置と、板曲げ装置と各鋼板固定装置の間に設けたストッパーとの間で、該ストッパーにおける各鋼板固定装置に臨む側面に取り付けてある弾性部材が圧縮方向に弾性変形されるようにして、該弾性変化された弾性部材の復元力を、上記各鋼板固定装置に対して板曲げ装置より離反する方向の力として作用させるようにする請求項1記載の波形鋼板成形方法。
  3. 板曲げ装置による成形用の鋼板の曲げ加工を行うときに、該成形用の鋼板における板曲げ装置の可動ブロックの上部曲げ金型に沿って曲げ加工される個所の中間部に、上記板曲げ装置の受け金物に高さ寸法を変更可能に設けたスプリングバック量調整部材を下方より押し当てるようにする請求項1記載の波形鋼板成形方法。
  4. 各鋼板固定装置に成形用の鋼板を保持させるときに、該成形用の鋼板を、上記各鋼板固定装置に備えた下部ブロックの上面と、上部ブロックの下面との間に挟んで保持させると共に、該成形用の鋼板における該下部ブロックと上部ブロックとの間に挟まれる領域に、該領域に対して板曲げ装置に近接する側から離反する側への下方傾斜の傾斜角度を調整するための上記下部ブロックの上面に設けた下部スプリングバック量調整部材及び上記上部ブロックの下面に設けた上部スプリングバック量調整部材を、上下両側から押し当てるようにする請求項1又は3記載の波形鋼板成形方法。
  5. 各鋼板固定装置に成形用の鋼板を保持させるときに、該成形用の鋼板を、上記各鋼板固定装置に板曲げ装置に近接、離反する方向に移動可能に備えた下部ブロックの上面と、該下部ブロックの上側で上記板曲げ装置に近接、離反する方向に揺動可能なジャッキにより昇降させる上部ブロックの下面との間に成形用の鋼板を挟持させるようにする請求項1、3又は4記載の波形鋼板成形方法。
  6. 固定式の受け金物と該受け金物の真上で上下動させる上部曲げ金型付きの可動ブロックとを備えた板曲げ装置を備え、且つ該板曲げ装置の両側位置に、成形用の鋼板を上記板曲げ装置の受け金物よりも高い位置で上下方向の変位を拘束した状態で保持する一対の鋼板固定装置を、上記板曲げ装置に近接、離反する方向に移動可能に設けた構成を有することを特徴とする波形鋼板成形装置。
  7. 板曲げ装置の受け金物の上面に、成形用の鋼板における可動ブロックの上部曲げ金型に沿って曲げ加工される個所の中間部に下方より押し当てるためのスプリングバック量調整部材を、高さ寸法を変更可能に設けた請求項6記載の波形鋼板成形装置。
  8. 各鋼板固定装置は、板曲げ装置に近接、離反する方向に移動可能な下部ブロックと、該下部ブロックの上側で上記板曲げ装置に近接、離反する方向に揺動可能なジャッキにより昇降させる上部ブロックを備えてなる構成とした請求項6又は7記載の波形鋼板成形装置。
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