JP2012132414A - 高圧ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧ポンプ内の燃料の温度上昇を抑制でき、高圧ポンプの吐出量制御への悪影響を抑制できるようにする。
【解決手段】高圧ポンプ1は、往復移動可能なプランジャ13と、このプランジャ13によって燃料が加圧される加圧室121および加圧室121の燃料が流通する燃料室16を有するハウジング11とを備える。また、プランジャ13を加圧室121の容積が増大する方向に付勢するスプリング19と、ハウジング11に固定され、スプリング19の一端が当接されるスプリングシート25とを備え、スプリングシート25の底部251とハウジング11との間には燃料が流通する通路107が設けられ、この通路107がハウジング11に形成された通路108を介して燃料室16に連通されており、スプリングシート25の底部251の通路107に臨む上面252は、断熱部材27によって覆われている。
【選択図】図3

Description

本発明は、高圧ポンプに関する。
高圧ポンプは、例えばディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関のインジェクタに燃料を供給するもので、往復移動可能なプランジャと、プランジャによって燃料が加圧される加圧室および加圧室の燃料が流通する燃料室を有するハウジングとを備えた構成とされている。このような高圧ポンプとして、プランジャの往復移動によって生じる燃料の圧力脈動を減衰するダンパ装置を備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載された高圧ポンプは、プランジャを加圧室の容積が増大する方向に付勢するスプリングと、ハウジングに固定され、スプリングの一端が当接されるスプリングシート(特許文献1ではオイルシールホルダ25)とを備えている。そして、スプリングシートの底部とハウジングとの間には、燃料が流通する空間(特許文献1では通路107)が設けられており、この空間がハウジングに形成された燃料通路(特許文献1では通路108)を介して燃料室に連通されている。
しかし、スプリングシートは、カム、スプリングなどを潤滑するエンジンオイルの熱を受けて高温となり、そのスプリングシートから上記空間を流通する燃料が受熱して、高圧ポンプ内の燃料の温度が全体的に高くなる可能性がある。そして、これに起因して、高圧ポンプ内にベーパが発生し、高圧ポンプの吐出量制御に悪影響を及ぼす可能性がある。特に、フューエルカット時や、エンジンが高負荷運転状態から停止されるなどしたとき(いわゆる高温デッドソーク時)などには、インジェクタへの燃料供給が停止され、高温となった燃料が高圧ポンプ内に留まるため、そのような問題が懸念される。
特開2010−185410号公報
本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、高圧ポンプ内の燃料の温度上昇を抑制でき、高圧ポンプの吐出量制御への悪影響を抑制できるようにすることを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、往復移動可能なプランジャと、このプランジャによって燃料が加圧される加圧室および加圧室の燃料が流通する燃料室を有するハウジングとを備えた高圧ポンプであって、上記プランジャを上記加圧室の容積が増大する方向に付勢するスプリングと、上記ハウジングに固定され、上記スプリングの一端が当接されるスプリングシートとを備え、上記スプリングシートの底部と上記ハウジングとの間には燃料が流通する空間が設けられ、この空間が上記ハウジングに形成された燃料通路を介して上記燃料室に連通されており、上記底部の上記空間に臨む面は、断熱部材によって覆われていることを特徴としている。
上記構成によれば、スプリングシートに設けた断熱部材によって、スプリングシートと上記空間を流通する燃料との熱交換が抑制されるので、上記空間を流通する燃料がスプリングシートから受ける受熱量を低減することができる。これにより、高圧ポンプ内の燃料の温度上昇を抑制することができるので、高圧ポンプ内のベーパの発生を抑制することができ、高圧ポンプの吐出量制御への悪影響を抑制することができる。
本発明において、上記スプリングシートの底部の内周縁から反加圧室側に延びる筒状の筒部と、上記ハウジングとの間にも、燃料が流通する環状の空間が設けられ、この環状の空間が上記空間に連通されており、上記筒部の内壁面のうち上記加圧室側の部分も、断熱部材によって覆われていることが好ましい。
上記構成によれば、スプリングシートに設けた断熱部材によって、スプリングシートと上記環状の空間を流通する燃料との熱交換も抑制されるので、上記環状の空間を流通する燃料がスプリングシートから受ける受熱量も低減することができる。これにより、高圧ポンプ内の燃料の温度上昇をさらに抑制することができる。その結果、高圧ポンプ内のベーパの発生をさらに抑制することができ、高圧ポンプの吐出量制御への悪影響をよりいっそう抑制することができる。
本発明において、上記断熱部材とスプリングシートとの間には、空気層が介在されていることが好ましい。
上記構成によれば、断熱部材とスプリングシートとが空気層を有する2重管構造とされるので、スプリングシートと上記空間を流通する燃料との熱交換を効果的に抑制できる。したがって、上記空間を流通する燃料がスプリングシートから受ける受熱量も効果的に低減することができる。これにより、高圧ポンプ内の燃料の温度上昇をさらに抑制することができ、高圧ポンプの吐出量制御への悪影響をよりいっそう抑制することができる。
ここで、上記断熱部材は、熱伝導率が低く且つ耐燃料性を有する材質によって形成されていることが好ましい。例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)によって断熱部材を形成すれば、断熱部材を安価に製造でき、スプリングシートへの断熱部材の装着を容易に行うことができる。
本発明によれば、スプリングシートに設けた断熱部材によって、スプリングシートと上記空間を流通する燃料との熱交換が抑制されるので、上記空間を流通する燃料がスプリングシートから受ける受熱量を低減することができる。これにより、高圧ポンプ内の燃料の温度上昇を抑制することができるので、高圧ポンプ内のベーパの発生を抑制することができ、高圧ポンプの吐出量制御への悪影響を抑制することができる。
実施形態に係る高圧ポンプの概略構成を示す断面図である。 図1の高圧ポンプのダンパ装置およびその周辺を示す断面図である。 図1の高圧ポンプのスプリングシートおよびその周辺を示す断面図である。 図1の高圧ポンプの効果を説明するための図である。 高圧ポンプの変形例を示す図3に対応する図である。
本発明を具体化した実施形態について添付図面を参照しながら説明する。以下では、本発明を車両の高圧ポンプに適用した実施形態について説明する。
図1に例示する高圧ポンプ1は、例えばディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどのエンジンのインジェクタに燃料を供給する燃料ポンプであって、例えば、エンジンのヘッドカバーに取り付けられる。高圧ポンプ1は、ハウジング11、プランジャ13、弁ボディ30、電磁駆動部70、ダンパ装置10、蓋部材12などを備えている。
ハウジング11は、例えばマルテンサイト系のステンレスなどによって形成されている。ハウジング11には、円筒状のシリンダ14が形成されている。このシリンダ14には、プランジャ13が軸方向へ往復移動可能に支持されている。また、ハウジング11には、導入通路111、吸入通路112、加圧室121、吐出通路114などが形成されている。
また、ハウジング11は、筒部15を有している。筒部15の内部には、導入通路111と吸入通路112とを連通する通路151が形成されている。筒部15は、シリンダ14の中心軸と略垂直に形成されており、内径が途中で変化している。筒部15の内径が変化する部分には、段差面152が形成されている。筒部15の通路151には、弁ボディ30が設けられている。
ハウジング11と蓋部材12との間には、燃料室16が形成されている。燃料室16には、図示しない燃料入口が形成され、この燃料入口は、図示しない低圧燃料配管と接続されている。燃料室16には、低圧燃料配管から燃料入口を通じて、図示しない低圧燃料ポンプによって燃料タンクの燃料が供給されるようになっている。導入通路111は、燃料室16と筒部15の通路151とを連通している。吸入通路112は、一方の端部が加圧室121に連通している。吸入通路112の他方の端部は、段差面152の内側に開口している。導入通路111と吸入通路112とは、弁ボディ30の内側を経由して接続されている。加圧室121は、吸入通路112とは反対側において吐出通路114と連通している。なお、実施形態では、これらの燃料通路を燃料通路100で示している。
プランジャ13は、ハウジング11のシリンダ14に軸方向へ往復移動可能に支持されている。プランジャ13は、小径部131と、この小径部131よりも径が大きい大径部133とからなる。大径部133は、小径部131の加圧室121側に接続されており、小径部131との間に段差面132が形成されている。加圧室121は、大径部133の反小径部131側に形成されている。プランジャ13の段差面132の反加圧室121側には、ハウジング11に接する略円環状のプランジャストッパ23が設けられている。
プランジャストッパ23は、加圧室121側の端面に、反加圧室121側へ略円板状に凹む凹部231と、この凹部231から径方向外側へプランジャストッパ23の外縁まで延びる溝路232とを有している。凹部231の径は、プランジャ13の大径部133の外径と略同一に形成されている。凹部231の中央部には、プランジャストッパ23を板厚方向に貫く孔233が形成されている。孔233には、プランジャ13の小径部131が挿通されている。また、加圧室121側の端面がハウジング11に接している。そして、プランジャ13の段差面132、小径部131の外壁、シリンダ14の内壁、プランジャストッパ23の凹部231、およびシール部材24によって、略円環状の可変容積室122が形成されている。
シリンダ14の反加圧室121側の端部の外側には、加圧室121側へ略円環状に凹む凹部105が形成されている。凹部105には、スプリングシート25が嵌め込まれている。この実施形態では、スプリングシート25は、シール部材24およびオイルシール26を支持するオイルシールホルダと一体的に形成されている。スプリングシート25は、ハウジング11に固定されている。スプリングシート25とプランジャストッパ23との間には、シール部材24が挟まれている。シール部材24は、内周側の例えばPTFE製のシールリングと、外周側のOリングとからなる。シール部材24は、小径部131の周囲の燃料油膜の厚さを調整し、プランジャ13の摺動によるエンジンへの燃料のリークを抑制する。スプリングシート25の反加圧室121側の端部には、オイルシール26が装着されている。オイルシール26は、小径部131の周囲のオイル油膜の厚さを規制し、プランジャ13の摺動によるオイルのリークを抑制する。
スプリングシート25とハウジング11との間には、環状の通路106および通路107が形成されている。通路107は、スプリングシート25の底部251と、ハウジング11との間に設けられた空間とされている。通路106は、スプリングシート25の底部251の内周縁から反加圧室121側(図1では下方)に延びる筒状の内筒部254と、ハウジング11との間に設けられた環状の空間とされている。なお、スプリングシート25の底部251の外周縁から反加圧室121側に延びる筒状の外筒部255は、ハウジング11に密着されている。
そして、これらの通路106と通路107とは互いに連通されている。また、ハウジング11には、通路107と燃料室16とを連通する通路108が形成されている。通路106とプランジャストッパ23の溝路232とは互いに連通されている。このように、溝路232、通路106、通路107、および通路108がそれぞれ互いに連通されることによって、可変容積室122は、燃料室16に連通されている。
プランジャ13の小径部131の反大径部133側には、ヘッド17が設けられており、このヘッド17は、スプリングシート18と結合されている。スプリングシート18,25との間には、スプリング19が圧縮状態で設けられている。つまり、スプリング19の一方の端部(加圧室121側の端部)がハウジング11に固定されたスプリングシート25の底部251に接し、他方の端部がヘッド17と結合されたスプリングシート18に接している。プランジャ13は、図示しないタペットを介してカムと接することにより、往復駆動されるが、スプリング19の弾性力によって、スプリングシート18を介してタペットがカム側(図1では下方)へ付勢されている。つまり、スプリング19は、プランジャ13を加圧室121の容積が増大する方向に付勢している。
可変容積室122は、プランジャ13の往復移動に応じて容積が変化する。調量行程または加圧行程でプランジャ13の移動により加圧室121の容積が減少するとき、可変容積室122の容積が増大することによって、燃料通路100に接続する燃料室16から、通路108、通路107、通路106、および溝路232を通じて、可変容積室122に燃料が吸入される。また、調量行程においては、加圧室121から排出された低圧の燃料の一部を可変容積室122に吸入することができる。これにより、加圧室121からの燃料の排出による低圧燃料配管への燃圧脈動の伝達を抑制することができる。
一方、吸入行程でプランジャ13の移動により加圧室121の容積が増大するとき、可変容積室122の容積が減少することによって、可変容積室122から燃料が燃料室16へ送り出される。ここで、加圧室121の容積および可変容積室122の容積は、プランジャ13の位置のみによって決定される。このため、加圧室121へ燃料が吸入されると同時に、可変容積室122から燃料が燃料室16へ送り出されるので、燃料室16の圧力低下が抑制され、燃料通路100を通じて加圧室121へ吸入される燃料の量が増大する。これにより、加圧室121への燃料の吸入効率が向上する。
ハウジング11の吐出通路114側には、燃料出口91を形成する吐出弁部90が設けられている。吐出弁部90によって、加圧室121において加圧された燃料の排出が断続されるようになっている。吐出弁部90は、逆止弁92と規制部材93とスプリング94とを有している。逆止弁92は、底部921と、この底部921から反加圧室121側へ筒状に延びる筒部922とから有底筒状に形成され、吐出通路114内に往復移動可能に設けられている。規制部材93は、筒状に形成され、吐出通路114を形成するハウジング11に固定されている。スプリング94の一方の端部が規制部材93に接し、他方の端部が逆止弁92の筒部922に接している。逆止弁92は、スプリング94の弾性力により、ハウジング11に設けられた弁座95側へ付勢されている。逆止弁92の底部921側の端部が弁座95に着座することによって吐出通路114が閉鎖され、その端部が弁座95から離座することによって吐出通路114が開放される。逆止弁92が弁座95とは反対側へ移動したとき、筒部922の反底部921側の端部が規制部材93と接することによって逆止弁92の移動が規制される。
加圧室121の燃料の圧力が上昇すると、加圧室121側の燃料から逆止弁92が受ける力は増大する。そして、加圧室121側の燃料から逆止弁92が受ける力がスプリング94の弾性力と、弁座95の下流側の燃料、つまり、図示しないデリバリパイプ内の燃料から受ける力との和よりも大きくなると、逆止弁92は弁座95から離座する。これにより、加圧室121内の燃料は、逆止弁92の筒部922に形成された通孔923および筒部922の内側を経由して燃料出口91から高圧ポンプ1の外部へ吐出される。
一方、加圧室121の燃料の圧力が低下すると、加圧室121側の燃料から逆止弁92が受ける力は減少する。そして、加圧室121側の燃料から逆止弁92が受ける力がスプリング94の弾性力と、弁座95の下流側の燃料から受ける力との和よりも小さくなると、逆止弁92は弁座95に着座する。これにより、デリバリパイプ内の燃料が吐出通路114を経由して加圧室121へ流入することが防止される。
弁ボディ30は、ハウジング11の通路151内に圧入され、係止部材20などにより通路151の内側に固定されている。弁ボディ30は、略環状の弁座部31と、この弁座部31から加圧室121側へ筒状に延びる筒部32とを有している。弁座部31の加圧室121側の壁面には、円環状の弁座34が形成されている。
弁部材35は、弁ボディ30の筒部32の内側に設けられている。弁部材35は、略円板状の円板部36と、この円板部36の外縁から加圧室121側へ中空円筒状に延びるガイド部37とを有する。円板部36の弁座34側の端部には、反弁座34側へ略円板状に凹む凹部39が形成されている。凹部39を形成する弁部材35の内周壁は、加圧室121へ向かうに従い径が小さくなるテーパ状に形成されている。弁ボディ30の筒部32の内壁と、円板部36およびガイド部37の外壁との間には、環状の環状燃料通路101が形成されている。弁部材35の往復移動により円板部36が弁座34に着座または弁座34から離座することによって、燃料通路100を流通する燃料の流れが断続される。凹部39は、通路151から環状燃料通路101へ流れる燃料の動圧を受ける。ストッパ40は、弁部材35の加圧室121側に設けられており、弁ボディ30の筒部32の内壁に固定されている。
弁部材35のガイド部37の内径は、ストッパ40の弁部材35側の端部よりも僅かに大きく設定されている。このため、弁部材35が開弁方向または閉弁方向へ往復移動するとき、ガイド部37の内壁がストッパ40の外壁と摺動する。これにより、弁部材35の開弁方向または閉弁方向への往復移動が案内される。
ストッパ40と弁部材35との間には、スプリング21が設けられている。スプリング21は、弁部材35のガイド部37およびストッパ40の内側に位置するように設けられている。スプリング21の一方の端部がストッパ40の内壁に接し、他方の端部が弁部材35の円板部36に接している。弁部材35は、スプリング21の弾性力によって、反ストッパ40側すなわち閉弁方向へ付勢されている。
弁部材35のガイド部37の加圧室121側の端部は、ストッパ40の外壁に設けられた段差面501に当接可能となっている。弁部材35が段差面501に当接したとき、ストッパ40によって、弁部材35の加圧室121側すなわち開弁方向への移動が規制される。ストッパ40は、加圧室121側から見たとき、弁部材35の加圧室121側の壁面を隠すように覆っている。これにより、調量工程での加圧室121側から弁部材35側へ向かう低圧の燃料の流れが弁部材35へ及ぼす動圧の影響が抑制される。
ストッパ40と弁部材35との間には、容積室41が形成されている。容積室41は、弁部材35の往復移動により容積が変化する。また、ストッパ40には、容積室41と環状燃料通路101とを連通する管路42が形成されている。このため、通路102の燃料が、容積室41に流入可能となっている。ストッパ40には、このストッパ40の軸に対して傾斜する通路102が形成され、通路102は、環状燃料通路101と吸入通路112とを連通している。通路102は、ストッパ40の周方向に複数形成されている。
なお、上述した燃料通路100は、環状燃料通路101および通路102も含んでいる。このため、燃料室16と加圧室121との間が燃料通路100によって連通される。そして、燃料が燃料室16側から加圧室121側へ向かうとき、燃料は、導入通路111、通路151、環状燃料通路101、通路102、および吸入通路112の順で流通する。一方、燃料が加圧室121側から燃料室16側へ向かうとき、燃料は、吸入通路112、通路102、環状燃料通路101、通路151、および導入通路111の順で流通する。
電磁駆動部70は、コイル71、固定コア72、可動コア73、フランジ75などを有している。コイル71は、樹脂製のスプール78に巻かれており、通電することにより磁界を発生する。固定コア72は、磁性材料によって形成されている。固定コア72は、コイル71の内側に収容されている。可動コア73は、磁性材料によって形成されている。可動コア73は、固定コア72と対向して配置されている。可動コア73は、筒部材79およびフランジ75の内側に軸方向へ往復移動可能に収容されている。筒部材79は、非磁性材料によって形成され、筒部材79によって固定コア72とフランジ75との間の磁気的な短絡が防止される。
フランジ75は、磁性材料によって形成され、ハウジング11の筒部15に取り付けられている。フランジ75は、電磁駆動部70をハウジング11に保持するとともに、筒部15の端部を塞いでいる。フランジ75の中央部には、筒状に形成されたガイド筒76が設けられている。
ニードル38は、略円柱状に形成され、フランジ75のガイド筒76の内側に設けられている。ガイド筒76の内径は、ニードル38の外径よりも僅かに大きく形成されている。このため、ニードル38は、ガイド筒76の内壁に摺動しながら往復移動する。これにより、ニードル38の往復移動が、ガイド筒76によって案内される。
ニードル38は、一方の端部が可動コア73に圧入または溶接されることによって可動コア73に一体に組み付けられている。また、ニードル38の他方の端部は、弁部材35の円板部36の弁座34側の壁面に当接可能となっている。固定コア72と可動コア73との間には、スプリング22が設けられている。可動コア73は、スプリング22の弾性力によって、弁部材35側へ付勢されている。可動コア73を付勢するスプリング22の弾性力は、弁部材35を付勢するスプリング21が弾性力よりも大きくなっている。すなわち、スプリング22は、可動コア73およびニードル38をスプリング21の弾性力に抗して弁部材35側すなわち弁部材35の開弁方向へ付勢している。これにより、コイル71に通電していないとき、固定コア72と可動コア73とは互いに離れている。このため、コイル71に通電していないとき、可動コア73と一体のニードル38は、スプリング22の弾性力により弁部材35側へ移動するとともに、弁部材35は、弁ボディ30の弁座34から離座している。このように、ニードル38は、スプリング22の弾性力により円板部36に当接し、弁部材35を開弁方向へ押圧可能となっている。
次に、ダンパ装置10について説明する。
ハウジング11は、加圧室121のプランジャ13とは反対側に有底筒状のダンパハウジング110を有している。ダンパハウジング110の内側には、燃料室16が形成されている。燃料室16は、プランジャ13と略同軸上に設けられている。蓋部材12は、例えば、ステンレス等によって有底筒状に形成されている。蓋部材12は、開口側の端部がダンパハウジング110の外壁に溶接等によって接合され、燃料室16の開口7を塞いでいる。燃料室16には、導入通路111、通路108、および図示しない低圧燃料配管が接続されている。このため、燃料室16は、加圧室121、可変容積室122、および燃料タンクの燃料を汲み上げる図示しない低圧燃料ポンプと連通している。
ダンパ装置10は、図2に示すように、ダンパ部材としてのパルセーションダンパ50、上支持部材61、下支持部材62、押圧手段80等を備えている。パルセーションダンパ50は、上ダイアフラム51と下ダイアフラム52とを有している。上ダイアフラム51および下ダイアフラム52は、例えばステンレスなどの金属板をプレス加工することによって皿状に形成されている。上ダイアフラム51は、その中央部に設けられた弾性変形可能な皿状凹面53と、この皿状凹面53の周縁に一体に設けられた薄板環状の上周縁部55とを有している。下ダイアフラム52も、上ダイアフラム51と同様に、皿状凹面54と下周縁部56とを有している。
上周縁部55の上周縁部55と、下周縁部56の下周縁部56とは、周方向に亘って全周が溶接されており、溶接部57が形成されている。これにより、上ダイアフラム51と下ダイアフラム52との間には気密室3が形成される。気密室3には、例えばヘリウムガス、またはアルゴンガス、あるいはこれらの混合気体が所定圧で封入されている。上ダイアフラム51と下ダイアフラム52とは、燃料室16の圧力変化に応じて弾性変形する。これにより、気密室3の容積が変化し、燃料室16を流通する燃料の圧力脈動が低減されるようになっている。なお、上ダイアフラム51および下ダイアフラム52の板厚、材料、気密室3の気体封入圧等を要求される耐久性あるいはその他の要求性能に応じて設定することにより、上ダイアフラム51および下ダイアフラム52のばね定数が設定される。そして、このばね定数により、パルセーションダンパ50が低減可能な脈動周波数が決定される。また、気密室3の容積の大きさにより、パルセーションダンパ50の脈動低減効果が変化する。
上支持部材61と下支持部材62とは、例えばステンレスなどの金属板をプレス加工または曲げ加工することによって略筒状に形成されている。上支持部材61は、筒部613、内側フランジ611、外側フランジ612、および爪部65を有している。筒部613は、筒状に形成され、複数の上連通孔63を有している。内側フランジ611は、筒部613の軸方向の一端から内側に環状に延び、上支持部材61の軸に対して垂直に形成されている。外側フランジ612は、筒部613の軸方向の他端から外側に環状に延び、上支持部材61の一端側に傾斜するように曲折されている。爪部65は、外側フランジ612の外側の端部からさらに外側へ延び、その先端が上支持部材61の一端とは反対側に曲折されている。
下支持部材62は、筒部623、内側フランジ621、外側フランジ622、および爪部66を有している。筒部623は、筒状に形成され、複数の下連通孔64を有している。内側フランジ621は、筒部623の軸方向の一端から内側に環状に延び、下支持部材62の軸に対して垂直に形成されている。外側フランジ622は、筒部623の軸方向の他端から外側に環状に延び、下支持部材62の一端側に傾斜するように曲折されている。爪部66は、外側フランジ622の外側の端部からさらに外側へ延び、先端が下支持部材62の一端とは反対側に曲折されている。
爪部65、66によって、上ダイアフラム51と下ダイアフラム52との溶接部57が係止されている。このため、上支持部材61、下支持部材62、およびパルセーションダンパ50の径方向の相対移動が規制される。上支持部材61の外側フランジ612と、上ダイアフラム51の上周縁部55とは、周方向に亘って当接されており、上当接部8が形成されている。下支持部材62の外側フランジ622と、下ダイアフラム52の下周縁部56とは、周方向に亘って当接されており、下当接部9が形成されている。
ダンパハウジング110の蓋部材12とは反対側の内壁には、加圧室121側に凹む筒状の凹部2が設けられている。下支持部材62の内側フランジ621は、凹部2に嵌め込まれている。このため、上支持部材61、下支持部材62、およびパルセーションダンパ50は、燃料室16内で径方向の移動が規制される。これにより、ダンパハウジング110の内壁と、上支持部材61の外壁および下支持部材62の外壁との間に外側空間4が形成される。外側空間4は、上支持部材61および下支持部材62の外側を取り巻いて形成される。
上支持部材61の内側には内側空間5が形成されている。下支持部材62の内側には内側空間6が形成されている。内側空間5と内側空間6とは、パルセーションダンパ50によって仕切られている。しかし、外側空間4の燃料と上支持部材61の内側空間5の燃料とは上連通孔63を経由して流通し、外側空間4の燃料と下支持部材62の内側空間6の燃料とは下連通孔64を経由して流通する。
押圧手段80は、押圧伝達部材82と、弾性部材としての皿ばね81とを有している。押圧伝達部材82は、例えばステンレス等によって環状に形成され、上支持部材61の蓋部材12側に設けられている。押圧伝達部材82は、環状部84と凸部83とを有している。環状部84の軸方向の上支持部材61側の面は、環状部84の軸に対して垂直に形成されている。このため、環状部84と上支持部材61の内側フランジ611とは、周方向に亘って面接触している。これにより、皿ばね81の弾性力は、押圧伝達部材82に略均等に作用する。環状部84の外壁は、ダンパハウジング110の内壁に案内されている。このため、押圧伝達部材82は、燃料室16内で径方向の移動が規制される。凸部83は、環状部84の内側の端部で蓋部材12側へ突出して設けられている。このため、凸部83の外壁と環状部84の軸方向の蓋部材12側の面とに段差が設けられる。この段差に隣接して形成される環状部84の蓋部材12側の面が、皿ばね81を係止する係止部85となる。
皿ばね81は、例えばステンレス等から環状に形成される。皿ばね81の一端が蓋部材12に当接している。皿ばね81の他端は、係止部85の周方向に亘って当接している。皿ばね81は、係止部85側の径が蓋部材12側の径より小さい。このため、皿ばね81の他端は、凸部83の外壁に案内される。これにより、皿ばね81は、押圧伝達部材82に対し径方向の移動が規制される。皿ばね81の弾性力は、押圧伝達部材82によって上支持部材61および下支持部材62に伝えられ、上当接部8および下当接部9に作用するようになっている。そして、上支持部材61は上当接部8において上周縁部55を押圧し、下支持部材62は下当接部9において下周縁部56を押圧するようになっている。
次に、上記構成の高圧ポンプ1の動作について説明する。
高圧ポンプ1は、以下に述べる吸入行程、調量行程、および加圧行程を繰り返すことにより、吸入した燃料を加圧して吐出する。燃料の吐出量は、電磁駆動部70のコイル71への通電タイミングを制御することにより調節されるようになっている。吸入行程、調量行程、および加圧行程について、具体的に説明する。
(1)吸入行程
プランジャ13が図1の下方へ移動するとき、コイル71への通電は停止されている。このため、弁部材35は、スプリング22の弾性力を受けている可動コア73と一体のニードル38により加圧室121側へ付勢されている。その結果、弁部材35は、弁ボディ30の弁座34から離座している。また、プランジャ13が図1の下方へ移動するとき、加圧室121の圧力は低下する。このため、弁部材35が反加圧室121側の燃料から受ける力は、加圧室121側の燃料から受ける力よりも大きくなる。これにより、弁部材35には弁座34から離座する方向へ力が加わり、弁部材35は弁座34から離座する。弁部材35は、ガイド部37がストッパ40の段差面501に当接するまで移動する。弁部材35が弁座34から離座、つまり、開弁することにより、燃料室16の燃料は、導入通路111、通路151、環状燃料通路101、通路102、および吸入通路112を経由して加圧室121に吸入される。また、このとき、通路102の燃料は、管路42を通じて容積室41へ流入可能となっている。このため、容積室41の圧力は、通路102の圧力と同等になる。
(2)調量行程
プランジャ13が下死点から上死点に向かって上昇するとき、加圧室121から燃料室16側へ排出される低圧の燃料の流れにより、弁部材35には加圧室121側の燃料から弁座34に着座する方向へ力が加わる。しかし、コイル71に通電していないとき、ニードル38は、スプリング22の弾性力により弁部材35側へ付勢されている。このため、弁部材35は、ニードル38によって弁座34側への移動が規制される。また、弁部材35の加圧室121側の壁面は、ストッパ40によって覆われている。これにより、加圧室121から燃料室16側へ排出される燃料の流れによる動圧が、弁部材35に直接作用することが抑制される。このため、燃料の流れにより弁部材35に加わる閉弁方向への力が緩和される。
調量行程においては、コイル71への通電が停止されている間、弁部材35は弁座34から離座し、段差面501に当接した状態を維持する。これにより、プランジャ13の上昇によって加圧室121から排出される燃料は、燃料室16から加圧室121へ吸入される場合と逆に、吸入通路112、通路102、環状燃料通路101、通路151、および導入通路111を経由して燃料室16へ戻される。
調量行程の途中にコイル71へ通電すると、コイル71に発生した磁界により、固定コア72、フランジ75、および可動コア73に磁気回路が形成される。これにより、互いに離間している固定コア72と可動コア73との間には磁気吸引力が発生する。固定コア72と可動コア73との間に発生する磁気吸引力がスプリング22の弾性力よりも大きくなると、可動コア73は固定コア72側へ移動する。このため、可動コア73と一体のニードル38も、固定コア72側へ移動する。ニードル38が固定コア72側へ移動すると、弁部材35とニードル38とは離間し、弁部材35はニードル38から力を受けなくなる。その結果、弁部材35は、スプリング21の弾性力、および加圧室121から燃料室16側へ排出される低圧の燃料の流れにより弁部材35に加わる閉弁方向の力によって弁座34側へ移動する。これにより、弁部材35が弁座34に着座する。弁部材35が閉弁することにより、燃料通路100を流通する燃料の流れが遮断される。これにより、加圧室121から燃料室16へ低圧の燃料を排出する調量行程は終了する。プランジャ13が上昇するとき、加圧室121と燃料室16との間を閉鎖することにより、加圧室121から燃料室16へ戻される低圧の燃料の量が調整される。その結果、加圧室121で加圧される燃料の量が決定される。
(3)加圧行程
加圧室121と燃料室16との間が閉鎖された状態でプランジャ13がさらに上死点に向けて上昇すると、加圧室121の燃料の圧力は上昇する。加圧室121の燃料の圧力が所定の圧力以上になると、吐出弁部90のスプリング94の弾性力と弁座95の下流側の燃料から逆止弁92が受ける力とに抗して、逆止弁92は弁座95から離座する。これにより、吐出弁部90が開弁し、加圧室121で加圧された燃料は吐出通路114を通り高圧ポンプ1から吐出される。高圧ポンプ1から吐出された燃料は、図示しないデリバリパイプに供給されて蓄圧され、インジェクタに供給される。
プランジャ13が上死点まで移動すると、コイル71への通電が停止され、弁部材35は再び弁座34から離座する。このとき、プランジャ13は再び図1の下方へ移動し、加圧室121の燃料の圧力は低下する。これにより、加圧室121には燃料室16から燃料が吸入される。
なお、弁部材35が閉弁し、加圧室121の燃料の圧力が所定値まで上昇したとき、コイル71への通電を停止してもよい。加圧室121の燃料の圧力が上昇すると、弁部材35が弁座34から離座する方向へ受ける力よりも、加圧室121側の燃料によって弁座34へ着座する方向へ受ける力が大きくなる。このため、コイル71への通電を停止しても、弁部材35は加圧室121側の燃料から受ける力によって弁座34への着座状態を維持する。このように、所定の時期にコイル71への通電を停止することにより、電磁駆動部70の消費電力を低減することができる。
この実施形態では、上記構成の高圧ポンプ1において、図3に示すように、スプリングシート25の上部に断熱部材27が被せられている。そして、スプリングシート25の底部251の通路107に臨む上面252が、断熱部材27によって覆われている。上面252は、スプリングシート25の底部251のスプリング19が当接する当接面253とは反対側の面となっている。また、スプリングシート25の内筒部254の内壁面256の上部(加圧室121側の部分)も、断熱部材27によって覆われている。
断熱部材27は、PTFEによって形成されている。この場合、断熱部材27は、底部251の上面252の全部と、内筒部254の内壁面256の上部と、外筒部255の外壁面257の上部とを覆うように貼り付けられている。断熱部材27の材質をPTFEとすることで、断熱部材27を安価に製造でき、スプリングシート25への断熱部材27の装着を容易に行うことがでる。なお、断熱部材27の材質は、PTFEに限らず、スプリングシート25よりも熱伝導率が低く、且つ、耐燃料性に優れた樹脂、金属等であってもよい。
この実施形態によれば、スプリングシート25に断熱部材27を設けることによって、通路106,107を流通する燃料がスプリングシート25から受ける受熱量が低減される。この点について詳しく説明すると、スプリングシート25は、カム、スプリング19などを潤滑するエンジンオイルの熱を受けて高温となり、そのスプリングシート25から通路106,107を流通する燃料が受熱して、高圧ポンプ1内の燃料の高温となる可能性がある。そして、これに起因して、高圧ポンプ1内にベーパが発生し、高圧ポンプ1の吐出量制御に悪影響を及ぼす可能性がある。
しかし、この実施形態では、スプリングシート25に設けた断熱部材27によって、スプリングシート25と通路106,107を流通する燃料との熱交換が抑制されるので、通路106,107を流通する燃料がスプリングシート25から受ける受熱量を低減することができる。そして、フューエルカット時、高温デッドソーク時などにも、例えば、図4に示すように、高圧ポンプ1内の燃料が過度に高温となるとなることを避けることができる。
図4では、縦軸は、高圧ポンプ1内の燃料の温度であり、横軸は、フューエルカット開始または高温デッドソーク開始からの経過時間である。また、実線は、断熱部材27を設けた場合の高圧ポンプ1内の燃料の温度変化を示し、破線は、断熱部材27を設けない場合の高圧ポンプ1内の燃料の温度変化を示し、2点鎖線は、エンジンオイルの温度変化を示している。図4から分かるように、断熱部材27を設けた場合には、設けない場合に比べて、フューエルカット開始時または高温デッドソーク開始時、高圧ポンプ1内の燃料の温度を低下させることができ、その燃料の温度上昇も緩やかになる。しかも、高圧ポンプ1内の燃料の温度がサチュレートする温度も低下させることができる。
このように、スプリングシート25に断熱部材27を設けることによって、高圧ポンプ1内の燃料の温度上昇を抑制することができるので、高圧ポンプ1内のベーパの発生を抑制することができ、高圧ポンプ1の吐出量制御への悪影響を抑制することができる。
なお、上記実施形態では、内筒部254の内壁面256のうち上部だけを断熱部材27により覆う構成としたが、内筒部254の内壁面256の全部を断熱部材27によって覆う構成としてもよい。
また、図5に示すように、断熱部材28とスプリングシート25との間に空気層29を介在させる構成としてもよい。具体的には、蓋状に形成された断熱部材28がスプリングシート25の上部に被せられている。そして、スプリングシート25の底部251の上面252と、断熱部材28の底面281との間に隙間が設けられており、この隙間に封入された空気によって空気層29が形成されている。
この構成によれば、断熱部材28とスプリングシート25とが空気層29を有する2重管構造とされるので、スプリングシート25と通路107を流通する燃料との熱交換を効果的に抑制できる。したがって、通路107を流通する燃料がスプリングシート25から受ける受熱量も効果的に低減することができる。これにより、高圧ポンプ1内の燃料の温度上昇をさらに抑制することができ、高圧ポンプ1の吐出量制御への悪影響をよりいっそう抑制することができる。
上記実施形態では、オイルシールホルダと一体のスプリングシート25を備える高圧ポンプ1に本発明を適用した例を挙げたが、オイルシールホルダとは別体のスプリングシートを備える高圧ポンプにも本発明は適用可能である。また、本発明は、プランジャ13とシリンダ14との間隙から漏出した燃料を低圧燃料配管あるいは燃料タンクへ戻すリターン配管を備える高圧ポンプにも適用可能である。
本発明は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関のインジェクタに燃料を供給する高圧ポンプに利用可能である。
1 高圧ポンプ
11 ハウジング
13 プランジャ
16 燃料室
19 スプリング
25 スプリングシート
27 断熱部材
106 通路(環状の空間)
107 通路(空間)
108 通路(燃料通路)
121 加圧室
251 底部
252 上面
254 内筒部
256 内壁面

Claims (4)

  1. 往復移動可能なプランジャと、このプランジャによって燃料が加圧される加圧室および加圧室の燃料が流通する燃料室を有するハウジングとを備えた高圧ポンプにおいて、
    上記プランジャを上記加圧室の容積が増大する方向に付勢するスプリングと、
    上記ハウジングに固定され、上記スプリングの一端が当接されるスプリングシートとを備え、
    上記スプリングシートの底部と上記ハウジングとの間には燃料が流通する空間が設けられ、この空間が上記ハウジングに形成された燃料通路を介して上記燃料室に連通されており、
    上記底部の上記空間に臨む面は、断熱部材によって覆われていることを特徴とする高圧ポンプ。
  2. 請求項1に記載の高圧ポンプにおいて、
    上記スプリングシートの底部の内周縁から反加圧室側に延びる筒状の筒部と、上記ハウジングとの間には、燃料が流通する環状の空間が設けられ、この環状の空間が上記空間に連通されており、
    上記筒部の内壁面のうち上記加圧室側の部分も、断熱部材によって覆われていることを特徴とする高圧ポンプ。
  3. 請求項1または2に記載の高圧ポンプにおいて、
    上記断熱部材とスプリングシートとの間には、空気層が介在されていることを特徴とする高圧ポンプ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の高圧ポンプにおいて、
    上記断熱部材は、熱伝導率が低く且つ耐燃料性を有する材質によって形成されていることを特徴とする高圧ポンプ。
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