JP5664604B2 - 高圧ポンプ - Google Patents

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本発明は、高圧ポンプに関する。
従来、燃料タンクから低圧ポンプで汲み上げた燃料を加圧し、内燃機関へ供給する高圧ポンプが知られている。高圧ポンプは、燃料が加圧される加圧室に連通する燃料室の圧力脈動を低減するパルセーションダンパを備えている。パルセーションダンパは、2枚のダイアフラムの周縁部が溶接され、内側に大気圧以上の気体が密封されている。燃料室の圧力変化に応じて2枚のダイアフラムが変位することで、燃料室の容積が変化し、燃料の圧力脈動が減衰される。
特許文献1のパルセーションダンパは、それを構成するダイアフラムの周縁部が上支持部材と下支持部材によって挟まれ、燃料室に取り付けられている。これにより、パルセーションダンパは、燃料室の圧力脈動によって、2枚のダイアフラムの周縁部が互いに離れる方向へ変位することが抑制される。
特許第423567号公報
しかしながら、特許文献1では、以下の(1)、(2)、(3)の問題が生じるおそれがある。
(1)上支持部材および下支持部材は、ダイアフラムの変位による応力が周縁部を接合する溶接に作用しないようにするため、ダイアフラムの周縁部に当接する端面を、周縁部に対して平行に形成しなければならない。そのため、上支持部材および下支持部材の加工コストが増加する。
(2)上支持部材および下支持部材は、ダイアフラムの変位による応力が周縁部の溶接に作用しないようにするため、ダイアフラムの周縁部の全周を同じ荷重で押さえなければならない。そのため、上支持部材および下支持部材は、燃料室の内壁に当接する端面とダイアフラムの周縁部に当接する端面とを接続する円錐状の部分の面積を大きくしている。そのため、上支持部材および下支持部材によって、燃料室の燃料の流れが妨げられる。
(3)ダイアフラムに対し捩る応力が作用しないようにするため、上支持部材の中心と下支持部材の中心とを合わせて組み付けなければならない。そのため、上支持部材と下支持部材の加工精度および組付精度を高めなければならず、製造コストが増加する。また、上支持部材と下支持部材をプレスで成形する場合、上支持部材の中心と下支持部材の中心とが一致するように製造上の公差を小さくするのは困難である。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、燃料室にパルセーションダンパを簡素な構成で取り付け可能な高圧ポンプを提供することを目的とする。
本発明によると、パルセーションダンパ本体を備えた高圧ポンプにおいて、パルセーションダンパ本体の周縁部に接合する上環状部から上ダイアフラムに沿って平面状に上カバー部が延び、その上カバー部からパルセーションダンパ本体の径外方向且つ蓋部材側へ延びる上支持体が蓋部材に当接し、周縁部に接合する下環状部から延びる下支持体がポンプボディに当接することを特徴とする。
これにより、上環状部および下環状部によって、ダイアフラムの変位による応力が周縁部の溶接に作用することが防がれる。そのため、上環状部から上ダイアフラムに沿って平面状に延びる上カバー部を経由してその上カバー部から径外方向且つ蓋部材側へ延びる上支持体を蓋部材に当接させ、下環状部から延びる下支持体をポンプボディに当接させれば、パルセーションダンパを燃料室に取り付け可能である。したがって、支持体の体格を小さくし、燃料室の燃料流れを良好にすると共に、簡素な構成でパルセーションダンパを燃料室に取り付けることができる。
また、上環状部、上ダイアフラムの周縁部、下ダイアフラムの周縁部および下環状部は、平行に形成され、それらすべてが周方向に連続して溶接接合されている。
本発明の第1実施形態による高圧ポンプの断面図。 図1のII−II線の断面図。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの要部拡大断面図。 (A)は、本発明の第1実施形態による高圧ポンプの備えるパルセーションダンパが燃料室に取り付け前の状態の平面図。(B)は、(A)のIVB−IVB線の断面図。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの備えるパルセーションダンパの拡大断面図。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプのダイアフラム本体の変位を示すグラフ。(B)はダイアフラム本体に生じる応力を示すグラフ。 本発明の第2実施形態による高圧ポンプの要部拡大断面図。 本発明の第3実施形態による高圧ポンプの要部拡大断面図。 (A)は、本発明の第4実施形態による高圧ポンプの備えるパルセーションダンパの平面図。(B)は、(A)のIXB−IXB線の断面図。(C)は、(B)のIXC方向の矢視図であり、パルセーションダンパの底面図。 本発明の第5実施形態による高圧ポンプの要部拡大断面図。 本発明の第6実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第6実施形態による高圧ポンプの要部拡大断面図。 本発明の第7実施形態による高圧ポンプの要部拡大断面図。 本発明の第8実施形態による高圧ポンプの要部拡大断面図。 本発明の第9実施形態による高圧ポンプの要部拡大断面図。 図15のXVI方向の矢視図であって、パルセーションダンパのみの平面図。 本発明の第10実施形態によるパルセーションダンパのみの平面図。 本発明の第11実施形態による高圧ポンプの要部拡大断面図。 本発明の第12実施形態によるパルセーションダンパのみの底面図。 図19のXX−XX線の断面図。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による高圧ポンプ1を図1〜図6に示す。高圧ポンプ1は、図示しない燃料タンクから低圧ポンプにより汲み上げられた燃料を加圧し、図示しない燃料レールへ圧送する。燃料レールには、内燃機関の気筒に燃料を噴射するインジェクタが接続されている。
以下、図1の上側を「上」、図1の下側を「下」として説明する。ただし、高圧ポンプの設置される方向を制限するものではない。
高圧ポンプ1は、図1および図2に示すように、プランジャ10、シリンダ部11、ポンプボディとしての上ポンプボディ20および下ポンプボディ21、蓋部材60並びにパルセーションダンパ70などを備える。なお、シリンダ部11とポンプボディとは、一体で構成されていてもよい。
プランジャ10は、中実円筒状に形成され、シリンダ部11の内側に軸方向に往復移動可能に設けられている。プランジャ10は、大径部12と、この大径部12よりも外径が小さい小径部13とが一体に形成されている。大径部12は、シリンダ部11の内壁を摺動する。小径部13は、大径部12の下側に形成される。
シリンダ部11は、有底筒状に形成されている。シリンダ部11の底側の内壁とプランジャ10の大径部12の外壁により加圧室110が形成される。シリンダ部11は、加圧室110と供給部30とを通じる吸入孔111、および加圧室110と吐出部50とを通じる吐出孔112を有する。
下ポンプボディ21は、シリンダ部11の径方向外側に設けられ、シリンダ保持部211、エンジン取付部212、および嵌合部213を有する。
シリンダ保持部211は、筒状に形成され、シリンダ部11の径外方向の外壁に当接している。エンジン取付部212は、シリンダ保持部211の下部から径外方向へ環状に延びている。このエンジン取付部212には、エンジンヘッドに高圧ポンプ1を取り付け可能な取付孔214が設けられている。嵌合部213は、エンジン取付部212から下方へ筒状に延びている。嵌合部213は、図示しないエンジンヘッドの高圧ポンプ取付穴に嵌合可能である。
嵌合部213の内側には、オイルシールホルダ14が設けられている。オイルシールホルダ14は、略筒状に形成され、嵌合部213の内壁に圧入される圧入部141、および小径部13の外周に位置する基部142を有する。
オイルシールホルダ14と小径部13との間にリング状のシール15が設けられている。シール15は、径内側のテフロンリング151(テフロンは登録商標)と、径外側のOリング152とから構成される。シール15により、プランジャ10の小径部周囲の燃料油膜の厚さが調整され、エンジンへの燃料のリークが抑制される。
また、オイルシールホルダ14は、先端にオイルシール153を有する。オイルシール153によって、プランジャ10の小径部周囲のオイル油膜の厚さが規制され、エンジンから高圧ポンプ内へのオイルのリークが抑制される。
プランジャストッパ16は、円盤状に形成され、シリンダ部11の端部とシール15との間に設けられている。プランジャストッパ16は、中央の孔にプランジャ10の小径部13が挿通している。プランジャストッパ16は、中央の孔から径外方向に延びる複数の溝路161を有する。プランジャ10の大径部12と小径部13との段差面、小径部13の内壁、シリンダ部11の内壁およびプランジャストッパ16に囲まれる円筒状の空間により、可変容積室が形成される。
プランジャスプリング17は、一端がプランジャ10の端部に設けられたスプリングシート18に係止され、他端がオイルシールホルダ14の圧入部141に係止されている。プランジャスプリング17は、プランジャ10の端部を図示しないタペットを介して図示しないカムシャフトに付勢する。これにより、カムシャフトのプロファイルに応じてプランジャ10は軸方向に往復移動する。プランジャ10の往復移動によって加圧室110の容積および可変容積室の容積が変化する。
上ポンプボディ20は、略直方体状に形成され、下ポンプボディ21の上側に設けられる。上ポンプボディ20は、シリンダ挿入孔22、供給部30および吐出部50を有する。上ポンプボディ20は、シリンダ挿入孔22の内壁がシリンダ部11の径外方向の外壁に圧入されている。
供給部30は、吸入弁ボディ31、シートボディ32、吸入弁部材33、第1スプリングホルダ34、第1スプリング35および電磁駆動部40などから構成される。
吸入弁ボディ31は、略筒状に形成され、上ポンプボディ20に形成された吸入通路23に圧入されている。吸入弁ボディ31の加圧室側には、筒状のシートボディ32が設けられている。シートボディ32は、内側に吸入室311を有する。吸入室311は、上ポンプボディ20に形成された連通路24を通じ、上ポンプボディ20の外側の燃料室63と連通している。シートボディ32は、加圧室側に吸入弁用弁座36を有している。
吸入弁部材33は、吸入弁用弁座36の加圧室側に設けられ、吸入弁用弁座36に着座および離座可能である。
第1スプリング35は、一端が吸入弁部材33の加圧室側に設けられた第1スプリングホルダ34に当接し、他端が吸入弁部材33に当接し、吸入弁部材33を閉弁方向(図1の左方向)へ付勢している。
電磁駆動部40は、固定コア41、コイル42および可動コア43などを有する。
吸入弁ボディ31の加圧室110と反対側に固定コア41が設けられている。固定コア41と吸入弁ボディ31との間には、非磁性材料から形成された筒部材44が設けられている。筒部材44は、固定コア41と吸入弁ボディ31との間の磁束の短絡を抑制する。
固定コア41の径方向外側に設けられたボビン45にコイル42が巻回されている。コイル42の外側を筒状のケース46およびフランジ47が覆っている。ケース46の径外方向にコネクタ48が延出している。コネクタ48の端子481を通じてコイル42に通電されると、コイル42は磁界を生じる。
固定コア41の加圧室側で、吸入弁ボディ31の内側に略円筒状の可動コア43が往復移動可能に設けられている。可動コア43にはニードル49が固定されている。ニードル49は、吸入弁ボディ31の内側に設けられた第2スプリングホルダ37に往復移動可能に支持されている。ニードル49は、加圧室側の端部が吸入弁部材33に当接可能である。第2スプリングホルダ37の内側に設けられた第2スプリング38は、第1スプリング35が吸入弁部材33を閉弁方向に付勢する力よりも強い力で、ニードル49を開弁方向(図1の右方向)へ付勢している。
コイル42に通電していないとき、可動コア43と固定コア41とは、第2スプリング38の付勢力により互いに離れている。これにより、可動コア43と一体のニードル49が加圧室側へ移動し、ニードル49の端面が吸入弁部材33を押圧することで吸入弁部材33が開弁する。
コイル42に通電されると、固定コア41、可動コア43、フランジ47およびケース46によって形成される磁気回路に磁束が流れ、可動コア43が第2スプリング38の付勢力に抗し、固定コア41側に磁気吸引される。これにより、ニードル49は、吸入弁部材33に対する押圧力を解除する。
吐出部50は、燃料吐出ハウジング51、吐出弁ボディ52、吐出弁部材53、リリーフ弁部材54などから構成される。
燃料吐出ハウジング51は、略筒状に形成され、上ポンプボディ20に形成された吐出通路25に圧入されている。燃料吐出ハウジング51の内側に吐出弁ボディ52が設けられている。吐出弁ボディ52は、燃料出口55側に吐出弁用弁座56を有している。
吐出弁部材53は、吐出弁ボディ52の燃料出口55側に設けられ、吐出弁用弁座56に着座および離座可能である。吐出弁スプリング57は、吐出弁部材53を吐出弁用弁座56に付勢している。
吐出弁ボディ52は、加圧室側にリリーフ弁用弁座58を有する。リリーフ弁部材54は、リリーフ弁用弁座58の加圧室側に設けられ、リリーフ弁用弁座58に着座および離座可能である。リリーフ弁スプリング59は、リリーフ弁部材54をリリーフ弁用弁座58に付勢している。リリーフ弁用弁座58の内側に形成されたリリーフ通路521は燃料出口55と連通している。
蓋部材60は、有底筒状に形成され、底部61およびこの底部61の外縁から一方に延びる筒部62を有する。筒部62は、下ポンプボディ21のエンジン取付部212に溶接などにより液密に接合されている。蓋部材60は、上ポンプボディ20と下ポンプボディ21を覆い、内側に燃料室63を形成する。燃料室63は、上ポンプボディ20の連通路24および吸入室311を通じ、加圧室110に連通している。
図2に示すように、蓋部材60は、筒部62の横断面が略八角形に形成され、供給部30が挿通する第1挿通孔64、吐出部50が挿通する第2挿通孔65、および、燃料インレット66が挿通する第3挿通孔67を有する。燃料インレット66は、図示しない低圧ポンプから汲みあげた燃料を燃料室63に供給する。
蓋部材60の第1挿通孔64と供給部30との間、第2挿通孔65と吐出部50との間、第3挿通孔67と燃料インレット66との間は、溶接などにより液密に接合されている。
プランジャ10の往復移動により燃料室63から連通路24および吸入室311を経由して加圧室側へ燃料が吸入され、または、加圧室110から吸入室311および連通路24を経由して燃料室63へ燃料が排出されると、燃料室63に燃圧脈動が生じる。
図3および図4に示すように、パルセーションダンパ70は、上ポンプボディ20と蓋部材60との間に設けられている。パルセーションダンパ70は、パルセーションダンパ本体71、上支持部材80および下支持部材90を有し、サブアッセンブリとして構成されている。
パルセーションダンパ本体71は、2枚のダイアフラム72、73からなる。ダイアフラム72、73は、例えばステンレスなど、耐力および疲労限界の高い金属板をプレス加工することで皿状に形成されている。パルセーションダンパ本体71は、2枚のダイアフラム72、73の周縁部74、75が接合され、内側の密閉空間76に所定圧の気体が密封されている。パルセーションダンパ本体71は、2枚のダイアフラム72、73が燃料室63内の燃圧の変化に応じて弾性変形することで、燃料室63の燃圧脈動を低減する。2枚のダイアフラム72、73の板厚、材質、外径及び密閉空間76に封入される気圧等を、耐久性或いはその他の要求性能に応じて適宜設定することで、パルセーションダンパ本体71のばね常数が設定される。そして、このばね常数により、パルセーションダンパ本体71が低減する脈動周波数及び脈動減衰性能が決定される。ダイアフラムの板厚が薄いと、パルセーションダンパ本体71の脈動減衰効果が向上する。また、パルセーションダンパ本体71の可動部78,79の外径が大きいと、パルセーションダンパ本体71の脈動減衰効果が向上する。なお、可動部78,79とは、パルセーションダンパ本体71が燃料室63の燃圧脈動を低減するときに変位可能な略円盤状の部分である。
上支持部材80は、上環状部81、上カバー部82および上支持体83を有し、例えばステンレスなど所定の剛性を有する金属製の板材をプレス加工することで一体に形成される。上支持部材80を形成する板材を第1板材と称する。上環状部81は、上ダイアフラム72の周縁部74と平行、かつ、環状に形成される。上支持部材80の上環状部81、上ダイアフラム72の周縁部74、下ダイアフラム73の周縁部75、及び、下支持部材90の下環状部91は、レーザー溶接により周方向に連続して全周が接合される。図5にその溶接シーム77を示す。溶接シーム77は、パルセーションダンパ70の全周に形成される。
上カバー部82は、上環状部81から上ダイアフラム72に沿って延びている。上カバー部82は、上ダイアフラム72の可動部78と略平行な平面状に形成されている。ここで、2枚のダイアフラム72、73の周縁部74、75の当接面を含む平面を仮想平面Sとする。パルセーションダンパ本体71の密閉空間76の気圧とパルセーションダンパ本体71の外側の気圧とが同じ場合における仮想平面Sと可動部78の外側端面の中心との距離を距離d1とする。また、上カバー部82の上ダイアフラム側の端面と仮想平面Sとの距離をd2とする(図示していない)。この場合、d2>d1の関係である。上カバー部82は、上ダイアフラム72が蓋部材60の底部側に膨らむことを抑制する。
上カバー部82は、中央に円形の燃料通路84と、周方向に4個の燃料通路85を有する。これらの燃料通路84、85は、上述した第1板材のプレス加工によって形成される。
4個の上支持体83は、燃料通路84、85のプレス加工と同時またはそれに続く曲げ加工により形成される。つまり、第1板材から上支持体83を切り出した穴が燃料通路85となる。上支持体83は、上ダイアフラム72の可動部78の蓋部材側で上カバー部82に接続し、その上カバー部82に接続する位置から径外方向に延びている。具体的に、上支持体83は、一端が上カバー部82の内周側(詳細には、上ダイアフラム72の半径の半分よりも内側、かつ、中央の燃料通路84よりも外側の位置)に接続し、他端が上カバー部82の外周側へ延びている。上支持体83は、上カバー部82から略垂直に蓋部材60の底部側に延びる垂直部86と、垂直部86の蓋部材側の端部から蓋部材60の手前で折れ曲がり径外方向に延びる上当接部87と、上当接部87の径外方向の端部から上ダイアフラム側に湾曲する湾曲部88とを有している。上支持体83は、上当接部87が蓋部材60の内壁に当接する。上当接部87は、径方向外側が蓋部材60と当接し、径方向内側と蓋部材60との間に僅かな隙間を有している。
燃料室63に設置される前の状態で、垂直部86と上当接部87とのなす角は、90°以上に設定される。この状態で、上支持体83の上当接部87と上カバー部82との距離をh1とする。一方、燃料室63に設置された状態で、上支持体83の上当接部87と上カバー部82との距離をh2とする。この場合、h1>h2である。上支持体83の材質、板厚、垂直部86と上当接部87とのなす角、h1−h2の距離などにより、上支持体83の荷重が設定される。つまり、上支持体83は、蓋部材60を反ポンプボディ側に押圧するばね力を有する。
下支持部材90は、上支持部材80と実質的に同一の構成である。下支持部材90は、下環状部91、下カバー部92および下支持体93を有し、例えばステンレスなど所定の剛性を有する金属製の板材をプレス加工することで一体に形成される。下支持部材90を形成する板材を第2板材と称する。下環状部91は、下ダイアフラム73の周縁部75と平行、かつ、環状に形成される。
下カバー部92は、下環状部91から下ダイアフラム73に沿って延びている。下カバー部92は、下ダイアフラム73の可動部79と略平行な平面状に形成されている。パルセーションダンパ本体71の密閉空間76の気圧とパルセーションダンパ本体71の外側の気圧とが同じの場合における仮想平面Sと可動部79の外側端面の中心との距離を距離d3とする。また、下カバー部92の下ダイアフラム73側の端面と仮想平面Sとの距離をd4とする(図示していない)。この場合、d4>d3の関係である。下カバー部92は、下ダイアフラム73が上ポンプボディ側に膨らむことを抑制する。
下カバー部92は、中央に円形の燃料通路94と、周方向に4個の燃料通路95を有する。これらの燃料通路94、95は、上述した第2板材のプレス加工によって形成される。
4個の下支持体93は、燃料通路94、95のプレス加工と同時またはそれに続く曲げ加工により形成される。つまり、第2板材から下支持体93を切り出した穴が燃料通路95となる。下支持体93は、下ダイアフラム73の可動部79のポンプボディ側で下カバー部92に接続し、その下カバー部92に接続する位置から径外方向に延びている。具体的に、下支持体93は、一端が下カバー部92の内周側(詳細には、下ダイアフラム73の半径の半分よりも内側、かつ、中央の燃料通路94よりも外側の位置)に接続し、他端が下カバー部92の外周側へ延びている。下支持体93は、下カバー部92から略垂直に上ポンプボディ側に延びるシリンダ当接部96と、このシリンダ当接部96の上ポンプボディ側の端部から上ポンプボディ20の手前で折れ曲がり径外方向に延びる下当接部97と、下当接部97の径外方向の端部から下ダイアフラム73側に湾曲する湾曲部98を有している。
シリンダ当接部96は、上ポンプボディ20から燃料室側に突出するシリンダ部11の凸部19の外壁に沿ってシリンダ部11の軸方向に延びている。シリンダ部11の凸部19は、4個のシリンダ当接部96の間に挿入される。シリンダ部11の凸部19の外径を外径D1とする。シリンダ部11の凸部19の外径D1は、上ポンプボディ20に圧入されているシリンダ本体部分の外径よりも小径に形成されている。シリンダ当接部96の径内方向の端面と、シリンダ部11の軸を挟んで向き合う他のシリンダ当接部96の径内方向の端面との距離を距離D2とする。D1≦D2の関係である。これにより、シリンダ当接部96は、シリンダ部11の凸部19の径外方向の外壁に係止される。したがって、パルセーションダンパ70は、径方向の移動が制限される。
下当接部97は、上ポンプボディ20に設けられた凹溝26に嵌合している。下当接部97は、径方向外側が上ポンプボディ20の凹溝26と当接し、径方向内側と凹溝26との間に僅かな隙間を有している。
燃料室63に設置される前の状態で、シリンダ当接部96と下当接部97とのなす角は、90°以上に設定される。この状態で、下当接部97と下カバー部92との距離をh3とする。燃料室63に設置された状態で、下当接部97と下カバー部92との距離をh4とする。この場合、h3>h4である。下支持体93の材質、板厚、シリンダ当接部96と下当接部97とのなす角、h3−h4の距離などにより、下支持体93の荷重が設定される。つまり、下支持体93は、上ポンプボディ20を反蓋部材側に押圧するばね力を有する。
蓋部材60の筒部62とパルセーションダンパ本体71との間に周方向に連続して空間100が形成されている。この空間100を経由して上ダイアフラム72と下ダイアフラム73とに燃料が行き渡る。したがって、燃料室63の流体抵抗が低減されるとともに、パルセーションダンパ70は、高い脈動減衰効果を発揮することができる。
次に、高圧ポンプ1の作動について説明する。
(I)吸入行程
カムシャフトの回転によりプランジャ10が上死点から下死点に向かって下降すると、加圧室110の容積が増加し、燃料が減圧される。吐出部50の吐出弁部材53は、吐出弁用弁座56に着座し燃料出口55を閉塞する。このとき、コイル42への通電は停止されているので、可動コア43およびニードル49は第2スプリング38の付勢力により加圧室側に移動する。その結果、ニードル49が吸入弁部材33を押圧し、吸入弁部材33が第1スプリングホルダ34に当接した状態で開弁状態が維持される。これにより、燃料室63から連通路24、吸入室311および吸入孔111を経由して加圧室110に燃料が吸入される。
吸入行程では、プランジャ10の下降により、可変容積室の容積が減少する。したがって、可変容積室の燃料は、燃料室63へ送り出される。
(II)調量行程
カムシャフトの回転によりプランジャ10が下死点から上死点に向かって上昇すると、加圧室110の容積が減少する。このとき、所定の時期まではコイル42への通電が停止され、吸入弁部材33は開弁状態となっている。このため、一度加圧室110に吸入された低圧燃料が連通路24などを経由して燃料室63へ戻される。
調量行程では、プランジャ10の上昇により、可変容積室の容積が増加する。したがって、燃料室63の燃料は、可変容積室へ吸入される。
プランジャ10が上昇する途中の所定の時刻にコイル42への通電を開始することにより、固定コア41と可動コア43との間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力が第2スプリング38の付勢力から第1スプリング35の付勢力を引いた力より大きくなると、可動コア43およびニードル49が固定コア41側に移動し、吸入弁部材33に対するニードル49の押圧力が解除される。これにより、第1スプリング35の付勢力によって吸入弁部材33は吸入弁用弁座36に着座し、開弁状態となる。
(III)加圧行程
吸入弁部材33が閉弁した後、加圧室110の燃圧は、プランジャ10の上昇と共に高くなる。加圧室側の燃料の圧力が吐出弁部材53に作用する力が燃料出口55側の燃料の圧力が吐出弁部材53に作用する力と吐出弁スプリング57の付勢力との合力よりも大きくなると、吐出弁部材53は開弁する。これにより、加圧室110で加圧された燃料は燃料出口55から吐出される。
なお、加圧行程の途中でコイル42への通電が停止される。加圧室110の燃圧が吸入弁部材33に作用する力は、第2スプリング38の付勢力より大きいので、吸入弁部材33は閉弁状態を維持する。
このように、高圧ポンプ1は、吸入行程、調量行程および加圧行程を繰り返し、内燃機関に必要な量の燃料を加圧して吐出する。
次に、パルセーションダンパ本体71に生じる変位および応力について説明する。
パルセーションダンパ本体71の下ダイアフラム73の変位を図6(A)に示し、そのときに下ダイアフラム73に生じる応力を図6(B)に示す。
図6(A)の時刻t0の左側の実線は、車両のエンジンが停止し高圧ポンプ1が作動していない状態(以下「非作動状態」という)を示すものである。下ダイアフラム73は下カバー部92によって膨らみが規制されているので、非作動状態において、下ダイアフラム73の外側端面の中心と仮想平面Sとの距離はd3である。
なお、図6(A)の時刻t0の左側の破線Cは、カバー部を備えていない従来のパルセーションダンパ本体の下ダイアフラムの外側端面の中心と仮想平面Sとの距離を示している。
時刻t0から時刻t1で高圧ポンプ1は非作動状態から作動開始状態に移行する。このとき、燃料室63の燃圧が高くなることで、下ダイアフラム73と上ダイアフラム72とが互いに近づく方向に変位し、中心と仮想平面Sとの距離が小さくなりd4となる。このときの下ダイアフラム73の変位幅はA(d3−d4)である。
時刻t1以降、高圧ポンプ1は作動状態となる。このとき、下ダイアフラム73と上ダイアフラム72とは、燃料室63の燃圧脈動により、互いに近づく動作と遠ざかる動作とを繰り返す。このため、下ダイアフラム73の中心と仮想平面Sとの距離は、一定の範囲で変動する。このときの下ダイアフラム73の変位幅はBである。
図6(B)では、中心と仮想平面Sとの距離がd4よりも大きいときに下ダイアフラム73に生じる応力を縦軸の正側(+)に示し、中心と仮想平面Sとの距離がd4よりも小さいときに下ダイアフラム73に生じる応力を縦軸の負側(−)に示す。
下ダイアフラム73は下カバー部92により膨らみがd3に規制されているため、非作動状態のときに下ダイアフラム73に生じる応力はσ1である。非作動状態から作動開始状態に移行すると、下ダイアフラム73に生じる応力は0になる。このときの下ダイアフラム73の応力変化はA(σ1−0)である。
時刻t1以降、作動中状態になると、下ダイアフラム73に生じる応力は、一定の範囲Eで変動する。
なお、図6(B)の時刻t0の左側の破線Fは、カバー部を備えていない従来のパルセーションダンパ本体の下ダイアフラムに生じる応力を示している。
上ダイアフラム72の変位及び応力も、下ダイアフラム73の変位及び応力と同様に生じる。
下ダイアフラム73および上ダイアフラム72は、上下支持部材80、90のカバー部82、92によって、非作動状態から作動開始状態に移行するとき、および作動中状態から非作動状態に移行するときの応力変化が低減されている。
本実施形態では、以下の作用効果を奏する。
(1)本実施形態では、シリンダ部11が上ポンプボディ20から燃料室側に突出する凸部19を有している。このシリンダ部11の凸部19の外壁に下支持部材90の下支持体93が係止されている。この下支持体93のシリンダ当接部96は、シリンダ部11の凸部19の外壁に沿ってシリンダ部11の軸方向に延びているので、パルセーションダンパ70の径方向の移動が確実に抑制される。したがって、パルセーションダンパ本体71を燃料室内に容易に取り付けることができる。
(2)本実施形態では、上下支持部材80、90の環状部81、91は、上下ダイアフラム72、73の周縁部74、75と平行、かつ、環状に形成され、上下ダイアフラム72、73の周縁部74、75とともに、レーザー溶接によって全周が接合される。環状部81、91により周縁部74,75の剛性が高くなり、上ダイアフラム72の周縁部74と下ダイアフラム73の周縁部75とが互いに離れる方向へ変位することが抑制される。したがって、パルセーションダンパ本体70の応力振幅によって上下ダイアフラム72,73の周縁部74,75の接合箇所77に繰り返し応力が作用することを確実に抑制することができる。
(3)本実施形態では、蓋部材60または上ポンプボディ20に当接する支持体83、93がカバー部82、92に接続しているので、カバー部82、92の変位が抑制される。このため、カバー部82、92によって上下ダイアフラム72、73の可動部78、79が互いに離れる方向へ変位することが確実に抑制される。したがって、上ダイアフラム72の周縁部74と下ダイアフラム73の周縁部75との接合箇所77に繰り返し応力が作用することを確実に抑制することができる。
(4)本実施形態では、蓋部材60の筒部62とパルセーションダンパ本体71との間に周方向に連続して空間100が形成される。これにより、上ダイアフラム72と下ダイアフラム73に燃料が行き渡りやすくなる。したがって、燃料室内の流体抵抗を低減することができるとともに、パルセーションダンパ本体71が高い脈動減衰効果を発揮することができる。
(5)本実施形態では、上支持部材80のもととなる第1板材から上支持体83を切り出した穴が燃料通路85となる。また、下支持部材90のもととなる第2板材からから下支持体93を切り出した穴が燃料通路95となる。これにより、ポンプボディ20または蓋部材60を加工することなく、上支持部材80または下支持部材90に上支持体83および下支持体93を設けることと同時に、燃料通路85,95を形成することができる。したがって、上支持部材80および下支持部材90の製造工程が簡素化されるので、製造コストを低減することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による高圧ポンプを図7に示す。
第2実施形態では、上支持部材80の有する4個の上支持体831は、上ダイアフラム72の可動部78の蓋部材側で上カバー部82に接続し、上カバー部82に接続する位置から径内方向に延びている。具体的に、上支持体831は、一端が上カバー部82の外周側(詳細には、上ダイアフラム72の半径の半分よりも外側、かつ、上カバー部82の曲折部分よりも内側の位置)に接続し、他端が上カバー部82の内周側へ延びている。上支持体831は、上カバー部82から傾斜して蓋部材60の底部側に延びる傾斜部89、及び、この傾斜部89の径内方向の端部から上ダイアフラム側に湾曲する湾曲部88を有している。傾斜部89は、蓋部材60の内壁に当接している。
下支持部材90の有する4個の下支持体931は、下ダイアフラム73の可動部79のポンプボディ側で下カバー部92に接続し、下カバー部92に接続する位置から径内方向に延びている。具体的に、下支持体931は、一端が下カバー部92の外周側(詳細には、下ダイアフラム73の半径の半分よりも外側、かつ、下カバー部92の曲折部分よりも内側の位置)に接続し、他端が下カバー部92の内周側へ延びている。下支持体931は、下カバー部92から傾斜して蓋部材60の底部側に延びる傾斜部99、及びこの傾斜部99の径内方向の端部から下ダイアフラム側に湾曲する湾曲部98を有している。傾斜部99は上ポンプボディ20に当接し、湾曲部98はシリンダ部11の凸部19に当接している。
4個の上支持体831は、上カバー部82の燃料通路84、85のプレス加工と同時またはそれに続く曲げ加工により形成される。第1板材から上支持体831を切り出した穴が燃料通路85となる。
4個の下支持体931は、下カバー部92の燃料通路95のプレス加工と同時またはそれに続く曲げ加工により形成される。第2板材から下支持体931を切り出した穴が燃料通路95となる。
上支持体831の材質、板厚、上カバー部82と傾斜部89とのなす角などにより、上支持体831の荷重が設定される。下支持体931の材質、板厚、下カバー部92と傾斜部99とのなす角などにより、下支持体931の荷重が設定される。
シリンダ部11の凸部19は、4個の下支持体931の間に挿入される。下支持体931は、シリンダ部11の凸部19の径方向の外壁に係止されている。これにより、パルセーションダンパ70は、径方向の移動が制限される。
第2実施形態においても、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による高圧ポンプを図8に示す。
第3実施形態では、上支持部材800が略円筒状に形成されている。上支持部材800は、軸方向の一方の側が蓋部材60の内壁に当接し、他方の側が上ダイアフラム72の周縁部74に当接している。上支持部材800は、蓋部材側から上ダイアフラム側へ円筒の一部が切り欠かれ、径外方向へ曲げ加工することで形成された4個の爪部801を有する。爪部801は、下支持部材90の環状部91の外縁に係止される。この爪部801を形成するために切り欠かれた個所が燃料通路811となる。
下支持部材90は、第1実施形態のものと同一の構成である。このため、下支持体93によってパルセーションダンパ70の径方向の移動が確実に規制され、パルセーションダンパ70を燃料室内に容易に位置決めすることができる。
本実施形態においても、蓋部材60の筒部62とパルセーションダンパ本体71との間に周方向に連続して空間100が形成される。また、上支持部材800の燃料通路811を経由して上下ダイアフラム72、73に燃料が行き渡る。これにより、燃料室内の流体抵抗を低減することができるとともに、パルセーションダンパ本体71が高い脈動減衰効果を発揮することができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による高圧ポンプを図9に示す。
第4実施形態では、上支持部材80と下支持部材90とが周方向に45°回転した状態で接合している。図9(C)に、上ポンプボディ20の位置を一点鎖線で示す。4個の下支持体93は、上ポンプボディ20に確実に当接している。
第4実施形態では、例えば蓋部材60の内壁に凹凸があるなどの条件により、上支持部材80の取り付け方向に制限がある場合、上ポンプボディ20の幅を大きくすることなく、パルセーションダンパ70を燃料室内に取り付けることができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態による高圧ポンプを図10に示す。
第5実施形態では、上支持部材802は上カバー部を有していない。上支持部材802は、上支持体832が上環状部81から蓋部材側に延びて蓋部材60の内壁に当接する。
また、下支持部材902は下カバー部を有していない。下支持部材902は、下支持体932が下環状部91から上ポンプボディ側に延びて上ポンプボディ20に当接するとともに、シリンダ部11の凸部19の径外方向の外壁に係止される。
第5実施形態では、カバー部を有することのない支持部材802、902を使用した場合でも、シリンダ部11の凸部19の外壁に下支持部材902の下支持体932を係止することで、パルセーションダンパ70を燃料室内に容易に位置決めすることができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態による高圧ポンプを図11に示し、その要部を図12に示す。
第6実施形態では、上ポンプボディ20から燃料室63にシリンダ部11が突出していない。その代り、上ポンプボディ20に凸部191が設けられている。
上支持部材803は、上環状部81、上カバー部82および上支持体833を有する。上支持体833は、蓋部材60に当接している。上支持体833は、所定のばね力で蓋部材60を上ポンプボディ20とは反対側に押圧している。
下支持部材90は、下環状部91、下カバー部92および下支持体93を有する。下支持体93は、上ポンプボディ20と、その凸部191に当接している。これにより、パルセーションダンパ70は、径方向の移動が制限され、燃料室63に位置決めされる。下支持体93は、所定のばね力で上ポンプボディ20を蓋部材60とは反対側に押圧している。
本実施形態でも、上支持部材803のもととなる第1板材から上支持体833を切り出した穴が燃料通路85となる。また、下支持部材90のもととなる第2板材から下支持体93を切り出した穴が燃料通路95となる。
第6実施形態でも、上述した第1〜5実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態による高圧ポンプの要部を図13に示す。
第7実施形態では、上ポンプボディ20に凹部192が設けられている。
下支持部材90の下支持体93は、上ポンプボディ20の凹部192に当接している。これにより、パルセーションダンパ70は、径方向の移動が制限され、燃料室63に位置決めされる。
第7実施形態でも、上述した第1〜6実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態による高圧ポンプの要部を図14に示す。
第8実施形態では、上ポンプボディ20に穴193が設けられている。
下支持部材90の下支持体93は、上ポンプボディ20の穴193に対応する位置に突起933を有している。下支持体93の突起933が上ポンプボディ20に穴193に入ることにより、パルセーションダンパ70は、径方向の移動が制限され、燃料室63に位置決めされる。
また、第8実施形態では、上ポンプボディ20の連通路24から離れる方向へずれた位置にパルセーションダンパ70が位置決めされている。そのため、燃料室63の連通路24周りの空間が広くなる。したがって、燃料室63から連通路24へ流れる燃料の流量係数が高くなり、燃料が流れやすくなる。また、連通路24から燃料室63へ流れる燃料の流量係数が高くなり、燃料が流れやすくなる。よって、燃料の圧力脈動を低減することが可能になるとともに、燃料室63から加圧室110への吸入効率を向上することができる。
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態による高圧ポンプの要部を図15および図16に示す。
第9実施形態では、上支持部材804の有する4個の上支持体834が周方向に延びている。上支持体834は、傾斜部835および当接部836を有する。傾斜部835は、上支持部材804の径内側で上カバー部82に接続し、そこから径外方向かつ蓋部材側へ延びている。当接部836は、傾斜部835の径外方向の端部から周方向へ延びている。当接部836は、蓋部材60に当接している。上支持体833は、所定のばね力で蓋部材60を上ポンプボディ20とは反対側に押圧している。
下支持部材90は、第7実施形態と同様に、下支持体93が上ポンプボディ20の凹部192に当接している。これにより、パルセーションダンパ70は、径方向の移動が制限され、燃料室63に位置決めされる。
第7実施形態では、上支持体834が蓋部材60に当接する面積が大きくなる。そのため、燃料室63の圧力脈動による蓋部材60の共振が抑制される。したがって、蓋部材60の共振による騒音を抑制することができる。
(第10実施形態)
本発明の第10実施形態による高圧ポンプの要部を図17に示す。
第10実施形態では、上支持部材805の有する上支持体837が3個である。上支持体837は、傾斜部838および当接部839を有する。周方向へ延びる当接部839は、第9実施形態の当接部836よりも面積が大きい。上支持体833は、所定のばね力で蓋部材60を上ポンプボディ20とは反対側に押圧している。
第10実施形態では、上支持体837の当接部839が蓋部材60に当接する面積が大きくなる。そのため、燃料室63の圧力脈動による蓋部材60の共振を抑制することができる。
(第11実施形態)
本発明の第11実施形態による高圧ポンプの要部を図18に示す。第11実施形態では、上支持部材805の当接部839と蓋部材60との間に弾性部材120が設けられている。弾性部材120は、例えばゴムまたは樹脂から円盤状に形成される。なお、弾性部材120は、円盤状に限らず、上支持部材805の当接部839と略同一の形状であってもよい。
第11実施形態では、蓋部材60の共振が弾性部材120に吸収されるので、蓋部材60の共振による騒音を抑制することができる。
(第12実施形態)
本発明の第12実施形態による高圧ポンプの要部を図19および図20に示す。
第12実施形態では、上支持部材80の有する上カバー部82の燃料通路85側の端部に折曲部822が設けられている。また、図示していないが、下支持部材90の有する下カバー部92の燃料通路側の端部にも折曲部が設けられている。折曲部は、パルセーションダンパ本体と反対側に折り曲げられる。これにより、カバー部82、92とダイアフラム72,73とが当接する際の面圧が下がるので、パルセーションダンパ70の耐久性能が向上する。
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記複数の実施形態を組み合わせることに加え、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
71 ・・・パルセーションダンパ本体
72 ・・・上ダイアフラム
73 ・・・下ダイアフラム
74、75 ・・・周縁部
80、800、802、803、804、805・・・上支持部材
81 ・・・上環状部
83、831、832、833、834、837・・・上支持体
90、902・・・下支持部材
91 ・・・下環状部
93、931、932・・・下支持体

Claims (8)

  1. 軸方向に往復移動可能なプランジャ(10)と、
    前記プランジャを往復移動可能に収容するシリンダ部(11)に形成された加圧室(110)に燃料を供給する供給部(30)、および、前記加圧室で加圧された燃料を吐出する吐出部(50)を有するポンプボディ(20)と、
    前記ポンプボディを覆い、前記供給部に連通する燃料室(63)を形成する蓋部材(60)と、
    上ダイアフラム(72)の周縁部(74)と下ダイアフラム(73)の周縁部(75)とが接合されることで構成され、前記上ダイアフラムと前記下ダイアフラムとの間に所定圧の気体が密封され、前記燃料室の圧力脈動を低減するパルセーションダンパ本体(71)と、
    前記上ダイアフラムの周縁部に接合される上環状部(81)、前記上環状部から前記上ダイアフラムに沿って平面状に延びる上カバー部(82)、および、前記上カバー部から前記パルセーションダンパ本体の径外方向且つ前記蓋部材側へ延びて前記蓋部材に当接する上支持体(83、831、832、833、834、837)を有する上支持部材(80、800、802、803、804、805)と、
    前記下ダイアフラムの周縁部に接合される下環状部(91)、および、前記下環状部から延びて前記ポンプボディに当接する下支持体(93、931、932)を有する下支持部材(90、902)と、を備え、
    前記上環状部、前記上ダイアフラムの周縁部、前記下ダイアフラムの周縁部および前記下環状部は、平行に形成され、それらすべてが周方向に連続して溶接接合されていることを特徴とする高圧ポンプ(1)。
  2. 前記下支持部材の前記下支持体は、前記ポンプボディに設けられた凹部(192)または凸部(19、191)に当接し、前記パルセーションダンパ本体を前記燃料室に位置決めすることを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
  3. 前記上支持部材の前記上支持体は、前記蓋部材を反ポンプボディ側に押圧するばね力を有し、
    前記下支持部材の前記下支持体は、前記ポンプボディを反蓋部材側に押圧するばね力を有することを特徴とする請求項1または2に記載の高圧ポンプ。
  4. 前記上支持部材は、前記上環状部と前記上カバー部と前記上支持体とが第1板材から形成され、前記第1板材から前記上支持体を切り出した穴が燃料通路(85)となり、
    前記下支持部材は、前記下環状部と前記下支持体とが第2板材から形成され、前記第2板材から前記下支持体を切り出した穴が燃料通路(95)となることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  5. 前記上支持部材の前記上支持体は、前記上カバー部から前記パルセーションダンパ本体の径外方向に延び、さらにその径外方向の端部から前記パルセーションダンパ本体の周方向に延びて前記蓋部材に当接することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  6. 前記上支持部材の前記上支持体と前記蓋部材との間に設けられた弾性部材(120)を備えることを特徴とする請求項5に記載の高圧ポンプ。
  7. 前記シリンダ部は、前記ポンプボディの前記燃料室側の端面から前記燃料室に突出しており、
    前記下支持部材の前記下支持体は、前記燃料室に突出する前記シリンダ部に当接し、前記パルセーションダンパ本体を前記燃料室に位置決めすることを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
  8. 前記パルセーションダンパ本体の径外方向に位置する前記燃料室の内壁と、前記上支持部材および前記下支持部材との間に、周方向に連続して空間を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
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