JP5316969B2 - 高圧ポンプ - Google Patents

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本発明は、エンジンに用いられる高圧ポンプに関する。
従来、エンジンへ燃料を供給する燃料供給装置は、高圧燃料を圧送する高圧ポンプ、高圧ポンプから圧送された高圧燃料を蓄積する燃料レール、および燃料レールに接続され高圧燃料を噴射する燃料噴射弁等から構成されている。ここで、高圧ポンプではカムシャフトの回転によって往復移動するプランジャにより燃料を加圧室で加圧し、燃料レールに圧送している。プランジャは高圧ポンプのハウジングに挿入されているシリンダにより往復移動可能に支持されている。
特許文献1に記載の高圧ポンプでは、ハウジングに略筒状のシリンダが固定されている。このとき、加圧室は、プランジャの端面とハウジングの内壁とから構成されている。また、特許文献2に記載の高圧ポンプでは、ハウジングはシリンダの大径部においてシリンダと当接しシリンダを保持している。また、加圧室は、ハウジングにねじで締結される蓋状部材とシリンダの内壁とから形成されている。また、特許文献3に記載の高圧ポンプでは、シリンダ上部にハウジングを接合し、かつハウジングとシリンダの間にカバーを接合することで加圧室を構成している。
特表2008−525713号公報 国際公開第2000/47888号公報 特許4478431号公報
しかしながら、特許文献1に記載の高圧ポンプでは、加圧室で圧縮される燃料の圧力による作用力がハウジングの内壁に作用する。近年、高圧ポンプは大流量および高い燃圧性能が要求されるため、前述のハウジングの内壁に作用する燃圧は大きい。このため、ハウジングに高燃圧に対応する剛性を確保するため、ハウジングが大きくなる。
また、特許文献2に記載の高圧ポンプでは、加圧室で発生する燃圧は加圧室の上部を形成する蓋状部材に上向きに作用する。蓋状部材は、ハウジングに固定されているため、上向きの作用力がハウジングに伝達する。このため、ハウジングの剛性を確保する必要があり、ハウジングが大きくなる。また、特許文献2に記載の高圧ポンプでは、シリンダの大径部とハウジングとが当接する一方、シリンダの小径部とハウジングの内壁との間には円筒状の燃料通路が形成されている。ここで、カムの回転運動をシリンダの往復運動に変換する際、カムとスプリングシート、およびスプリングシートとプランジャとの接触位置のずれによってプランジャがみそすり運動、または振り子運動をする。シリンダの小径部は、その内部でプランジャが摺動するため、その小径部がハウジングに保持されていないとシリンダの変形による焼き付きが発生するおそれがある。これを回避するため、シリンダの小径部を肉厚にする必要があり、シリンダが大きくなる。すなわち、ハウジングが大きくなる。
また、特許文献3に記載の高圧ポンプでは、加圧室で発生する燃料の圧力による作用力がハウジングとシリンダとの接合部に作用する構成となっている。結果として、特許文献1および2と同様にハウジングの剛性を確保するため、ハウジングが大きくなる。
本発明の目的は、体格が小さく、かつ重量を低減することができる高圧ポンプを提供することにある。
請求項1に記載の発明によると、高圧ポンプは、プランジャ、シリンダおよびハウジングを備える。シリンダは、有底中空筒状に一体に形成され、底部と底部で一端が塞がれる筒部とからなる。シリンダは、プランジャを摺動可能に支持する内壁、プランジャの上端と底部の内底壁とで区画形成される加圧室、および加圧室に連通し径方向に内外を連通する吸入孔および吐出孔を有する。ハウジングは、シリンダの底部の外壁および筒部の外壁と嵌合する。また、高圧ポンプは、加圧室の圧力が増大するとき、ハウジングに対してシリンダの底部方向への移動を規制する規制手段を備える。ハウジングは、シリンダの底部の外壁と嵌合する第1ハウジング、及び、第1ハウジングと規制手段との間にシリンダの筒部の外壁と嵌合するよう設けられ規制手段が係合する第2ハウジングから構成される。
請求項1に記載の高圧ポンプが備えるシリンダは有底筒状をなしており、燃料を加圧する加圧室は、プランジャの上端、シリンダの内壁、およびシリンダの底部の内底壁とで区画形成される。これにより、加圧室で発生する燃料の圧力による作用力は、シリンダまたはプランジャに作用し、ハウジングには作用しない。特に、加圧室で発生する燃料の圧力による作用力のうち、プランジャとは反対側の方向に作用する力は、シリンダの底部に作用する。また、シリンダの吸入孔および吐出孔方向に作用する燃料の圧力による作用力はシリンダに対してバランスしているため、ハウジングに作用する力を考慮する必要がなくなる。これにより、ハウジングの体格を小さくすることができる。また、ハウジングの体格を小さくすることにより高圧ポンプの重量を低減できる。また、加圧室で燃料の圧力が増大するとき、シリンダの底部に作用する燃料の圧力による作用力は、シリンダを底部側に移動する力となる。しかしながら、請求項1に記載の高圧ポンプでは、ハウジングに対して底部方向へのシリンダの移動を規制する規制手段を備える。これにより、燃料の加圧におけるハウジングに対するシリンダの位置変化を防止することができる。
また、加圧室の燃料の圧力によりシリンダに底部の方向、すなわち、第1ハウジングの方向に付勢力が作用するとき、シリンダに設けられ第2ハウジングに係合する規制手段を介して第2ハウジングに第1ハウジングの方向に付勢力が作用する。これにより、シリンダ、第1ハウジング、及び、第2ハウジングが密着し、シリンダの内部から漏れる燃料が、シリンダ、第1ハウジング、及び、第2ハウジングの隙間を通って漏れることを防止することができる。
請求項2に記載の発明によると、規制手段は、シリンダの筒部の外壁に形成され、径外方向に突出する突部である。
シリンダの筒部の外壁に形成されている突部は、嵌合するハウジングに当接している。これにより、ハウジングに対するシリンダの移動が規制され、燃料の加圧におけるハウジングに対するシリンダの位置変化を防止することができる。
請求項3に記載の発明によると、規制手段は、シリンダの内壁のうちプランジャの摺動領域の径外方向の外壁に形成される突部である。
高圧ポンプのシリンダでは前述したようにプランジャがみそすり運動、または振り子運動をする。このみそすり運動、または振り子運動によりシリンダには径外方向に力が作用し、シリンダの変形によるプランジャの焼き付きが発生するおそれがある。請求項3に記載の高圧ポンプでは、プランジャが摺動するシリンダの内壁のうちプランジャの摺動領域の径外方向の外壁に規制手段として突部が形成されている。これにより、プランジャのみそすり運動、または振り子運動による径外方向への力は、シリンダの突部が当接し、かつシリンダの筒部の外壁と嵌合しているハウジングにより押さえ込むことができる。すなわち、プランジャのみそすり運動、または振り子運動によってシリンダが変形することを防止することができる。
請求項4に記載の発明によると、規制手段は、シリンダの開口端まで軸方向に延びている突部である。
シリンダの外壁に形成される突部は、シリンダの筒部において底部とは反対側の開口端まで軸方向に延びている。これにより、シリンダの外壁は底部側に小径部、開口側に大径部を有する。したがって、シリンダの外壁を加工するとき、主に加圧室側の外壁のみを切削及び研削することでシリンダの外壁を形成することができる。すなわち、シリンダの外壁を加工する工程が少なくなり、高圧ポンプの製造コストを低減することができる。
請求項5に記載の発明によると、規制手段は、シリンダの外壁に沿って環状に形成されている突部である。突部がシリンダの外壁に沿って環状に形成される場合、加圧室で発生する燃料の圧力による作用力が均等にシリンダの突部からシリンダを支持するハウジングに伝わる。これにより、外壁の一部に突部が形成された場合に比べて、加圧室で発生する燃料の圧力による作用力がシリンダを介してハウジングに均等に作用する。したがって、シリンダおよびハウジングの変形を防止することができる。
請求項6に記載の発明によると、規制手段は、シリンダの外壁に形成されている凹部に嵌合する固定部材である。
シリンダの外壁には、凹部が形成されている。この凹部に嵌合する固定部材の加圧室側の面は、ハウジングの反加圧室側の面と当接することによりハウジングに対するシリンダの底部側への移動を規制する。請求項6に記載の高圧ポンプでは、シリンダの外壁を形成する工程において、突起部を考慮しない、より細い素材からの切削、研削により製作することができる。また、外壁に凹部を形成した後、シリンダの外壁全面をスルーフィード加工により研削および研磨を行うことができる。したがって、シリンダの製造コストを低減することができる。
請求項7に記載の発明によると、規制手段は、シリンダの外壁に沿って略C字状に形成されている固定部材である。
規制手段としてシリンダに突起部分を設ける場合よりも、略C字状の固定部材を用いた方が別部材追加とはなるものの安価に規制手段を備えることができる。
請求項8に記載の発明によると、一端を第1ハウジングの開口側の外壁に当接し、他端を第2ハウジングの底部側の外壁に当接し、シリンダの径外側で支持する中間支持部材を備える
請求項8に記載の高圧ポンプのハウジングは、3つの部品から構成されている。第1ハウジングの開口側の外壁と第2ハウジングの底部側の外壁とに当接する中間支持部材は、シリンダの外壁と当接しシリンダを支持する。中間支持部材がシリンダの外壁と当接する位置は、プランジャの摺動領域にあたり、前述のみそすり運動、または振り子運動による径外方向への力がシリンダに作用する。このとき、シリンダの径外側に中間支持部材を設けることにより、みそすり運動、または振り子運動によるシリンダの変形を防止することができる。
また、第1ハウジングまたは第2ハウジングにおいて、シリンダの軸方向にシリンダ保持部を有する必要がないため、第1ハウジングまたは第2ハウジングを製作するために必要な材料を少なくすることができ、高圧ポンプの製造コストを低減することができる。
本発明の第1実施形態による高圧ポンプの模式的な断面図である。 図1のII−II線の断面図である。 図1のIII−III線の断面図である。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプのカバーの断面図である。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプのカバーの断面図であって、(a)図4のVa−Va断面図、(b)図4のVb−Vb断面図、(c)図4のVc−Vc断面図、である。 図1のVI−VI線の断面図である。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの燃料吐出リリーフ部の拡大断面図であって、(a)図1に示す符号VIIaの拡大断面図、(b)図3に示す符号VIIbの拡大断面図、である。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの製造工程を説明する模式図である。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプのシリンダの底面図であって、図8のIX矢視図である。 図8で説明する高圧ポンプの製造工程の異なる状態を説明する模式図である。 図8で説明する高圧ポンプの製造工程の図10とは異なる状態を説明する模式図である。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの製造工程であって、上部ハウジングに吸入弁を組み付けた模式図である。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの製造工程であって、図12の次の製造工程を説明する模式図である。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの製造工程であって、カバーにパルセーションダンパサブアッセンブリを組み付けた模式図である。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの製造工程であって、図14の次の製造工程を説明する模式図である。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの製造工程であって、図15の次の製造工程を説明する模式図である。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの製造工程であって、図16の次の製造工程を説明する模式図である。 本発明の第2実施形態による高圧ポンプの模式的な断面図である。 本発明の第3実施形態による高圧ポンプの模式的な断面図である。 本発明の第4実施形態による高圧ポンプの模式的な断面図である。 本発明の第5実施形態による高圧ポンプの模式的な断面図である。 本発明の第5実施形態による高圧ポンプに用いる固定部材の形状を説明する模式図である。 本発明の第5実施形態による高圧ポンプの製造工程を説明する模式図である。 本発明の第5実施形態による高圧ポンプの製造工程であって、図23の次の製造工程を示す模式図である。 本発明の第5実施形態による高圧ポンプの製造工程であって、図24の次の製造工程を説明する模式図である。 本発明の第6実施形態による高圧ポンプの模式的な断面図である。 本発明の第6実施形態による高圧ポンプにおける固定部材の形状を説明する模式図である。 本発明の第7実施形態による高圧ポンプの模式的な断面図である。 本発明の第8実施形態による高圧ポンプの模式的な断面図である。 本発明のその他の実施形態による固定部材の模式図である。
以下、図面に基づいて本発明の複数の実施形態を説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による高圧ポンプ10Aを図1〜図7に示す。高圧ポンプ10Aは、図示しない燃料タンクから図示しない低圧ポンプにより汲み上げられた燃料を加圧室14に供給し、加圧室14で加圧した燃料を吐出弁93から図示しない燃料レールへ圧送する。燃料レールはインジェクタに接続されている。以下、図1の上側を「上」、図1の下側を「下」として説明する。
高圧ポンプ10Aは、本体部10、燃料供給部30、プランジャ部50、燃料吸入部70、燃料吐出リリーフ部90を備える。
本体部10は、下部ハウジング11、シリンダ13、上部ハウジング15を備える。
下部ハウジング11は、円筒状のシリンダ保持部111、そのシリンダ保持部111の下部から径外方向へ周方向に連続し突出する環状かつ板状のエンジン取付部112、およびエンジン取付部112からシリンダ保持部111の反対側へ突出するとともにシリンダ保持部111よりも大径の円筒状の嵌合部113を有する。エンジン取付部112には、シリンダ保持部111の径方向外側かつ嵌合部113の径方向内側において厚み方向に貫通する燃料通路114が形成されている。本実施形態では、燃料通路114は、周方向の等間隔に2つ設けられている。また嵌合部113の外壁にはOリング溝115が設けられている。このOリング溝115には、嵌合部113と図示しないエンジンとの間に形成される隙間を液密に封止するための図示しないOリングが装着されている。下部ハウジング11は、特許請求の範囲に記載の「ハウジング」及び「第2ハウジング」に相当する。
シリンダ13は、シリンダ保持部111に対しエンジン取付部112側に向けて開口する有底円筒状をなしている。シリンダ13は、プランジャ51を摺動可能に保持する筒部132の内壁132aに対応する外壁132bがシリンダ保持部111の内壁111aに当接する。さらにシリンダ13は、外壁132bに径外方向へ突出する環状の突部12を有する。突部12の底部131側の上面121がシリンダ保持部111の下面111bと当接するシリンダ13は、突部12が下部ハウジング11に対し軸方向に当接することにより、上方への移動が規制されているとともに、下部ハウジング11を支持している。すなわち、突部12は、シリンダ13の上側への軸方向移動を規制する規制手段として機能する。
シリンダ13は、開口から挿入されるプランジャ51の大径部511の上端面515、シリンダ13の内壁132aおよび内底壁131cから形成される加圧室14を有する。加圧室14は、燃料を加圧するための室である。本実施形態では、加圧室14の内径は、シリンダ13の内径よりも大きく設定されている。また、シリンダ13は底部131側の筒部132に加圧室14から燃料吸入部70側に向けて貫通する吸入孔141、および加圧室14から燃料吐出リリーフ部90側に向けて貫通する吐出孔142を有する。吸入孔141および吐出孔142の内径は、径外方向に向かうほど大きくなるように形成されている。上端面515は、特許請求の範囲に記載の「プランジャの先端」に相当する。
上部ハウジング15は、図3に示すようにシリンダ13の軸方向に略直交する方向に長手状の略直方体形状をなしている。上部ハウジング15は、長手方向の中央に形成されているシリンダ収容室151にシリンダ13が圧入されており、加圧室14で加圧された燃料がシリンダ13の筒部132の外壁132bおよび底部131の外壁131bとシリンダ収容室151のシリンダ挿入面152との間から漏れないように接合している。上部ハウジング15は、特許請求の範囲に記載の「ハウジング」及び「第1ハウジング」に相当する。
上部ハウジング15は、吸入孔141に対し加圧室14の反対側に向けて上部ハウジング15の長手方向に貫通する段付状の第1吸入通路161、およびその第1吸入通路161から上部ハウジング15の側壁に向けて貫通する複数の第2吸入通路162を有する。第1吸入通路161には、燃料吸入部70が圧入等の手段により固定される。
上部ハウジング15は、吐出孔142に対し加圧室14の反対側に向けて上部ハウジング15の長手方向に貫通する段付状の第1吐出通路163を有する。第1吐出通路163には、燃料吐出リリーフ部90が圧入固定される。
次に、燃料供給部30について説明する。
燃料供給部30は、カバー31、パルセーションダンパ33、燃料インレット40を備える。
カバー31は、図2に示すように上部ハウジング15を内部に収容し、エンジン取付部112側に開口する有底円筒状をなしている。カバー31の側壁は、図4に示すように底部311の周縁と接続する底部311側の第1側壁部321、エンジン取付部112側の側壁を形成する第3側壁部323、および第1側壁部321の底部311と接続する側とは反対側の周縁と第3側壁部323の周縁とを接続する第2側壁部322からなる。カバー31の側壁のシリンダ13の軸方向に垂直な断面形状を図5に示す。第1側壁部321(図5(a))および第3側壁部323(図5(c))は略円形であり、内径は第3側壁部323の方が第1側壁部321より大きい。また、第2側壁部322は、図5(b)に示すように略八角形をなしている。第2側壁部322には、第1吸入通路161に対し加圧室14の反対側で内外に貫通する第1貫通孔322aを有する。第1貫通孔322aには、燃料吸入部70が挿通している。また、第2側壁部322には、第1吐出通路163に対し加圧室14の反対側で第1貫通孔322aの反対側に内外に貫通する第2貫通孔322bを有する。第2貫通孔322bには、燃料吐出リリーフ部90が挿通している。また、第2側壁部322には、第1貫通孔322aおよび第2貫通孔322bが形成されている面とは異なる第2側壁部322を形成する側面に第3貫通孔322cが形成されている。第3貫通孔322cには、外部からカバー31内に形成される燃料ギャラリ32に燃料を供給する燃料インレット40を備える。
カバー31は、第3側壁部323のエンジン取付部112側の端部とエンジン取付部112との隙間が液密に封止されるように、エンジン取付部112に例えば溶接等により接合されている。また、カバー31は、第1貫通孔322aとそれに挿入される燃料吸入部70との隙間、および第2貫通孔322bとそれに挿入される燃料吐出リリーフ部90との隙間が液密に封止されるように、吸入弁ボディ72および燃料吐出リリーフハウジング91に例えば溶接等により接合されている
燃料ギャラリ32は、図2および図3に示すようにカバー31の内壁、エンジン取付部112のカバー31側の側壁および上部ハウジング15の外壁により形成されている。燃料ギャラリ32は、第2吸入通路162と連通しており、第2吸入通路162および第1吸入通路161を介して加圧室14と接続可能である。カバー31の底部311の内側には、燃料ギャラリ32内の燃料の圧力脈動を低減するパルセーションダンパ33を収容固定している。カバー31は、パルセーションダンパ33の収容部材として機能している。
パルセーションダンパ33は、2枚のダイアフラム34、35の周縁部が接合されることにより構成され、内部に所定圧の気体が密封されている。パルセーションダンパ33は、2枚のダイアフラム34、35が燃料ギャラリ32内の燃圧の変化に応じて弾性変形することで、燃圧脈動を低減する。図6に示すように、パルセーションダンパ33とカバー31との間には燃料通路331が形成されている。燃料ギャラリ32内の燃料が燃料通路331を通ってパルセーションダンパ33の上方に流出入することにより、燃圧脈動が低減される。
カバー側支持部材36は、下端がパルセーションダンパ33の周縁部にカバー31の底部311側から当接する。燃料ギャラリ側支持部材37は、上端がパルセーションダンパ33の周縁部に上部ハウジング15側から当接する。これにより、カバー側支持部材36と燃料ギャラリ側支持部材37とは、パルセーションダンパ33を上下から挟持する。
次にプランジャ部50について説明する。
プランジャ部50は、プランジャ51、オイルシールホルダ52、スプリングシート53およびプランジャスプリング54などを備えている。
プランジャ51は、加圧室14を挟んでシリンダ13の底部に対向するように配置されている。プランジャ51は、シリンダ13の内部を軸方向に往復移動可能に保持されている中実円筒状部材である。プランジャ51は、外径が相対的に大きい大径部511と外径が相対的に小さい小径部512とが一体に形成されている。加圧室14側に形成される大径部511は、シリンダ13の内壁を摺動する。加圧室14と反対側に形成される小径部512は、オイルシールホルダ52に挿入される。
オイルシールホルダ52は、シリンダ13の端部に配置されており、プランジャ51の小径部512の外周に位置する基部521と、下部ハウジング11の嵌合部113の内壁との間に圧入される圧入部522とを有する。
基部521は、内部にリング状のシール523を有する。シール523は、径方向内側のテフロン(登録商標)リング523aと、径方向外側のOリング523bとからなる。シール523により、プランジャ51の小径部512周囲の燃料油膜の厚さが調整され、エンジンへの燃料のリークが抑制される。また、基部521は、先端部分にオイルシール525を有する。オイルシール525によって、プランジャ51の小径部512の周囲のオイル油膜の厚さが規制され、オイルのリークが抑制される。
圧入部522は、基部521の周囲に円筒状に張り出す部分であり、円筒部分は縦断面が「コの字」状となっている。下部ハウジング11には、圧入部522に対応する凹部526が形成されている。オイルシールホルダ52は、圧入部522が凹部526の径外方向の内壁に圧接するように圧入される。
スプリングシート53は、プランジャ51の端部に配設されている。プランジャ51の端部は、図示しないタペット等に当接する。タペットは、図示しないカムシャフトに取り付けられたカムに外面を当接させ、カムシャフトの回転により、カムプロファイルに応じて軸方向に往復移動する。
プランジャスプリング54は、スプリングシート53に一端を係止され、他端をオイルシールホルダ52の圧入部522の深部に係止されている。これにより、プランジャスプリング54は、プランジャ51の戻しばねとして機能し、プランジャ51をタペットに当接させるよう付勢する。
かかる構成により、カムシャフトの回転に応じてプランジャ51が往復移動する。このとき、プランジャ51の大径部511の移動によって加圧室14の容積が変化する。
次に、燃料吸入部70について説明する。
燃料吸入部70は、吸入弁部71および電磁駆動部81を備えている。
吸入弁部71は、吸入弁ボディ72、シートボディ73、吸入弁部材74、第1スプリングホルダ75、第1スプリング76などを備える。
吸入弁ボディ72は、第1吸入通路161に例えば圧入固定されることにより上部ハウジング15に接合している。吸入弁ボディ72は、内部に吸入室711を有する。吸入室711は、吸入通路712を経由して燃料ギャラリ32と連通している。吸入室711には、略円筒状のシートボディ73が配置されている。シートボディ73の加圧室14側には、吸入弁部材74と当接可能な弁座731が形成されている。
吸入弁部材74はシートボディ73の加圧室14側に配置されている。吸入弁部材74は、吸入室711内を往復移動する。吸入弁部材74は、弁座731から離座することで吸入室711と加圧室14とを連通し、弁座731に着座することで吸入室711と加圧室14とを遮断する。
第1スプリングホルダ75は、燃料吸入部70の加圧室14側に固定されている。第1スプリングホルダ75は、吸入弁部材74の開弁方向(図1の右方向)への移動を規制する。第1スプリングホルダ75の内側と吸入弁部材74の端面との間には第1スプリング76が設けられている。第1スプリング76は、吸入弁部材74を閉弁方向(図1の左方向)へ付勢している。
電磁駆動部81は、フランジ82、固定コア83および可動コア84などを有する。
フランジ82は、吸入弁ボディ72の径外側に取り付けられている。吸入弁ボディ72のフランジ82が取り付けられている内部に略円筒状の可動コア室85が設けられる。
この可動コア室85に略円筒状の可動コア84が軸方向に往復移動可能に収容されている。また、可動コア84にはニードル86が接続している。ニードル86は、吸入弁ボディ72の内壁に固定されている第2スプリングホルダ852に往復移動可能に支持されている。ニードル86は、一方の端部が可動コア84に固定され、他方の端部が吸入弁部材74の端面に当接可能である。第2スプリングホルダ852は、一端を第2スプリングホルダ852の軸方向の壁面に当接し、他端をニードル86の段部861の加圧室14側とは反対側の壁面に当接する第2スプリング851を有する。第2スプリング851は、第1スプリング76が吸入弁部材74を閉弁方向に付勢する力よりも強い力で、可動コア84を開弁方向へ付勢している。
固定コア83は、コイル87の径内方向で可動コア84の吸入弁部材74と反対側に設けられている。固定コア83と吸入弁ボディ72との間に非磁性材料から形成された筒部材88が設けられている。筒部材88は、固定コア83と吸入弁ボディ73との間の磁束の短絡を抑制し、可動コア84と固定コア83との間の磁気ギャップに流れる磁束量を増加する。
固定コア83の径方向外側に樹脂から形成されたボビン871が設けられている。そのボビン871にコイル87が巻回されている。コイル87の径方向外側を筒状のケース89が覆い、固定コア83、可動コア84、フランジ82とともに磁気回路を形成する。ケース89の径外方向にコネクタ891が延出している。コネクタ891の端子892を通じてコイル87に通電されると、コイル87は磁界を生じる。
コイル87に通電していないとき、可動コア84と固定コア83とは、第2スプリング851の弾性力により互いに離れている。これにより、可動コア84と一体のニードル86が加圧室14側へ移動し、ニードル86の端面が吸入弁部材74を押圧することで吸入弁部材74が開弁する。
コイル87に通電されると、固定コア83、可動コア84、フランジ82およびケース89によって形成される磁気回路に磁束が発生し、可動コア84が第2スプリング851の弾性力に抗し、固定コア83側に磁気吸引される。これにより、ニードル86は、吸入弁部材74に対する押圧力を解除する。
次に、燃料吐出リリーフ部90について図7(a)、(b)を用いて説明する。図7(a)には、図1での高圧ポンプ10Aの断面図における燃料吐出リリーフ部90の拡大断面図を示す。図7(b)には、図3での高圧ポンプ10Aの断面図における燃料吐出リリーフ部90の拡大断面図を示す。
燃料吐出リリーフ部90は、燃料吐出リリーフハウジング91、弁ボディ92、吐出弁93、リリーフ弁95などを備える。
燃料吐出リリーフハウジング91は略円筒状をなしており、内部に弁ボディ92、吐出弁93、リリーフ弁95を収容している。燃料吐出リリーフハウジング91は、上部ハウジング15に形成されている第1吐出通路163に圧入等の手段により固定されている。燃料リリーフハウジング91の第1吐出通路163側には加圧室14にて加圧される燃料が流入する燃料流入口98が形成されている。また、燃料リリーフハウジング91の第1吐出通路163側とは反対側には燃料吐出口99が形成されている。
弁ボディ92は、燃料吐出リリーフハウジング91の加圧室14側に挿入され設置されている。弁ボディ92は、略有底筒状をなしており、燃料吐出口99側に底部923を有し、加圧室14側に開口を有する。弁ボディ92の底部923において、加圧室14側の端面921には弁ボディ92の中心軸上にリリーフ弁出口953、当該中心軸を中心として周方向に均等な位置に吐出弁入口931、932が形成されている。一方、弁ボディ92の底部923において、燃料吐出口99側の端面922には弁ボディ92の中心軸上に吐出弁出口933、当該中心軸を中心として周方向に均等な位置にリリーフ弁入口951、952が形成されている。
吐出弁入口931、932および吐出弁出口933は弁ボディ92の底部923に形成されている第1吐出弁通路935および第2吐出弁通路936、937で連通している。第1吐出弁通路935は、弁ボディ92の中心軸に対して略垂直な方向に形成されている。また、第2吐出弁通路936、937は、弁ボディ92の中心軸に対して略平行な方向、かつ中心軸以外の場所に形成されている。第1吐出弁通路935および第2吐出弁通路936、937は弁ボディ92に対する穴あけ加工により形成される。
リリーフ弁出口953およびリリーフ弁入口951、952は弁ボディ92の底部923に形成されている第1リリーフ弁通路955および第2リリーフ弁通路956、957で連通している。第1リリーフ弁通路955は、弁ボディ92の中心軸に対して略垂直な方向に形成されている。また、第2リリーフ弁通路956、957は、弁ボディ92の中心軸に対して略平行な方向、かつ中心軸以外の場所に形成されている。第1リリーフ弁通路955および第2リリーフ弁通路956、957は穴あけ加工により形成される。
第1吐出弁通路935は、第1リリーフ弁通路955より燃料吐出口99側にあり、第1吐出弁通路935と第1リリーフ弁通路955とは弁ボディ92の周方向にずれて互いにねじれの位置に形成されている。
吐出弁93は、燃料吐出リリーフハウジング91の内部において弁ボディ91の燃料吐出口99側に隣接するように配置されている。吐出弁93は、吐出弁部材94、吐出弁スプリング943、吐出弁スプリングホルダ945を備える。
吐出弁部材94は略平板形状をなしており、弁ボディ92の吐出弁出口933が形成されている端面922に当接するように配置されている。すなわち、吐出弁出口933を形成する開口部が吐出弁部材94に対する吐出弁座947となる。吐出弁部材94の端面922と当接する反対側には、吐出弁スプリング943の一端が当接する。吐出弁スプリング943の他端は、燃料吐出リリーフハウジング91の内壁に内接している吐出弁スプリングホルダ945に当接する。吐出弁スプリング943は、吐出弁部材94を燃料吐出口99側から加圧室14側に付勢する付勢力を有する。すなわち、吐出弁出口933を閉塞する方向に吐出弁部材94を付勢する。吐出弁スプリングホルダ945は、「コ」字状の断面を有する円管状をなしている。吐出弁スプリングホルダ945には、加圧室14側から燃料吐出口99側に、または燃料吐出口99側から加圧室14側に向かう燃料の流れを妨げないように複数の開口が形成されている。
吐出弁93では、加圧室14側の燃料の圧力が吐出弁部材94の加圧室14側の面941に作用する第1受圧力が燃料吐出口99側の燃料の圧力が吐出弁部材94の燃料吐出口99側の面942に作用する力と吐出弁スプリング943の付勢力との合力である吐出弁作用力以下の場合、吐出弁部材94は吐出弁座947に着座し、閉弁している。一方、第1受圧力が吐出弁作用力より大きくなる場合、吐出弁部材94は吐出弁座947から離座し、開弁する。これにより、加圧室14から燃料吐出リリーフ部90に流入した燃料は、第2吐出弁通路936、937、および第1吐出弁通路935を経由して燃料吐出口99から吐出される。
リリーフ弁95は、弁ボディ92の加圧室14側に配置されている。リリーフ弁95は、略平板形状のリリーフ弁部材96、リリーフ弁スプリング963、リリーフ弁スプリングホルダ965を備える。
リリーフ弁部材96は、弁ボディ92のリリーフ弁出口953を形成する端面921に当接するように配置されている。すなわち、リリーフ弁出口953を形成する開口部がリリーフ弁部材96に対するリリーフ弁座967となる。リリーフ弁部材96の端面921と当接する反対側には、リリーフ弁スプリング963の一端が当接する。リリーフ弁スプリング963の他端は、弁ボディ92に圧入固定される略有底筒状のリリーフ弁スプリングホルダ965の底部に当接する。リリーフ弁スプリング963は、リリーフ弁部材96を加圧室14側から燃料吐出口99側に付勢する付勢力を有する。すなわち、リリーフ弁出口953を閉塞する方向にリリーフ弁部材96を付勢する。略有底筒状のリリーフ弁スプリングホルダ965には、加圧室14側から燃料吐出口99側に、または燃料吐出口99側から加圧室14側に向かう燃料が流通する複数の開口が底部および筒部に形成されている。なお、リリーフ弁スプリング963の付勢力は、吐出弁スプリング943の付勢力より大きくなるように設定されている。また、リリーフ弁部材96は、吐出弁部材94との関係において弁ボディ91の軸方向に直列に配置されている。
リリーフ弁95では、燃料吐出口99側の燃料の圧力がリリーフ弁部材96の燃料吐出口99側の面961に作用する第3受圧力が加圧室14側の燃料の圧力がリリーフ弁部材96の加圧室14側の面962に作用する力とリリーフ弁スプリング963の付勢力との合力であるリリーフ弁作用力以下の場合、リリーフ弁部材96はリリーフ弁座967に着座し、閉弁している。一方、第3受圧力がリリーフ弁作用力より大きくなる場合、リリーフ弁部材96はリリーフ弁座967から離座し、開弁する。これにより、燃料吐出口99側から燃料吐出リリーフ部90に流入した燃料は、第2リリーフ弁通路956、957、および第1リリーフ弁通路955を経由して加圧室14に戻る。
次に第1実施形態の高圧ポンプ10Aの製造方法を図8から図17に基づいて説明する。
図8に示すように、下部ハウジング11にシリンダ13を挿入してシリンダサブアッセンブリ110を形成する。この工程を第1シリンダサブアッセンブリ形成工程とする。より具体的には、下部ハウジング11のシリンダ保持部111に形成されているシリンダ挿入孔118に下部シリンダ11の下方からシリンダ13を挿入する。このとき、下部ハウジング11のエンジン取付部112に形成されている取付孔112a(図3参照)とシリンダ13の筒部132に形成されている吸入孔141および吐出孔142との組み付け時の位相を合わせるために、図9に示すような位置決め部134a、134bをシリンダ13に形成しておくことが望ましい。また、第1シリンダサブアッセンブリ形成工程では、後工程において上部ハウジング15、カバー31等を組み付ける場合、吸入孔141および吐出孔142との組み付け時の位相をあわせるため、図10に示すような治具119に下部ハウジング11を固定してシリンダ13を組み付けてもよい。なお、図10には治具119は、下部ハウジング11の下側に設置されているが、下部ハウジング11の上側に設置されてもよい。このとき、エンジン取付部112に形成されている取付孔112aにより、下部ハウジング11と治具119とは固定される。また、下部ハウジング11が治具119に固定された状態において下部ハウジング11とシリンダ13との組み付け時の位相を確認するため、レーザー検出器300(図11(a))や画像処理装置400(図11(b))による吸入孔141および吐出孔142の位置を確認してもよい。また前述した装置による吸入孔141および吐出孔142の位置確認を行う場合には、シリンダに位置決め部を設けなくともよい。
次に、図12に示すように上部ハウジング15に吸入弁71を構成する部品である第1スプリングホルダ75、第1スプリング76、吸入弁部材74、シートボディ73を組み付ける。この工程を吸入弁形成工程とする。このとき、シートボディ73は上部ハウジング15に圧入、または接着等の手段により固定される。また、シートボディ73の挿入深さによって吸入弁部材74のリフト量dが決定するため、所定のリフト量になるようにシートボディ73を上部ハウジング15に装着する。
次に、図13に示すように吸入弁部71を装着した上部ハウジング15をシリンダサブアッセンブリ110に組み付けてハウジングサブアッセンブリ120を形成する。この工程をハウジングサブアッセンブリ形成工程とする。具体的には、図13(a)に示すように、治具119に固定されているシリンダサブアッセンブリ110の上方から吸入弁部71を装着した上部ハウジング15を挿入する。ここで、上部ハウジング11のシリンダ挿入面152とシリンダ13の上部ハウジング挿入面137は、圧入、焼き嵌め、冷やし嵌め、接着等の手段により固定される。また、上部ハウジング15とシリンダ13との位相を確認するため、図13(b)の状態において前述のレーザー検出器300(図11(a))や画像処理装置400(図11(b))による吸入孔141および吐出孔142の位置確認を行ってもよい。
次に、図14に示すようにカバー31にパルセーションダンパサブアッセンブリを装着し、カバーサブアッセンブリ130を形成する。ここで、パルセーションダンパサブアッセンブリは、2枚のダイアフラム34、35で形成されているパルセーションダンパ33、およびダイアフラム34、35を支持するカバー側支持部材36および燃料ギャラリ側支持部材37から構成されている。パルセーションダンパサブアッセンブリは、カバー31の内側において底部311に圧入、接着、溶接等の手段により装着される。
次に、図15に示すようにカバーサブアッセンブリ130をハウジングサブアッセンブリ120に組み付けてヘッドサブアッセンブリ140を形成する。この工程をヘッドサブアッセンブリ形成工程とする。具体的には、図15(a)に示すように、治具119に固定されているハウジングサブアッセンブリ120の上方から位置決めされたカバーサブアッセンブリ130を装着する。このとき、カバー31に形成されている第1貫通孔322aと上部ハウジング15の吸入弁部71との位相をあわせる。
次に、図16に示すようにヘッドサブアッセンブリ140にニードルサブアッセンブリ150および吐出リリーフサブアッセンブリ160を装着する。具体的には、図16(a)に示すように、ニードルサブアッセンブリ150および吐出リリーフサブアッセンブリ160をヘッドサブアッセンブリ140内の上部ハウジング15に装着する。このとき、ニードルサブアッセンブリ150および吐出リリーフサブアッセンブリ160は、圧入、冷し嵌め、接着、溶接等の手段により上部ハウジング15に固定する。その後、カバーサブアッセンブリ130とニードルサブアッセンブリ150、カバーサブアッセンブリ130と吐出リリーフサブアッセンブリ160、およびカバーサブアッセンブリ130と下部ハウジング11とを接合する。これにより、カバー31内の燃料ギャラリ32における液密性を確保する。接合は、溶接、レーザーろう付け、接着、かしめ等によって行う。
最後に、図17に示すようにコイル87、コネクタ891等から構成されるコイルアッセンブリ170、オイルシールホルダ52、シール523から構成されるシールサブアッセンブリ180、プランジャスプリング54、およびプランジャ51等を組み付けて高圧ポンプ10Aは完成する。
(作用)
次に、高圧ポンプ10Aの作動について説明する。
(I)吸入行程
カムシャフトの回転によりプランジャ51が上死点から下死点に向かって下降すると、加圧室14の容積が増加し、燃料が減圧される。吐出弁93の吐出弁部材94は、吐出弁座947に着座し燃料吐出口99を閉塞する。このとき、コイル87への通電は停止されているので、可動コア85およびニードル86は第2スプリング85の付勢力により加圧室14側に移動する。その結果、ニードル86が吸入弁部材74を押圧し、吸入弁部材74が第1スプリングホルダ75に当接した状態で開弁状態が維持される。これにより、燃料ギャラリ32から第2吸入通路162、吸入通路712、吸入室711、第1吸入通路161および吸入孔141を経由して加圧室14に燃料が吸入される。
(II)調量行程
カムシャフトの回転によりプランジャ51が下死点から上死点に向かって上昇すると、加圧室14の容積が減少する。このとき、所定の時期まではコイル87への通電が停止され、吸入弁部材74は開弁状態となっている。このため、一度加圧室14に吸入された低圧燃料が吸入孔141、第1吸入通路161を経由して吸入室711へ戻される。
プランジャ51が上昇する途中の所定の時期にコイル87への通電を開始することにより、固定コア83と可動コア84との間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力が第2スプリング851の付勢力から第1スプリング76の付勢力を引いた合力より大きくなると、可動コア84およびニードル86が固定コア83側に移動し、吸入弁部材74に対するニードル86の押圧力が解除される。
すると、第1スプリング76の付勢力によって吸入弁部材74は第1スプリングホルダ75から離れ、吸入弁部材74は吸入室711側に移動する。その結果、吸入弁部材74は、シートボディ73に形成されている弁座731に着座して閉弁状態となる。
(III)加圧行程
吸入弁部材74が閉弁した後、加圧室14の燃圧は、プランジャ51の上昇と共に高くなる。加圧室14側の燃料の圧力が吐出弁部材94に作用する力が燃料吐出口99側の燃料の圧力が吐出弁部材94に作用する力と吐出弁スプリング943の付勢力との合力よりも大きくなると、吐出弁93は開弁する。これにより、加圧室14で加圧された加圧燃料は燃料吐出口99から吐出される。
なお、加圧行程の途中でコイル87への通電が停止される。加圧室14の燃圧が吸入弁部材74に作用する力は、第2スプリング851の付勢力より大きいので、吸入弁部材74は閉弁状態を維持する。
このように、高圧ポンプ10Aは、吸入行程、調量行程および加圧行程を繰り返し、吸入した燃料を加圧して燃料吐出口99から燃料レールに吐出する。燃料レールは、吐出された燃料を蓄積する。燃料レールに蓄積された燃料は、ECUからの通電によって燃料噴射弁から噴射される。ここで、燃料レール、燃料噴射弁、ECUはいずれも図示しない。
燃料レール内の燃料の圧力が所定圧以下のとき、リリーフ弁部材96は、リリーフ弁スプリング963の付勢力によってリリーフ弁座967に着座する。よって、リリーフ弁95は閉弁する。しかしながら、何らかの異常により燃料レール内の燃圧が上昇し、燃料レール内の燃料の圧力がリリーフ弁部材96に作用する力が加圧室14側の燃料の圧力がリリーフ弁部材96に作用する力とリリーフ弁スプリング963の付勢力との合計より大きくなる場合、リリーフ弁部材96は加圧室14側に移動し、リリーフ弁95は開弁する。これにより、燃料吐出口99から加圧室14への燃料の流れを許容する。
(効果)
本発明の第1実施形態による高圧ポンプ10Aの効果を説明する。
(A)従来の高圧ポンプでの加圧室は、ハウジングの内壁の一部が加圧室を形成していたため、加圧室で発生する燃料の圧力による上向きの作用力に対応するための剛性がハウジングに必要であった。しかしながら、第1実施形態の高圧ポンプ10Aにおける加圧室14は、シリンダ13の筒部132の内壁132a、底部131の内底壁131cおよびプランジャ51の大径部511の上端面515から形成される。これにより、ハウジングに燃料の圧力による上向きの作用力に対応する必要はなくなり、ハウジングの体格を小さくすることができる。また、ハウジングの体格を小さくすることにより、高圧ポンプ10Aの重量を低減することができる。したがって、高圧ポンプ10Aの製造コストを低減することができる。
(B)高圧ポンプ10Aでは、突部12の上面121が下部ハウジング11のシリンダ取付部111の下面111bに当接している。これにより、加圧室14において燃料が加圧されるとき、発生する燃料の圧力による作用力がシリンダ13の底部131に作用する上向きの力としてシリンダ13に作用する。この力は、突部12を介して下部ハウジング11に伝わる。突部12は下部ハウジング11に対して特に上向きの移動を規制しているため、シリンダ13の下部ハウジング11に対する位置は変化しない。したがって、下部ハウジング11に対するシリンダ13の位置変化を防止することができる。
(C)プランジャ51を収容するシリンダ13は、下部ハウジング11のシリンダ挿入孔118に挿入されている。このとき、シリンダ挿入孔118を形成する内壁111aは、プランジャ51が摺動する内壁に対応するシリンダ13の外壁132bに当接する。これにより、前述したプランジャ51のみそすり運動、または振り子運動によってシリンダ13に作用する力をシリンダ13および下部ハウジング11によって受けることができ、シリンダ13の変形を防止することができる。
(D)また、本発明の高圧ポンプ10Aは、「ハウジング」としての下部ハウジング11および上部ハウジング15に加えて、上部ハウジング15を収容し、下部ハウジング11に接合するカバー31から構成されている。このうち、加圧室14で発生する燃料の圧力による作用力が作用するシリンダ13およびシリンダ13により支持されている下部ハウジング11は、剛性の高い材料で製作する必要があるが、上部ハウジング15には加圧室14で発生する燃料の圧力による上向きの作用力は作用しないので、剛性が高い材料で製作する必要はない。特に従来から下部ハウジング11は剛性の高い材料で製作されているため、製造コストは増加しない。したがって、上部ハウジング15は小さくすることができ、また従来の高圧ポンプのように複雑な形状加工は必要となくなる。これにより、高圧ポンプ10Aの製作コストを低減することができる。また、高圧ポンプ10Aの外郭を形成するカバー31については、薄板の使用が可能であり、プレス成形などの安価な工程で製作することができる。また、前述の小型化が可能な上部ハウジング15と組み合わせると、カバー31と上部ハウジング51との間に形成される空間は、燃料ギャラリ32として使用することが可能である。この従来の高圧ポンプの燃料ギャラリに比べて大きな容積を有する燃料ギャラリ32により、低圧燃料での燃圧の脈動を抑制することができ、また、燃料ギャラリの燃圧降下が小さくなるためポンプの吸入効率を向上することができる。
(E)シリンダ13の外壁132bに形成されている突部12は、外壁132bに沿って環状に形成されている。加圧室14で発生する燃料の圧力による作用力が、突部12を介して下部ハウジング11に伝わる場合、突部12が環状に形成されているため下部ハウジング11には力が均等に伝わる。これにより、シリンダ13および下部ハウジング11の変形を防止することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図18に基づいて説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して、下部ハウジングの形状が一部異なる。なお、第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態の高圧ポンプ10Bでは、下部ハウジング11Bのエンジン取付部112Bにフランジ117が取り付けられている。高圧ポンプ10Bでは、このフランジ117を介してエンジン等に取り付けられる。第2実施形態の高圧ポンプ10Bでは、第1実施形態の高圧ポンプ10Aに比べてエンジン取付部を小さく、かつ肉厚を薄くすることができる。これにより、下部ハウジング11Bの製作に必要な材料を少なくし、製作コストを低減することができる。下部ハウジング11Bは、特許請求の範囲に記載の「ハウジング」に相当する。
また、燃料吸入部70および燃料吐出リリーフ部90と、下部ハウジング11Bのエンジン取付部112Bに形成されている取付孔112aとの位相合わせを最終工程にてフランジ117の位相を調整するだけで実施可能であるため、中間組み付け工程での工数および設備費が減少するため、組み付けコストを低減することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図19に基づいて説明する。第3実施形態は、第1実施形態に対して、突部の形状が一部異なる。なお、第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第3実施形態では、シリンダ13Cに形成されている突部12Cが筒部132Cに形成されている。より具体的には、図19に示すようにシリンダ13Cの筒部は小径部133Cと突部12Cから構成される。突部12Cは、シリンダ13Cの略中央からプランジャ51が挿入される開口端まで形成されている。このとき、突部12Cの上面121Cがシリンダ保持部111の下面111bと当接する。
第3実施形態では、大径部12Cはプランジャ51が挿入される開口端まで形成されている。これにより、例えばシリンダ13Cの外壁の加工工程において、円筒状の材料の一端側だけを研削することによりシリンダ13Cの外壁を製作することができる。したがって、シリンダ13Cの外壁の加工が容易となる。すなわち、高圧ポンプ10Cの製造コストを低減することができる。
また、大径部12Cを設けることによりシリンダ13Cの剛性が向上するため、プランジャ51がみそすり運動、または振り子運動をした際の耐焼付性を向上することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を図20に基づいて説明する。第4実施形態は、第1実施形態に対して、下部ハウジングの形状が一部異なる。なお、第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第4実施形態では、上部ハウジング15と下部ハウジング11の間に中間支持部材16が設けられている。より具体的には、図20に示すように中間支持部材16は、その下面162を下部ハウジング11Dのエンジン保持部111Dの上面に当接し、かつシリンダ13の外壁に沿うように加圧室14の方向に延びている略円筒状の部材である。中間支持部材16の上面161は、上部ハウジング15の下面に当接する。これにより、シリンダ13の径外方向への移動は、主に中間支持部材16により規制されている。上部ハウジング15は、特許請求の範囲に記載の「第1ハウジング」に相当する。下部ハウジング11Dは、特許請求の範囲に記載の「第2ハウジング」に相当する。
第4実施形態では、下部ハウジング11Dを製作する場合、第1実施形態の下部ハウジング11のシリンダ保持部111の一部に相当する部分を形成する必要がなくなるため、下部ハウジング11Dの製作に必要な材料を低減することができる。これにより、高圧ポンプ10Dの製造コストを低減することができる。
また、中間支持部材16がシリンダ13の外壁132bと当接する位置は、プランジャ51の摺動領域にあたり、プランジャ51のみそすり運動、または振り子運動による径外方向への力がシリンダ13に作用する。このとき、シリンダ13の径外側に適切な強度を持つ中間支持部材16を設けることにより、みそすり運動、または振り子運動によるシリンダ13の変形を防止することができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を図21から図25に基づいて説明する。第5実施形態は、第1実施形態に対して、突部の形状が一部異なる。なお、第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第5実施形態では、シリンダ13Eの外壁132bに径内方向に形成される凹部17、および凹部17に嵌合する固定部材18が形成されている。固定部材18の加圧室14側の上面181は下部ハウジング11のシリンダ保持部111の下面111bに当接する。固定部材18は、図22に示すように略C字形状をなしており、その断面は図22(b)に示すように略矩形である。これにより、加圧室14で発生する燃料の圧力による作用力のうち、シリンダ13Eの底部131Eに作用する上方向の力は、下部ハウジング11を上方向に押し上げる力として下部ハウジング11に作用する。
次に第5実施形態の高圧ポンプ10Eの製造方法を図23から図25に基づいて説明する。第5実施形態の高圧ポンプ10Eの製造方法は、第1実施形態の高圧ポンプ10Aの製造方法において第1シリンダサブアッセンブリ形成工程が異なる。
最初に下部ハウジング11にシリンダ13Eを組み付ける。このとき、シリンダ13Eの外壁132bの研削および研磨はスルーフィードでも対応可能である。第5実施形態の高圧ポンプ10Eを製造する場合、図23に示すように治具119に固定されている下部ハウジング11の上方からシリンダ13Eを挿入する。このとき、シリンダ13Eの外径は上部ハウジング15が圧入される加圧室14付近でもプランジャ51が挿入される開口付近でも同じとなっている。一方、第1実施形態の高圧ポンプ10Aでは、シリンダ13の外径が上部と下部とで異なる。具体的には、下部に比べて上部の方が小さい。これは、第1実施形態の高圧ポンプ10Aでは、シリンダ13の外壁132bに突部12が形成されているためであって、下部ハウジング11および上部ハウジング15に対してシリンダ13を下方から挿入する必要がある。このとき、下部ハウジング11の下方からシリンダ13を挿入する際、シリンダ13の底部131の外壁131bが下部ハウジング11の内壁111aに接触して傷がつくのを防止するためである。底部131の外壁131bに傷がつくことにより、上部ハウジング15とシリンダ13を接合しても、燃料を密封することができないおそれがある。しかしながら、第5実施形態の高圧ポンプ10Eの製造方法では、シリンダ13Eを下部ハウジング11の上方から挿入するため、シリンダ13Eの底部131の外壁131bが下部ハウジング11の内壁111aに接触することはない。なお、このとき、シリンダ13Eと下部ハウジング11との位相合わせは第1実施形態の場合と同様の方法で行われる。
図24(b)の拡大図に示すように、下部シリンダ11にシリンダ13Eが挿入された場合、固定部材18を凹部17に嵌合させるため、凹部17の加圧室14側の面171と下部ハウジング11のシリンダ保持部111の下面111bとの間には距離d1が設けられる。距離d1は0以上であることが望まれる。
次に図25(a)に示すように、固定部材18をシリンダ13Eの下方から挿入して凹部17に嵌合する。さらに、図25(b)に示すように、固定部材18を凹部17に嵌合した後、シリンダ13Eに対して加圧室14の方向に力Fを加える。これにより、固定部材18の上面181とシリンダ支持部111の下面111bとは当接する。これにより、シリンダサブアッセンブリ110Eが形成される。これ以降の工程は、第1実施形態の高圧ポンプ10Aの吸入弁形成工程以降と同様である。
(効果)
第5実施形態の高圧ポンプ10Eでは、第1実施形態の高圧ポンプ10Aの効果(A)〜(E)に加えて、以下の効果を奏する。
(F)第5実施形態の高圧ポンプ10Eでは、固定部材18の上面181とシリンダ保持部111の下面111bとが当接する。このとき、シリンダ13Eには、固定部材18が嵌合する凹部17が外壁に形成されている。シリンダ13Eの外壁を加工する場合、突起部を考慮しない、より細い素材からの切削による形成が可能である。また凹部17を形成した後、シリンダ13Eの底部131から開口部133までフィードスルーにより研削および研磨加工を行うことができる。これにより、シリンダ13Eの加工コストを低減することができる。すなわち、高圧ポンプ10Eの製造コストを低減することができる。
(G)また、固定部材18は、略矩形の断面形状を有している。これにより、例えば平板の打ち抜きにより固定部材18を製作することができる。したがって、高圧ポンプ10Eの製造コストを低減することができる。
(H)また、高圧ポンプ10Eの製造方法において、シリンダ13Eを下部ハウジング11に取り付ける場合、シリンダ13Eを下部ハウジング11の上方から挿入する。一方、シリンダ13Eを上部ハウジング15に取り付ける場合、シリンダ13Eを上部ハウジング15の下方から挿入する。すなわち、シリンダ13Eの上方から下部ハウジング11および上部ハウジング15を挿入する第1実施形態に比べて、高圧ポンプ10Eでは、シリンダ13Eの下方から下部ハウジング11、上方から上部ハウジング15を挿入することができる。これにより、高圧ポンプ10Eでは下部ハウジング11の取り付けによってシリンダ13Eの外壁132bに傷をつけることがなくなるため、シリンダ13Eの外壁の外径を1つにすることができる。したがって、シリンダ13Eの外壁を加工する場合、スルーフィードにより加工することができる。これにより、加工コストを低減することができる。すなわち、高圧ポンプ10Eの製造コストを低減することができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態を図26および図27に基づいて説明する。第6実施形態は、第4実施形態に対して、固定部材の形状が一部異なる。なお、第4実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第6実施形態の高圧ポンプ10Fでは、図26に示すように固定部材18Fが凹部17に嵌合している。固定部材18Fの上側面18F1は下部ハウジング11Dのシリンダ支持部111Dの下面111bに当接している。ここで、固定部材18Fは図27に示すように断面形状が略円形を成している。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態を図28に基づいて説明する。第7実施形態は、第1実施形態に対して、加圧室を形成する壁面が一部異なる。なお、第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第7実施形態では、図28に示すようにシリンダ13Gは略筒状をなしている。このとき、シリンダ13Gの加圧室14側の開口131Gには、蓋状部材19が嵌合している。これにより、加圧室14は、シリンダ13Gの筒部132Gの内壁132a、蓋状部材19の下面191、およびプランジャ51の大径部511の上端面515により形成される。蓋状部材19は、特許請求の範囲に記載の「シリンダ」に相当する。
第7実施形態の高圧ポンプ10Gでは、加圧室14で発生する燃料の圧力による作用力のうち、上方に作用する力は、蓋状部材19に作用する。このとき、蓋状部材19はシリンダ13Gの開口131Gに嵌合している。したがって、加圧室14で発生する燃料の圧力による作用力は、シリンダ13Gにのみ作用する。一方、燃料の圧力による作用力は上部ハウジング15やカバー31には作用しない。したがって、第1実施形態の効果(A)〜(E)と同じ効果を奏す。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態を図29に基づいて説明する。第8実施形態は、第1実施形態に対して、燃料吸入部および燃料吐出リリーフ部の取り付け方法が異なる。なお、第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第8実施形態では、上部ハウジング15Hに対して燃料吸入部70Hおよび燃料吐出リリーフ部90Hがねじにより締結されている。より具体的には、図29に示すように燃料吸入部70Hと上部ハウジング15Hとは、吸入弁ボディ72Hの吸入弁ねじ部721Hが上部ハウジング15Hの第1吸入通路161Hの内壁に形成されているねじ部と締結する。一方、燃料吐出リリーフ部90Hと上部ハウジング15Hとは、燃料吐出リリーフハウジング91Hの燃料吐出リリーフねじ部911Hが上部ハウジング15Hの第1吐出通路163Hの内壁に形成されているねじ部と締結する
(他の実施形態)
(ア)上述の第5実施形態および第6実施形態では、固定部材の形状は略C字状とした。しかしながら、固定部材の形状はこれに限定されない。図30に示すように汎用されているスナップリング500、600としてもよい。
(イ)上述の実施形態では、下部ハウジングに形成される燃料通路は2つとした。しかしながら、燃料通路の数はこれに限定されない。1つであってもよいし、2つ以上の複数であってもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G、10H・・・高圧ポンプ、
11、11B,11D ・・・下部ハウジング(ハウジング、第2ハウジング)、
12、12C ・・・突部、
13、13C、13E、13G・・・シリンダ、
131 ・・・底部、
131b ・・・内底壁、
131b ・・・外壁(底部の外壁)
132 ・・・筒部、
132a ・・・内壁、
132b ・・・外壁(筒部の外壁)、
133a ・・・開口、
14 ・・・加圧室、
141 ・・・吸入孔、
142 ・・・吐出孔、
15 ・・・上部ハウジング(ハウジング、第1ハウジング)、
16 ・・・中間支持部材、
17 ・・・凹部、
18、18F ・・・固定部材、
19 ・・・蓋状部材(シリンダ)、
51 ・・・プランジャ、
515 ・・・上端面(プランジャの大径部511の上端)。

Claims (8)

  1. 往復移動可能なプランジャと、
    有底中空筒状に一体に形成され、底部と、前記底部で一端が塞がれる筒部とからなり、前記プランジャを摺動可能に支持する内壁、前記プランジャの上端と前記内壁と前記底部の内底壁とで区画形成される加圧室、および前記加圧室に連通し径方向に内外を連通する吸入孔および吐出孔を有するシリンダと、
    前記シリンダの前記底部の外壁および前記筒部の外壁と嵌合するハウジングと、
    前記加圧室の圧力が増大するとき、前記ハウジングに対して前記シリンダの前記底部方向への移動を規制する規制手段と、
    を備え
    前記ハウジングは、前記シリンダの前記底部の外壁と嵌合する第1ハウジング、及び、前記第1ハウジングと前記規制手段との間に前記シリンダの前記筒部の外壁と嵌合するよう設けられ前記第1ハウジングと当接する側とは反対側に前記規制手段が係合する第2ハウジングから構成されることを特徴とする高圧ポンプ。
  2. 前記規制手段は、前記シリンダの前記筒部の前記外壁に形成され、径外方向に突出する突部であることを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
  3. 前記規制手段は、前記シリンダの前記内壁のうち前記プランジャの摺動領域の径外方向の外壁に形成される前記突部であることを特徴とする請求項2に記載の高圧ポンプ。
  4. 前記規制手段は、前記シリンダの開口端まで軸方向に延びている前記突部であることを特徴とする請求項2または3に記載の高圧ポンプ。
  5. 前記規制手段は、前記シリンダの前記外壁に沿って環状に形成されている前記突部であることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  6. 前記規制手段は、前記シリンダの前記外壁に形成されている凹部に嵌合する固定部材であることを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
  7. 前記規制手段は、前記シリンダの前記外壁に沿って略C字状に形成されている前記固定部材であることを特徴とする請求項6に記載の高圧ポンプ。
  8. 前記ハウジングは、一端を前記第1ハウジングの前記開口側の外壁に当接し、他端を前記第2ハウジングの前記底部側の外壁に当接し、前記シリンダを径外側で支持する中間支持部材を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
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