JP2012131864A - シリカ系絶縁膜形成用塗布液 - Google Patents

シリカ系絶縁膜形成用塗布液 Download PDF

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麗子 森山
Shozo Takada
省三 高田
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秀夫 斎藤
Ichiro Doi
一郎 土井
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Abstract

【課題】ポットライフが長く、焼成してシリコン酸化物としたときの硬化収縮率が小さく、更にクラック耐性に優れかつ耐電圧のばらつきが小さい絶縁膜を形成できる縮合反応物溶液の提供。
【解決手段】(I)(i)下記一般式(1):R1 nSiX1 4-n (1){式中、nは0〜3の整数であり、R1は水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、X1はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基である}で表されるシラン化合物に由来するポリシロキサン化合物と、(ii)シリカ粒子と、を少なくとも含有する縮合成分を縮合反応させて得られる縮合反応物、及び(II)溶媒を含み、該一般式(1)で表されるシラン化合物が4官能シラン化合物及び3官能シラン化合物を少なくとも含有し、該シリカ粒子中の炭素量が0.05質量%以上0.65質量%未満である、縮合反応物溶液。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体装置等の電子デバイスに使用される絶縁膜、例えば層間絶縁膜又は素子分離膜を形成するためのシリカ系絶縁膜形成用塗布液に関するものである。
半導体装置等の電子デバイスにおいては、配線間又は素子間を電気的に絶縁するための絶縁膜が多数使用されている。これらの絶縁膜の多くはシリコン酸化物を主体とする材料からなっており、その製造には大きく分けて化学気相成長法(CVD)とスピンオングラス法(SOG)とが用いられている。一般には絶縁破壊電圧及びリーク電流等の電気特性に優れ、膜中の残留ガスが少なく、成膜速度及び膜厚均一性等の実用特性も兼ね備えるCVDが広く用いられている。しかしながら、電子デバイスの絶縁膜にはこれらの特性以外に低誘電率及びギャップフィル性能(狭い配線間を空隙なしに埋め込む性能)を求められることも多く、必ずしもCVDが好適とは限らない場合もあり、その場合にはSOGが用いられる。
CVDよりもSOGが好適である一例として、半導体装置の素子間を分離するトレンチの埋め込みがある(例えば特許文献1)。半導体装置の微細化に伴い、素子と素子とを電気的に分離する領域も微細化が進んでおり、CVDでは分離領域に空隙が発生してしまう。そのため、CVDに代わる技術として、ポリシラザン(例えば特許文献1)又は酸化シリコン粒子の分散液(特許文献2)、酸化シリコン粒子とシリコン含有バインダーとの混合物(特許文献3)等の塗布材料をスピンコートで基板上に塗布し、これを焼成することによって素子分離領域を形成する方法が提案されている。
SOGが好適に用いられる他の例として、低誘電率層間絶縁膜(いわゆるlow−k膜)形成用の材料が挙げられる。low−k膜形成用の材料としては非常に多くの技術が提案されているが、この用途においても酸化シリコン粒子を用いた材料が古くから知られている(特許文献4)。
特開2004−179614号公報 特開2009−4438号公報 特開2006−310448号公報 特開平3−263476号公報
SOGはCVDにない特徴を有する技術ではあるが、一般にCVDと比較して絶縁破壊電圧及びリーク電流等の電気特性に劣るという問題を有している。その原因としては、形成された膜中に水分等の電気特性的に好ましくない不純物が残留することが考えられる。特にSOGに特有の現象として、原料として使用されるアルコキシシラン及びシリコン酸化物粒子に含まれる有機物、又は塗布液として使用するための溶媒が最終的な絶縁膜に残留し、電気特性を悪化させる可能性がある。
本発明はこのような残留炭素を低減し、絶縁膜の電気特性を改善することを目的とするものである。
本発明者らは上記目的を達成する方法を開発すべく鋭意研究を行った結果、以下に示す縮合反応物溶液が、ポットライフが長く、焼成してシリコン酸化物としたときの硬化収縮率が小さく、更に、クラック耐性に優れかつ耐電圧のばらつきが小さい絶縁膜を形成できることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は以下の通りである。
[1] (I)(i)下記一般式(1):
1 nSiX1 4-n (1)
{式中、nは、0〜3の整数であり、R1は、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、X1は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基である。}
で表されるシラン化合物に由来するポリシロキサン化合物と、(ii)シリカ粒子とを少なくとも含有する縮合成分を縮合反応させて得られる縮合反応物、及び
(II)溶媒
を含み、
該一般式(1)で表されるシラン化合物が、一般式(1)中のnが0である4官能シラン化合物及び一般式(1)中のnが1である3官能シラン化合物を少なくとも含有する2種類以上のシラン化合物であり、
該シリカ粒子中の炭素量が0.05質量%以上0.65質量%未満である、縮合反応物溶液。
[2] 該ポリシロキサン化合物中の、下記一般式(2):
SiX2 4 (2)
{式中、X2は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基である。}
で表される4官能シラン化合物に由来する成分の割合が、5mol%以上40mol%以下であり、
該ポリシロキサン化合物中の、下記一般式(3):
2SiX3 3 (3)
{式中、R2は、炭素数1〜10の炭化水素基であり、X3は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基である。}
で表される3官能シラン化合物に由来する成分の割合が、60mol%以上95mol%以下である、上記[1]に記載の縮合反応物溶液。
[3] 該シリカ粒子中の炭素量が0.05質量%以上0.3質量%以下である、上記[1]又は[2]に記載の縮合反応物溶液。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の縮合反応物溶液を基板上に塗布して塗布基板を得る塗布工程と、
該塗布工程で得た塗布基板を加熱する焼成工程とを含む、絶縁膜の形成方法。
本発明の縮合反応物溶液は、ポットライフが長く、焼成してシリコン酸化物としたときの硬化収縮率が小さく、更に、クラック耐性に優れかつ耐電圧のばらつきが小さい絶縁膜を形成できる。よって、本発明の縮合反応物溶液によれば、例えばメタル下絶縁膜及び素子分離用絶縁膜として利用可能な絶縁膜を形成することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
[縮合反応物溶液]
本発明の一態様は、(I)(i)下記一般式(1):
1 nSiX1 4-n (1)
{式中、nは、0〜3の整数であり、R1は、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、X1は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基である。}で表されるシラン化合物に由来するポリシロキサン化合物と、(ii)シリカ粒子とを少なくとも含有する縮合成分を縮合反応させて得られる縮合反応物、及び(II)溶媒を含み、該一般式(1)で表されるシラン化合物が、一般式(1)中のnが0である4官能シラン化合物及び一般式(1)中のnが1である3官能シラン化合物を少なくとも含有する2種類以上のシラン化合物であり、該シリカ粒子中の炭素量が0.05質量%以上0.65質量%未満である縮合反応物溶液を提供する。なお、本明細書で記載する縮合成分中の各成分の含有量は、縮合成分における全成分合計質量(ただし、ポリシロキサン化合物及び任意のシラン化合物の量については縮合換算量に置き換える)を100質量%としたときの量である。ここで縮合換算量とは、当該成分中に存在する縮合反応性基1個を酸素原子1/2個に置き換えて得られる量である。縮合反応性基とは、より具体的には縮合によるシロキサン結合の形成に寄与する基(例えば、ケイ素原子に結合したハロゲン原子、アルコキシ基又はアセトキシ基)である。例えばポリシロキサン化合物については、該化合物中に残存するX1基(X1は、一般式(1)に関して先に定義した通りである)が縮合反応性基に該当する。なお上記縮合反応性基の少なくとも一部(通常は大部分)は、実際の反応では加水分解によってシラノール基となり、このシラノール基が縮合反応することになる。
<縮合反応物>
縮合反応物は、上記一般式(1)で表され、4官能シラン化合物及び3官能シラン化合物を少なくとも含有する2種類以上のシラン化合物に由来するポリシロキサン化合物と、シリカ粒子と、を含有する縮合成分を縮合反応させて得られる。
(ポリシロキサン化合物)
本発明において使用されるポリシロキサン化合物は、上記一般式(1)で表されるシラン化合物に由来する。より具体的には、該ポリシロキサン化合物は、上記一般式(1)で表されるシラン化合物の重縮合物である。
上記一般式(1)中のR1の具体例としては:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、iso−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、iso−ヘプチル、n−オクチル、iso−オクチル、t―オクチル、n−ノニル、iso−ノニル、n−デシル、iso−デシル等の非環式又は環式の脂肪族炭化水素基;ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、シクロヘキセニルエチル、ノルボルネニルエチル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、スチレニル等の非環式及び環式のアルケニル基;ベンジル、フェネチル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジル等のアラルキル基;PhCH=CH−基等のアラアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;等が挙げられる。更に、R1の具体例としては水素原子が挙げられる。この中でも、焼成時のシリコン酸化物への転換の際に重量減少が少なく、収縮率が小さい縮合反応物を与えることができる点で、R1は、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、より好ましくはメチル基である。
上記一般式(1)中のX1の具体例としては、例えば:塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のアルコキシ基;アセトキシ基;等が挙げられる。この中でも、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、及びアセトキシ基が、縮合反応の反応性が高いため好ましい。
上記ポリシロキサン化合物が、一般式(1)中のnが0である4官能シラン化合物に由来する成分を含むことにより、成膜性及び基板への密着性が良好になり、一般式(1)中のnが1である3官能シラン化合物に由来する成分を含むことにより、クラック耐性が良好になる。本発明においては、上記特定組成の2種類以上のシラン化合物に由来するポリシロキサン化合物を用いることにより、成膜性、基板への密着性、クラック耐性を併せ持つ縮合反応物溶液が得られる。以下に4官能シラン化合物と3官能シラン化合物とのより好ましい態様について説明する。
本発明において使用するポリシロキサン化合物中の、下記一般式(2):
SiX2 4 (2)
{式中、X2は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基である。}
で表される4官能シラン化合物に由来する成分の割合は、5mol%以上40mol%以下であることが好ましい。なお上記一般式(2)中のX2の構造は上記一般式(1)中のX1の構造に対応しており、一般式(2)の構造は一般式(1)の構造の一部を表している。ポリシロキサン化合物中の、一般式(2)で表される4官能シラン化合物に由来する成分の割合が5mol%以上である場合、成膜性及び基板への密着性が良好であるため好ましく、該割合はより好ましくは10mol%以上である。一方、該割合が40mol%以下である場合、クラック耐性が良好であるため好ましく、該割合はより好ましくは35mol%以下、更に好ましくは30mol%以下である。
上記一般式(2)中のX2の具体例としては、例えば:塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のアルコキシ基;アセトキシ基等が挙げられる。この中でも、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、及びアセトキシ基が、縮合反応の反応性が高いため好ましい。
本発明において使用するポリシロキサン化合物中の、下記一般式(3):
2SiX3 3 (3)
{式中、R2は、炭素数1〜10の炭化水素基であり、X3は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基である。}
で表される3官能シラン化合物に由来する成分の割合は、60mol%以上95mol%以下であることが好ましい。なお上記一般式(3)中のX3の構造は上記一般式(1)中のX1に対応しており、上記一般式(3)中のR2の構造は上記一般式(1)中のR1の一部の態様を表している。すなわち一般式(3)の構造は一般式(1)の構造の一部を表している。ポリシロキサン化合物中の、一般式(3)で表される3官能シラン化合物に由来する成分の割合が60mol%以上である場合、クラック耐性が良好であるため好ましく、該割合はより好ましくは65mol%以上、更に好ましくは70mol%以上である。一方、該割合が95mol%以下である場合、成膜性及び基板への密着性が良好であるため好ましく、該割合はより好ましくは90mol%以下である。
なお、ポリシロキサン化合物の構造、特に、上記一般式(1)、(2)及び(3)でそれぞれ表される構造の存在及び含有量は、29SiNMR分析により確認できる。
上記一般式(3)中のR2の具体例としては:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、iso−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、iso−ヘプチル、n−オクチル、iso−オクチル、t―オクチル、n−ノニル、iso−ノニル、n−デシル、iso−デシル等の非環式及び環式の脂肪族炭化水素基;ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、シクロヘキセニルエチル、ノルボルネニルエチル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、スチレニル等の非環式及び環式のアルケニル基;ベンジル、フェネチル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジル等のアラルキル基;PhCH=CH−基等のアラアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;等が挙げられる。この中でも、焼成時のシリコン酸化物への転換の際に重量減少が少なく、収縮率が小さい縮合反応物を与えることができる点で、R2は、好ましくはメチル基又はエチル基であり、より好ましくはメチル基である。
上記一般式(3)中のX3の具体例としては、例えば:塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のアルコキシ基;アセトキシ基;等が挙げられる。この中でも、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、及びアセトキシ基が、縮合反応の反応性が高いため好ましい。
ポリシロキサン化合物中、上記一般式(2)で表される4官能シラン化合物に由来する成分の割合が5mol%以上40mol%以下であり、かつ上記一般式(3)で表される3官能シラン化合物に由来する成分の割合が60mol%以上95mol%以下であることが特に好ましい。
(ポリシロキサン化合物の製造)
ポリシロキサン化合物は、例えば上記したシラン化合物を水の存在下で重縮合させる方法により製造できる。このとき、酸性雰囲気下、上記一般式(1)で表されるシラン化合物に含有されるX1の数に対して、好ましくは0.1当量以上10当量以下、より好ましくは0.4当量以上8当量以下の範囲で水を存在させて重縮合を行う。水の存在量が上記の範囲内である場合、縮合反応物溶液のポットライフを長くし、成膜後のクラック耐性を向上させることができるため好ましい。
ポリシロキサン化合物を製造するために用いるシラン化合物が、上記一般式(1)中のX1としてハロゲン原子又はアセトキシ基を含有する場合は、縮合反応のために水を加えることによって、反応系が酸性を示すため、シラン化合物の他に酸触媒を用いても用いなくても、いずれでも構わない。一方、上記一般式(1)中のX1がアルコキシ基である場合は、酸触媒を加えることが好ましい。
酸触媒としては、無機酸及び有機酸が挙げられる。上記無機酸としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、ホウ酸等が挙げられる。上記有機酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、シトラコン酸、リンゴ酸、グルタル酸等が挙げられる。
上記の無機酸及び有機酸は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。また使用される酸触媒の量は、ポリシロキサン化合物を製造する際の反応系のpHを0.01〜7.0に調整する量であることが好ましい。この場合、ポリシロキサン化合物の重量平均分子量を良好に制御できる。
ポリシロキサン化合物は、有機溶媒中又は水と有機溶媒との混合溶媒中で製造することができる。上記有機溶媒としては、例えばアルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素化合物類、アミド化合物類等が挙げられる。
上記アルコール類としては、例えば:メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の一価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等の多価アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのモノエーテル類;等が挙げられる。
上記エステル類としては例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
上記ケトン類としては例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン等が挙げられる。
上記エーテル類としては、上記の多価アルコールのモノエーテル類の他に、例えば:エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコールの水酸基の全てをアルキルエーテル化した多価アルコールエーテル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール等が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素類としては例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素類としては例えばベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上記アミド化合物類としては例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
以上の溶媒の中でも、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル系溶媒、及びジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド化合物系溶媒が、水と混合しやすく、シリカ粒子を分散させやすい点で好ましい。
これらの溶媒は、単独で使用してもよいし、複数種の溶媒を組み合わせて使用しても構わない。また上記溶媒を用いずにバルク中で反応を行ってもよい。
ポリシロキサン化合物を製造する際の反応温度は特に制限は無いが、好ましくは−50℃以上200℃以下、より好ましくは0℃以上150℃以下の範囲で行う。上記の温度範囲で反応を行うことにより、ポリシロキサン化合物の重量平均分子量を容易に制御することができる。
(シリカ粒子)
本発明の縮合反応物溶液においては、縮合反応物中に、シリカ粒子がポリシロキサン化合物と縮合反応した状態で存在するため、低収縮率である膜の形成が可能である。本発明において使用されるシリカ粒子としては、例えばヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。
上記ヒュームドシリカは、ケイ素原子を含む化合物を気相中で酸素及び水素と反応させることによって得ることができる。原料となるケイ素化合物としては、例えばハロゲン化ケイ素(例えば塩化ケイ素等)等が挙げられる。
上記コロイダルシリカは、原料化合物を加水分解・縮合するゾルゲル法により合成することができる。コロイダルシリカの原料化合物としては、例えば、アルコキシケイ素(例えばテトラエトキシシラン等)、ハロゲン化シラン化合物(例えばジフェニルジクロロシラン等)等が挙げられる。中でも、金属、ハロゲン等の不純物は少ないことが好ましいため、アルコキシケイ素から得られたコロイダルシリカがより好ましい。
ポリシロキサン化合物と縮合反応させる前のシリカ粒子中の炭素量は0.05質量%以上0.65質量%未満であり、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下である。上記炭素量が上記範囲である場合、耐電圧のばらつきが小さくなるという効果が得られる。本発明では、耐電圧を、電流密度が1×10-5A/cm2になったときの電界強度、又は絶縁破壊を起こした場合はそのときの電界強度と定義する。また、本発明での耐電圧のばらつきは、6インチサイズ(直径)の膜の面内49点の耐電圧の最大値と最小値との差と定義する。本明細書に記載するシリカ粒子中の炭素量は、炭素硫黄同時分析装置を用い、JIS Z 2615に従って測定される値である。より具体的には、設定電流値350mAにてシリカ粒子中の炭素を燃焼させ、赤外線検出方式の検出器により検出される値と標準物質から作成される検量線とを用いて炭素量を定量できる。
シリカ粒子の平均一次粒子径は、1nm以上120nm以下であることが好ましく、より好ましくは40nm以下、更に好ましくは20nm以下、最も好ましくは15nm以下である。上記平均一次粒子径が1nm以上である場合、クラック耐性が良好であり好ましく、120nm以下である場合、表面ラフネスが小さくなり好ましい。
シリカ粒子の平均二次粒子径は、2nm以上250nm以下であることが好ましく、より好ましくは80nm以下、更に好ましくは40nm以下、最も好ましくは30nm以下である。上記平均二次粒子径が2nm以上である場合、クラック耐性が良好であり好ましく、250nm以下である場合、表面ラフネスが小さくなり好ましい。
上記平均一次粒子径は、BETの比表面積から計算で求められる値であり、上記平均二次粒子径は、動的光散乱光度計で測定される値である。
シリカ粒子の形状は、球状、棒状、板状若しくは繊維状又はこれらの2種類以上が合体した形状であることができるが、好ましくは球状である。なお、ここでいう球状とは、真球状の他、回転楕円体、卵形等の略球状である場合も含むものである。
シリカ粒子としては、上記の要件に適合する限りで、制限は無く、市販品を使用することもできる。
市販品としては、コロイダルシリカとして、例えばLEVASILシリーズ(H.C.Starck(株)製)、メタノールシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL(以上、日産化学工業(株)製)、クオートロンP Lシリーズ(扶桑化学(株)製)、OSCALシリーズ(触媒化成工業(株)製)等;粉体状のシリカ粒子として、例えばアエロジル130、同300、同380、同TT600、同OX50(以上、日本アエロジル(株)製)、シルデックスH31、同H32、同H51、同H52、同H121、同H122(以上、旭硝子(株)製)、E220A、E220(以上、日本シリカ工業(株)製)、SYLYSIA470(富士シリシア(株)製)、SGフレーク(日本板硝子(株)製)等がそれぞれ挙げられる。シリカ粒子は分散媒に分散させた形で用いることもできる。その場合の含有量は正味のシリカ粒子の質量、すなわち分散液の質量にシリカ粒子の濃度を乗じた値を用いて算出する。
好ましい態様において、縮合成分は、ポリシロキサン化合物を縮合換算量で40質量%以上99質量%以下、及びシリカ粒子を1質量%以上60質量%以下、含有することができる。ポリシロキサン化合物の縮合換算量での含有量が40質量%以上ある場合及びシリカ粒子の含有量が60質量%以下である場合には成膜性及びクラック耐性が特に良好であり、ポリシロキサン化合物の縮合換算量での含有量が99質量%以下である場合及びシリカ粒子の含有量が1質量%以上である場合には、特に低収縮率である膜の形成が可能である。縮合成分中のポリシロキサン化合物の縮合換算量での含有量は、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは55質量%以上であり、またより好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。縮合成分中のシリカ粒子の含有量は、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、またより好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。
(縮合反応物の特性)
縮合反応物の重量平均分子量は、1,000以上20,000以下であることが好ましく、更に好ましくは1,000以上10,000以下である。該縮合反応物の重量平均分子量が1,000以上である場合、成膜性及びクラック耐性が良好であり、重量平均分子量が20,000以下である場合、縮合反応物溶液のポットライフが長く好ましい。なお上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定され、標準ポリメチルメタクリレート換算で算出される値である。分子量の測定は、例えば東ソー製のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)、HLC−8220、TSKgelGMHHR−Mカラムを使用し、アセトン溶媒中、縮合反応物を1質量%溶液にして測定でき、示差屈折率計(RI)により標準ポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量(Mw)を求めることができる。
(溶媒)
本発明の縮合反応物溶液は溶媒を含有する。縮合反応物溶液が溶媒を含有することにより長いポットライフを得ることができる。溶媒としては、例えば、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、及び炭化水素系溶媒から選ばれる少なくとも1種類の溶媒が挙げられ、エステル、エーテル、及び炭化水素系溶媒がより好ましい。本発明の縮合反応物溶液中の溶媒の含有量は、縮合反応物100質量部に対して、好ましくは100質量部以上1900質量部以下、より好ましくは150質量部以上900質量部以下である。溶媒の上記含有量が100質量部以上である場合、縮合反応物溶液のポットライフが特に長く、1900質量部以下である場合、一回の塗布で厚膜になるため好ましい。
上記のアルコール、ケトン、エステル、エーテル、及び炭化水素系溶媒の具体例としては、例えばブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロピレングリコールモノメトキシエーテル、プロピレングリコールモノエトキシエーテル等のアルコール系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソアミルケトン、エチルヘキシルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ―ブチロラクトン等のケトン系溶媒、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、プロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、ペンチルプロピオネート、ヘキシルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等のエステル系溶媒、ブチルエチルエーテル、ブチルプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒等が挙げられる。
(縮合反応物溶液の製造)
上述した本発明の縮合反応物溶液の好ましい製造方法について以下に説明する。本発明の縮合反応物溶液は、好ましくは、
下記一般式(1):
1 nSiX1 4-n (1)
{式中、nは、0〜3の整数であり、R1は、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、X1は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基である。}
で表されるシラン化合物を加水分解重縮合して、ポリシロキサン化合物を得る第1の工程と、
該第1の工程で得たポリシロキサン化合物と、シリカ粒子とを少なくとも含有する縮合成分を縮合反応させる、第2の工程と、
を含む方法によって製造できる。
溶媒は、上記第1の工程及び上記第2の工程のいずれか又は両者において、任意のタイミングで反応系中に添加でき、又は存在させることができる。また、第2の工程の後に、溶媒を更に添加する第3の工程を任意に含むことができる。第3の工程においては、溶媒添加後、例えば沸点100℃以下の溶媒及び水を除去する溶媒置換処理を行ってもよい。
第1の工程は、ポリシロキサン化合物の製造の項において詳述したような手法で行うことができる。
上記第2の工程において、上記ポリシロキサン化合物に上記シリカ粒子を縮合反応させる際には、溶媒中に分散した状態のシリカ粒子を用いて反応を進行させることができる。この溶媒は、水若しくは有機溶媒又はこれらの混合溶媒であることができる。上記縮合反応時に反応系中に存在させる有機溶媒の種類は、使用されるシリカ粒子が分散されている分散媒によって変わる。使用されるシリカ粒子の分散媒が水系の場合は、水及び/又はアルコール系溶媒をシリカ粒子に加えて得た水系分散液をポリシロキサン化合物と反応させてもよいし、シリカ粒子の水分散液に含まれる水を一度アルコール系溶媒に置換してから、このシリカ粒子のアルコール系分散液をポリシロキサン化合物と反応させてもよい。使用できるアルコール系溶媒としては、炭素数1〜4のアルコール系溶媒が好ましく、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール等が挙げられる。これらは、水と容易に混合できるため好ましい。
使用されるシリカ粒子の分散媒がアルコール、ケトン、エステル、炭化水素等の溶媒である場合は、水又はアルコール、エーテル、ケトン、エステル等の溶媒を、縮合反応時に反応系中に存在させる溶媒として使用することができる。アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール等が挙げられる。エーテルとしては、例えばジメトキシエタンが挙げられる。ケトンとしては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エステルとしては、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル等が挙げられる。
ポリシロキサン化合物とシリカ粒子とを縮合反応させる際の反応系のpHは、好ましくはpH=3〜9の範囲に調整する。pHが上記範囲である場合、縮合反応物の重量平均分子量を容易に制御できるため好ましい。
ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応は、通常酸触媒の存在下で行う。酸触媒としては、ポリシロキサン化合物の製造に用いるものとして前述したのと同じ酸触媒を挙げることができる。ポリシロキサン化合物の製造後に酸触媒を取り除く場合には、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子とを反応させる際に酸触媒を再度加えることが通常必要であるが、ポリシロキサン化合物の製造後に酸触媒を取り除かずそのままシリカ粒子を反応させる場合は、酸触媒を再度加えなくても、ポリシロキサン化合物を反応させる際に使用した酸触媒でポリシロキサン化合物とシリカ粒子との反応を行うことができる。しかし、この場合、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との反応時に改めて酸触媒を加えても構わない。
ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との反応温度は、好ましくは0℃以上200℃以下、より好ましくは50℃以上150℃以下である。反応温度が上記範囲である場合、縮合反応物の重量平均分子量を容易に制御できるため好ましい。
上記のような手順によって縮合反応物溶液を得た後に、イオンを除去するために精製を行ってもよい。イオンを除去する方法としては、例えばイオン交換樹脂によるイオン交換、限外ろ過、蒸留等が挙げられる。
本発明の縮合反応物溶液は、例えば、液晶表示素子、集積回路素子、半導体記憶素子、固体撮像素子等の電子部品用の層間絶縁膜、素子分離膜、STI(Shallow Trench Isolation)用絶縁膜、PMD(Pre Metal Dielectric)膜、平坦化膜、表面保護膜、封止膜用途等に好適に使用される。
<絶縁膜の形成方法>
本発明の別の態様は、上述した本発明の縮合反応物溶液を基板上に塗布して塗布基板を得る塗布工程と、該塗布工程で得た塗布基板を加熱する焼成工程とを含む、絶縁膜の形成方法を提供する。例えば前述したような方法により製造された縮合反応物溶液は、通常の方法で基板上に塗布することができる。塗布方法としては例えばスピンコート法、ディップコート法、ローラーブレード塗布法、スプレー塗布法等が挙げられる。中でも成膜時の塗布厚みが均一である点でスピンコート法が好ましい。上記基板としては例えばシリコン(Si)基板が挙げられる。
次いで、焼成工程において上記塗布基板を加熱する。塗布工程において基板に上記の方法で縮合反応物溶液を塗布した後、塗布膜中の残留溶媒を除くために50℃〜200℃の範囲で予備硬化させることが好ましい。そのとき、段階的に温度を上げても、連続的に温度を上げてもよい。予備硬化の雰囲気としては、酸化性雰囲気であっても非酸化性雰囲気であっても構わない。
予備硬化させて得られた膜を次いで加熱焼成することによって絶縁膜を得ることができる。上記の加熱焼成の方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネス等の一般的な加熱手段を適用することができる。加熱焼成は非酸化性雰囲気で行うことが好ましい。また好ましい加熱温度は好ましくは200℃超過850℃以下であり、より好ましくは300℃超過800℃以下であり、更に好ましくは350℃超過750℃以下である。加熱温度が200℃超過である場合、得られる膜質が良好であるため好ましく、850℃以下である場合、耐クラック性が良好であるため好ましい。
非酸化性雰囲気とは、真空下、又はN2、Ar、Xe等の不活性雰囲気である。これらの不活性雰囲気中の酸素、水蒸気等の酸化性ガスの濃度は1000ppm以下であることが好ましく、より好ましくは100ppm以下、更に好ましくは10ppm以下である。非酸化性雰囲気の全圧力に特に制限は無く加圧、常圧、減圧のいずれでもよい。
700℃以上900℃以下の高温領域では水素を含む気体中で上記焼成工程を行うことがより好ましい。焼成工程で使用する水素を含む気体は、焼成工程の最初から、すなわち基板がまだ700℃以下の温度である時点から導入してもよいし、700℃に到達してから導入してもよい。さらに一旦700℃以上900℃以下の温度で水素を含まない気体で第一の加熱を行った後に、水素を含む気体を導入して第二の加熱を行うという二段階で行ってもよい。いずれの方法で行う場合も、焼成を終えた後基板が400℃以下の温度、好ましくは室温程度まで冷却されるまで、水素を含む気体を導入したままにしておくのが好ましい。
上述の通り、焼成工程を水素を含む気体中で行えば、シリコン原子と有機基との間の化学結合が700℃を超える高温で切断されても、発生するダングリングボンドを水素で終端することができるため、シラノール基の形成を防止することが可能となる。
焼成工程における熱処理時間は好ましくは1分以上24時間以下であり、より好ましくは30分以上2時間以下である。
焼成工程においては、酸化性雰囲気での加熱焼成と光処理とを併用しても構わない。加熱と光処理とを同時に行う場合の温度は、好ましくは20℃以上600℃以下であり、処理時間は、好ましくは0.1分以上120分以下である。光処理には、可視光線、紫外線、遠紫外線等を使用できる。光処理にはまた、低圧若しくは高圧の水銀ランプ;重水素ランプ;アルゴン、クリプトン、キセノン等の希ガスの放電光;YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArCl等のエキシマレーザー;等を光源として使用することができる。これらの光源は、好ましくは10〜5,000Wの出力のものである。これらの光源による光の波長は、基板に塗布した膜中の縮合反応物に少しでも吸収があれば構わないが、好ましくは170nm〜600nmの波長の光である。照射量は、好ましくは0.1〜1,000J/cm2であり、より好ましくは1〜100J/cm2である。光処理時に同時にオゾンを発生させても構わない。例えば上記の条件で光処理することによって、基板に塗布した膜中の縮合反応物の酸化反応が進行し、焼成後の膜質を向上させることができる。
上記焼成工程の後に、絶縁膜の表面を疎水化処理剤にさらしても構わない。疎水化処理剤にさらすことで、上記焼成工程で形成された絶縁膜中のシラノール基と疎水化処理剤とが反応し、絶縁膜の表面を疎水化することができる。
疎水化処理剤は公知のものを使用でき、例えばヘキサメチルジシラザン、ジアセトキシジシラザン、ジヒドロキシジメチルシラン、ハロゲン化有機シラン等を利用することができる。また、環状シロキサン、有機ケイ素化合物、及び環状シラザンも利用できる。
環状シロキサンの具体例としては、たとえば、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン、トリフェニルトリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、テトラエチルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
有機ケイ素化合物の具体例としては、たとえば、1,2−ビス(テトラメチルジシロキサニル)エタン、1,3−ビス(トリメチルシロキシ)−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,1,4,4−テトラメチルジシルエチレン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサイソプロピルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,3,3,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,3−ジメチルテトラメトキシジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジエトキシジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルジエトキシトリシロキサン、テトラメチル−1,3−ジメトキシジシロキサン等のシロキサン化合物が挙げられる。
環状シラザンの具体例としては、例えば、1,2,3,4,5,6−ヘキサメチルシクロトリシラザン、1,3,5,7−テトラエチル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシラザン、1,2,3−トリエチル−2,4,6−トリエチルシクロトリシラザン等の環状シラザン化合物が挙げられる。
これらの疎水化処理剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
絶縁膜の表面を疎水化処理剤にさらす方法としては、疎水化処理剤を絶縁膜表面に液相で塗布する方法、疎水化処理剤を気相にして絶縁膜表面に接触させる方法等を適用することができる。
疎水化処理剤を液相で絶縁膜表面に塗布する場合は、疎水化処理剤と有機溶媒とを組合せて用いてもよい。好ましい態様としては、有機ケイ素化合物を有機溶媒と組合せて絶縁膜表面に液相で塗布することが挙げられる。
有機ケイ素化合物と有機溶媒との組合せを用いる場合には、有機ケイ素化合物の濃度は特に制限はなく任意の濃度で実施できる。液相で塗布する場合の温度及び時間に特に制限はないが、好ましくは0℃以上100℃以下、より好ましくは20℃以上80℃以下であり、好ましくは0.1分以上30分以下、より好ましくは0.2分以上10分以下である。
疎水化処理剤を気相で絶縁膜表面に接触させる場合は、好ましくは、疎水化処理剤はガスにより希釈して用いられる。希釈用のガスとしては、空気、窒素、アルゴン、水素等が挙げられる。また、ガスで希釈する代わりに、減圧下での接触も可能である。疎水化処理剤を気相で絶縁膜表面に接触させる場合の温度及び時間に特に制限はないが、好ましくは0℃以上500℃以下、より好ましくは20℃以上400℃以下であり、好ましくは0.1分以上30分以下、より好ましくは0.2分以上10分以下である。
絶縁膜の表面を疎水化処理剤にさらす前に、絶縁膜の脱水処理を行うことが好ましい。乾燥した空気中又は不活性雰囲気下で絶縁膜を熱処理することで脱水処理を行うことができる。熱処理の温度は、好ましくは250℃以上850℃以下、より好ましくは300℃以上850℃以下である。熱処理の時間は、好ましくは0.1分以上2時間以下、より好ましくは0.2分以上1時間以下である。上記温度が250℃以上である場合絶縁膜に吸着した水分を良好に除去することができる。
本発明の縮合反応物溶液を使用して得られた絶縁膜は、液晶表示素子、集積回路素子、半導体記憶素子、固体撮像素子等の電子部品用の層間絶縁膜、素子分離膜、STI(Shallow Trench Isolation)用絶縁膜、PMD(Pre Metal Dielectric)膜、平坦化膜、表面保護膜、封止膜等に好適である。
以下、実施例及び比較例により本発明の実施の形態をより詳細に説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。
[シリカ粒子、縮合反応物及び縮合反応物溶液の評価項目]
(1) シリカ粒子中の炭素量測定
水分散シリカ粒子をガラスシャーレに入れて、130℃のホットプレート上で水が蒸発するまで加熱し、分析用の粉末状粒子を準備した。この粉末状粒子をセラミックス製ルツボに秤取り、助燃剤(タングステンとスズ)を加えて、炭素硫黄同時分析装置にて測定した(JIS Z 2615に準拠)。電流値を350mAに設定してシリカ中の炭素を燃焼させ、赤外線検出方式の検出器で検出した。定量は、日本鉄鋼認証標準物質JSS153−14(炭素0.189質量%)、JSS150−15(炭素0.469質量%)、JSS601−10(炭素1.143質量%)を用いて、ブランクを含めて4点で検量線を作成して検量線法で行った。結果を表1に示した。
(2) 縮合反応物の重量平均分子量(Mw)測定
東ソー製のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)、HLC−8220、TSKgelGMHHR−Mカラムを使用した。アセトン溶媒中、縮合反応物を1質量%溶液にして測定し、示差屈折率計(RI)により標準ポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量(Mw)を求めた。
(3) 耐クラック性
Si基板に縮合反応物膜を種々の厚みで成膜した後、100℃で2分間、続いて140℃で5分間、ホットプレート上で段階的にプリベークした。その後700℃、N2雰囲気下で焼成し、焼成後の膜の表面を光学顕微鏡にて観察した。光学顕微鏡にて、膜にクラックが入っているか否かを判定した。クラック限界膜厚が0.8μm未満の場合をB、0.8μm以上1.0μm未満の場合をA、1.0μm以上1.5μm未満の場合をAA、1.5μm以上の場合をAAAとした。
(4) 収縮率
Si基板に縮合反応物膜を成膜した後、100℃で2分間、続いて140℃で5分間、ホットプレート上で段階的にプリベークした。このときの膜厚T1、及び、その後、700℃、酸素濃度10ppm以下の雰囲気下で焼成した焼成後の膜厚T2を、J.A.Woollam社製分光エリプソメーターM−2000U−Xeで測定した。焼成前後の膜厚から、以下の式:収縮率=(1−T2/T1)×100(%)、に従って収縮率を求めた。収縮率が15%以上の場合をB、12%以上15%未満の場合をA、8%以上12%未満の場合をAA、8%未満の場合をAAAとした。
(5)耐電圧のばらつき
6インチサイズ(直径)のSi基板に、焼成後の膜厚が100nmの厚みになるように縮合反応物膜を成膜した後、100℃で2分間、続いて140℃で5分間、ホットプレート上で段階的にプリベークした。その後700℃、N2雰囲気下で焼成した。Solid State Measurements社製 SSM495で、面内49点のIV特性を測定し、耐電圧のばらつきを求めた。耐電圧は、電流密度が1×10-5A/cm2になったときの電界強度、又は絶縁破壊を起こした場合はそのときの電界強度、と定義した。面内49点の耐電圧の最大値と最小値との差でばらつきを評価した。
ポリシロキサン化合物の製造例
[製造例1]
ナスフラスコに、メチルトリメトキシシラン(MTMS)11.4g、テトラエトキシシラン(TEOS)3.1g、及びエタノール20gを入れて攪拌し、ここへ水10.4gとpH調整のための適切量の濃硝酸との混合水溶液を室温で滴下してpHを2〜3に調整した。滴下終了後、30分間攪拌し、24時間静置した。
[製造例2]〜[製造例4]
表2記載の原料を用いた他は製造例1と同様にして合成を行った。
ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応物の製造
以下に、製造例1〜4で作製したポリシロキサン化合物とシリカ粒子とを反応させて縮合反応物を得る例を示す。
なお、表3中のシリカ粒子量は、ポリシロキサン化合物の縮合換算量とシリカ粒子量との合計質量基準である。
[実施例1]
蒸留塔及び滴下ロートを有する4つ口の500mLフラスコに、シリカ粒子A(平均一次粒子径6nm、シリカ粒子中の炭素量0.15質量%、6.3質量%濃度の水分散シリカ粒子)55.6g及びエタノール80gを入れ、5分間攪拌し、ここへ製造例1で合成したポリシロキサン化合物を室温で滴下した。滴下終了後30分間攪拌した後、4時間還流した。還流後、プロピレングリコールメチルエチルアセテート(PGMEA)を150g添加し、オイルバスを昇温させて、蒸留ラインよりメタノール、エタノール、水、及び硝酸を留去し、縮合反応物のPGMEA溶液を得た。該縮合反応物のPGMEA溶液を濃縮し、固形分濃度20質量%のPGMEA溶液を得た。
生成した縮合反応物の重量分子量測定を行い、結果を表4に示した。
生成した縮合反応物溶液を6インチ(直径)のSi基板上に2mL滴下し、スピンコートを行った。この基板を空気中、100℃で2分間、続いて140℃で5分間、ホットプレート上で段階的にプリベークし、溶媒を除去した。得られたSi基板を酸素濃度10ppm以下の雰囲気下、5℃/minで700℃まで昇温し、700℃で30分間焼成した後、2℃/minで室温まで降温した。
焼成後のSi基板の、上記(3)〜(5)で示される評価を行い、評価結果を表4に示した。
[実施例2]
蒸留塔及び滴下ロートを有する4つ口の500mLフラスコに、シリカ粒子A(平均一次粒子径6nm、シリカ粒子中の炭素量0.15質量%、6.3質量%濃度の水分散シリカ粒子)55.6g及びエタノール80gを入れ、5分間攪拌し、ここへ製造例2で合成したポリシロキサン化合物を室温で滴下した。滴下終了後30分間攪拌した後、4時間還流した。還流後、プロピレングリコールメチルエチルアセテート(PGMEA)を150g添加し、オイルバスを昇温させて、蒸留ラインよりメタノール、エタノール、水、及び硝酸を留去し、縮合反応物のPGMEA溶液を得た。該縮合反応物のPGMEA溶液を濃縮し、固形分濃度20質量%のPGMEA溶液を得た。
生成した縮合反応物の重量分子量測定を行い、結果を表4に示した。また、実施例1と同じ条件で成膜及び焼成を行い、評価結果を表4に示した。
[実施例3]
蒸留塔及び滴下ロートを有する4つ口の500mLフラスコに、シリカ粒子A(平均一次粒子径6nm、シリカ粒子中の炭素量0.15質量%、6.3質量%濃度の水分散シリカ粒子)63.5g及びエタノール80gを入れ、5分間攪拌し、ここへ製造例3で合成したポリシロキサン化合物を室温で滴下した。滴下終了後30分間攪拌した後、4時間還流した。還流後、プロピレングリコールメチルエチルアセテート(PGMEA)を150g添加し、オイルバスを昇温させて、蒸留ラインよりメタノール、エタノール、水、及び硝酸を留去し、縮合反応物のPGMEA溶液を得た。該縮合反応物のPGMEA溶液を濃縮し、固形分濃度20質量%のPGMEA溶液を得た。
生成した縮合反応物の重量分子量測定を行い、結果を表4に示した。また、実施例1と同じ条件で成膜及び焼成を行い、評価結果を表4に示した。
[比較例1]
蒸留塔及び滴下ロートを有する4つ口の500mLフラスコに、シリカ粒子B(平均一次粒子径6nm、シリカ粒子中の炭素量0.65質量%、6.1質量%濃度の水分散シリカ粒子)57.4g及びエタノール80gを入れ、5分間攪拌し、ここへ製造例1で合成したポリシロキサン化合物を室温で滴下した。滴下終了後30分間攪拌した後、4時間還流した。還流後、プロピレングリコールメチルエチルアセテート(PGMEA)を150g添加し、オイルバスを昇温させて、蒸留ラインよりメタノール、エタノール、水、及び硝酸を留去し、縮合反応物のPGMEA溶液を得た。該縮合反応物のPGMEA溶液を濃縮し、固形分濃度20質量%のPGMEA溶液を得た。
生成した縮合反応物の重量分子量測定を行い、結果を表4に示した。また、実施例1と同じ条件で成膜及び焼成を行い、評価結果を表4に示した。
[比較例2]
蒸留塔及び滴下ロートを有する4つ口の500mLフラスコに、シリカ粒子C(平均一次粒子径10nm、シリカ粒子中の炭素量0.89質量%、6.1質量%濃度の水分散シリカ粒子)57.4g及びエタノール80gを入れ、5分間攪拌し、ここへ製造例1で合成したポリシロキサン化合物を室温で滴下した。滴下終了後30分間攪拌した後、4時間還流した。還流後、プロピレングリコールメチルエチルアセテート(PGMEA)を150g添加し、オイルバスを昇温させて、蒸留ラインよりメタノール、エタノール、水、及び硝酸を留去し、縮合反応物のPGMEA溶液を得た。該縮合反応物のPGMEA溶液を濃縮し、固形分濃度20質量%のPGMEA溶液を得た。
生成した縮合反応物の重量分子量測定を行い、結果を表4に示した。また、実施例1と同じ条件で成膜及び焼成を行い、評価結果を表4に示した。
[比較例3]
蒸留塔及び滴下ロートを有する4つ口の500mLフラスコに、シリカ粒子A(平均一次粒子径6nm、シリカ粒子中の炭素量0.15質量%、6.3質量%濃度の水分散シリカ粒子)47.6g、及びエタノール80gを入れ、5分間攪拌し、ここへ製造例4で合成したポリシロキサン化合物を室温で滴下した。滴下終了後30分間攪拌した後、4時間還流した。還流後、プロピレングリコールメチルエチルアセテート(PGMEA)を150g添加し、オイルバスを昇温させて、蒸留ラインよりメタノール、エタノール、水、及び硝酸を留去し、縮合反応物のPGMEA溶液を得た。該縮合反応物のPGMEA溶液を濃縮し、固形分濃度20質量%のPGMEA溶液を得た。
生成した縮合反応物の重量分子量測定を行い、結果を表4に示した。また、実施例1と同じ条件で成膜及び焼成を行い、評価結果を表4に示した。
Figure 2012131864
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Figure 2012131864
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本発明の縮合反応物溶液を使用して得られる絶縁膜は、液晶表示素子、集積回路素子、半導体記憶素子、固体撮像素子等の電子部品用の層間絶縁膜、素子分離膜、STI用絶縁膜、PMD(Pre Metal Dielectric)膜、平坦化膜、表面保護膜、封止膜等として好適である。

Claims (4)

  1. (I)(i)下記一般式(1):
    1 nSiX1 4-n (1)
    {式中、nは、0〜3の整数であり、R1は、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、X1は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基である。}
    で表されるシラン化合物に由来するポリシロキサン化合物と、(ii)シリカ粒子とを少なくとも含有する縮合成分を縮合反応させて得られる縮合反応物、及び
    (II)溶媒
    を含み、
    該一般式(1)で表されるシラン化合物が、一般式(1)中のnが0である4官能シラン化合物及び一般式(1)中のnが1である3官能シラン化合物を少なくとも含有する2種類以上のシラン化合物であり、
    該シリカ粒子中の炭素量が0.05質量%以上0.65質量%未満である、縮合反応物溶液。
  2. 該ポリシロキサン化合物中の、下記一般式(2):
    SiX2 4 (2)
    {式中、X2は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基である。}
    で表される4官能シラン化合物に由来する成分の割合が、5mol%以上40mol%以下であり、
    該ポリシロキサン化合物中の、下記一般式(3):
    2SiX3 3 (3)
    {式中、R2は、炭素数1〜10の炭化水素基であり、X3は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基である。}
    で表される3官能シラン化合物に由来する成分の割合が、60mol%以上95mol%以下である、請求項1に記載の縮合反応物溶液。
  3. 該シリカ粒子中の炭素量が0.05質量%以上0.3質量%以下である、請求項1又は2に記載の縮合反応物溶液。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の縮合反応物溶液を基板上に塗布して塗布基板を得る塗布工程と、
    該塗布工程で得た塗布基板を加熱する焼成工程と
    を含む、絶縁膜の形成方法。
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