JP5700615B2 - ポリシラザン系トレンチ埋め込み用組成物 - Google Patents
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Description
(SiH2−NH)k 一般式(1)
{式中、kは10以上1,000以下の整数である。}
で表される繰り返し構造を有しており、該水素化ポリシラザン化合物の重量平均分子量が2,000以上20,000以下である、上記(1)に記載のトレンチ埋め込み用組成物。
RnSiX4-n 一般式(2)
{式中、nは、1〜3の整数であり、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、そしてR及びXは、同一でも異なっていてもよい。}
で表されるシラン化合物の縮合反応物である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のトレンチ埋め込み用組成物。
HSiX3 一般式(3)
{式中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、同一でも異なっていてもよい。}
で表されるシラン化合物の縮合反応物であり、かつ該ポリシロキサン化合物の重量平均分子量が1,000以上200,000以下である、上記(5)又は(6)に記載のトレンチ埋め込み用組成物。
HSiX3 一般式(3)
{式中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、同一でも異なっていてもよい。}
で表されるシラン化合物と、下記一般式(4)〜(7):
SiX4 一般式(4)
{式中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、同一でも異なっていてもよい。}
R2SiX3 一般式(5)
{式中、R2は、炭素数1〜10の炭化水素基であり、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、そしてXは同一でも異なっていてもよい。}
R2SiX2 一般式(6)
{式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、そしてR及びXは同一でも異なっていてもよい。}
R3SiX 一般式(7)
{式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、そしてRは同一でも異なっていてもよい。}
で表されるシラン化合物から選ばれる少なくとも1種との縮合反応物であり、該ポリシロキサン化合物中の、一般式(3)で表されるシラン化合物に由来する構造の割合が30mol%以上であり、かつ該ポリシロキサン化合物の重量平均分子量が1,000以上200,000以下である、上記(5)又は(6)に記載のトレンチ埋め込み用組成物。
(SiH2−NH)k 一般式(1)
{式中、kは10以上1,000以下の整数である。}
で表される化合物が好ましい。
(SiH2NH)a(SiH2N)b(SiH3)c 一般式(8)
{式中、a,b及びcは、a+b+c=kを満たす数であり、kは上記一般式(1)中のkと同一の意味である。}
で表される分子内に鎖状構造と環状構造とを有する水素化ポリシラザン化合物の異性体を含んでも構わない。一般式(8)で表される化合物は、蒸発しにくく、高いトレンチ埋め込み性という利点を与える。
RnSiX4-n 一般式(2)
{式中、nは、1〜3の整数であり、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、そしてR及びXは、同一でも異なっていてもよい。}
で表されるシラン化合物の縮合反応物である。
HSiX3 一般式(3)
{式中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、同一でも異なっていてもよい。}
SiX4 一般式(4)
{式中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、同一でも異なっていてもよい。}
R2SiX3 一般式(5)
{式中、R2は、炭素数1〜10の炭化水素基であり、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、そしてXは同一でも異なっていてもよい。}
R2SiX2 一般式(6)
{式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、そしてR及びXは同一でも異なっていてもよい。}
R3SiX 一般式(7)
{式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、そしてRは同一でも異なっていてもよい。}
で表されるシラン化合物の中で、少なくとも上記一般式(3)で表されるシラン化合物に由来する構造を有することが、硬化収縮率を小さくする観点から好ましい。また、クラック耐性やトレンチへの埋め込み性の観点から、上記一般式(4)〜(7)で表されるシラン化合物から選ばれる少なくとも1種に由来する構造をさらに含有してもよい。より典型的には、ポリシロキサン化合物としては、上記一般式(3)で表されるシラン化合物の縮合反応物、又は上記一般式(3)で表されるシラン化合物と上記一般式(4)〜(7)で表されるシラン化合物から選ばれる少なくとも1種との縮合反応物が好ましい。なお上記一般式(3)で表されるシラン化合物としては単独又は2種以上の化合物を使用できる。上記各々の縮合反応は酸性雰囲気下で行うことができる。
RnSiX4-n 一般式(2)
{式中、nは、1〜3の整数であり、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、そしてR及びXは、同一でも異なっていてもよい。}
で表されるシラン化合物を更に反応させても構わない。シリカ粒子に由来する構造を有する反応物が上記一般式(2)で表されるシラン化合物に由来する構造を有することは、特にシリカ粒子として水系のものを用いる場合に成膜性等の点で有利である。
以上のような手順で、シリカ粒子に由来する構造を有する反応物を得ることができる。
東ソー製のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)、HLC−8220を使用し、クロロホルム溶媒中、水素化ポリシラザン化合物またはポリシロキサン化合物を1質量%溶液にして測定し、示差屈折率計(RI)によりポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を求めた。
Si基板上にトレンチ埋め込み用組成物を塗布し、プリベークによって溶媒を除去した後のSi基板を光学顕微鏡にて観察し、クラック、ハジキ、異物のいずれも認められない場合を○、これらの少なくともいずれかが認められる場合を×とした。
焼成後の膜厚が1.0μmになるように、Si基板上にトレンチ埋め込み用組成物を塗布及び焼成し、焼成後のSi基板を光学顕微鏡にて観察し、光学顕微鏡下でクラックが入っているか否かを判定し、クラックが入っていない場合を○、クラックが入っている場合を×とした。
6インチSi基板上にトレンチ埋め込み用組成物を塗布して得た膜において、プリベーク後の膜厚t0と、焼成後の膜厚t1をHORIBA JOBINYVON製 分光エリプソメーター UVISELで測定し、硬化収縮率(%)を(t0−t1)/t0*100とした。
トレンチ埋め込み用組成物を塗布及び焼成した後のトレンチを有するSi基板をトレンチに沿って割断し、FIB加工をした後、日立製作所製、走査型電子顕微鏡(SEM)S4700を使用し、加速電圧5kVで測定し、トレンチ内がトレンチ埋め込み用組成物で埋まっており溝、孔、クラック等のボイドが観察されない場合を○、このようなボイドが観察される場合を×とした。
[製造例1]
ガス吹き込み管、メカニカルスターラー、ジュワーコンデンサーを備えた2Lの4つ口フラスコを窒素置換した後、乾燥ピリジン1500mLを入れた。これにジクロロシラン100gを加えると、白色固体が生成した。反応混合物を氷冷し、攪拌しながらアンモニア70gを2時間掛けて吹き込んだ。引き続き乾燥窒素を液層に約30分間吹き込み、過剰のアンモニアを除去した。得られた生成物を乾燥窒素中、遠心分離および減圧濾過することにより、ろ液を得た。エバポレーターによりろ液からピリジンを留去し、固体状の水素化ポリシラザン化合物を得た。得られた固体状の水素化ポリシラザン化合物をキシレンに溶解させ、20質量%の溶液を得た。またこれとは別に、上記固体状の水素化ポリシラザン化合物をクロロホルムに溶解させた1質量%溶液につきGPCを用いて分子量を測定したところ、重量平均分子量は4,000であった。
[製造例2]
蒸留塔、滴下ロートを備えた1Lの4つ口フラスコにトリエトキシシラン18.60g(0.11mol)とイソプロパノール100gを入れ、水6.11g(0.34mol)と塩酸0.2gの混合溶液を室温で滴下した。滴下終了後、2時間攪拌し、ポリシロキサン化合物の1質量%イソプロパノール溶液を得た。一部をサンプリングしGPC測定したところ重量平均分子量は6,500であった。
還流塔と滴下ロートを備えた500mLの4つ口フラスコにトリエトキシシラン4.77g(0.029mol)とイソプロパノール100gを入れ、ドライアイス−エタノール浴で冷却した。25質量%のジクロロシランのキシレン溶液9.4g(0.023mol)をシリンジにて滴下した。0℃まで昇温した後、水2.4gを滴下した。滴下終了後2時間攪拌し、ポリシロキサン化合物の1質量%イソプロパノール溶液を得た。一部をサンプリングしGPC測定したところ重量平均分子量は4,500であった。
[製造例4]
蒸留塔および滴下ロートを有する4つ口の1Lフラスコに、触媒化成工業製の平均粒子径7nm、20質量%濃度のイソプロパノール分散シリカ粒子;AZ−1003 45g、イソプロパノール200gを入れ、上記製造例2で製造したポリシロキサン化合物のイソプロパノール溶液126gを室温で滴下した。滴下終了後、キシレン200gを追加した後、オイルバス中100℃に昇温し、4時間還流した。還流後にオイルバスを昇温し、蒸留ラインよりイソプロパノール、塩酸、水、キシレンを留去し、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子の反応物のキシレン溶液を得た。得られた反応物のキシレン溶液は中性であった。このキシレン溶液を20質量%まで濃縮した。
蒸留塔および滴下ロートを有する4つ口の1Lフラスコに、扶桑化学工業製の平均粒子径7nm、6.3質量%濃度の水分散シリカ粒子;PL−06、142.86gとイソプロパノール500gを入れ、上記製造例3で製造したポリシロキサン化合物のイソプロパノールとキシレン混合溶液117gを室温で滴下した。滴下終了後、30分攪拌し、前述一般式(2)で表されるシラン化合物であるトリエトキシシラン9.02g(0.055mol)をキシレン10gで希釈した溶液を滴下した。オイルバス100℃で4時間還流した。還流後にキシレン200gを加え、オイルバスを昇温し、蒸留ラインよりイソプロパノール、塩酸、水、キシレンを留去し、シリカ粒子に由来する構造を有する反応物のキシレン溶液を得た。得られたポリシロキサン化合物とシリカ粒子の反応物のキシレン溶液は中性であった。
[実施例1]
製造例1で製造した水素化ポリシラザン化合物の20質量%キシレン溶液7gと製造例4で製造したシリカ粒子に由来する構造を有する反応物の20質量%キシレン溶液3gを混合し、トレンチ埋め込み用組成物を調製した。上記トレンチ埋め込み用組成物を6インチのSi基板上に2mL滴下し、回転速度500rpmで10秒間、及び回転速度1000rpmで30秒間の2段階でスピンコートを行った。この基板を空気中、50℃、100℃、200℃のホットプレート上でこの順に2分間ずつ、段階的にプリベークし、溶媒を除去した。得られた塗膜はクラック、ハジキや異物の観察されない均一なものであり、成膜性は良好であった。
製造例1で製造した水素化ポリシラザン化合物の20質量%キシレン溶液7gと製造例5で製造したシリカ粒子に由来する構造を有する反応物の20質量%キシレン溶液3gを混合し、トレンチ埋め込み用組成物を調製した。上記トレンチ埋め込み用組成物のキシレン溶液を、6インチのSi基板と、開口幅100nm、深さ0.3μmのトレンチを有するSi基板に、それぞれ実施例1と同条件でスピンコート、プリベーク及び焼成した。焼成後のSi基板上の塗膜の膜厚は1.0μmであった。またプリベーク後の成膜性評価及び焼成後のクラック耐性評価を実施例1と同様に行ったところ、プリベーク後及び焼成後の塗膜はいずれもクラック、ハジキや異物の観察されない均一なものであり、成膜性及びクラック耐性は良好であった。
上記製造例1で製造した水素化ポリシラザン化合物のキシレン溶液を、6インチのSi基板と、開口幅100nm、深さ0.3μmのトレンチを有するSi基板に、それぞれ実施例1と同条件でスピンコート、プリベーク及び焼成し、同様に成膜性及びクラック耐性を評価した。プリベーク後の塗膜にはクラック、ハジキや異物は観察されず良好な成膜性を示した。一方、焼成後の6インチのSi基板上の膜厚は1.0μmであり、クラックが発生していた。トレンチを有するSi基板を、実施例1と同様の方法で、割断し、FIB加工後、SEM測定を行ったところ、トレンチ内に溝、孔、クラック等のボイドは観察されず、成膜異常は認められず、埋め込み性は良好であった。
以上実施例1,2及び比較例1の評価結果を表1に纏める。
Claims (9)
- 水素化ポリシラザン化合物と、シリカ粒子に由来する構造を有する反応物とを含み、
前記シリカ粒子に由来する構造を有する反応物が、ポリシロキサン化合物、シリカ粒子、及び任意成分としての下記一般式(2):
R n SiX 4-n 一般式(2)
{式中、nは、1〜3の整数であり、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、そしてR及びXは、同一でも異なっていてもよい。}
で表されるシラン化合物の縮合反応物である、トレンチ埋め込み用組成物。 - 前記水素化ポリシラザン化合物が、下記一般式(1):
(SiH2−NH)k 一般式(1)
{式中、kは10以上1,000以下の整数である。}
で表される繰り返し構造を有しており、該水素化ポリシラザン化合物の重量平均分子量が2,000以上20,000以下である、請求項1に記載のトレンチ埋め込み用組成物。 - 前記水素化ポリシラザン化合物の含有割合が50質量%以上95質量%以下である、請求項1又は2に記載のトレンチ埋め込み用組成物。
- 前記シリカ粒子のBET比表面積による平均一次粒子径が1nm以上120nm以下であり、かつ前記シリカ粒子の動的光散乱光度測定による平均二次粒子径が2nm以上250nm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトレンチ埋め込み用組成物。
- 前記ポリシロキサン化合物が、HSiO3/2基、MeHSiO基、及びH2SiO基から選ばれる少なくとも1種の基を40mol%以上含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトレンチ埋め込み用組成物。
- 前記ポリシロキサン化合物が、下記一般式(3):
HSiX3 一般式(3)
{式中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、同一でも異なっていてもよい。}
で表されるシラン化合物の縮合反応物であり、かつ該ポリシロキサン化合物の重量平均分子量が1,000以上200,000以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のトレンチ埋め込み用組成物。 - 前記ポリシロキサン化合物が、下記一般式(3):
HSiX3 一般式(3)
{式中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、同一でも異なっていてもよい。}
で表されるシラン化合物と、下記一般式(4)〜(7):
SiX4 一般式(4)
{式中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、同一でも異なっていてもよい。}
R2SiX3 一般式(5)
{式中、R2は、炭素数1〜10の炭化水素基であり、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、そしてXは同一でも異なっていてもよい。}
R2SiX2 一般式(6)
{式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、そしてR及びXは同一でも異なっていてもよい。}
R3SiX 一般式(7)
{式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる基であり、そしてRは同一でも異なっていてもよい。}
で表されるシラン化合物から選ばれる少なくとも1種との縮合反応物であり、該ポリシロキサン化合物中の、一般式(3)で表されるシラン化合物に由来する構造の割合が30mol%以上であり、かつ該ポリシロキサン化合物の重量平均分子量が1,000以上200,000以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のトレンチ埋め込み用組成物。 - 前記ポリシロキサン化合物、前記シリカ粒子及び前記一般式(2)で表されるシラン化合物の合計に占める前記シリカ粒子の割合が、10質量%以上95質量%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のトレンチ埋め込み用組成物。
- 前記ポリシロキサン化合物、前記シリカ粒子及び前記一般式(2)で表されるシラン化合物の合計に占める、前記一般式(2)で表されるシラン化合物の割合が、40質量%以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のトレンチ埋め込み用組成物。
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