JP2003115532A - トレンチアイソレーションの形成方法 - Google Patents

トレンチアイソレーションの形成方法

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JP2003115532A
JP2003115532A JP2001308294A JP2001308294A JP2003115532A JP 2003115532 A JP2003115532 A JP 2003115532A JP 2001308294 A JP2001308294 A JP 2001308294A JP 2001308294 A JP2001308294 A JP 2001308294A JP 2003115532 A JP2003115532 A JP 2003115532A
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trench isolation
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Kouji Shiho
浩司 志保
Hitoshi Kato
仁史 加藤
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JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な操作と装置により、高い歩留りと大き
い形成速度でトレンチアイソレーションを形成する方法
を操作する。 【解決手段】 基板に形成する複数の半導体素子を電気
的に分離するためのトレンチアイソレーションの形成方
法。特定のシリコン化合物を含有するシリコン組成物で
基板上のトレンチ内が充填されるように基板上に塗膜を
形成し、次いで熱および/または光処理せしめてトレン
チ内に埋設するトレンチ埋込み部をシリコン酸化膜で形
成する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、半導体素子の素子
分離に用いるトレンチアイソレーションの形成方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】多数の素子を高密度に集積して形成され
る半導体装置の素子間を分離する技術にトレンチアイソ
レーションがある。トレンチアイソレーション構造は、
シリコンにドライエッチングによって溝を掘り、その中
にSiO2を埋め込んで最後は化学機械研磨法(CM
P)によって平坦化して形成するのが主流となってきて
いる。このトレンチアイソレーションは、LOCOS法
で形成するアイソレーションに比較してバーズビークの
ようなプロセスに起因するアイソレーション寸法の増加
がない。このため、素子の高集積化に適している。
【0003】上記構造のトレンチアイソレーションは、
通常、「初めての半導体プロセス」(前田和夫著、
(株)工業調査会)に記載された方法などにより形成さ
れる。
【0004】まず、例えば化学的気相成長法によって、
シリコン基板の上面に酸化シリコン(SiO2)膜と酸
化用マスクである窒化ケイ素(Si34)膜とを積層す
る。次いで、通常のフォトリソグラフィーにより、窒化
ケイ素膜の上面に、レジストにてトレンチパターンを有
するエッチングマスクを形成し、反応性イオンエッチン
グのような異方性エッチングによって、窒化ケイ素膜と
酸化シリコン膜とを貫通した状態にてシリコン基板にト
レンチを形成する。その後、例えば熱酸化法や化学的気
相成長法によってトレンチの内壁に酸化シリコン膜を形
成し、次いで、例えば化学的気相成長法によって、トレ
ンチの内部と窒化ケイ素膜の上面とに酸化シリコン堆積
層を形成する。そして、化学機械研磨法(CMP)によ
って埋め込み部を平坦化し、トレンチアイソレーション
が形成される。
【0005】しかしながら、上記の形成方法により形成
されたトレンチアイソレーションでは、比較的カバレジ
のよい化学的気相成長法によって酸化シリコンよりなる
絶縁体をトレンチ内部に形成しても、トレンチのアスペ
クト比(トレンチ深さ/トレンチ幅)が1以上になると
形成した酸化シリコンの内部に局所的なボイドが生じ
る。このため、その後熱処理工程を行った場合に、発生
したボイドが膨張してトレンチアイソレーションを破壊
する。
【0006】そこで局所的なボイドの発生が少ない酸化
シリコン堆積層の形成方法として、オゾンとテトラエト
キシシラン(TEOS)との混合ガスを反応ガスに用い
た化学的気相成長法が採用されている。しかしこの方法
でも、上記アスペクト比が2以上のトレンチ内部に形成
される酸化シリコン堆積層に局所的なボイドが発生す
る。またこの化学的気相成長法によって形成された酸化
シリコン堆積層は、他の化学的気相成長法によって形成
された酸化シリコン堆積層よりも密度が低いために、高
抵抗の酸化シリコンよりなる絶縁体の形成が困難であ
る。
【0007】また、上記した方法にはいずれも高価な真
空系装置が必要であるためコスト上の問題があり、ま
た、原料が気体状であるため、装置の汚染や異物発生に
よる生産歩留まりが低い等の解決すべき問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
事情に鑑み、アスペクト比の大きいトレンチアイソレー
ションを形成する方法を提供することにある。本発明の
他の目的は、CVD法やスパッタリング法等の真空系を
用いる方法とは異なり、簡単な操作や装置により、高い
歩留りや大きい形成速度でトレンチアイソレーションを
形成するための形成方法を提供することにある。本発明
のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らか
になろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、第1に、基板に形成する複数
の半導体素子を電気的に分離するためのトレンチアイソ
レーションの形成方法であって、(A)式Sinm(こ
こで、nは3以上の整数を表し、mはn〜(2n+2)
の整数を表しそしてm個のRは、互いに独立に、水素原
子、アルキル基、フェニル基またはハロゲンである。但
しm個のRのすべてが水素原子であり且つm=2nであ
るとき、nは7以上の整数であるものとする。)で表さ
れるポリシラン化合物、ならびに(B)シクロペンタシ
ラン、シクロヘキサシラン、およびシリルシクロペンタ
シランよりなる群から選ばれる少なくとも1種のシリコ
ン化合物、を含有するシリコン組成物で基板上のトレン
チ内が充填されるように基板上に塗膜を形成し、次いで
熱および/または光処理せしめてトレンチ内に埋設する
トレンチ埋込み部をシリコン酸化膜で形成することを特
徴とするトレンチアイソレーションの形成方法(以下、
第1方法という)によって達成される。
【0010】本発明によれば、本発明の上記目的および
利点は、第2に、基板に形成する複数の半導体素子を電
気的に分離するためのトレンチアイソレーションの形成
方法であって、(A’)式Sii2i+2(ここで、iは
2〜8の整数である。)で表される水素化鎖状シラン化
合物、式Sij2j(ここで、jは3〜10の整数であ
る。)で表される水素化環状シラン化合物、および、S
kk(ここで、kは6〜10の整数である。)で表さ
れる水素化かご状シラン化合物よりなる群から選ばれる
少なくとも一種のシラン化合物が光照射を受けて生成す
る生成物、ならびに(B)シクロペンタシラン、シクロ
ヘキサシラン、およびシリルシクロペンタシランよりな
る群から選ばれる少なくとも1種のシリコン化合物、を
含有するシリコン組成物で基板上のトレンチ内が充填さ
れるように基板上に塗膜を形成し、次いで熱および/ま
たは光処理せしめてトレンチ内に埋設するトレンチ埋込
み部をシリコン酸化膜で形成することを特徴とするトレ
ンチアイソレーションの形成方法(以下、第2方法とい
う)によって達成される。
【0011】また、本発明によれば、本発明の上記目的
および利点は、第3に、基板に形成する複数の半導体素
子を電気的に分離するトレンチアイソレーションの形成
方法であって、(A”)式Sinm(ここで、nは3以
上の整数を表し、mはn〜(2n+2)の整数を表しそ
して複数個のRは、互いに独立に、水素原子、アルキル
基、フェニル基またはハロゲンを表す)で表される化合
物、および(C)有機ヒドロキシ化合物および有機カル
ボン酸よりなる群から選ばれる化合物との反応生成物、
を含有するシリコン組成物で基板上のトレンチ内が充填
されるように基板上に塗膜を形成し、次いで熱および/
または光処理せしめてトレンチ内に埋設するトレンチ埋
込み部をシリコン酸化膜で形成することを特徴とするト
レンチアイソレーションの形成方法(以下、第3方法と
いう)によって達成される。
【0012】さらに、本発明によれば、本発明の上記目
的および利点は、第4に、基板に形成する複数の半導体
素子を電気的に分離するトレンチアイソレーションの形
成方法であって、(A”)式Sinm(ここで、nは3
以上の整数を表し、mはn〜(2n+2)の整数を表し
そして複数個のRは、互いに独立に、水素原子、アルキ
ル基、フェニル基またはハロゲンを表す)で表される化
合物、および(C)有機ヒドロキシ化合物および有機カ
ルボン酸よりなる群から選ばれる化合物との混合物、を
含有するシリコン組成物で基板上のトレンチ内が充填さ
れるように基板上に塗膜を形成し、次いで熱および/ま
たは光処理せしめてトレンチ内に埋設するトレンチ埋込
み部をシリコン酸化膜で形成することを特徴とするトレ
ンチアイソレーションの形成方法(第4方法という)に
よって達成される。
【0013】
【発明の好ましい実施態様】以下、本発明について詳述
する。最初に、第1方法および第2方法について説明
し、次いで第3方法および第4方法について説明する。
【0014】ポリシラン化合物(A)を表す上記式にお
いて、Rが表すアルキル基としては、例えばメチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチ
ル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル
基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル
基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル
基、n−ノニル基およびn−デシル基などの炭素数1〜
10のアルキル基を好ましいものとして挙げることがで
きる。
【0015】また、ハロゲン原子としては、例えばフッ
素、塩素および臭素を好ましいものとして挙げることが
できる。上記ポリシラン化合物は、鎖状、環状、または
かご状であることができる。
【0016】上記ポリシラン化合物のうち、Rのすべて
が水素原子である水素化ポリシラン化合物が好ましく用
いられる。このような水素化ポリシラン化合物として
は、式Sin2n+2で表される水素化鎖状ポリシラン、
式Sin2nで表される水素化環状ポリシラン、および
式Sinnで表される水素化かご状ポリシラン化合物が
好適に用いられる。なお、「かご状」とは、プリズマン
骨格、キューバン骨格、5角柱型骨格等を含むものを意
味する。
【0017】ただし、上記各式におけるnは、水素化鎖
状ポリシランにおいて3〜100,000、好ましくは
5〜50,000の整数であり、水素化環状ポリシラン
において7〜100,000、好ましくは8〜50,0
00の整数であり、そして水素化かご状ポリシランにお
いて6〜100,000、好ましくは7〜50,000
の整数である。
【0018】この場合、nが上記した最小値より小さい
場合にはポリシラン化合物の成膜性に難点が生じる場合
があり、またnが上記した最大値より大きい場合にはポ
リシラン化合物の凝集力に起因する溶解性の低下が認め
られる場合がある。このようなポリシラン化合物は、単
独で、また、2種以上を混合して使用することができ
る。
【0019】本発明で使用するポリシラン化合物は、所
望の構造単位を有するモノマ−を原料として、例えば以
下の方法により製造することができる。(a)アルカリ
金属の存在下にハロシラン類を脱ハロゲン縮重合させる
方法(いわゆる「キッピング法」、J.Am.Che
m.Soc.,110,2342(1988)およびM
acromolecules,23,3423(199
0)参照);(b)電極還元によりハロシラン類を脱ハ
ロゲン縮重合させる方法(J.Chem.Soc.,C
hem.Commun.,1161(1990)および
J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,
896(1992)参照);(c)金属触媒の存在下に
ヒドロシラン類を脱水素縮重合させる方法(特開平4−
334551号公報参照):(d)ビフェニルなどで架
橋されたジシレンのアニオン重合による方法(Macr
o molecules,23,4494(1990)
参照)。(e)フェニル基やアルキル基で置換された環
状ケイ素化合物を上記の方法で合成した後、公知の方法
(例えば、Z.Anorg.Allg.Chem.,
59,123−130 (1979)、E.Hengg
eら Mh.Chem.第106巻、503頁、197
5年など)によりヒドロ置換体やハロゲン置換体などに
誘導することができ、(f)上記の方法で合成したシラ
ン化合物に光照射することによりさらに高分子量のポリ
シラン化合物とすることができる。
【0020】シラン化合物に光照射してポリシラン化合
物を合成する上記(f)の場合、その原料となるシラン
化合物としては、式Sii2i+2(ここでiは2〜8の
整数であり、好ましくは2〜4の整数である。)で表さ
れる水素化鎖状シラン化合物、式Sij2j(ここでj
は3〜10の整数であり、好ましくは3〜6の整数であ
る。)で表される水素化環状シラン化合物、および式S
kk(ここでkは6〜10の整数である。)で表され
る水素化かご状シラン化合物が好ましい。そのうちでも
上記水素化環状シラン化合物がさらに好ましく、特に好
ましくはシクロペンタシラン、シクロヘキサシランおよ
びシリルシクロペンタシランよりなる群から選ばれる少
なくとも1種の化合物である。これらはそれぞれ、下記
式(1)〜(3)で表される。
【0021】
【化1】
【0022】これらのシラン化合物は、ジフェニルジク
ロロシランから製造されるデカフェニルシクロペンタシ
ランおよびドデカフェニルシクロペンタシランを経て製
造することができる。
【0023】これらのシラン化合物は単独であるいは2
種以上の混合物として用いることができる。
【0024】光照射する際には、可視光線、紫外線、遠
紫外線の他、低圧あるいは高圧の水銀ランプ、重水素ラ
ンプあるいはアルゴン、クリプトン、キセノン等の希ガ
スの放電光の他、YAGレーザー、アルゴンレーザー、
炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、Kr
F、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザ
ーなどを光源として使用することができる。これらの光
源としては、好ましくは10〜5,000Wの出力のも
のが用いられる。通常100〜1,000Wで十分であ
る。これらの光源の波長は組成物または塗膜中のシラン
化合物が多少でも吸収するものであれば特に限定されな
いが、170nm〜600nmが好ましい。
【0025】光照射処理を行う際の温度は、好ましくは
室温〜300℃以下である。処理時間は0.1〜30分
程度である。光照射処理は、非酸化性雰囲気下で行うこ
とが好ましい。また、光照射処理は、適当な溶媒の存在
下に行ってもよい。このような溶媒としては、本発明の
組成物の任意添加成分として後述する溶媒と同様のもの
を使用することができる。
【0026】上記のポリシラン化合物は、式Sinm
おける重合度nが10程度以上の高分子量体になると、
炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒等の汎用溶媒に対する
溶解性が著しく低くなり、実質的に不溶性となるので、
このようなポリシラン化合物を基板上に成膜し、シリコ
ン酸化膜に変換することは実質的に不可能であった。本
発明において、このような本来は溶媒不溶のポリシラン
化合物に対し、特定の液状のシラン化合物が良好な溶解
性を示すことを見い出し、ポリシラン化合物をシリコン
酸化膜の原料として使用することが可能となった。この
ような比較的高分子量のポリシラン化合物をシリコン酸
化膜の原料として使用することにより、形成された膜が
緻密で均一性に優れた高品位のものとなる利点がある。
【0027】本発明に用いられる、上記特定のシラン化
合物(B)は、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラ
ンおよびシリルシクロペンタシランよりなる群から選ば
れる少なくとも1種のシラン化合物である。本発明にお
いて、これらのシラン化合物は単独であるいは2種以上
の混合物として用いることができる。
【0028】本発明の溶液組成物を構成する上記シラン
化合物に対するポリシラン化合物の割合は好ましくは
0.01〜1,000重量%、さらに好ましくは0.0
5〜500重量%、特に好ましくは0.1〜100重量
%である。この値が0.01重量%未満の場合は、塗布
した後に塗膜が薄すぎ最終的に連続したシリコン酸化膜
にならない場合がある。一方、この値が1,000重量
%を越える場合は、ポリシラン化合物が完全に溶解しな
い場合がある。本発明の組成物は、さらに溶媒を含有す
ることができる。
【0029】ここで使用する溶媒としては、上記した本
発明の組成物の各成分と反応しないものであれば特に限
定されない。例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n
−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ジシクロペンタ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデ
ン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、
スクワランなどの炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、
ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエー
テル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレン
グリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、
テトラヒドロフランテトラヒドロピラン、1,2−ジメ
トキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、
p−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系
溶媒;およびプロピレンカーボネート、γ−ブチロラク
トン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムア
ミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、塩化メ
チレン、クロロホルムなどの極性溶媒を挙げることがで
きる。これらのうち、該溶液の安定性の点で炭化水素系
溶媒が好ましい。これらの溶媒は、単独でもあるいは2
種以上の混合物としても使用できる。
【0030】上記の溶媒を使用する場合、その使用量
は、所望のシリコン酸化膜の膜厚に応じて適宜調整する
ことができる。好ましくは上記シラン化合物に対し1
0,000重量%以下であり、特に好ましくは5,00
0重量%以下である。10,000重量%を越えるとポ
リシラン化合物が析出する場合があり好ましくない。
【0031】本発明の組成物には、本発明目的と機能を
損なわない範囲で必要に応じて界面活性剤を添加するこ
とができる。このような界面活性剤は、カチオン系、ア
ニオン系、両イオン系、または非イオン系であることが
できる。このうち、非イオン系界面活性剤は、組成物の
塗布対象物への濡れ性を良好化し、塗布した膜のレベル
リング性を改良し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌の発
生などの防止に役立つ点で好ましく使用できる。
【0032】かかる非イオン性界面活性剤としては、例
えばフッ化アルキル基もしくはパーフルオロアルキル基
を有するフッ素系界面活性剤、またはオキシアルキル基
を有するポリエーテルアルキル系界面活性剤を挙げるこ
とができる。
【0033】前記フッ素系界面活性剤としては、例えば
エフトップEF301、同EF303、同EF352
(新秋田化成(株)製)、メガファックF171、同F
173(大日本インキ(株)製)、アサヒガードAG7
10(旭硝子(株)製)、フロラードFC−170C、
同FC430、同FC431(住友スリーエム(株)
製)、サーフロンS−382、同SC101、同SC1
02、同SC103、同SC104、同SC105、同
SC106(旭硝子(株)製)、BM−1000、同1
100(B.M−Chemie社製)、Schsego
−Fluor(Schwegmann社製)、C919
CONHC1225、C817SO2NH−(C24O)6
H、C917O(プルロニックL−35)C917、C9
17O(プルロニックP−84)C917、C917
(テトロニック−704)(C9172などを挙げるこ
とができる。(ここで、プルロニックL−35:旭電化
工業(株)製、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチ
レンブロック共重合体、平均分子量1,900;プルロ
ニックP−84:旭電化工業(株)製、ポリオキシプロ
ピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体、平均分
子量4,200;テトロニック−704:旭電化工業
(株)製、N,N,N’,N’−テトラキス(ポリオキシ
プロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体)、
平均分子量5,000である。) またポリエーテルアルキル系界面活性剤としては、例え
ばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエ
チレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェノールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピ
レンブロックポリマーなどを挙げることができる。
【0034】これらのポリエーテルアルキル系界面活性
剤の具体例としては、エマルゲン105、同430、同
810、同920、レオドールSP−40S、同TW−
L120、エマノール3199、同4110、エキセル
P−40S、ブリッジ30、同52、同72、同92、
アラッセル20、エマゾール320、ツィーン20、同
60、マージ45(いずれも(株)花王製)、ノニボー
ル55(三洋化成(株)製)などを挙げることができ
る。上記以外の非イオン性界面活性剤としては、例えば
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、ポリアルキレンオキサイ
ドブロック共重合体などがあり、具体的にはケミスタッ
ト2500(三洋化成工業(株)製)、SN−EX92
28(サンノプコ(株)製)、ノナール530(東邦化
学工業(株)製)などを挙げることができる。
【0035】このような界面活性剤の使用量は、ポリシ
ラン化合物およびシラン化合物、ならびに任意的に添加
される溶媒の合計100重量部に対して、好ましくは1
0重量部以下、特に好ましくは0.1〜5重量部であ
る。ここで、10重量部を超えると得られる組成物が発
泡し易くなると共に、熱変色を起こす場合があり好まし
くない。
【0036】また本発明の組成物には、適当な分散媒に
分散されたコロイド状シリカを添加することもできる。
このコロイド状シリカは、本発明の組成物のシリコン濃
度を増やすために使用されるもので、この成分の使用量
によっても、得られる塗膜の厚さを制御することができ
る。
【0037】なお、コロイド状シリカを用いる場合に
は、本発明で用いられるシラン化合物および任意添加成
分である有機溶媒との相溶性を考慮して、分散媒を選択
使用するのが好ましい。このような分散媒としては、本
発明の任意添加成分である溶媒として例示された化合物
を用いることができる。
【0038】また本発明の組成物には、組成物のゲル化
防止および増粘、得られるシリコン酸化膜の耐熱性、耐
薬品性、硬度、および密着性の向上、更には静電防止な
どを目的として、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウ
ム、酸化チタンなどの金属酸化物の微粉末を適宜配合す
ることもできる。
【0039】本発明においては、上記組成物を、トレン
チを形成した基板上に、例えばスプレー法、ロールコー
ト法、カーテンコート法、スピンコート法、スクリーン
印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法などの適
宜の方法により、溶媒除去後の膜厚が基板表面(その表
面に酸化シリコン膜、窒化ケイ素膜等を形成している場
合にはそれらの最上層表面)からの値として好ましくは
5〜1000nm、さらに好ましくは25〜250nm
程度になるように塗布する。なお、組成物が溶媒を含有
するものであるとき、上記膜厚は溶媒除去後の膜厚とし
て理解されるべきである。
【0040】基板上にトレンチを形成する方法として
は、それ自体公知の方法、例えば前記したマスク窒化膜
/パッド酸化膜からなる絶縁膜を堆積することを含む方
法を挙げることができる。トレンチは、好ましくは30
〜100,000nm、より好ましくは50〜50,00
0nmの線巾を有することができる。トレンチのアスペ
クト比は好ましくは50以下、より好ましくは10以下
である。
【0041】成膜工程は非酸化性雰囲気下で実施され
る。このような雰囲気を実現するためには、酸素、二酸
化炭素等の酸化性物質を実質的に含有しない雰囲気とす
れば良く、具体的には、窒素、水素、希ガスおよびこれ
らの混合ガス中の雰囲気が好ましく使用できる。
【0042】また、本発明の組成物の塗膜を密着性よく
かつ緻密に基板上に成膜するために、塗布前および後の
うちの少なくとも一回、光照射処理を施すことが好まし
い。
【0043】このような光照射処理に際しては、可視光
線、紫外線、遠紫外線の他、低圧あるいは高圧の水銀ラ
ンプ、重水素ランプあるいはアルゴン、クリプトン、キ
セノン等の希ガスの放電光の他、YAGレーザー、アル
ゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、
XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどの
エキシマレーザーなどを光源として使用することができ
る。これらの光源としては、好ましくは10〜5,00
0Wの出力のものが用いられる。通常100〜1,00
0Wで十分である。これらの光源の波長は組成物または
塗膜中のポリシラン化合物が多少でも吸収するものであ
れば特に限定されないが170nm〜600nmが好ま
しい。
【0044】光照射処理を行う際の温度は、好ましくは
室温〜300℃である。処理時間は0.1〜30分程度
である。これらの光照射処理は、ポリシラン化合物の成
膜工程と同様の非酸化性雰囲気下で行うことが好まし
い。
【0045】このような光照射処理により、塗膜中のポ
リシラン化合物のケイ素―ケイ素結合の解裂および再結
合反応を生起させることにより、基材への密着性等の膜
物性が改善されるものと推察される。さらには、塗膜中
のシラン化合物が光照射により開環重合してポリシラン
となり、より緻密な膜が形成されるものと考えられる。
【0046】上記のようにして成膜された本発明の組成
物の塗膜は、次いで適当な雰囲気下で熱および/または
光処理することにより、シリコン酸化膜に変換される。
このときの処理方法は熱処理工程を含むことが好まし
い。
【0047】シリコン酸化膜の形成は、上記の如く形成
された本発明の組成物の塗膜を、酸素および/またはオ
ゾンの存在下、例えば空気中で、熱処理および/または
光照射処理をすることによって行われる。
【0048】上記熱処理は、ホットプレート、オーブン
などの加熱手段を用いて、好ましくは100〜1100
℃、より好ましくは200〜900℃で、さらに好まし
くは300℃〜800℃にて、好ましくは1〜300
分、より好ましくは5〜120分、さらに好ましくは1
0〜60分行われる。処理温度が100℃より低いと酸
化反応が不十分である場合があり、一方処理温度が11
00℃より高い場合には酸化後の膜にクラックが入るこ
とがあり、好ましくない。また、処理時間が1分より短
いと酸化反応が不十分である場合があり、一方、300
分を越えて長時間加熱処理する必要はない。
【0049】本発明で形成されるシリコン酸化膜は、本
発明の目的を損なわない範囲において、酸化シリコン以
外に炭素等の不純物を含有するものであってもよい。本
発明で得られるトレンチアイソレーションのシリコン酸
化膜の膜厚は、基板表面(その表面に酸化シリコン膜、
窒化ケイ素膜等を形成している場合にはそれらの最上層
表面)からの値として好ましくは1〜200nm、さら
に好ましくは5〜100nm程度である。
【0050】本発明のトレンチアイソレーションの形成
に使用するトレンチ基板としては特に限定されない。塗
膜を形成する面は平面でも、段差のある非平面でもよ
く、その形態は特に限定されるものではない。本発明に
おいて、上記の如くしてシリコン酸化膜がトレンチ内部
に局所的な空孔を生じることなく埋め込まれる。また、
ポリシラン化合物塗膜を光照射にて行う場合には、所望
のパターンを有するフォトマスクの使用等により、塗膜
の一部に選択的に光照射すれば、任意の部分のみにトレ
ンチアイソレーションを形成することも可能である。
【0051】次に、本発明の第3方法および第4方法に
ついて説明する。第3方法および第4方法についてここ
に記載のない事項は、第1方法および第2方法について
前記した事項がそのままあるいは当業者に自明の変更を
加えて適用されると理解されるべきである。
【0052】(A'')成分は、式Sinm(ここで、n
は3以上の整数を表し、mはn〜(2n+2)の整数を
表しそして複数個のRは、互いに独立に、水素原子、ア
ルキル基、フェニル基またはハロゲンを表す)で表され
るポリシラン化合物である。
【0053】上記アルキル基としては、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペン
チル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシ
ル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチ
ル基、n−ノニル基およびn−デシル基などの炭素数1
〜10のアルキル基を好ましいものとして挙げることが
できる。上記ポリシラン化合物は、鎖状、環状、または
かご状であることができる。ポリシラン化合物の熱力学
的安定性、精製の容易性、および後述する溶媒に対する
溶解性などの点で、nが3〜50程度のポリシラン化合
物が好ましい。
【0054】さらに好ましくは、式Sin2n+2で表さ
れる水素化鎖状ポリシラン、式Sin2nで表される水
素化環状ポリシラン、および式Sinnで表される水素
化かご状ポリシラン化合物が好適に用いられ、特に好ま
しくは式Sin2nで表される水素化環状ポリシランで
ある。なお、「かご状」とは、プリズマン骨格、キュー
バン骨格、5角柱型骨格等を含むものを意味する。
【0055】ただし、上記各式におけるnは、水素化鎖
状ポリシランおよび水素化環状ポリシランの場合3〜5
0の整数、好ましくは3〜12の整数であり、水素化か
ご状ポリシランの場合6〜50の整数、好ましくは6〜
12の整数である。この場合、上記した最小値より小さ
い場合にはポリシラン化合物の成膜性に難点が生じる場
合があり、またnが上記最大値より大きい場合にはポリ
シラン化合物の凝集力に起因する溶解性の低下が認めら
れる場合があり、使用する溶媒の選択の幅が狭まる。
【0056】特に好ましいポリシラン化合物は、シクロ
ペンタシラン、シクロへキサシラン、シリルシクロペン
タシランである。このようなポリシラン化合物は、単独
で、または2種以上を一緒に使用することができる。
【0057】本発明で使用するポリシラン化合物は、所
望の構造単位を有するモノマ−を原料として、例えば第
1方法および第2方法について、ポリシラン化合物の製
造法として記載した(a)〜(c)の方法と同じ方法に
より製造することができる。
【0058】また、(C)成分は、有機ヒドロキシ化合
物および有機カルボン酸である。これらは1種または2
種以上一緒に用いることができる。有機ヒドロキシ化合
物としては、例えばモノアルコール、ジアルコール、3
価以上の多価アルコール、フェノール類を好ましいもの
として挙げることができる。
【0059】モノアルコールとしては、例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、tert−ブタノール、ヘキサノール、シク
ロヘキサノール、オクタノール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノブチルエーテル、トリメチレングリコールモノ
メチルエーテル、トリメチレングリコールモノエチルエ
ーテル、トリメチレングリコールモノ−n−プロピルエ
ーテル、トリメチレングリコールモノイソプロピルエー
テル、グリセロールジメチルエーテルおよびグリセロー
ルジエチルエーテルを挙げることができる。
【0060】これらのうち、プロピレングリコールモノ
アルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキ
ルエーテルには異性体が存在するが、いずれの異性体で
もあるいは異性体混合物でも使用できる。
【0061】ジアルコールとしては、例えばエチレング
リコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘ
プタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオー
ル、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオー
ル、ジエチレングリコール、ビストリメチレングリコー
ル、グリセロールモノメチルエーテル、グリセロールモ
ノエチルエーテルおよびヒドロキノンを挙げることがで
きる。3価以上の多価アルコールとしては、例えばグリ
セロールを挙げることができる。フェノール類として
は、例えばフェノール、メチルフェノール、ジメチルフ
ェノール、トリメチルフェノール、エチルフェノール、
ジエチルフェノールおよびトリエチルフェノールを挙げ
ることができる。
【0062】また、有機カルボン酸としては、例えばギ
酸、酢酸、乳酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、イ
タコン酸、アクリル酸、コハク酸、および安息香酸を挙
げることができる。これらのうち、モノアルコールが好
ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノイソプロピルエーテルおよびト
リメチレングリコールモノイソプロピルエーテルがさら
に好ましい。
【0063】上記(A'')成分と(C)成分の反応は、
(A'')成分1重量部当り(C)成分を、好ましくは
0.01〜1,000重量部、より好ましくは0.1〜5
00重量部、さらに好ましくは1〜300重量部、特に
好ましくは3〜100重量部で用いて、行うことができ
る。なお、(A'')成分と(C)成分との反応に先立
ち、(A'')成分を露光処理してもよい。露光処理の条
件はシリコン酸化膜の形成方法について後述する条件と
同じである。
【0064】反応温度は好ましくは0〜150℃、より
好ましくは10〜70℃、さらに好ましくは20〜50
℃である。
【0065】上記のように(A'')成分と(C)成分を
混合することにより、(A'')成分中のSi−R結合
(ここでRは上記に同じ)、好ましくはSi−H結合の
全部または一部が解裂し、(C)成分に由来するアルコ
キシル基あるいはカルボキシレート基がSi原子と新た
な結合を形成するものと推察される。ここで、(C)成
分が、1分子中に2個以上の水酸基および/またはカル
ボン酸基を持つ化合物を含有するものであるとき、
(C)成分は、2分子以上の(A'')成分と結合を生成
してもよい。上記反応は、必要に応じて溶媒の存在下に
実施することができる。
【0066】ここで使用される溶媒としては、例えば、
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オク
タン、デカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチ
ルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、
トルエン、キシレン、デュレン、インデン、テトラヒド
ロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワランなど
の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジプロピルエー
テル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレン
グリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチ
ルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチ
レングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフ
ランテトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、
ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサ
ン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;および
プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メ
チル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセト
ニトリル、ジメチルスルホキシド、塩化メチレン、クロ
ロホルムなどの極性溶媒を挙げることができる。これら
溶媒は、単独で、または2種以上を混合して使用するこ
とができる。
【0067】上記反応に溶媒を使用する場合、溶媒の使
用量としては、(A'')成分100重量部あたり好まし
くは100,000重量部以下、より好ましくは50〜
50,000重量部、さらに好ましくは200〜10,0
00重量部である。
【0068】本発明において、上記(A'')成分と
(C)成分の反応生成物は、通常、溶媒に溶解した組成
物として使用される。(A'')成分と(C)成分の反応
を、過剰の(C)成分存在下で実施したときは、該反応
混合物をそのまま本発明の組成物として使用することが
できる。また、(A'')成分と(C)成分の反応を溶媒
の存在下で実施したときには、該反応混合物をそのまま
本発明の組成物として使用することができる。
【0069】また、(A'')成分と(C)成分の反応を
溶媒の存在下または不存在下で実施したとき、当該反応
生成物にさらに溶媒を加えて本発明の組成物とすること
もできる。ここで使用できる溶媒としては、(A'')成
分と(C)成分の反応の際に使用できる溶媒として例示
したものと同様の溶媒を使用することができる。これら
の溶媒は、単独でも、あるいは2種以上の混合物として
も使用できる。
【0070】上記のような本発明の組成物中の(A'')
成分と(C)成分の反応生成物の濃度は、所望のシリコ
ン酸化膜の膜厚に応じて適宜調製することができるが、
原料の(A'')成分濃度に換算して好ましくは1〜50
重量%であり、特に好ましくは5〜30重量%である。
本発明では、(A'')成分と(c)成分の反応生成物と
同様に、(A'')成分と(C)成分の混合物を用いるこ
とができる。
【0071】本発明の方法は、基板の面積や形状に関わ
らずに局所的なボイドがないシリコン酸化膜を形成する
ことができ、高信頼性が要求されるデバイスを製造する
ために好適に使用することができる。また、本発明の方
法は、真空装置などの高価な装置が不要なので低コスト
である。本発明により従来の方法では実現できなかった
アスペクト比2以上のトレンチの埋込みを容易に行うこ
とが可能となった。
【0072】以下、実施例により本発明を詳述する。本
発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではな
い。
【0073】
【実施例】合成例1 (1)温度計、冷却コンデンサー、滴下ロートおよび攪
拌装置を取り付けた内容量が3Lの4つ口フラスコ内を
アルゴンガスで置換した後、乾燥したテトラヒドロフラ
ン1Lとリチウム金属18.3gを仕込み、アルゴンガ
スでバブリングした。この懸濁液を0℃で攪拌しながら
ジフェニルジクロロシラン333gを滴下ロートより添
加し、滴下終了後、室温下でリチウム金属が完全に消失
するまでさらに12時間攪拌を続けた。反応混合物を5
Lの氷水に注ぎ、反応生成物を沈殿させた。この沈殿物
を濾別し、水で良く洗浄した後シクロヘキサンで洗浄
し、真空乾燥することにより白色固体140gを得た。
この白色固体100gと乾燥したシクロヘキサン100
0mlを2Lのフラスコに仕込み、塩化アルミニウム4
gを加え、室温下で塩化水素を導入し、アルゴン雰囲気
下で5時間反応を続けた。ここで別途に、水素化リチウ
ムアルミニウム40gとジエチルエーテル400mlを
3Lのフラスコに仕込み、アルゴン雰囲気下、0℃で攪
拌しながら上記反応混合物を加え、同温にて1時間撹拌
後さらに室温で12時間撹拌を続けた。反応混合物より
アルミ化合物を除去した後、70℃、10mmHgで減圧蒸
留を行ったところ、無色の液体が10g得られた。この
ものはIR、1H−NMR、29Si−NMR、GC−M
Sの各スペクトルより、シクロペンタシランであること
が判った。
【0074】合成例2 アルゴン雰囲気下、合成例1で得られたシクロペンタシ
ラン10gを100mLのフラスコに加え、攪拌しなが
ら500Wの高圧水銀灯を30分間照射した。得られた
白色固体はトルエン、シクロヘキサン等の有機溶媒には
不溶であった。この中に、合成例1で得られたシクロペ
ンタシランを100g加えたところ、無色透明の溶液が
得られた。
【0075】合成例3 アルゴン雰囲気下、上記合成例1で得られたシクロペン
タシラン(Si510)2gをプロピレングリコールモ
ノイソプロピルエーテル18gに溶かし組成物溶液を調
製した。
【0076】実施例1 合成例2で得られた溶液を、窒素ガス雰囲気下で、20
00rpmの回転速度でトレンチ巾130nm、アスペ
クト比が3のトレンチ基板上にスピンコートした後、窒
素ガス雰囲気下、ホットプレート上にセットして200
℃で10分間熱処理した後、さらに500℃で15分間
熱処理を行った。得られた塗膜のESCAスペクトルで
はケイ素と酸素原子のみが検出され、シリコン酸化膜で
あることがわかった。さらにこのケイ素の2p軌道のエ
ネルギーが104eVであることからSiO2膜である
ことが判った。SEMでトレンチ内部の埋め込み状態を
確認したところ、トレンチ内部は完全に埋め込まれてお
り、局所的な溝、孔、クラック等の成膜異常は認められ
なかった。
【0077】実施例2 合成例3で得られた溶液を用いた以外は実施例1の方法
に従い、トレンチ内部の埋め込み成膜を行った。得られ
た塗膜のESCAスペクトルではケイ素と酸素原子のみ
が検出され、シリコン酸化膜であることがわかった。さ
らにこのケイ素の2p軌道のエネルギーが104eVで
あることからSiO2膜であることが判った。SEMで
トレンチ内部の埋め込み状態を確認したところ、トレン
チ内部は完全に埋め込まれており、局所的な溝、孔、ク
ラック等の成膜異常は認められなかった。
【0078】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
トレンチ内部に局所的なボイド発生がない高密度な絶縁
性埋め込み部を形成することができるとともに、高アス
ペクト比のトレンチアイソレーションが形成できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 5F032 AA35 AA44 AA69 DA01 DA10 DA41 DA74 5F058 AC03 AC10 BA02 BC05 BF46 BF53 BJ04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に形成する複数の半導体素子を電気
    的に分離するためのトレンチアイソレーションの形成方
    法であって、(A)式Sinm(ここで、nは3以上の
    整数を表し、mはn〜(2n+2)の整数を表しそして
    m個のRは、互いに独立に、水素原子、アルキル基、フ
    ェニル基またはハロゲンである。但しm個のRのすべて
    が水素原子であり且つm=2nであるとき、nは7以上
    の整数であるものとする。)で表されるポリシラン化合
    物、ならびに(B)シクロペンタシラン、シクロヘキサ
    シラン、およびシリルシクロペンタシランよりなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種のシリコン化合物、を含有す
    るシリコン組成物で基板上のトレンチ内が充填されるよ
    うに基板上に塗膜を形成し、次いで熱および/または光
    処理せしめてトレンチ内に埋設するトレンチ埋込み部を
    シリコン酸化膜で形成することを特徴とするトレンチア
    イソレーションの形成方法。
  2. 【請求項2】 基板に形成する複数の半導体素子を電気
    的に分離するためのトレンチアイソレーションの形成方
    法であって、(A’)式Sii2i+2(ここで、iは2
    〜8の整数である。)で表される水素化鎖状シラン化合
    物、式Sij2j(ここで、jは3〜10の整数であ
    る。)で表される水素化環状シラン化合物、および、S
    kk(ここで、kは6〜10の整数である。)で表さ
    れる水素化かご状シラン化合物よりなる群から選ばれる
    少なくとも一種のシラン化合物が光照射を受けて生成す
    る生成物、ならびに(B)シクロペンタシラン、シクロ
    ヘキサシラン、およびシリルシクロペンタシランよりな
    る群から選ばれる少なくとも1種のシリコン化合物、を
    含有するシリコン組成物で基板上のトレンチ内が充填さ
    れるように基板上に塗膜を形成し、次いで熱および/ま
    たは光処理せしめてトレンチ内に埋設するトレンチ埋込
    み部をシリコン酸化膜で形成することを特徴とするトレ
    ンチアイソレーションの形成方法。
  3. 【請求項3】 基板に形成する複数の半導体素子を電気
    的に分離するトレンチアイソレーションの形成方法であ
    って、(A”)式Sinm(ここで、nは3以上の整数
    を表し、mはn〜(2n+2)の整数を表しそして複数
    個のRは、互いに独立に、水素原子、アルキル基、フェ
    ニル基またはハロゲンを表す)で表される化合物、およ
    び(C)有機ヒドロキシ化合物および有機カルボン酸よ
    りなる群から選ばれる化合物との反応生成物、を含有す
    るシリコン組成物で基板上のトレンチ内が充填されるよ
    うに基板上に塗膜を形成し、次いで熱および/または光
    処理せしめてトレンチ内に埋設するトレンチ埋込み部を
    シリコン酸化膜で形成することを特徴とするトレンチア
    イソレーションの形成方法。
  4. 【請求項4】 基板に形成する複数の半導体素子を電気
    的に分離するトレンチアイソレーションの形成方法であ
    って、(A”)式Sinm(ここで、nは3以上の整数
    を表し、mはn〜(2n+2)の整数を表しそして複数
    個のRは、互いに独立に、水素原子、アルキル基、フェ
    ニル基またはハロゲンを表す)で表される化合物、およ
    び(C)有機ヒドロキシ化合物および有機カルボン酸よ
    りなる群から選ばれる化合物との混合物、を含有するシ
    リコン組成物で基板上のトレンチ内が充填されるように
    基板上に塗膜を形成し、次いで熱および/または光処理
    せしめてトレンチ内に埋設するトレンチ埋込み部をシリ
    コン酸化膜で形成することを特徴とするトレンチアイソ
    レーションの形成方法。
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