JP6035097B2 - トレンチ埋め込み用縮合反応物溶液、及びトレンチ埋め込み膜の製造方法 - Google Patents

トレンチ埋め込み用縮合反応物溶液、及びトレンチ埋め込み膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体素子に形成されたトレンチ内の絶縁保護膜用、すなわちトレンチ埋め込み用の、縮合反応物溶液及びトレンチ埋め込み膜の製造方法に関する。
半導体装置のような電子デバイスの構成要素であるトランジスタ等の回路素子を電気的に分離するための技術の一つとして、シャロートレンチ分離技術(STI技術)が開発されている。STI技術とは、基板中、回路素子の間隙にトレンチを形成し、トレンチ内に絶縁材料を埋め込むことにより、回路素子間の電気的分離を行う技術である。
このようなトレンチ埋め込みに使われる材料としては、高い電気絶縁性が求められるという理由でシリコン酸化物が広く用いられている。
トレンチ内にシリコン酸化膜を埋め込むために、従来、高密度プラズマCVD法に代表されるスパッタ法により、トレンチを有するシリコン基板上にシリコン酸化膜を形成している。
スパッタ法以外の方法として、塗布法によりトレンチの微細溝を埋設したのちに焼成によりシリカ膜を形成する方法が知られており、例えばシラノール化合物(例えば特許文献1参照)、ポリシラザン(例えば特許文献2参照)等が用いられている。
特開平2004−363615号公報 特開平11−307626号公報
しかしながら、近年半導体素子の微細化に伴い、トレンチの開口幅は小さく、アスペクト比は大きい傾向にあり、トレンチ幅が0.2μm以下、アスペクト比(トレンチの深さを、トレンチの開口幅で除した値)が2以上の微細溝にCVD法によりシリコン酸化膜を埋めると、微細溝の中にボイドが発生しやすいという問題がある。
また塗布法を用いた場合、前駆体としてシラノール化合物又はポリシラザンを用いると、前駆体からシリコン酸化物へと変換される過程で材料の熱収縮が生じ、埋め込み部におけるボイドの発生及び基体との剥がれの発生という問題がある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その課題は、基体に形成された線幅が微細なトレンチ内に塗布法によってシリコン酸化物を埋め込む際に、塗布膜を焼成してトレンチ埋め込み膜を形成する際にトレンチ内でのボイドの発生を抑制できるトレンチ埋め込み用縮合反応物溶液、及びトレンチ埋め込み膜の製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、以下に示すトレンチ埋め込み用縮合反応物溶液、及びトレンチ埋め込み膜の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、以下の通りである。
[1] ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応物、及び有機溶媒を含む、トレンチ埋め込み用縮合反応物溶液であって、
該ポリシロキサン化合物が、下記一般式(1):
nSiX1 4-n(1)
{式中、nは0〜4の整数であり、Rは水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、X1はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基であり、複数のX1は同一でも異なっても良い。}
で表されるシラン化合物に由来し、
該有機溶媒が、該有機溶媒の総量100質量%に対し、沸点が130℃未満である有機溶媒(A)を50質量%以上99質量%以下、及び沸点が130℃以上である有機溶媒(B)を1質量%以上50質量%以下含む、トレンチ埋め込み用縮合反応物溶液。
[2] 該ポリシロキサン化合物が、下記一般式(2):
SiX2 4 (2)
{式中、X2はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基であり、複数のX2は同一でも異なっても良い。}
で表される4官能シラン化合物に由来する、上記[1]に記載のトレンチ埋め込み用縮合反応物溶液。
[3] 該有機溶媒(A)がアルコール、多価アルコール誘導体、ケトン、エステル、エーテル、及び炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種類である、上記[1]又は[2]に記載のトレンチ埋め込み用縮合反応物溶液。
[4] 該有機溶媒(B)がアルコール、多価アルコール誘導体、ケトン、エステル、エーテル、及び炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種類である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のトレンチ埋め込み用縮合反応物溶液。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれかに記載のトレンチ埋め込み用縮合反応物溶液を、スピンコーティング法によって、トレンチを有する基板に塗布する工程と、
該縮合反応物溶液が塗布された基板を焼成する工程と
を含む、トレンチ埋め込み膜の製造方法。
本発明によれば、基体に形成された線幅が微細なトレンチ内に塗布法によってシリコン酸化物を埋め込む際に、塗布膜の焼成時にトレンチ内でのボイドの発生を抑制できるトレンチ埋め込み用縮合反応物溶液、及びトレンチ埋め込み膜の製造方法を提供することが可能になる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<トレンチ埋め込み用縮合反応物溶液>
本発明の一態様は、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応物(本開示で、単に縮合反応物ということもある)、及び有機溶媒を含む、トレンチ埋め込み用縮合反応物溶液であって、
該ポリシロキサン化合物が、下記一般式(1):
nSiX1 4-n(1)
{式中、nは0〜4の整数であり、Rは水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、X1はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基であり、複数のX1は同一でも異なっても良い。}
で表されるシラン化合物に由来し、該有機溶媒が、該有機溶媒の総量100質量%に対し、沸点が130℃未満である有機溶媒(A)を50質量%以上99質量%以下、及び沸点が130℃以上である有機溶媒(B)を1質量%以上50質量%以下含む、トレンチ埋め込み用縮合反応物溶液を提供する。
本発明は上記のように、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応物と、割合が最適化された沸点の異なる2種類以上の有機溶媒とを混合することにより、線幅が微細なトレンチへ、トレンチ内でのボイドの発生を抑制しつつシリコン酸化物を埋め込むことが可能となる。
本開示で、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応物とは、上記一般式(1)で表されるシラン化合物に由来するポリシロキサン化合物と、シリカ粒子とを含有する縮合成分(本開示で、単に縮合成分ということもある)を縮合反応させて得られる生成物を意味する。従って、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応物は、ポリシロキサン化合物に由来する構造及びシリカ粒子に由来する構造のみを有する生成物、並びに、ポリシロキサン化合物に由来する構造、シリカ粒子に由来する構造、及び縮合成分に任意に含まれる追加の成分に由来する構造を有する生成物、のいずれも包含する。
(ポリシロキサン化合物)
本発明において使用されるポリシロキサン化合物は、上記一般式(1)で表されるシラン化合物に由来する。より具体的には、該ポリシロキサン化合物は、上記一般式(1)で表されるシラン化合物の重縮合物である。一般式(1)で表されるシラン化合物としては、1種又は2種以上の化合物を使用できる。
上記一般式(1)中のRの具体例としては:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、iso−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、iso−ヘプチル、n−オクチル、iso−オクチル、t―オクチル、n−ノニル、iso−ノニル、n−デシル、iso−デシル等の非環式又は環式の脂肪族炭化水素基;ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、シクロヘキセニルエチル、ノルボルネニルエチル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、スチレニル等の非環式及び環式のアルケニル基;ベンジル、フェネチル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジル等のアラルキル基;PhCH=CH−基等のアラアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;等が挙げられる。更に、Rの具体例としては水素原子が挙げられる。この中でも、焼成時のシリコン酸化物への転換の際に重量減少が少なく、収縮率が小さい縮合反応物を与えることができる点で、Rは、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、より好ましくはメチル基である。
上記一般式(1)中のX1の具体例としては、例えば:塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のアルコキシ基;アセトキシ基;等が挙げられる。この中でも、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メトキシ基、エトキシ基、及びアセトキシ基が、縮合反応の反応性が高いという観点から好ましい。
さらに、ポリシロキサン化合物は、基板との接着性が高い縮合反応物を与えるという観点で、下記一般式(2):
SiX2 4 (2)
{式中、X2はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基であり、複数のX2は同一でも異なっても良い。}
で表される4官能シラン化合物を含むシラン化合物に由来することが好ましい。より好ましくは、ポリシロキサン化合物は、上記一般式(2)で表される4官能シラン化合物に由来する。
上記一般式(2)中のX2の具体例としては、例えば:塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のアルコキシ基;アセトキシ基等が挙げられる。この中でも、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メトキシ基、エトキシ基、及びアセトキシ基が、縮合反応の反応性が高いという観点から好ましい。
(ポリシロキサン化合物の製造)
ポリシロキサン化合物は、上記したシラン化合物を例えば水の存在下で重縮合させる方法により製造できる。このとき、酸性雰囲気下、上記一般式(1)で表されるシラン化合物に含有されるX1の数に対して、好ましくは0.1当量以上10当量以下、より好ましくは0.4当量以上8当量以下の範囲で水を存在させて重縮合を行う。水の存在量が上記の範囲内である場合、縮合反応物溶液のポットライフを長くし、成膜後のクラック耐性を向上させることができるため好ましい。
ポリシロキサン化合物を製造するために用いるシラン化合物が、上記一般式(1)中のX1としてハロゲン原子又はアセトキシ基を含有する化合物である場合は、縮合反応のために水を加えることによって、反応系が酸性を示すため、シラン化合物の他に酸触媒を用いても用いなくても、いずれでも構わない。一方、上記一般式(1)中のX1がアルコキシ基である場合は、酸触媒を加えることが好ましい。
酸触媒としては、無機酸及び有機酸が挙げられる。上記無機酸としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、ホウ酸等が挙げられる。上記有機酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、シトラコン酸、リンゴ酸、グルタル酸等が挙げられる。
上記の無機酸及び有機酸は、それぞれ1種又は2種以上を混合して用いることができる。また使用される酸触媒の量は、ポリシロキサン化合物を製造する際の反応系のpHを0.01〜7.0、好ましくは5.0〜7.0の範囲に調整する量であることが好ましい。この場合、ポリシロキサン化合物の重量平均分子量を良好に制御できる。
ポリシロキサン化合物は、有機溶媒中又は水と有機溶媒との混合溶媒中で製造することができる。上記有機溶媒としては、例えばアルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、脂肪族炭化水素化合物類、芳香族炭化水素化合物類、アミド化合物類等が挙げられる。
上記アルコール類としては、例えば:メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の一価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等の多価アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのモノエーテル類;等が挙げられる。
上記エステル類としては例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。 上記ケトン類としては例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン等が挙げられる。
上記エーテル類としては、上記の多価アルコールのモノエーテル類の他に、例えば:エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコールの水酸基の全てをアルキルエーテル化した多価アルコールエーテル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール等が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素化合物類としては例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素化合物類としては例えばベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上記アミド化合物類としては例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
以上の溶媒の中でも、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、並びにジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドンが、水と混合しやすく、シリカ粒子を分散させやすい点で好ましい。
好ましい態様において、ポリシロキサン化合物は、アルコール水溶液中、pH5以上7未満の弱酸性条件での加水分解縮合により製造できる。
これらの溶媒は、単独で使用してもよいし、複数種の溶媒を組み合わせて使用しても構
わない。また上記溶媒を用いずにバルク中で反応を行ってもよい。
ポリシロキサン化合物を製造する際の反応温度は特に制限は無いが、好ましくは−50℃以上200℃以下、より好ましくは0℃以上150℃以下の範囲で行う。上記の温度範囲で反応を行うことにより、ポリシロキサン化合物の分子量を容易に制御することができる。
縮合成分の全量100質量%中のポリシロキサン化合物の含有率は、ポリシロキサン化合物の縮合換算量で40質量%以上99質量%以下であることが好ましい。但し、本開示において、縮合成分の全量は、ポリシロキサン化合物の量及びシラン化合物(存在する場合)の量をそれぞれ縮合換算量に置き換えた値を用いて求める。ポリシロキサン化合物の縮合換算量及びシラン化合物の縮合換算量とは、それぞれ、ポリシロキサン化合物中及びシラン化合物中に存在する縮合反応性基(具体的には一般式(1)中のX1)を、1/2個の酸素原子に置き換えて得られる量を意味する。ポリシロキサン化合物の該縮合換算量としての含有率が40質量%以上であることは、成膜性が良好である点で好ましい。該含有率はより好ましくは50質量%以上、更に好ましくは55質量%以上である。一方、該含有率が99質量%以下であることは、低収縮率及び良好なクラック耐性を与えるトレンチ埋め込み膜が得られる点で好ましい。該含有率はより好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。
(シリカ粒子)
本発明において使用されるシリカ粒子としては、例えばヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。
上記ヒュームドシリカは、ケイ素原子を含む化合物を気相中で酸素及び水素と反応させることによって得ることができる。原料となるケイ素化合物としては、例えばハロゲン化ケイ素(例えば塩化ケイ素等)等が挙げられる。
上記コロイダルシリカは、原料化合物を加水分解・縮合するゾルゲル法により合成することができる。コロイダルシリカの原料化合物としては、例えば、アルコキシケイ素(例えばテトラエトキシシラン等)、ハロゲン化シラン化合物(例えばジフェニルジクロロシラン等)等が挙げられる。中でも、金属、ハロゲン等の不純物は少ないことが好ましいため、アルコキシケイ素から得られたコロイダルシリカがより好ましい。
シリカ粒子の平均一次粒子径は、1nm以上120nm以下であることが好ましく、より好ましくは40nm以下、更に好ましくは20nm以下、最も好ましくは15nm以下である。上記平均一次粒子径が1nm以上である場合、クラック耐性が良好であり好ましく、120nm以下である場合、トレンチ埋め込み性が良好であり好ましい。
シリカ粒子の平均二次粒子径は、2nm以上250nm以下であることが好ましく、より好ましくは80nm以下、更に好ましくは40nm以下、最も好ましくは30nm以下である。上記平均二次粒子径が2nm以上である場合、クラック耐性が良好であり好ましく、250nm以下である場合、トレンチ埋め込み性が良好であり好ましい。
また、シリカ粒子の平均二次粒子径は、上記の範囲内で、かつ基板に形成されたトレンチのうち、最小の開口幅の0.1〜3倍であることが、トレンチへの埋め込み性が良好である点で好ましく、上記最小の開口幅の0.1〜2倍であることが更に好ましい。
上記平均一次粒子径は、BETの比表面積から計算で求められる値であり、上記平均二次粒子径は、動的光散乱光度計で測定される値である。
シリカ粒子の形状は、球状、棒状、板状若しくは繊維状又はこれらの2種類以上が合体した形状であることができるが、好ましくは球状である。なお、ここでいう球状とは、真球状の他、回転楕円体、卵形等も含む略球状を意味する。
シリカ粒子の比表面積は、塗布膜のHF耐性のような耐薬品性が良好である点で、BET比表面積が25m2/g以上であることが好ましく、より好ましくは70m2/g以上、更に好ましくは140m2/g以上、最も好ましくは180m2/g以上である。上記BET比表面積は、N2分子の圧力とガス吸着量とから計算される方法で測定される値である。
シリカ粒子としては、上記の要件に適合する限りで、制限は無く、市販品を使用することもできる。市販品としては、コロイダルシリカとして、例えばLEVASILシリーズ(H.C.Starck(株)製)、メタノールシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL(以上、日産化学工業(株)製)、クオートロンP Lシリーズ(扶桑化学(株)製)、OSCALシリーズ(触媒化成工業(株)製)等;粉体状のシリカ粒子として、例えばアエロジル130、同300、同380、同TT600、同OX50(以上、日本アエロジル(株)製)、シルデックスH31、同H32、同H51、同H52、同H121、同H122(以上、旭硝子(株)製)、E220A、E220(以上、日本シリカ工業(株)製)、SYLYSIA470(富士シリシア(株)製)、SGフレーク(日本板硝子(株)製)等がそれぞれ挙げられる。シリカ粒子は、分散媒に分散させた形で用いることもできる。その場合のシリカ粒子含有量は、正味のシリカ粒子の質量、すなわち分散液の質量にシリカ粒子の濃度を乗じた値を用いて算出する。
縮合成分の全量100質量%中のシリカ粒子の含有率は、1質量%以上60質量%以下である。該含有率が1質量%以上であることは、低収縮率及び良好なクラック耐性が得られる点で好ましい。該含有率はより好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。一方、該含有率が60質量%以下であることは、成膜性が良好である点で好ましい。該含有率はより好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。
(シラン化合物)
本発明において用いる縮合反応物の製造の際に用いる縮合成分は、上記のポリシロキサン化合物及びシリカ粒子からなることもできるし、追加の成分を含むこともできる。追加の成分としては、例えば上記一般式(1)で表されるシラン化合物を使用できる。このようなシラン化合物を追加の成分として用いる場合、縮合反応物溶液のポットライフが特に良好であり好ましい。一般式(1)で表されるシラン化合物を追加の成分として用いる場合、例えば以下の2段階の縮合反応を採用できる。すなわち、シリカ粒子を溶媒中に分散させた分散体にポリシロキサン化合物溶液を加えて縮合反応させる方法等によって、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子とをまず縮合反応させる(第1段階)。次いで、得られた反応液に、上記一般式(1)で表されるシラン化合物を更に反応させる(第2段階)。縮合成分として使用される上記一般式(1)で表されるシラン化合物は1種類でもよいし複数種でもよい。複数種のシラン化合物を使用する場合には、例えば上記の第2段階において、1種類ずつ順次反応系中に加えてもよいし、複数種のシラン化合物を混合させてから反応系中に加えてもよい。
縮合成分としての上記一般式(1)で表されるシラン化合物を用いる場合、縮合成分の全量100質量%中の該シラン化合物の含有率は、該シラン化合物の縮合換算量で0質量%超過40質量%以下であるように設定することが好ましい。上記シラン化合物の縮合換算量とは、前述のように、一般式(1)中のX1を1/2個の酸素原子に置き換えて得られる量を意味する。該含有率が0質量%超過であることは、縮合反応物溶液のポットライフが長い点で好ましい。該含有率は、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.03質量%以上である。一方、該含有率が40質量%以下であることは、クラック耐性が良好である点で好ましい。該含有率は、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
縮合反応物の重量平均分子量は、1,000以上20,000以下であることが好ましく、更に好ましくは1,000以上10,000以下である。該縮合反応物の重量平均分子量が1,000以上である場合、成膜性及びクラック耐性が良好であり、重量平均分子量が20,000以下である場合、縮合反応物溶液のポットライフが長く好ましい。なお上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定され、標準ポリメチルメタクリレート換算で算出される値である。分子量の測定は、例えば東ソー製のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)、HLC−8220、TSKgelGMHHR−Mカラムを使用し、アセトン溶媒中、縮合反応物を1質量%溶液にして測定でき、示差屈折率計(RI)により標準ポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量(Mw)を求めることができる。
縮合反応物が形成されていることは、例えば、核磁気共鳴装置(NMR)用いて確認できる。例えば、核磁気共鳴装置:ECA700、プローブSI10を使用し、縮合反応物濃度25質量%の重アセトン溶液100質量部にクロミニウムアセチルアセトネート0.9質量部を添加したサンプルを測定することによって確認できる。
(溶媒)
本発明の縮合反応物溶液は有機溶媒を含有する。本発明では、課題を解決するために沸点の異なる2種類以上の溶媒を混合する。塗布法によりトレンチの微細溝を埋設したのちに焼成によりシリカ膜を形成する方法において、埋め込み部におけるボイドの発生は材料の熱収縮が原因である。ボイドの発生の原因が熱収縮である理由としては、加熱時に塗布膜中の分子の流動性が減少していることが挙げられる。本発明では、沸点の異なる有機溶媒を2種類以上混合して、塗布膜から段階的に溶媒を揮発させることにより、塗布膜中の分子の流動性が確保され、熱収縮が発生してもボイドが形成されず、トレンチ埋め込み性が良好となることを見出した。
さらに、塗布法における塗布時の溶媒の揮発量と、予備硬化時の溶媒の揮発量とを制御すれば特に顕著な効果が得られることを見出した。塗布法においては、塗布液を基板に塗布し、溶媒をある程度揮発させることによって塗布膜を形成している。さらに、溶媒を揮発させるために加熱による予備硬化を行う。予備硬化後の塗布膜(本開示で、予備硬化膜ともいう)は固まっている状態であり、予備硬化膜中の分子の流動性は大きく低下している。そのため、トレンチの埋め込み性に対して塗布時の溶媒の揮発と予備硬化時の溶媒の揮発とが大きく影響する。
この観点から、本実施の形態において、有機溶媒の構成は、沸点が130℃未満である有機溶媒(A)が全溶媒量100質量%に対して50質量%以上99質量%以下、かつ、沸点が130℃以上である有機溶媒(B)が全溶媒量100質量%に対して1質量%以上50質量%以下である混合溶媒である。有機溶媒は、好ましくは、沸点が130℃未満である有機溶媒(A)が全溶媒量に対して60質量%以上90質量%以下かつ沸点が130℃以上である有機溶媒(B)が全溶媒量に対して10質量%以上40質量%以下である混合溶媒である。該混合溶媒中の有機溶媒(A)が全溶媒量に対して50質量%以上であることにより塗布膜の成膜性が良くなり、99質量%以下であることによりトレンチ埋め込み性が良好となる。同じく、沸点が130℃以上である有機溶媒(B)が全溶媒量に対して1質量%以上であることによりトレンチ埋め込み性が良好となり、50質量%以下であることにより塗布膜の成膜性が良くなる。
有機溶媒(A)及び有機溶媒(B)はそれぞれ、1種の溶媒でも2種以上の溶媒の混合物でもよい。沸点は、日本薬局方法で測定される値である。
有機溶媒(A)及び有機溶媒(B)は、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応物が溶解すれば特に制限しないが、それぞれ、アルコール、多価アルコール誘導体、ケトン、エステル、エーテル、及び炭化水素から選択されることが、縮合反応物のポットライフが良好であるという観点から好ましい。
有機溶媒(A)の好ましい具体例としては、アルコールとして、ブタノール、メトキシエタノール等;多価アルコール誘導体として、プロピレングリコールモノメトキシエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等;ケトンとして、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン等;エステルとして、酢酸ブチル、プロピルプロピオネート等;エーテルとして、ブチルエチルエーテル、ブチルプロピルエーテル、並びに、多価アルコール誘導体として上述した、プロピレングリコールモノメトキシエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等;炭化水素として、トルエン等;が挙げられる。
有機溶媒(A)の沸点は、塗布膜の成膜性の観点から、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上であり、トレンチ埋め込み性の観点から、好ましくは130℃以下、より好ましくは125℃以下である。
有機溶媒(B)の好ましい具体例としては、アルコールとして、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、エトキシエタノール、エチレングリコール等;多価アルコール誘導体として、プロピレングリコールモノエトキシエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、メトキシメトシキエタノール、エチレングリコールジアセテート等;ケトンとして、イソアミルケトン、エチルヘキシルケトン、シクロヘキサノン、ガンマブチロラクトン等;エステルとして、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、ブチルプロピオネート、ペンチルプロピオネート、ヘキシルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等;エーテルとして、ジブチルエーテル、アニソール、並びに、多価アルコール誘導体として上述した、プロピレングリコールモノエトキシエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等;炭化水素として、キシレン等;が挙げられる。
有機溶媒(B)の沸点は、トレンチ埋め込み性の観点から、好ましくは130℃以上、より好ましくは140℃以上であり、塗布膜の成膜性の観点から、好ましくは220℃以下、より好ましくは210℃以下である。
本実施の形態において、有機溶媒(A)及び(B)は、トレンチ埋め込み用縮合反応物溶液の塗布時に所定の有機溶媒混合比率になっていれば良い。例えば、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応物の合成後に、縮合反応物に有機溶媒を添加して混合比率を調整することができる。
本発明の別の態様は、上述した本発明に係る縮合反応物溶液を、トレンチを有する基板に塗布する工程と、該縮合反応物溶液が塗布された基板を焼成する工程とを含む、トレンチ埋め込み膜の製造方法を提供する。
好ましい態様において、上記塗布はスピンコーティング法によって行う。前述したトレンチ埋め込み用縮合反応物溶液は、通常の方法で、トレンチを有する基板上に塗布することができる。塗布方法としては、例えば、スピンコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティングのような公知な任意の塗布方法を用いることができる。なかでも、半導体装置用の場合は塗布膜の膜厚均一性が良好となる点からスピンコーティング法が好ましい。塗布の条件は本発明が適用されるトレンチ埋め込み膜が所望とする膜厚に従って適宜選択すればよい。スピンコーティング法で塗布する場合、一段階の回転数で塗布しても、複数段階の回転数を組み合わせて塗布しても構わないが、少なくとも一段階目の回転数は50rpm以上3000rpm以下であることが好ましい。これは、50rpm以上であればシリコン基板全面に塗布液を均一に広げることができ、3000rpm以下であれば上記有機溶媒(A)が程よく蒸発するためトレンチ埋め込み性改善の効果が強く現れるためである。また、トレンチ埋め込み用縮合反応物溶液の塗布回数は1回でも複数回でも構わないが、成膜性が良くなること、及び製造コストの観点から、1回で塗布する方がより好ましい。
次いで、縮合反応物溶液が塗布された基板を焼成する。しかし、塗布液を基板上に塗布したのち、焼成前に、予備硬化工程を実施することが、塗布膜の搬送上の観点で好ましい。この予備硬化はホットプレート、オーブン、ファーネス等により実施される。その後、予備硬化させて得られた膜を加熱焼成することによってシリコン酸化物を得ることができる。この予備硬化の温度は、トレンチ埋め込み性の観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは70℃以上であり、同じくトレンチ埋め込み性の観点から、好ましくは300℃以下、より好ましくは280℃以下、更に好ましくは260℃以下である。また、予備硬化時の雰囲気としては、N2、Ar等の不活性雰囲気の他、空気、酸素又は水蒸気等の酸化性雰囲気も用いることができる。
焼成の方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネス等の一般的な加熱手段を適用することができる。熱処理温度は、好ましくは100℃〜1,200℃であり、より好ましくは200℃〜1,100℃であり、更に好ましくは300℃〜1000℃である。熱処理温度が上記の範囲内であることは、焼成後の膜密度が高く、また得られる膜質が良いという観点から好ましい。加熱焼成時の雰囲気としては、N2、Ar等の不活性雰囲気の他、空気、酸素又は水蒸気等の酸化性雰囲気も用いることができる。加熱焼成工程時の圧力は、特に制限は無く、加圧下、常圧下、減圧下又は真空中のいずれの圧力でも実施することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。
ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応物の溶液の製造例−1
300mLナスフラスコに、テトラエトキシシラン31.20g、及びエタノール61.89gを入れて攪拌し、ついで0.7質量%硝酸水溶液4.59g及び水6.24gの混合水溶液を室温で滴下した。滴下終了後、50℃で1時間加熱攪拌した。加熱攪拌後、PL−06(扶桑化学工業製の平均一次粒子径6nm、6.3質量%濃度の水分散シリカ粒子)61.23g、及びエタノール58.14gの混合溶液を室温で滴下した。滴下終了後、50℃で1時間加熱攪拌した。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:120℃)を150g添加し、オイルバスを昇温させて蒸留ラインよりエタノール、水、及び硝酸を留去し、縮合反応物のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を得た。該縮合反応物のプロプレングリコールモノメチルエーテル溶液を濃縮することにより、SiO2換算で15質量%濃度の縮合反応物溶液85.70gを得た。
ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応物の溶液の製造例−2
300mLナスフラスコに、テトラエトキシシラン31.20g、及びエタノール61.89gを入れて攪拌し、ついで0.7質量%硝酸水溶液4.59g、及び水6.24gの混合水溶液を室温で滴下した。滴下終了後、50℃で1時間加熱攪拌した。加熱攪拌後、PL−06(扶桑化学工業製の平均一次粒子径6nm、6.3質量%濃度の水分散シリカ粒子)61.23g、及びエタノール58.14gの混合溶液を室温で滴下した。滴下終了後、50℃で1時間加熱攪拌した。その後、エチレングリコール(沸点:191℃)を150g添加し、オイルバスを昇温させて蒸留ラインよりエタノール、水、及び硝酸を留去し、縮合反応物のエチレングリコール溶液を得た。該縮合反応物のエチレングリコール溶液を濃縮することにより、SiO2換算で15質量%濃度の縮合反応物溶液85.70gを得た。
(トレンチ埋め込み性の評価)
上記縮合反応物を下記実施例及び比較例の各条件で調製したものを、開口幅15nm、深さ250nmのトレンチを有するSi基板上にスピンコーター(東京エレクトロン製、クリーントラックMk−8)を用いて1600rpmで30秒回転塗布し、塗布膜を形成した。この塗布膜を50℃、100℃、150℃のホットプレート上でこの順に段階的に予備硬化した後、電気管状炉(入江商会製、MIK−5)を用いて炉内にアルゴンを25L/minで流し、23℃から昇温速度20℃/minで930℃まで昇温し930℃で30分間保持することで焼成工程を行った。得られた焼成後の基板をトレンチの長手方向に対し直角の方向で割断し、走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−4800)を用いて倍率8万倍で、サンプル片からランダムにトレンチ100本を観察し、すべてのトレンチ内がトレンチ埋め込み用縮合反応物の焼成物で埋まっており、溝、孔、クラック等のボイドが観察されない場合を埋め込み性が良好、トレンチ100本のうち1本でもこのようなボイドが観察される場合を埋め込み性が不良とした。
実施例1
製造例−1で合成した縮合反応物にガンマブチロラクトン(沸点:204℃)を添加して、ガンマブチロラクトンが縮合反応物溶液中の有機溶媒全体に対して1質量%になるように調整した塗布液について、上記トレンチ埋め込み性評価手法に基づき評価を実施した。その結果、溝、孔、クラック等のボイドは観測されず、埋め込み性は良好であった。
実施例2
製造例−1で合成した縮合反応物にガンマブチロラクトンを添加して、ガンマブチロラクトンが縮合反応物溶液中の有機溶媒全体に対して40質量%になるように調整した塗布液について、上記トレンチ埋め込み性評価手法に基づき評価を実施した。その結果、溝、孔、クラック等のボイドは観測されず、埋め込み性は良好であった。
実施例3
製造例−1で合成した縮合反応物に乳酸エチル(沸点:154℃)を添加して、乳酸エチルが縮合反応物溶液中の有機溶媒全体に対して10質量%になるように調整した塗布液について、上記トレンチ埋め込み性評価手法に基づき評価を実施した。その結果、溝、孔、クラック等のボイドは観測されず、埋め込み性は良好であった。
比較例1
製造例−1で合成した縮合反応物をそのまま塗布液として用いて、上記トレンチ埋め込み性評価手法に基づき評価を実施した。その結果、溝、孔、クラック等のボイドが観測されたため、埋め込み性は不良であった。
比較例2
製造例−2で合成した縮合反応物をそのまま塗布液として用いて、上記トレンチ埋め込み性評価手法に基づき評価を実施した。その結果、溝、孔、クラック等のボイドが観測されたため、埋め込み性は不良であった。
比較例3
製造例−1で合成した縮合反応物にガンマブチロラクトンを添加して、ガンマブチロラクトンが縮合反応物溶液中の有機溶媒全体に対して60質量%になるように調整した塗布液について、上記トレンチ埋め込み性評価手法に基づき評価を実施した。その結果、溝、孔、クラック等のボイドが観測されたため、埋め込み性は不良であった。
比較例4
製造例−2で合成した縮合反応物にガンマブチロラクトンを添加して、ガンマブチロラクトンが縮合反応物溶液中の有機溶媒全体に対して10質量%になるように調整した塗布液について、上記トレンチ埋め込み性評価手法に基づき評価を実施した。その結果、溝、孔、クラック等のボイドが観測されたため、埋め込み性は不良であった。
本発明は、半導体素子に形成されたトレンチ内の絶縁保護膜用に好適に適用される。

Claims (3)

  1. ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応物、及び有機溶媒を含む、トレンチ埋め込み用縮合反応物溶液であって、
    前記ポリシロキサン化合物が、下記一般式(2):
    SiX 2 4 (2)
    {式中、X 2 はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基であり、複数のX 2 は同一でも異なっても良い。}
    で表される4官能シラン化合物のみに由来し、
    前記有機溶媒が、前記有機溶媒の総量100質量%に対し、沸点が130℃未満である有機溶媒(A)を50質量%以上99質量%以下、及び沸点が154℃以上220℃以下である有機溶媒(B)を1質量%以上50質量%以下含み、
    前記有機溶媒(B)がケトン及びエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種類である、トレンチ埋め込み用縮合反応物溶液。
  2. 前記有機溶媒(A)がアルコール、多価アルコール誘導体、ケトン、エステル、エーテル、及び炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種類である、請求項に記載のトレンチ埋め込み用縮合反応物溶液。
  3. 請求項1又は2に記載のトレンチ埋め込み用縮合反応物溶液を、スピンコーティング法によって、トレンチを有する基板に塗布する工程と、
    前記縮合反応物溶液が塗布された基板を焼成する工程と
    を含む、トレンチ埋め込み膜の製造方法。
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