JP2012121860A - 新規テトラヒドロピラニル化合物 - Google Patents

新規テトラヒドロピラニル化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP2012121860A
JP2012121860A JP2010275382A JP2010275382A JP2012121860A JP 2012121860 A JP2012121860 A JP 2012121860A JP 2010275382 A JP2010275382 A JP 2010275382A JP 2010275382 A JP2010275382 A JP 2010275382A JP 2012121860 A JP2012121860 A JP 2012121860A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
tetrahydropyranyl
group
methyl group
pyran
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010275382A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5673054B2 (ja
Inventor
Yusuke Koiizuka
祐介 小飯塚
Yuji Tanaka
裕二 田中
Kazukiyo Nagai
一清 永井
Tetsuo Suzuki
哲郎 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2010275382A priority Critical patent/JP5673054B2/ja
Publication of JP2012121860A publication Critical patent/JP2012121860A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5673054B2 publication Critical patent/JP5673054B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)

Abstract

【課題】塗膜安定性を向上させることができ、かつ、電気特性の低下や高温高湿下での画像流れなどの副作用が少ない電荷輸送材料を提供する。
【解決手段】[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル基を有する、下記一般式(1)で表されるテトラヒドロピラニル化合物。
Figure 2012121860

(式中、R2〜R4のうち、一つは[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、電荷輸送材料として有用なテトラヒドロピラニル化合物に関する。
近年、有機感光体(OPC)は良好な性能、様々な利点から、複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ及びこれらの複合機に多く用いられている。この理由としては、例えば(1)光吸収波長域の広さ及び吸収量の大きさ等の光学特性、(2)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(3)材料の選択範囲の広さ、(4)製造の容易さ、(5)低コスト、(6)無毒性、等が挙げられる。
最近では、電子写真装置の高速化あるいは装置の小型化に伴う感光体の小径化によって、感光体の高速応答性ならびに安定性がより一層重要な課題となっている。高温高湿条件など、様々な環境下で感光体を使用することを想定した場合、電荷輸送層中の低分子電荷輸送材料が結晶化または相分離し、結果としてクラックを生じ、画像欠陥の原因となることが予想される。そのため、電荷輸送層にクラックが起こりにくい、すなわち他の組成物との相溶性がよく、電荷輸送材料そのものが結晶化しにくい感光体が必要とされるようになってきた。電荷輸送材料としては、トリフェニルアミン構造を有する化合物が知られているが、これらの材料は結晶化しやすく、感光体にクラックが起こりやすい。
そこで、トリフェニルアミン構造を有する電荷輸送材料に、テトラヒドロピラニル基を導入し、感光層塗布液中での析出物やゲル化が発生しにくく、塗布液のポットライフに優れ、電子写真感光体の電気特性を十分に向上させることが可能なものとして、例えば特許文献1に、テトラヒドロピラニル基を酸素原子を介して導入したものやオキシプロピル基を介して導入したものが開示されている。
しかし、特許文献1に記載されているテトラヒドロピラニル化合物は、テトラヒドロピラニル基が酸素原子を介して直接N−フェニル環に結合しているので、電荷輸送特性が落ちる。また、オキシプロピル基を介した場合、電荷輸送材料が低粘性化し、高温高湿時に表面に遊離しやすく、感光体表面が低抵抗化し、結果として画像流れしやすくなるという問題があった。
従って、これらの技術では、有機電子写真感光体に求められる電気的な特性、耐クラック性をも含めた総合的な耐久性を十二分に満足するには至っていない。
本発明は、塗膜安定性を向上させることができ、かつ、電気特性の低下や高温高湿下での画像流れなどの副作用が少ない電荷輸送材料を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を行なった結果、[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル基を導入したトリフェニルアミン化合物が上記課題を解決することができることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル基を有する、下記一般式(1)で表されるテトラヒドロピラニル化合物。
Figure 2012121860
(式中、R1、R5は、水素原子、メチル基、又はエチル基を表し、R2〜R4のうち、一つは[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル基を表し、残りの二つは水素原子、メチル基、又はエチル基を表す。R6〜R15は、水素原子、メチル基、エチル基、置換基を有してもよいアリール基、又は置換基を有してもよいスチリル基を表す。l+m+n=3であり、lは1〜3の整数、mとnは0又は1の整数を表す。また、l=2又は3のとき、[ ]内の各々のベンゼン環の置換基は同一でも異なっていてもよい。)
(2)前記(1)記載のテトラヒドロピラニル化合物からなることを特徴とする電荷輸送材料。
本発明のテトラヒドロピラニル化合物は、トリフェニルアミン化合物に[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル基を導入しているので、塗膜安定性を向上させることができ、かつ、電気特性の低下や高温高湿下での画像流れなどの副作用が少ない。
本発明の実施例1において得られた化合物の赤外吸収スペクトル図(液膜法)である。横軸は波数(cm-1)を示し、縦軸は透過度(%)を示す。 本発明の実施例2において得られた化合物の赤外吸収スペクトル図(液膜法)である。横軸は波数(cm-1)を示し、縦軸は透過度(%)を示す。 本発明の実施例3において得られた化合物の赤外吸収スペクトル図(液膜法)である。横軸は波数(cm-1)を示し、縦軸は透過度(%)を示す。 本発明の実施例4において得られた化合物の赤外吸収スペクトル図(液膜法)である。横軸は波数(cm-1)を示し、縦軸は透過度(%)を示す。 本発明の実施例5において得られた化合物の赤外吸収スペクトル図(液膜法)である。横軸は波数(cm-1)を示し、縦軸は透過度(%)を示す。 本発明の実施例6において得られた化合物の赤外吸収スペクトル図(液膜法)である。横軸は波数(cm-1)を示し、縦軸は透過度(%)を示す。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明は、下記一般式(1)で表されるテトラヒドロピラニル化合物に関する。
Figure 2012121860
(式中、R1、R5は、水素原子、メチル基、又はエチル基を表し、R2〜R4のうち、一つは[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル基を表し、残りの二つは水素原子、メチル基、又はエチル基を表す。R6〜R15は、水素原子、メチル基、エチル基、置換基を有してもよいアリール基、又は置換基を有してもよいスチリル基を表す。l+m+n=3であり、lは1〜3の整数、mとnは0又は1の整数を表す。また、l=2又は3のとき、[ ]内の各々のベンゼン環の置換基は同一でも異なっていてもよい。)
なお、本発明において、テトラヒドロピラニル基とは以下に示すテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル基を指し、テトラヒドロピラニル化合物はテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル基を有する化合物と定義するものとする。
Figure 2012121860
本発明のテトラヒドロピラニル化合物は、トリフェニルアミン化合物に[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル基を導入しているので、塗膜安定性を向上させることができ、かつ、電気特性の低下や高温高湿下での画像流れなどの副作用が少ない電荷輸送材料となる。
より具体的には、
(1)テトラヒドロピラニル基はシクロへキシル基の2位が酸素原子に置換された構造であり、立体的にかさ高いために、電荷輸送材料の結晶化を抑制することが出来る。
(2)また、エーテル結合を持つので、ポリカーボネート等の結着樹脂との相溶性が高くなる。
(3)本発明における新規テトラヒドロピラニル化合物は、テトラヒドロピラニル基が、オキシメチレン基を介して電荷輸送性のN−フェニル環に結合することにより、電気特性の低下および電荷輸送材料の低粘性化を抑えることができ、上記の効果が発生する。ここで、エーテル結合部の酸素原子が電荷輸送性のN−フェニル環に直接結合すると、電荷輸送材料のドナー性が低下し、電気特性が低下する。一方、オキシプロピル基を介すると電気特性の低下は抑制できるが、電荷輸送材料が低粘性化するため、高温高湿環境において表面に遊離しやすく、表面が低抵抗化し、結果として画像流れが発生する。
従って、本発明のテトラヒドロピラニル化合物は、有機電子写真感光体、有機発光素子、有機TFT、有機太陽電池等の有機電荷輸送材料を用いた有機半導体デバイスに使用される電荷輸送材料として有用である。
前記一般式(1)で表される本発明のテトラヒドロピラニル化合物の具体例を以下に示すが、本発明は何らこれら例示の化合物のみに限定されるものではない。
Figure 2012121860
Figure 2012121860
本発明のテトラヒドロピラニル化合物は、例えば、以下の手順でアルデヒド化合物を合成し、得られたアルデヒド化合物を水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤により反応させてメチロール化合物を合成し、得られたメチロール化合物とジヒドロ−2H−ピランとを反応させる以下の製造方法により容易に合成することができる。また、アミン化合物とテトラヒドロピラニル基を有するハロゲン化合物のウルマン反応等によっても、テトラヒドロピラニル化合物を容易に合成することができる。
<アルデヒド化合物の合成>
下記反応式に示すように電荷輸送性化合物を原料とし、これを従来知られている方法(例えばビルスマイヤー反応)を用いてホルミル化し、アルデヒド化合物を合成することができる。特許第3943522号記載のホルミル化等が挙げられる。
Figure 2012121860
(R1、R2は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、メチル基、エチル基、置換基を有してもよいアリール基、又は置換基を有してもよいスチリル基を表す。R3は水素原子、メチル基、又はエチル基を表す。l+m+n=3であり、lは1〜3の整数、mとnは0又は1の整数を表す。また、l=2又は3のとき、[ ]内の各々のベンゼン環の置換基は同一でも異なっていてもよい。)
すなわち、上記の具体的なホルミル化の方法としては、塩化亜鉛/オキシ塩化リン/ジメチルホルムアルデヒドを用いた方法が有効であるが、本発明のテトラヒドロピラニル化合物の中間体であるアルデヒド化合物を得るための合成方法は、これらに限定されるものではない。
<メチロール化合物の合成>
下記反応式に示すようにアルデヒド化合物を製造中間体とし、これを従来知られている還元方法を用いてメチロール化合物を合成することができる。
Figure 2012121860
すなわち、上記の具体的な還元方法としては、水素化ホウ素ナトリムを用いた方法が有効であるが、本発明のテトラヒドロピラニル化合物の中間体であるメチロール化合物を得るための合成方法は、これらに限定されるものではない。具体的な合成例については後述の実施例に示す。
<テトラヒドロピラニル化合物の合成(1)>
下記反応式に示すようにメチロール化合物を製造中間体とし、これをジヒドロ−2H−ピランとを反応させて、テトラヒドロピラニル化合物を合成することができる。
Figure 2012121860
すなわち、上記の具体的な合成方法としては、ジヒドロ−2H−ピランを用いた方法が有効であるが、本発明のテトラヒドロピラニル化合物を得るための合成方法は、これらに限定されるものではない。具体的な合成例については後述の実施例に示す。
<テトラヒドロピラニル化合物の合成(2)>
下記反応式に示すようにアミン化合物と[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル基を有するハロゲン化合物を製造中間体とし、これを従来知られている合成方法を用いてテトラヒドロピラニル化合物を合成することができる。尚、以下の[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル基を有するハロゲン化合物において、[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル基の結合位置はハロゲンに対してメタ位またはパラ位である。
Figure 2012121860
すなわち、上記の具体的な合成方法としては、ウルマン反応等を用いた方法が有効であるが、本発明のテトラヒドロピラニル化合物を得るための合成方法は、これらに限定されるものではない。具体的な合成例については後述の実施例に示す。
以下、合成例および応用例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、部は質量部を表す。
[実施例1]
合成例1(例示テトラヒドロピラニル化合物III−1の製造原料として用いたメチロール化合物の合成)
Figure 2012121860
トリス(4−ホルミルフェニル)アミン:6.65g、エタノール:150mlを四つ口フラスコに入れる。室温下にて撹拌し、水素化ホウ素ナトリウム:3.63gを投下。そのまま4時間撹拌継続。酢酸エチルにて抽出し、硫酸マグネシウムにて脱水し、活性白土&シリカゲルにて吸着処理を行なった。濾過、洗浄、濃縮により、アモルファス状物質が得られた。n−ヘキサンにて分散し、濾過、洗浄、乾燥にて取り出し、目的物を得た。(収量6.0g、薄黄白色アモルファス)
合成例2(例示テトラヒドロピラニル化合物III−1の合成)
Figure 2012121860
上記合成例1で得られた中間体メチロール化合物:3.4g、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン:4.65g、テトラヒドロフラン:100mlを四つ口フラスコに入れる。5℃にて撹拌し、パラトルエンスルホン酸:58mgを投下。室温下にて、5時間撹拌継続。酢酸エチルにて抽出し、硫酸マグネシウムにて脱水し、活性白土&シリカゲルにて吸着処理を行なった。濾過、洗浄、濃縮により、黄色オイル状物質が得られた。シリカゲルカラム精製(トルエン/酢酸エチル=5/1)を行ない、単離し、目的物を得た。(収量2.7g、薄黄色オイル状物)
図1に、実施例1で得られたテトラヒドロピラニル化合物の赤外吸収スペクトル図(液膜法)を示す。
[実施例2]
合成例3(例示テトラヒドロピラニル化合物中間体の合成(1))
Figure 2012121860
4−ブロモベンジルアルコール:50.43g、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン:45.35g、テトラヒドロフラン:150mlを四つ口フラスコに入れる。5℃にて撹拌し、パラトルエンスルホン酸:0.512gを投下。室温下にて、2時間撹拌継続。酢酸エチルにて抽出し、硫酸マグネシウムにて脱水し、活性白土&シリカゲルにて吸着処理を行なった。濾過、洗浄、濃縮により、目的物を得た。(収量72.50g、無色オイル状物)
合成例4(例示テトラヒドロピラニル化合物II−1の合成)
Figure 2012121860
アニリン:0.558g、上記合成例3で得られた中間体化合物:3.91g、ビス(トリ-t-ブトキシホスフィン)パラジウム:30.6mg、ターシャルブトキシナトリウム:2.31g、o−キシレン:20mlを四つ口フラスコに入れる。アルゴンガス雰囲気下、室温にて撹拌。100℃にて1時間撹拌継続。酢酸エチルにて希釈し、硫酸マグネシウム、活性白土を入れ、撹拌。濾過、洗浄、濃縮を行ない、黄色オイル状物が得られた。シリカゲルカラム精製(MDC/n−ヘキサン=20/1)を行ない、単離し、目的物を得た。(収量1.03g、薄黄色オイル状物)
図2に、実施例2で得られたテトラヒドロピラニル化合物の赤外吸収スペクトル図(液膜法)を示す。
[実施例3]
合成例5(例示テトラヒドロピラニル化合物中間体の合成(2))
Figure 2012121860
3−ブロモベンジルアルコール:25.21g、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン:22.50g、テトラヒドロフラン:50mlを四つ口フラスコに入れる。5℃にて撹拌し、パラトルエンスルホン酸:0.259gを投下。室温下にて、1時間撹拌継続。酢酸エチルにて抽出し、硫酸マグネシウムにて脱水し、活性白土&シリカゲルにて吸着処理を行なった。濾過、洗浄、濃縮により、目的物を得た。(収量36.84g、無色オイル状物)
合成例6(例示テトラヒドロピラニル化合物II−5の合成)
Figure 2012121860
アニリン:1.12g、上記合成例5で得られた中間体化合物:7.81g、ビス(トリ-t-ブトキシホスフィン)パラジウム:61.3mg、ターシャルブトキシナトリウム:4.61g、o−キシレン:100mlを四つ口フラスコに入れる。アルゴンガス雰囲気下、室温にて撹拌。100℃にて1時間撹拌継続。酢酸エチルにて希釈し、硫酸マグネシウム、活性白土を入れ、撹拌。濾過、洗浄、濃縮を行ない、黄色オイル状物が得られた。シリカゲルカラム精製(MDC)を行ない、単離し、目的物を得た。(収量3.24g、薄黄色オイル状物)
図3に、実施例3で得られたテトラヒドロピラニル化合物の赤外吸収スペクトル図(液膜法)を示す。
[実施例4]
合成例7(例示テトラヒドロピラニル化合物I−2の合成)
Figure 2012121860
4,4’−ジトリルアミン:5.91g、上記合成例3で得られた中間体化合物:9.761g、ビス(トリ−t−ブトキシホスフィン)パラジウム:76.6mg、ターシャルブトキシナトリウム:5.76g、o−キシレン:50mlを四つ口フラスコに入れる。アルゴンガス雰囲気下、室温にて撹拌。100℃にて1時間撹拌継続。酢酸エチルにて希釈し、硫酸マグネシウム、活性白土を入れ、撹拌。濾過、洗浄、濃縮を行ない、黄色オイル状物が得られた。シリカゲルカラム精製(ヘキサン/酢酸エチル=6/1)を行ない、単離し、目的物を得た。(収量9.3g、薄黄色オイル状物)
図4に、実施例4で得られたテトラヒドロピラニル化合物の赤外吸収スペクトル図(液膜法)を示す。
[実施例5]
合成例8(例示テトラヒドロピラニル化合物I−5の合成)
Figure 2012121860
4−フェニル−N−p−トリルアニリン:1.56g、上記合成例3で得られた中間体化合物:1.95g、ビス(トリ-t-ブトキシホスフィン)パラジウム:15.3mg、ターシャルブトキシナトリウム:1.15g、o−キシレン:10mlを四つ口フラスコに入れる。アルゴンガス雰囲気下、室温にて撹拌。100℃にて1時間撹拌継続。酢酸エチルにて希釈し、硫酸マグネシウム、活性白土を入れ、撹拌。濾過、洗浄、濃縮を行ない、黄色オイル状物が得られた。シリカゲルカラム精製(MDC/シクロヘキサン=2/1)を行ない、単離し、目的物を得た。(収量2.54g、薄黄色オイル状物)
図5に、実施例5で得られた化合物の赤外吸収スペクトル図(液膜法)を示す。
[実施例6]
合成例9(例示テトラヒドロピラニル化合物I−7の合成)
Figure 2012121860
4−(2,2−ジフェニルビニル)−N−p−トリルアニリン:2.17g、上記合成例3で得られた中間体化合物:1.95g、ビス(トリ-t-ブトキシホスフィン)パラジウム:15.3mg、ターシャルブトキシナトリウム:1.15g、o−キシレン:10mlを四つ口フラスコに入れる。アルゴンガス雰囲気下、室温にて撹拌。100℃にて1時間撹拌継続。酢酸エチルにて希釈し、硫酸マグネシウム、活性白土を入れ、撹拌。濾過、洗浄、濃縮を行ない、黄色オイル状物が得られた。シリカゲルカラム精製(MDC/シクロヘキサン=1/1)を行ない、単離し、目的物を得た。(収量2.01g、黄色オイル状物)
図6に、実施例6で得られた化合物の赤外吸収スペクトル図(液膜法)を示す。
<画像品質評価>
[実施例7](応用例1)
アルミニウムシリンダー上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工によって順次塗布、乾燥し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、23μmの電荷輸送層を形成した(感光体(1))。
◎下引き層塗工液
二酸化チタン粉末(タイベークCR−EL:石原産業製): 400部
メラミン樹脂(スーパーベッカミンG821-60:大日本インキ製): 65部
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401-50:大日本インキ製): 120部
2−ブタノン: 400部
◎電荷発生層塗工液
下記構造のフルオレノン系ビスアゾ顔料: 12部
Figure 2012121860
ポリビニルブチラール(XYHL:ユニオンカーバイド製): 5部
2−ブタノン: 200部
シクロヘキサノン: 400部
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート樹脂(Zポリカ:帝人化成製): 10部
例示テトラヒドロピラニル化合物III−1: 10部
テトラヒドロフラン: 100部
[実施例8](応用例2)
実施例7における例示テトラヒドロピラニル化合物III−1を、例示テトラヒドロピラニル化合物II−1に変えた以外は、実施例7と同様にして感光体(2)を作製した。
[実施例9](応用例3)
実施例7における例示テトラヒドロピラニル化合物III−1を、例示テトラヒドロピラニル化合物I−2に変えた以外は、実施例7と同様にして感光体(3)を作製した。
[比較例1]
実施例7における例示テトラヒドロピラニル化合物III−1を、次に示す化合物(I)に変えた以外は、実施例7と同様にして感光体(4)を作製した。
Figure 2012121860
[比較例2]
実施例7における例示テトラヒドロピラニル化合物III−1を、次に示す化合物(II)に変えた以外は、実施例7と同様にして感光体(5)を作製した。
Figure 2012121860
[比較例3]
実施例7における例示テトラヒドロピラニル化合物III−1を、次に示す化合物(III)に変えた以外は、実施例7と同様にして感光体(6)を作製した。
Figure 2012121860
[比較例4]
実施例7における例示テトラヒドロピラニル化合物III−1を、次に示す化合物(IV)に変えた以外は、実施例7と同様にして感光体(7)を作製した。
Figure 2012121860
[比較例5]
実施例7における例示テトラヒドロピラニル化合物III−1を、次に示す化合物(V)に変えた以外は、実施例7と同様にして感光体(8)を作製した。
Figure 2012121860
[比較例6]
実施例7における例示テトラヒドロピラニル化合物III−1を、次に示す化合物(VI)に変えた以外は、実施例7と同様にして感光体(9)を作製した。
Figure 2012121860
上記により得られた感光体(1)〜(9)を画像形成装置(imagio MF7070、株式会社リコー製) に搭載し、露光量を適正化した後、初期帯電電位を−850Vに設定し、高温高湿環境(30℃−90%RH)において、初期画像の実写評価を行なった。
※画像評価基準 : ○:異常なし、×:画像流れ発生、実用化できない
結果を表1に示す。
Figure 2012121860
テトラヒドロピラニル基がオキシプロピル基を介してベンゼン環に結合した化合物(VI)では、画像流れが生じた。
<電荷輸送性評価>
実施例10(応用例4)
アルミ板上に下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、0.3μmの下引き層、0.3μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成して感光体(10)を作製した。
◎下引き層用塗工液
ポリアミド樹脂(CM−8000:東レ社製): 2部
メタノール: 49部
ブタノール: 49部
◎電荷発生層用塗工液
下記構造式のビスアゾ顔料: 2.5部
Figure 2012121860
ポリビニルブチラール(XYHL:UCC社製): 0.5部
シクロヘキサノン: 200部
メチルエチルケトン: 80部
◎電荷輸送層用塗工液
ビスフェノールZポリカーボネート
(パンライトTS−2050、帝人化成社製): 10部
電荷輸送性化合物(例示テトラヒドロピラニル化合物III−1): 10部
テトラヒドロフラン: 80部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液
(KF−50−100CS、信越化学工業社製): 0.2部
実施例11(応用例5)
実施例10における例示テトラヒドロピラニル化合物III−1を、例示テトラヒドロピラニル化合物II−1に変えた以外は、実施例10と同様にして感光体(11)を作製した。
実施例12(応用例6)
実施例10における例示テトラヒドロピラニル化合物III−1を、例示テトラヒドロピラニル化合物I−2に変えた以外は、実施例10と同様にして感光体(12)を作製した。
比較例7
実施例10における例示テトラヒドロピラニル化合物III−1を、次に示す化合物(I)に変えた以外は、実施例10と同様にして感光体(13)を作製した。
Figure 2012121860
比較例8
実施例10における例示テトラヒドロピラニル化合物III−1を、次に示す化合物(II)に変えた以外は、実施例10と同様にして感光体(14)を作製した。
Figure 2012121860
比較例9
実施例10における例示テトラヒドロピラニル化合物III−1を、次に示す化合物(III)に変えた以外は、実施例10と同様にして感光体(15)を作製した。
Figure 2012121860
比較例10
実施例10における例示テトラヒドロピラニル化合物III−1を、次に示す化合物(IV)に変えた以外は、実施例10と同様にして感光体(16)を作製した。
Figure 2012121860
比較例11
実施例10における例示テトラヒドロピラニル化合物III−1を、次に示す化合物(V)に変えた以外は、実施例10と同様にして感光体(17)を作製した。
Figure 2012121860
比較例12
実施例10における例示テトラヒドロピラニル化合物III−1を、次に示す化合物(VI)に変えた以外は、実施例10と同様にして感光体(18)を作製した。
Figure 2012121860
上記により得られた感光体(10)〜(18)について、市販の静電複写紙試験装置[(株)川口電機製作所製EPA−8200型]を用い、半減露光量と残留電位から電荷輸送性を評価した。すなわち、暗所で−6kVのコロナ放電により−800Vに帯電せしめた後、タングステンランプ光を感光体表面での照度が4.5luxになるように照射して、電位が1/2になるまでの時間(秒)を求め、半減露光量E1/2 (lux・sec)を算出した。また、露光30秒後の残留電位(−V)を求めた。なお、半減露光量が小さいほど感度が良く、残留電位が小さいほど電荷のトラップが少ないことを表す。結果を表2に示す。
<耐ソルベントクラック性評価>
上記感光体(10)〜(18)の表面10mm×10mmに指脂を付着させ、45℃/43%RHの暗所環境下に1週間放置させてのち顕微鏡にてソルベントクラックの有無を観察した。
※クラック評価 :
○:発生なし、△:5本未満の発生、×:5本以上(ほぼ全面クラック)の発生
結果を表2に示す。
Figure 2012121860
上記評価結果から、テトラヒドロピラニル基を有していない電荷輸送性化合物(I)、(II)を用いた感光体(13)、(14)に比べて、本発明のテトラヒドロピラニル化合物を用いた感光体(10)〜(12)は遜色なく、半減露光量が小さく感度が良好であり、残留電位が無く電荷のトラップの無いことが明確であり良好な電荷輸送性を示すことが分かる。一方、テトラヒドロピラニル基が、直接電荷輸送性基に結合した化合物(III)、(IV)、(V)を用いた感光体(15)〜(17)では、感度の低下がみられた。
また、テトラヒドロピラニル基を有さない化合物(I)、(II)を用いた感光体(13)、(14)では、ほぼ全面にクラックが見られたのに対し、本発明のテトラヒドロピラニル化合物を用いた感光体(10)〜(12)はクラックが発生しなかった。
上記の画像品質評価、電荷輸送性評価、耐ソルベントクラック性評価から、トリフェニルアミン化合物が[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル基を有することで、塗膜安定性を向上させることができ、かつ、電気特性の低下や高温高湿下での画像流れなどの副作用が少ない電荷輸送材料を提供することができる。
特開2006−084711号公報

Claims (2)

  1. [(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル基を有する、下記一般式(1)で表されるテトラヒドロピラニル化合物。
    Figure 2012121860
    (式中、R1、R5は、水素原子、メチル基、又はエチル基を表し、R2〜R4のうち、一つは[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]メチル基を表し、残りの二つは水素原子、メチル基、又はエチル基を表す。R6〜R15は、水素原子、メチル基、エチル基、置換基を有してもよいアリール基、又は置換基を有してもよいスチリル基を表す。l+m+n=3であり、lは1〜3の整数、mとnは0又は1の整数を表す。また、l=2又は3のとき、[ ]内の各々のベンゼン環の置換基は同一でも異なっていてもよい。)
  2. 請求項1記載のテトラヒドロピラニル化合物からなることを特徴とする電荷輸送材料。
JP2010275382A 2010-12-10 2010-12-10 新規テトラヒドロピラニル化合物 Expired - Fee Related JP5673054B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010275382A JP5673054B2 (ja) 2010-12-10 2010-12-10 新規テトラヒドロピラニル化合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010275382A JP5673054B2 (ja) 2010-12-10 2010-12-10 新規テトラヒドロピラニル化合物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012121860A true JP2012121860A (ja) 2012-06-28
JP5673054B2 JP5673054B2 (ja) 2015-02-18

Family

ID=46503708

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010275382A Expired - Fee Related JP5673054B2 (ja) 2010-12-10 2010-12-10 新規テトラヒドロピラニル化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5673054B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013041102A (ja) * 2011-08-15 2013-02-28 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体及びその製造方法、画像形成方法、画像形成装置、並びにプロセスカートリッジ

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10195131A (ja) * 1996-12-24 1998-07-28 Thomson Csf 光重合性正孔注入ポリマー及び表示におけるその使用
JP2006084711A (ja) * 2004-09-15 2006-03-30 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体用添加物、電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10195131A (ja) * 1996-12-24 1998-07-28 Thomson Csf 光重合性正孔注入ポリマー及び表示におけるその使用
JP2006084711A (ja) * 2004-09-15 2006-03-30 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体用添加物、電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013041102A (ja) * 2011-08-15 2013-02-28 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体及びその製造方法、画像形成方法、画像形成装置、並びにプロセスカートリッジ

Also Published As

Publication number Publication date
JP5673054B2 (ja) 2015-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101277008B1 (ko) p-터페닐 화합물 혼합물 및 이를 이용한 전자 사진용감광체
JPH1059952A (ja) フェノチアジン誘導体、フェノキサジン誘導体、それを用いた電荷輸送材料及び電子写真感光体
US9376371B2 (en) Triphenylamine derivative, method for manufacturing the same, and electrophotographic photosensitive member
JP3525198B2 (ja) トリフェニルアミン誘導体、それを用いた電荷輸送材料及び電子写真感光体
JP3181799B2 (ja) トリフェニルアミン誘導体、それを用いた電荷輸送材料及び電子写真感光体
JP2005289877A (ja) ブタジエニルベンゼンアミン誘導体、その製造方法、および電子写真感光体
KR19980702668A (ko) 트리페닐아민 유도체 및 이를 이용한 전하 수송 재료 및 전자사진 감광체
DE69411665T2 (de) Triphenylamin-Derivate und ladungsübertragendes Material und elektrophotographische Photorezeptoren, die diese enthalten
JP2011074050A (ja) 新規メチロール化合物とアルデヒド化合物、及び該メチロール化合物の製法
JP5708996B2 (ja) 新規テトラヒドロピラニル化合物と該テトラヒドロピラニル化合物の製造方法
JP5673054B2 (ja) 新規テトラヒドロピラニル化合物
JP5601523B2 (ja) 新規テトラヒドロピラニル化合物
JPH09295969A (ja) カルバゾール誘導体、それを用いた電荷輸送材料および電子写真感光体
JPH09138512A (ja) 電子写真感光体
JP2733716B2 (ja) 電子写真感光体
JP3943522B2 (ja) トリフェニルアミン誘導体の製造方法
JP2852956B2 (ja) ヒドラゾン誘導体及びこれを含有する電子写真感光体
JPH11158165A (ja) フェノチアジン誘導体、フェノキサジン誘導体、それを用いた電荷輸送材料及び電子写真感光体
DE3784886T2 (de) Enamin-derivate, deren produktion und diese enthaltende elektrophotographische platten.
JP3845080B2 (ja) 非対称トリスアゾ顔料
JP3617069B2 (ja) 2−メチリデン−1,3−インダンジオン誘導体、並びに芳香族又は芳香族複素環アルデヒド誘導体、及びそれらの製造方法
JPWO2018163597A1 (ja) 電子写真感光体
JP2006052159A (ja) ビニルカルボン酸エステル基を有するインドリン化合物及び水酸基を有するインドリン化合物
JPH07140685A (ja) 電子写真用感光体
JP2005035917A (ja) エナミン〜ビス(ヒドロキシアリーレン置換)ポリエン化合物及びその製造中間体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140912

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140918

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141215

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5673054

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees