JP2012121076A - ブローチ盤用治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ワーク載置部から確実に切粉を除去することができる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】治具12は、治具本体15と、この治具本体15に係合されるリング状部材16とからなる。治具本体15は、複数のワーク載置部24と、これらのワーク載置部24の中心に開けられるブローチ挿通穴22と、このブローチ挿通穴22へ延ばされ流体が通る流体供給路37とを有する。リング状部材16は、複数のワーク載置部の先端24bとの間に設けられ流体を通す複数の溝41と、これらの溝41の上方に設けられリング状部材16の径方向外方に延ばされ流体をワーク載置部の上面23へ導く庇部42とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】治具12は、治具本体15と、この治具本体15に係合されるリング状部材16とからなる。治具本体15は、複数のワーク載置部24と、これらのワーク載置部24の中心に開けられるブローチ挿通穴22と、このブローチ挿通穴22へ延ばされ流体が通る流体供給路37とを有する。リング状部材16は、複数のワーク載置部の先端24bとの間に設けられ流体を通す複数の溝41と、これらの溝41の上方に設けられリング状部材16の径方向外方に延ばされ流体をワーク載置部の上面23へ導く庇部42とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ブローチ盤に用いられる治具の改良に関する。
穴仕上げ加工の一種にブローチ加工がある。このブローチ加工では、ワークにブローチを通すことで実施される。ブローチ加工は、ブローチ盤によって行われるが、ワークの大きさや形状が変化するため、ブローチ盤のテーブルに治具を載せ、この治具にワークを載せることが一般に行われている(例えば、特許文献1(図1(c))参照。)。
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図7(a)に示されているように、テーブル101上にジグ治具102が固定され、この治具102にワーク103が載置され、このワーク103の内面にブローチ工具104が挿通され、このブローチ工具104をワーク103に対して下方へ移動させてブローチ加工を行う。
図7(a)に示されているように、テーブル101上にジグ治具102が固定され、この治具102にワーク103が載置され、このワーク103の内面にブローチ工具104が挿通され、このブローチ工具104をワーク103に対して下方へ移動させてブローチ加工を行う。
図7(b)に示されているように、ブローチ加工終了後、ワーク103が取外されたワーク載置部の上面105aに、洗浄液を当てて洗浄する。洗浄液は、ワーク載置部105の外側に設けた洗浄ノズル106から噴出される。
洗浄ノズル106は、ワーク載置部105の外側に離間して設けられ、洗浄液は離間した位置からワーク載置部の上面105aへ噴出されるので、上面の洗浄が十分に行われず、ワーク載置部105の上面に切粉が残留する場合があった。上面に切粉が残った状態で、次のワーク103を治具に載せると、ワーク103の仕上がり精度が悪化する。従って、ワーク載置部105の上面から切粉を確実に除去することができる技術が望まれる。
本発明は、ワーク載置部から確実に切粉を除去することができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、基板に治具を取付け、この治具にワークを載せ、このワークにブローチを通すことでワークを仕上げるブローチ盤に用いられるブローチ盤用治具において、治具は、治具本体と、この治具本体に係合されるリング状部材とからなり、治具本体は、治具の径方向に放射状に延ばされワークを載置する複数のワーク載置部と、このワーク載置部の中心に開けられブローチが通るブローチ挿通穴と、このブローチ挿通穴へワーク載置部の外周面から延ばされ流体が通る流体供給路と、を有し、リング状部材は、複数のワーク載置部の先端との間で所定の隙間をおいて設けられ流体を通す複数の溝と、これらの溝の上方に設けられリング状部材の径方向外方に延ばされ溝を通過した流体をワーク載置部の上面へ導く庇部と、を有することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、治具本体に、係合溝が設けられ、この係合溝に係合する係合突部がリング状部材に設けられていることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、治具本体に、ブローチ挿通穴へ向け流体供給路が開けられ、リング部材に溝と庇部とが設けられている。洗浄液やエア等の流体は、流体供給路から溝を通って庇部によりガイドされワーク載置部へ導かれる。
従来、ワーク載置部に付着した切粉の除去は、ワーク載置部から離間した位置に設けた洗浄ノズルから流体を噴出させ、この流体をワーク載置部に当てることにより行っていた。
従来、ワーク載置部に付着した切粉の除去は、ワーク載置部から離間した位置に設けた洗浄ノズルから流体を噴出させ、この流体をワーク載置部に当てることにより行っていた。
この点、本発明では、治具に流体供給路と溝と庇部とを設け、流体がワーク載置部へ導かれるようにしたので、ワーク載置部に流体の噴出部を近接させることができる。従って、離間した位置から噴出させる場合に較べて、流体をワーク載置部へより正確に当てることができ、ワーク載置部から切粉の除去を効果的に行わせることができる。
切粉の除去が確実に行われるため、従来よりも多数個のワークを治具交換することなく、加工可能となり、ブローチ加工での生産性が飛躍的に向上する。
請求項2に係る発明では、治具本体に係合溝が設けられ、この係合溝に係合突部を係合させるので、リング部材を容易に治具本体へ位置合わせすることができる。結果、リング部材の取付に係る作業性を高めることができる。
本発明を実施する形態を添付図に基づいて以下に説明する。図中及び実施例において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、各々、ブローチ盤の方向を示す。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1に示されているように、ブローチ盤10に基板11が設けられ、この基板11にワークを載せる治具12が4本の締結部材13を介して着脱可能に取付けられている。
治具12は、治具本体15と、この治具本体15に係合されるリング状部材16とからなる。リング状部材16は、上方から治具本体15に係合されると共に2本のボルト17を介して着脱可能に締結されている。
治具12は、治具本体15と、この治具本体15に係合されるリング状部材16とからなる。リング状部材16は、上方から治具本体15に係合されると共に2本のボルト17を介して着脱可能に締結されている。
治具本体15に、平面視で、円形状の板部材21の中心にブローチが通るブローチ挿通穴22が開けられ、このブローチ挿通穴22の径方向外側で且つ上方に突設される4つのワーク載置部24が設けられ、これらの4つのワーク載置部24の間に、締結部材13を介して治具本体15を基板11に取付ける4つの座面26が設けられている。4つのワーク載置部24に、各々、ワークを載せる上面23が備えられている。
また、高さ方向で、治具本体15の上面23と座面26との中間位置に、リング状部材16がセットされる中間面27が設けられている。座面26は、中間面27を座ぐり加工により凹状に加工した部分である。
リング状部材16に、高さ方向に延ばされリング状を呈するリング部31が設けられている。このリング部31にブローチが挿通する穴28が設けられている。また、リング部31から下方に係合突部33が延ばされ、この係合突部33が係合する係合溝34が治具本体15の中間面27に形成されている。
治具本体15に係合溝34が設けられ、この係合溝34に係合突部33を係合させるので、リング状部材16を容易に治具本体15へ位置合わせすることができる。結果、リング状部材16の取付に係る作業性を高めることができる。加えて、治具本体15に対してリング状部材16がずれる心配もない。
なお、締結部材の数及びボルトの数は任意の数に設定可能である。
なお、締結部材の数及びボルトの数は任意の数に設定可能である。
次に、ブローチ盤用治具を上方から見た状態を説明する。
図2に示されているように、治具本体15に形成されワークを載置する上面23を有する4つのワーク載置部24は、治具12の径方向に放射状に延ばされている。これらの4つのワーク載置部24の中心にブローチが通るブローチ挿通穴22が開けられ、このブローチ挿通穴22へワーク載置部の外周面24aから流体が通る流体供給路37が延ばされている。
図2に示されているように、治具本体15に形成されワークを載置する上面23を有する4つのワーク載置部24は、治具12の径方向に放射状に延ばされている。これらの4つのワーク載置部24の中心にブローチが通るブローチ挿通穴22が開けられ、このブローチ挿通穴22へワーク載置部の外周面24aから流体が通る流体供給路37が延ばされている。
次に、基板へのブローチ盤用治具の取付構造等について説明する。
図3に示されているように、基板の上面11aに、締結部材13によって治具本体15が締結されている。また、治具本体15にボルト17によってリング状部材16が締結されている。図中、39a、39bは座ぐり穴である。
図3に示されているように、基板の上面11aに、締結部材13によって治具本体15が締結されている。また、治具本体15にボルト17によってリング状部材16が締結されている。図中、39a、39bは座ぐり穴である。
締結部材13が締結される座面26は、側面視で、締結部材の頭13aが中間面27から突出しない高さに形成されているので、ワーク載置部(図2、符号24)及びリング状部材16のメンテナンス時において、締結部材13が邪魔になる心配はない。
図4〜図5では、ワーク載置部の先に流体を導く流体通路について説明する。
図4に示されているように、ワーク載置部24に流体供給路37を設け、ワーク載置部の先端24bに対応する位置にて、リング状部材16の外側面(図3、符号16s)に、縦方向に溝41を形成し、これらの溝41の上方位置を庇部42とした。
図4に示されているように、ワーク載置部24に流体供給路37を設け、ワーク載置部の先端24bに対応する位置にて、リング状部材16の外側面(図3、符号16s)に、縦方向に溝41を形成し、これらの溝41の上方位置を庇部42とした。
これにより、流体供給路37の出口37bは、各々、溝41に連通することとなる。庇部42の下面42bは、ワーク載置部の上面23よりも高く、且つ、庇部42はワーク載置部の上面23へ向け径方向外方へ延びるように形成されている。結果、流体供給路37の入口37aから入力された流体は溝41に達し、溝41から庇部42にガイドされワーク載置部の上面23へ導かれる。
図5に示されているように、4つのワーク載置部の先端24bとの間で所定長さδの隙間をおいて流体を通す4つの溝41が設けられている。
図4を併せて参照して、リング状部材16は、複数のワーク載置部の先端24bとの間で所定の隙間をおいて設けられ流体を通す複数の溝41と、これらの溝の上方に設けられリング状部材16の径方向外方に延ばされ溝41を通過した流体をワーク載置部の上面23へ導く庇部42とを有する。
図4を併せて参照して、リング状部材16は、複数のワーク載置部の先端24bとの間で所定の隙間をおいて設けられ流体を通す複数の溝41と、これらの溝の上方に設けられリング状部材16の径方向外方に延ばされ溝41を通過した流体をワーク載置部の上面23へ導く庇部42とを有する。
以上に述べたブローチ盤用治具の作用を次に述べる。
図6(a)に示されているように、ブローチ盤10は、基板11に治具12を取付け、この治具12にワークWを載せ、このワークWにブローチ51を上から下に向け通すことでワークWを仕上げる装置である。
工具としてのブローチは、ワーク開けた穴に、スプライン、セレーション、キー溝等の加工を行うものである。
図6(a)に示されているように、ブローチ盤10は、基板11に治具12を取付け、この治具12にワークWを載せ、このワークWにブローチ51を上から下に向け通すことでワークWを仕上げる装置である。
工具としてのブローチは、ワーク開けた穴に、スプライン、セレーション、キー溝等の加工を行うものである。
ブローチ盤10に用いられるブローチ盤用治具12に、ワーク載置部の上面23に流体を導く流体通路52が設けられている。流体通路52は、前述の治具本体15に開けた流体供給路37と、リング状部材16が有すると共にワーク載置部24の先端24bとの間に設けられる溝41とからなる。
流体通路52は、治具本体15とリング状部材16の2部品のみで形成したので、流体噴出部における部品点数の増加を抑えることができる。
流体通路52は、治具本体15とリング状部材16の2部品のみで形成したので、流体噴出部における部品点数の増加を抑えることができる。
治具本体の外側面15aの一部を構成するワーク載置部の外周面24aに、流体が入力される流体通路の入口である流体供給路の入口37aが設けられ、これらの入口37aには、各々、継手部材54がねじ込まれ、継手部材54から延ばされるパイプ55は、図示せぬ外部流体供給手段に連結されている。
図6(b)に示されているように、治具本体15に、ブローチ挿通穴22へ向け流体供給路37が開けられ、リング状部材16に溝41と庇部42とが設けられている。流体は、流体供給路37から溝41を通って庇部42によりガイドされ図矢印bの如くワーク載置部の上面23へ導かれ、図2に示されているように、径方向外方に所定幅Wをもって放射状に延びているワーク載置部24の上面23に沿って、径方向外方へ流れる。
従来、ワーク載置部に付着した切粉の除去は、ワーク載置部から離間した洗浄ノズルから流体を噴出させ、この流体をワーク載置部に当てることにより行っていた。
ワーク載置部の外側に離間して洗浄ノズルが設けられていると、流体は離間した位置からワーク載置部の上面へ噴出されるので、上面の洗浄が十分に行われず、ワーク載置部の上面に切粉が残留する場合があった。
ワーク載置部の外側に離間して洗浄ノズルが設けられていると、流体は離間した位置からワーク載置部の上面へ噴出されるので、上面の洗浄が十分に行われず、ワーク載置部の上面に切粉が残留する場合があった。
ワーク載置部の上面に、ブローチで切削した切粉が残留すると、次加工のワークの端面に、残留した切粉によりワークの仕上がり精度が悪化する。
図6に戻って、この点、本発明では、治具12に流体供給路37と溝41と庇部42とを設け、流体がワーク載置部24へ導かれ、このワーク載置部24の上面23に沿って径方向外方に流れるようにしたので、ワーク載置部24に流体の出口としての噴出部を近接させることができる。流体は、径方向外方に放射状に延ばされる幅Wのバー状の上面23(図2参照)に沿って外方に流れるので、ワーク載置部24の上面23を効果的に洗浄することができる。従って、離間した位置から噴出させる場合に較べて、流体をワーク載置部24へより的確に当てることができ、ワーク載置部24から切粉の除去を効果的に行わせることができる。切粉の除去が効果的に行われるため、品質不具合を解消することができる。
切粉の除去が確実に行われるため、従来よりも多数個のワークを治具交換することなく、加工可能となり、ブローチ加工での生産性が飛躍的に向上する。
また、ワークの品種が変わると、ワーク載置部の位置が変化する。この場合に、ワーク載置部が備えられている治具本体を交換する必要がある。加えて、位置が変化したワーク載置部から切粉を確実に除去するために、ワーク品種に応じて洗浄ノズルの向きを変える必要がある。しかし、品種変更の際に洗浄ノズルの向きを変えることは、生産性の低下に繋がる可能性がある。
この点、本発明の構成によれば、流体は、ワーク載置部の先端24bから外方へ放射状に流れるので、ワーク載置部の上面23に効果的に流すことができる。流体をワーク載置部の上面23に沿って放射状に流すことができるようになれば、1種類の治具本体15だけで多品種のワークに対応できるようになる。従って、段取り替え工数が低減される。加えて、洗浄ノズルの向きを変える必要がなくなり、生産性の低下も回避される。
なお、本実施例では、洗浄に用いられる流体は、洗浄液としたが、エア又はエアと洗浄液の混合体でも良いものとする。
なお、本実施例では、洗浄に用いられる流体は、洗浄液としたが、エア又はエアと洗浄液の混合体でも良いものとする。
尚、本発明は、実施の形態ではブローチ盤に適用したが、竪型フライス盤、竪型旋盤等の工作機械にも適用可能であり、一般の工作機械に適用することは差し支えない。
請求項1では、リング状部材に設けられている係合突部を省くことは差し支えない。
また、放射状に設けられているワーク載置部の数は、4つであるが、2つ、3つ、5つ、6つ、その他任意の数で差し支えないものとする。
請求項1では、リング状部材に設けられている係合突部を省くことは差し支えない。
また、放射状に設けられているワーク載置部の数は、4つであるが、2つ、3つ、5つ、6つ、その他任意の数で差し支えないものとする。
本発明は、ブローチ盤に用いられるブローチ盤用治具に好適である。
10…ブローチ盤、11…基板、12…治具(ブローチ盤用治具)、15…治具本体、16…リング状部材、22…ブローチ挿通穴、24…ワーク載置部、24a…ワーク載置部の外周面、24b…ワーク載置部の先端、33…係合突部、34…係合溝、37…流体供給路、41…溝、42…庇部、51…ブローチ、W…ワーク。
Claims (2)
- 基板に治具を取付け、この治具にワークを載せ、このワークにブローチを通すことで前記ワークを仕上げるブローチ盤に用いられるブローチ盤用治具において、
前記治具は、治具本体と、この治具本体に係合されるリング状部材とからなり、
前記治具本体は、前記治具の径方向に放射状に延ばされワークを載置する複数のワーク載置部と、このワーク載置部の中心に開けられブローチが通るブローチ挿通穴と、このブローチ挿通穴へ前記ワーク載置部の外周面から延ばされ流体が通る流体供給路と、を有し、
前記リング状部材は、前記複数のワーク載置部の先端との間で所定の隙間をおいて設けられ前記流体を通す複数の溝と、これらの溝の上方に設けられ前記リング状部材の径方向外方に延ばされ前記溝を通過した前記流体を前記ワーク載置部の上面へ導く庇部と、を有することを特徴とするブローチ盤用治具。 - 前記治具本体に、係合溝が設けられ、この係合溝に係合する係合突部が前記リング状部材に設けられていることを特徴とする請求項1記載のブローチ盤用治具。
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