JP2004141982A - 中ぐり加工装置 - Google Patents

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Junichi Maeda
前田 淳一
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Abstract

【課題】長尺の工具を主軸に保持する中ぐり加工装置において、加工精度を向上させる。
【解決手段】中ぐり加工装置11は、ベッド13上に設けられ被加工物Wを載置したテーブル27と、長尺の工具Tの一端を保持し回転させる主軸23とを相対移動させることにより、被加工物Wに形成された貫通穴35の内周面を加工する。ベッド13又はテーブル27上に設けられた支持ジグ29の筒状支持面31で工具Tの他端又は中間部を支持し、支持ジグ29を通して支持面31に流体を供給することにより支持面31と工具Tの外周面との間に流体軸受を形成させる。また、被加工物Wの両側に配置された2つ支持ジグの筒状支持面で工具Tを支持し、工具Tの中心軸線が主軸23の回転軸線からずれた状態でも主軸23の回転を工具Tに伝達可能な継手を介して主軸23と工具Tとを接続してもよい。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長尺の工具を用いて、テーブル上に載置された被加工物に形成された貫通穴の内周面、工具の長手方向において互いに離間して被加工物に形成された複数の貫通穴の内周面を工具の複数の切刃により同時に加工する中ぐり加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車のエンジンのシリンダクランクシャフトを通す貫通穴を加工する際には、被加工物であるシリンダブロックに、その長手軸線方向において互いに離間して下穴となる複数の貫通穴を加工した後、水平方向に延び且つ外周面上に複数の切刃を備える長尺の工具を用いて各切刃でそれぞれの貫通穴の内周面を同時に加工する、いわゆるラインボーリング加工により、複数の貫通穴が同軸となるように仕上げる。同時に、切刃によって貫通孔の内周面を切削する加工領域から加工の際に発生する熱や切削屑を除去するために、工具の内部にその長手軸線に沿って形成すると共に工具の外周面の切刃の近傍に噴射口を形成して、工作機械の主軸から工具の内部流路を通して噴射口へ加工液を供給するようにしている。
【0003】
ところが、このようなラインボーリング加工では、長尺の工具の一端のみが主軸に片持ち状態で保持されるので、工具自体の重量で工具が下方に湾曲して、加工された貫通穴の同軸性を損ったり、工具が振動して加工中にいわゆるびびりを発生させたりするという問題が生じ得る。
【0004】
そこで、上記問題を解消するために、一般には、被加工物を載置するテーブル上又はテーブルが移動するベッド上に支持ジグを設け、長尺の工具の他端(先端部)に設けられたパイロット部や、工具の中間部(両端部の間の部分)を支持ジグの筒状支持面(支持ジグに形成された穴の内周面)により回転可能に支持するようにしている(特許文献1を参照)。支持ジグの筒状支持面には、機械的軸受を設けることも一般的であるが、この場合、支持ジグと工具との着脱は困難となるので、工作機械は中ぐり加工の専用機となってしまう。そこで、工作機械が中ぐり加工の専用機となることを回避させるために、特許文献1に記載されているように、工具の外周面において支持ジグの支持面と対向する位置に噴射口を形成して、主軸から工具の内部流路に供給される加工液の一部を噴射口から支持ジグの支持面へ向かって噴射させ、支持ジグの支持面と工具の外周面との間に流体軸受を形成させることにより、工具と支持ジグとの着脱を容易にすることも多くなってきている。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第5,540、526号明細書(特に、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
加工領域に加工液を供給するために工具内部に形成された内部流路の断面積は、工具の直径による制限を受けるので、工具内部の流路に供給され得る加工液の量は少量となる。一方、工具の内部流路に供給される加工液の大部分は、本来の目的である加工により発生する熱や切削屑の除去に使用せざるを得ず、特に多数の切刃を備え多数の加工領域を形成する場合には、流体軸受の形成のために確保できる加工液は少なくなる。
【0007】
さらに、中ぐり加工は、工具と被加工物とを互いに対して相対移動させることにより進行するので、加工の進行に伴って、工具の外周面の噴射口が移動して支持ジグの支持面を越え、支持ジグの支持面と対向しなくなることがある。このとき、噴射口から噴射される加工液の流出抵抗は大幅に減少するため、噴射口から噴射される加工液の量が多くなり、加工領域に供給する加工液の量が不足してしまう。これを回避するためには、工具の流体軸受用噴射口の直径を小さく形成する必要があるが、直径を小さくすると、流体軸受用噴射口はつまりやすくなるという別の問題を引き起こす。
【0008】
これらの理由により、支持ジグにおける工具の回転支持に流体軸受を使用する場合、支持ジグの支持面と工具の外周面との間に流体軸受を形成するのに十分な量の加工液を確保することができず、支持ジグの支持面と工具の外周面との接触によるびびりを生じさせることがある。この結果、加工精度の悪化や、工具及び支持面の破損を引き起こし得る。
【0009】
また、長尺の工具の一端を主軸によって保持すると共に工具の他端又は中間部をテーブル又はベッド上に設けられた支持ジグの筒状支持面によって支持する場合、相対移動を行う2つの構成要素、すなわち主軸とテーブル又はベッドにより2点支持を行うことになる。したがって、XY軸方向に関してテーブル又はベッドに対する主軸の位置決め精度が悪化すると、テーブル又はベッド上に設けられた支持ジグの筒状支持面により規定される穴の中心軸線と主軸の回転軸線とのXY位置にずれが生じ、工具は、その中心軸線が主軸の回転軸線に対して斜めとなるように配置され、加工精度を悪化させてしまう問題を生じさせる。この問題は、被加工物が長尺でテーブル上の被加工物を反転させて被加工物の両側からラインボーリングを行う必要がある場合に、特に顕著となる。
【0010】
よって、本発明の目的は、上記従来技術に存する問題を解消して、支持ジグの筒状支持面で、主軸に一端を保持された工具の他端又は中間部を支持する中ぐり加工装置において、支持ジグの筒状支持面と工具の外周面とが接触するのを防止するのに十分な流体軸受をその間に形成させ、加工精度を向上させることにある。また、本発明の他の目的は、支持ジグの筒状支持面で、主軸に一端を保持された工具の他端又は中間部を支持する中ぐり加工装置において、工具の中心軸線が主軸の回転軸線に対して斜めとなるように工具が配置されることを防止し、加工精度を向上させることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的に鑑み、支持ジグの筒状支持面と工具の外周面との間に十分な流体を供給することを可能とさせる。また、本発明は、工具の中心軸線が常に主軸の回転軸線と平行となるようにテーブル上に工具を配置すると共に、主軸の回転軸線と工具の中心軸線とが偏心した状態でも主軸の回転を工具に伝達できるようにする。
【0012】
すなわち、本発明によれば、ベッド上に設けられ被加工物を載置したテーブルと、長尺の工具の一端を保持し回転させる主軸とを相対移動させることにより、前記被加工物に形成された貫通穴の内周面を加工する中ぐり加工装置において、前記テーブル又は前記ベッド上に設けられた支持ジグの筒状支持面で前記工具の他端又は中間部を支持し、前記支持ジグを通して前記支持面に流体を供給することにより前記支持面と前記工具の外周面との間に流体軸受を形成した中ぐり加工装置が提供される。
【0013】
この中ぐり加工装置によれば、支持ジグを通して筒状支持面に流体を供給し、支持面と工具の外周面との間に流体軸受を形成させるので、支持面に流体を供給するための流路の断面積は工具の直径による制限を受けることがなく、流体軸受を形成するために十分な流体の流量を確保できるようになる。したがって、支持ジグの筒状支持面と工具の外周面の接触によるびびり等の発生を防止することが可能となるので、びびり等による加工精度への悪影響を除去し、加工精度の向上を図ることができるようになる。
【0014】
また、本発明によれば、ベッド上に設けられ被加工物を載置したテーブルと、長尺の工具の一端を保持し回転させる主軸とを相対移動させることにより、前記被加工物に形成された貫通穴の内周面を加工する中ぐり加工装置において、前記テーブル又は前記ベッド上で被加工物の両側に配置された2つの支持ジグの筒状支持面で前記工具を支持し、前記工具の中心軸線が前記主軸の回転軸線からずれた状態でも前記主軸の回転を前記工具に伝達可能な継手を介して前記主軸と前記工具とを接続する中ぐり加工装置が提供される。
【0015】
この中ぐり加工装置によれば、テーブル上に載置された被加工物の両側に配置された支持ジグの筒状支持面によって工具を2点支持しているので、工具の中心軸線は、テーブル又はベッドに対する主軸の位置と無関係に、被加工物に対して常に一定の位置関係を保つことができる。一方、工具の中心軸線が主軸の回転軸線からずれた状態でも主軸の回転を伝達できる継手により主軸と工具とが接続されているので、主軸の回転軸線に対する工具の中心軸線のずれを吸収し、主軸の回転を工具に伝達することができる。したがって、テーブルに対する主軸の位置決め精度の悪化が加工精度に与える影響を除去することが可能となり、加工精度の向上を図ることが可能となる。
【0016】
上記2つの中ぐり加工装置において、前記工具の内部に長手方向に延びる流路が形成されており、前記工具の外周面に設けられた切刃が前記被加工物に形成された貫通穴の内周面を加工する領域へ向けて前記流路を通して加工液が供給されるようになっていることが好ましい。
【0017】
これにより、加工の際に加工領域において発生する切削屑や熱を加工領域から除去し、加工領域を潤滑することができるようになる。
【0018】
また、前記被加工物が前記工具の長手方向において互いに離間して形成された加工すべき複数の貫通穴を有し、前記工具がその外周面上に各貫通穴をそれぞれ加工するための複数の切刃を備えており、前記複数の貫通穴の内周面を前記工具の複数の切刃により同時に加工するようになっていることが好ましい。
【0019】
これにより、工具の長手方向において互いに離間する複数の同心の貫通穴を形成することが可能となる。
【0020】
さらに、上記2つのタイプの中ぐり加工装置のうちの後者の場合、前記工具の中心軸線が前記主軸の回転軸線と平行に延びるように前記工具が前記支持ジグに支持されていることが好ましい。
【0021】
この場合、工具の中心軸線と主軸の回転軸線とが斜めに配置されている場合と比較して、主軸の回転を工具により効率的に伝達することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0023】
図1は、テーブル上に設けられた支持ジグを通して支持面に流体を供給し、支持ジグの筒状支持面と工具の外周面との間に流体軸受を形成するようにした本発明の中ぐり加工装置の実施形態を示している全体構成図であり、図2は、図1に示されている支持ジグの支持面付近の構造を示している要部拡大図であり、図3は、被加工物の両側に2つの支持ジグを備え且つ2つの支持ジグに支持されている工具と主軸とを撓み継手を介して接続している本発明の中ぐり加工装置の他の実施形態を示している全体構成図である。
【0024】
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態による中ぐり加工装置11は、ベッド13と、ベッド13上をX軸ガイドレール15に沿ってX軸方向に移動可能なコラム17と、コラム17上をY軸ガイドレール19に沿ってY軸方向に移動可能な主軸頭21と、主軸頭21に回転可能に支持された主軸23と、ベッド13上をZ軸ガイドレール25に沿ってZ軸方向に移動可能なテーブル27とを備えている。
【0025】
さらに、主軸23には長尺の工具Tの一端が保持されており、工具Tの他端は、支持ジグ29に形成された貫通穴の内周面によって構成される筒状支持面31によって支持されている。なお、本願における工具Tには、一端にテーパシャンク部を一体的に備えているもの、工具の一端に工具ホルダが取り付けられているもの、テーパシャンク部や工具ホルダを備えていないものが含まれるものとする。
【0026】
図1に示されている実施形態では、支持ジグ29は、基台33に固定的に取り付けられており、この基台33を介してテーブル27に取り付けられている。しかしながら、支持ジグ29は、必ずしも、図1に示されているように、テーブル27上に設けられる必要はなく、ベッド13上に設けられてもよい。また、支持ジグ29は、ベッド13又はテーブル27上でZ軸方向に移動可能に設けられていてもよい。
【0027】
テーブル27上にはシリンダブロックなどの被加工物Wが載置されており、この被加工物Wには、工具Tの長手方向において互いに離間した複数の貫通穴35が下穴として予め形成されている。一方、工具Tは、その外周面上に、各貫通穴35をそれぞれ切削加工するための複数の切刃37を備えており、主軸23により工具Tを回転させながら、被加工物Wと工具Tとを相対移動させることにより、下穴としての貫通穴35の内周面を仕上げるようになっている。
【0028】
さらに、工具Tの内部には、工具Tの長手方向に延びる内部流路39が形成されており、この内部流路39が各切刃37の近傍に開口している噴射口41と接続されている。工具Tの内部流路39には、加工液が、供給ポンプ43により加工液タンク45から主軸23を通って延びる加工液供給流路46により、いわゆるスルースピンドル方式で供給され、内部流路39に供給された加工液は、各噴射口41を通して、工具Tの各切刃37によってそれぞれの貫通穴35の内周面を加工する領域である加工領域へ向けて噴射、供給されるようになっている。そして、この加工液により、加工の際に加工領域で生じた熱及び加工屑を除去すると共に、加工領域に潤滑を与える。なお、工具Tの外周面にはその周方向に互いに離間して複数の噴射口41が設けられていることが好ましい。
【0029】
支持ジグ29の筒状支持面31と工具Tの外周面との間に流体軸受を形成させるために、流体が供給されている。しかしながら、従来技術の中ぐり加工装置のように、工具Tの外周面に形成された噴射口41に工具Tの内部流路39を通して加工液を供給するのではなく、支持ジグ29を通して筒状支持面31の周方向に互いに離間して形成された単数又は複数の噴射口47に流体を供給するようになっている。
【0030】
図1に示されている実施形態では、支持ジグ29の筒状支持面31から基台33、テーブル27及びベッド13を通って加工液タンク45へ至る流体供給流路49が形成されており、供給ポンプ50により加工液タンク45内の加工液を流体供給流路49を通して支持ジグ29の筒状支持面31と工具Tの外周面との間に供給し、その間に流体軸受を形成させるようになっている。この場合には、加工領域に供給するための加工液を軸受用流体として利用しているが、別にタンク(図示せず)を設け、潤滑液など加工液とは別の種類の流体を利用することも可能である。
【0031】
また、図2に示されているように、本実施形態の筒状支持面31は、支持ジグ29に直接的に形成された取付穴51に着脱可能に取り付けられた概略管状のブッシュ53の内周面によって形成されている。このブッシュ53には、周方向に互いに離間した複数の噴射口47が設けられており、支持ジグ29まで延びている流体供給流路49から支持ジグ29の取付穴51に周方向に形成された環状溝55を介してブッシュ53の各噴射口47に流体を供給するようになっている。
【0032】
このように支持ジグ29を通して支持ジグ29の筒状支持面31と工具Tの外周面との間に加工液を供給する構成をとることにより、工具Tの直径による制限を受ける工具Tの内部流路39とは別の流体供給流路49を形成し、この流体供給流路49を通して、加工領域の熱及び切屑除去や潤滑の用途に使用される加工液とは別に、流体軸受の用途に使用する流体を確保することができるようになる。この結果、工具Tの内部流路39を通る加工液の流量や加工領域で使用される加工液の量とは無関係に、十分な流量の流体を流体軸受の形成のために使用することができる。したがって、支持ジグ29の筒状支持面31と工具Tの外周面との接触により発生する工具Tのびびりに起因する加工精度の悪化を防止し、加工精度を向上させることが可能となる。また、軸受用流体の流量を十分に確保できるので、筒状支持面31に形成される噴射口47を小さく絞らずに大きくすることが可能となり、噴射口47の詰まりの発生可能性を低減させることができるようになる。
【0033】
また、支持ジグ29の筒状支持面31を着脱可能なブッシュ53の内周面により形成することにより、噴射口47に詰まりが発生した場合やかじりによる筒状支持面31の損傷が発生した場合などにブッシュ53の交換により容易に対処することが可能となる。
【0034】
図1に示されている実施形態の中ぐり加工装置11を使用する際には、工具Tの長手方向に互いに離間して形成された複数の貫通穴35を有した被加工物Wを載置したテーブル27を主軸23に対して接近させることにより、主軸23に一端を保持された長尺の工具Tを被加工物Wの複数の貫通穴35に挿入し、さらに、工具Tの先端部を支持ジグ29の筒状支持面31により形成される穴に貫通させる。このとき、工具Tの外周面に設けられた各切刃37がそれぞれ被加工物Wに形成された複数の貫通口35の近傍に配置させられるようにする。
【0035】
次に、供給ポンプ50を作動させて、加工液タンク45から流体供給流路49を通して筒状支持面31に加工液を供給し、筒状支持面31の噴射口47から筒状支持面31と工具Tの外周面との間隙へ向けて加工液を噴射させる。そして、筒状支持面31と工具Tの外周面との間に流体軸受を形成させた後、テーブル27と主軸23とを相対移動させることにより、工具Tと被加工物Wとを相対移動させ、工具Tの内部流路39から噴射口41を介して加工領域に加工液を供給しながら、工具Tの各切刃37によりそれぞれ被加工物Wの各貫通穴35の内周面を同時に切削加工していく。
【0036】
工具Tの噴射口41から加工領域に供給された加工液及び筒状支持面31の噴射口47から筒状支持面31と工具Tの外周面との間隙に供給された流体(図1の実施形態では、加工液)は、ベッド13に設けられた回収流路57に収集され、加工液タンク45に回収される。
【0037】
次に、図3を参照して、本発明の第2の実施形態による中ぐり加工装置11′を説明する。図3において、図1に示されている実施形態の構成部分と同じ構成部分に対しては同じ参照番号が付されている。
【0038】
図3に示されている中ぐり加工装置11′は、図1に示されている中ぐり加工装置11と同様に、ベッド13と、ベッド13上をX軸ガイドレール15に沿ってX軸方向に移動可能なコラム17と、コラム17上をY軸ガイドレール19に沿ってY軸方向に移動可能な主軸頭21と、主軸頭21に回転可能に支持された主軸23と、ベッド13上をZ軸ガイドレール25に沿ってZ軸方向に移動可能なテーブル27とを備えている。
【0039】
さらに、図1に示されている実施形態と同様の被加工物Wがテーブル27上に配置されている一方で、図1に示されている実施形態と異なり、この被加工物Wを挟んでその両側にそれぞれ支持ジグ59が設けられ、これら2つの支持ジグ59の筒状支持面61によって工具Tが支持されている。図3に示されている実施形態では、各支持ジグ59は、1つの基台33に固定的に取り付けられており、この基台33を介してテーブル27に取り付けられている。しかしながら、支持ジグ59は、図3に示されているように、テーブル27上に設けられる必要はなく、ベッド13上に設けられてもよい。また、支持ジグ59は、ベッド13又はテーブル27上でZ軸方向に移動可能に設けられていてもよい。
【0040】
これら2つの支持ジグ59の筒状支持面61がそれぞれ規定する穴の中心軸線は、主軸23の回転軸線と平行な1つの軸線(以下、工具支持軸線と呼称する)上に位置するようになっている。すなわち、工具Tは、その中心軸線が主軸23の回転軸線と平行となるように、2つの支持ジグ59の筒状支持面61によって支持されるようになっている。好ましくは、工具Tの中心軸線がベッド13又はテーブル27の表面と平行に配置されるように、工具Tが支持ジグ59の筒状支持面61によって支持されている。
【0041】
ところで、図3に示されているような支持ジグ59の構成をとる場合に、XY方向に関する主軸23の位置決めに誤差が生じると、主軸23の回転軸線と支持ジグ59の工具支持軸線とが整列する位置として制御装置(図示せず)が指令した場合でも、主軸23の回転軸線がXY方向位置に関して支持ジグ59の工具支持軸線と整列せず、ずれた状態となる。この状態で、支持ジグ59の筒状支持面61によって、主軸23に保持された工具Tを支持すると、工具Tに無理な力が作用して工具Tを破損させたり、工具Tの外周面が支持ジグ59の筒状支持面61と接触して筒状支持面61を破損させたりし得る。
【0042】
この問題を回避するために、図3に示されている実施形態では、工具Tの中心軸線が主軸23の回転軸線からずれた状態、例えば偏心した状態でも、主軸23の回転軸線と工具Tの中心軸線とのXY方向位置のずれを吸収し主軸23の回転を工具Tに伝達可能な継手63を介して、工具Tと主軸23とが接続されている。かかる継手として、例えば、撓み継手や、オルダム継手などの喰違い軸継手を用いることが可能である。これらは公知の継手であるので、その構造をここでは詳しく説明しない。
【0043】
なお、工具Tの内部に長手方向に延びる内部流路39は継手63の内部を貫通して延びていることはもちろんである。また、図3に示されている実施形態においては、支持ジグ59の筒状支持面61と工具Tの外周面との間に流体軸受を形成するために、工具Tの内部流路39に供給された加工液を使用しているが、図1に示されているように、ベッド13、テーブル27及び支持ジグ59を通して供給される流体を使用してもよいことはもちろんである。
【0044】
また、主軸23と工具Tとの間に介在する継手63は主軸23の回転軸線と工具Tの中心軸線とのXY方向位置のずれを吸収するものとして記載されているが、もちろん、軸線同士の角度方向のずれを吸収することも可能である。
【0045】
テーブル27上に載置されている被加工物W、主軸23に保持されている工具T、主軸23に加工液を供給するための加工液供給流路46、加工液タンク45、供給ポンプ43その他の構成は図1に示されているものと同様であり、ここでは詳しく説明しない。
【0046】
このように工具Tをその両側に配置された支持ジグ59の筒状支持面61によって支持することにより、工具Tは、テーブル27上の被加工物Wに対して常に一定の姿勢で支持されるので、工具Tの中心軸線の向きがテーブル27に対する主軸23の位置決め精度の影響を受けることがなくなり、加工精度の向上を図ることが可能となる。さらに、撓み継手や喰違い軸継手などの継手63を介して工具Tと主軸23とを接続することにより、支持ジグ59の筒状支持面61によって位置決めされた工具Tの中心軸線が主軸23の回転軸線から偏心した状態でも主軸23の回転を工具Tに伝達することができるので、テーブル27に対する主軸23の位置決め精度に誤差が生じていても工具Tを破損させることもなく加工精度に悪影響を与えることもない。
【0047】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、工具がその一端を主軸に保持され且つ他端又は中間部を支持ジグの筒状支持面によって支持されている中ぐり加工装置において、支持ジグを通る流体供給流路から支持ジグの筒状支持面と工具の外周面との間隙に流体を供給し、そこに流体軸受を形成させるので、流体供給流路の断面積は工具の直径による制限を受けることがなく、流体軸受を形成するために十分な流体の流量を確保できるようになる。したがって、支持ジグの筒状支持面と工具の外周面の接触によるびびり等の発生を防止することが可能となるので、びびり等による加工精度への悪影響を除去し、加工精度の向上を図ることができる。
【0048】
また、本発明によれば、テーブル上に載置された被加工物の両側に配置された支持ジグの筒状支持面によって工具を支持し、工具の中心軸線が主軸の回転軸線から偏心した状態でも主軸の回転を伝達できる継手により主軸と工具とが接続されているので、工具は、2つの支持ジグの機能により、テーブルに対する主軸の位置決め精度の影響を受けることなく、被加工物に対して常に正確に位置決めされ、上記継手により工具の中心軸線と主軸の回転軸線の位置ずれを吸収することができる。したがって、テーブルに対する主軸の位置決め精度の悪化が加工精度に与える影響を除去することが可能となり、加工精度の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】テーブル上に設けられた支持ジグを通して支持面に流体を供給し、支持ジグの筒状支持面と工具の外周面との間に流体軸受を形成するようにした本発明の中ぐり加工装置の実施形態を示す全体構成図である。
【図2】図1に示されている支持ジグの支持面付近の構造を示す要部拡大図である。
【図3】被加工物の両側に2つの支持ジグを備え且つ2つの支持ジグに支持されている工具と主軸とを撓み継手を介して接続している本発明の中ぐり加工装置の他の実施形態を示す全体構成図である。
【符号の説明】
11、11′…中ぐり加工装置
13…ベッド
23…主軸
27…テーブル
29…支持ジグ
31…支持面
35…貫通穴
37…切刃
39…内部流路
59…支持ジグ
63…継手
T…工具
W…被加工物

Claims (5)

  1. ベッド上に設けられ被加工物を載置したテーブルと、長尺の工具の一端を保持し回転させる主軸とを相対移動させることにより、前記被加工物に形成された貫通穴の内周面を加工する中ぐり加工装置において、
    前記テーブル又は前記ベッド上に設けられた支持ジグの筒状支持面で前記工具の他端又は中間部を支持し、前記支持ジグを通して前記支持面に流体を供給することにより前記支持面と前記工具の外周面との間に流体軸受を形成したことを特徴とする中ぐり加工装置。
  2. ベッド上に設けられ被加工物を載置したテーブルと、長尺の工具の一端を保持し回転させる主軸とを相対移動させることにより、前記被加工物に形成された貫通穴の内周面を加工する中ぐり加工装置において、
    前記テーブル又は前記ベッド上で被加工物の両側に配置された2つの支持ジグの筒状支持面で前記工具を支持し、前記工具の中心軸線が前記主軸の回転軸線からずれた状態でも前記主軸の回転を前記工具に伝達可能な継手を介して前記主軸と前記工具とを接続することを特徴とする中ぐり加工装置。
  3. 前記工具の内部に長手方向に延びる流路が形成されており、前記工具の外周面に設けられた切刃が前記被加工物に形成された貫通穴の内周面を加工する領域へ向けて、前記流路を通して加工液が供給される請求項1又は請求項2に記載の中ぐり加工装置。
  4. 前記被加工物が前記工具の長手方向において互いに離間して形成された加工すべき複数の貫通穴を有し、前記工具がその外周面上に各貫通穴をそれぞれ加工するための複数の切刃を備えており、前記複数の貫通穴の内周面を前記工具の複数の切刃により同時に加工する請求項1又は請求項2に記載の中ぐり加工装置。
  5. 前記工具の中心軸線が前記主軸の回転軸線と平行に延びるように前記工具が前記支持ジグに支持されている、請求項2に記載の中ぐり加工装置。
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