JP6333053B2 - 工作機械 - Google Patents

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Description

本発明は、被加工物を加工工具を用いて加工する工作機械に関する。
工作機械の一例としてのNC旋盤などでは、工場の床面などに設置されるベッド本体と、このベッド本体の片側部に設けられた第1加工部と、ベッド本体の他側部に設けられた第2加工部とを具備するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような工作機械(例えば、NC旋盤)では、第1加工部は、第1主軸を支持するための第1主軸部と、この第1主軸部に対向して配設される第1工具支持部を備え、第1主軸に第1チャック手段を介して被加工物が装着され、第1工具支持部に例えば第1タレット手段などを介して第1加工工具が取り付けられる。また、第2加工部は、第2主軸を支持するための第2主軸部と、この第2主軸部に対向して配設される第2工具支持部を備え、第2主軸に第2チャック手段を介して被加工物が装着され、第2工具支持部に例えば第2タレット手段などを介して第2加工工具が取り付けられる。
特開平11−58172号公報
しかしながら、このような工作機械(例えば、NC旋盤)には、次の通りの解決すべき問題がある。即ち、工作機械のベッド本体が一体的に構成されているので、第1及び第2加工部で同時に被加工物の加工を行うと、第1加工部での加工の際に生じる振動がこのベッド本体を介して第2加工部に伝搬され、かく伝搬される振動により第2加工部での加工に悪影響を与えるおそれがあり、また第2加工部での加工の際に生じる振動がベッド本体を介して第1加工部に伝搬され、かく伝搬される振動により第1加工部での加工に悪影響を与えるおそれがあり、その結果、ベッド本体を介しての振動の伝搬により、第1及び/又は第2加工部において被加工物を高精度に加工することが難しくなる。
そこで、このような問題を解消するために、ベッド本体を第1ベッド部と第2ベッド部との2つに分割し、第1ベッド部に第1加工部を設け、第2ベッド部に第2加工部を設けるようにすることも考えられるが、このように構成した場合、ベッド本体の剛性が低下して切削能力(所謂、切削除去能力)が低下するという問題が新たに生じる。
本発明の目的は、ベッド本体の剛性低下を抑えるために一体型のベッド本体の構造を採用しつつ、第1加工部と第2加工部との間のベッド本体を介しての振動の伝搬を抑えることができる工作機械を提供することである。
本発明の請求項1に記載の工作機械は、一体型構造のベッド本体と、前記ベッド本体の片側部に設けられた第1加工部と、前記ベッド本体の他側部に設けられた第2加工部とを具備し、前記第1加工部は、第1主軸を支持するための第1主軸部と、第1被加工物を加工する第1加工工具を支持するための第1工具支持部とを備え、第2加工部は、第2主軸を支持するための第2主軸部と、第2被加工物を加工する第2加工工具を支持するための第2工具支持部とを備えた工作機械において、
前記第1主軸部は、前記ベッド本体の前記片側部に設けられた第1主軸支持台に取り付けられ、前記第2主軸部は、前記ベッド本体の前記他側部に設けられた第2主軸支持台に取り付けられ、前記第1主軸支持台と前記第2主軸支持台との間には、前記ベッド本体の前後方向に延びるスリット状空間が設けられているとともに、前記スリット状空間の下方に振動抑制空間が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の工作機械では、前記ベッド本体の前記片側部の内側部に前記第1主軸支持台が配設され、その前記他側部の内側部に前記第2主軸支持台が配設され、隣接する前記第1主軸支持台と前記第2主軸支持台との間に前記ベッド本体の中間部が設けられ、前記中間部に前記スリット状空間及び前記振動抑制空間が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の工作機械では、前記振動抑制空間内に振動抑制部材が充填されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の工作機械では、前記振動抑制部材は、金属製粒状部材、セラミックス製粒状部材及び粒状の砂のいずれか又はこれらの混合物から構成されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の工作機械では、前記第1加工部の前記第1主軸支持台と前記第2加工部の前記第2主軸支持台とを連結するための補強連結部材が選択的に取り付けられることを特徴とする。
更に、本発明の請求項6に記載の工作機械では、前記ベッド本体の前記片側部には、前記第1主軸部に対応して、冷却液を循環させるための第1冷却液空間が設けられ、また前記ベッド本体の前記他側部には、前記第2主軸部に対応して、冷却液を循環させるための第2冷却液空間が設けられ、前記補強連結部材には、前記第1及び第2冷却液空間に冷却液を供給するための冷却液供給流路が設けられているとともに、前記第1及び第2冷却液空間からの冷却液を戻すための冷却液戻り流路が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の工作機械によれば、ベッド本体の片側部に設けられた第1主軸支持台とベッド本体の他側部に設けられた第2主軸支持台との間に、ベッド本体の前後方向に延びるスリット状空間が設けられているとともに、スリット状空間の下方に振動抑制空間が設けられているので、第1加工部(特に、第1主軸部)から第2加工部へのベッド本体を介しての振動の伝搬が抑えられ、これによって、第2加工部にて加工する際の第1加工部からの振動の伝搬が抑制され、また第2加工部(特に、第2主軸部)から第1加工部へのベッド本体を介しての振動の伝搬が抑えられ、これによって、第1加工部にて加工する際の第2加工部からの振動の影響が抑えられ、その結果、第1及び第2加工部にて同時に加工しても被加工物を高精度に加工することができる。また、ベッド本体が一体型の構造であるので、ベッド本体の剛性の低下を抑えながら第1及び第2加工部間の振動の影響を少なくすることができる。
また、本発明の請求項2に記載の工作機械によれば、ベッド本体の片側部の内側部に第1主軸支持台が配設され、その他側部の内側部に第2主軸支持台が配設され、このような形態の工作機械において、隣接する第1主軸支持台と第2主軸支持台との間のベッド本体の中間部にスリット状空間及び振動抑制空間が配設されるので、第1加工部(特に、第1主軸部)から第2加工部への振動の伝搬及び第2加工部(特に、第2主軸部)から第1加工部への振動の伝搬を効果的に抑えることができる。
また、本発明の請求項3に記載の工作機械によれば、振動抑制空間内に振動抑制部材が充填されているので、この振動抑制部材によって、振動の伝搬を効果的に抑制することができる。
また、本発明の請求項4に記載の工作機械によれば、振動抑制部材が金属製粒状部材、セラミックス製粒状部材及び粒状の砂のいずれか又はこれらの混合物であるので、かかる振動抑制部材によって、伝搬する振動を更に効果的に抑えて被加工物の加工精度を更に高めることができる。
また、本発明の請求項5に記載の工作機械によれば、第1加工部の第1主軸支持台と第2加工部の第2主軸支持台との間に補強連結部材を選択的に取付け可能に構成されているので、この補強連結部材を取り付けることによって、機械の使用目的に応じてベッド本体の剛性を高めることができる。
更に、本発明の請求項6に記載の工作機械によれば、補強連結部材に冷却液供給流路及び冷却液戻し流路が設けられているので、この冷却液供給流路を通して第1及び第2加工部に設けられた第1及び第2冷却液空間に冷却液を供給することができるとともに、第1及び第2冷却液空間からの冷却液を冷却液戻し流路を通して所要の通りに戻すことができる。
本発明に従う工作機械の一例としてのNC旋盤を示す正面図。 図1の工作機械を正面から見た断面図。 図1の工作機械の第1加工部を図2におけるIII−III線により切断して斜め右前方から見た断面図。 図1の工作機械の第1加工部を図2におけるIV−IV線により切断して斜め右方前方から見た断面図。 図2におけるIII−III線による断面図。 図2におけるIV−IV線による断面図。 図1の工作機械の第1及び第2主軸支持台の間に補強連結部材を取り付けた状態を前端部付近で切断した断面図。 図7の工作機械にて補強連結部材を取り付けた状態を冷却液供給流路で切断した断面図。 図7の工作機械にて補強連結部材を取り付けた状態を冷却液戻し流路で切断した断面図。 図1の工作機械の第1及び第2主軸支持台の間に補強連結部材を取り付け且つ振動抑制空間に振動抑制部材を充填した状態を冷却液供給流路で切断した断面図。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う工作機械の一実施形態を説明する。図1及び図2において、工作機械の一例としての図示のNC旋盤2は、略矩形状のベッド本体4を備え、このベッド本体4の片側部6に第1加工部8が設けられ、ベッド本体4の他側部10に第2加工部12が設けられている。
ベッド本体4の片側の第1加工部8は、第1主軸(図示せず)を回転自在に支持するための第1主軸部14と、第1加工工具16(図3、図4)を支持するための第1工具支持部18とを備えている。この実施形態では、ベッド本体4の片側部6の内側部に第1主軸支持台20が設けられ、この第1主軸支持台20に第1主軸部14が取り付けられ、第1工具支持部18がその片側部6の外側部(即ち、ベッド本体4の図1及び図2において左端部)に設けられている。
第1主軸部14の第1主軸は、ベッド本体4の前後方向(図1及び図2において紙面に垂直な方向)に延び、この第1主軸に第1チャック手段22が取り付けられ、第1チャック手段22に第1加工部8において加工される第1被加工物(図示せず)が着脱自在に取り付けられる。この第1主軸は、第1主軸駆動モータ24(図3、図4)により所定方向に回動され、この第1主軸とともに第1チャック手段22が一体的に回動される。
また、第1工具支持部18は第1タレット装置26から構成され、この第1タレット装置26は、周方向に間隔をおいて複数(この形態では、8つ)の第1工具取付け部28が設けられた第1タレット手段30と、この第1タレット手段30を回転自在に支持する第1支持部材32を備え、複数の第1工具取付け部28に第1被加工物を所要の通りに加工するための第1加工工具16(図3、図4)が取外し可能に取り付けられる。第1支持部材32は、第1支持機構34(図2)を介して所定方向(第1主軸の軸線に対して平行方向であって、図1及び図2において紙面に垂直な方向)に移動自在にベッド本体4に支持され、第1Z軸駆動モータ36(図3、図4)により所定方向に移動され、また第1支持部材32は、図示していないが、所定方向に対して実質上垂直な方向(第1主軸に垂直な方向であって、図1及び図2において左右方向)に移動自在に第1支持機構34に支持され、第1X軸駆動モータ38により所定方向に対して垂直な方向に移動される。
また、ベッド本体4の他側の第2加工部12は、第2主軸(図示せず)を回転自在に支持するための第2主軸部40と、第2加工工具(図示せず)を支持するための第2工具支持部44とを備えている。この実施形態では、ベッド本体4の他側部10の内側部に第2主軸支持台45が設けられ、この第2主軸支持台45に第2主軸部40が取り付けられ、第2工具支持部44がその他側部10の外側部(即ち、ベッド本体4の図1及び図2において右端部)に設けられている。
第2加工部12は、上述した第1加工部8と同様の構成を有し、第2主軸部40の第2主軸(図示せず)は、ベッド本体4の上記前後方向に延び、この第2主軸に第2チャック手段42が取り付けられ、第2チャック手段42に第1加工部12において加工される第2被加工物(図示せず)が着脱自在に取り付けられる。この第2主軸は、第2主軸駆動モータ(図示せず)により所定方向に回動され、この第2主軸とともに第2チャック手段42が一体的に回動される。
また、第2工具支持部44は第2タレット装置46から構成され、この第2タレット装置46は、周方向に間隔をおいて複数の第2工具取付け部48が設けられた第2タレット手段50と、この第2タレット手段50を回転自在に支持する第2支持部材52を備え、複数の第2工具取付け部48に第2被加工物を所要の通りに加工するための第2加工工具(図示せず)が取外し可能に取り付けられる。
第2支持部材52は、第2支持機構54(図2)を介して所定方向(第2主軸の軸線に対して平行方向であって、図1及び図2において紙面に垂直な方向)に移動自在にベッド本体4に支持され、第2Z軸駆動モータ(図示せず)により所定方向に移動され、また第2支持部材52は、図示していないが、所定方向に対して実質上垂直な方向に移動自在に第2支持機構54に支持され、第2X軸駆動モータ56により所定方向に対して垂直な方向に移動される。
図1及び図2とともに、図4及び図6を参照して、このNC旋盤2では、第1及び第2加工部8,12の第1及び第2主軸支持台20,45を冷却するための第1及び第2冷却液空間58,60が設けられている。この形態では、第1及び第2冷却液空間58,60及びこれらに関する構成は実質上同一であり、以下、第1冷却液空間58(第2冷却液空間60)について説明する。第1冷却液空間58(第2冷却液空間60)は、ベッド本体4の片側部6(他側部10)の内側部に配設され、このベッド本体4に設けられた第1主空間部58a(第2主空間部60a)と、第1主軸支持台20(第2主軸支持台45)に設けられた第1副空間部58b(第2副空間部60b)とを有し、下側の第1主空間部58a(第2主空間部60a)と上側の第1副空間部58b(第2副空間部60b)とが第1連通路62(第2連通路64)(図2参照)を介して連通されている。
第1主軸支持台20(第2主軸支持台45)には、また、第1主空間部58a(第2主空間部60a)に連通された第1流入流路66(第2流入流路68)が設けられているとともに、第1副空間部58b(第2副空間部60b)に連通された第1流出流路70(第2流出流路71)が設けられている。第1流入流路66(第2流入流路68)には第1供給流路72(第2供給流路74)が接続され、また第1流出流路70(第2流出流路71)には第1戻し流路76(第2戻し流路78)が接続されている。
このように構成されているので、冷却液供給源としての例えば冷却液タンクからの冷却液は、第1供給流路72(第2供給流路74)及び第1流入流路66(第2流入流路68)を通して第1冷却液空間58(第2冷却液空間60)の第1主空間部58a(第2主空間部60a)に流入し、その後第1主空間部58a(第2主空間部60a)、第1連通路62(第2連通路64)及び第1副空間部58b(第2副空間部60b)を通して流れた後に、第1流出流路70(第2流出流路71)及び第1戻し流路76(第2戻し流路78)を通して冷却液タンクに戻り、このようにして冷却液が第1冷却液空間58(第2冷却液空間60)を通して循環され、このような冷却液の循環によって主として第1主軸支持台20(第2主軸支持台45)が冷却される。
このNC旋盤2では、第1加工部8から第2加工部12への振動の伝搬を抑えるために、また第2加工部12から第1加工部8への振動の伝搬を抑えるために、次の通りに構成されている。図1〜図3及び図5において、このベッド本体4の中間部に、具体的には、第1加工部8の第1主軸支持台20と第2加工部12の第2主軸支持台45との間に、スリット状空間80が設けられている。このスリット状空間80は、ベッド本体4の前端から後端まで前後方向に延び、このスリット状空間80を介して第1主軸支持台20と第2主軸支持台45とが離隔している。
更に、このスリット状空間80の下方に振動抑制空間82が設けられている。振動抑制空間80はベッド本体4の中間部(具体的には、第1主軸支持台20と第2主軸支持台45との間に位置する部位)に設けられ、ベッド本体4の前後方向に延びる細長い矩形状に形成され(図3、図5参照)、ベッド本体4の上面に細長い開口84が設けられている。 このように構成されているので、第1加工部8の第1主軸部14と第2加工部12の第2主軸40との間にスリット状空間80及び振動抑制空間82が設けられているので、ベッド本体4を介しての第1加工部8から第2加工部12への振動の伝搬及び第2加工部12から第1加工部8への振動の伝搬が効果的に抑えられ、その結果、第1及び第2加工部8,12にて同時に加工を行っても振動による影響を抑えることができ、第1及び第2加工部8,12において第1及び第2被加工物を高精度に加工することができる。
このNC旋盤2では、例えば、次のように補強連結部材90を取り付けてベッド本体4の剛性を高めることができる。図7〜図9を参照して更に説明すると、この形態では、補強連結部材90は薄いブロック状部材から構成され、第1及び第2主軸支持台20,45の第1及び第2流入流路66,68に対応して、その内部に供給側接続流路92(図8)が設けられ、冷却液供給タンク(図示せず)から冷却液を供給する冷却液供給流路94がこの供給側接続流路92に接続される。また、第1及び第2主軸支持台20,45の第1及び第2流出流路70,71に対応して、補強連結部材90の内部に戻り側接続流路96(図9)が設けられ、冷却液供給タンクに冷却液を戻す冷却液戻り流路98がこの戻り側接続流路96に接続される。
補強連結部材90は、図7〜図9に示すように、第1加工部8側の第1主軸支持台20と第2加工部12側の第2主軸支持台45との間に跨って取り付けられ、その片側部が取付ねじ97により第1主軸支持台20の内側部に固定され、その他側部が取付ねじ99により第2主軸支持台45の内側部に固定される。
このように補強連結部材90を取り付けた状態では、第1加工部8側の第1主軸支持台20と第2加工部12側の第2主軸支持台45とが補強連結部材90を介して連結されるので、この補強連結部材90によりベッド本体4の剛性を高めることができ、スリット状空間80による剛性低下をこの補強連結部材90を取り付けることにより補うことができる。
また、このように補強連結部材90を取り付けた状態では、図8に示すように、その供給側接続流路92の一端側が第1主軸支持台20の第1流入流路66に連通されるとともに、その他端側が第2主軸支持台45の第2流入流路68に連通され、冷却液供給タンク(図示せず)から冷却液が冷却液供給流路94及び供給側接続流路92を通して第1及び第2加工部8,12の第1及び第2冷却液空間58,60に供給される。更に、図9に示すように、補強連結部材90の戻り側接続流路96の一端側が第1主軸支持台20の第1流出流路72に連通されるとともに、その他端側が第2主軸支持台45の第2流出流路71に連通され、第1及び第2下降部8,12の第1及び第2冷却液空間58,60からの冷却液が補強連結部材90の戻り側接続流路96及び冷却液戻り流路98を通して冷却液タンク(図示せず)に戻される。
この振動抑制空間90には、図10に示すように、振動伝搬を効果的に抑制するための振動抑制部材100を充填するのが好ましい。この振動抑制部材100としては、鋼玉、ガラス玉、樹脂玉などの球状部材、油などの液状体などを用いることができ、金属製粒状部材、セラミックス製粒状部材及び粒状の砂のいずれか又はこれらの混合物を用いるのが好ましい。金属としては、例えば鉄、ステンレス鋼などを用いることができる。金属製粒状部材及びセラミック製粒状部材の粒径は、例えば150〜500μm程度であるのが好ましく、また粒状の砂の粒径は、例えば30〜200μm程度であるのが好ましい。尚、振動抑制空間82内を充分に満たすように振動抑制部材100を充填した後は、この振動抑制空間82の開口84を覆うようにカバー部材102を取り付けるのが望ましい。
このように振動抑制空間82内に振動抑制部材100を充填した場合、ベッド本体4の中間部を通して伝搬される振動が更に効果的に抑制され、第1加工部8(又は第2加工部12)にて発生する振動の第2加工部12(又は第1加工部8)への影響を更に抑えることができ、第1及び第2加工部8,12において更に高精度の加工が可能となる。
以上、本発明に従う工作機械の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
例えば、上述した実施形態では、補強連結部材90に供給側接続流路92及び戻り側接続流路96を設けているが、補強連結部材90に供給側接続流路92及び戻り側接続流路96を設けることに代えて、第1主軸支持台20及び第2主軸支持台45の第1及び第2流入流路66,68の配設部位とそれらの第1及び第2流出流路70,71の配設部位とを変更し、図1〜図6に示す実施形態のように、冷却液タンクからの冷却液を供給するための第1及び第2供給流路を第1及び第2流入流路66,68に接続するとともに、冷却液タンクに冷却液を戻すための第1及び第2戻し流路を第1及び第2流出流路70,71に接続するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、本発明をNC旋盤に適用して説明したが、本発明はかかるNC旋盤に限定されず、ベッド本体に隣接して2つの加工部、即ち第1及び第2加工部が設けられた他の工作機械にも同様に適用することができる。
2 NC旋盤
4 ベッド本体
8 第1加工部
12 第2加工部
14 第1主軸部
18 第1工具支持部
20 第1主軸支持台
26 第1タレット装置
40 第2主軸部
44 第2工具支持部
46 第2タレット装置
58 第1冷却液空間
60 第2冷却液空間
80 スリット状空間
82 振動抑制空間
90 補強連結部材
100 振動抑制部材



















Claims (6)

  1. 一体型構造のベッド本体と、前記ベッド本体の片側部に設けられた第1加工部と、前記ベッド本体の他側部に設けられた第2加工部とを具備し、前記第1加工部は、第1主軸を支持するための第1主軸部と、第1被加工物を加工する第1加工工具を支持するための第1工具支持部とを備え、第2加工部は、第2主軸を支持するための第2主軸部と、第2被加工物を加工する第2加工工具を支持するための第2工具支持部とを備えた工作機械において、
    前記第1主軸部は、前記ベッド本体の前記片側部に設けられた第1主軸支持台に取り付けられ、前記第2主軸部は、前記ベッド本体の前記他側部に設けられた第2主軸支持台に取り付けられ、前記第1主軸支持台と前記第2主軸支持台との間には、前記ベッド本体の前後方向に延びるスリット状空間が設けられているとともに、前記スリット状空間の下方に振動抑制空間が設けられていることを特徴とする工作機械。
  2. 前記ベッド本体の前記片側部の内側部に前記第1主軸支持台が配設され、その前記他側部の内側部に前記第2主軸支持台が配設され、隣接する前記第1主軸支持台と前記第2主軸支持台との間に前記ベッド本体の中間部が設けられ、前記中間部に前記スリット状空間及び前記振動抑制空間が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
  3. 前記振動抑制空間内に振動抑制部材が充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械。
  4. 前記振動抑制部材は、金属製粒状部材、セラミックス製粒状部材及び粒状の砂のいずれか又はこれらの混合物から構成されていることを特徴とする請求項3に記載の工作機械。
  5. 前記第1加工部の前記第1主軸支持台と前記第2加工部の前記第2主軸支持台とを連結するための補強連結部材が選択的に取り付けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の工作機械。
  6. 前記ベッド本体の前記片側部には、前記第1主軸部に対応して、冷却液を循環させるための第1冷却液空間が設けられ、また前記ベッド本体の前記他側部には、前記第2主軸部に対応して、冷却液を循環させるための第2冷却液空間が設けられ、前記補強連結部材には、前記第1及び第2冷却液空間に冷却液を供給するための冷却液供給流路が設けられているとともに、前記第1及び第2冷却液空間からの冷却液を戻すための冷却液戻り流路が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の工作機械。
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