JP2012098717A - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光路レイアウトの自由度を高め、副走査方向について小型化し、良好な光学特性を有し、そして光学素子の部品点数を低減して、低コスト化を実現する。
【解決手段】 光走査装置は、異なる被走査面に対応する少なくとも2個の光源11を備え、各光源11から射出される光ビームは、主走査方向に回転する複数の反射偏向面を有する光偏向器14の反射偏向面の法線に対し副走査方向に角度を持って、光偏向器14の同一の反射偏向面により反射偏向され、全ての光ビームで共用される少なくとも1枚の走査レンズ15により各対応する被走査面に集光される。走査レンズ15の少なくとも1面は、副走査方向に並ぶ複数の屈折面を有し、各屈折面は、副走査方向に正の屈折力を持ち、各屈折面の面頂点を、それぞれの屈折面を通過する光束に対して、走査レンズ15の副走査方向の中心側に偏心させて、配置される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ディジタル複写機、レーザプリンタおよびレーザファクシミリ等に用いる光走査装置に係り、特に、カラー画像形成に好適な斜め入射方式の光学系を用いた光走査装置およびそのような光走査装置を用いた画像形成装置に関するものである。
まず、光走査装置および画像形成装置について説明する。
レーザプリンタ等に関連して広く知られた光走査装置は、一般に、光源側からの光ビームを光偏向器により偏向させ、fθレンズ等の走査結像光学系によって、被走査面に向けて集光して被走査面上に光スポットを形成し、この光スポットで被走査面を光走査(主走査)するように構成されている。被走査面は、光導電性の感光材料等からなる感光体の感光面であり、具体的には、例えば円筒状の感光体ドラムの外周面として形成されている。
また、フルカラー画像形成装置の一例として、4つの感光体を記録紙の搬送方向に配列し、これら各感光体に対応する複数の光源装置から放射された光ビームの光束を単一の偏向手段により偏向走査し、各感光体に対応する複数の走査結像光学系により各感光体を同時に露光して潜像を形成し、これらの潜像をイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック等のそれぞれ異なる色の現像剤を使用する現像器で可視像化したのち、これらの可視像を同一の記録紙に順次重ね合わせて転写し定着することで、カラー画像を得ることができるように構成されている。このように、光走査装置と感光体の組み合わせを2組以上用いて、2色画像、多色画像、またはカラー画像等を得るようにした画像形成装置は、「タンデム式画像形成装置」として知られている。
次に、斜め入射光学系について説明する。
最近では、カラー画像形成装置の光走査装置における低コスト化を図る手段として、例えば、特許文献1(特開2003−5114号公報)等に開示されるような技術が知られている。すなわち、特許文献1(特開2003−5114号公報)には、光偏向器の反射偏向面に副走査方向に角度を持たせて光ビームを入射させる斜め入射光学系が示されている。このような斜め入射光学系においては、複数の光ビームがそれぞれ反射偏向面で反射偏向された後に、各々対応する被走査面(感光体)に、折返しミラー等で分離されて導かれる。この場合、各光ビームの副走査方向の角度(光偏向器に斜め入射する角度)は、それぞれ前述した折返しミラー等で各光束を分離することが可能な角度に設定されている。
このような斜め入射光学系を用いることによって、ミラー等で各光束が分離可能な副走査方向の隣接する光ビームの間隔を、光偏光器を大型化(つまり、副走査方向へのポリゴンミラーの多段化や、厚肉化)することなしに、実現することが可能となる。すなわち、光偏向器の反射偏向面の副走査方向の幅寸法を大きくすることなく、低コストな光走査装置を実現することが可能となる。例えば光偏向器としてポリゴンミラーを用いた場合、高速回転に大きなエネルギーを必要とすることもなく、高速回転させたときの、いわゆる「風切り音」も小さくすることができる。
しかしながら、その反面、斜め入射方式の光学系においては、特に周辺の像高において走査レンズに入射する光束がねじれて入射することによって、波面収差が増大し、光学性能が著しく劣化し、ビームスポット径が太くなってしまい、高画質化を妨げる要因となる。中央近傍の像高においては、光束のねじれは生じにくく、ビームスポット径は像高間での偏差が大きいという現象であらわれる。このように、波面収差が生じると、周辺像高で光スポットのスポット径が大径化してしまう。この問題を解決することができないと、近年強く要請されつつある高品質な光走査を実現することができない。
さらに、走査線曲がりが大きいという問題もある。この走査線曲がりの発生量は、上述した各光ビームの副走査方向についての斜め入射角により異なり、各光ビームで描かれた潜像をそれぞれ各色のトナーにより重ね合わせて可視化した際に、色ずれとなってあらわれてしまう。
本出願人は、先に、上述したような問題を解決するための技術を、例えば、特許文献2(特開2006−72288号公報)等にて提案した。特許文献2(特開2006−72288号公報)においては、副走査方向に最も屈折力を持つ走査レンズよりも光偏向器側に、副走査方向に曲率を持たず、主走査方向に副走査方向へのティルト(チルト)偏心を変化させる面を採用して、波面収差の補正を可能としている。さらに、走査線曲りについても同様の面を被走査面側に配置される走査レンズに採用することによって補正可能としている。
この結果、斜め入射光学系特有の光学特性の劣化を良好に補正することが可能となり、従来に比べ低コスト化および小型化を達成した。
しかしながら、特許文献2(特開2006−72288号公報)で提案した方式では、走査レンズを少なくとも2枚構成とする必要がある。そして、2枚構成の走査レンズのうちの被走査面側に配置される走査レンズは、長尺で、且つ各色毎に個別に設けられるため、光偏向器から被走査面に向かう光路をレイアウトする際の設計の自由度を著しく狭めることとなってしまう。特に、小型化を狙う画像形成装置では、搭載される光走査装置の小型化(特に副走査方向の高さの低減)が強く求められるため、被走査面側の走査レンズの配置は小型化に対する大きな弊害となる。
また、特許文献2(特開2006−72288号公報)には、走査レンズを偏心配置して走査線曲がりなどを補正している実施例も示されているが、異なる斜め入射角に対応するためには個別に配置される走査レンズが必要であり、走査レンズの枚数増大によるコストアップや、個別レンズの使用により光走査装置の光学的なレイアウトにおける設計の自由度が低下し、装置の大型化に繋がるなど、大きなデメリットがある。
上述したように、特許文献2(特開2006−72288号公報)等に開示された従来の光走査装置おいて要求される課題は、次の通りである。
まず、第1の課題は、複数の光源からの光ビームに共用する少なくとも1枚の走査レンズを用いて斜め入射光学系を実現する際に生じる斜め入射光学系に特有の波面収差劣化を補正すること、すなわち、良好なビームスポット径を確保することが第1の課題である。また、第2の課題は、斜め入射光学系に特有となる走査線曲がりを補正することおよびカラー機、つまりカラー光走査装置、における色ずれを低減することとなる。さらに、走査レンズを共用レンズとすることにより走査光学系の副走査倍率が高くなり、斜め入射光学系に特有の課題となる走査線間隔のばらつきを低減することが、第3の課題となる。
したがって、光走査装置においては、低コスト化、低消費電力化および小型化に適した斜め入射方式の光走査装置であって、上述した課題を解決して、
(1)光偏向器から被走査面に至る光路レイアウトの自由度が高く、特に副走査方向において光走査装置の小型化を達成させること、
(2)斜め入射特有の光学特性の劣化を補正し、良好な光学特性を維持すること、そして
(3)光学素子の部品点数を低減し、低コスト化を実現すること、
が要求されている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、光偏向器から被走査面に至る光路レイアウトの自由度を高め、特に、副走査方向について小型化し、斜め入射特有の光学特性の劣化を抑制し、良好な光学特性を有し、そして光学素子の部品点数を低減して、低コスト化を実現することを可能とする光走査装置および画像形成装置を提供することを目的としている。
すなわち、本発明の請求項1の目的は、光路レイアウトの自由度を高め、副走査方向について小型化し、良好な光学特性を有し、そして光学素子の部品点数を低減して、低コスト化を実現することを可能とする光走査装置を提供することにある。
本発明の請求項2の目的は、特に、斜め入射光学系に特有の走査線曲がりを効果的に補正し得る光走査装置を提供することにある。
本発明の請求項3の目的は、特に、斜め入射光学系に特有の走査線曲がりと波面収差の劣化を効果的に補正し得る光走査装置を提供することにある。
本発明の請求項4の目的は、特に、斜め入射光学系に特有の走査線曲がりをさらに一層効果的に補正し得る光走査装置を提供することにある。
本発明の請求項5の目的は、特に、斜め入射光学系に特有の走査線曲がりをより一層効果的に補正し得る光走査装置を提供することにある。
本発明の請求項6の目的は、特に、走査光学系の副走査方向の倍率を低減し、副走査方向の走査線間隔変動を低減することを可能とする光走査装置を提供することにある。
本発明の請求項7の目的は、特に、斜め入射角を低減し、さらに良好な光学特性を得ることを可能とする光走査装置を提供することにある。
本発明の請求項8の目的は、特に、斜め入射角を増大させることなく、一層良好な光学特性を得ることを可能とする光走査装置を提供することにある。
本発明の請求項9の目的は、特に、部品点数を少なく、構成を簡単化して、小型化および低コスト化を達成しつつ良好な光学特性を得ることを可能とする光走査装置を提供することにある。
本発明の請求項10の目的は、特に、簡単な構成で、斜め入射光学系に特有の走査線曲がりを効果的に補正して良好な光学特性を得ることを可能とする光走査装置を提供することにある。
本発明の請求項11の目的は、特に、簡単な構成で、斜め入射光学系に特有の走査線曲がりを、効果的に補正して良好な光学特性を得ることを可能とすると共に、光学素子の部品点数を低減し、低コスト化を実現し得る光走査装置を提供することにある。
本発明の請求項12の目的は、特に、走査線曲がりと波面収差の劣化を効果的に補正し、色ずれがなく、高品位な画像再現性を確保することを可能とする画像形成装置を提供することにある。
請求項1に記載した本発明に係る光走査装置は、上述した目的を達成するために、
異なる被走査面に対応する少なくとも2個の光源を備え、
これら各光源から射出される光ビームは、
主走査方向に回転する複数の反射偏向面を有する光偏向器の反射偏向面の法線に対し副走査方向に角度を持って、前記光偏向器反射偏向面により反射偏向され、
同一の反射偏向面により反射偏向された複数の光ビームで共用される少なくとも1枚の走査レンズにより各対応する被走査面に集光される光走査装置において、
前記走査レンズの少なくとも1面は、副走査方向に並ぶ複数の屈折面を有し、
各屈折面は、副走査方向に正の屈折力を持ち、各屈折面の面頂点を、それぞれの屈折面を通過する光束に対して、前記走査レンズの副走査方向の中心側に偏心させて、配置されていることを特徴としている。
請求項2に記載した本発明に係る光走査装置は、請求項1の光走査装置であって、
前記走査レンズにおける前記副走査方向に偏心配置された前記副走査方向に並ぶ複数の屈折面から射出する光束の主光線は、
前記光偏向器の回転軸に垂直な面にほぼ平行であり、前記主走査方向の周辺に対して前記主走査方向の中心で前記副走査方向の射出角が大きいことを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係る光走査装置は、請求項1または請求項2の光走査装置であって、
前記走査レンズは、
前記副走査方向に並ぶ複数の屈折面の各々の子線頂点を連ねた複数の母線が、
それぞれ前記光偏向器の反射偏向面の法線に平行な平面内に位置することを特徴としている。
請求項4に記載した本発明に係る光走査装置は、請求項1〜請求項3のいずれか1項の光走査装置であって、
前記走査レンズは、
前記副走査方向に並ぶ複数の屈折面を有するレンズ面が1面のみであり、
その他のレンズ面の前記副走査方向の形状が平面形状であることを特徴としている。
請求項5に記載した本発明に係る光走査装置は、請求項4の光走査装置であって、
前記走査レンズにおける前記副走査方向の形状が平面形状であるレンズ面は、前記光偏向器の反射偏向面の回転軸に平行であることを特徴としている。
請求項6に記載した本発明に係る光走査装置は、請求項1〜請求項5のいずれか1項の光走査装置であって、
前記走査レンズの前記副走査方向に正の屈折力を持ち且つ前記副走査方向の中心側に偏心される屈折面は、
前記副走査方向に並ぶ複数の屈折面のうち最も被走査面に近い屈折面であることを特徴としている。
請求項7に記載した本発明に係る光走査装置は、請求項1〜請求項6のいずれか1項の光走査装置であって、
前記光偏向器の反射偏向面における各光ビームの反射位置は、
各光ビームの光軸が副走査方向に当該光偏向器の反射偏向面より光源側にて交差するように離間していることを特徴としている。
請求項8に記載した本発明に係る光走査装置は、請求項1〜請求項7のいずれか1項の光走査装置であって、
前記各光源からの光ビームは、適宜なる光学素子により前記光偏向器の反射偏向面近傍で副走査方向に結像し、
前記光学素子は、同一の前記反射偏向面に向かう複数の光ビームで共用され、且つ各光ビームが副走査方向に交差する位置に配置されることを特徴としている。
請求項9に記載した本発明に係る光走査装置は、請求項1〜請求項8のいずれか1項の光走査装置であって、
単一の光偏向器に、前記複数の光源からの光ビームを反射偏向する反射偏向面を2面有し、
各反射偏向面に対してそれぞれ請求項1〜請求項9のいずれか1項の構成を具備してなることを特徴としている。
請求項10に記載した本発明に係る光走査装置は、請求項1〜請求項9のいずれか1項の光走査装置であって、
前記走査レンズは、単一のレンズからなる1枚構成であることを特徴としている。
請求項11に記載した本発明に係る光走査装置は、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の光走査装置であって、
前記走査レンズは2枚構成であり、2枚の走査レンズは同一の反射偏向面で反射偏向される複数の光ビームで共有されることを特徴としている。
請求項12に記載した本発明に係る画像形成装置は、
電子写真プロセスによって画像を形成する画像形成装置であって、
電子写真プロセスにおける露光プロセスを実行する手段として、請求項1〜請求項11のいずれか1項の光走査装置を具備することを特徴としている。
本発明によれば、光偏向器から被走査面に至る光路レイアウトの自由度を高め、特に、副走査方向について小型化し、斜め入射特有の光学特性の劣化を抑制し、良好な光学特性を有し、そして光学素子の部品点数を低減して、低コスト化を実現することが可能となる光走査装置および画像形成装置を提供することができる。
すなわち、本発明の請求項1の光走査装置によれば、
異なる被走査面に対応する少なくとも2個の光源を備え、
これら各光源から射出される光ビームは、
主走査方向に回転する複数の反射偏向面を有する光偏向器の反射偏向面の法線に対し副走査方向に角度を持って、前記光偏向器反射偏向面により反射偏向され、
同一の反射偏向面により反射偏向された複数の光ビームで共用される少なくとも1枚の走査レンズにより各対応する被走査面に集光される光走査装置において、
前記走査レンズの少なくとも1面は、副走査方向に並ぶ複数の屈折面を有し、
各屈折面は、副走査方向に正の屈折力を持ち、各屈折面の面頂点を、それぞれの屈折面を通過する光束に対して、前記走査レンズの副走査方向の中心側に偏心させて、配置することにより、
光路レイアウトの自由度を高め、副走査方向について小型化し、良好な光学特性を有し、そして光学素子の部品点数を低減して、低コスト化を実現することが可能となる。
また、本発明の請求項2の光走査装置によれば、請求項1の光走査装置において、
前記走査レンズにおける前記副走査方向に偏心配置された前記副走査方向に並ぶ複数の屈折面から射出する光束の主光線は、
前記光偏向器の回転軸に垂直な面にほぼ平行であり、前記主走査方向の周辺に対して前記主走査方向の中心で前記副走査方向の射出角が大きいことにより、
特に、斜め入射光学系に特有の走査線曲がりを効果的に補正することができる。なお、ここで、光束の主光線とは、絞りの中心を通る光線のことを意味している。
本発明の請求項3の光走査装置によれば、請求項1または請求項2の光走査装置において、
前記走査レンズは、
前記副走査方向に並ぶ複数の屈折面の各々の子線頂点を連ねた複数の母線が、
それぞれ前記光偏向器の反射偏向面の法線に平行な平面内に位置することにより、
特に、斜め入射光学系に特有の走査線曲がりと波面収差の劣化を効果的に補正することができる。
本発明の請求項4の光走査装置によれば、請求項1〜請求項3のいずれか1項の光走査装置において、
前記走査レンズは、
前記副走査方向に並ぶ複数の屈折面を有するレンズ面が1面のみであり、
その他のレンズ面の前記副走査方向の形状が平面形状であることにより、
特に、斜め入射光学系に特有の走査線曲がりをさらに一層効果的に補正することができる。
本発明の請求項5の光走査装置によれば、請求項4の光走査装置において、
前記走査レンズにおける前記副走査方向の形状が平面形状であるレンズ面は、前記光偏向器の反射偏向面の回転軸に平行であることにより、
特に、斜め入射光学系に特有の走査線曲がりをより一層効果的に補正することができる。
本発明の請求項6の光走査装置によれば、請求項1〜請求項5のいずれか1項の光走査装置において、
前記走査レンズの前記副走査方向に正の屈折力を持ち且つ前記副走査方向の中心側に偏心される屈折面は、
前記副走査方向に並ぶ複数の屈折面のうち最も被走査面に近い屈折面であることにより、
特に、走査光学系の副走査方向の倍率を低減し、副走査方向の走査線間隔変動を低減することが可能となる。
本発明の請求項7の光走査装置によれば、請求項1〜請求項6のいずれか1項の光走査装置において、
前記光偏向器の反射偏向面における各光ビームの反射位置は、
各光ビームの光軸が副走査方向に当該光偏向器の反射偏向面より光源側にて交差するように離間していることにより、
特に、斜め入射角を低減し、さらに良好な光学特性を得ることが可能となる。
本発明の請求項8の光走査装置によれば、請求項1〜請求項7のいずれか1項の光走査装置において、
前記各光源からの光ビームは、適宜なる光学素子により前記光偏向器の反射偏向面近傍で副走査方向に結像し、
前記光学素子は、同一の前記反射偏向面に向かう複数の光ビームで共用され、且つ各光ビームが副走査方向に交差する位置に配置されることにより、
特に、斜め入射角を増大させることなく、一層良好な光学特性を得ることが可能となる。
本発明の請求項9の光走査装置によれば、請求項1〜請求項8のいずれか1項の光走査装置において、
単一の光偏向器に、前記複数の光源からの光ビームを反射偏向する反射偏向面を2面有し、
各反射偏向面に対してそれぞれ請求項1〜請求項8のいずれか1項の構成を具備することにより、
特に、部品点数を少なく、構成を簡単化して、小型化および低コスト化を達成しつつ良好な光学特性を得ることが可能となる。
本発明の請求項10の光走査装置によれば、請求項1〜請求項9のいずれか1項の光走査装置において、
前記走査レンズは、単一のレンズからなる1枚構成であることにより、
特に、簡単な構成で、斜め入射光学系に特有の走査線曲がりを効果的に補正して良好な光学特性を得ることが可能となる。
本発明の請求項11の光走査装置によれば、請求項1〜請求項9のいずれか1項の光走査装置において、
前記走査レンズは2枚構成であり、2枚の走査レンズは同一の反射偏向面で反射偏向される複数の光ビームで共有されることにより、
簡単な構成で、斜め入射光学系に特有の走査線曲がりをより効果的に補正して良好な光学特性を得ることを可能となり、特に、光学素子の部品点数を低減し、低コスト化を実現することができる。
本発明の請求項12の画像形成装置によれば、
電子写真プロセスによって画像を形成する画像形成装置であって、
電子写真プロセスにおける露光プロセスを実行する手段として、請求項1〜請求項11のいずれか1項の光走査装置を具備することにより、
特に、走査線曲がりと波面収差の劣化を効果的に補正し、色ずれがなく、高品位な画像再現性を確保することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る光走査装置の要部の主として主走査方向に係る構成を模式的に示す平面図である。 図1の光走査装置の要部の主として副走査方向に係る構成を模式的に示す側面図である。 図1の光走査装置の走査レンズの構成を説明するための図であり、(a)は、走査レンズ近傍を模式的に示す側面図、そして(b)は、走査レンズの形状を模式的に示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る光走査装置の光偏向器の概略構成を模式的に示す平面図である。 図4の光走査装置の光偏向器の反射面位置のばらつきによる副走査方向の位置変動を説明するための模式図である。 本発明の第3の実施の形態に係る光走査装置の光偏向器への斜め入射角が小さい場合の副走査方向のビーム間隔を説明するための模式図である。 本発明の第4の実施の形態に係る光走査装置の光偏向器の偏向反射面での反射位置を離間させて、斜め入射角が小さい場合にも所要の副走査方向ビーム間隔を得ることを説明するための模式図である。 本発明の第6の実施の形態に係る画像形成装置の要部の構成を模式的に示す側面断面図である。 本発明の実施例1に係る光走査装置の要部の副走査方向に係る構成を模式的に示す側面図である。 本発明の実施例1に係る光走査装置における主走査方向についての種々の像高におけるビームスポット径の偏差を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る光走査装置における副走査方向についての種々の像高におけるビームスポット径の偏差を示すグラフである。 本発明の一実施例に係る光走査装置における走査線曲がり特性を示すグラフである。 本発明の第7の実施の形態に係る光走査装置の要部の主として主走査方向に係る構成を模式的に示す平面図である。 図13の光走査装置の要部の主として副走査方向に係る構成を模式的に示す側面図である。 図13の光走査装置の走査レンズの構成を説明するための図であり、(a)は、走査レンズ近傍を模式的に示す側面図、そして(b)は、走査レンズの形状を模式的に示す斜視図である。 本発明の第8の実施の形態に係る光走査装置の光偏向器の概略構成を模式的に示す平面図である。 図16の光走査装置の光偏向器の反射面位置のばらつきによる副走査方向の位置変動を説明するための模式図である。 本発明の第9の実施の形態に係る光走査装置の光偏向器への斜め入射角が小さい場合の副走査方向のビーム間隔を説明するための模式図である。 本発明の第10の実施の形態に係る光走査装置の光偏向器の偏向反射面での反射位置を離間させて、斜め入射角が小さい場合にも所要の副走査方向ビーム間隔を得ることを説明するための模式図である。 本発明の第12の実施の形態に係る画像形成装置の要部の構成を模式的に示す側面断面図である。 本発明の実施例2に係る光走査装置における主走査方向についての種々の像高におけるビームスポット径の偏差を示すグラフである。 本発明の実施例2に係る光走査装置における副走査方向についての種々の像高におけるビームスポット径の偏差を示すグラフである。 本発明の実施例2に係る光走査装置における走査線曲がり特性を示すグラフである。
以下、本発明に係る実施の形態に基づき、図面を参照して本発明の光走査装置およびそれを用いた画像形成装置を詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態に係る光走査装置の要部の構成を示している(請求項1、請求項2、請求項3に対応する)。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光走査装置の要部の主として主走査方向に係る構成を模式的に示す平面図、そして図2は、図1の光走査装置の要部の主として副走査方向に係る構成を模式的に示す側面図である。図3は、図1の光走査装置の走査レンズの構成を説明するための図であり、図3の(a)は、走査レンズ近傍を模式的に示す側面図、そして図3の(b)は、走査レンズの形状を模式的に示す斜視図である。
図1〜図3に示す光走査装置は、光源(光源装置)11、カップリングレンズ12、シリンドリカルレンズ13、光偏向器14、走査レンズ15、光学素子16、17、感光体(被走査面)18、19および折返しミラー20、21、22を具備している。
まず、図1および図2を参照して、本発明に係る斜め入射方式の光走査装置の概略を説明する。
光源11としては、例えば半導体レーザを用いる。光源11から放射された発散性の光束は、カップリングレンズ12によって、以後の光学系に適した光束形態に変換される。カップリングレンズ12により変換された光束形態は、平行光束であることも、弱い発散性あるいは弱い集束性の光束であることもあり得る。
カップリングレンズ12からの光束は、シリンドリカルレンズ13によって、副走査方向に集光され、光偏向器14の回転駆動される反射偏向面に入射する。光偏向器14としては、例えば外周面を多角形状の反射偏向面としたポリゴンミラーを回転駆動する構成を用いる。この場合、図示のように、光源11側からの光束は、反射偏向面の法線nに対して副走査方向について傾斜角を有して入射する。反射偏向面に法線nに対して副走査方向について傾斜角を有して入射する(以下においては、傾斜角を有して入射することを「斜め入射する」という場合もある)光ビームは、所望の角度に光源11、カップリングレンズ12およびシリンドリカルレンズ13を傾斜させて配置してもよいし、適宜折返しミラーを用いて角度を持たせるようにしてもよい。また、シリンドリカルレンズ13の光軸を副走査方向にシフトすることによって、光偏向器14の反射偏向面に向かう光ビームに角度を持たせるようにしてよい。
光偏向器14の反射偏向面により反射された光束は、反射偏向面を形成するポリゴンミラーの等速回転とともに等角速度的に偏向走査され、走査レンズ15を通って、感光体18および19等の被走査面上に到達する。反射偏向された偏向光束は、走査レンズ15によって、感光体18および19等の被走査面に向けて集光される。このことによって、偏向光束は、感光体18および19等の被走査面上に光スポットを形成し、被走査面の光走査を行う。
次に、本発明の光走査装置における光学系の特徴について、タンデム型のカラー画像形成装置に用いられる光走査装置を例にとって説明する。ここでは、例えば、図2に示すように2つの被走査面に対応する光走査装置について説明する。
複数の光源11(図2には示されていない)からの各光ビームは、同一の光偏向器14の同一の反射偏向面に斜め入射される。各光ビームは、光偏向器14のポリゴンミラーの反射偏向面の法線nを挟んで、副走査方向についての両側(図2における領域Bと領域A)から反射偏向面に入射し、反射されて副走査方向についての反対側の領域(それぞれ領域Aと領域B)へ射出されている。全ての光ビームは、共通の走査レンズ15を透過後、副走査方向への折り返しミラー20および21と折り返しミラー22により分離され、光学素子16と17を透過して対応する被走査面としての感光体18と19に導かれる。
この実施の形態では、反射偏向面の法線nを挟んで、副走査方向についての片側、例えば図2における領域Aから入射され、反射偏向されて領域Bに射出される光ビームに対応する折返しミラーの枚数は奇数枚(折返しミラー22)であり、その逆側、つまり図2における領域Bから入射され、反射偏向されて領域Aに射出される光ビームに対応する折返しミラーの枚数は偶数枚(折返しミラー20、21)として配置されている(図2に示されている光ビームは光偏向器14で反射偏向された後の光ビームであり、それぞれの入射光は、図示された光ビームの副走査方向について反対側の領域から入射される)。このように折返しミラー20〜22等を配置することにより、斜め入射光学系で発生する走査線曲がりの方向を一致させることができ、重ね合わせ画像による色ずれを低減することができる。
図2に示すように、偏向手段としての光偏向器14のポリゴンミラーの反射偏向面で反射される、複数の光源11からの光ビームをポリゴンミラーの反射偏向面の法線nに角度を持つ光ビーム、すなわち副走査方向に角度を持つ光ビーム、とすることで、光偏向器14の法線nに平行な光ビームを用いた場合に対し、光走査装置を構成する部品でコスト比率の高い光偏向器の副走査方向の幅を低減することが可能となる。このように光偏向器14を小型化することによって、コストを下げるばかりでなく、消費電力や騒音を低減して、環境を考慮した光走査装置を提供することが可能となる(以下においては、光偏向器14の反射偏向面の法線nに対する角度を斜め入射角という場合もある)。
さらに、光学素子の部品点数を低減して低コスト化を実現するために、本発明に係る走査レンズ15は、光偏向器14の同一の反射偏向面により反射偏向される全ての光ビームに共用される。従来の複数の走査レンズを副走査方向に重ねて配置する構成に対し、本発明に係る走査レンズ15では、副走査方向に並ぶ複数のレンズ面を近接して配置することが可能であり、斜め入射角の低減や、走査レンズの小型化という効果を得ることができる。特に、本発明に係る構成において、斜め入射角を低減することによって、大きな効果を得ることが可能となる(詳細は後述する)。また、従来、各被走査面毎に個別に対応して配置された個別の走査レンズをなくすことによって、光走査装置の光学的なレイアウトにおける設計の自由度が増大し、装置を小型化することが可能となる。
また、斜め入射光学系においては、波面収差の劣化が生じ易いという課題がある。走査レンズ入射面の主走査方向の形状が、反射偏向面の光ビームの反射点を中心とする円弧形状でない限り、像高によって、光偏向器の反射偏向面から走査レンズ入射面までの距離が変動する。通常の場合、走査レンズを前述した形状とすることは、光学性能を維持する上で困難である。
すなわち、通常、光ビームは、光偏向器によって偏向走査され、各像高にて、主走査断面において、走査レンズの入射面に対して垂直に入射することはなく、主走査方向にある入射角を有して入射する。光偏向器により反射偏向された光ビームの光束は、主走査方向にある幅を持っており、光束内で主走査方向の両端の光ビームは、光偏向器の反射偏向面から走査レンズ入射面までの距離が異なり、(斜め入射されているため)副走査方向について角度を有していることにより、走査レンズにねじれた状態で入射することになる。この光束のねじれは、特に副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズへの入射時に波面収差を増大させる。つまり、副走査方向に強い屈折力を持つ面に光束がスキューし入射することによって、例えば主走査方向について光束内両端の光ビームの屈折は異なっており、被走査面上では各光ビームは一点に集まらず、つまり波面収差が劣化している状態になりため、ビームスポット径が劣化することとなる。
図1に示すように、走査レンズ15への主走査方向についての入射角は、一般的には周辺像高に行くほど大きくなり、光束の主走査方向両端の光ビームの副走査方向についての走査レンズ15への入射位置は大きくずれるため、光束のねじれは大きくなり、周辺に近付くほど、波面収差の劣化によるビームスポット径の増大は大きくなる。
従来の水平入射に対し、副走査方向に斜め入射させる本発明方式においては、走査線曲がりが大きくなりがちであるという課題がある。この走査線曲がりの発生量は、上述した各光ビームの副走査方向の斜め入射角により異なり、各光ビームでそれぞれ描かれた潜像を各色のトナーにより重ね合わせ可視化する際に、色ずれとなってあらわれてしまう。
例えば、上述したように、走査光学系を構成する走査レンズ、特に、副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズの主走査方向の形状が、反射偏向面の光ビームの反射点を中心とする円弧形状であれば、走査レンズにおける主走査方向の位置(像高)にかかわらず、光偏向器の反射偏向面から走査レンズ入射面までの距離がほぼ一定となり、走査に伴って距離が変動することはない。しかし、通常の場合、走査レンズをこのような形状とすることは、光学性能を維持する上で困難である。つまり、図1に示すように、通常、光ビームは、光偏向器により偏向走査され、主走査断面における各像高位置において、レンズ面に対し垂直に入射することはほとんどなく、主走査方向についてある入射角を持って入射する。
このように、斜め入射されているために副走査方向に角度を持っていることによって、光偏向器14により反射偏向された光ビームは、光偏向器14の反射偏向面から走査レンズ15の入射面までの距離が、像高(すなわち走査レンズ15における主走査方向の位置)によって異なり、走査レンズ15への副走査方向の入射高さが周辺に行くほど中心より高い位置、もしくは低い位置(副走査方向について光ビームがもつ角度の方向によって相違する)に入射される。
この結果として、副走査方向に屈折力を持つ面を通過する際に、副走査方向に受ける屈折力が変動して走査線曲がりが発生してしまう。通常の水平入射であれば、反射偏向面から走査レンズ入射面までの距離が変動しても、光ビームは走査レンズに対して水平に進行するため、走査レンズ上での副走査方向の入射位置が変動することはなく、走査線曲がりが発生することはない。
本発明に係る光走査装置は、図3に示すように、光偏向器14の同一の反射偏向面により反射偏向された全ての光ビームに共用される走査レンズ15のレンズ面の1面(本実施の形態においては、被走査面側の面)が、副走査方向に並ぶ複数の正の屈折力を持つ面を有し、副走査方向に並ぶ複数の面それぞれの子線頂点を連ねた母線は、それぞれ光偏向器14の反射偏向面の法線nに平行な平面内に位置するように配置されている。この最も被走査面側の面以外の面は、副走査方向に平坦な平面形状であり、ポリゴンスキャナ、つまり回転駆動されるポリゴンミラーを用いた光偏向器14の回転中心に平行に配置されている。つまり、走査レンズ15は、光偏向器14の反射偏向面に正立して配置されていることとなる。
一般的に、光走査装置においては、光偏向器の反射面と被走査面は共役関係にある。このため、走査レンズ15のレイアウトを本発明のようにすると、主走査方向の位置にかかわらず、副走査倍率偏差を小さくして、副走査方向の倍率をほぼ一定とすることによって、走査線曲がりを補正することが可能となる。これは、走査レンズ15の光軸から光偏向器14のポリゴンミラーの反射偏向面上の光ビーム反射点までの距離が一定(すなわち物体高が一定)であることから、像高も走査レンズ光軸から同じ距離に揃うこととなるためである。なお、この実施の形態においては、走査レンズ15の入射面の副走査方向の形状は平面であるため、射出面の式の原点の法線を光軸と定義する。この光軸は、光偏向器14の反射偏向面の法線nに平行であり、副走査方向に並ぶ面の数だけ光軸が存在することとなる。
副走査方向の倍率偏差を低減するためには、副走査方向の曲率が主走査方向に変化する面を用いることが像面湾曲補正と共に有効となる。但し、副走査方向において走査レンズの光軸から大きく外れた位置(つまり軸外)を光ビームが透過すると収差の影響が大きくなり、主走査方向の位置による像高が一定とならないため、光ビームは軸上に近い位置を通すことが望ましい。
また、カラー機、すなわちカラー画像形成装置用の光走査装置において、走査線曲がりによる色ずれは、折り返しミラーの枚数を先に述べたように最適に設定することで曲がり方向を一致させることが可能であり、色ずれを低減することができる。しかしながら、走査線曲り自体が大きく発生すると画像品質、つまり画質を劣化させることはいうまでもなく、本発明の各実施の形態によれば、良好な画質を獲得することが可能となる。
また、走査線曲がりと同時に波面収差の補正も斜め入射光学系の課題となるが、この実施の形態のように、副走査方向に並ぶ複数の面を、各面の頂点、すなわち子線頂点、がそれぞれ対応する面を通過する光束に対し、走査レンズ15の副走査方向の中心側(光軸と対応する光ビームの光偏向器反射偏向面上の反射点とが副走査方向で近づく方向)に偏心するようにさせることで補正可能となる。
斜め入射光学系における波面収差の劣化の大きい周辺像高に向かう光ビームの主光線が、走査レンズから射出した後に光偏向器の反射偏向面の法線に対してほぼ平行になるようにレンズ面を副走査方向にシフト偏心させることによって、コマ収差が補正され波面収差は良好に補正されることとなる。ここで光ビーム(光束)の主光線とは、絞り等により規制される光路の中心を通る光線のことを意味している。この場合のシフト偏心は、同面に対応する光ビームが交差する点に対し、走査レンズの副走査方向の中心側に偏心させることであり、走査レンズから射出した後に周辺像高に向かう光ビームの主光線が、光偏向器の反射偏向面の法線に対しほぼ平行になるようにすることができる。
このとき、主走査方向の光軸近傍を透過する光ビームは、レンズ面を射出した後に副走査方向に角度を持つこととなるが、もともと光束のスキューによる波面収差の発生は小さく光学特性上の問題は発生しない。また、このシフト量は斜め入射角が小さいほど小さくなり、またレンズ面をシフト偏心しても斜め入射角が5度(deg)以下程度に設定されれば、光軸近傍を光ビームが通過し、先に説明した走査線曲りの補正への影響は小さい。このため、斜め入射光学系特有の課題となる波面収差の劣化および走査線曲がりの発生を同時に解決することが可能となる。実際の設計例は、後に数値実施例として詳述するが、波面収差が補正されることによって、良好なビームスポット径が得られ、且つ、走査線曲がりも5μm程度と小さく抑えた結果が得られている。
本発明に係るこの実施の形態においては、走査レンズ15に副走査方向に並んで配置される複数のレンズ面(つまり屈折面)を用いている。被走査面に結像させる機能を持たせるためには、レンズ面を単一の面とし、複数の光ビームで共用させるようにしてもよい。しかしながら、先に説明したように、走査レンズ15に入射する光ビームの斜め入射角に応じてレンズ面を副走査方向にシフト偏心させて波面収差を補正するためには、複数の光ビームを共有する走査レンズ15においては、各光ビーム毎に子線頂点の位置を副走査方向に変化させる必要がある。このため、各光ビームに対応した複数のレンズ面を持つ必要が生じる。また、各光ビームは、正の屈折力を持つレンズ面の子線頂点近傍を透過させることが可能であり、副走査方向の軸外(つまり、子線頂点から副走査方向に大きく離れた位置)を通すことがないため、収差の影響も少なく走査線曲がりも良好に補正することが可能となる。
〔第2の実施の形態〕
次に、上述した本発明の第1の実施の形態と基本的に同様の構成を有する本発明の第2の実施の形態に係る光走査装置について説明する(請求項6に対応する)。
本発明に係る光走査装置の構成は、光偏向器から被走査面に至る光学的なレイアウトの自由度が高く、特に副走査方向において光走査装置の小型化を達成するために、共用の走査レンズは光偏向器の近くに配置されている。
斜め入射光学系においては、光偏向器14のポリゴンミラーの反射偏向面毎に発生する副走査方向の走査線間隔の変動の増大という課題が発生する。
図4に示す光偏向器14のポリゴンミラーにおいて、回転中心0と複数の平面状のミラー面からなる反射偏向面のうちの1つのミラー面を結ぶ垂線の長さを寸法Aと定義する。反射偏向面の各ミラー面における寸法Aのばらつきによって、図5に示すように、物点位置、すなわち反射点位置、が副走査方向に変化し、被走査面においても副走査方向に結像点が変化してしまう。斜め入射光学系でない通常の走査光学系においては、寸法Aがばらついても反射点位置は、副走査方向に変化しないため、被走査面上の結像点も変化しない。
また、本発明の光学系は、レイアウト性の向上、小型化および低コスト化を狙っており、先に述べた通り倍率が高い。このため、反射点の副走査方向についての位置ずれは、被走査面において拡大されてしまう。つまり、このような反射点の副走査方向についての位置ずれは、斜め入射光学系、特に走査光学系の副走査方向の倍率が高い斜め入射光学系特有の問題ということができる。このばらつきが、例えば反射偏向面を6面持つポリゴンミラーを用いるポリゴンスキャナとしての光偏向器においては、6ライン周期で副走査方向の走査線の変動が発生し、形成される画像の画質を著しく低下させてしまう。
特に、走査レンズの枚数の削減や、光走査装置の小型化に向けて、走査レンズを光偏向器の近傍に配置する場合には、共役関係にある光偏向器反射偏向面近傍と被走査面との間の走査光学系の(副走査方向についての)倍率は高くなる。斜め入射光学系において、走査光学系の副走査倍率が高いと、通常の光学系における光学素子の形状誤差および組付け誤差による被走査面上での結像位置変動が大きくなるという問題に加えて、ポリゴンミラーの面毎に発生する前述の副走査方向の走査線間隔の変動が増大するという問題が発生する。
そこで、この実施の形態に係る本発明の光走査装置の光学系は、走査レンズの副走査方向に正の屈折力を持ち、且つ、副走査方向に偏心された面は、最も被走査面に近いレンズ面としている。このようにした結果、走査光学系の副走査方向の倍率を低減することが可能となり、ポリゴンミラーの面毎に発生する副走査方向の走査線間隔変動を低減することができる。
また、倍率のより一層の低減を狙うためには、走査レンズを光偏向器から離して配置する方法があるが、光偏向器から被走査面に至る光路長を固定した場合、画角が増大して光学特性の維持が困難となる。また、画角を大きくしない場合は、光路長を伸ばす必要が生じ光走査装置は大型化してしまう。
このような問題を生じさせない範囲で、走査光学系の副走査方向の倍率を限界まで下げるために、この実施の形態の構成のように、副走査方向に正の屈折力を持つレンズ面を最も被走査面側に配置することが望ましい。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態に係る光走査装置について説明する(請求項4、請求項5に対応する)。この本発明の第3の実施の形態に係る光走査装置においても、基本的な構成は、上述した第1および第2の実施の形態の光走査装置とおおむね同様である。
光偏向器14のポリゴンミラーの面毎に発生する副走査方向の走査線間隔の変動の増大という問題を解決するための別の方法として、斜め入射角を低減する方法がある。
斜め入射角を低減すると、ポリゴンスキャナとしての光偏向器14の寸法Aのばらつきによる副走査方向での物点(反射点)の位置ずれは小さくなる。つまり、光偏向器14のポリゴンミラーの反射偏向面毎に発生する副走査方向の走査線間隔の変動を低減することが可能である。
しかしながら、斜め入射角が小さいと、図6に示すように、走査レンズ15の透過後の複数の光ビームをそれぞれ対応する被走査面としての感光体18、19等に導くための分離が困難となってしまう。具体的には、各光ビームを分離するための折返しミラーを配置することが可能な光ビーム間隔を得るためには、斜め入射角が大きいほど、光偏向器14に近い位置に折返しミラーを配置して各光ビームを分離することが可能となり、光走査装置の小型化に有利となる。斜め入射角が小さいと、光ビーム間の間隔を確保できず、折り返しミラーを光偏向器14の近傍に配置することができないという新たな問題を生じてしまう。
本発明に係る走査レンズ15は、最も被走査面側のレンズ面を正の屈折力を持つ凸面として副走査方向に並べて配置し、その他の面は副走査方向についての形状を平面形状としている。副走査方向に並べて配置される凸面のレンズ面は、それぞれの光ビームに対応する上段および下段のレンズ面(形状は同一であってもよい)が独立しているため、各光ビームの主光線の副走査方向の間隔は一定量だけ離す必要が生じる。各光ビームは、互いに副走査方向に離間するように所要の斜め入射角を持つため、これらの副走査方向の間隔は被走査面に近づくほど広くなる。すなわち、本発明に係る走査レンズ15のように、被走査面に最も近いレンズ面を副走査方向に凸面が並ぶレンズ面とし、その他の光偏向器14側のレンズ面を副走査方向について平面形状として、全ての光ビームに共通なレンズ面とすることによって、斜め入射角を低減することが可能となる。走査レンズ15の副走査方向に平面形状とした面は、複数の光ビームに共通であるため、光ビームの主光線の副走査方向の間隔を一定量離す必要は生じない。
また、各光ビームに共通の面として副走査方向を平面形状とする場合、当該面は光偏向器14(ポリゴンスキャナ)のポリゴンミラーの回転軸に平行で、且つ光偏向器14の反射偏向面の法線nが直交する配置であることが望ましい。副走査方向にティルト偏心していると主走査方向について副走査方向の倍率を合わせることが困難になり、走査線曲がりが増大してしまう。
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態に係る光走査装置について説明する(請求項8、請求項9に対応する)。この本発明の第4の実施の形態に係る光走査装置においても、基本的な構成は、上述した第1〜第3の実施の形態の光走査装置とおおむね同様である。
すなわち、更に斜め入射角を低減するための本発明の第4の実施の形態として、各光源からの光ビームの光偏向器14の反射偏向面における反射位置、つまり反射点は、各光ビームが、副走査方向について、光偏向器14よりも光源側で交差するように離間していることが望ましい。
本発明に係る走査レンズ15においては、レンズ面を副走査方向に並べて配置して一体的に成形する共用レンズとすることによって、走査レンズ15を透過する光ビームの副走査方向の間隔を近接させることを実現している。各光ビームは、光学素子の加工誤差および組付け誤差等によって、走査レンズ15における透過位置が副走査方向に変化するため、レンズ面に光線が透過する領域を持たせる必要がある。この結果、各光ビームの走査レンズ上での副走査方向の間隔にも限界があり、走査レンズ15を光偏向器14に近づけて小型化したり、光走査装置の小型化に向けて光学的なレイアウトの自由度を広げたりしようとした場合には、斜め入射角が大きくなる。
もちろん、従来の走査レンズを副走査方向に重ねて配置する場合に比して、斜め入射角低減の効果は充分に得られるが、光偏向器14に近づけて走査レンズ15を配置し、先に説明した光学特性をより向上しようとした場合には、さらなる斜め入射角の低減が望まれることとなる。
図7に示すように、各光ビームは、光偏向器14のポリゴンミラーの反射面、つまり反射偏向面、において副走査方向に交差させず、この実施の形態では、各光源11からの光ビームの光偏向器14の反射偏向面での反射位置を、各光ビームが光偏向器14の反射偏向面よりも光源側において副走査方向に交差するように、離間させる。このようにした結果、それぞれ対応する被走査面に分離させるための副走査方向の光束間隔を保ちつつ、斜め入射角を(図7における破線で示す斜め入射角から実線で示す斜め入射角へ)低減することが可能となる。但し、光偏向器14のポリゴンミラーの反射偏向面の副走査方向の厚さを増大させることは、コスト的にも好ましくなく、光偏向器14の消費電力および騒音等の点で課題も増大するため、その厚みは一般的な3mm〜4mm程度に抑えておくことが望ましい。光偏向器の反射偏向面の法線に平行な水平な光ビームを用い、走査レンズを副走査方向に重ねて配置した構成の場合、光偏向器のポリゴンミラーの反射偏向面の副走査方向の厚みは8mm〜10mm程度になることが多く、本発明のこの実施の形態のようにして、反射偏向面の厚みを若干大きくしても、コスト的にも負担は少なく、光偏向器14の消費電力および騒音等を低減する効果は、充分に得られる。
従来、光学的なレイアウトより、斜め入射角は、3度〜5度(deg)程度に設定されることが多いが、この実施の形態においては、斜め入射角を1度(deg)程度とすることができ、安定した光学特性を確保することが可能となる。このことについては、後に説明する一実施例において具体的な結果を示している。
光偏向器14のポリゴンミラーの反射偏向面毎に発生する副走査方向の走査線間隔の変動は、光偏向器14の複数の反射偏向面による副走査方向の反射位置ずれを△Sとし(図5参照)、走査レンズ15の倍率をβとしたとき、
△S×β<5μm
を満足するように、光偏向器14に入射する光ビームの反射偏向面の法線nに対する副走査方向の角度を設定することが望ましい。これ以上の変動が生じると、画像上で濃度むらなどとしてあらわれ画質が大きく劣化する。
先に説明した走査光学系の副走査方向の倍率βの低減と、上述した斜め入射角の低減との組合せを最適に行うことによって、光偏向器14の副走査方向の厚みを抑え、且つ走査レンズ15を光偏向器14に近づけて光学的なレイアウトの自由度を維持し、良好な光学特性と光走査装置の小型化を達成しながら、ポリゴンミラーの反射偏向面毎に発生する副走査方向の走査線間隔の変動を低減することが可能となる。
さらに、各光源11からの光ビームは、シリンドリカルレンズ13等の光学素子により光偏向器14の反射偏向面近傍で副走査方向について結像されるが、該光学素子は、同一の反射偏向面に向かう複数の光ビームで共用され、且つ各光ビームが副走査方向に交差する位置に配置されていることが望ましい。本発明では、斜め入射角を小さく設定するため、光源11から光偏向器14に至る光学系で、光偏向器14の反射偏向面近傍に副走査方向に光ビームを絞る機能を持つ光学素子、例えばシリンドリカルレンズ13の配置に課題が生じる。つまり、各光源にそれぞれ対応して個々にシリンドリカルレンズを配置するためには、斜め入射角を大きく設定する必要が生じる。
そこで、本発明に係るこの実施の形態においては、例えばシリンドリカルレンズ13のような光学素子を、同一の反射偏向面に向かう複数の光ビームで共用し、且つこれらの各光ビームが副走査方向について交差する位置に配置している。この結果、斜め入射角を大きく変えることなく、各光ビームを反射偏向面近傍で副走査方向に結像させることが可能となる。なお、2つの光源11を主走査方向に離間させ、先に述べたシリンドリカルレンズ13等の光学素子を各光ビームにそれぞれ対応させて配置することも可能である。この場合は、走査レンズ15の副走査方向に並ぶレンズ面の形状を異ならせることによって良好な光学特性を得ることが可能である。但し、部品の集約化およびレンズ面の共通化というメリットを得るためには、この実施の形態に係る構成を実施することが望ましい。
また、光源11から射出される発散光を所望の光束状態にカップリングするカップリングレンズ12の干渉を避けるため、複数の光源11を主走査方向に離間し、シリンドリカルレンズ13等の光学素子を共通化するようにしてもよいことはいうまでもない。この場合、光偏向器14の反射偏向面近傍で主走査方向に各光ビームを交差させることが望ましい。光源11の離間距離が小さければ、走査レンズ15の副走査方向に並ぶレンズ面はほぼ共通の形状としてもよい。
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明の第5の実施の形態に係る光走査装置について説明する(請求項10に対応する)。この本発明の第5の実施の形態に係る光走査装置においても、基本的な構成は、上述した第1〜第4の実施の形態の光走査装置とおおむね同様である。
上述した第1〜第4の実施の形態においては、2つの被走査面に対応する光走査装置14を例にとって説明してきた。これらの実施の形態をフルカラー用の4つの被走査面に対応させる場合には、上述した光走査装置を2つ並べることで達成することが可能となる。また、光走査装置の中で比較的コストの高い光偏向器14を共通使用し、対向する異なる反射偏向面に対して本発明に係る光走査装置を配置構成するようにしてもよい。この場合には、全ての光ビームの斜め入射角を同一にすることによって、共通の走査レンズ15を使用することが可能となり、従来4〜8枚用いていた走査レンズ15を2枚に低減しつつ、良好な光学特性を得ることが可能となり、小型化および低コスト化を達成することが可能となる。
〔第6の実施の形態〕
次に、本発明の第6の実施の形態に係る画像形成について説明する(請求項11に対応する)。この本発明の第6の実施の形態に係る画像形成装置においては、上述した第1〜第5の実施の形態の光走査装置を用いて画像形成装置を構成している。
すなわち、本発明に係る第6の実施の形態は、上述した第1〜第5の実施の形態に係る光走査装置を適用した画像形成装置であり、この第6の実施の形態に係る画像形成装置を、図8を参照しながら説明する。
図8は、本発明の第6の実施の形態に係る画像形成装置としてのタンデム型フルカラーレーザプリンタの要部の側面断面の構成を模式的に示している。
図8に示すタンデム型フルカラーレーザプリンタは、光走査装置100、感光体107(イエロー用感光体107Y、マゼンタ用感光体107M、シアン用感光体107C、ブラック用感光体107K)、帯電チャージャ108(イエロー用帯電チャージャ108Y、マゼンタ用帯電チャージャ108M、シアン用帯電チャージャ108C、ブラック用帯電チャージャ108K)、現像装置110(イエロー用現像装置110Y、マゼンタ用現像装置110M、シアン用現像装置110C、ブラック用現像装置110K)、転写チャージャ111(イエロー用転写チャージャ111Y、マゼンタ用転写チャージャ111M、シアン用転写チャージャ111C、ブラック用転写チャージャ111K)、クリーニング装置112(イエロー用クリーニング装置112Y、マゼンタ用クリーニング装置112M、シアン用クリーニング装置112C、ブラック用クリーニング装置112K)、給紙カセット113、ピックアップローラ114、給紙ローラ115、レジストローラ116、搬送ベルト117、ベルトプーリ118、119、ベルト帯電チャージャ120、ベルト分離チャージャ121、ベルト除電チャージャ122、ベルトクリーニング装置123、定着装置124、排紙ローラ125および排紙トレイ126を具備している。
光走査装置100は、光偏向器101、走査レンズ102(102A、102B)、折返しミラー103(103Y、103Ma、103Mb、103Ca、103Cb、103K)および光学素子104(104Y、104M、104C、104K)を備えている。
図8において、画像形成装置であるタンデム型フルカラーレーザプリンタの装置内の下部側には、ほぼ水平方向に配設された給紙カセット113から、ピックアップローラ114によって取り出され、給紙ローラ115を介して給紙される転写紙Sを搬送するエンドレスループ状の搬送ベルト117が、少なくとも一方が回転駆動される一対のベルトプーリ118とベルトプーリ119との間に張設されて設けられている。この搬送ベルト117上には、イエロー用感光体107Y、マゼンタ用感光体107M、シアン用感光体107Cおよびブラック用感光体107Kが、転写紙Sの搬送方向に沿って搬送路の上流側から順に等間隔で配設されている。なお、ここでは、参照符号に対して、適宜、添字Y、M、CおよびKを付して、イエローY、マゼンタM、シアンCおよびブラックKを区別している。これら感光体107Y、107M、107Cおよび107Kは、全て同一径に形成された円筒状の感光体ドラムであり、その周囲には、電子写真プロセスにしたがって各プロセスを実行するプロセス装置が順に配設されている。すなわち、イエロー用感光体107Yを例にとれば、その周囲にイエロー用の帯電チャージャ108Y、光走査装置100の光学素子104Y等のビーム射出光学系、現像装置110Y、転写チャージャ111Yおよびクリーニング装置112Y等が、順次配設されている。他の色の感光体107、つまりマゼンタ用感光体107M、シアン用感光体107C、そしてブラック用感光体107Kについてもほぼ同様に構成されている。
すなわち、この実施の形態は、イエロー用感光体107Y、マゼンタ用感光体107M、シアン用感光体107Cおよびブラック用感光体107Kの外周表面を各色毎に設定された被走査面または被照射面とするものであり、各色の感光体107Y、107M、107Cおよび107Kに対して光走査装置100により対応する光ビームが結像される。
光走査装置100は、対向走査方式として構成しており、(第1〜第5の実施の形態における光偏向器14に対応する)光偏向器は、単一の光偏向器101を用い、(第1〜第5の実施の形態における走査レンズ15に対応する)走査レンズ102は、イエローYおよびマゼンタMで共有する走査レンズ102Aと、シアンCおよびブラックKで共有する走査レンズ102Bとで構成し、(第1〜第5の実施の形態における折返しミラー20〜22に対応する)折返しミラー103は、イエローY用の折返しミラー103Yと、マゼンタM用の折返しミラー103Maおよび103Mbと、シアンC用の折返しミラー103Caおよび103Cbと、ブラックK用の折返しミラー103Kとで構成し、そして(第1〜第5の実施の形態における光学素子16および17に対応する)光学素子104は、イエローY用の光学素子104Yと、マゼンタM用の光学素子104Mと、シアンC用の光学素子104Cと、ブラックK用の光学素子104Kとで構成している。
また、搬送ベルト117の周囲には、イエローY用感光体107Yよりも搬送ベルト117による転写紙Sの搬送方向の上流側に位置させてレジストローラ116およびベルト帯電チャージャ120が設けられ、ブラック用感光体107Kよりも搬送ベルト117による転写紙Sの搬送方向の下流側に位置させて、ベルト分離チャージャ121、除電チャージャ122およびクリーニング装置123等が、搬送ベルト117の移動路に沿って、順次設けられている。そして、ベルト分離チャージャ121により搬送ベルト117から分離されて搬送される転写紙Sの搬送路のベルト分離チャージャ121よりも下流側には、定着装置124が設けられ、さらに排紙ローラ125および排紙トレイ126が配置されている。
このような構成において、例えば、フルカラーモード(複数色モード)時であれば、各感光体107Y、107M、107Cおよび107Kに対して、イエローY、マゼンタM、シアンCおよびブラックKの各色用の画像信号に基づき、光走査装置100のイエローY、マゼンタM、シアンCおよびブラックKの各色の光ビームの光走査によって、各感光体107Y、107M、107Cおよび107Kの表面に、イエローY、マゼンタM、シアンCおよびブラックKの各色の信号に対応する静電潜像が形成される。これら静電潜像は、各対応する現像装置110Y、110M、110Cおよび110Kにおいて色トナーにより現像されてトナー像となり、搬送ベルト117上に静電的に吸着されて搬送される転写紙S上に順次転写されることによって重ね合わせられ、転写紙S上にフルカラー画像が形成される。このフルカラー画像は、定着装置124によって転写紙Sに定着された後、排紙ローラ125によって排紙トレイ126に排出される。
このような画像形成装置としてのフルカラーレーザプリンタの光走査装置100における走査光学系を、上述した第1〜第5の実施形態に係る光走査装置として構成することによって、走査線曲がりと波面収差の劣化を有効に補正し、色ずれがなく、高品位な画像再現性を確保し得る画像形成装置とすることができる。
上述した走査レンズにおける副走査方向に並ぶ複数の屈折面は、各々異なる被走査面に対応する光ビーム毎のレンズ面を意味するものであり、単一の形状式であらわした1つの面としても本発明の範囲に含まれることはいうまでもない。
次に、上述した本発明の第1〜第5の実施の形態に基づく、具体的な実施例を詳細に説明する。以下に述べる実施例1は、本発明に係る光走査装置の具体的数値例による具体的構成の実施例である。
本発明の実施例1を、走査レンズの配置や形状を具体的な数値を示して説明する。
図1〜図3に示す構成における光源11から射出された光ビーム(波長:659nm)は、カップリングレンズ12(焦点距離:27mm)によりほぼ平行光束に変換され、副走査方向にのみ屈折力を持つシリンドリカルレンズ13により光偏向器14(内接円半径:7mm、反射面4面)の反射偏向面近傍に副走査方向のみ集光する。この場合、光偏向器14の内接円半径が7mmということは、上述における寸法Aが7mmということである。このとき、副走査方向にのみ屈折力を持つシリンドリカルレンズ13は、副走査方向についてのみ温度変動による結像位置変化を補正する回折面を持つ樹脂製(659nmの屈折率:1.5271)のレンズである(ちなみに、カップリングレンズ12は、ガラス製で659nmの屈折率:1.6894)。このレンズは、走査レンズ15の副走査方向の倍率が高いため温度変動を補正し安定した光学性能を得るために配置されている。
光源11からの光ビームは、光偏向器14の反射偏向面の法線nに対し1度(deg)の角度を有する(すなわち、斜め入射角:1度)。反射偏向面には、異なる被走査面に対応する2つの光ビームが、±1度で光偏向器14の反射偏向面に斜め入射している。カップリングレンズ12および副走査方向にのみ屈折力を持つシリンドリカルレンズ13の構成は、各光ビームについて共通である。また、各光ビームは、主走査方向については、被走査面の法線に対し68度の角度を有し光偏向器14の反射偏向面に入射している。
光偏向器14から被走査面までの走査レンズ15の配置は、光偏向器の回転中心から走査レンズ15の入射面までの距離が40.9mm、走査レンズの肉厚は14mm、光偏向器14の回転中心から被走査面までの距離が210mmであり、被走査面から90mm光偏向器側には、肉厚1.9mmの主走査方向および副走査方向について共に屈折力を持たない光学素子16および17が配置されている。走査レンズ15の屈折率は、波長659nmで1.5271である。
この実施例に示しているのは、2つの異なる被走査面に向かう光ビームに対応する光学系であり、走査レンズ15は、1枚構成で各光ビームで共有される。走査レンズ15の入射面は、副走査方向に曲率を持たない平面形状である。射出面は、副走査方向に正の屈折力を持つ2つのレンズ面が並んで配置される。2つのレンズ面の形状は、同一の形状でありその詳細は後述する。
さらに、異なる被走査面に向かう光ビームは±1度の斜め入射角で光偏向器14の反射偏向面に、後述する対称面に対して対称に入射される。光偏向器14の反射偏向面上での各光ビームの副走査方向の反射点の間隔は、約2.5mmである。そして、光偏向器14の反射偏向面の副走査方向の厚みは、4mmである。
光偏向器14の反射偏向面上での2つの光ビームの反射点の中点と反射偏向面の法線を含む主走査平面を対称面として、前述した走査レンズ射出面の副走査方向に並ぶ複数のレンズ面は副走査方向に対称に配置される。また、各レンズ面の子線頂点(基準軸)は、約2.03mmだけ対称面側(走査レンズ15の副走査方向の中心側)にシフトされ配置されている。これは、各レンズ面に対応する光ビームのレンズ面との交点に対し、走査レンズの副走査方向中心側にシフト偏心されて配置されていることとなる(主走査方向中心近傍で約0.5mm)。
次に、走査レンズ15のレンズ面の形状を表1に示している。表1に示すこの実施例のレンズの形状は、光偏向器14で反射された光ビームが走査レンズ15の下段を透過した時の例を示している。この場合、入射面(15a)は、副走査方向に曲率を持たない平面形状である。
Figure 2012098717
射出面15bは、副走査方向の曲率が主走査方向に変化する面で、その形状を示す式は、次に示す通りである。
主走査方向に平行な断面である主走査断面内の近軸曲率半径をRY、基準軸から主走査方向の距離をY、高次係数をA、B、C、D…とし、主走査断面に直交する副走査断面内の近軸曲率半径をRZとする。
Figure 2012098717
但し、
Cm=1/RY、
Cs(Y)=(1/RZ)+aY+bY+cY+dY+eY+fY+gY+hY+iY+jY10

ここで、各面の基準軸とは、式の原点の法線と定義する(上述した対称面に平行)。
走査レンズ15と被走査面との間に配置される主走査方向および副走査方向ともに屈折力を持たない光学素子16、17は、走査レンズ15の基準軸に対し、図9に示すように入射光に対して副走査方向に14度だけティルト偏心させて配置している(図9においては、光偏向器14に入射する光学系および被走査面に折り返す折返しミラーは省略している。光ビームは、図における奥側から手前に向かって、光偏向器14に入射する)。
この実施例の光学系においては、図10および図11に示すように、ビームスポット径は、像高間での偏差もなく良好な結果を得ている。図10および図11のグラフは、9つの像高(像高:±110、±90、±60、±30、0)について、それぞれ主走査方向および副走査方向についてのビームスポット径を示している。つまり、波面収差は良好に補正されていることとなる。この実施例においては、カップリングレンズ12と副走査方向にのみ屈折力を持つシリンドリカルレンズ13との間に、主走査方向2.3mm×副走査方向2.1mmの矩形絞りを設けることによって、前述のようなビームスポット径を得ている。
さらに、走査線曲がりは、図12に示すように、約5μmと小さく補正されている。走査線曲がりとは、被走査面上での副走査方向の走査位置のPV値(Peak−Valley値)とする。
この実施例に係る光学系を光偏向器14としてのポリゴンスキャナの対向する方向にそれぞれ配置することによって、異なる4つの被走査面に対応可能となる。イエローY、マゼンタM、シアンCおよびブラックKの4色に対応したフルカラー機の光走査装置に適用する場合には、このような形態をとればよい。
続いて、本発明の第7の実施の形態〜第12の実施の形態および実施例2に係る図23を用いて光走査装置並びに画像形成装置について、図13〜図23を用いて詳細に説明する。
〔第7の実施の形態〕
図13〜図16は、本発明の第7の実施の形態に係る光走査装置の要部の構成を示している(請求項1、請求項2、請求項3に対応する)。図13は、本発明の第7の実施の形態に係る光走査装置の要部の主として主走査方向に係る構成を模式的に示す平面図、そして図14は、図13の光走査装置の要部の主として副走査方向に係る構成を模式的に示す側面図である。図15は、図13の光走査装置の走査レンズの構成を説明するための図であり、図15の(a)は、走査レンズ近傍を模式的に示す側面図、そして図15の(b)は、走査レンズの形状を模式的に示す斜視図である。
図13〜図15に示す光走査装置は、光源(光源装置)41、カップリングレンズ42、シリンドリカルレンズ43、光偏向器44、走査レンズ45,46、光学素子47,48、感光体(被走査面)49,50および折返しミラー51,52,53を具備している。
まず、図13および図14を参照して、本発明に係る斜め入射方式の光走査装置の概略を説明する。
光源41としては、例えば半導体レーザを用いる。光源41から放射された発散性の光束は、カップリングレンズ42によって、以後の光学系に適した光束形態に変換される。カップリングレンズ42により変換された光束形態は、平行光束であることも、弱い発散性あるいは弱い集束性の光束であることもあり得る。
カップリングレンズ42からの光束は、シリンドリカルレンズ43によって、副走査方向に集光され、光偏向器44の回転駆動される反射偏向面に入射する。光偏向器44としては、例えば外周面を多角形状の反射偏向面としたポリゴンミラーを回転駆動する構成を用いる。この場合、図示のように、光源41側からの光束は、反射偏向面の法線nに対して副走査方向について傾斜角を有して入射する。反射偏向面に法線nに対して副走査方向について傾斜角を有して入射する(以下においては、傾斜角を有して入射することを「斜め入射する」という場合もある)光ビームは、所望の角度に光源41、カップリングレンズ42およびシリンドリカルレンズ43を傾斜させて配置してもよいし、適宜折返しミラーを用いて角度を持たせるようにしてもよい。また、シリンドリカルレンズ43の光軸を副走査方向にシフトすることによって、光偏向器44の反射偏向面に向かう光ビームに角度を持たせるようにしてよい。
光偏向器44の反射偏向面により反射された光束は、反射偏向面を形成するポリゴンミラーの等速回転とともに等角速度的に偏向走査され、2枚構成の走査レンズ45,46を通って、感光体49および50等の被走査面上に到達する。反射偏向された偏向光束は、2枚の走査レンズ45および46によって、感光体49および50等の被走査面に向けて集光される。このことによって、偏向光束は、感光体49および50等の被走査面上に光スポットを形成し、被走査面の光走査を行う。
次に、本発明の光走査装置における光学系の特徴について、タンデム型のカラー画像形成装置に用いられる光走査装置を例にとって説明する。ここでは、例えば、図14に示すように2つの被走査面に対応する光走査装置について説明する。
複数の光源41(図14には示されていない)からの各光ビームは、同一の光偏向器44の同一の反射偏向面に斜め入射される。各光ビームは、光偏向器44のポリゴンミラーの反射偏向面の法線nを挟んで、副走査方向についての両側(図14における領域Bと領域A)から反射偏向面に入射し、反射されて副走査方向についての反対側の領域(それぞれ領域Aと領域B)へ射出されている。全ての光ビームは、共通の2枚の走査レンズ45,46を透過後、副走査方向への折り返しミラー51と折り返しミラー52および53により分離され、光学素子47と48を透過して対応する被走査面としての感光体49と50に導かれる。
この第7の実施の形態では、反射偏向面の法線nを挟んで、副走査方向についての片側、例えば図14における領域Aから入射され、反射偏向されて領域Bに射出される光ビームに対応する折返しミラーの枚数は奇数枚(折返しミラー51)であり、その逆側、つまり図14における領域Bから入射され、反射偏向されて領域Aに射出され、さらに領域Aに射出される光ビームに対応する折返しミラーの枚数は偶数枚(折返しミラー52,53)として配置されている(図14に示されている光ビームは光偏向器44で反射偏向された後の光ビームであり、それぞれの入射光は、図示された光ビームの副走査方向について反対側の領域から入射される)。このように折返しミラー51〜53等を配置することにより、斜め入射光学系で発生する走査線曲がりの方向を一致させることができ、重ね合わせ画像による色ずれを低減することができる。
図14に示すように、偏向手段としての光偏向器44のポリゴンミラーの反射偏向面で反射される、複数の光源41からの光ビームをポリゴンミラーの反射偏向面の法線nに角度を持つ光ビーム、すなわち副走査方向に角度を持つ光ビーム、とすることで、光偏向器44の法線nに平行な光ビームを用いた場合に対し、光走査装置を構成する部品でコスト比率の高い光偏向器44の副走査方向の幅を低減することが可能となる。このように光偏向器44を小型化することによって、コストを下げるばかりでなく、消費電力や騒音を低減して、環境を考慮した光走査装置を提供することが可能となる(以下においては、光偏向器44の反射偏向面の法線nに対する角度を斜め入射角という場合もある)。
また、第7の実施の形態における走査レンズ45,46は、ポリゴンミラー44の同一の偏向反射面により偏向反射される全ての光ビーム54,55で共有される。このような構成とすることにより、光学素子の部品点数を低減し低コスト化を実現することができる。
さらに、光学素子の部品点数を低減して低コスト化を実現するために、本発明に係る走査レンズ45および46は、光偏向器44の同一の反射偏向面により反射偏向される全ての光ビームに共用される。従来の複数の走査レンズを副走査方向に重ねて配置する構成に対し、本実施の形態に係る走査レンズ45,46では、副走査方向に並ぶ複数のレンズ面を近接して配置することが可能であり、斜め入射角の低減や、走査レンズの小型化という効果を得ることができる。特に、本実施の形態に係る構成において、斜め入射角を低減することによって、大きな効果を得ることが可能となる(詳細は後述する)。また、従来、各被走査面毎に個別に対応して配置された個別の走査レンズをなくすことによって、光走査装置の光学的なレイアウトにおける設計の自由度が増大し、装置を小型化することが可能となる。
また、斜め入射光学系においては、波面収差の劣化が生じ易いという課題がある。走査レンズ入射面の主走査方向の形状が、反射偏向面の光ビームの反射点を中心とする円弧形状でない限り、像高によって、光偏向器の反射偏向面から走査レンズ入射面までの距離が変動する。通常の場合、走査レンズを前述した形状とすることは、光学性能を維持する上で困難である。
すなわち、通常、光ビームは、光偏向器によって偏向走査され、各像高にて、主走査断面において、走査レンズの入射面に対して垂直に入射することはなく、主走査方向にある入射角を有して入射する。光偏向器により反射偏向された光ビームの光束は、主走査方向にある幅を持っており、光束内で主走査方向の両端の光ビームは、光偏向器の反射偏向面から走査レンズ入射面までの距離が異なり、(斜め入射されているため)副走査方向について角度を有していることにより、走査レンズにねじれた状態で入射することになる。この光束のねじれは、特に副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズへの入射時に波面収差を増大させる。つまり、副走査方向に強い屈折力を持つ面に光束がスキューし入射することによって、例えば主走査方向について光束内両端の光ビームの屈折は異なっており、被走査面上では各光ビームは一点に集まらず、つまり波面収差が劣化している状態になるため、ビームスポット径が劣化することとなる。
図13に示すように、走査レンズ45,46への主走査方向についての入射角は、一般的には周辺像高に行くほど大きくなり、光束の主走査方向両端の光ビームの副走査方向についての走査レンズ45,46への入射位置は大きくずれるため、光束のねじれは大きくなり、周辺に近付くほど、波面収差の劣化によるビームスポット径の増大は大きくなる。
従来の水平入射に対し、副走査方向に斜め入射させる本発明方式においては、走査線曲がりが大きくなりがちであるという課題がある。この走査線曲がりの発生量は、上述した各光ビームの副走査方向の斜め入射角により異なり、各光ビームでそれぞれ描かれた潜像を各色のトナーにより重ね合わせ可視化する際に、色ずれとなってあらわれてしまう。
例えば、上述したように、走査光学系を構成する走査レンズ、特に、副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズの主走査方向の形状が、反射偏向面の光ビームの反射点を中心とする円弧形状であれば、走査レンズにおける主走査方向の位置(像高)にかかわらず、光偏向器の反射偏向面から走査レンズ入射面までの距離がほぼ一定となり、走査に伴って距離が変動することはない。しかし、通常の場合、走査レンズをこのような形状とすることは、光学性能を維持する上で困難である。つまり、図13に示すように、通常、光ビームは、光偏向器により偏向走査され、主走査断面における各像高位置において、レンズ面に対し垂直に入射することはほとんどなく、主走査方向についてある入射角を持って入射する。
このように、斜め入射されているために副走査方向に角度を持っていることによって、光偏向器44により反射偏向された光ビームは、光偏向器44の反射偏向面から走査レンズ45の入射面までの距離が、像高(すなわち走査レンズ45,46における主走査方向の位置)によって異なり、走査レンズ45への副走査方向の入射高さが周辺に行くほど中心より高い位置、もしくは低い位置(副走査方向について光ビームがもつ角度の方向によって相違する)に入射される。
この結果として、副走査方向に屈折力を持つ面を通過する際に、副走査方向に受ける屈折力が変動して走査線曲がりが発生してしまう。通常の水平入射であれば、反射偏向面から走査レンズ入射面までの距離が変動しても、光ビームは走査レンズに対して水平に進行するため、走査レンズ上での副走査方向の入射位置が変動することはなく、走査線曲がりが発生することはない。
本実施の形態に係る光走査装置は、図15に示すように、光偏向器44の同一の反射偏向面により反射偏向された全ての光ビームに共用される走査レンズ46のレンズ面の1面(本実施の形態においては、被走査面側の面)が、副走査方向に並ぶ複数の正の屈折力を持つ面を有し、副走査方向に並ぶ複数の面それぞれの子線頂点を連ねた母線は、それぞれ光偏向器44の反射偏向面の法線nに平行な平面内に位置するように配置されている。この最も被走査面側の面以外の面は、副走査方向に平坦な平面形状であり、ポリゴンスキャナ、つまり回転駆動されるポリゴンミラーを用いた光偏向器44の回転中心に平行に配置されている。つまり、走査レンズ45,46は、光偏向器44の反射偏向面に正立して配置されていることとなる。
一般的に、光走査装置においては、光偏向器の反射面と被走査面は、共役関係にある。このため、走査レンズ45,46のレイアウトを本実施の形態のようにすると、主走査方向の位置にかかわらず、副走査倍率偏差を小さくして、副走査方向の倍率をほぼ一定とすることによって、走査線曲がりを補正することが可能となる。これは、走査レンズ45,46の光軸から光偏向器44のポリゴンミラーの反射偏向面上の光ビーム反射点までの距離が一定(すなわち物体高が一定)であることから、像高も走査レンズ光軸から同じ距離に揃うこととなるためである。なお、この実施の形態においては、走査レンズ45,46の入射面の副走査方向の形状は平面であるため、射出面の式の原点の法線を光軸と定義する。この光軸は、光偏向器44の反射偏向面の法線nに平行であり、副走査方向に並ぶ面の数だけ光軸が存在することとなる。
副走査方向の倍率偏差を低減するためには、副走査方向の曲率が主走査方向に変化する面を用いることが像面湾曲補正と共に有効となる。但し、副走査方向において走査レンズの光軸から大きく外れた位置(つまり軸外)を光ビームが透過すると収差の影響が大きくなり、主走査方向の位置による像高が一定とならないため、光ビームは軸上に近い位置を通すことが望ましい。
また、カラー機、すなわちカラー画像形成装置用の光走査装置において、走査線曲がりによる色ずれは、折り返しミラーの枚数を先に述べたように最適に設定することで曲がり方向を一致させることが可能であり、色ずれを低減することができる。しかしながら、走査線曲り自体が大きく発生すると画像品質、つまり画質を劣化させることはいうまでもなく、本発明の各実施の形態によれば、良好な画質を獲得することが可能となる。
また、走査線曲がりと同時に波面収差の補正も斜め入射光学系の課題となるが、この実施の形態のように、副走査方向に並ぶ複数の面を、各面の頂点、すなわち子線頂点、がそれぞれ対応する面を通過する光束に対し、走査レンズ45,46の副走査方向の中心側(光軸と対応する光ビームの光偏向器反射偏向面上の反射点とが副走査方向で近づく方向)に偏心するようにさせることで補正可能となる。
斜め入射光学系における波面収差の劣化の大きい周辺像高に向かう光ビームの主光線が、走査レンズから射出した後に光偏向器の反射偏向面の法線に対してほぼ平行になるようにレンズ面を副走査方向にシフト偏心させることによって、コマ収差が補正され波面収差は良好に補正されることとなる。ここで光ビーム(光束)の主光線とは、絞り等により規制される光路の中心を通る光線のことを意味している。この場合のシフト偏心は、同面に対応する光ビームが交差する点に対し、走査レンズの副走査方向の中心側に偏心させることであり、走査レンズから射出した後に周辺像高に向かう光ビームの主光線が、光偏向器の回転軸に垂直な面に対しほぼ平行になるようにすることができる。
このとき、主走査方向の光軸近傍を透過する光ビームは、レンズ面を射出した後に副走査方向に角度を持つこととなるが、もともと光束のスキューによる波面収差の発生は小さく光学特性上の問題は発生しない。また、このシフト量は斜め入射角が小さいほど小さくなり、またレンズ面をシフト偏心しても斜め入射角が5度(deg)以下程度に設定されれば、光軸近傍を光ビームが通過し、先に説明した走査線曲りの補正への影響は小さい。このため、斜め入射光学系特有の課題となる波面収差の劣化および走査線曲がりの発生を同時に解決することが可能となる。実際の設計例は、後に数値実施例として詳述するが、波面収差が補正されることによって、良好なビームスポット径が得られ、且つ、走査線曲がりも19μm程度と小さく抑えた結果が得られている。
本発明に係るこの実施の形態においては、走査レンズ45,46に副走査方向に並んで配置される複数のレンズ面(つまり屈折面)を用いている。被走査面に結像させる機能を持たせるためには、レンズ面を単一の面とし、複数の光ビームで共用させるようにしてもよい。しかしながら、先に説明したように、走査レンズ45に入射する光ビームの斜め入射角に応じてレンズ面を副走査方向にシフト偏心させて波面収差を補正するためには、複数の光ビームを共有する走査レンズ45においては、各光ビーム毎に子線頂点の位置を副走査方向に変化させる必要がある。このため、各光ビームに対応した複数のレンズ面を持つ必要が生じる。また、各光ビームは、正の屈折力を持つレンズ面の子線頂点近傍を透過させることが可能であり、副走査方向の軸外(つまり、子線頂点から副走査方向に大きく離れた位置)を通すことがないため、収差の影響も少なく走査線曲がりも良好に補正することが可能となる。
前述のように、走査線曲がりや波面収差を補正するためには、各光ビームの斜入射角に応じて、レンズ面を副走査方向にシフト偏心させる必要があるが、その偏心量を各ビームで最適とするためには、各光ビームで共通のレンズ面を通過させるよりも、それぞれが異なるレンズ面を通過する構成とした方が自由度が高く、光学特性の向上が図れる。
また、副走査方向にパワーを持つ走査レンズを副走査方向に偏心させると、副走査方向に非対称な形状となる。このとき、図14中Aの領域、Bの領域それぞれから入射される光ビームに応じて、走査レンズ面形状を副走査方向に反転させる必要が生じる。従来のような、個別レンズにてこの構成を実現する場合、光軸方向まわりに180度(deg)回転させて、反転させる必要があるが、このとき、主走査方向の形状も反転してしまう。つまり、主走査方向については、対称形状でなければ、同じ形状の走査レンズを反転させて用いることができない。主走査方向に非対称な形状とすることは、光学特性を保つために、重要な構成要件であるが、これを、個別レンズ、かつ、副走査方向に非対称な形状と両立させるためには、斜入射角に応じて異なる面形状を持つ走査レンズを要する。走査レンズの種類が増えることは、開発費や管理費など、部品以外の部分でも大幅なコストアップにつながるため、好ましくない。
本実施の形態のように、これを一体化した、多層走査レンズ(多層面)で、各光ビームで共用することにより、このようなコストアップを招くことなく、光学特性を良好に保つことが可能となる。
〔第8の実施の形態〕
次に、上述した本発明の第1の実施の形態および第7の実施の形態と基本的に同様の構成を有する本発明の第8の実施の形態に係る光走査装置について説明する(請求項6に対応する)。
この第8の実施の形態に係る光走査装置の構成は、光偏向器から被走査面に至る光学的なレイアウトの自由度が高く、特に副走査方向において光走査装置の小型化を達成するために、共用の走査レンズは光偏向器の近くに配置されている。
斜め入射光学系においては、光偏向器44のポリゴンミラーの反射偏向面毎に発生する副走査方向の走査線間隔の変動の増大という課題が発生する。
図16に示す光偏向器44のポリゴンミラーにおいて、回転中心Oと複数の平面状のミラー面からなる反射偏向面のうちの1つのミラー面を結ぶ垂線の長さを寸法Aと定義する。反射偏向面の各ミラー面における寸法Aのばらつきによって、図17に示すように、物点位置、すなわち反射点位置、が副走査方向に変化(変化量:ΔS)し、被走査面においても副走査方向に結像点が変化(変化量:δ)してしまう。斜め入射光学系でない通常の走査光学系においては、寸法Aがばらついても反射点位置は、副走査方向に変化しないため、被走査面上の結像点も変化しない。
また、本実施の形態の光学系は、レイアウト性の向上、小型化および低コスト化を狙っており、先に述べた通り倍率が高い。このため、反射点(物点)の副走査方向についての位置ずれは、被走査面において拡大されてしまう。つまり、このような反射点の副走査方向についての位置ずれは、斜め入射光学系、特に走査光学系の副走査方向の倍率が高い斜め入射光学系特有の問題ということができる。このばらつきが、例えば反射偏向面を6面持つポリゴンミラーを用いるポリゴンスキャナとしての光偏向器においては、6ライン周期で副走査方向の走査線の変動が発生し、形成される画像の画質を著しく低下させてしまう。
特に、走査レンズの枚数の削減や、光走査装置の小型化に向けて、走査レンズを光偏向器の近傍に配置する場合には、共役関係にある光偏向器反射偏向面近傍と被走査面との間の走査光学系の(副走査方向についての)倍率は高くなる。斜め入射光学系において、走査光学系の副走査倍率が高いと、通常の光学系における光学素子の形状誤差および組付け誤差による被走査面上での結像位置変動が大きくなるという問題に加えて、ポリゴンミラーの面毎に発生する前述の副走査方向の走査線間隔の変動が増大するという問題が発生する。
そこで、この第8の実施の形態に係る光走査装置の光学系は、走査レンズの副走査方向に正の屈折力を持ち、且つ、副走査方向に偏心された面は、最も被走査面に近いレンズ面としている。このようにした結果、走査光学系の副走査方向の倍率を低減することが可能となり、ポリゴンミラーの面毎に発生する副走査方向の走査線間隔変動を低減することができる。
また、倍率のより一層の低減を狙うためには、走査レンズを光偏向器から離して配置する方法があるが、光偏向器から被走査面に至る光路長を固定した場合、画角が増大して光学特性の維持が困難となる。また、画角を大きくしない場合は、光路長を伸ばす必要が生じ光走査装置は大型化してしまう。
このような問題を生じさせない範囲で、走査光学系の副走査方向の倍率を限界まで下げるために、副走査方向に正の屈折力を持つレンズ面を最も被走査面側に配置することが望ましい。
〔第9の実施の形態〕
次に、本発明の第9の実施の形態に係る光走査装置について説明する(請求項4、請求項5に対応する)。この本発明の第9の実施の形態に係る光走査装置においても、基本的な構成は、上述した第1、第2、第7および第8の実施の形態の光走査装置とおおむね同様である。
光偏向器44のポリゴンミラーの面毎に発生する副走査方向の走査線間隔の変動の増大という問題を解決するための別の方法として、斜め入射角を低減する方法がある。
斜め入射角を低減すると、ポリゴンスキャナとしての光偏向器14の寸法Aのばらつきによる副走査方向での物点(反射点)の位置ずれは小さくなる。つまり、光偏向器44のポリゴンミラーの反射偏向面毎に発生する副走査方向の走査線間隔の変動を低減することが可能である。
しかしながら、斜め入射角が小さいと、図18に示すように、走査レンズの透過後の複数の光ビームをそれぞれ対応する被走査面としての感光体49、50等に導くための分離が困難となってしまう。具体的には、各光ビームを分離するための折返しミラーを配置することが可能な光ビーム間隔tを得るためには、斜め入射角が大きいほど、光偏向器44に近い位置に折返しミラーを配置して各光ビームを分離することが可能となり、光走査装置の小型化に有利となる。斜め入射角が小さいと、光ビーム間の間隔を確保できず、折り返しミラーを光偏向器44の近傍に配置することができないという新たな問題を生じてしまう。
本実施の形態に係る走査レンズ46は、最も被走査面側のレンズ面を正の屈折力を持つ凸面として副走査方向に並べて配置し、その他の面は副走査方向についての形状を平面形状としている。副走査方向に並べて配置される凸面のレンズ面は、それぞれの光ビームに対応する上段および下段のレンズ面(形状は同一であってもよい)が独立しているため、各光ビームの主光線の副走査方向の間隔は一定量だけ離す必要が生じる。各光ビームは、互いに副走査方向に離間するように所要の斜め入射角を持つため、これらの副走査方向の間隔は被走査面に近づくほど広くなる。すなわち、この第9の実施の形態に係る走査レンズのように、被走査面に最も近いレンズ面を副走査方向に凸面が並ぶレンズ面とし、その他の光偏向器44側のレンズ面を副走査方向について平面形状として、全ての光ビームに共通なレンズ面とすることによって、斜め入射角を低減することが可能となる。走査レンズの副走査方向に平面形状とした面は、複数の光ビームに共通であるため、光ビームの主光線の副走査方向の間隔を一定量離す必要は生じない。
また、各光ビームに共通の面として副走査方向を平面形状とする場合、当該面は光偏向器44(ポリゴンスキャナ)のポリゴンミラーの回転軸に平行で、且つ光偏向器44の反射偏向面の法線nが直交する配置であることが望ましい。副走査方向にティルト偏心していると主走査方向について副走査方向の倍率を合わせることが困難になり、走査線曲がりが増大してしまう。
〔第10の実施の形態〕
次に、本発明の第10の実施の形態に係る光走査装置について説明する(請求項7、請求項8に対応する)。この本発明の第10の実施の形態に係る光走査装置においても、基本的な構成は、上述した第1〜第3および第7〜第9の実施の形態の光走査装置とおおむね同様である。
すなわち、更に斜め入射角を低減するための本発明の第10の実施の形態として、各光源からの光ビームの光偏向器44の反射偏向面における反射位置、つまり反射点は、各光ビームが、副走査方向について、光偏向器44よりも光源側で交差するように離間していることが望ましい。
本実施の形態に係る走査レンズ45,46においては、レンズ面を副走査方向に並べて配置して一体的に成形する共用レンズとすることによって、走査レンズ45,46を透過する光ビームの副走査方向の間隔を近接させることを実現している。各光ビームは、光学素子の加工誤差および組付け誤差等によって、走査レンズ15における透過位置が副走査方向に変化するため、レンズ面に光線が透過する領域を持たせる必要がある。この結果、各光ビームの走査レンズ上での副走査方向の間隔にも限界があり、走査レンズ45,46を光偏向器44に近づけて小型化したり、光走査装置の小型化に向けて光学的なレイアウトの自由度を広げたりしようとした場合には、斜め入射角が大きくなる。
もちろん、従来の走査レンズを副走査方向に重ねて配置する場合に比して、斜め入射角低減の効果は充分に得られるが、光偏向器44に近づけて走査レンズ45,46を配置し、先に説明した光学特性をより向上しようとした場合には、さらなる斜め入射角の低減が望まれることとなる。
図19に示すように、各光ビームは、光偏向器44のポリゴンミラーの反射面、つまり反射偏向面、において副走査方向に交差させず、この実施の形態では、各光源装置41からの光ビームの光偏向器44の反射偏向面での反射位置を、各光ビームが光偏向器44の反射偏向面よりも光源側において副走査方向に交差するように、hだけ離間させる。このようにした結果、それぞれ対応する被走査面に分離させるための副走査方向の光束間隔を保ちつつ、斜め入射角を(図19における破線で示す斜め入射角から実線で示す斜め入射角へ)低減することが可能となる。但し、光偏向器44のポリゴンミラーの反射偏向面の副走査方向の厚さを増大させることは、コスト的にも好ましくなく、光偏向器44の消費電力および騒音等の点で課題も増大するため、その厚みは、一般的な3mm〜4mm程度に抑えておくことが望ましい。光偏向器44の反射偏向面の法線に平行な水平な光ビームを用い、走査レンズを副走査方向に重ねて配置した構成の場合、光偏向器44のポリゴンミラーの反射偏向面の副走査方向の厚みは、8mm〜10mm程度になることが多く、この実施の形態のようにして、反射偏向面の厚みを若干大きくしても、コスト的にも負担は少なく、光偏向器44の消費電力および騒音等を低減する効果は、充分に得られる。
従来、光学的なレイアウトより、斜め入射角は、3度〜5度(deg)程度に設定されることが多いが、この実施の形態においては、斜め入射角を1度(deg)程度とすることができ、安定した光学特性を確保することが可能となる。このことについては、後に説明する実施例1および実施例2において具体的な結果を示している。
光偏向器44のポリゴンミラーの反射偏向面毎に発生する副走査方向の走査線間隔の変動は、光偏向器44の複数の反射偏向面による副走査方向の反射位置ずれを△Sとし(図5参照)、走査レンズ45,46の倍率をβとしたとき、
△S×β<5μm
を満足するように、光偏向器44に入射する光ビームの反射偏向面の法線nに対する副走査方向の角度を設定することが望ましい。これ以上の変動が生じると、画像上で濃度むらなどとしてあらわれ画質が大きく劣化する。
先に説明した走査光学系の副走査方向の倍率βの低減と、上述した斜め入射角の低減との組合せを最適に行うことによって、光偏向器44の副走査方向の厚みを抑え、且つ走査レンズ45,46を光偏向器44に近づけて光学的なレイアウトの自由度を維持し、良好な光学特性と光走査装置の小型化を達成しながら、ポリゴンミラーの反射偏向面毎に発生する副走査方向の走査線間隔の変動を低減することが可能となる。
さらに、各光源41からの光ビームは、シリンドリカルレンズ43等の光学素子により光偏向器44の反射偏向面近傍で副走査方向について結像されるが、該光学素子は、同一の反射偏向面に向かう複数の光ビームで共用され、且つ各光ビームが副走査方向に交差する位置に配置されていることが望ましい。本実施の形態では、斜め入射角を小さく設定するため、光源41から光偏向器44に至る光学系で、光偏向器44の反射偏向面近傍に副走査方向に光ビームを絞る機能を持つ光学素子、例えばシリンドリカルレンズ43の配置に課題が生じる。つまり、各光源にそれぞれ対応して個々にシリンドリカルレンズを配置するためには、斜め入射角を大きく設定する必要が生じる。
そこで、本発明に係るこの実施の形態においては、例えばシリンドリカルレンズ43のような光学素子を、同一の反射偏向面に向かう複数の光ビームで共用し、且つこれらの各光ビームが副走査方向について交差する位置に配置している。この結果、斜め入射角を大きく変えることなく、各光ビームを反射偏向面近傍で副走査方向に結像させることが可能となる。なお、2つの光源41を主走査方向に離間させ、先に述べたシリンドリカルレンズ43等の光学素子を各光ビームにそれぞれ対応させて配置することも可能である。この場合は、走査レンズ45,46の副走査方向に並ぶレンズ面の形状を異ならせることによって良好な光学特性を得ることが可能である。但し、部品の集約化およびレンズ面の共通化というメリットを得るためには、この実施の形態に係る構成を実施することが望ましい。
また、光源41から射出される発散光を所望の光束状態にカップリングするカップリングレンズ42の干渉を避けるため、複数の光源41を主走査方向に離間し、シリンドリカルレンズ43等の光学素子を共通化するようにしてもよいことはいうまでもない。この場合、光偏向器44の反射偏向面近傍で主走査方向に各光ビームを交差させることが望ましい。光源41の離間距離が小さければ、走査レンズ45,46の副走査方向に並ぶレンズ面はほぼ共通の形状としてもよい。
〔第11の実施の形態〕
次に、本発明の第11の実施の形態に係る光走査装置について説明する(請求項7に対応する)。この本発明の第11の実施の形態に係る光走査装置においても、基本的な構成は、上述した第7〜第10の実施の形態の光走査装置とおおむね同様である。
上述した第7〜第10の実施の形態においては、2つの被走査面に対応する光走査装置44を例にとって説明してきた。これらの実施の形態をフルカラー用の4つの被走査面に対応させる場合には、上述した光走査装置を2つ並べることで達成することが可能となる。また、光走査装置の中で比較的コストの高い光偏向器44を共通使用し、対向する異なる反射偏向面に対して本発明に係る光走査装置を配置構成するようにしてもよい。この場合には、全ての光ビームの斜め入射角を同一にすることによって、共通の走査レンズを使用することが可能となり、従来4〜8枚用いていた走査レンズを2枚に低減しつつ、良好な光学特性を得ることが可能となり、小型化および低コスト化を達成することが可能となる。
〔第12の実施の形態〕
次に、本発明の第12の実施の形態に係る画像形成について説明する(請求項12に対応する)。この本発明の第12の実施の形態に係る画像形成装置においては、上述した第7〜第11の実施の形態の光走査装置を用いて画像形成装置を構成している。
すなわち、本発明に係る第12の実施の形態は、上述した第7〜第11の実施の形態に係る光走査装置を適用した画像形成装置であり、この第12の実施の形態に係る画像形成装置を、図20を参照しながら説明する。
図20は、本発明の第12の実施の形態に係る画像形成装置としてのタンデム型フルカラーレーザプリンタの要部の側面断面の構成を模式的に示している。
これまで、2つの被走査面に対応する光走査装置を例に説明してきた。フルカラー用の4つの被走査面に対応させる場合には、この光走査装置を2つ並べることで達成可能となる。また、光走査装置の中で比較的コストの高い光偏向器を共通使用し、対向する異なる偏向反射面に本光走査装置を配置しても良い。この時は、全ての光ビームの斜入射角を同一にすることで、共通の走査レンズを使用可能となり、従来4〜8枚用いていた走査レンズを2枚に低減しつつ、良好な光学特性と小型化、低コスト化を達成可能となる。
さらに、本発明に係る光走査装置を用いた画像形成装置の一実施の形態を、図20を参照しながら説明する。本実施の形態は、本発明に係る光走査装置をタンデム型フルカラーレーザプリンタに適用した例である。画像形成装置に関しては、上記第6の実施の形態について図8を用いて詳細に説明をしたので、その概略構成のみを説明することとする。
図20において、装置内の下部側には、水平方向に配設された給紙カセット907から給紙される転写紙(図示せず)を搬送する搬送ベルト906が設けられている。この搬送ベルト906上には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)用の4つの感光体901が、転写紙の搬送方向上流側から順に等間隔で配設されている。4つの感光体901は、全て同一径に形成されたもので、その周囲には、電子写真プロセスにしたがって各プロセスを実行するプロセス部材が順に配設されている。帯電チャージャ902、光走査光学系100、現像装置904、転写チャージャ(図示せず)、クリーニング装置905等が順に配設されている。本実施の形態では、各色の感光体に対して光走査装置より対応する光ビームが結像している。光走査装置は対向走査方式で、光偏向器44は、単一、走査レンズ45A、45Bおよび46A、46Bは、2ステーションの色で共有している。また、ベルト分離チャージャ(図示せず)よりも転写紙搬送方向下流側には、定着装置910が設けられ、排紙トレイ911に向けて排紙ローラ912で結ばれている。
尚、光走査光学系100は、上述した図14に示した光走査装置を二組用いている。
即ち、光偏向器44を中心として、右側に、図14に示すように、走査レンズ45A、46A、折返しミラー51A、52A、53Aを配置し、光偏向器44の左側に、走査レンズ45B、46B、折返しミラー51B、52B、53Bを配置してなる光走査装置が用いられている。
このような概略構成において、例えば、フルカラーモード(複数色モード)時であれば、各感光体901に対してY、M、C、K用の各色の画像信号に基づき各々の光走査装置100による光ビームの光走査で、各感光体表面に、各色信号に対応した静電潜像が形成される。これらの静電潜像は、各々の対応する現像装置で色トナーにより現像されてトナー像となり、搬送ベルト906上に静電的に吸着されて搬送される転写紙上に順次転写されることにより重ね合わせられ、転写紙上にフルカラー画像が形成される。このフルカラー像は、定着装置910で定着された後、排紙ローラ912により排紙トレイ911に排紙される。
上記画像形成装置の光走査光学系100を、前述の実施形態に係る光走査装置とすることで、走査線曲がりと波面収差の劣化を有効に補正し、色ずれが無く、高品位な画像再現性が確保できる画像形成装置を実現することができる。
以上説明した、副走査方向に並ぶ複数の面は、各々異なる被走査面に対応した光ビーム毎に持つ面を意味するものであり、1つの形状式で表して1つの面としても本発明の範疇であることはいうまでもない。
次に、上述した本発明の第7〜第11の実施の形態に基づく、光走査装置の具体的な実施例2を詳細に説明する。以下に述べる実施例2は、本発明に係る光走査装置の具体的数値例による具体的構成の実施例である。
本発明の実施例として、走査レンズの配置や形状を具体的な数値を示して説明する。
図13〜図15に示す構成における光源41から射出された光ビーム(波長:659nm)は、カップリングレンズ42(焦点距離:27mm)によりほぼ平行光束に変換され、副走査方向にのみ屈折力を持つシリンドリカルレンズ43により光偏向器44(内接円半径:7mm、反射面4面)の反射偏向面近傍に副走査方向のみ集光する。この場合、光偏向器44の内接円半径が7mmということは、上述における寸法Aが7mmということである。このとき、副走査方向にのみ屈折力を持つシリンドリカルレンズ43は、副走査方向についてのみ温度変動による結像位置変化を補正する回折面を持つ樹脂製(659nmの屈折率:1.5271)のカップリングレンズである(ちなみに、カップリングレンズ42は、ガラス製で659nmの屈折率:1.6894)。このカップリングレンズは、走査レンズ45,46の副走査方向の倍率が高いため温度変動を補正し安定した光学性能を得るために配置されている。
光源41からの光ビームは、光偏向器44の反射偏向面の法線nに対し1度(deg)の角度を有する(すなわち、斜め入射角:1度)。反射偏向面には、異なる被走査面に対応する2つの光ビームが、±1度で光偏向器14の反射偏向面に斜め入射している。カップリングレンズ42および副走査方向にのみ屈折力を持つシリンドリカルレンズ43の構成は、各光ビームについて共通である。また、各光ビームは、主走査方向については、被走査面の法線に対し68度の角度を有し光偏向器44の反射偏向面に入射している。
光偏向器44から被走査面までの走査レンズ45,46の配置は、光偏向器44の回転中心から第1走査レンズ45の入射面までの距離が36mm、第1走査レンズの中心肉厚は、7mm、第2走査レンズ46の中心肉厚は5mm、光偏向器44の回転中心から被走査面までの距離が210mmであり、被走査面から45mm光偏向器側には、肉厚1.9mmの主走査方向および副走査方向について共に屈折力を持たない光学素子47および48が配置されている。第1、第2走査レンズ45,46の波長の屈折率は、波長659nmで1.5271である。
この実施例2に示しているのは、2つの異なる被走査面に向かう光ビームに対応する光学系であり、走査レンズ45,46は、2枚構成で各光ビームで共有される。第1走査レンズ45の入射面射出面と、第2走査レンズ46の入射面は、副走査方向に曲率を持たない平面形状である。第2走査レンズ46の射出面は、副走査方向に正の屈折力を持つ2つのレンズ面が並んで配置される。2つのレンズ面の形状は、これを記述する数式に関しては、同一の形状でありその詳細は後述する。
さらに、異なる被走査面に向かう光ビームは、±1度の斜め入射角で光偏向器44の反射偏向面に、後述する対称面に対して対称に入射される。光偏向器44の反射偏向面上での各光ビームの副走査方向の反射点の間隔は、約2.5mmである。そして、光偏向器44の反射偏向面の副走査方向の厚みは、4mmである。
副走査方向の反射点間隔を持たせることにより、折返しミラーによる各光ビームに対応する感光体への分離を容易にしつつ、射入射角の低減を図っている。
光偏向器44の反射偏向面上での2つの光ビームの反射点の中点と反射偏向面の法線を含む主走査平面を対称面として、前述した走査レンズ射出面の副走査方向に並ぶ複数のレンズ面は副走査方向に対称に配置される。また、各レンズ面の子線頂点を結んだ母線は、1.5mmだけ対称面側(走査レンズ45,46の副走査方向の中心側)にシフトされ配置されている。これは、各レンズ面に対応する光ビームのレンズ面との交点に対し、走査レンズの副走査方向中心側にシフト偏心されて配置されていることとなる(主走査方向中心近傍で約0.5mm)。
次に、走査レンズ45,46のレンズ面の形状を表2に示している。表2に示すこの実施例2のレンズの形状式は、下記数2の通りである。第2走査レンズ46の射出面は、副走査方向の曲率が、主走査方向に変化する面としている。
Figure 2012098717
ここで、C(Y)=C+b・Y+b・Y+b・Y+b・Y+・・・

数2における、Y、Zは、それぞれ、走査レンズ上の主走査方向、副走査方向、Cmは、原点における主走査方向の曲率、Csは、原点における副走査方向の曲率を表す。このように、主走査方向、副走査方向に直交する方向のデプスデータX(Y,Z)で、レンズ面形状を表している。
Figure 2012098717
上記表2においてRは、主走査方向の曲率半径(mm)、Rは、副走査方向の曲率半径(mm)であり、R=1/C,R=1/C,という関係である。
また、ここで各面の基準軸とは、数2の原点の法線と定義する(前記対称面に平行)。
前述したように、主走査方向に非対称な形状(Bの係数について、奇数次が入っているため、副走査方向の曲率が主走査方向に非対称に変化していることがわかる)としており、副走査方向の像面湾曲や倍率の偏差をより効果的に低減することができる。これまでに述べたが、本構成において、倍率の偏差を低減することは、走査線曲がりの低減にもつながる。二層一体化の走査レンズを各光ビームで共用することにより、主走査、副走査方向に非対称な形状でも、複数の種類の走査レンズ面形状を構成しないといけない個別レンズ構成の場合と比べて、簡易で低コストに良好な光学特性を実現している。
走査レンズ45,46と被走査面の間に配置される主走査方向、副走査方向とも屈折力を持たない光学素子47,48は、折り返しミラー51,52,53による折り返しを展開したときに、走査レンズ45,46の基準軸に対し、14度(deg)だけ副走査方向にチルト偏芯させて配置している。その方向は、走査レンズの上下に入射するそれぞれのビームで逆方向とし、光学特性への影響を同一になるように設定している。
本数値実施例2の光学系では、図21、図22に示す如く、ビームスポット径は、像高間での偏差もなく良好な結果を得ている。図21および図22のグラフは、9つの像高(像高:±110、±90、±60、±30、0)についてのそれぞれ主走査方向および副走査方向についてのビームスポット径を示している。つまり、波面収差は、良好に補正されていることとなる。本実施例においては、カップリングレンズ42副走査方向にのみ屈折力を持つシリンドリカルレンズ43の間に、主走査方向2.5mm、副走査方向2.2mm矩形絞りSを設けることで、前記ビームスポット径が得られる。
さらに、走査線曲がりは、図23に示す如く、約19μmと小さく補正されている。走査線曲がりとは、被走査面上での副走査方向の走査位置のPV値(Peak−Valley値)とする。
本実施例に係る光学系を光偏向器44としてのポリゴンスキャナの対向する方向に配置することによって、異なる4つの被走査面に対応可能となる。イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの4色に対応したフルカラー機の光走査装置に対応する場合は、この形態をとればよい。
11,41 光源(光源装置)
12,42 カップリングレンズ
13,43 シリンドリカルレンズ
14,44 光偏向器
15,45,46 走査レンズ
16,17,47,48 光学素子
18,19,49,50 感光体(被走査面)
20,21,22,51,52,53 折返しミラー
S 矩形絞り
100 光走査装置
101 光偏向器101
102(102A、102B) 走査レンズ、
103(103Y、103Ma、103Mb、103Ca、103Cb、103K) 折返しミラー
104(104Y、104M、104C、104K) 光学素子
107 感光体
107Y イエロー用感光体
107M マゼンタ用感光体
107C シアン用感光体
107K ブラック用感光体
108 帯電チャージャ
108Y イエロー用帯電チャージャ
108M マゼンタ用帯電チャージャ
108C シアン用帯電チャージャ
108K ブラック用帯電チャージャ
110 現像装置
110Y イエロー用現像装置
110M マゼンタ用現像装置
110C シアン用現像装置
110K ブラック用現像装置
111 転写チャージャ
111Y イエロー用転写チャージャ
111M マゼンタ用転写チャージャ
111C シアン用転写チャージャ
111K ブラック用転写チャージャ
112 クリーニング装置
112Y イエロー用クリーニング装置
112M マゼンタ用クリーニング装置
112C シアン用クリーニング装置
112K ブラック用クリーニング装置
113 給紙カセット
114 ピックアップローラ
115 給紙ローラ
116 レジストローラ
117 搬送ベルト
118,119 ベルトプーリ
120 ベルト帯電チャージャ
121 ベルト分離チャージャ
122 ベルト除電チャージャ
123 ベルトクリーニング装置
124 定着装置
125 排紙ローラ
126 排紙トレイ
特開2003−5114号公報 特開2006−72288号公報

Claims (12)

  1. 異なる被走査面に対応する少なくとも2個の光源を備え、
    これら各光源から射出される光ビームは、
    主走査方向に回転する複数の反射偏向面を有する光偏向器の反射偏向面の法線に対し副走査方向に角度を持って、前記光偏向器反射偏向面により反射偏向され、
    同一の反射偏向面により反射偏向された複数の光ビームで共用される少なくとも1枚の走査レンズにより各対応する被走査面に集光される光走査装置において、
    前記走査レンズの少なくとも1面は、副走査方向に並ぶ複数の屈折面を有し、
    各屈折面は、副走査方向に正の屈折力を持ち、各屈折面の面頂点を、それぞれの屈折面を通過する光束に対して、前記走査レンズの副走査方向の中心側に偏心させて、配置されていることを特徴とする光走査装置。
  2. 前記走査レンズにおける前記副走査方向に偏心配置された前記副走査方向に並ぶ複数の屈折面から射出する光束の主光線は、
    前記光偏向器の回転軸に垂直な面にほぼ平行であり、前記主走査方向の周辺に対して前記主走査方向の中心で前記副走査方向の射出角が大きいことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記走査レンズは、
    前記副走査方向に並ぶ複数の屈折面の各々の子線頂点を連ねた複数の母線が、
    それぞれ前記光偏向器の反射偏向面の法線に平行な平面内に位置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光走査装置。
  4. 前記走査レンズは、
    前記副走査方向に並ぶ複数の屈折面を有するレンズ面が1面のみであり、
    その他のレンズ面の前記副走査方向の形状が平面形状であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光走査装置。
  5. 前記走査レンズにおける前記副走査方向の形状が平面形状であるレンズ面は、前記光偏向器の反射偏向面の回転軸に平行であることを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
  6. 前記走査レンズの前記副走査方向に正の屈折力を持ち且つ前記副走査方向の中心側に偏心される屈折面は、
    前記副走査方向に並ぶ複数の屈折面のうち最も被走査面に近い屈折面であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光走査装置。
  7. 前記光偏向器の反射偏向面における各光ビームの反射位置は、
    各光ビームの光軸が副走査方向に当該光偏向器の反射偏向面より光源側にて交差するように離間していることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の光走査装置。
  8. 前記各光源からの光ビームは、適宜なる光学素子により前記光偏向器の反射偏向面近傍で副走査方向に結像し、
    前記光学素子は、同一の前記反射偏向面に向かう複数の光ビームで共用され、且つ各光ビームが副走査方向に交差する位置に配置されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の光走査装置。
  9. 単一の光偏向器に、前記複数の光源からの光ビームを反射偏向する反射偏向面を2面有し、
    各反射偏向面に対してそれぞれ請求項1〜請求項8のいずれか1項の構成を具備してなることを特徴とする光走査装置。
  10. 前記走査レンズは、単一のレンズからなる1枚構成であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の光走査装置。
  11. 前記走査レンズは2枚構成であり、2枚の走査レンズは同一の反射偏向面で反射偏向される複数の光ビームで共有されることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の光走査装置。
  12. 電子写真プロセスによって画像を形成する画像形成装置であって、
    電子写真プロセスにおける露光プロセスを実行する手段として、請求項1〜請求項11のいずれか1項の光走査装置を具備することを特徴とする画像形成装置。
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