JP2012090370A - 車両用回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイオードを通して電流が流れる時間を短くすることにより損失低減および発電効率の向上を図ることができる車両用回転電機を提供すること。
【解決手段】車両用発電機1は、電機子巻線2、3と、2つの整流器モジュール群5、6と、上MOSオンタイミング判定部103、下MOSオンタイミング判定部104と、回転数演算部101と、目標電気角設定部105と、上MOSオフタイミング演算部107、下MOSオフタイミング演算部109と、MOSトランジスタ50、51を駆動するドライバ170、172とを備える。上MOSオフタイミング演算部107、下MOSオフタイミング演算部109は、目標電気角からのずれに相当する差分ΔTが定常状態の範囲内にあるか否かに応じてオフタイミングの補正の程度を可変する。
【選択図】図6

Description

本発明は、乗用車やトラック等に搭載される車両用回転電機に関する。
従来から、複数のスイッチング素子を有する電力変換部を用いて電機子巻線の出力電圧を整流するようにした電力変換装置を備えた車両用発電機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この電力変換装置では、スイッチング素子をオフしてから所定のオフ確保時間が経過した後にダイオード導通状態が終了するようにスイッチング素子を制御している。オフ確保時間を確保することにより、バッテリから電機子巻線に電流が流れ込むことを防止することができる。
特許第4275704号明細書(第7−17頁、図1−14)
ところで、特許文献1に開示された電力変換装置では、ダイオード導通状態が終了するタイミングを逐次記憶しておいて、このタイミングよりも所定のオフ確保時間前にスイッチング素子をオフしている。ダイオード導通状態が終了するタイミングは、運転者のアクセル操作による車両加速時や電気負荷が急激に増加した場合には大きく変動することになるが、特許文献1に開示された電力変換装置では、このような変動は考慮されていないため、所定のオフ確保時間を確保するように適切なタイミングでスイッチング素子をオフすることができないという問題があった。オフ確保時間を長めに設定することも考えられるが、損失が大きくなって発電効率が低下することになるため望ましくない。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、動作状態に応じてスイッチング素子のオフタイミングを適切に設定することができる車両用回転電機を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の車両用回転電機は、2相以上の相巻線を有する電機子巻線と、ダイオードが並列接続されたスイッチング素子によって構成される複数の上アームおよび下アームを有するブリッジ回路を構成し、電機子巻線の誘起電圧を整流するスイッチング部と、回転数を演算する回転数演算部と、スイッチング素子のオンタイミングを設定するオンタイミング設定部と、相巻線の相電圧が第1のしきい値に達した後第2のしきい値に達するまでを通電期間とし、スイッチング素子をオフしてから通電期間の終了時点までの期間を電気角で表した目標電気角としたときに、この目標電気角の値を設定する目標電気角設定部と、通電期間の終了時点までの期間が目標電気角となるように、スイッチング素子のオフタイミングを設定するオフタイミング設定部と、オンタイミング設定部によって設定されたオンタイミングおよびオフタイミング設定部によって設定されたオフタイミングでスイッチング素子を駆動するスイッチング素子駆動部とを備え、スイッチング素子のオフタイミングから相電圧が第2のしきい値に達するまでの電気角をTFB、この電気角TFBから目標電気角を引いた差分をΔTとしたときに、オフタイミング設定部は、直前の差分ΔTの値に基づいて次回のスイッチング素子のオフタイミングを補正するとともに、直前の差分ΔTが定常状態の範囲を超えるか否かを判定し、差分ΔTが定常状態の範囲内にある場合よりも定常状態の範囲を外れる場合の補正の程度を大きくしている。
目標電気角からのずれに相当する差分ΔTが定常状態の範囲内にあるか否かに応じてスイッチング素子のオフタイミングの補正の程度を可変することにより、車両の加速や電気負荷の急変などの動作状態に応じて次の通電期間の状態を予想してスイッチング素子のオフタイミングを適切に設定することができる。
また、上述したオフタイミング設定部は、上アームおよび下アームのいずれか一方に対応する直前のΔTの値に基づいて、上アームおよび下アームのいずれか他方に対応する次回のスイッチング素子のオフタイミングの設定を行うことが望ましい。これにより、上アームのスイッチング素子のオフタイミングを直前の下アームに対応する差分ΔTに基づいて設定するとともに、下アームのスイッチング素子のオフタイミングを直線の上アームの差分ΔTに基づいて設定することにより、常に直前の状態を考慮して次のスイッチング素子のオフタイミング設定を行うことができ、オフタイミングの設定精度を向上させることができる。
また、上述した定常状態の範囲とは、車両の運転者の操作に起因しない通電期間の変動範囲であることが望ましい。車両の運転者の操作に起因しない通電期間の変動範囲を定常状態の範囲とすることにより、それ以外の要因に基づく外乱(例えば、急加速や電気負荷の急激な遮断等)が生じたときにも、効率よくスイッチング素子のオフタイミングを目標電気角に対応するタイミングに近づけることができる。
また、上述したオフタイミング設定部は、差分ΔTに係数αを乗じた値を前回のスイッチング素子のオフタイミングに加算して次回のオフタイミングとするとともに、差分ΔTが定常状態の範囲内にある場合よりも定常状態の範囲を外れる場合の係数αの値を大きく設定することが望ましい。これにより、スイッチング素子のオフタイミングが目標電気角に対応するタイミングから大きく外れた場合に、迅速にオフタイミングを補正することができる。
また、上述した差分ΔTが正の場合よりも負の場合の係数αの値が大きく設定されていることが望ましい。差分ΔTが負の場合とは、通電期間が短くなった場合であり、この場合に係数αの値を大きく設定することにより、通電期間の終了タイミングよりも遅れてスイッチング素子がオフされる事態を速やかに回避することができる。
また、上述したオフタイミング設定部は、定常状態の範囲を回転数演算部によって演算された回転数に応じて設定することが望ましい。定常状態の範囲を回転数に応じて設定することにより、回転数毎に適切なスイッチング素子のオフタイミング設定が可能となる。
また、回転数を低速回転域、中速回転域、高速回転域に分けたときに、オフタイミング設定部は、回転数演算部によって演算された回転数が高速回転域では定常状態の範囲を広く、中速回転域では定常状態の範囲を狭く設定することが望ましい。これにより、中速回転域以上の範囲で定常状態の範囲の適切な値を回転数毎に設定することができる。
また、上述したオフタイミング設定部は、回転数演算部によって演算された回転数が低速回転域では定常状態の範囲を広く、中速回転域では定常状態の範囲を狭く設定することが望ましい。これにより、中速回転域までの範囲で定常状態の範囲の適切な値を回転数毎に設定することができる。
また、上述したオフタイミング設定部による定常状態の範囲の可変設定は、定常状態の範囲を連続的に可変することにより行われることが望ましい。これにより、回転数等に応じて定常状態の範囲の最小値を設定することが可能となる。
また、上述したオフタイミング設定部による定常状態の範囲の可変設定は、定常状態の範囲を階段状に可変することにより行われることが望ましい。これにより、定常状態の範囲の可変設定に必要な構成を簡略化することができる。
また、上述した目標電気角設定部は、回転数演算部によって演算された回転数に応じて目標電気角の値を設定することが望ましい。目標電気角の値を回転数に応じて可変設定することにより、スイッチング素子がオフされてからダイオードに電流が流れる期間を確保するとともにこの期間を短くすることができるため、ダイオード整流によって生じる損失を低減し、発電効率の向上を図ることが可能となる。
また、温度を検出する温度検出部をさらに備え、目標電気角設定部は、温度検出部によって検出された温度に応じて目標電気角の値を設定することが望ましい。温度による影響を加味することにより、さらに目標電気角の適切な値を設定することができ、さらなる損失低減および発電効率向上が可能となる。
また、上述した目標電気角設定部は、出力電流の大小に応じて目標電気角の値を設定することが望ましい。出力電流変化による影響を加味することにより、さらに目標電気角の適切な値を設定することができ、さらなる損失低減および発電効率向上が可能となる。
また、上述した目標電気角設定部は、通電期間が終わるタイミングよりもスイッチング素子をオフするタイミングの方が遅くなる頻度が増加したときに目標電気角の値を大きくすることが望ましい。これにより、何らかの原因により通電期間よりもスイッチング素子をオフするタイミングが遅れた状態が頻繁に発生する場合であっても、速やかに、通電期間が終わる前にスイッチング素子をオフするように制御内容を変更することが可能になる。
一実施形態の車両用発電機の構成を示す図である。 整流器モジュールの構成を示す図である。 制御回路の詳細構成を示す図である。 上MOS VDS検出部による電圧比較の具体例を示す図である。 下MOS VDS検出部による電圧比較の具体例を示す図である。 制御部の詳細構成を示す図である。 制御部によって行う同期制御の動作タイミング図である。 車両が急加速する場合を想定した電気角の変動の様子を示す図である。 エンジン回転の回転脈動を想定した電気角の変動の様子を示す図である 電気負荷が急激に変動する場合を想定した電気角の変動の様子を示す図である。 ドライバにおけるターンオフ遅れを想定した電気角の変動の様子を示す図である。 各種の要因の組合せを想定した電気角の変動の様子を示す図である。 定常状態における電気角の変動範囲の様子を示す図である。 ΔTとTE/G との大小関係と補正係数αの設定内容との対応を示す説明図である。 整流器モジュールの変形例を示す図である。 制御回路の変形例を示す図である。
以下、本発明の車両用回転電機を適用した一実施形態の車両用発電機について、図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態の車両用発電機の構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態の車両用発電機1は、2つの固定子巻線(電機子巻線)2、3、界磁巻線4、2つの整流器モジュール群5、6、発電制御装置7を含んで構成されている。2つの整流器モジュール群5、6がスイッチング部に対応する。
一方の固定子巻線2は、多相巻線(例えばX相巻線、Y相巻線、Z相巻線からなる三相巻線)であって、固定子鉄心(図示せず)に巻装されている。同様に、他方の固定子巻線3は、多相巻線(例えばU相巻線、V相巻線、W相巻線からなる三相巻線)であって、上述した固定子鉄心に、固定子巻線2に対して電気角で30度ずらした位置に巻装されている。本実施形態では、これら2つの固定子巻線2、3と固定子鉄心によって固定子が構成されている。
界磁巻線4は、固定子鉄心の内周側に対向配置された界磁極(図示せず)に巻装されて回転子を構成している。励磁電流を流すことにより、界磁極が磁化される。界磁極が磁化されたときに発生する回転磁界によって固定子巻線2、3が交流電圧を発生する。
一方の整流器モジュール群5は、一方の固定子巻線2に接続されており、全体で三相全波整流回路(ブリッジ回路)が構成され、固定子巻線2に誘起される交流電流を直流電流に変換する。この整流器モジュール群5は、固定子巻線2の相数に対応する数(三相巻線の場合には3個)の整流器モジュール5X、5Y、5Zを備えている。整流器モジュール5Xは、固定子巻線2に含まれるX相巻線に接続されている。整流器モジュール5Yは、固定子巻線2に含まれるY相巻線に接続されている。整流器モジュール5Zは、固定子巻線2に含まれるZ相巻線に接続されている。
他方の整流器モジュール群6は、一方の固定子巻線3に接続されており、全体で三相全波整流回路(ブリッジ回路)が構成され、固定子巻線3に誘起される交流電流を直流電流に変換する。この整流器モジュール群6は、固定子巻線3の相数に対応する数(三相巻線の場合には3個)の整流器モジュール6U、6V、6Wを備えている。整流器モジュール6Uは、固定子巻線3に含まれるU相巻線に接続されている。整流器モジュール6Vは、固定子巻線3に含まれるV相巻線に接続されている。整流器モジュール6Wは、固定子巻線3に含まれるW相巻線に接続されている。
発電制御装置7は、F端子を介して接続された界磁巻線4に流す励磁電流を制御する励磁制御回路であって、励磁電流を調整することにより車両用発電機1の出力電圧(各整流器モジュールの出力電圧)VB が調整電圧Vreg になるように制御する。例えば、発電制御装置7は、出力電圧VB が調整電圧Vreg よりも高くなったときに界磁巻線4への励磁電流の供給を停止し、出力電圧VB が調整電圧Vreg よりも低くなったときに界磁巻線4に励磁電流の供給を行うことにより、出力電圧VB が調整電圧Vreg になるように制御する。また、発電制御装置7は、通信端子Lおよび通信線を介してECU8(外部制御装置)と接続されており、ECU8との間で双方向のシリアル通信(例えば、LIN(Local Interconnect Network)プロトコルを用いたLIN通信)を行い、通信メッセージを送信あるいは受信する。
本実施形態の車両用発電機1はこのような構成を有しており、次に、整流器モジュール5X等の詳細について説明する。
図2は、整流器モジュール5Xの構成を示す図である。なお、他の整流器モジュール5Y、5Z、6U、6V、6Wも同じ構成を有している。図2に示すように、整流器モジュール5Xは、2つのMOSトランジスタ50、51、制御回路54を備えている。MOSトランジスタ50は、ソースが固定子巻線2のX相巻線に接続され、ドレインが充電線12を介してを電気負荷10やバッテリ9の正極端子に接続された上アーム(ハイサイド側)のスイッチング素子である。MOSトランジスタ51は、ドレインがX相巻線に接続され、ソースがバッテリ9の負極端子(アース)に接続された下アーム(ローサイド側)のスイッチング素子である。これら2つのMOSトランジスタ50、51からなる直列回路がバッテリ9の正極端子と負極端子の間に配置され、これら2つのMOSトランジスタ50、51の接続点にX相巻線が接続されている。また、MOSトランジスタ50、51のそれぞれのソース・ドレイン間にはダイオードが並列接続されている。このダイオードはMOSトランジスタ50、51の寄生ダイオード(ボディダイオード)によって実現されるが、別部品としてのダイオードをさらに並列接続するようにしてもよい。なお、上アームおよび下アームの少なくとも一方を、MOSトランジスタ以外のスイッチング素子を用いて構成するようにしてもよい。
図3は、制御回路54の詳細構成を示す図である。図3に示すように、制御回路54は、制御部100、電源160、出力電圧検出部110、上MOS VDS検出部120、下MOS VDS検出部130、温度検出部150、ドライバ170、172を備えている。
電源160は、発電制御装置7から界磁巻線4に励磁電流が供給されるタイミングで動作を開始し、制御回路54に含まれる各素子に動作電圧を供給するとともに、励磁電流の供給が停止されたときに動作電圧の供給を停止する。この電源160の起動、停止は、制御部100からの指示に応じて行われる。
ドライバ170は、出力端子(G1)がハイサイド側のMOSトランジスタ50のゲートに接続されており、MOSトランジスタ50をオンオフする駆動信号を生成する。同様に、ドライバ172は、出力端子(G2)がローサイド側のMOSトランジスタ51のゲートに接続されており、MOSトランジスタ51をオンオフする駆動信号を生成する。
出力電圧検出部110は、例えば差動増幅器とその出力をデジタルデータに変換するアナログ−デジタル変換器によって構成されており、車両用発電機1(あるいは整流器モジュール5X)の出力端子(B端子)の電圧に対応するデータを出力する。なお、アナログ−デジタル変換器は、制御部100側に設けるようにしてもよい。
上MOS VDS検出部120は、ハイサイド側のMOSトランジスタ50のドレイン・ソース間電圧VDSを検出し、検出したドレイン・ソース間電圧VDSを所定のしきい値と比較してその大小に応じた信号を出力する。
図4は、上MOS VDS検出部120による電圧比較の具体例を示す図である。図4において、横軸はドレイン側の出力電圧VB を基準としたドレイン・ソース間電圧VDSを示している。また、縦軸は上MOS VDS検出部120から出力される信号の電圧レベルを示している。図4に示すように、相電圧VP が高くなって出力電圧VB よりも0.3V以上高くなるとVDSが0.3V以上になるため、上MOS VDS検出部120の出力信号がローレベル(0V)からハイレベル(5V)に変化する。その後、相電圧VP が出力電圧VB よりも1.0V以上低くなるとVDSが−1.0V以下になるため、上MOS VDS検出部120の出力信号がハイレベルからローレベルに変化する。
上述した出力電圧VB よりも0.3V高い値V10(図7)が、第1のしきい値に対応している。この第1のしきい値は、ダイオード通電期間の開始時点を確実に検出するためのものであり、出力電圧VB にオン時のMOSトランジスタ50のドレイン・ソース間電圧VDSを加算した値よりも高く、出力電圧VB にMOSトランジスタ50と並列接続されたダイオードの順方向電圧VFを加算した値よりも低い値に設定されている。また、上述した出力電圧VB よりも1.0V低い値V20(図7)が第2のしきい値に対応している。この第2のしきい値は、ダイオード通電期間の終了時点を確実に検出するためのものであり、出力電圧VB よりも低い値に設定されている。相電圧VP が第1のしきい値に達した後に第2のしきい値に達するまでを上アームの「オン期間」としている。このオン期間が特許請求の範囲における「通電期間」に対応する。なお、このオン期間は、MOSトランジスタ50がオフ状態のときに実際にダイオードに通電される「ダイオード通電期間」とは開始時点と終了時点がずれているが、本実施形態の同期制御はこのオン期間に基づいて行われる。
下MOS VDS検出部130は、ローサイド側のMOSトランジスタ51のドレイン・ソース間電圧VDSを検出し、検出したドレイン・ソース間電圧VDSを所定のしきい値と比較してその大小に応じた信号を出力する。
図5は、下MOS VDS検出部130による電圧比較の具体例を示す図である。図5において、横軸はドレイン側のバッテリ負極端子電圧であるグランド端子電圧VGND を基準としたドレイン・ソース間電圧VDSを示している。また、縦軸は下MOS VDS検出部130から出力される信号の電圧レベルを示している。図5に示すように、相電圧VP が低くなってグランド電圧VGND よりも0.3V以上低くなるとVDSが−0.3V以下になるため、下MOS VDS検出部130の出力信号がローレベル(0V)からハイレベル(5V)に変化する。その後、相電圧VP がグランド電圧VGND よりも1.0V以上高くなるとVDSが1.0V以上になるため、下MOS VDS検出部130の出力信号がハイレベルからローレベルに変化する。
上述したグランド電圧VGND よりも0.3V低い値V11(図7)が、第1のしきい値に対応している。この第1のしきい値は、ダイオード通電期間の開始時点を確実に検出するためのものであり、グランド電圧VGND からオン時のMOSトランジスタ51のドレイン・ソース間電圧VDSを減算した値よりも低く、グランド電圧VGND からMOSトランジスタ51と並列接続されたダイオードの順方向電圧VFを減算した値よりも高い値に設定されている。また、上述した出力電圧VB よりも1.0V高い値V21(図7)が第2のしきい値に対応している。この第2のしきい値は、ダイオード通電期間の終了時点を確実に検出するためのものであり、グランド電圧VGND よりも高い値に設定されている。相電圧VP が第1のしきい値に達した後に第2のしきい値に達するまでを下アームの「オン期間」としている。このオン期間が特許請求の範囲における「通電期間」に対応する。なお、このオン期間は、MOSトランジスタ51がオフ状態のときに実際にダイオードに通電される「ダイオード通電期間」とは開始時点と終了時点がずれているが、本実施形態の同期整流はこのオン期間に基づいて行われる。
温度検出部150は、例えばMOSトランジスタ50、51や制御部100の近傍に配置されたダイオードとその順方向電圧をデジタルデータに変換するアナログ−デジタル変換器を含んで構成されている。ダイオードの順方向電圧は温度依存性を有するため、この順方向電圧に基づいて、MOSトランジスタ50、51等の近傍の温度を検出することができる。なお、このアナログ−デジタル変換器あるいは温度検出部150全体を、制御部100内に設けるようにしてもよい。
制御部100は、同期整流動作を開始するタイミングの判定、同期整流を実施するためのMOSトランジスタ50、51のオン/オフタイミングの設定、このオン/オフタイミングの設定に対応したドライバ170、172の駆動、ロードダンプ保護動作移行タイミングの判定および保護動作の実施などを行う。
図6は、制御部100の詳細構成を示す図である。図6に示すように、制御部100は、回転数演算部101、同期制御開始判定部102、上MOSオンタイミング判定部103、下MOSオンタイミング判定部104、目標電気角設定部105、上MOS・TFB時間演算部106、上MOSオフタイミング演算部107、下MOS・TFB時間演算部108、下MOSオフタイミング演算部109、ロードダンプ判定部111、電源起動・停止判定部112を備えている。これらの各構成は、例えばメモリ等に記憶された所定の動作プログラムを、クロック発生回路によって生成したクロック信号に同期して読み込んでCPUで実行することにより実現される。各構成の具体的な動作内容については後述する。
上述した上MOSオンタイミング判定部103、下MOSオンタイミング判定部104が「オンタイミング設定部」に、上MOS・TFB時間演算部106、上MOSオフタイミング演算部107、下MOS・TFB時間演算部108、下MOSオフタイミング演算部109が「オフタイミング設定部」に、ドライバ170、172が「スイッチング素子駆動部」にそれぞれ対応する。
本実施形態の整流器モジュール5X等はこのような構成を有しており、次にその動作を説明する。
(1)電源起動・停止判定
電源起動・停止判定部112は、発電制御装置7のF端子から界磁巻線4に供給されるPWM信号(励磁電流)の有無を監視し、PWM信号の出力が30μ秒継続したときに電源160に起動を指示する。また、電源起動・停止判定部112は、PWM信号の出力が1秒間中断したときに電源160に停止を指示する。このようにして、界磁巻線4に励磁電流の供給が開始されたときに整流器モジュール5X等が動作を開始し、励磁電流の供給が停止したときに動作を停止するため、車両用発電機1の発電時のみ整流器モジュール5X等を動作させることで無駄な電力消費を抑えることができる。
(2)同期制御動作
図7は、制御部100によって行う同期整流制御(同期制御)の動作タイミング図である。図7において、「上アーム・オン期間」は上MOS VDS検出部120の出力信号を、「上MOSオン期間」はハイサイド側のMOSトランジスタ50のオン/オフタイミングを、「下アーム・オン期間」は下MOS VDS検出部130の出力信号を、「下MOSオン期間」はローサイド側のMOSトランジスタ51のオン/オフタイミングをそれぞれ示している。また、TFB1 、TFB2 、目標電気角、ΔTについては後述する。
上MOSオンタイミング判定部103は、上MOS VDS検出部120の出力信号(上アーム・オン期間)を監視しており、この出力信号のローレベルからハイレベルへの立ち上がりをハイサイド側のMOSトランジスタ50のオンタイミングとして判定し、ドライバ170に指示を送る。ドライバ170は、この指示に応じてMOSトランジスタ50をオンする。
上MOSオフタイミング演算部107は、MOSトランジスタ50がオンされてから所定時間経過後をMOSトランジスタ50のオフタイミングとして判定し、ドライバ170に指示を送る。ドライバ170は、この指示に応じてMOSトランジスタ50をオフする。
このオフタイミングを決定する所定時間は、上アーム・オン期間の終了時点(上MOS VDS検出部120の出力信号がハイレベルからローレベルに立ち下がる時点)よりも「目標電気角」だけ早くなるように、その都度可変設定される。
この目標電気角は、MOSトランジスタ50を常時オフしてダイオードを通して整流を行う場合を考えたときに、このダイオード整流における通電期間の終了時点よりもMOSトランジスタ50のオフタイミングが遅くならないようにするためのマージンであり、目標電気角設定部105によって設定される。目標電気角設定部105は、回転数演算部101によって演算された回転数に基づいて目標電気角を設定する。この目標電気角は、低回転領域および高回転領域において大きな値が、その中間領域において小さな値が設定される。回転数に応じた目標電気角の設定内容については後述する。
なお、回転数演算部101は、下MOS VDS検出部130の出力信号の立ち上がり周期あるいは立ち下がり周期に基づいて回転数を演算している。下MOS VDS検出部130の出力信号を用いることにより、車両用発電機1の出力電圧VB の変動に関係なく、安定した回転数検出が可能になる。
同様に、下MOSオンタイミング判定部104は、下MOS VDS検出部130の出力信号(下アーム・オン期間)を監視しており、この出力信号のローレベルからハイレベルへの立ち上がりをローサイド側のMOSトランジスタ51のオンタイミングとして判定し、ドライバ172に指示を送る。ドライバ172は、この指示に応じてMOSトランジスタ51をオンする。
下MOSオフタイミング演算部109は、MOSトランジスタ51がオンされてから所定時間経過後をMOSトランジスタ51のオフタイミングとして判定し、ドライバ172に指示を送る。ドライバ172は、この指示に応じてMOSトランジスタ51をオフする。
このオフタイミングを決定する所定時間は、下アーム・オン期間の終了時点(下MOS VDS検出部130の出力信号がハイレベルからローレベルに立ち下がる時点)よりも「目標電気角」だけ早くなるように、その都度可変設定される。
この目標電気角は、MOSトランジスタ51を常時オフしてダイオードを通して整流を行う場合を考えたときに、このダイオード整流における通電期間の終了時点よりもMOSトランジスタ51のオフタイミングが遅くならないようにするためのマージンであり、目標電気角設定部105によって設定される。
ところで、実際には、上アーム・オン期間や下アーム・オン期間の終了時点は、MOSトランジスタ50、51をオフする時点ではわかっていないため、上MOSオフタイミング演算部107や下MOSオフタイミング演算部109は、半周期前の情報をフィードバックすることにより、MOSトランジスタ50やMOSトランジスタ51のオフタイミングの設定精度を上げている。
例えば、ハイサイド側のMOSトランジスタ50のオフタイミングは以下のようにして設定される。下MOS・TFB時間演算部108は、半周期前のローサイド側のMOSトランジスタ51をオフしてから下アーム・オン期間の終了時点までの時間(電気角)TFB2 (図7)を演算し、上MOSオフタイミング演算部107は、このTFB2 から目標電気角を差し引いたΔTを求める。回転等が安定していればTFB2 と目標電気角とが等しくなってΔT=0となるはずであるが、(A)車両の加減速に伴う回転変動、(B)エンジン回転の脈動、(C)電気負荷の変動、(D)所定のプログラムをCPUで実行して制御部100を実現する場合の動作クロック周期の変動、(E)ドライバ170、172にMOSトランジスタ50、51をオフする指示を出してから実際にオフされるまでのターンオフ遅れ、などに伴ってΔTが0にならないことが多い。
そこで、上MOSオフタイミング演算部107は、半周期前に下MOSオフタイミング演算部109で用いられた下MOSオン期間をΔTに基づいて補正して上MOSオン期間を設定し、MOSトランジスタ50のオフタイミングを決定している。具体的には、補正係数をα(αの値の具体的な設定手法については後述する)としたときに、上MOSオン期間は、以下の式で設定される。
(上MOSオン期間)=(半周期前の下MOSオン期間)+ΔT×α
同様に、ローサイド側のMOSトランジスタ51のオフタイミングは以下のようにして設定される。上MOS・TFB時間演算部106は、半周期前のハイサイド側のMOSトランジスタ51をオフしてから上アーム・オン期間の終了時点までの時間(電気角)TFB1 (図7)を演算し、下MOSオフタイミング演算部109は、このTFB1 から目標電気角を差し引いたΔTを求める。下MOSオフタイミング演算部109は、半周期前に上MOSオフタイミング演算部107で用いられた上MOSオン期間をΔTに基づいて補正して下MOSオン期間を設定し、MOSトランジスタ51のオフタイミングを決定している。具体的には、補正係数をαとしたときに、下MOSオン期間は、以下の式で設定される。
(下MOSオン期間)=(半周期前の上MOSオン期間)+ΔT×α
このようにして、ダイオード整流を行う場合と同じ周期で、ハイサイド側のMOSトランジスタ50とローサイド側のMOSトランジスタ51が交互にオンされ、MOSトランジスタ50、51を用いた低損失の整流動作が行われる。
(3)目標電気角の設定手法
次に、目標電気角の設定手法について説明する。目標電気角は、回転数に応じた値が設定される。それは、MOSトランジスタ50、51をオフするタイミングが上アーム・オン期間や下アーム・オン期間の終了時点よりも遅くならないように同期制御を行うために必要な目標電気角の値(最小値)が回転数に依存するからである。具体的には、上述した上MOSオフタイミング演算部107や下MOSオフタイミング演算部109におけるオフタイミングの設定動作について説明したように、(A)車両の加減速に伴う回転変動、(B)エンジン回転の脈動、(C)電気負荷の変動、(D)所定のプログラムをCPUで実行して制御部100を実現する場合の動作クロック周期の変動、(E)ドライバ170、172にMOSトランジスタ50、51をオフする指示を出してから実際にオフされるまでのターンオフ遅れ、などに伴ってΔTが0にならないのと同じ理由で、必要な目標電気角の値を回転数に応じて変化させている。
図8は、車両が急加速(回転数が急激に上昇)する場合を想定した電気角の変動の様子を示す図である(上記のAのケースに対応する)。図8において、横軸は車両用発電機1の回転数を、縦軸は車両用発電機1の回転数が1秒間で2000rpmから16000rpmまで上昇する回転変動が生じたときに上アーム・オン期間と下アーム・オン期間の長さがどの程度変動したかを表す電気角をそれぞれ示している。なお、図8において実線で示す特性は回転子が8極の場合に、点線で示す特性は回転子が6極の場合に対応している。
図8に示すように、回転数が低いほど電気角で表したオン期間変動の程度が大きくなり、回転数が高いほど電気角で表したオン期間変動の程度が小さくなる。この特性を反映させると、低回転域になるほど目標電気角を大きな値に設定し、高回転域になるほど目標電気角を小さな値に設定する必要があるといえる。
図9は、エンジン回転が±40rpm脈動する場合を想定した電気角の変動の様子を示す図である(上記のBのケースに対応する)。図9において、横軸は車両用発電機1の回転数を、縦軸はプーリ比を2.5として上述したエンジン回転の変動が生じたときに上アーム・オン期間と下アーム・オン期間の長さがどの程度変動したかを表す電気角をそれぞれ示している。なお、図9において実線で示す特性は回転子が8極の場合に、点線で示す特性は回転子が6極の場合に対応している。
図9に示すように、回転数が低いほど電気角で表したオン期間変動の程度が大きくなり、回転数が高いほど電気角で表したオン期間変動の程度が小さくなる。この特性を反映させると、低回転域になるほど目標電気角を大きな値に設定し、高回転域になるほど目標電気角を小さな値に設定する必要があるといえる。
図10は、電気負荷が急激に変動する場合を想定した電気角の変動の様子を示す図である(上記のCのケースに対応する)。図10において、横軸は車両用発電機1の回転数を、縦軸は50Aの電気負荷10が切断されて出力電圧VB が13.5V〜14.0Vに変更したときに上アーム・オン期間と下アーム・オン期間の長さがどの程度変動したかを表す電気角をそれぞれ示している。なお、図10において実線で示す特性は回転子が8極の場合に、点線で示す特性は回転子が6極の場合に対応している。
図10に示すように、回転数が低いほど電気角で表したオン期間変動の程度が大きくなり、回転数が高いほど電気角で表したオン期間変動の程度が小さくなる。この特性を反映させると、低回転域になるほど目標電気角を大きな値に設定し、高回転域になるほど目標電気角を小さな値に設定する必要があるといえる。
図11は、ドライバ170、172におけるターンオフ遅れを想定した電気角の変動の様子を示す図である(上記のEのケースに対応する)。図11において、横軸は車両用発電機1の回転数を、縦軸はドライバ170、172のそれぞれにオフする指示を行ってから実際にオフされるまでのターンオフ遅れを15μ秒としたときに上アーム・オン期間と下アーム・オン期間の長さがどの程度変動したかを表す電気角をそれぞれ示している。なお、図11において実線で示す特性は回転子が8極の場合に、点線で示す特性は回転子が6極の場合に対応している。
図11に示すように、回転数が低いほど電気角で表したオン期間変動の程度が小さくなり、回転数が高いほど電気角で表したオン期間変動の程度が大きくなる。この特性を反映させると、低回転域になるほど目標電気角を小さな値に設定し、高回転域になるほど目標電気角を大きな値に設定する必要があるといえる。
また、上記以外では、クロック周期の変動を考慮する必要がある(上記のDのケースに対応する)。例えば、2MHzのシステムクロックを使用する場合にその精度が±β%、すなわちβ%の変動があるものとすると、上アーム・オン期間と下アーム・オン期間の長さの変動は、高回転域ほど大きくなり、低回転域ほど小さくなる。これは、クロックの精度は回転数に関係なく一定であるが、相電圧VP の電気角1周期分の時間は高回転域になるほど短くなるため、オン期間に占めるクロック変動分の相対的な割合が大きくなるからである。この特性を反映させると、低回転域になるほど目標電気角を小さな値に設定し、高回転域になるほど目標電気角を大きな値に設定する必要があるといえる。
図12は、上述したAからEのケースに対応する各種の要因の組合せを想定した電気角の変動の様子を示す図である。図12において、横軸は車両用発電機1の回転数を、縦軸は各種の要因に対応した電気角変動の累積値をそれぞれ示している。なお、図12に示す特性Sは回転子が8極の場合の電気角変動の累積値である。
図12に示すように、AからEのケースに対応する各種の要因を組み合わせると、低速回転域と高速回転域において電気角変動の程度が大きくなり、中速回転域において電気角変動の程度が小さくなることがわかる。目標電気角設定部105は、この特性を反映させて、すなわち、低速回転域と高速回転域において目標電気角の値を大きく、中速回転域において目標電気角の値を小さく設定する。図12においてP、Qで示された2種類の特性は、このようにして設定された目標電気角を示している。一方のPで示された目標電気角は、回転数に応じて値が連続的に変化するようにしたものである。この場合には、回転数に応じて目標電気角の最小値を設定することが可能となる。また、他方のQで示された目標電気角は、回転数に応じて値が階段状に変化するようにしてものである。この場合には、例えば回転数に応じて変化する複数の値をテーブルの形式で記憶しておけばよいため、目標電気角の可変設定に必要な構成を簡略化することができる。
(4)補正係数αの設定手法
次に、補正係数αの設定手段について説明する。本実施形態では、MOSトランジスタ51をオフしてから上アーム・オン期間の終了時点までの時間TFB1 やMOSトランジスタ51をオフしてから下アーム・オン期間の終了時点までの時間TFB2 から目標電気角を差し引いた差分ΔTと、このΔTの定常状態の範囲(定常状態においてΔTが変動する可能性がある範囲、この範囲の上限値を「TE/G 」とする。)と比較し、ΔTが定常状態の範囲内にある場合(TE/G よりも小)に補正係数αを小さく、ΔTが定常状態の範囲を外れる場合(TE/G よりも大)に補正係数αを大きく設定している。
目標電気角からのずれに相当する差分ΔTが定常状態の範囲内にあるか否かに応じてスイッチング素子50、51のオフタイミングの補正の程度(補正係数α)を可変することにより、車両の加速や電気負荷の急変などの動作状態に応じて次の通電期間の状態を予想してスイッチング素子50、51のオフタイミングを適切に設定することができる。
また、定常状態の範囲とは、車両の運転者の操作に起因しない通電期間の変動範囲である。具体的には、上述した「(2)同期制御動作」の説明において、ΔTが0にならない原因としてあげた、(A)車両の加減速に伴う回転変動、(B)エンジン回転の脈動、(C)電気負荷の変動、(D)所定のプログラムをCPUで実行して制御部100を実現する場合の動作クロック周期の変動、(E)ドライバ170、172にMOSトランジスタ50、51をオフする指示を出してから実際にオフされるまでのターンオフ遅れ、の中では、(B)、(D)、(E)の3つの要因による通電時間の変動範囲が定常状態の範囲といえる。一方、(A)と(C)の2つの要因については、主に運転者による何らかの操作(アクセル操作や電気負荷の投入/切断等)に起因する要因に基づく外乱であると考えることができる。車両の運転者の操作に起因しない通電期間の変動範囲を定常状態の範囲とすることにより、それ以外の要因に基づく外乱が生じたときにも、効率よくスイッチング素子50、51のオフタイミングを目標電気角に対応するタイミングに近づけることができる。
図13は、上述したB、D、Eの3つ要因の組合せを想定した定常状態における電気角の変動範囲(TE/G )の様子を示す図である。図13において、横軸は車両用発電機1の回転数を、縦軸は3つの要因に対応した電気角変動の累積値としてのTE/G をそれぞれ示している。なお、図13に示す特性T0は回転子が8極の場合の電気角変動の累積値である。
図13に示すように、B、D、Eの3つの要因を組み合わせると、低速回転域と高速回転域において電気角変動の程度が大きくなり、中速回転域において電気角変動の程度が小さくなることがわかる。上MOSオフタイミング演算部107、下MOSオフタイミング演算部109は、この特性を反映させて、すなわち、低速回転域と高速回転域においてTE/G の値を大きく、中速回転域においてTE/G の値を小さく設定する。図13においてT1、T2で示された2種類の特性は、このようにして設定されたTE/G を示している。一方のT1で示されたTE/G は、回転数に応じて値が連続的に変化するようにしたものである。この場合には、回転数に応じてTE/G の最小値を設定することが可能となる。また、他方のT2で示されたTE/G は、回転数に応じて値が階段状に変化するようにしてものである。この場合には、例えば回転数に応じて変化する複数の値をテーブルの形式で記憶しておけばよいため、TE/G の可変設定に必要な構成を簡略化することができる。
図14は、ΔTとTE/G との大小関係と補正係数αの設定内容との対応を示す説明図である。図14に示すように、ΔTが正か負か、ΔTの絶対値がTE/G よりも大か小かによって4つのケースに分類することができる。
ケース1は、ΔTが正(TFB1 やTFB2 よりも目標電気角の方が小さい)で、ΔTの方がTE/G よりも大きい場合である。このケース1は、例えば車両が急に減速した場合や電気負荷が急に増大して、TFB1 やTFB2 が急に大きくなった場合に対応する。この場合には、上MOSオフタイミング演算部107は、半周期前に下MOSオフタイミング演算部109によって決定したMOSトランジスタ51のオフタイミングに対してΔT×1.0ずらした(遅らせた)タイミングを、補正後のMOSトランジスタ50のオフタイミングとして決定する。あるいは、下MOSオフタイミング演算部109は、半周期前に上MOSオフタイミング演算部107によって決定したMOSトランジスタ50のオフタイミングに対してΔT×1.0ずらした(遅らせた)タイミングを、補正後のMOSトランジスタ51のオフタイミングとして決定する。
ケース2は、ΔTが正(TFB1 やTFB2 よりも目標電気角の方が小さい)で、ΔTがTE/G 以下の場合である。このケース2は、例えば車両が急に加速も減速もせず、電気負荷の急激な増減もない場合であって、TFB1 やTFB2 の変動が小さい場合に対応する。この場合には、上MOSオフタイミング演算部107は、半周期前に下MOSオフタイミング演算部109によって決定したMOSトランジスタ51のオフタイミングに対してΔT×0.75ずらした(遅らせた)タイミングを、補正後のMOSトランジスタ50のオフタイミングとして決定する。あるいは、下MOSオフタイミング演算部109は、半周期前に上MOSオフタイミング演算部107によって決定したMOSトランジスタ50のオフタイミングに対してΔT×0.75ずらした(遅らせた)タイミングを、補正後のMOSトランジスタ51のオフタイミングとして決定する。
ケース3は、ΔTが負(TFB1 やTFB2 よりも目標電気角の方が大きい)で、ΔTが−TE/G 以上の場合である。このケース3は、ケース2と同様に、例えば車両が急に加速も減速もせず、電気負荷の急激な増減もない場合であって、TFB1 やTFB2 の変動が小さい場合に対応する。この場合には、上MOSオフタイミング演算部107は、半周期前に下MOSオフタイミング演算部109によって決定したMOSトランジスタ51のオフタイミングに対してΔT×1.0ずらした(進ませた)タイミングを、補正後のMOSトランジスタ50のオフタイミングとして決定する。あるいは、下MOSオフタイミング演算部109は、半周期前に上MOSオフタイミング演算部107によって決定したMOSトランジスタ50のオフタイミングに対してΔT×1.0ずらした(進ませた)タイミングを、補正後のMOSトランジスタ51のオフタイミングとして決定する。
ケース4は、ΔTが負(TFB1 やTFB2 よりも目標電気角の方が大きい)で、ΔTが−TE/G よりも小さい場合である。このケース4は、例えば車両が急に加速した場合や電気負荷が急に減少して、TFB1 やTFB2 が急に小さくなった場合に対応する。この場合には、上MOSオフタイミング演算部107は、半周期前に下MOSオフタイミング演算部109によって決定したMOSトランジスタ51のオフタイミングに対してΔT×1.25ずらした(進ませた)タイミングを、補正後のMOSトランジスタ50のオフタイミングとして決定する。あるいは、下MOSオフタイミング演算部109は、半周期前に上MOSオフタイミング演算部107によって決定したMOSトランジスタ50のオフタイミングに対してΔT×1.25ずらした(進ませた)タイミングを、補正後のMOSトランジスタ51のオフタイミングとして決定する。
このように、差分ΔTに係数αを乗じた値を前回(半周期前)のスイッチング素子50、51のオフタイミングに加算して次回のスイッチング素子51、50のオフタイミングとするとともに、差分ΔTの絶対値がTE/G 以下の場合の補正係数αよりも、差分ΔTの絶対値がTE/G より大きい場合の補正係数αの値を大きく設定することにより、スイッチング素子50、51のオフタイミングが目標電気角に対応するタイミングから大きく外れた場合に、迅速にオフタイミングを補正することができる。
また、差分ΔTの絶対値が同じ場合を比較すると、差分ΔTが正の場合よりも負の場合の補正係数αの値が大きく設定されている。差分ΔTが負の場合とは、ダイオード通電期間が短くなった場合であり、この場合に係数αの値を大きく設定することにより、ダイオード通電期間の終了タイミングよりも遅れてスイッチング素子50、51をオフする事態を速やかに回避することができる。
また、TE/G を連続的に変化させることにより、回転数等に応じてTE/G の最小値を設定することが可能となる。一方、TE/G を階段状に可変することにより、TE/G の可変設定に必要な構成を簡略化することができる。
また、本実施形態の車両用発電機1では、目標電気角の値を回転数に応じて可変設定することにより、MOSトランジスタ50、51がオフされてからダイオードに電流が流れる期間を確保するとともにこの期間を短くすることができるため、ダイオード整流によって生じる損失を低減し、発電効率の向上を図ることが可能となる。特に、低速回転域および高速回転域では目標電気角の値を大きく、中速回転域では目標回転角の値を小さく設定することにより、目標電気角の適切な値を回転数毎に設定することができ、損失低減および発電効率の向上を各回転域で実現することができる。
また、目標電気角を連続的に変化させることにより、回転数等に応じて目標電気角の最小値を設定することが可能となり、損失を最小限に抑えて発電効率を最大とすることができる。また、目標電気角を階段状に可変することにより、目標電気角の可変設定に必要な構成を簡略化することができる。
ところで、上述した実施形態では、目標電気角の値を回転数に応じて可変設定したが、さらに温度や出力電流を回転数と組み合わせて目標電気角の値を設定するようにしてもよい。
例えば、一般に、クロック発生器が発生するクロックの周期は温度が高くなるほど変動が大きくなる。このクロック発生器が整流器モジュール5X等に内蔵されている場合を考えると、温度検出部150によって検出される温度はこのクロック発生器の温度と一致すると考えることができる。目標電気角設定部105は、温度検出部150によって検出された温度が高く、かつ、回転数に対して目標電気角が増加しているときに目標電気角を大きな値に設定し、温度が低いほど目標電気角を小さな値に設定する。温度による影響を加味することにより、さらに目標電気角の適切な値を設定することができ、さらなる損失低減および発電効率向上が可能となる。
また、一般に、出力電流が多いほど相電圧VP の上昇および下降が急峻になり、反対に出力電流が少ないほど相電圧VP の上昇および下降がなだらかになる。上述したように、上アーム・オン期間が終了する時点と実際にMOSトランジスタ50と並列なダイオードに流れる電流が停止するタイミングとはずれており、このずれの程度は、相電圧VP の変化がなだらかになる小出力時の方が顕著になる。目標電気角設定部105は、出力電流が少ないほど目標電気角を大きな値に設定し、出力電流が多いほど目標電気角を小さな値に設定する。出力電流変化による影響を加味することにより、さらに目標電気角の適切な値を設定することができ、さらなる損失低減および発電効率向上が可能となる。なお、出力電流の大小は、発電制御装置7のF端子から界磁巻線4に供給されるPWM信号のオンデューティを監視することにより判定することができる。あるいは、出力電流の大小は、例えば図2に示すMOSトランジスタ51のソースとバッテリ9の負極端子(アース)との間に電流検出用抵抗を挿入し、この電流検出用抵抗の両端電圧に基づいて判定するようにしてもよい。図15および図16は電流検出部を追加して出力電流の大小を判定する変形例の構成を示す図である。図15に示す構成は、図2に示した整流器モジュール5Xに対して、電流検出用抵抗55を追加したものである。図16に示す構成は、図3に示した制御回路54に対して出力電流検出部152を追加したものである。この出力電流検出部152は、電流検出用抵抗55の両端電圧に基づいて出力電流を検出する。なお、この場合には、整流器モジュール5XのMOSトランジスタ51を流れる電流値に基づいて出力電流の大小を判定することになるが、代わりに、充電線12あるいは出力端子に流れる電流値を電流センサを用いて直接検出して出力電流の大小を判定するようにしてもよい。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、目標電気角設定部105は、通電期間(上アーム・オン期間、下アーム・オン期間)が終わるタイミングよりもMOSトランジスタ50、51をオフするタイミングの方が遅くなる頻度が増加したときに、目標電気角の値を大きくするようにしてもよい。これにより、何らかの原因により通電期間よりもMOSトランジスタ50、51をオフするタイミングが遅れた状態が頻繁に発生する場合であっても、速やかに、通電期間が終わる前にMOSトランジスタ50、51をオフするように制御内容を変更することが可能になる。
また、上述した実施形態では、低速回転域および高速回転域ではTE/G の値を大きく、中速回転域ではTE/G の値を小さく設定する場合について説明したが、低速回転域と中速回転域との関係に着目して、あるいは、中速回転域と高速回転域との関係に着目して目標電気角の可変設定を行うようにしてもよい。
具体的には、回転数を低速回転域、中速回転域、高速回転域に分けたときに、上MOSオフタイミング演算部107、下MOSオフタイミング演算部109は、回転数演算部101によって演算された回転数が低速回転域ではTE/G の値を大きく、中速回転域ではTE/G の値を小さく設定する。これにより、中速回転域までの範囲でTE/G の適切な値を回転数毎に設定することができる。この場合には高速回転域でのTE/G は、上述した実施形態(図13)と同様に回転数上昇に伴って大きくしてもよいが一定としてもよい。
あるいは、回転数を低速回転域、中速回転域、高速回転域に分けたときに、上MOSオフタイミング演算部107、下MOSオフタイミング演算部109は、回転数演算部101によって演算された回転数が高速回転域ではTE/G の値を大きく、中速回転域ではTE/G の値を小さく設定することが望ましい。これにより、中速回転域以上の範囲でTE/G の適切な値を回転数毎に設定することができる。この場合には低速回転域での目標電気角は、上述した実施形態(図13)と同様に回転数低下に伴って大きくしてもよいが一定としてもよい。
また、上述した実施形態では、低速回転域および高速回転域では目標電気角の値を大きく、中速回転域では目標回転角の値を小さく設定する場合について説明したが、低速回転域と中速回転域との関係に着目して、あるいは、中速回転域と高速回転域との関係に着目して目標電気角の可変設定を行うようにしてもよい。
具体的には、回転数を低速回転域、中速回転域、高速回転域に分けたときに、目標電気角設定部105は、回転数演算部101によって演算された回転数が低速回転域では目標電気角の値を大きく、中速回転域では目標回転角の値を小さく設定する。これにより、中速回転域までの範囲で目標電気角の適切な値を回転数毎に設定することができ、損失低減および発電効率の向上を中速回転域までの範囲で実現することができる。この場合には高速回転域での目標電気角は、上述した実施形態(図12)と同様に回転数上昇に伴って大きくしてもよいが一定としてもよい。
あるいは、回転数を低速回転域、中速回転域、高速回転域に分けたときに、目標電気角設定部105は、回転数演算部101によって演算された回転数が高速回転域では目標電気角の値を大きく、中速回転域では目標回転角の値を小さく設定することが望ましい。これにより、中速回転域以上の範囲で目標電気角の適切な値を回転数毎に設定することができ、損失低減および発電効率の向上を中速回転域以上の範囲で実現することができる。この場合には低速回転域での目標電気角は、上述した実施形態(図12)と同様に回転数低下に伴って大きくしてもよいが一定としてもよい。
また、上述した実施形態では、2つの固定子巻線2、3と2つの整流器モジュール群5、6を備えるようにしたが、一方の固定子巻線2と一方の整流器モジュール群5を備える車両用発電機についても本発明を適用することができる。
また、上述した実施形態では、各整流器モジュール5X等を用いて整流動作(発電動作)を行う場合について説明したが、MOSトランジスタ50、51のオン/オフタイミングを変更することにより、バッテリ9から印加される直流電流を交流電流に変換して固定子巻線2、3に供給して電動動作を行わせる車両用回転電機に本発明を適用することができる。
また、上述した実施形態では、2つの整流器モジュール群5、6のそれぞれに3つの整流器モジュールを含ませるようにしたが、整流器モジュールの数は3以外であってもよい。
上述したように、本発明によれば、目標電気角からのずれに相当する差分ΔTが定常状態の範囲内にあるか否かに応じてスイッチング素子50、51のオフタイミングの補正の程度を可変することにより、車両の加速や電気負荷の急変などの動作状態に応じて次の通電期間の状態を予想してスイッチング素子50、51のオフタイミングを適切に設定することができる。
1 車両用発電機
2、3 固定子巻線
4 界磁巻線
5、6 整流器モジュール群
5X、5Y、5Z、6U、6V、6W 整流器モジュール
7 発電制御装置
8 ECU
9 バッテリ
10 電気負荷
12 充電線
50、51 MOSトランジスタ
54 制御回路
100 制御部
101 回転数演算部
102 同期制御開始判定部
103 上MOSオンタイミング判定部
104 下MOSオンタイミング判定部
105 目標電気角設定部
106 上MOS・TFB時間演算部
107 上MOSオフタイミング演算部
108 下MOS・TFB時間演算部
109 下MOSオフタイミング演算部
110 出力電圧検出部
111 ロードダンプ判定部
112 電源起動・停止判定部
120 上MOS VDS検出部
130 下MOS VDS検出部
150 温度検出部
160 電源

Claims (14)

  1. 2相以上の相巻線を有する電機子巻線と、
    ダイオードが並列接続されたスイッチング素子によって構成される複数の上アームおよび下アームを有するブリッジ回路を構成し、前記電機子巻線の誘起電圧を整流するスイッチング部と、
    回転数を演算する回転数演算部と、
    前記スイッチング素子のオンタイミングを設定するオンタイミング設定部と、
    前記相巻線の相電圧が第1のしきい値に達した後第2のしきい値に達するまでを通電期間とし、前記スイッチング素子をオフしてから前記通電期間の終了時点までの期間を電気角で表した目標電気角としたときに、この目標電気角の値を設定する目標電気角設定部と、
    前記通電期間の終了時点までの期間が前記目標電気角となるように、前記スイッチング素子のオフタイミングを設定するオフタイミング設定部と、
    前記オンタイミング設定部によって設定されたオンタイミングおよび前記オフタイミング設定部によって設定されたオフタイミングで前記スイッチング素子を駆動するスイッチング素子駆動部と、
    を備え、前記スイッチング素子のオフタイミングから前記相電圧が前記第2のしきい値に達するまでの電気角をTFB、この電気角TFBから前記目標電気角を引いた差分をΔTとしたときに、前記オフタイミング設定部は、直前の前記差分ΔTの値に基づいて次回の前記スイッチング素子のオフタイミングを補正するとともに、直前の前記差分ΔTが定常状態の範囲を超えるか否かを判定し、前記差分ΔTが定常状態の範囲内にある場合よりも定常状態の範囲を外れる場合の補正の程度を大きくすることを特徴とする車両用回転電機。
  2. 請求項1において、
    前記オフタイミング設定部は、上アームおよび下アームのいずれか一方に対応する直前の前記ΔTの値に基づいて、上アームおよび下アームのいずれか他方に対応する次回の前記スイッチング素子のオフタイミングの設定を行うことを特徴とする車両用回転電機。
  3. 請求項1または2において、
    前記定常状態の範囲とは、車両の運転者の操作に起因しない前記通電期間の変動範囲であることを特徴とする車両用回転電機。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記オフタイミング設定部は、前記差分ΔTに係数αを乗じた値を前回の前記スイッチング素子のオフタイミングに加算して次回のオフタイミングとするとともに、前記差分ΔTが定常状態の範囲内にある場合よりも定常状態の範囲を外れる場合の前記係数αの値を大きく設定することを特徴とする車両用回転電機。
  5. 請求項4において、
    前記差分ΔTが正の場合よりも負の場合の前記係数αの値が大きく設定されていることを特徴とする車両用回転電機。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、
    前記オフタイミング設定部は、前記定常状態の範囲を前記回転数演算部によって演算された回転数に応じて設定することを特徴とする車両用回転電機。
  7. 請求項6において、
    回転数を低速回転域、中速回転域、高速回転域に分けたときに、
    前記オフタイミング設定部は、前記回転数演算部によって演算された回転数が高速回転域では前記定常状態の範囲を広く、中速回転域では前記定常状態の範囲を狭く設定することを特徴とする車両用回転電機。
  8. 請求項7において、
    前記オフタイミング設定部は、前記回転数演算部によって演算された回転数が低速回転域では前記定常状態の範囲を広く、中速回転域では前記定常状態の範囲を狭く設定することを特徴とする車両用回転電機。
  9. 請求項1〜8のいずれかにおいて、
    前記オフタイミング設定部による前記定常状態の範囲の可変設定は、前記定常状態の範囲を連続的に可変することにより行われることを特徴とする車両用回転電機。
  10. 請求項1〜9のいずれかにおいて、
    前記オフタイミング設定部による前記定常状態の範囲の可変設定は、前記定常状態の範囲を階段状に可変することにより行われることを特徴とする車両用回転電機。
  11. 請求項1〜9のいずれかにおいて、
    前記目標電気角設定部は、前記回転数演算部によって演算された回転数に応じて前記目標電気角の値を設定することを特徴とする車両用回転電機。
  12. 請求項1〜11のいずれかにおいて、
    温度を検出する温度検出部をさらに備え、
    前記目標電気角設定部は、前記温度検出部によって検出された温度に応じて前記目標電気角の値を設定することを特徴とする車両用回転電機。
  13. 請求項1〜12のいずれかにおいて、
    前記目標電気角設定部は、出力電流の大小に応じて前記目標電気角の値を設定することを特徴とする車両用回転電機。
  14. 請求項1〜13のいずれかにおいて、
    前記目標電気角設定部は、前記通電期間が終わるタイミングよりも前記スイッチング素子をオフするタイミングの方が遅くなる頻度が増加したときに前記目標電気角の値を大きくすることを特徴とする車両用回転電機。
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