JP2004328911A - 車両用交流発電機 - Google Patents

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Arata Kusase
草瀬  新
Masato Hanai
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Abstract

【課題】外部から供給する励磁電流を少なくし、制御応答性が速く、制御が不安定になることを防止することができる車両用交流発電機を提供すること。
【解決手段】第1の界磁巻線式発電機としての主発電機20と、第2の界磁巻線式発電機としての励磁機30と、主発電機20の出力電圧を整流する整流器40を含んで車両用交流発電機が構成される。整流器40は、少なくとも一部に、断続状態が制御可能なMOSFET48を有している。バッテリ200の出力端子の電圧が適正範囲を超えたときに、MOSFET48がオン状態に制御される。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車やトラック等に搭載されてバッテリ充電用あるいはアイドルストップスタート用に用いられる車両用交流発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両の燃費向上が叫ばれる一方で増大した電気負荷に電力を供給するために車両用交流発電機の高出力化が進んでいる。限られた搭載スペースの中で高性能化するために各種の技術が提案されているが、歴史的に見ると、最も基本的な技術進化の流れとしては、界磁巻線の低抵抗化と高占積率化があげられる。すなわち、界磁巻線の抵抗値を下げ、所定の端子電圧を有するバッテリから界磁巻線に対して大きな励磁電流を流すことにより、励磁アンペアターンを増加させて界磁力の増大を図って高出力化を実現する。
【0003】
しかしながら、一般的な従来の車両用交流発電機は、回転子の回転軸に設けられたスリップリングにブラシを摺接することにより、界磁巻線に励磁電流を供給する構造を有している。このため、励磁電流を大きくすると、スリップリングとブラシの接触抵抗によって生じる発熱が多くなって、スリップリングやブラシの異常摩耗の原因となるため、無制限に励磁電流を大きくできるわけではない。しかも、高出力化とともに小型化の要求もあるため、励磁電流を制御するために小型レギュレータが用いられているが、励磁電流を増大させると、この小型レギュレータに内蔵されたスイッチング素子の発熱が過大になって、寿命の低下や故障の原因になる。したがって、従来からの高出力化の要求に応えるために既に励磁電流は許容電流上限値に達しているといえる。
【0004】
また一方で、建設機械用などで重用されている多極爪型回転子ブラシレス方式を採用する構造も提案されているが、界磁制御を行う小型レギュレータの許容電流の限界の問題を解決するものでないばかりでなく、ブラシレス構造とすることにより磁気回路が分断されて損失が増大し、出力の大幅な低下につながるため、元々の目的である高出力化が達成できない。
【0005】
このように励磁電流を単に増加させようとすると様々な問題が生じるため、これ以外の方法で高出力化を実現する必要がある。例えば、従来から水力発電所などの大型発電機で用いられてきた主発電機の界磁を副発電機で得る技術、すなわち副発電機としてのエキサイタ(励磁機)に小さな励磁電流を流すことにより、主発電機に供給される大きな励磁電流を発生させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第4,797,590号明細書(第3−5頁、図1−2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した特許文献1に開示された発電機のように、主発電機と副発電機を組み合わせた縦続システムに加えバッテリの電圧応答も考慮すると、制御応答性が悪く、制御が不安定になるなどの問題があった。このため、この構成をそのまま車両用交流発電機に適用することはできない。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、外部から供給する励磁電流を少なくすることができる車両用交流発電機を提供することにある。また、本発明の他の目的は、制御応答性が速く、制御が不安定になることを防止することができる車両用交流発電機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の車両用交流発電機は、第1の界磁巻線式発電機と、第1の界磁巻線式発電機と同じ駆動軸によって回転駆動される第2の界磁巻線式発電機と、第1の界磁巻線式発電機の交流出力に対して整流する整流器とを有しており、第1の界磁巻線式発電機は、電機子としての第1の固定子と、界磁子としての第1の回転子とを有し、第2の界磁巻線式発電機は、電機子としての第2の回転子と、界磁子としての第2の固定子とを有し、第2の回転子によって発生した電流が第1の回転子に励磁電流として供給され、整流器は、少なくとも一部に、断続状態が制御可能なスイッチ素子を有している。第2の界磁巻線式発電機によって発生した励磁電流を第1の界磁巻線式発電機に供給しているため、第2の界磁巻線式発電機に外部から供給する励磁電流を少なくすることができる。また、第1の界磁巻線式発電機が発電を開始すると、整流器に接続されたバッテリの端子電圧が上昇してくるが、第2の界磁巻線式発電機に対する励磁電流の供給を停止させ、これに伴って第1の界磁巻線式発電機の発電を停止させることにより、バッテリの端子電圧の上昇を抑えることができる。また、第2の界磁巻線式発電機の発電を停止して第1の界磁巻線式発電機の発電を停止させるまでの間に生じるバッテリ電圧の上昇に対しては、整流器に備わったスイッチング素子を短絡あるいは開放することによりこの上昇を抑えることができる。整流器が接続された電機子側の応答は速いため、このようなスイッチング素子の制御を行うことにより、バッテリの端子電圧の上昇を速やかに抑えることが可能になり、制御が不安定になることを防止することができる。
【0010】
また、上述した第1の固定子は、多相巻線を有しており、整流器に含まれるスイッチ素子は、FETスイッチであり、多相巻線の各端子と整流器の負極端子との間にFETスイッチを接続することが望ましい。FETスイッチを用いることにより、SCR(シリコン制御整流器)のように次の半周期まで待つことなく瞬時に断続制御を行うことが可能であるため制御の応答性をさらに速くすることができる。また、整流器の負極端子側にFETスイッチを接続する場合には、FETスイッチへのゲート制御電圧の印加をバッテリ電圧を用いて行うことが可能になるため、制御用電圧を別に生成する必要がなくなり、制御が簡単になる。
【0011】
また、上述した第1の固定子は、多相巻線を有しており、整流器に含まれるスイッチ素子は、FETスイッチであり、多相巻線の各端子と整流器の負極端子および正極端子のそれぞれの間にFETスイッチを接続することが望ましい。このように整流器に含まれる各整流素子をFETスイッチとしたインバータ構成を採用することにより、整流器から第1の界磁巻線式発電機の電機子に対して電力を供給して第1の界磁巻線式発電機を電動機として動作させたり、第1の界磁巻線式発電機の発電位相を制御して電機子反作用による減磁を抑えて増磁作用を強めることによって高出力化を図ることができる。また、整流器の負極端子および正極端子のそれぞれに接続された各FETスイッチを短絡あるいは開放する制御を行うことにより、制御の応答性をさらに速くすることができる。
【0012】
また、上述した第2の固定子は、界磁巻線を有しており、第1および第2の回転子の回転数が所定値以下のときに、第2の固定子に備わった界磁巻線に対して連続通電が行われることが望ましい。これにより、低回転時における励磁力の増大による高出力化が可能であり、広い回転域での高出力化と発電制御の安定化を両立することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した一実施形態の車両用交流発電機について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、一実施形態の車両用交流発電機の全体構成を示す図である。また、図2は本実施形態の車両用交流発電機の結線図である。
【0014】
図1に示す車両用交流発電機100は、フロント側ハウジング10、リア側ハウジング12、主発電機20、励磁機(エキサイタ)30、整流器40を含んで構成されている。
主発電機20は、車両用交流発電機100の外部に供給する電力を発生する第1の界磁巻線式発電機であり、駆動軸としてのシャフト22の周囲に固定されて一体となって回転駆動される界磁子として機能する第1の回転子24と、フロント側ハウジング10に固定されて電機子として機能する第1の固定子26とを有している。第1の回転子24は、2つの界磁鉄心240、242によって主界磁巻線244を軸方向両側から挟み込んだ構造を有している。一方の界磁鉄心242の端面には、励磁機30による発電によって生成された交流電圧を整流する界磁整流器246が備わっており、この界磁整流器246の整流動作によって得られる直流電圧が主界磁巻線244の両端に印加されて励磁電流が流れるようになっている。また、第1の固定子26は、電機子鉄心260に形成された複数のスロットに、多相巻線(例えば三相巻線)としての電機子巻線262を巻装した構造を有している。この電機子巻線262の端子が整流器40に接続されている。
【0015】
励磁機30は、主発電機20の主界磁巻線244に流す励磁電流を発生する第2の界磁巻線式発電機であり、主発電機20に含まれる第1の回転子24が固定されたシャフト22の周囲に固定されて一体となって回転駆動される電機子として機能する第2の回転子34と、リア側ハウジング12に固定されて界磁子として機能する第2の固定子36とを有している。第2の回転子34は、電機子鉄心340に電機子巻線342が巻装された構造を有しており、電機子巻線342に誘起した交流電圧が主発電機20の第1の回転子24に含まれる界磁整流器246に印加される。また、第2の固定子36は、界磁鉄心360に界磁巻線362が巻装された構造を有している。
【0016】
整流器40は、負極側放熱板42と、出力端子44が接続された正極側放熱板46とを含んで構成されている。図2に示すように、負極側放熱板42は負極側端子として機能しており、この負極側端子と主発電機20に含まれる電機子巻線262の3つの端子のそれぞれとの間(負アーム側)に、ダイオード47とMOSFET48とを並列接続したスイッチ素子(FETスイッチ)が接続されている。また、正極側放熱板46は正極側端子として機能しており、この正極側端子と電機子巻線262の3つの端子のそれぞれとの間(正アーム側)にダイオード49が接続されている。また、出力端子44は、励磁機30の界磁巻線362の一方端に接続されている。
【0017】
3つのMOSFET48のそれぞれのソース・ドレイン間は、バッテリ200の端子電圧が所定の適正範囲を超えると、制御回路50によって正電位の制御ゲート電圧が出力されて直ちに短絡される。
制御回路50は、バッテリ200の端子電圧に基づいて、整流器40に含まれるMOSFET48の断続状態を制御する。バッテリ200の端子電圧が所定の適正範囲内にある場合には各MOSFET48のソース・ドレイン間が開放され(オフ状態)、適正範囲を超えると短絡される(オン状態)。また、制御回路50は、励磁機30の界磁巻線362の他方端に接続されたスイッチング素子52を有しており、界磁巻線362に対する励磁電流の断続制御を行っている。制御回路50は、シャフト22に固定された第1および第2の回転子24、34の回転数が所定値以下の低速回転時には、スイッチング素子52のオン状態を維持し、これにより、界磁巻線362に対する連続通電が行われる。
【0018】
本実施形態の車両用交流発電機100はこのような構成を有しており、次にその動作を説明する。
例えば、本実施形態の車両用交流発電機100では、整流器40から励磁機30の界磁巻線362に対して5A程度の励磁電流が流れたときに、励磁機30の電機子巻線342に接続された界磁整流器246から定格でその10倍、すなわち50A程度の励磁電流が主発電機20の主界磁巻線244に供給可能な仕様に設定されている。
【0019】
シャフト22に固定されたプーリ23がエンジン(図示せず)によって回転駆動されると、励磁機30が発電を開始するため、励磁機30の電機子巻線342に交流電圧が誘起する。この交流電圧は主発電機20の界磁整流器246に印加されて直流電圧に変換され、界磁整流器246から主発電機20の主界磁巻線244に対して励磁電流が供給され、主発電機20による発電が開始される。この結果、整流器40の出力端子44からバッテリ200に対して充電電流が流れ、バッテリ200の端子電圧が次第に上昇する。
【0020】
制御回路50は、バッテリ200の端子電圧を監視しており、端子電圧が第1の基準値を超えるとスイッチング素子52をオフ状態にして励磁機30の界磁巻線362に対する励磁電流の供給を停止する制御を行う。この結果、励磁機30の発電が停止し、あるいは発電量が減少し、その後、主発電機20の発電が停止し、あるいは発電量が減少し、出力端子44からバッテリ200に供給される充電電流が減少してバッテリ200の端子電圧の上昇が抑えられる。
【0021】
また、制御回路50は、このようにして励磁機30の界磁巻線362に対する励磁電流の供給を停止してからバッテリ200に対して供給する充電電流を減少させるまでの間にバッテリ200の端子電圧が第2の基準値(第1の基準値よりも高い値に設定されている)を超えると、整流器40に含まれるMOSFET48をオン状態に制御し、出力端子44からバッテリ200に対する充電電流の供給を速やかに停止あるいは減少させる。
【0022】
図3は、励磁機30が備わっていない従来構成の車両用交流発電機の応答性を説明する図である。また、図4は励磁機30が備わった従来構成(例えば特許文献1を参照)の車両用交流発電機の応答性を説明する図である。
これらの図において、Tfは車両用交流発電機の界磁時定数、Tf1は励磁機の界磁時定数、Tf2は主発電機の界磁時定数、sは伝達関数の変数(複素数)、Kはバッテリの端子電圧Vbを用いて帰還制御する場合の帰還ゲインである。
【0023】
図3に示した従来構成の制御系は、車両用発電機とバッテリの一次遅れ要素を経て負帰還電圧制御をかける構成であり、周知のように安定制御解があるため常用されている。これに対し、図4に示した励磁機付きの従来構成の制御系は、励磁機自体が一次遅れ要素であることから、一巡伝達関数が図3に示した制御系よりも高次になり、通常は安定制御が困難となる。
【0024】
図5は、本実施形態の車両用交流発電機の応答性を説明する図である。図5において、Tf1は励磁機30の界磁時定数、Tf2は主発電機20の界磁時定数、sは伝達関数の変数(複素数)、K1はバッテリ200の端子電圧Vbに基づく励磁機30の励磁電流制御によって主発電機20の発電状態を帰還制御する場合の帰還ゲイン、K2はバッテリ200の端子電圧Vbに基づくMOSFET48の断続制御によって主発電機20の発電状態を帰還制御する場合の帰還ゲインである。
【0025】
本実施形態の車両用交流発電機100では、MOSFET48を断続することにより主発電機20の発電状態を直接制御することが可能になり、その厳密な制御系が図5(A)に示されている。ここで、帰還ゲインK2が含まれる主発電機20全体の伝達関数G’は、図5(B)の上段に示すように変形した後、Tf2<<1+K2という条件を満たすように帰還ゲインK2を設定することにより、図5(B)の下段に示すようにさらに1/(1+K2)と変形することができる。図5(C)にはこの変形後の主発電機20の伝達関数を用いた車両用交流発電機100全体の制御系が示されている。図5(C)に示した制御系をさらに変形すると図5(D)に示す形になる。
【0026】
このように、帰還ゲインK2を所定の条件を満たすように設定することにより、励磁機30を有しない制御系(図3)と同じ次数の制御系(図5(D))とすることができ、出力電圧の制御の応答を高速化しつつ安定させることが可能になる。
【0027】
図6は、本実施形態の車両用交流発電機100によるバッテリ200の端子電圧の制御状態を示す図である。図6(A)にはバッテリ200の端子電圧の時間変化(横軸は時間t)が、図6(B)には制御回路50内のスイッチング素子52の断続状態に対応した励磁機30の界磁制御タイミングがそれぞれ示されている。
【0028】
図6(A)の特性aで示したように、励磁機付きの従来構造では、励磁機の界磁タイミングを制御してもその応答が遅いためバッテリ端子電圧を所定値に維持することはできなかった。これに対し、図6(A)の特性bで示したように、本実施形態の車両用交流発電機100では、整流器40に含まれるMOSFET48を断続制御することにより、バッテリ端子電圧を所定値に維持することができるようになった。
【0029】
このように、本実施形態の車両用交流発電機100では、励磁機30によって発生した励磁電流を主発電機20に供給しているため、励磁機30に外部から供給する励磁電流を少なくすることができる。また、主発電機20が発電を開始すると、整流器40に接続されたバッテリ200の端子電圧が上昇してくるが、励磁機30に対する励磁電流の供給を停止させ、これに伴って主発電機20の発電を停止させることにより、バッテリ200の端子電圧の上昇を抑えることができる。また、励磁機30の発電を停止して主発電機20の発電を停止させるまでの間に生じるバッテリ端子電圧の上昇に対しては、整流器40に備わったMOSFET48を短絡あるいは開放する断続制御を行うことによりこの上昇を抑えることができる。特に、整流器40が接続された主発電機20の電機子側の応答は速いため、このようなMOSFET48の断続制御を行うことにより、バッテリ200の端子電圧の上昇を速やかに抑えることが可能になり、制御が不安定になることを防止することができる。
【0030】
また、MOSFET48を用いることにより、SCRのように次の半周期まで待つことなく瞬時に断続制御を行うことが可能であるため制御の応答性をさらに速くすることができる。また、整流器40の負極端子側(負アーム側)にMOSFET48を接続することにより、MOSFET48へのゲート制御電圧の印加をバッテリ200の端子電圧を用いて行うことが可能になるため、制御用電圧を別に生成する必要がなくなり、制御が簡単になる。
【0031】
さらに、回転数が所定値以下の低回転時に、励磁機30の第2の固定子36に備わった界磁巻線362に対して連続通電が行われるため、低回転時における励磁力の増大による高出力化が可能であり、広い回転域での高出力化と発電制御の安定化を両立することができる。
【0032】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。上述した実施形態では、整流器40の負アーム側のみにMOSFET48を接続したが、正アーム側のみ、あるいは負アーム側と正アーム側の両方にMOSFETを接続するようにしてもよい。
【0033】
図7は、整流器の負アーム側と正アーム側の両方にMOSFETを用いた変形例の車両用交流発電機の結線図である。図7に示す車両用交流発電機は、図2に示した車両用交流発電機に含まれる整流器40を整流器40Aに置き換えた点が異なっている。この整流器40Aは、整流器40に対して、正アーム側に接続された3つのダイオード49のそれぞれに並列にMOSFET60が接続された点が異なっている。
【0034】
図7に示すように、負アーム側と正アーム側の両方にMOSFETを接続したインバータ構成を採用することにより、各MOSFETを所定のタイミングで断続制御してバッテリ200から主発電機20の電機子巻線262に対して電力を供給して主発電機20を電動機として動作させるを採用することが可能になる。あるいは、主発電機20の発電位相を制御して電機子反作用による減磁を抑えることができ、増磁作用を強めることによる高出力化を図ることができる。また、整流器40の負アーム側と正アーム側の両方に接続された各MOSFET48、60を断続制御を行うことにより、制御の応答性をさらに速くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の車両用交流発電機の全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態の車両用交流発電機の結線図である。
【図3】励磁機が備わっていない従来構成の車両用交流発電機の応答性を説明する図である。
【図4】励磁機が備わった従来構成の車両用交流発電機の応答性を説明する図である。
【図5】本実施形態の車両用交流発電機の応答性を説明する図である。
【図6】本実施形態の車両用交流発電機によるバッテリの端子電圧の制御状態を示す図である。
【図7】整流器の負アーム側と正アーム側の両方にMOSFETを用いた変形例の車両用交流発電機の結線図である。
【符号の説明】
10 フロント側ハウジング
12 リア側ハウジング
20 主発電機
22 シャフト
23 プーリ
24 第1の回転子
26 第1の固定子
30 励磁機
34 第2の回転子
36 第2の固定子
40、40A 整流器
42 負極側放熱板
44 出力端子
46 正極側放熱板
47、49 ダイオード
48、60 MOSFET
50 制御回路
52 スイッチング素子
100 車両用交流発電機
200 バッテリ
240、242、360 界磁鉄心
244 主界磁巻線
246 界磁整流器
260、340 電機子鉄心
262、342 電機子巻線
362 界磁巻線

Claims (4)

  1. 第1の界磁巻線式発電機と、前記第1の界磁巻線式発電機と同じ駆動軸によって回転駆動される第2の界磁巻線式発電機と、前記第1の界磁巻線式発電機の交流出力に対して整流する整流器とを有する車両用交流発電機において、
    前記第1の界磁巻線式発電機は、電機子としての第1の固定子と、界磁子としての第1の回転子とを有し、
    前記第2の界磁巻線式発電機は、電機子としての第2の回転子と、界磁子としての第2の固定子とを有し、前記第2の回転子によって発生した電流が前記第1の回転子に励磁電流として供給され、
    前記整流器は、少なくとも一部に、断続状態が制御可能なスイッチ素子を有することを特徴とする車両用交流発電機。
  2. 請求項1において、
    前記第1の固定子は、多相巻線を有しており、
    前記整流器に含まれる前記スイッチ素子は、FETスイッチであり、
    前記多相巻線の各端子と前記整流器の負極端子との間に前記FETスイッチを接続することを特徴とする車両用交流発電機。
  3. 請求項1において、
    前記第1の固定子は、多相巻線を有しており、
    前記整流器に含まれる前記スイッチ素子は、FETスイッチであり、
    前記多相巻線の各端子と前記整流器の負極端子および正極端子のそれぞれの間に前記FETスイッチを接続することを特徴とする車両用交流発電機。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記第2の固定子は、界磁巻線を有しており、
    前記第1および第2の回転子の回転数が所定値以下のときに、前記第2の固定子に備わった前記界磁巻線に対して連続通電が行われることを特徴とする車両用交流発電機。
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