JP2012082967A - 変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速機において潤滑性能の安定化を図る。
【解決手段】変速機1は、ディファレンシャルギヤG18と、ディファレンシャルギヤG18と噛み合う第7メインギヤG17と、ケース2と、を備えている。ケース2は、第2ケース本体29aと、第2ケース本体29a内に設けられた誘導板22と、を有している。誘導板22は、ディファレンシャルギヤG18の回転により飛散する潤滑油を噛み合い領域Eを含む給油有効領域Lに導く。誘導板22は、飛散する潤滑油を給油有効領域Lに向けて反射可能な反射部22aと、飛散する潤滑油を捕集して給油有効領域Lに導く誘導部22bと、を有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、変速機、特に車両に用いられる手動変速機に関する。
車両の変速機として手動変速機が知られている。手動変速機は、複数のギヤと、ギヤを回転可能に収容するケースと、を有している。ギヤを潤滑するために、ギヤの下部が浸る程度に潤滑油がケース内に溜められている。ギヤが回転すると、ギヤの歯が潤滑油と接触し、ギヤ同士の噛み合い領域が潤滑される(例えば、特許文献1を参照)。
実開平6−49850号公報
特許文献1に記載の変速機では、潤滑効率を高めるために、ギヤの回転により飛び散る潤滑油をギヤの噛み合い領域に導く構造が採用されている。
しかし、この変速機では、ギヤの回転速度によっては潤滑油がギヤの噛み合い領域に導かれない場合がある。例えば、ギヤの回転速度が速い場合には、リブにより潤滑油がギヤの噛み合い領域に導かれたとしても、ギヤの回転速度が遅い場合には潤滑油が飛散する距離が短くなり、リブにより潤滑油がギヤの噛み合い領域に導かれないおそれがある。
このように、従来の変速機では、ギヤの回転速度によっては所望の潤滑性能が得られず、潤滑性能が不安定な場合もある。
本発明の課題は、変速機において潤滑性能の安定化を図ることにある。
本発明に係る変速機は、第1ギヤと、第1ギヤと噛み合う第2ギヤと、ケースと、を備えている。ケースは、ケース本体と、ケース本体内に設けられた誘導部材と、を有している。ケース本体は、第1および第2ギヤを回転可能に収容している。誘導部材は、ケース本体内に設けられており、第1ギヤの回転により掻き上げられた潤滑油を第1および第2ギヤの噛み合い領域を含む給油有効領域に導く。誘導部材は、第1ギアによって掻き上げられた潤滑油を反射して給油有効領域に供給可能な反射部と、給油有効領域に近づくように下方に向かって延びると共に第1ギアによって掻き上げられた潤滑油が反射部に衝突しても潤滑油が反射部によって反射せず反射部に付着する程度の勢いで潤滑油が第1ギアにより掻き上げられた場合でも掻き上げられた潤滑油を付着して自重により給油有効領域に供給可能な誘導部と、を有している。
ここで、給油有効領域とは、第1および第2ギヤの噛み合い領域を含む領域であって、潤滑油が供給されると第1および第2ギヤの噛み合い領域が潤滑され得る領域である。
この変速機では、例えば、第1ギヤの回転速度が比較的速い場合、潤滑油が飛散する速度が速いため、飛散する潤滑油が反射部により給油有効領域に向けて反射される。第1ギヤの回転速度が比較的遅い場合、潤滑油が飛散する速度が遅いため、飛散する潤滑油は反射部により反射されないが誘導部により捕集され給油有効領域に導かれる。
このように、この変速機では、誘導部材が反射部と誘導部とを有しているため、第1ギヤの回転速度に関わらず、給油有効領域へ潤滑油を確実に供給でき、潤滑性能の安定化を図ることができる。
本発明に係る変速機では、誘導部材により潤滑性能の安定化を図ることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<変速機の全体構成>
図1および図2を用いて変速機1について説明する。図1は変速機1の概略構成図である。図2は図1のV−V断面図である。図1ではギヤの配列が分かりやすいように各シャフトの配置を2次元的に表現している。
変速機1は、6段変速が可能な、FF(Front Engine Front Drive)車用の手動変速機である。具体的には図1に示すように、変速機1は主に、ケース2と、入力シャフト3と、メインシャフト4と、ディファレンシャル5と、リバースシャフト7と、複数のギヤG1〜G18と、複数のシンクロ機構S1〜S4と、から構成されている。
ケース2は、第1ケース21と、第1ケース21に固定された第2ケース29と、を有している。第1ケース21と第2ケース29とによりギヤ室28が形成されている。図2に示すように、ギヤ室28の下部には潤滑油が溜められている。
入力シャフト3は、クラッチ装置9を介してエンジン(図示せず)からの動力が入力されるシャフトであり、回転軸A1を中心に回転可能なようにケース2により支持されている。入力シャフト3の中央付近には、第1入力ギヤG1、第2入力ギヤG2および第7入力ギヤG7が一体回転可能に設けられている。入力シャフト3は第3〜第6入力ギヤG3〜G6を回転可能に支持している。第1〜第6入力ギヤG1〜G6は第1速〜第6速用のギヤである。第7入力ギヤG7は後進用のギヤである。
メインシャフト4は、入力シャフト3に入力された動力をディファレンシャル5に出力するためのシャフトであり、回転軸A2を中心に回転可能なようにケース2により支持されている。メインシャフト4は第1メインギヤG11および第2メインギヤG12を回転可能に支持している。メインシャフト4には第3〜第6メインギヤG13〜G16が固定されている。第1〜第6メインギヤG11〜G16はそれぞれ第1〜第6入力ギヤG1〜G6と噛み合っている。
第1シンクロ機構S1は、第1メインギヤG11および第2メインギヤG12のうち一方をメインシャフト4に連結するための機構であり、メインシャフト4に支持されている。第2シンクロ機構S2は、第3入力ギヤG3および第4入力ギヤG4のうち一方を入力シャフト3に連結するための機構であり、入力シャフト3に支持されている。第3シンクロ機構S3は、第5入力ギヤG5および第6入力ギヤG6のうち一方を入力シャフト3に連結するための機構であり、入力シャフト3に支持されている。
ディファレンシャル5は、ディファレンシャルケース51と、ディファレンシャルギヤG18と、を有している。ディファレンシャルギヤG18は、ディファレンシャルケース51に固定されており、回転軸A3を中心に回転可能である。
リバースシャフト7は、後進用の第1後進ギヤG8および第2後進ギヤG9を、回転軸A4を中心に回転可能なように支持している。第1後進ギヤG8には第4シンクロ機構S4が設けられている。第4シンクロ機構S4は第1後進ギヤG8と第2後進ギヤG9とを連結可能である。第2後進ギヤG9はメインシャフト4に固定された第3後進ギヤG10と噛み合っている。
メインシャフト4の端部にはディファレンシャルギヤG18と噛み合う第7メインギヤG17が設けられている。メインシャフト4に入力された動力は第7メインギヤG17を介してディファレンシャルギヤG18に伝達される。
<ケースの詳細構成>
ケース2には、潤滑性能の安定化を考慮した構造が採用されている。ここでは、図2〜図5を用いてディファレンシャルギヤG18を例に、この構造について説明する。図3および図4は図2の部分拡大図である。図5は図2のX−X断面図である。図2および図3において、線OL1は潤滑油の静的油面(第7メインギヤG17およびディファレンシャルギヤG18が回転していない停止状態での油面)を示している。図2および図3において、線OL2は潤滑油の動的油面(第7メインギヤG17およびディファレンシャルギヤG18が回転している運転状態での油面)を示している。図3はディファレンシャルギヤG18の回転速度が速い状態を示している。図4はディファレンシャルギヤG18の回転速度が遅い状態を示している。
(1)誘導板の概要
図2に示すように、第2ケース29は、第2ケース本体29aと、第2ケース本体29a内に設けられた誘導部材としての誘導板22と、を有している。誘導板22は、ギヤ室28内に設けられており、飛散する潤滑油をディファレンシャルギヤG18および第7メインギヤG17の給油有効領域L2に導くための部分である。誘導板22は給油有効領域L2の概ね上方(より詳細には、ディファレンシャルギヤG18および第7メインギヤG17の噛み合い領域Eの概ね上方)に配置されている。
(2)給油有効領域
ここで、図3を用いて給油有効領域L2について説明する。給油有効領域L2とは、第7メインギヤG17およびディファレンシャルギヤG18の噛み合い領域Eを含む領域であって、潤滑油が供給されると第7メインギヤG17およびディファレンシャルギヤG18が潤滑され得る領域である。
例えば、本実施形態の場合、図3に示すように、給油有効領域L2は、回転軸A2から鉛直方向に延びる線V1と回転軸A3から鉛直方向に延びる線V2との間に配置された、第7メインギヤG17およびディファレンシャルギヤG18の外周部を含む領域である。給油有効領域L2に潤滑油が導かれると、第7メインギヤG17およびディファレンシャルギヤG18が回転しているため、噛み合い領域Eに潤滑油が供給されやすい。
誘導板22が潤滑油を導く領域としては、噛み合い領域Eが最も好ましく、噛み合い領域Eの周辺に広がる給油有効領域L1であっても噛み合い領域Eの潤滑には有効である。さらに、給油有効領域L2よりも広い最大給油有効領域L1であっても噛み合い領域Eの潤滑は期待できる。最大給油有効領域L1は、第7メインギヤG17の回転軸A2を通る水平線H1およびディファレンシャルギヤG18の回転軸A3を通る水平線H2よりも上方の領域であり、図3および図4の太線で示す領域である。
給油有効領域L2に潤滑油が導かれるように、誘導板22の形状および配置が決定されている。
(3)誘導板の詳細構成
ここで、誘導板22の形状および配置について詳細に説明する。
図3および図4に示すように、誘導板22は、第2ケース本体29aと一体成形されており、第2ケース本体29aの上部内壁面29bから下方に向かって傾斜するように延びている。誘導板22は、ディファレンシャルギヤG18の回転により飛散する潤滑油の飛散領域Bを概ね覆うように形成された板状の部材である。
ここで、飛散領域Bとは、ディファレンシャルギヤG18の各使用回転速度において潤滑油が通過する軌跡が集まった領域を意味している。また、「飛散領域Bを概ね覆う」とは、誘導板22が潤滑油を給油有効領域L2に導くという効果が得られる程度に、誘導板22が飛散領域Bの一部を覆っていることを意味している。
図5に示すように、誘導板22は、第2ケース本体29aの側方内壁面29fからディファレンシャルギヤG18の軸方向に延びている。誘導板22の軸方向の端部は、ディファレンシャルギヤG18よりも軸方向のケース2側に突出している。
このように、ディファレンシャルギヤG18の回転により飛散する潤滑油の飛散領域Bを概ね覆うように誘導板22が設けられているため、飛散する潤滑油のほとんどは誘導板22に接触する。
図3および図4に示すように、誘導板22に接触した潤滑油が給油有効領域L2に確実に導かれるように、誘導板22は、平板状の反射部22aと湾曲する誘導部22bとを有している。反射部22aは、上部内壁面29bから給油有効領域L2に近づくように延びている。誘導部22bは、反射部22aの先端部からさらに給油有効領域L2に近づくように延びている。
より詳細には、図3および図4に示すように、反射部22aは噴射点P付近から噴き出す潤滑油を給油有効領域L2に向けて反射させる概ね平面状の反射面22cを有している。反射面22cは、ディファレンシャルギヤG18の回転軸に沿って軸方向に延びるとともに、給油有効領域L2に近づくように上部内壁面29bから斜め下方に延びている。
反射面22cは、噴射点P付近から噴き出す潤滑油が給油有効領域L2に向かって反射可能なように、水平方向に対して角度αだけ傾斜している。噴射点Pから噴き出す潤滑油の噴射角度βがディファレンシャルギヤG18の回転速度に応じて若干変化するため、反射面22cは噴射角度βの変化を考慮した範囲に形成されている。例えば、図3に示すように、潤滑油の噴射方向が方向D1や方向D2の場合でも反射面22cにより給油有効領域L2内に潤滑油が導かれるように、反射面22cは上部内壁面29bから誘導部22b側まで延びている。
誘導部22bは潤滑油を捕集し給油有効領域L2に導く曲面状の誘導面22dを有している。誘導面22dは、軸方向に延びるとともに、給油有効領域L2に近づくように概ね下方へ延びている。誘導面22dは曲率半径rを有する曲面である。反射面22cは概ね平面であるため、反射面22cの曲率半径は無限大となる。このため、誘導面22dの曲率半径rは、反射面22cの曲率半径よりも小さいと言える。
また、誘導面22dは反射面22cと連続して形成されている。より具体的には、誘導面22dの上方の縁は、反射面22cと連続して形成されており、反射面22cと同様に水平方向に対して角度αだけ傾斜している。誘導面22dの下方の縁は、給油有効領域L2の範囲内に含まれる概ね噛み合い領域Eを向いている。このため、誘導部22bの先端も概ね噛み合い領域Eを向いている。
(4)ケース本体の詳細構成
第2ケース29は、ディファレンシャルギヤG18との半径方向間の隙間が部分的に狭くなるように形成されている。具体的には図3に示すように、第2ケース29は、第1部分としての第1壁部29cと、第2部分としての第2壁部29dと、第3部分としての第3壁部29eと、を有している。第1〜第3壁部29a,29c,29dはディファレンシャルギヤG18と半径方向に対向して配置されている。
具体的には、第1壁部29cは、潤滑油の油面周辺に配置された部分であり、ディファレンシャルギヤG18との半径方向間に第1隙間C1を介して設けられている。ディファレンシャルギヤG18と第1壁部29cとの間には空間F1が形成されている。第1壁部29cは、回転方向前方へいくにしたがって(図3では上方へいくにしたがって)ディファレンシャルギヤG18に徐々に近づくように形成されている。このため、回転方向前方へいくにしたがって第1隙間C1は徐々に小さくなっている。
第2壁部29dは、第1壁部29cの回転方向前方側に配置されており、ディファレンシャルギヤG18との半径方向間に第2隙間C2を介して設けられている。第2隙間C2は第1隙間C1よりも小さい。ディファレンシャルギヤG18と第2壁部29dとの間には空間F2が形成されている。第2壁部29dは、回転軸A3よりも上方に配置されており、第2隙間C2を保った状態で回転方向に延びている。
第3壁部29eは、第2壁部29dの回転方向前方側に配置されており、ディファレンシャルギヤG18との半径方向間に第3隙間C3を介して設けられている。第2隙間C2は第3隙間C3よりも小さい。ディファレンシャルギヤG18と第3壁部29eとの間には空間F3が形成されている。第3壁部29eは、回転方向前方へいくにしたがって(図3では左方へいくにしたがって)ディファレンシャルギヤG18から徐々に離れるように形成されている。このため、回転方向前方へいくにしたがって第3隙間C3は徐々に大きくなっている。
ディファレンシャルギヤG18により掻き上げられた潤滑油は、空間F1を通って空間F2に流れ込む。このとき、第2隙間C2が第1隙間C1よりも小さいため、空間F2(より詳細には、ディファレンシャルギヤG18の歯と第2壁部29dとの間に形成される空間)に潤滑油が保持されやすく、このため、潤滑油が空間F3まで運ばれやすくなる。潤滑油が空間F3まで運ばれると、噴射点P付近から第3壁部29eとディファレンシャルギヤG18との間から斜め上方に潤滑油が噴き出す。
このように、第2ケース本体29aが第2壁部29dを有しているため、噴射点P付近から確実に潤滑油が誘導板22に向かって噴き出す。
<変速機の動作>
変速機1の動作について説明する。
例えば、第1速走行時では、第1シンクロ機構S1により第1入力ギヤG1と入力シャフト3とが連結されている。このとき、第1入力ギヤG1および第1メインギヤG11のギヤ比に応じた回転速度でメインシャフト4が回転する。この結果、第7メインギヤG17およびディファレンシャルギヤG18のギヤ比に応じた回転速度でディファレンシャルギヤG18が回転する。第2〜第6速の場合も第1速と同様に第1〜第3シンクロ機構S1〜S3により使用するギヤが切り換えられる。このように、第1〜第3シンクロ機構S1〜S3を切り換えることで、6段変速が可能となる。
<潤滑油の挙動>
図2および図3に示すように、ディファレンシャルギヤG18の一部は、ギヤ室28の下部に溜まっている潤滑油に浸漬されている。このため、ディファレンシャルギヤG18が回転すると、ディファレンシャルギヤG18の歯(図示せず)により潤滑油が掻き上げられる。このとき、第2壁部29dとディファレンシャルギヤG18との間の第2隙間C2が小さいため、ディファレンシャルギヤG18により掻き上げられた潤滑油は、噴射点P付近から誘導板22に向かって噴出する。
例えば、図3に示すように、ディファレンシャルギヤG18の回転速度が比較的速い場合、作動油はディファレンシャルギヤG18と第2壁部29dとの間から誘導板22に向かって勢いよく噴出する。このとき、噴出した潤滑油が反射部22aの反射面22cに衝突し、反射面22cにより潤滑油の少なくとも一部が斜め下方へ反射される。この結果、潤滑油が、反射面22cから給油有効領域L2へ向かって飛散し、給油有効領域L2に導かれる。
また、図4に示すように、ディファレンシャルギヤG18の回転速度が比較的遅い場合、潤滑油が噴射点Pから噴出するが、図3に示す場合に比べて潤滑油の勢いがないため、若干放物線を描きながら潤滑油は飛散領域Bの下側周辺を移動する。このとき、飛散した潤滑油は反射部22aまたは誘導部22bに衝突するが、ほとんどの潤滑油は反射することなく反射部22aまたは誘導部22bに付着する。誘導板22は全体として傾斜しているため、付着した潤滑油は反射面22cあるいは誘導面22dをつたって誘導部22bの先端周辺に集められ、誘導部22bの先端から鉛直方向下側へ落下する。このとき、誘導部22bの先端が給油有効領域L2の上方に配置されており、誘導部22bの先端のほぼ真下に噛み合い領域Eが配置されているため、潤滑油は給油有効領域L2の噛み合い領域E周辺に落下する。
このように、この変速機1では、ディファレンシャルギヤG18の回転速度に関わらず、誘導板22により潤滑油が給油有効領域L2に確実に導かれる。これにより、ディファレンシャルギヤG18の回転速度に関わらず、誘導板22により潤滑性能を高めることができる。すなわち、潤滑性能の安定化を図ることができる。
<特徴>
変速機1の特徴は以下の通りである。
(1)
以上に説明したように、この変速機1では、ディファレンシャルギヤG18の回転速度が比較的速い場合、ディファレンシャルギヤG18の回転により飛散した潤滑油が反射面22cで反射され給油有効領域L2へ導かれる。
ディファレンシャルギヤG18の回転速度が比較的遅い場合、潤滑油は反射部22aあるいは誘導板22に付着し捕集される。この結果、誘導部22bにより潤滑油が給油有効領域L2に滴下される。
このように、この変速機では、誘導板22が誘導部22bと反射部22aとを有しているため、ディファレンシャルギヤG18の回転速度に関わらず、給油有効領域L2へ確実に潤滑油を供給でき、潤滑性能の安定化を図ることができる。
(2)
この変速機1では、飛散領域Bを概ね覆うように誘導板22が形成されているため、給油有効領域L2へより確実に潤滑油を導くことができる。
(3)
この変速機1では、給油有効領域L2に近づくように水平方向に対して傾斜する反射面22cを反射部22aが有しているため、反射せずに反射面22cに付着した潤滑油が反射面22cに沿って給油有効領域L2に向かって流れやすくなる。これにより、誘導面22dだけでなく反射面22cに付着した潤滑油も給油有効領域L2に導かれやすくなり、潤滑性能の安定化を確実に図ることができる。
(4)
この変速機1では、給油有効領域L2に近づくように湾曲する誘導面22dを誘導部22bが有しているため、捕集された潤滑油が給油有効領域L2に向かって落下しやすくなる。さらに、反射面22cおよび誘導面22dに沿って勢いよく潤滑油が流れても、給油有効領域L2に向かって潤滑油が流れやすくなる。
(5)
この変速機1では、誘導面22dが反射面22cと連続して形成されているため、反射面22cから誘導面22dへ潤滑油が流れやすくなる。
(6)
この変速機1では、第2隙間C2が第1および第3隙間C1,C3よりも小さいため、ディファレンシャルギヤG18により掻き上げられた潤滑油が噴射点P付近まで運ばれ、噴射点P付近から噴き出す。これにより、潤滑油を誘導板22へ確実に接触させることができる。
(7)
この変速機1では、誘導板22が第1ケース21と一体成形されているため、誘導板22により製造コストが増大するのを抑制できる。
(8)
この変速機1では、比較的直径の大きいディファレンシャルギヤG18を潤滑油の噴射用として利用しているため、潤滑油が飛散する速度が速くなり、誘導板22へ潤滑油が付着しやすくなる、あるいは反射部22aにより潤滑油が反射されやすくなる。これにより、潤滑性能をより高めることができる。
<他の実施形態>
本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
(A)
前述の実施形態では、誘導板22がディファレンシャルギヤG18および第7メインギヤG17の噛み合い領域Eに対して設けられているが、誘導板22は他のギヤの噛み合い領域に対して設けられていてもよい。
例えば図7〜図9に他の実施形態としての変速機101を示す。この変速機101は、ケース102が誘導板122を有している。この誘導板122は、第7入力ギヤG7および第1後進ギヤG8の給油有効領域L12(噛み合い領域E12)に対して設けられている。
具体的には、誘導板122は、飛散領域B12を概ね覆うように形成された板状の部分であり、反射部122aと、誘導部122bと、を有している。反射部122aは概ね平面である反射面122cを有している。誘導部122bは、下方へ向かって湾曲した部分であり、反射部122aの端部から噛み合い領域E12へ向かって延びている。反射面122cで反射した潤滑油が噛み合い領域E12に導かれるように、水平方向に対する反射面122cの角度α2は設定されている。誘導面122dは曲率半径r2を有する曲面である。
また、クラッチハウジング129は、第7入力ギヤG7と対向するように配置された壁部129aを有している。図9に示すように、壁部129aは、前述の第2壁部29dに対応しており、壁部129aと第7入力ギヤG7との半径方向間に形成された隙間C12は、壁部129aの周辺部と第7入力ギヤG7との間に形成された隙間C11,C13に比べて小さい。このため、前述の実施形態と同様に、第7入力ギヤG7により掻き上げられた潤滑油は壁部129aと第7入力ギヤG7との間から誘導板122に向かって勢いよく噴出する。
この場合であっても、第7入力ギヤG7の回転速度に関わらず、誘導板122により潤滑油が噛み合い領域E12に導かれる。これにより、潤滑性能の安定化を図ることができる。
なお、誘導板122により潤滑油が最大給油有効領域L11に導かれれば、潤滑性能の安定化が期待できる。
(B)
誘導板22の形状および配置は前述の実施形態に限定されない。例えば、反射部22aは曲面であってもよい。この場合、誘導部22bの曲率半径rよりも反射部22aの曲率半径が小さいと、反射部22aにおいて潤滑油が反射されやすい状態を維持できる。前述の誘導板122についても同様である。
また、誘導板22は板状の部材であるが、誘導部材は板状部材に限定されない。反射面22cや誘導面22dを有していれば、誘導部材は他の形状であってもよい。
(C)
誘導板22は、第2ケース本体29aと別体の部材であってもよい。また、誘導板22は、第1ケース21側に設けられていてもよい。
(D)
誘導板22は、FF車用の手動変速機だけでなく、FR(Front Engine Rear Drive)車用の手動変速機にも適用可能である。
本発明に係る変速機であれば潤滑性能の安定化を図ることができるため、本発明は変速機の分野において有用である。
変速機の概略構成図(第1実施形態) 図1のV−V断面図(第1実施形態) 図2の部分拡大図(第1実施形態、高速運転状態) 図2の部分拡大図(第1実施形態、低速運転状態) 図2のX−X断面図(第1実施形態) 誘導板およびその周辺の部分拡大図(第1実施形態) 変速機の概略断面図(他の実施形態、高速運転時) 変速機の概略断面図(他の実施形態、低速運転時) 誘導板およびその周辺の部分拡大図(他の実施形態)
1 変速機
2 ケース
21 第1ケース(ケース本体)
22 誘導板(誘導部材)
22a 反射部
22b 誘導部
22c 反射面
22d 誘導面
29 第2ケース(ケース)
29a 第2ケース本体(ケース本体)
29b 上部内壁面
29c 第1壁部(第1部分)
29d 第2壁部(第2部分)
29e 第3壁部(第3部分)
3 入力シャフト
4 メインシャフト
5 ディファレンシャル
B 飛散領域
P 噴射点
L1 最大給油有効領域
L2 給油有効領域
G9 第2後進ギヤ(第1ギヤ)
G10 第3後進ギヤ(第2ギヤ)
G17 第7メインギヤ(第2ギヤ)
G18 ディファレンシャルギヤ(第1ギヤ)

Claims (8)

  1. 第1ギヤと、
    前記第1ギヤと噛み合う第2ギヤと、
    前記第1および第2ギヤを回転可能に収容するケース本体と、前記ケース本体内に設けられ前記第1ギヤにより掻き上げられた潤滑油を前記第1および第2ギヤの噛み合い領域を含む給油有効領域に導く誘導部材と、を有するケースと、を備え、
    前記誘導部材は、前記第1ギアによって掻き上げられた潤滑油を反射して前記給油有効領域に供給可能な反射部と、前記給油有効領域に近づくように下方に向かって延びると共に前記第1ギアによって掻き上げられた潤滑油が前記反射部に衝突しても該潤滑油が前記反射部によって反射せず該反射部に付着する程度の勢いで潤滑油が前記第1ギアにより掻き上げられた場合でも掻き上げられた前記潤滑油を付着して自重により前記給油有効領域に供給可能な誘導部と、を有している、
    変速機。
  2. 前記誘導部材は、前記潤滑油の飛散領域を概ね覆うように形成されている、
    請求項1に記載の変速機。
  3. 前記反射部は、前記給油有効領域に近づくように水平方向に対して傾斜する反射面を有している、
    請求項1または2に記載の変速機。
  4. 前記誘導部は、前記給油有効領域に近づくように湾曲する誘導面を有している、
    請求項1から3のいずれかに記載の変速機。
  5. 前記誘導面は、前記反射面と連続して形成されている、
    請求項4に記載の変速機。
  6. 前記ケース本体は、前記第1ギヤと半径方向に第1隙間を介して設けられた第1部分と、前記第1部分よりも前記第1ギヤの回転方向前方側に配置され前記第1ギヤと半径方向に第2隙間を介して設けられた第2部分と、前記第2部分よりも前記第1ギヤの回転方向前方側に配置され前記第1ギヤと半径方向に第3隙間を介して設けられた第3部分と、を有しており、
    前記第2隙間は、前記第1および第3隙間よりも小さい、
    請求項1から5のいずれかに記載の変速機。
  7. 前記誘導部材は、前記ケース本体と一体成形されている、
    請求項1から6のいずれかに記載の変速機。
  8. 前記第1ギヤは、ディファレンシャルギヤである、
    請求項1から7のいずれかに記載の変速機。
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