JP5107689B2 - 変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、変速機、特に車両に用いられる手動変速機に関する。
車両の変速機として手動変速機が知られている。手動変速機は、複数のギヤと、ギヤを回転可能に収容するケースと、を有している。ギヤを潤滑するために、ギヤの下部が浸る程度に潤滑油がケース内に溜められている。ギヤが回転すると、ギヤの歯が潤滑油と接触し、ギヤ同士の噛み合い部分が潤滑される(例えば、特許文献1を参照)。
実用新案登録第2584081号公報
しかし、ギヤにより潤滑油が撹拌されるため、ケース内で潤滑油の泡が生成される。生成された泡がギヤにより再度撹拌されると、消滅しにくい細かな泡になるため、潤滑油の泡が消滅せずに増加し、ケース内が潤滑油の泡で満たされたり、あるいは、油面が上昇してエアブリーザから泡が流出したりする。すなわち、従来の変速機では潤滑油の泡の発生により潤滑性能が不安定な場合がある。
また、特許文献1に記載の変速機では、潤滑油を上部へ搬送するために、オイルガイドがギヤ周辺に配置されている。この場合、ギヤの回転抵抗が大きくなるため、好ましくない。
本発明の課題は、変速機において、回転抵抗の増大を抑制しつつ潤滑性能の安定化を図ることにある。
本発明に係る変速機は、回転部材と、ケースと、を備えている。ケースは、回転部材を回転可能に収容するケース本体と、ケース本体内であって回転部材とケース本体との半径方向間に配置された仕切部材と、を有している。ケース本体は、仕切部材の前記回転部材と反対側に窪み仕切部材との間に第1空間を形成する凹部を有している。仕切部材は、回転部材が潤滑油を掻き上げる領域に対応する位置に回転部材と半径方向に対向して配置されており、回転部材と半径方向に対向して配置され回転方向に延びる曲面と、回転部材の回転方向後方側に配置された第1端部と、回転部材の回転方向前方側に配置された第2端部とを有している。ケース本体内に潤滑油が溜められている場合に、回転部材が回転していない停止状態及び回転部材が回転している運転状態の両方の状態において、第1端部は潤滑油に浸漬されている。仕切部材と回転部材との間に、第2空間が形成されている。仕切部材の第2端部とケース本体との間には、第1および第2空間を接続する通路が形成されている。通路は、回転部材が回転していない停止状態での油面及び回転部材が回転している運転状態での油面よりも上方に配置され、回転部材の軸方向から見た場合に、回転部材の回転方向前方側へいくにしたがって回転部材に近づくように傾斜している。
この変速機では、回転部材の回転方向後方側に配置された第1端部が潤滑油に浸漬されているため、回転部材により運ばれた潤滑油の泡が仕切部材とケース本体との間に流れ込むと、潤滑油の泡が回転部材に接触するのを抑制できる。このため、潤滑油の泡が回転部材により再度撹拌されるのを抑制でき、細かな泡の発生を抑制できる。また、仕切部材により、潤滑油が貯留される領域での潤滑油の泡の滞留時間を確保することができる。これにより、泡の消滅を促進でき、潤滑油の泡の増大を抑制できる。すなわち、潤滑性能の安定化を図ることができる。
さらに、仕切部材とケース本体との間に潤滑油が流れ込む場合、潤滑油の逃げ場が確保できるため、仕切部材を回転部材とケース本体との半径方向間に配置しても、回転部材の回転抵抗が増大するのを抑制できる。
このように、本発明に係る変速機では、回転抵抗の増大を抑制しつつ潤滑性能の安定化を図ることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
<変速機の全体構成>
図1および図2を用いて変速機1について説明する。図1は変速機1の概略構成図である。図2は図1のV−V断面図である。図1ではギヤの配列が分かりやすいように各シャフトの配置を2次元的に表現している。
変速機1は、6段変速が可能な、FF(Front Engine Front Drive)車用の手動変速機である。具体的には図1に示すように、変速機1は主に、ケース2と、入力シャフト3と、メインシャフト4と、ディファレンシャル5と、リバースシャフト7と、複数のギヤG1〜G18と、複数のシンクロ機構S1〜S4と、から構成されている。
ケース2は、第1ケース21と、第1ケース21に固定された第2ケース29と、を有している。第1ケース21と第2ケース29とによりギヤ室28が形成されている。図2に示すように、ギヤ室28の下部には潤滑油が溜められている。
入力シャフト3は、クラッチ装置9を介してエンジン(図示せず)からの動力が入力されるシャフトであり、回転軸A1を中心に回転可能なようにケース2により支持されている。入力シャフト3の中央付近には、第1入力ギヤG1、第2入力ギヤG2および第7入力ギヤG7が一体回転可能に設けられている。入力シャフト3は第3〜第6入力ギヤG3〜G6を回転可能に支持している。第1〜第6入力ギヤG1〜G6は第1速〜第6速用のギヤである。第7入力ギヤG7は後進用のギヤである。
メインシャフト4は、入力シャフト3に入力された動力をディファレンシャル5に出力するためのシャフトであり、回転軸A2を中心に回転可能なようにケース2により支持されている。メインシャフト4は第1メインギヤG11および第2メインギヤG12を回転可能に支持している。メインシャフト4には第3〜第6メインギヤG13〜G16が固定されている。第1〜第6メインギヤG11〜G16はそれぞれ第1〜第6入力ギヤG1〜G6と噛み合っている。
第1シンクロ機構S1は、第1メインギヤG11および第2メインギヤG12のうち一方をメインシャフト4に連結するための機構であり、メインシャフト4に支持されている。第2シンクロ機構S2は、第3入力ギヤG3および第4入力ギヤG4のうち一方を入力シャフト3に連結するための機構であり、入力シャフト3に支持されている。第3シンクロ機構S3は、第5入力ギヤG5および第6入力ギヤG6のうち一方を入力シャフト3に連結するための機構であり、入力シャフト3に支持されている。
ディファレンシャル5は、ディファレンシャルケース51と、ディファレンシャルギヤG18と、を有している。ディファレンシャルギヤG18は、ディファレンシャルケース51に固定されており、回転軸A3を中心に回転可能である。
なお、特に断りがなり限り、以下の説明では「回転方向」はディファレンシャルギヤG18の回転方向とする。
リバースシャフト7は、後進用の第1後進ギヤG8および第2後進ギヤG9を、回転軸A4を中心に回転可能なように支持している。第1後進ギヤG8には第4シンクロ機構S4が設けられている。第4シンクロ機構S4は第1後進ギヤG8と第2後進ギヤG9とを連結可能である。第2後進ギヤG9はメインシャフト4に固定された第3後進ギヤG10と噛み合っている。
メインシャフト4の端部にはディファレンシャルギヤG18と噛み合う第7メインギヤG17が設けられている。メインシャフト4に入力された動力は第7メインギヤG17を介してディファレンシャルギヤG18に伝達される。
<ケースの詳細構成>
ケース2には、潤滑油の泡を考慮した構造が採用されている。ここでは、図2〜図5を用いてディファレンシャルギヤG18を例にこの構造について説明する。図3は図2の部分拡大図である。図4は図2のX−X断面図である。図2および図3において、線OL1は潤滑油の静的油面(第7メインギヤG17およびディファレンシャルギヤG18が回転していない停止状態での油面)を示している。図2および図3において、線OL2は潤滑油の動的油面(第7メインギヤG17およびディファレンシャルギヤG18が回転している運転状態での油面)を示している。
図2に示すように、この変速機1では、ケース2が仕切板22を有している。具体的には、第2ケース29は、第2ケース本体29aと、第2ケース本体29a内に設けられた仕切部材としての仕切板22と、を有している。
図3に示すように、仕切板22は、ディファレンシャルギヤG18と第2ケース本体29aとの半径方向間に配置された板状の部材であり、ディファレンシャルギヤG18の外周部に沿って回転方向に延びている。
より詳細には、図3に示すように、ディファレンシャルギヤG18が潤滑油を掻き上げる領域F(ディファレンシャルギヤG18の歯(図示せず)が潤滑油内から出る領域)に対応する位置に、仕切板22は配置されている。油面が静的油面OL1および動的油面OL2の両方の場合で、仕切板22の下端部22a(第1端部)は潤滑油に浸漬されている。言い換えると、下端部22aは静的油面OL1および動的油面OL2よりも下方に位置しており、上端部22bは静的油面OL1および動的油面OL2よりも上方に位置している。
図4に示すように、仕切板22は側方内壁面29cからディファレンシャルギヤG18の軸方向(図4の左右方向)に延びている。仕切板22の軸方向の端部は、ディファレンシャルギヤG18よりもケース2側(図4の左方向)に突出している。このため、ディファレンシャルギヤG18の外周部の一部は、仕切板22に覆われていると言える。
図3に示すように、第2ケース本体29aは、潤滑油が溜まっている部分を含みディファレンシャルギヤG18の外周部に沿って形成されるケース下部29dを有している。仕切板22は、ディファレンシャルギヤG18とケース下部29dとの半径方向間に配置されている。ディファレンシャルギヤG18とケース下部29dとの間の空間の一部は半径方向外側に広がっている。その広がった空間Bを仕切るように、空間Bに仕切板22は配置されている。
より詳細には、仕切板22とケース下部29dとの半径方向間には第1空間B1が形成されている。仕切板22とディファレンシャルギヤG18との半径方向間には第2空間B2が形成されている。仕切板22の下端部22aとケース下部29dとの半径方向間には、第1隙間L1が形成されている。仕切板22の下端部22aとディファレンシャルギヤG18との半径方向間には、第2隙間L2が形成されている。第1空間B1は第2空間B2よりも広く、第1隙間L1は第2隙間L2よりも大きい。
ケース下部29dは、仕切板22と対向する凹部29eを有している。凹部29eはディファレンシャルギヤG18の半径方向外側に窪んでいる。凹部29eにより、第2空間B2に比べて、第1空間B1がディファレンシャルギヤG18の半径方向外側に大きく広がっている。
ケース下部29dのうち概ね上方へ延びる部分は、上方(回転方向前方)へいくにしたがって仕切板22に徐々に近づくように形成されている。このため、掻き上げ領域F周辺において、仕切板22とケース下部29dとの半径方向間の隙間は、上方へいくにしたがって徐々に小さくなっている。
仕切板22は、ディファレンシャルギヤG18と半径方向に対向して配置され第1回転方向に延びる曲面22cを有している。曲面22cはディファレンシャルギヤG18と半径方向にほぼ一定の間隔を保つように形成されている。
仕切板22は、動的油面OL2よりも上方に配置された上端部22bを有している。上端部22bは、第2空間B2から第1空間B1にかけて下るように傾斜する傾斜面22eを有している。傾斜面22eは第2ケース本体29aと隙間を介して概ね対向するように配置されている。このため、仕切板22の上端部22bと第2ケース本体29aとの間には、第1空間B1と第2空間B2とを接続する通路B3が形成されている。通路B3は、ディファレンシャルギヤG18の第1回転方向前方側へいくにしたがってディファレンシャルギヤG18に近づくように傾斜している
仕切板22の下端部22aは第1面22fと第2面22gとを有している。第1面22fおよび第2面22gにより、下端部22aは鋭角に形成されている。
<変速機の動作>
変速機1の動作について説明する。
例えば、第1速走行時では、第1シンクロ機構S1により第1入力ギヤG1と入力シャフト3とが連結されている。このとき、第1入力ギヤG1および第1メインギヤG11のギヤ比に応じた回転速度でメインシャフト4が回転する。この結果、第7メインギヤG17およびディファレンシャルギヤG18のギヤ比に応じた回転速度でディファレンシャルギヤG18が回転する。第2〜第6速の場合も第1速と同様に第1〜第3シンクロ機構S1〜S3により使用するギヤが切り換えられる。このように、第1〜第3シンクロ機構S1〜S3を切り換えることで、変速機1において6段変速が可能となる。
<潤滑油の動作>
図2および図3に示すように、ディファレンシャルギヤG18の一部は、ギヤ室28の下部に溜まった潤滑油に接触している。このため、ディファレンシャルギヤG18が回転すると、掻き上げ領域FにおいてディファレンシャルギヤG18の歯(図示せず)により潤滑油が掻き上げられる。
ディファレンシャルギヤG18と第2ケース本体29aとの間に仕切板22が設けられており、仕切板22の下端部22aが潤滑油に浸漬されている。このため、ディファレンシャルギヤG18により運ばれた潤滑油の泡が仕切板22と第2ケース本体29aとの間に流れ込むと、潤滑油の泡がディファレンシャルギヤG18に接触するのを抑制できる。このため、潤滑油の泡がディファレンシャルギヤG18により再度撹拌されるのを抑制でき、細かな泡の発生を抑制できる。また、仕切板22により潤滑油の泡の滞留時間を確保することができる。これにより、泡の消滅を促進でき、潤滑油の泡の増大を抑制できる。すなわち、潤滑性能の安定化を図ることができる。
さらに、仕切板22と第2ケース本体29aとの間に潤滑油が流れ込む場合、潤滑油の逃げ場が確保できるため、仕切板22をディファレンシャルギヤG18と第2ケース本体29aとの半径方向間に配置しても、ディファレンシャルギヤG18の回転抵抗が増大するのを抑制できる。
また、ディファレンシャルギヤG18に近接して仕切板22が配置されているため、ディファレンシャルギヤG18による潤滑油の撹拌をさらに抑制することができる。
<特徴>
変速機1の特徴は以下の通りである。
(1)
この変速機1では、ディファレンシャルギヤG18と第2ケース本体29aとの間に仕切板22が設けられており、仕切板22の下端部22aが潤滑油に浸漬されている。このため、ディファレンシャルギヤG18により運ばれた潤滑油の泡が仕切板22と第2ケース本体29aとの間に流れ込むと、潤滑油の泡がディファレンシャルギヤG18に接触するのを抑制できる。このため、潤滑油の泡がディファレンシャルギヤG18により再度撹拌されるのを抑制でき、細かな泡の発生を抑制できる。また、仕切板22により潤滑油の泡の滞留時間を確保することができる。これにより、泡の消滅を促進でき、潤滑油の泡の増大を抑制できる。すなわち、潤滑性能の安定化を図ることができる。
さらに、仕切板22と第2ケース本体29aとの間に潤滑油が流れ込む場合、潤滑油の逃げ場が確保できるため、仕切板22をディファレンシャルギヤG18と第2ケース本体29aとの半径方向間に配置しても、ディファレンシャルギヤG18の回転抵抗が増大するのを抑制できる。
このように、この変速機1では、回転抵抗の増大を抑制しつつ潤滑性能の安定化を図ることができる。
(2)
この変速機1では、仕切板22と第2ケース本体29aとの間に第1空間B1が形成されているため、仕切板22とディファレンシャルギヤG18との間の第2空間B2に流れ込まない潤滑油が、第1空間B1に流れ込む。このため、仕切板22とディファレンシャルギヤG18との間の空間が狭くなっても、ディファレンシャルギヤG18の回転抵抗の増大を抑制できる。
(3)
この変速機1では、仕切板22が曲面を有しているため、仕切板22とディファレンシャルギヤG18との間を潤滑油が流れる際の抵抗を低減できる。これにより、ディファレンシャルギヤG18の回転抵抗の増大を抑制できる。
(4)
第1空間B1で潤滑油の泡が消滅すると、第1空間B1に空気が溜まるおそれがある。
この変速機1では、第1および第2空間B1,B2が通路B3により接続されているため、第1空間B1から第2空間B2へ空気が移動できる。つまり、通路B3は第1空間B1の空気抜きの役割を果たしている。これにより、潤滑油や潤滑油の泡が第1空間B1に流れ込むのが妨げられず、ディファレンシャルギヤG18の回転抵抗の増大を抑制できる。
また、変速機1への潤滑油の注入時に、第1空間B1に空気が溜まるのを防止でき、第1空間B1にも潤滑油が正常に供給される。
(5)
この変速機1では、ディファレンシャルギヤG18の回転方向前方側へいくにしたがって、通路B3がディファレンシャルギヤG18に近づくように傾斜している。このため、ディファレンシャルギヤG18により掻き上げられた潤滑油が遠心力により半径方向外側へ飛ばされた場合であっても、通路B3を通って第1空間B1へ流れてしまうのを抑制できる。これにより、ディファレンシャルギヤG18が確実に潤滑される。
なお、通路B3は、空気が抜ける程度の寸法であればよい。
(6)
この変速機1では、ディファレンシャルギヤG18の軸方向から見た場合に、仕切板22の下端部22aが鋭角に形成されているため、潤滑油が第1空間B1と第2空間B2とに円滑に分断され、ディファレンシャルギヤG18の回転抵抗が低減される。
(7)
この変速機1では、ケース下部29dが凹部29eを有しており、凹部29eにより第2空間B2に比べて第1空間B1を広く確保することができる。これにより、潤滑油の泡の滞留時間を十分に確保することができ、泡の消滅をさらに促進することができる。
(8)
この変速機1では、仕切板22が第2ケース本体29aと一体成形されているため、仕切板22による製造コストの増大を抑制できる。
(9)
ディファレンシャルギヤG18は径が大きいため、同じ回転速度であれば、他のギヤに比べて歯の移動速度が比較的速い。また、ディファレンシャルギヤG18は潤滑油に浸漬されている部分が他のギヤに比べて多く、潤滑油を掻き上げる量が多い。このため、ディファレンシャルギヤG18周辺では潤滑油の泡が発生しやすい。
この変速機1では、ディファレンシャルギヤG18に対して仕切板22が設けられているため、高い発生抑制効果が期待できる。
〔第2実施形態〕
前述の実施形態では、仕切板22と第2ケース本体29aとの間に通路B3が形成されているが、通路B3が仕切板22に設けられた孔やスリットであってもよい。
ここで、図5および図6を用いて第2実施形態に係る変速機101について説明する。図5は変速機101の概略断面図である。図6は図5の部分拡大図である。なお、前述の実施形態と実質的に同じ機能を有する構成については、同じ符号を付すとともに、その詳細な説明は省略する。
図5に示すように、変速機101の第2ケース129は、第2ケース本体129aと、ディファレンシャルギヤG18と第2ケース本体129aとの半径方向間に配置された仕切板122と、を有している。第2ケース本体129aは、潤滑油が溜められている部分を含みディファレンシャルギヤG18の外周部に沿って形成されるケース下部129dを有している。仕切板122は、ディファレンシャルギヤG18とケース下部129dとの半径方向間に配置されている。
図6に示すように、仕切板122は、第2ケース本体129aの内壁129eから下方へ延びる板状の部材であり、下端部122aを有している。油面が静的油面OL1および動的油面OL2の両方の場合で、下端部122aは潤滑油に浸漬されている。
仕切板122とケース下部129dとの間には、第1空間B11が形成されている。仕切板122とディファレンシャルギヤG18との間には、第2空間B12が形成されている。
仕切板122は、上部周辺に形成され軸方向に延びるスリット122dを有している。スリット122dにより、第1空間B11と第2空間B12とを接続する通路B13が形成されている。スリット122dは、第2空間B12から第1空間B11にかけて下方へ傾斜している。スリット122dは静的油面OL1および動的油面OL2よりも上方に位置している。
この変速機101でも、通路B13の位置が若干低くなるが、前述の第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
<他の実施形態>
本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
(A)
前述の実施形態では、仕切板22がディファレンシャルギヤG18に対して設けられているが、他のギヤに対して設けられていてもよい。また、仕切板22を設ける対象はギヤに限られず、潤滑油を撹拌し潤滑性能を高めるために設けられた回転部材であってもよい。
(B)
仕切板22は、第2ケース本体29aと別体の部材であってもよい。また、仕切板22は、第1ケース21側に設けられていてもよい。
(C)
仕切板22は、FF車用の手動変速機だけでなく、FR(Front Engine Rear Drive)車用の手動変速機にも適用可能である。例えば、図7に示すFF用変速機201では、ケース229に仕切板222が設けられている。仕切板222は、ギヤG20とケース本体229aとの半径方向間に配置されている。この場合、バッフルプレート(図示せず)の固定用リブとして仕切板222が設けられていてもよい。
(D)
仕切板22および通路B3の形状は、前述の実施形態に限定されない。例えば、図8に示す変速機301のような通路B33の形状も考えられる。具体的には、この変速機301では、ディファレンシャルギヤG18の回転方向前方側へいくにしたがって、仕切板222の上端部322bが徐々に細くなっている。この場合、上端部322bとケース下部29dとの間に形成される通路B33が前述の通路B3に比べて大幅に短くなっている。通路B33の第1空間B1側の開口と第2空間B2側の開口とがほぼ一致していると考えることもできる。
この場合、上端部322bが徐々に細くなっているため、ディファレンシャルギヤG18により掻き上げられた潤滑油が第2空間B2から第1空間B1へ流れにくくなり、ディファレンシャルギヤG18の潤滑をより確実に行うことができる。
また、図9に示す変速機401のような通路B43の形状も考えられる。具体的には、この変速機401では、仕切板422の基本形状は前述のB13(図6)と同じであるが、第1空間B11から第2空間B12にかけて通路B43が徐々に狭くなっている。このため、第2空間B12側の第2開口424が第1空間B11側の第1開口423よりも小さくなっている。通路B43の上面422dよりも下面422eの方が水平面に対する傾斜角が大きくなっている。
この場合、第1開口423に比べて第2開口424が小さいため、ディファレンシャルギヤG18により掻き上げられた潤滑油が第2空間B12から第1空間B11へ流れにくくなり、ディファレンシャルギヤG18の潤滑をより確実に行うことができる。
本発明に係る変速機では、潤滑性能を高めることができるため、本発明は変速機の分野において有用である。
変速機の概略構成図(第1実施形態) 図1のV−V断面図(第1実施形態) 図2の部分拡大図(第1実施形態) 図2のX−X断面図(第1実施形態) 変速機の概略断面図(第2実施形態) 図5の部分断面図(第2実施形態) 変速機の概略断面図(他の実施形態) 変速機の部分断面図(他の実施形態) 変速機の部分断面図(他の実施形態)
符号の説明
1 変速機
2 ケース
21 第1ケース(ケース本体)
22 仕切板(仕切部材)
22a 下端部
22b 上端部
22c 曲面
22e 傾斜面
29 第2ケース
29a 第2ケース本体(ケース本体)
29d ケース下部
29e 凹部
3 入力シャフト
4 メインシャフト
5 ディファレンシャル
7 リバースシャフト
B1 第1空間
B2 第2空間
B3 通路
G18 ディファレンシャルギヤ(回転部材)
E 噛み合い領域
F 掻き上げ領域
L1 第1隙間
L2 第2隙間

Claims (6)

  1. 回転部材と、
    前記回転部材を回転可能に収容するケース本体と、前記ケース本体内であって前記回転部材と前記ケース本体との半径方向間に配置された仕切部材と、を有するケースと、を備え、
    前記ケース本体は、前記仕切部材の前記回転部材と反対側に窪み前記仕切部材との間に第1空間を形成する凹部を有し、
    前記仕切部材は、前記回転部材が潤滑油を掻き上げる領域に対応する位置に前記回転部材と半径方向に対向して配置されており、前記回転部材と半径方向に対向して配置され回転方向に延びる曲面と、前記回転部材の回転方向後方側に配置された第1端部と、前記回転部材の回転方向前方側に配置された第2端部とを有し、
    前記第1端部は、前記ケース本体内に潤滑油が溜められている場合に、前記回転部材が回転していない停止状態及び前記回転部材が回転している運転状態の両方の状態において、潤滑油に浸漬され
    前記仕切部材と前記回転部材との間に、第2空間が形成されており、
    前記仕切部材の前記第2端部と前記ケース本体との間には、前記第1および第2空間を接続する通路が形成されており、
    前記通路は、前記回転部材が回転していない停止状態での油面及び前記回転部材が回転している運転状態での油面よりも上方に配置され、前記回転部材の軸方向から見た場合に、前記回転部材の回転方向前方側へいくにしたがって前記回転部材に近づくように傾斜している、
    変速機。
  2. 回転部材と、
    前記回転部材を回転可能に収容するケース本体と、前記ケース本体内であって前記回転部材と前記ケース本体との半径方向間に配置された仕切部材と、を有するケースと、を備え、
    前記ケース本体は、前記仕切部材の前記回転部材と反対側に窪み前記仕切部材との間に第1空間を形成する凹部を有し、
    前記仕切部材は、前記回転部材が潤滑油を掻き上げる領域に対応する位置に前記回転部材と半径方向に対向して配置されており、前記回転部材と半径方向に対向して配置され回転方向に延びる曲面と、前記回転部材の回転方向後方側に配置された第1端部を有し、
    前記第1端部は、前記ケース本体内に潤滑油が溜められている場合に、前記回転部材が回転していない停止状態及び前記回転部材が回転している運転状態の両方の状態において、潤滑油に浸漬され
    前記仕切部材と前記回転部材との間に、第2空間が形成されており、
    前記仕切部材は、前記第1および第2空間を接続する通路を有しており、
    前記通路は、前記回転部材が回転していない停止状態での油面及び前記回転部材が回転している運転状態での油面よりも上方に配置され、前記回転部材の軸方向から見た場合に、前記回転部材の回転方向前方側へいくにしたがって前記回転部材に近づくように傾斜している、
    変速機。
  3. 前記回転部材の軸方向から見た場合に、前記仕切部材の第1端部は、鋭角に形成されている、
    請求項1又は2に記載の変速機。
  4. 前記ケース本体は、前記潤滑油が溜められた部分を含むケース下部を有しており、
    前記ケース下部は、前記仕切部材と対向して配置され前記回転部材の半径方向外側に向かって窪んだ凹部を有している、
    請求項1からのいずれかに記載の変速機。
  5. 前記仕切部材は、前記ケース本体と一体成形されている、
    請求項1からのいずれかに記載の変速機。
  6. 前記回転部材は、ディファレンシャルギヤである、
    請求項1からのいずれかに記載の変速機。
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