JP2012078285A - 電気素子、集積素子及び電子回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板11上に、相変化物質14と、相変化物質14を加熱する発熱部13とが並列配置されている。更に、相変化物質14に光を発光部16から光導波路15を介して照射し、相変化物質14を透過した光を光導波路15を介して受光部17によって受光する。そして、発熱部13による加熱を行い、相転移温度時の受光部17によって変換出力された電気信号の変化を検出することで、相変化物質の相転移が起きたことを検出する。これにより、相転移を検出した時の発熱部13の温度に基づいて素子自身で温度較正を行うことができる。
【選択図】図8
Description
また、請求項2の発明は、請求項1記載の電気素子において、上記検出部は、上記相変化物質に光を照射する発光部と、上記相変化物質を透過した光を受光して電気信号に変換出力する受光部とを備え、上記検出部によって、上記受光部から電気信号に基づいて上記相変化物質の相転移が起きたことを検出することを特徴とするものである。
更に、請求項3の発明は、温度依存性を有する電気素子において、既知の相転移温度を持ち、光反射性の相変化物質を有する相変化部と、温度の変化に伴う上記相変化物質の光学特性の変化を検出し、検出した上記相変化物質の光学特性の変化によって上記相変化物質の相転移が起きたことを検出する検出部と、該検出部によって検出した相転移が起きたときの温度を既知の上記相転移温度とする温度較正を行う温度較正部と、を基板上に一体化して設けられていることを特徴とする電気素子である。
また、請求項4の発明は、請求項3記載の電気素子において、上記検出部は、上記相変化物質に光を照射する発光部と、上記相変化物質に反射した光を受光して電気信号に変換出力する受光部とを備え、上記検出部によって、上記受光部から電気信号に基づいて上記相変化物質の相転移が起きたことを検出することを特徴とするものである。
更に、請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気素子において、上記相変化物質を加熱する発熱部を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項2又は4に記載の電気素子において、上記発光部から照射された光を上記相変化物質に導く光導波路を設けることを特徴とするものである。
更に、請求項7の発明は、請求項2記載の電気素子において、上記相変化物質を通過した光を上記受光部に導く光導波路を設けることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項4記載の電気素子において、上記相変化物質に反射した光を上記受光部に導く光導波路を設けることを特徴とするものである。
更に、請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気素子において、少なくとも上記相変化部を設けた領域の上記基板に、空洞を設けることを特徴するものである。
また、請求項10の発明は、請求項9記載の電気素子において、上記発光部から照射されて上記相変化物質に反射した光を上記受光部に導く光路は、上記空洞の壁面で反射する光路であることを特徴とするものである。
更に、請求項11の発明は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気素子において、上記相変化物質は、国際温度目盛ITS−90に定義されている物質であることを特徴するものである。
また、請求項12の発明は、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気素子において、少なくとも上記相変化部を上記基板上に積層することを特徴とするものである。
更に、請求項13の発明は、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気素子において、少なくとも上記相変化部を上記基板上に並列に配置することを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項1〜13のいずれか1項に記載の電気素子において、発熱部に離間させた箇所に上記相変化物質を分散配置したことを特徴とするものである。
更に、請求項15の発明は、請求項14記載の電気素子において、上記発熱部を蛇行配置し、蛇行状の上記発熱部に沿って上記相変化部を並列に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項14記載の電気素子において、上記発熱部を蛇行配置し、蛇行状の上記発熱部に沿って上記相変化部を積層に設けたことを特徴とするものである。
更に、請求項17の発明は、請求項14記載の電気素子において、上記発熱部と上記相変化部とが、同心円となるようにそれぞれ配置したことを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項1〜17のいずれか1項に記載の電気素子において、上記発熱部と上記相変化部と間に電気絶縁材を設けることを特徴とするものである。
更に、請求項19の発明は、請求項1〜18のいずれか1項に記載の電気素子において、発熱部による温度検出範囲が上記相転移温度近傍の温度範囲内であることを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項1〜19のいずれか1項に記載の電気素子において、溶解して合金となる複数の上記相変化物質を設け、温度上昇によって上記各相変化物質が溶解して相変化物質の合金となり、合金の相変化物質の光学特性変化を検出して合金の上記相変化物質の相転移を検出することを特徴とするものである。
更に、請求項21の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気素子において、上記相変化部は、異なる既知の相転移温度の複数の上記相変化物質を有し、上記各相変化物質の各光学特性の変化を検出して上記各相変化物質の相転移をそれぞれ検出することを特徴とするものである。
また、請求項22の発明は、請求項1〜21のいずれか1項に記載の電気素子において、少なくとも上記相変化部の周囲を絶縁材で覆う表面保護膜を形成することを特徴とするものである。
更に、請求項23の発明は、請求項1〜22のいずれか1項に記載の電気素子を複数集積したこと特徴とするものである。
また、請求項24の発明は、請求項1〜23のいずれか1項に記載の電気素子と回路素子とを集積することを特徴とする集積回路である。
更に、請求項25の発明は、請求項1〜23のいずれか1項に記載の電気素子を、温度依存性のある半導体又は電子部品と共に集積することを特徴とする電子回路である。
図1は時間推移における温度変化及び電気抵抗値変化を示す特性図である。この例では1つの相変化物質の既知の融点をキャリブレーションに用いる例であり、この例において、図1に示すように一定の電流値の電流を供給させて相変化物質が相転移する温度(融点(凝固点):Mp)になると吸熱反応が生じる。相変化物質が個体であれば温度が上がっていくと相転移温度にて液体となりはじめ、全てが液体となる期間は相転移温度を維持し、全てが液体となった以降は再び温度が上昇する。そのため、発熱部の電気抵抗値において不連続な傾向が出現する。この発熱部の電気抵抗値R2のときの温度が相転移温度と判定できる。つまり、この電気抵抗値R2となったときが相転移温度となったことに相当する。相転移温度と電気抵抗値との関係が1対1の関係となり、この関係を用いることによりキャリブレーションを行うことができる。
発熱部の抵抗値R(Ω)と温度S(℃)の温度依存性は以下の式(1)で表すことができる。
R=R0×(1+α・S)・・・・(式1)
金属薄膜が加熱されて空気中の酸素によって酸化され色が変化するので、反射率の変化として検出できる。普通は徐々に酸化が進行するが、加熱ヒータは急速に所定の温度に到達するので、狭い温度範囲での反応として精度よく酸化温度が決定される。透過特性、反射特性、吸収特性等の光学特性が温度に依存して可逆的に変化できる物質である酸化バナジウムのサーモクロミック調光物質は、調光温度を元素添加などにより必要に応じて室温付近に精密に設定することができる。サーモトロピック液晶であって相転移温度が40℃から50℃のMBBA(Methoxy benziliden p-butyl aniline)は、液晶相と液体相とで光学的特性が異なる。これらは、光導波路と光学検出器を配置することによって検出できる。これらの光学特性に関する変化を検出することによって、既知の温度を温度標準に用いることができる。以下、相変化物質の光学特性の一つである光透過性を例としての概略を説明すると、相変化物質は光学的に透明な非結晶と光学的に不透明な結晶との間の相転移を行う物質であって、発光部へ電力を供給し発光させ、光導波路を通じて発熱部に近接させて配置した相変化物質へ光を導く。そして、相変化物質の透明性に応じて、相変化物質から光導波路を通じて受光部で発光部からの光量を検出し、受光部の検出リードにより電気信号として取り出すのである。
図16は実施形態の電気素子の別の並列構造を示す図である。同図の(a)は平面図、同図の(b)は同図の(a)のA−A'線断面図である。同図において、図8と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。図16に示す電気素子は、温度検出部を兼用する発熱部に相変化物質31と相変化物質32が並列配置されている。相変化物質31、32を発熱部で加熱し、相変化物質31と相変化物質32は既知の異なる温度で光学的に透明な非結晶と光学的に不透明な結晶との間の相転移を行う物質である。光学検出手段としての受光部17−1、17−2で相転移を検出し、また発熱部13により温度検出するしくみである。相変化物質31,32は平行に隣接した発熱部13によって、相変化物質31、32は既知の温度で光学的に透明な非結晶と光学的に不透明な結晶との間の相転移を行う物質であって、相転移を検出するにあたり、相変化物質31、32への光の入出を光導波路15−1、15−2をそれぞれ介し、発光部16−1、16−2、受光部17−1、17−2としてフォトダイオードが形成されている。発光部16−1、16−2へVaをそれぞれ印加し、発光部16−1、16−2から相変化物質31、32へ光をそれぞれ導く。そして、相変化物質の透明性に応じて、発光部16−1、16−2からの光量を受光部17−1、17−2でVrを出力することによって、相転移を判定する。発熱部13にIhの電流を印加し、発熱部13を発熱させ相変化物質31、32を既知の温度で相転移させる。相転移時の発熱部13の電流Ihと電圧Vhを測定し、抵抗値を算出し、発熱部抵抗値を温度へキャリブレーションすることにより発熱部を温度検出部として用いる。相変化物質の相転移温度で結晶性が変化する状態を、一方から入射光を導入し他方から出射する光透過性を検出する仕組みであるが、入射する光が相転移に伴い透過または吸収される状態から反射される状態に変化するのを検出する仕組みも可能である。光導波路15−1、15−2はSiO2等の透明材料であって、各リードはAl、Au、または発熱部と同一のPt、NiCrやSiなどの金属ないし導電性材料から成っている。
11 基板
12 リード
13 発熱部
14 相変化物質
15 光導波路
16 発光部
17 受光部
18 リード
19 検出リード
20 電気絶縁層
21 空洞
22 電気絶縁層
23 貫通空間
24 間隙
31 相変化物質
32 相変化物質
33 相変化物質
40 電子回路
50 入出力端子群
Claims (25)
- 温度依存性を有する電気素子において、
既知の相転移温度を持ち、光透過性の相変化物質を有する相変化部と、
温度の変化に伴う上記相変化物質の光学特性の変化を検出し、検出した上記相変化物質の光学特性の変化によって上記相変化物質の相転移が起きたことを検出する検出部と、
該検出部によって検出した相転移が起きたときの温度を既知の上記相転移温度とする温度較正を行う温度較正部と、を基板上に一体化して設けられていることを特徴とする電気素子。 - 請求項1記載の電気素子において、
上記検出部は、上記相変化物質に光を照射する発光部と、上記相変化物質を透過した光を受光して電気信号に変換出力する受光部とを備え、上記検出部によって、上記受光部から電気信号に基づいて上記相変化物質の相転移が起きたことを検出することを特徴とする電気素子。 - 温度依存性を有する電気素子において、
既知の相転移温度を持ち、光反射性の相変化物質を有する相変化部と、
温度の変化に伴う上記相変化物質の光学特性の変化を検出し、検出した上記相変化物質の光学特性の変化によって上記相変化物質の相転移が起きたことを検出する検出部と、
該検出部によって検出した相転移が起きたときの温度を既知の上記相転移温度とする温度較正を行う温度較正部と、を基板上に一体化して設けられていることを特徴とする電気素子。 - 請求項3記載の電気素子において、
上記検出部は、上記相変化物質に光を照射する発光部と、上記相変化物質に反射した光を受光して電気信号に変換出力する受光部とを備え、上記検出部によって、上記受光部から電気信号に基づいて上記相変化物質の相転移が起きたことを検出することを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気素子において、
上記相変化物質を加熱する発熱部を設けたことを特徴とする電気素子。 - 請求項2又は4に記載の電気素子において、
上記発光部から照射された光を上記相変化物質に導く光導波路を設けることを特徴とする電気素子。 - 請求項2記載の電気素子において、
上記相変化物質を通過した光を上記受光部に導く光導波路を設けることを特徴とする電気素子。 - 請求項4記載の電気素子において、
上記相変化物質に反射した光を上記受光部に導く光導波路を設けることを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気素子において、
少なくとも上記相変化部を設けた領域の上記基板に、空洞を設けることを特徴する電気素子。 - 請求項9記載の電気素子において、
上記発光部から照射されて上記相変化物質に反射した光を上記受光部に導く光路は、上記空洞の壁面で反射する光路であることを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気素子において、
上記相変化物質は、国際温度目盛ITS−90に定義されている物質であることを特徴する電気素子。 - 請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気素子において、
少なくとも上記相変化部を上記基板上に積層することを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気素子において、
少なくとも上記相変化部を上記基板上に並列に配置することを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜13のいずれか1項に記載の電気素子において、
発熱部に離間させた箇所に上記相変化物質を分散配置したことを特徴とする電気素子。 - 請求項14記載の電気素子において、
上記発熱部を蛇行配置し、蛇行状の上記発熱部に沿って上記相変化部を並列に設けたことを特徴とする電気素子。 - 請求項14記載の電気素子において、
上記発熱部を蛇行配置し、蛇行状の上記発熱部に沿って上記相変化部を積層に設けたことを特徴とする電気素子。 - 請求項14記載の電気素子において、
上記発熱部と上記相変化部とが、同心円となるようにそれぞれ配置したことを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜17のいずれか1項に記載の電気素子において、
上記発熱部と上記相変化部と間に電気絶縁材を設けることを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜18のいずれか1項に記載の電気素子において、
発熱部による温度検出範囲が上記相転移温度近傍の温度範囲内であることを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜19のいずれか1項に記載の電気素子において、
溶解して合金となる複数の上記相変化物質を設け、温度上昇によって上記各相変化物質が溶解して相変化物質の合金となり、合金の相変化物質の光学特性変化を検出して合金の上記相変化物質の相転移を検出することを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気素子において、
上記相変化部は、異なる既知の相転移温度の複数の上記相変化物質を有し、上記各相変化物質の各光学特性の変化を検出して上記各相変化物質の相転移をそれぞれ検出することを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜21のいずれか1項に記載の電気素子において、
少なくとも上記相変化部の周囲を絶縁材で覆う表面保護膜を形成することを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜22のいずれか1項に記載の電気素子を複数集積したこと特徴とする電気素子。
- 請求項1〜23のいずれか1項に記載の電気素子と回路素子とを集積することを特徴とする集積回路。
- 請求項1〜23のいずれか1項に記載の電気素子を、温度依存性のある半導体又は電子部品と共に集積することを特徴とする電子回路。
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