JP2012078247A - 電気素子、集積素子及び電子回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板11上に、導電性の相変化物質15と相変化物質15を加熱する発熱部13とが積層されている。更には、相変化物質15における温度変化に伴う相転移としての相変化物質15の粘性変化を検出する。そして、発熱部13によって加熱していくと、相変化物質15の粘性が既知の相転移温度にて変化する。具体的には、相変化物質15の粘性が変化することで通電状態となっていた相変化物質15が電極から離れ、検出リード16間は非通電になる。この非通電を検出することで相変化物質15の相転移が起きたことを検出する。これにより、相転移を検出した時の発熱部13の温度に基づいて素子自身で温度較正を行うことができる。
【選択図】図8
Description
また、請求項2の発明は、請求項1記載の電気素子において、上記相変化物質を加熱する発熱部を設けたことを特徴とするものである。
更に、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の電気素子において、上記検出部は既知の相転移温度時に上記相変化物質が非通電となることを検出することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3記載の電気素子において、上記検出部は、既知の相転移温度時に上記相変化物質が凝集して上記相変化物質に通電するために接続している端子との接続が遮断され、非通電となることを検出することを特徴とするものである。
更に、請求項5の発明は、請求項3記載の電気素子において、上記検出部は、既知の相転移温度時に上記相変化物質に通電するために接続している各端子側に上記相変化物質が凝集して上記相変化物質が分離し、非通電となることを検出することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1又は2に記載の電気素子において、上記検出部は、既知の相転移温度時に上記相変化物質が通電となることを検出することを特徴とするものである。
更に、請求項7の発明は、請求項6記載の電気素子において、上記検出部は、上記相変化物質に通電するために接続している各端子側に同一の上記相変化物質が各々接続され、かつ上記各相変化物質は離間しており、既知の相転移温度時に上記各相変化物質が流動して1つの相変化物質となって上記相変化物質が通電となることを検出することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気素子において、少なくとも上記相変化部を設けた領域の上記基板に、空洞を設けることを特徴するものである。
更に、請求項9の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気素子において、上記相変化物質は、国際温度目盛ITS−90に定義されている物質であることを特徴するものである。
また、請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気素子において、上記相変化部及び上記相変化部を加熱する発熱部を上記基板上に積層することを特徴とするものである。
更に、請求項11の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気素子において、上記相変化部及び上記相変化部を加熱する発熱部を上記基板上に並列に配置することを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気素子において、上記相変化部を加熱する発熱部に離間させた箇所に上記相変化物質を分散配置したことを特徴とするものである。
更に、請求項13の発明は、請求項12記載の電気素子において、上記発熱部を蛇行配置し、蛇行状の上記発熱部に沿って上記相変化部を並列に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項12記載の電気素子において、上記発熱部を蛇行配置し、蛇行状の上記発熱部に沿って上記相変化部を積層に設けたことを特徴とするものである。
更に、請求項15の発明は、請求項12記載の電気素子において、上記発熱部と上記相変化部とが、同心円となるようにそれぞれ配置したことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項12記載の電気素子において、上記発熱部を同心円の形状にし、上記相変化部を扇形に形成し、同心円の上記発熱部の円周内に、上記相変化部を上記発熱部と同心円となるように配置したことを特徴とするものである。
更に、請求項17の発明は、請求項1〜16のいずれか1項に記載の電気素子において、上記相変化部を加熱する発熱部と上記相変化部と間に電気絶縁材を設けることを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項1〜17のいずれか1項に記載の電気素子において、上記相変化部を加熱する発熱部による温度検出範囲が上記相転移温度近傍の温度範囲内であることを特徴とするものである。
更に、請求項19の発明は、請求項1〜18のいずれか1項に記載の電気素子において、溶解して合金となる複数の上記相変化物質を設け、温度上昇によって上記各相変化物質が溶解して相変化物質の合金となり、合金の相変化物質の相転移を検出することを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項1〜19のいずれか1項に記載の電気素子において、少なくとも上記相変化部を除く周囲を絶縁材で覆う表面保護膜を形成することを特徴とするものである。
更に、請求項21の発明は、請求項1〜20のいずれか1項に記載の電気素子を複数集積したこと特徴とするものである。
また、請求項22の発明は、請求項1〜21のいずれか1項に記載の電気素子と回路素子とを集積することを特徴とする集積回路である。
更に、請求項23の発明は、請求項1〜21のいずれか1項に記載の電気素子を、温度依存性のある半導体又は電子部品と共に集積することを特徴とする電子回路である。
図1は時間推移における温度変化及び電気抵抗値変化を示す特性図である。この例では1つの相変化物質の既知の融点をキャリブレーションに用いる例であり、この例において、図1に示すように一定の電流値の電流を供給させて相変化物質が相転移する温度(融点(凝固点):Mp)になると吸熱反応が生じる。相変化物質が個体であれば温度が上がっていくと相転移温度にて液体となりはじめ、全てが液体となる期間は相転移温度を維持し、全てが液体となった以降は再び温度が上昇する。そのため、発熱部の電気抵抗値において不連続な傾向が出現する。この発熱部の電気抵抗値R2のときの温度が相転移温度と判定できる。つまり、この電気抵抗値R2となったときが相転移温度となったことに相当する。相転移温度と電気抵抗値との関係が1対1の関係となり、この関係を用いることによりキャリブレーションを行うことができる。
発熱部の抵抗値R(Ω)と温度S(℃)の温度依存性は以下の式(1)で表すことができる。
R=R0×(1+α・S)・・・・(式1)
図8は実施形態の電気素子の構造を示す断面図である。同図では相変化物質が固体から液体への相転移に伴う相変化部の粘性変化に伴う形状変化を説明している。導電性の相変化物質の粘性変化に伴う形状変化を導電性の有無として、あるいは形状変化による電気抵抗値変化、移動に伴う熱容量の変化、粘性変化や移動に伴う固有振動数の変化を検出することによって、既知の温度であることが検出できる。ここでは、導電性の相変化物質の粘性変化による形状変化に伴った通電の有無として検出する仕組みについて述べる。同図に示す電気素子において、同図の(a)に示すように、基板11上に電気絶縁層12を積層し、更に発熱部13を積層する。更に発熱部13上に電気絶縁層14を介在した上で、相変化物質15を2つの検出リード16間にまたがって連続配置されている。そして、発熱部13の発熱によって、固体の相変化物質15は既知の相転移温度になると、液化によって表面張力が発生し、同図の(b)に示すように中央へ凝集する。すると、相変化物資15と2つの検出リードから離れ、その結果2つの検出リード間の電気接続がOFFになる。このように、相変化物質の導通状態を検出することで相変化物質の相転移を検出できる。なお、表面張力が大きく、相変化物質の下層との付着力が小さい相変化物質として、Snが適する。よって、検出リード間の電気接続がOFFとなったときの温度が既知の相転移温度となる。
図11は実施形態の電気素子の積層構造を示す図である。同図の(a)は平面図、同図の(b)は同図の(a)のA−A’線断面図である。図11に示すような積層配置した構造の電気素子では、2つの相変化物質15の間に隙間18が設けられている。そして、各相変化物質15にはそれぞれ検出用リード16が接続されている。このような構造を有する電気素子によれば、既知の相転移温度を有する相変化物質が当該相転移温度になると粘性が高くなって流動する。この粘性変化で2つの相変化物質15が電気的に接続して、2つの検出リード16間の電気接続がONになる。よって、2つの検出リード16間の電気接続がONとなったときの既知の相転移温度を基準温度に用いることができる。
11 基板
12 リード
13 発熱部
14 電気絶縁層
15 相変化物質
16 検出リード
17 空洞
18 隙間
19 リード
20 電気絶縁層
31 相変化物質
32 相変化物質
33 相変化物質
40 電子回路
50 入出力端子群
Claims (23)
- 温度依存性を有する電気素子において、
既知の相転移温度を持ち、導電性の相変化物質を有する相変化部と、
温度の変化に伴う上記相変化物質の通電状態の変化を検出し、検出した上記相変化物質の通電状態の変化によって上記相変化物質の相転移が起きたことを検出する検出部と、
該検出部によって検出した相転移が起きたときの温度を既知の上記相転移温度とする温度較正を行う温度較正部と、
を基板上に一体化して設けられていることを特徴とする電気素子。 - 請求項1記載の電気素子において、
上記相変化物質を加熱する発熱部を設けたことを特徴とする電気素子。 - 請求項1又は2に記載の電気素子において、
上記検出部は既知の相転移温度時に上記相変化物質が非通電となることを検出することを特徴とする電気素子。 - 請求項3記載の電気素子において、
上記検出部は、既知の相転移温度時に上記相変化物質が凝集して上記相変化物質に通電するために接続している端子との接続が遮断され、非通電となることを検出することを特徴とする電気素子。 - 請求項3記載の電気素子において、
上記検出部は、既知の相転移温度時に上記相変化物質に通電するために接続している各端子側に上記相変化物質が凝集して上記相変化物質が分離し、非通電となることを検出することを特徴とする電気素子。 - 請求項1又は2に記載の電気素子において、
上記検出部は、既知の相転移温度時に上記相変化物質が通電となることを検出することを特徴とする電気素子。 - 請求項6記載の電気素子において、
上記検出部は、上記相変化物質に通電するために接続している各端子側に同一の上記相変化物質が各々接続され、かつ上記各相変化物質は離間しており、既知の相転移温度時に上記各相変化物質が流動して1つの相変化物質となって上記相変化物質が通電となることを検出することを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気素子において、
少なくとも上記相変化部を設けた領域の上記基板に、空洞を設けることを特徴する電気素子。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気素子において、
上記相変化物質は、国際温度目盛ITS−90に定義されている物質であることを特徴する電気素子。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気素子において、
上記相変化部及び上記相変化部を加熱する発熱部を上記基板上に積層することを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気素子において、
上記相変化部及び上記相変化部を加熱する発熱部を上記基板上に並列に配置することを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気素子において、
上記相変化部を加熱する発熱部に離間させた箇所に上記相変化物質を分散配置したことを特徴とする電気素子。 - 請求項12記載の電気素子において、
上記発熱部を蛇行配置し、蛇行状の上記発熱部に沿って上記相変化部を並列に設けたことを特徴とする電気素子。 - 請求項12記載の電気素子において、
上記発熱部を蛇行配置し、蛇行状の上記発熱部に沿って上記相変化部を積層に設けたことを特徴とする電気素子。 - 請求項12記載の電気素子において、
上記発熱部と上記相変化部とが、同心円となるようにそれぞれ配置したことを特徴とする電気素子。 - 請求項12記載の電気素子において、
上記発熱部を同心円の形状にし、上記相変化部を扇形に形成し、同心円の上記発熱部の円周内に、上記相変化部を上記発熱部と同心円となるように配置したことを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜16のいずれか1項に記載の電気素子において、
上記相変化部を加熱する発熱部と上記相変化部と間に電気絶縁材を設けることを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜17のいずれか1項に記載の電気素子において、
上記相変化部を加熱する発熱部による温度検出範囲が上記相転移温度近傍の温度範囲内であることを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜18のいずれか1項に記載の電気素子において、
溶解して合金となる複数の上記相変化物質を設け、温度上昇によって上記各相変化物質が溶解して相変化物質の合金となり、合金の相変化物質の相転移を検出することを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜19のいずれか1項に記載の電気素子において、
少なくとも上記相変化部を除く周囲を絶縁材で覆う表面保護膜を形成することを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜20のいずれか1項に記載の電気素子を複数集積したこと特徴とする電気素子。
- 請求項1〜21のいずれか1項に記載の電気素子と回路素子とを集積することを特徴とする集積回路。
- 請求項1〜21のいずれか1項に記載の電気素子を、温度依存性のある半導体又は電子部品と共に集積することを特徴とする電子回路。
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