JP2012078246A - 電気素子、集積素子及び電子回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板11上に、相変化物質15と相変化物質15を加熱する発熱部13とが積層されている。更には、相変化物質15における温度変化に伴う相転移としての相変化物質15の体積変化を検出する相転移検出層14を相変化物質15に当接して積層されている。相転移検出層14は圧電効果を有しており、温度変化に伴い相変化物質15の体積が変化するとこの体積変化が相転移検出層14への圧力変化となる。転移検出層14によって圧力変化に対する変位電圧を出力する。その変位電圧を検出することで、相変化物質の相転移が起きたことを検出する。そして、検出した相転移が起きたときの温度を既知の相転移温度とする温度較正を素子自身で行うことができる。
【選択図】図8
Description
また、請求項2の発明は、請求項1記載の電気素子において、上記相変化物質を加熱する発熱部を設けたことを特徴とするものである。
更に、請求項3の発明は、請求項1記載の電気素子において、上記検出部によって温度変化に伴って既知の相転移温度時に上記相変化物質の体積変化としての変位電圧を検出し、検出した変位電圧を上記相変化物質における温度変化に伴う相転移が起きたとすることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1記載の電気素子において、上記検出部によって温度変化に伴って既知の相転移温度時に上記相変化物質の応力変化としての変位電圧を検出し、検出した変位電圧を上記相変化物質における温度変化に伴う相転移が起きたとすることを特徴とするものである。
更に、請求項5の発明は、請求項1記載の電気素子において、上記検出部によって温度変化に伴って既知の相転移温度時に上記相変化物質の固有振動数変化としての変位電圧を検出し、検出した変位電圧を上記相変化物質における温度変化に伴う相転移が起きたとすることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気素子において、少なくとも上記相変化部を設けた領域の上記基板に、空洞を設けることを特徴するものである。
更に、請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気素子において、上記相変化物質は、国際温度目盛ITS−90に定義されている物質であることを特徴するものである。
また、請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気素子において、上記相変化部、上記相変化物質を加熱する発熱部及び上記検出部を上記基板上に積層することを特徴とするものである。
更に、請求項9の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気素子において、上記相変化部、上記相変化物質を加熱する発熱部及び上記検出部を上記基板上に並列に配置することを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気素子において、上記相変化物質を加熱する発熱部に離間させた箇所に上記相変化物質を分散配置したことを特徴とするものである。
更に、請求項11の発明は、請求項10記載の電気素子において、上記発熱部を蛇行配置し、蛇行状の上記発熱部に沿って上記相変化物質を並列に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項10記載の電気素子において、上記発熱部を蛇行配置し、蛇行状の上記発熱部に沿って上記相変化物質を積層に設けたことを特徴とするものである。
更に、請求項13の発明は、請求項10記載の電気素子において、上記発熱部と上記相変化物質と上記検出部とが、同心円となるようにそれぞれ配置したことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項10記載の電気素子において、上記発熱部を同心円の形状にし、上記相変化物質及び上記検出部を扇形に形成し、同心円の上記発熱部の円周内に、上記相変化物質及び上記検出部を上記発熱部と同心円となるように交互に配置したことを特徴とするものである。
更に、請求項15の発明は、請求項1〜14のいずれか1項に記載の電気素子において、上記相変化物質、上記相変化物質を加熱する発熱部、上記検出部又は上記基板のうち少なくとも1つが導電性材料で構成されていれば、導電性である部材を電気絶縁材で電気的に絶縁することを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項1〜15のいずれか1項に記載の電気素子において、上記相変化物質を加熱する発熱部による温度検出範囲が上記相転移温度近傍の温度範囲内であることを特徴とするものである。
更に、請求項17の発明は、請求項1記載の電気素子において、上記検出部は、上記相変化物質を挟持し、温度の変化に伴って上記相変化物質の相転移が起きたことを検出することを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項1〜17のいずれか1項に記載の電気素子において、上記相変化部が既知の上記相転移温度の異なる複数の相変化物質を有する場合、上記検出部は上記各相変化物質における温度変化に伴う各相転移を検出することを特徴とするものである。
更に、請求項19の発明は、請求項18記載の電気素子において、溶解して合金となる複数の上記相変化物質を設け、温度上昇によって上記各相変化物質が溶解して相変化物質の合金となり、合金の相変化物質の相転移を検出することを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項1〜19のいずれか1項に記載の電気素子において、少なくとも上記相変化部の周囲を絶縁材で覆う表面保護膜を形成することを特徴とするものである。
更に、請求項21の発明は、請求項1〜20のいずれか1項に記載の電気素子を複数集積したこと特徴とするものである。
また、請求項22の発明は、請求項1〜21のいずれか1項に記載の電気素子と回路素子とを集積することを特徴とする集積回路である。
更に、請求項23の発明は、請求項1〜21のいずれか1項に記載の電気素子を、温度依存性のある半導体又は電子部品と共に集積することを特徴とする電子回路である。
図1は時間推移における温度変化及び電気抵抗値変化を示す特性図である。この例では1つの相変化物質の既知の融点をキャリブレーションに用いる例であり、この例において、図1に示すように一定の電流値の電流を供給させて相変化物質が相転移する温度(融点(凝固点):Mp)になると吸熱反応が生じる。相変化物質が個体であれば温度が上がっていくと相転移温度にて液体となりはじめ、全てが液体となる期間は相転移温度を維持し、全てが液体となった以降は再び温度が上昇する。そのため、発熱部の電気抵抗値において不連続な傾向が出現する。この発熱部の電気抵抗値R2のときの温度が相転移温度と判定できる。つまり、この電気抵抗値R2となったときが相転移温度となったことに相当する。相転移温度と電気抵抗値との関係が1対1の関係となり、この関係を用いることによりキャリブレーションを行うことができる。
発熱部の抵抗値R(Ω)と温度S(℃)の温度依存性は以下の式(1)で表すことができる。
R=R0×(1+α・S)・・・・(式1)
図8は実施形態の電気素子の積層構造を示す図である。同図の(a)は平面図、同図の(b)は同図の(a)のA−A’線断面図である。図8に示すような積層配置した構造の電気素子では、発熱部13と相変化物質15が極近接し伝熱も均等になり、熱容量も小さく、迅速にキャリブレーションが完了し高精度の温度検出が可能になる。電気絶縁性材料のガラスやセラミックからなる基板11上に、Si、Pt、NiCr、SiC,Cなどの導電性物質からなる電力供給用の1組のリード12とリード先端の発熱部13とを配置し、発熱部13上に電気絶縁層17を介して圧電効果を有するPZT等のパターンを配した相転移検出層14を積層する。更に、相転移検出層14上に相変化物質15を積層して一体化している。相転移検出層14には検出用のリード16が形成されている。このような構造を有する電気素子によれば、既知の相転移温度を有する相変化物質が当該相転移温度に体積変化するので寸法変位として、あるいは軟化するので剛性が低下して応力が変化する。この体積変化又は応力変化を、圧電効果による検出によって、既知の相転移温度を基準温度に用いることができる。詳細には、既知の融点の物質が溶解時に軟化するので剛性が低下する。また、タンタル酸ニオブ酸カリウム(KTa1-xNbxO3)は相転移温度にて結晶の構造相転移を生じ、誘電率と二次電気光学定数(Kerr定数)が最大となり、発振周波数が相転移温度35.6℃付近で急激に変化する。これらを、固有振動数に関する変化を検出することによって、既知の温度を温度標準に用いることができる。図8の電気素子によれば、発熱部13にリード12を介して電流を供給して発熱部13によって発熱させる。そして、発熱部13に隣接された相変化物質15の相転移となると、相転移温度で相変化物質15の固有振動数や電圧が変化する。これにより、固有振動数の変化を検出リード16間の交流周波数変化として、あるいはピエゾ抵抗効果による変位電圧として検出することができる。これにより、上述した原理に基づいて交流周波数変化又は変位電圧を検出することで相変化物質15の相変移温度となったことを検知する。
図27は実施形態の電気素子の別の積層構造を示す図である。同図において、図9と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図の(a)は平面図、同図の(b)は同図の(a)のA−A’線断面図である。図8と異なる図27の電気素子は、電気絶縁性材料のガラスやセラミックからなる基板上11に、Si、Pt、NiCr、SiC,Cなどの導電性材料からなる電力供給用の1組のリード12とリード先端の発熱部13とを配置し、発熱部13に隣接して電気絶縁層17上に圧電効果を有するPZT等のパターンを配した相転移検出層14を積層する。更に、相転移検出層14上に相転移温度が互いに異なる相変化物質21、22を交互に配列して積層して一体化している。このような構造を有する電気素子によれば、異なる既知の相転移温度を有する相変化物質21、22が当該各相転移温度に体積変化するので寸法変位として、あるいは軟化するので剛性が低下して応力がそれぞれ変化する。この体積変化又は応力変化を、圧電効果による検出によって、既知の相転移温度を基準温度に用いることができる。また、空洞18上では基板11と分離しているので、圧電物質が変位もしくは振動しやすく、高感度で相転移が検出できる。
11 基板
12 リード
13 発熱部
14 相転移検出層
15 相変化物質
16 検出リード
17 電気絶縁層
18 空洞
21 相変化物質
22 相変化物質
31 Siダイアフラム
32 拡散抵抗
33 Al配線層
40 電子回路
41 相変化物質
42 相変化物質
43 相変化物質
50 入出力端子群
Claims (23)
- 温度依存性を有する電気素子において、
既知の相転移温度を持つ少なくとも1つの相変化物質を有する相変化部と、
温度の変化に伴って上記相変化物質の相転移が起きたことを圧電効果によって検出する検出部と、
該検出部によって検出した相転移が起きたときの温度を既知の上記相転移温度とする温度較正を行う温度較正部と、
を基板上に一体化して設けられていることを特徴とする電気素子。 - 請求項1記載の電気素子において、
上記相変化物質を加熱する発熱部を設けたことを特徴とする電気素子。 - 請求項1記載の電気素子において、
上記検出部によって温度変化に伴って既知の相転移温度時に上記相変化物質の体積変化としての変位電圧を検出し、検出した変位電圧を上記相変化物質における温度変化に伴う相転移が起きたとすることを特徴とする電気素子。 - 請求項1記載の電気素子において、
上記検出部によって温度変化に伴って既知の相転移温度時に上記相変化物質の応力変化としての変位電圧を検出し、検出した変位電圧を上記相変化物質における温度変化に伴う相転移が起きたとすることを特徴とする電気素子。 - 請求項1記載の電気素子において、
上記検出部によって温度変化に伴って既知の相転移温度時に上記相変化物質の固有振動数変化としての変位電圧を検出し、検出した変位電圧を上記相変化物質における温度変化に伴う相転移が起きたとすることを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気素子において、
少なくとも上記相変化部を設けた領域の上記基板に、空洞を設けることを特徴する電気素子。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気素子において、
上記相変化物質は、国際温度目盛ITS−90に定義されている物質であることを特徴する電気素子。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気素子において、
上記相変化部、上記相変化物質を加熱する発熱部及び上記検出部を上記基板上に積層することを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気素子において、
上記相変化部、上記相変化物質を加熱する発熱部及び上記検出部を上記基板上に並列に配置することを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気素子において、
上記相変化物質を加熱する発熱部に離間させた箇所に上記相変化物質を分散配置したことを特徴とする電気素子。 - 請求項10記載の電気素子において、
上記発熱部を蛇行配置し、蛇行状の上記発熱部に沿って上記相変化物質を並列に設けたことを特徴とする電気素子。 - 請求項10記載の電気素子において、
上記発熱部を蛇行配置し、蛇行状の上記発熱部に沿って上記相変化物質を積層に設けたことを特徴とする電気素子。 - 請求項10記載の電気素子において、
上記発熱部と上記相変化物質と上記検出部とが、同心円となるようにそれぞれ配置したことを特徴とする電気素子。 - 請求項10記載の電気素子において、
上記発熱部を同心円の形状にし、上記相変化物質及び上記検出部を扇形に形成し、同心円の上記発熱部の円周内に、上記相変化物質及び上記検出部を上記発熱部と同心円となるように交互に配置したことを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜14のいずれか1項に記載の電気素子において、
上記相変化物質、上記相変化物質を加熱する発熱部、上記検出部又は上記基板のうち少なくとも1つが導電性材料で構成されていれば、導電性である部材を電気絶縁材で電気的に絶縁することを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜15のいずれか1項に記載の電気素子において、
上記相変化物質を加熱する発熱部による温度検出範囲が上記相転移温度近傍の温度範囲内であることを特徴とする電気素子。 - 請求項1記載の電気素子において、
上記検出部は、上記相変化物質を挟持し、温度の変化に伴って上記相変化物質の相転移が起きたことを検出することを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜17のいずれか1項に記載の電気素子において、
上記相変化部が既知の上記相転移温度の異なる複数の相変化物質を有する場合、上記検出部は上記各相変化物質における温度変化に伴う各相転移を検出することを特徴とする電気素子。 - 請求項18記載の電気素子において、
溶解して合金となる複数の上記相変化物質を設け、温度上昇によって上記各相変化物質が溶解して相変化物質の合金となり、合金の相変化物質の相転移を検出することを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜19のいずれか1項に記載の電気素子において、
少なくとも上記相変化部の周囲を絶縁材で覆う表面保護膜を形成することを特徴とする電気素子。 - 請求項1〜20のいずれか1項に記載の電気素子を複数集積したこと特徴とする電気素子。
- 請求項1〜21のいずれか1項に記載の電気素子と回路素子とを集積することを特徴とする集積回路。
- 請求項1〜21のいずれか1項に記載の電気素子を、温度依存性のある半導体又は電子部品と共に集積することを特徴とする電子回路。
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